JP2017015147A - 転動装置 - Google Patents

転動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017015147A
JP2017015147A JP2015131037A JP2015131037A JP2017015147A JP 2017015147 A JP2017015147 A JP 2017015147A JP 2015131037 A JP2015131037 A JP 2015131037A JP 2015131037 A JP2015131037 A JP 2015131037A JP 2017015147 A JP2017015147 A JP 2017015147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressive stress
life
stress value
depth
mpa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015131037A
Other languages
English (en)
Inventor
祐太 坂井
Yuta Sakai
祐太 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2015131037A priority Critical patent/JP2017015147A/ja
Publication of JP2017015147A publication Critical patent/JP2017015147A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

【課題】ガラス製の軸受構成部材を備える転動装置の長寿命化を図る。
【解決手段】内方部材、外方部材及び転動体の少なくとも1つが、ケイ酸塩ガラス製で、表面にフッ化物溶剤を作用させた後、表面から20μmの位置の圧縮応力値が400MPa以上で、かつ、表面から深さ100μmの位置の圧縮応力値が150MPa以上に化学強化された転動装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、内方部材、外方部材及び転動体の少なくと1つがガラス製である転動装置に関する。
従来から、内方部材や外方部材、転動体(以下、「軸受構成部材」ともいう)の熱膨張による微小寸法変化に起因する回転精度を悪化させない目的や、電食による軸受寿命の低下を防ぐ目的で、あるいは高速回転の実現や高速回転下での耐久性の向上等を目的として、軸受構成部材を結晶化ガラスや強化ガラスで形成した転動装置が使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2001−27251号公報 特開2013−72491号公報 特許第4243781号公報
しかしながら、従来のガラス製の軸受構成部材を備える転動装置では、軸受構成部材の表面には、研磨後も微小のキズが多数存在しており、繰り返し応力が加わるとキズの先端から亀裂が進展して、早期に転がり寿命に至るという問題がある。そこで本発明は、ガラス製の軸受構成部材を備える転動装置の長寿命化を目的にする。
上記課題を解決するために本発明は、内方部材、外方部材及び転動体を備える転動装置において、前記内方部材、前記外方部材及び前記転動体の少なくとも1つが、ケイ酸塩ガラス製であり、表面にフッ化物溶剤を作用させた後、表面から20μmの位置の圧縮応力値が400MPa以上で、かつ、表面から深さ100μmの位置の圧縮応力値が150MPa以上となるように化学強化されていることを特徴とする転動装置を提供する。
本発明の転動装置は、ガラス製の軸受構成部材の表面がフッ化物溶剤で処理されて亀裂の起点となるキズが除去されており、更には、表面から特定の深さにおける圧縮応力値が特定値以上に大きくなるように化学強化されているため、寿命が大幅に延びている。
本発明の転動装置の一例を示す断面図である。 フッ酸エッチングの有無による効果を検証するために行った試験結果を示すグラフである。 圧縮応力深さ20μmの位置の圧縮応力値と、寿命比との関係を示すグラフである。 圧縮応力深さ100μmの位置の圧縮応力値と、寿命比との関係を示すグラフである。 実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた、フッ酸エッチングの有無と、寿命比との関係を示すグラフである。 実施例1〜8及び比較例5、6で得られた、圧縮応力深さ20μmの位置の圧縮応力値と、寿命比との関係を示すグラフである。 実施例7〜9及び比較例7〜8で得られた、圧縮応力深さ100μmの位置の圧縮応力値と、寿命比との関係を示すグラフである。 式1の値と、寿命比との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
本発明において、転がり軸受の構造には制限はなく、例えば図1に断面図で示すような玉軸受を例示することができる。図示される玉軸受は、外輪1と内輪2との間に、玉3が転動自在に介装してあり、玉3は保持器4により所定間隔に維持するようになっている。外輪1及び内輪2の両側部には、それぞれシール溝11,12が形成しており、外輪1のシール溝11には、芯金部材21と一体化したシール部材20が装着されており、シールリップ22の接触面22aが内輪2のシール溝12に接触するように構成されている。また、内輪2とシールリップ22との間の空間Sに潤滑剤が封入される。
本発明では、外輪1、内輪2及び玉3の少なくとも1つをケイ酸塩ガラス製とする。即ち、外輪1、内輪2及び玉3の全てをケイ酸塩ガラス製とすることもできるし、何れか1つをケイ酸塩ガラス製とすることもできる。何れか1つをケイ酸塩ガラス製とする場合、ガラス製では無い他の軸受構成部材は、SUJ2鋼やSUS鋼、13Cr鋼、SUS440C鋼等の金属製とする。
ケイ酸塩ガラス製の軸受構成部材の表面には無数のキズが存在しており、キズ先端から亀裂が進展して寿命を短くする原因になっている。そこで本発明では、先ず、フッ化物溶剤を作用させて、亀裂源となるキズを除去する。尚、フッ化物溶剤としては、ガラスに対するエッチング能力に優れるフッ酸系のエッチング液が好ましい。
次いで、化学強化して圧縮応力層を形成する。フッ化物溶剤によってキズ除去を行っているが、残存しているキズが起点となって亀裂が進展することがあるが、化学強化して圧縮応力層を形成することにより、亀裂の進展を抑制することができる。また、新たなキズが形成されることも考えらえるが、応力圧縮層により新たなキズが形成され難くなるという効果も得られる。
また、化学強化に際して、表面から20μmの位置での圧縮応力値が400MPa以上で、かつ、表面から深さが100μmの位置での圧縮応力値が150MPa以上になるようにする。尚、以降の説明では、圧縮応力が付与されている領域の深さを「圧縮応力深さ」と呼ぶ。この圧縮応力深さが20μmでの圧縮応力値が400MPa未満、あるいは圧縮応力深さ100μmでの圧縮応力値が150MPa未満であると、フッ化物溶剤によるキズ除去処理を施しても、寿命延長効果が十分に得られない。
化学強化では、ケイ酸塩ガラスの組成や強化時間により、圧縮応力値と圧縮応力深さとを変化させることができるが、大きな圧縮応力と大きな圧縮応力深さとを同時に付与することはできない。転動体の表面には内外輪との接触による引張応力が作用し、内部にはせん断応力が作用する。表面の圧縮応力が小さいと表面に存在するキズの先端からの亀裂の進展を抑制できず、転がり寿命が短くなる。一方で、圧縮応力深さが浅いと、材料内部に発生するせん断応力により、材料内部で亀裂が発生・進展して転がり寿命が短くなる。そのため、圧縮応力と圧縮応力深さとの最適な組み合わせが存在し、本発明では上記したように、圧縮応力深さが20μm及び100μmの各位置での圧縮応力値を上記値に規定することにより、表面及び内部での亀裂の発生あるいは進展を効果的に抑制する。
尚、化学強化は、フッ化物溶剤を作用させた後の軸受部材を、溶融塩に浸漬することで行うことができ、溶融塩としては、処理性能から硝酸カリウム(KNO)を主成分とするものが好ましい。そして、溶融塩の温度や浸漬時間により、上記した圧縮応力深さでの圧縮応力値となるように調整する。
上記したように、フッ化物溶剤によるキズ除去と、特定の圧縮応力層の形成との組み合わせによる効果について、下記の試験を行った。
ケイ酸塩ガラス球を作製し、(1)フッ酸によるエッチングを施した後、350〜450℃の硝酸カリウム溶融塩に浸漬して化学強化した場合と、(2)フッ酸によるエッチングをせずに、同様の化学強化のみを行った場合とで、寿命を比較した。化学強化は、何れも、圧縮応力深さ20μmでの圧縮応力値が600MPa以上で、圧縮応力深さ100μmでの圧縮応力値が150MPa以上となるように調整した。尚、圧縮応力深さ及び圧縮応力値は、表面応力計を用いて観察し、干渉縞の本数とその間隔から求めた。また、寿命試験は下記条件にて行い、L10寿命を測定し、計算寿命Lcalとの寿命比(L10/Lcal)を求めた。尚、寿命試験はそれぞれ10回(N=10)行った。
<寿命試験条件>
・荷重:9800N
・玉サイズ:3/8インチ
・玉数:3球
・回転数:1000min−1
・軸受:51305
・内外輪材料:SUJ2
・潤滑:RO68 油浴潤滑
結果を表1及び図2に示すが、フッ酸エッチング後に化学強化することにより、計算寿命よりも長寿命になっている。
Figure 2017015147
また、圧縮応力深さ20μm及び100μmにおける圧縮応力値を検証するために、下記の試験を行った。
ケイ酸塩ガラス球を作製し、フッ酸エッチングを行った後、表2及び表3に示すように圧縮応力深さが20μmまたは100μmにおいて、それぞれの圧縮応力値が異なるように化学強化した。化学強化では、350〜450℃の硝酸カリウムを主成分とする溶融塩を用い、浸漬時間を変えることにより圧縮応力深さ20μmまたは100μmにおける圧縮応力値を調整した。そして、下記条件にて寿命試験を行い、L10寿命と計算寿命Lcalとの寿命比(L10/Lcal)を求めた。尚、試験回数はそれぞれ10回(N=10)である。
<寿命試験条件>
・荷重:9800N
・玉サイズ:3/8インチ
・玉数:3球
・回転数:1000min−1
・軸受:51305
・内外輪材料:SUJ2
・潤滑:RO68 油浴潤滑
結果を表2、3及び図3、4に示すが、フッ酸エッチング後に、圧縮応力深さ20μmにおける圧縮応力値を400MPa以上、圧縮応力深さ100μmにおける圧縮応力値を150MPa以上にすることにより、計算寿命よりも長寿命になっている。フッ酸エッチングを行っても、圧縮応力深さ20μmにおける圧縮応力値が400MPa未満、圧縮応力深さ100μmにおける圧縮応力値が150MPa未満では、計算寿命よりも長寿命にはならない。
Figure 2017015147
Figure 2017015147
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1〜8)
ケイ酸塩ガラス球を作製し、表4に示すように、フッ酸エッチングの有無、圧縮応力深さ20μmまたは100μmにおける圧縮応力値が異なるように化学強化した、化学強化は、350〜450℃の硝酸カリウムを主成分とする溶融塩を用い、浸漬時間を変えることにより圧縮応力深さ20μmまたは100μmにおける圧縮応力値を調整した。そして、下記条件にて寿命試験を行い、L10寿命と計算寿命Lcalとの寿命比(L10/Lcal)を求めた。
<寿命試験条件>
・荷重:9800N
・玉サイズ:3/8インチ
・玉数:3球
・回転数:1000min−1
・軸受:51305
・内外輪材料:SUJ2
・潤滑:RO68 油浴潤滑
結果を表4及び図5〜7に示す。図5は、実施例1〜4と、比較例1〜4の寿命比をグラフ化して示しているが、圧縮応力深さ20μmの圧縮応力値及び圧縮応力深さ100μmの圧縮応力値が同じであっても、化学強化の前にフッ酸エッチチングを行うことにより、3〜4倍もの寿命延長効果が得られることがわかる。また、図6及び図7に示すように、フッ酸エッチング後に化学強化した場合、圧縮応力深さが20μm及び100μmともに、圧縮応力値が大きくなるほど長寿命になる傾向が見られるが、圧縮応力深さが20μmでは圧縮応力値が400MPa以上、圧縮応力深さが100μmでは圧縮応力値が150MPa以上になると、寿命延長効果が格段に大きくなることがわかる。
また、実施例及び比較例から、フッ酸エッチング有無において、有りの場合を55、無しの場合を1とするとき、圧縮応力深さが20μm及び100μmの各圧縮応力値との間で表される式1の値と、寿命比との間に相関があることを見出した。そして、式1の値が14以上であるときに寿命比を大きくすることができ、28以上であるときに特に長寿命になることが判明した。式1の値を表4に併記するとともに、図8に寿命比との関係をグラフ化して示す。
式1={(圧縮応力深さが20μmの圧縮応力値−350)/(圧縮応力深さ100μmの圧縮応力値−100)/10000}×フッ酸エッチングの有無
Figure 2017015147
1 外輪(内方部材)
2 内輪(外方部材)
3 玉(転動体)
4 保持器
20 シール部材
21 芯金部材
22 シールリップ
22a 接触面

Claims (1)

  1. 内方部材、外方部材及び転動体を備える転動装置において、
    前記内方部材、前記外方部材及び前記転動体の少なくとも1つが、ケイ酸塩ガラス製であり、表面にフッ化物溶剤を作用させた後、表面から20μmの位置の圧縮応力値が400MPa以上で、かつ、表面から深さ100μmの位置の圧縮応力値が150MPa以上となるように化学強化されていることを特徴とする転動装置。
JP2015131037A 2015-06-30 2015-06-30 転動装置 Pending JP2017015147A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131037A JP2017015147A (ja) 2015-06-30 2015-06-30 転動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131037A JP2017015147A (ja) 2015-06-30 2015-06-30 転動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017015147A true JP2017015147A (ja) 2017-01-19

Family

ID=57830139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015131037A Pending JP2017015147A (ja) 2015-06-30 2015-06-30 転動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017015147A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017217321A1 (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 日本電気硝子株式会社 ガラス転動体
WO2018110224A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 日本電気硝子株式会社 球状ガラス及びガラス転動体の製造方法
WO2018235663A1 (ja) * 2017-06-19 2018-12-27 日本電気硝子株式会社 転動装置及び球状ガラス
WO2019009069A1 (ja) * 2017-07-04 2019-01-10 Agc株式会社 ガラスボール
WO2019031189A1 (ja) * 2017-08-08 2019-02-14 日本電気硝子株式会社 強化ガラス板及び強化ガラス球

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017217321A1 (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 日本電気硝子株式会社 ガラス転動体
JPWO2017217321A1 (ja) * 2016-06-14 2019-06-13 日本電気硝子株式会社 ガラス転動体
WO2018110224A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 日本電気硝子株式会社 球状ガラス及びガラス転動体の製造方法
WO2018235663A1 (ja) * 2017-06-19 2018-12-27 日本電気硝子株式会社 転動装置及び球状ガラス
WO2019009069A1 (ja) * 2017-07-04 2019-01-10 Agc株式会社 ガラスボール
CN110831907A (zh) * 2017-07-04 2020-02-21 Agc株式会社 玻璃球
JPWO2019009069A1 (ja) * 2017-07-04 2020-04-30 Agc株式会社 ガラスボール
US11028015B2 (en) 2017-07-04 2021-06-08 AGC Inc. Glass ball having specific Young's modulus and coefficient of thermal expansion
WO2019031189A1 (ja) * 2017-08-08 2019-02-14 日本電気硝子株式会社 強化ガラス板及び強化ガラス球
JPWO2019031189A1 (ja) * 2017-08-08 2020-07-02 日本電気硝子株式会社 強化ガラス板及び強化ガラス球
JP7365004B2 (ja) 2017-08-08 2023-10-19 日本電気硝子株式会社 強化ガラス板及び強化用ガラス板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017015147A (ja) 転動装置
JP6301984B2 (ja) ガラスを強化する二段階法
CN104404592A (zh) 一种铝合金表面处理工艺
JP2014531010A (ja) 軸受けアセンブリの軌道エレメントの製造方法および軌道エレメント
CN103671556A (zh) 滚动轴承
JP2006329319A (ja) 転がり摺動部品、転がり軸受、カムフォロア及び転がり摺動部品の表面改質方法
RU2721730C1 (ru) Стальной элемент с модифицированной поверхностью, образованный путем пропитки никелем и цинком, и способ его изготовления
JP2010025311A (ja) 転がり軸受及びその製造方法
JP2010180971A (ja) 転がり軸受及びその製造方法
JP2009156391A (ja) ころ軸受用保持器および針状ころ軸受
JP4968106B2 (ja) 転がり軸受
JP2005337374A (ja) 転動部材及びその製造方法
JPWO2017217321A1 (ja) ガラス転動体
JP2011117489A (ja) 高強度転がり軸受
JP2013126930A (ja) 強化ガラス板及びその製造方法
US20200063798A1 (en) Electro-chemical hardening of bearing raceways
JP2010190272A (ja) 転がり軸受用保持器
JP2017082977A (ja) 有摺接面部材及び有摺接面部材の製造方法
JP2016138305A (ja) 冷却液および機械部品の製造方法
JP2012189153A (ja) 転がり軸受
JP2014019849A (ja) グリース組成物および転がり軸受
WO2018235663A1 (ja) 転動装置及び球状ガラス
WO2024048601A1 (ja) 転がり軸受及び転動体の製造方法
JP5954015B2 (ja) グリース組成物およびその製造方法、並びに転がり軸受
JP2015092089A (ja) 摺動部材