JP5954015B2 - グリース組成物およびその製造方法、並びに転がり軸受 - Google Patents

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Description

本発明はグリース組成物及びその製造方法並びに前記グリース組成物を封入した転がり軸受に関し、特にモータに用いることが出来る。
転がり軸受には耐熱性、音響特性、耐水性等の特性をバランスよく兼ね備えたリチウム石けん系増ちょう剤を用いたグリースが広く用いられている。また、低温特性や焼付き耐久性を向上させるために基油に合成油が用いたリチウム石けん系グリースが広く用いられている。
このような要求に対して、特許文献1に示されているものがある。この技術では、リチウム石けん系グリースの増ちょう剤構造を緻密で均一に安定させることにより低発塵性と合わせて音響・トルク特性の向上を図ったものである。
特開平06−330070号公報
しかしながら、先行技術では増ちょう剤構造に関する比較評価可能な記述はなく、また増ちょう剤量が20mass%〜30mass%と多く基油量が相対的に少ないために焼付き耐久性が十分でない場合があった。そこで、本発明では、この問題を解決するため、増ちょう剤構造を表す指標である分散度が0.55以上0.8以下であることにより焼付き耐久性が向上したグリース組成物、および前記グリース組成物を封入することにより焼付き耐久性が向上した転がり軸受を提供する。
上記の目的を達成するために本発明のグリース組成物は、40℃における動粘度が30〜100mm /sのPAOまたはPOEを基油とし、増ちょう剤として12ヒドロキシリチウムステアレートをグリース組成物全量に対して8〜15質量%含有し、かつ、原子間力顕微鏡のタッピングモードで該グリース組成物の位相像を撮影して2値化し、前記増ちょう剤の座標情報を求め、後述する式により算出された分散度が0.55以上0.8以下であることを特徴とする。また、本発明お転がり軸受は、軌道面を有する内輪と、軌道面を有する外輪と、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間に転動自在に配設され、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面に対する転動面を有する複数の転動体と、を有する転がり軸受において、前記グリース組成物を封入する。更に、前記グリース組成物は、40℃における動粘度が30〜100mm /sのPAOまたはPOEに、12ヒドロキシリチウムステアレートをグリース組成物全量に対して8〜15質量%となるように加えて完全溶解させた後、急冷して得られる。
本発明では、焼付き耐久性が向上したグリース組成物、および前記グリース組成物を封入することにより焼付き耐久性が向上した転がり軸受、を提供する。
本発明の一実施形態に係る転がり軸受の概略構成について玉軸受を例にとって示す断面図である。 AFMタッピングモードの位相像 図1のAFM像を二値化した像
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る転がり軸受の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係る転がり軸受の一種である玉軸受の構造を示す縦断面図である。この玉軸受は、外周面に軌道面1aを有する内輪1と、内輪1の軌道面1aに対向する軌道面2aを内周面に有する外輪2と、両軌道面1a、2a間に転動自在に配された複数の転動体3(玉)と、内輪1と外輪2との間に転動体3を保持する保持器4と、内輪1と外輪2との間に形成される空間に、図示しないグリース組成物が封入されている。
前記内輪1、外輪2、及び転動体3の材質は特に限定されるものではなく、例えば高炭素クロム軸受鋼であるSUJ2製で浸炭窒化処理が施されたものでもよいし、SUJ2製でズブ焼き入れ又は高周波焼入れが施されたものでもよいし、クロムモリブデン鋼であるSCM420又はクロム鋼であるSCr420製で浸炭窒化処理又は浸炭処理が施されたものでもよい。また、保持器4の材質も特に限定されるものではなく、例えばプラスチックや鋼があげられる。
前記グリース組成物は、増ちょう剤構造を表す指標である分散度が0.55以上0.8以下である。分散度が0.55以上の場合、グリースの降伏応力が十分大きくなるため、回転初期に転動体周囲のグリース分布が最適化され、潤滑に必要なグリース量だけが転走面に供給される。このため攪拌抵抗が低減し、軸受トルクの低減、発熱の低減が図られる。分散度が0.8よりも大きくなるとグリースの流動性が過度に低下するため、転走面へのグリース供給量が不足する。従来、降伏応力を大きくするためには増ちょう剤量を増加する手法が用いられてきたが、分散度を0.55以上0.8以下とすることにより、少ない増ちょう剤量でも降伏応力を大きくすることができる。この結果、少ない増ちょう剤量、すなわち十分な基油量を保ったまま発熱を低減できるので、焼付き耐久性の向上が図られる。前記増ちょう剤は、12ヒドロキシリチウムステアレートである。分散度は増ちょう剤と基油種類の組合せおよび製造方法により制御できる。12ヒドロキシリチウムステアレートで分散度が0.55以上0.8以下とするためには、基油に40℃における動粘度が30〜100mm /sのPAOまたはPOEを用いる。製造工程としては、12ヒドロキシリチウムステアレートを基油に完全に溶解した後、急冷して増ちょう剤を析出させる。モータ軸受用グリースとして好適に使用される。
分散度はグリース表面のAFM(原子間力顕微鏡)像を用いて算出した。AFM像は試料台に平滑に塗布した直後のグリース表面をタッピングモード、視野10μm×10μm、室温条件で測定し、図2に示したように、位相像を取得した。取得した位相像は、図3に示したように、画像処理により二値化して座標情報とした後、下記(1)〜(5)の式を用いて分散度を算出した。
Figure 0005954015
Figure 0005954015
Figure 0005954015
Figure 0005954015
Figure 0005954015
:i番目の粒子に隣接する粒子までの重心間距離
ideal:球状の粒子が細密構造を取っているときの粒子重心間距離
R:細密構造を取っている各粒子を隣接粒子まで膨張させたときの半径
φ:細密構造を取るときの充填率=0.68
S:測定視野面積
r:粒子の半径
n:粒子数
c:粒子が測定視野に占める面積の百分率
分散度は増ちょう剤繊維の配列が理想的な配列からどれだけ偏って存在しているかを指標化したものであり、0から1の値を取る。分散度が1とは増ちょう剤繊維が完全に均一に配列している状態を示す。
(実施例)
実施例1〜7と比較例1、2のグリース組成物に関して、以下のような各試験や観察を行なった。表1に、実施例1〜7と比較例1、2の基油種類、基油動粘度、増ちょう剤種類、増ちょう剤濃度、混和ちょう度、分散度、転がり軸受の温度上昇試験結果と焼付き試験結果を記載した。なお、実施例と比較例のグリース組成物に、添加剤は未添加であり、基油中に増ちょう剤を溶解させた後、急冷することによりグリース組成物を調整した。また、各試験の条件は以下の通りである。
(1)軸受温度上昇試験
深溝玉軸受(内径25mm、外径52mm、幅17mm)に表1のグリース組成物を封入し、内輪回転速度10000min−1、ラジアル荷重98N、アキシアル荷重98N、室温で回転させ、外輪温度をモニタリングした。2時間後の外輪温度と室温の差を温度上昇値とし、比較例1の温度上昇値を1とし、相対比較を行った。
(2)焼付き寿命試験法
深溝玉軸受(内径25mm、外径52mm、幅17mm)にグリースを封入し、内輪回転速度10000min−1、ラジアル荷重98N、アキシアル荷重98N、外輪温度140℃で回転させ、駆動モータ電流が急激に上昇した場合もしくは外輪温度が150℃となるまでの回転時間を焼付き寿命とした。そして、比較例1の焼付き寿命を1とし、相対比較を行った。
Figure 0005954015
表1に示すように本発明のグリース組成物を封入した転がり軸受である実施例1〜8は、温度上昇も少なく、焼付き寿命も長くなった。
1 内輪
1a、2a 軌道面
2 外輪
3 転動体
4 保持器

Claims (3)

  1. 40℃における動粘度が30〜100mm /sのPAOまたはPOEを基油とし、
    増ちょう剤として12ヒドロキシリチウムステアレートをグリース組成物全量に対して8〜15質量%含有し、かつ、
    原子間力顕微鏡のタッピングモードで該グリース組成物の位相像を撮影して2値化し、前記増ちょう剤の座標情報を求め、下記式により算出された分散度が0.55以上0.8以下のグリース組成物。
    Figure 0005954015
  2. 軌道面を有する内輪と、軌道面を有する外輪と、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間に転動自在に配設され、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面に対する転動面を有する複数の転動体と、を有する転がり軸受において、請求項1のグリース組成物を封入した転がり軸受。
  3. 40℃における動粘度が30〜100mm /sのPAOまたはPOEに、12ヒドロキシリチウムステアレートをグリース組成物全量に対して8〜15質量%となるように加えて完全溶解させた後、急冷し、
    原子間力顕微鏡のタッピングモードで該グリース組成物の位相像を撮影して2値化し、前記増ちょう剤の座標情報を求め、下記式により算出された分散度が0.55以上0.8以下のグリース組成物を得るグリース組成物の製造方法。
    Figure 0005954015
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