JP2006220221A - 転がり軸受、軸受ユニット - Google Patents

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光司 植田
Shigeru Okita
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Abstract

【課題】鍛造時の素材変形に伴う材料の流れに着目した方法で、転がり軸受の寿命を長くする。
【解決手段】鍛造工程で素材の芯部が軌道溝21bの表層部に出現すると、軌道溝21bの表層部は、多数の鍛流線Tが極端に折れ曲がって方向性を持って並んだ状態になる。この鍛流線Tの折れ曲がり点を結んだ線Sの方向を示す直線LS と、接触点Pでの軌道溝の接線L1 とのなす角度θを0〜30°にする。
【選択図】図8

Description

この発明は、転がり軸受および軸受ユニット(複列の軌道を有する外輪およびフランジが一体になっている外側部材と、内輪と、転動体を備えた軸受)に関する。
近年、自動車の燃費を向上するために、軽量化を目的とした車輪支持用軸受のユニット化が進んでいる。図1は、ユニット化された車輪支持用軸受の一例を示す断面図である。このユニットは、内側部材1と、外側部材2と、玉(転動体)3と、保持器4と、第1のシール5と、第2のシール6と、スリンガ7とで構成され、玉3が転動する軌道を二列備えている。
内側部材1は、二列の軌道を有する内輪11、車軸を内嵌するハブ12、および車輪側部材8を固定するフランジ13を有する。内側部材1は第1の部材1aと第2の部材1bとからなる。第1の部材1aは、内輪11の一方の内輪軌道11aの部分とハブ12とフランジ13が一体に形成されたもの(ハブ輪)である。第2の部材1bは、他方の内輪軌道11bが形成されたリング状部材であって、第1の部材1aに外嵌されている。
外側部材2は、二列の軌道21a,21bを有する外輪21と、車体の懸架装置(車体側部材)を固定するボルト穴22aが形成されたフランジ22とが一体に形成されたものである。
このような複雑な形状を有する内側部材1および外側部材2は、従来、0.5質量%程度の炭素を含有する中炭素鋼からなる素材を用い、熱間鍛造で所定形状に加工した後、軌道溝の表層部を高周波焼入れにより硬化させることで製造されている。
また、内部に水が浸入する等の過酷な使用条件に耐えることができるように、車輪支持用軸受ユニットの寿命向上要求が高まっている。この要求に応える方法としては、特定の合金成分を含有した鋼からなる素材を用いる方法や、清浄度の高い鋼からなる素材を用いる方法があるが、これらの方法には、素材が調達しにくくなる、生産性が低減する、コストが上昇する等の問題がある。
これに対して、下記の特許文献1および2には、鍛造工程の条件で変化するメタルフロー(鍛流線)の向きを特定範囲に設定することにより、転がり軸受の寿命を長くすることが開示されている。特許文献1では、回転軸を含む断面におけるメタルフローの当該回転軸に対する角度の最大値を10°以上50°以下に設定している。特許文献2では、転動体の公転方向に対するメタルフローの角度を±15°以内に設定している。
特許第3123055号公報 特開平8−42576号公報
本発明は、鍛造時の素材変形に伴う材料の流れに着目した方法ではあるが、特許文献1および2とは異なる方法で転がり軸受の寿命を長くすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、素材の鍛造工程を経て製造され、軸線を含む断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度(θ)が、0°以上30°以下であることを特徴とする転がり軸受の軌道輪を提供する。また、この軌道輪を備えた転がり軸受を提供する。
本発明はまた、複列の軌道を有する外輪およびフランジが一体に、素材の鍛造工程を経て製造された軸受ユニット外側部材であって、軸線を含む断面における転動体と軌道溝との接触角度が初期接触点での接触角度の−5°〜+10°となる範囲で、前記断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度が、0°以上30°以下になっていることを特徴とする軸受ユニット外側部材を提供する。また、この外側部材と、内輪と、転動体を備えたことを特徴とする軸受ユニットを提供する。
本発明はまた、複列の軌道を有する内輪、車軸を内嵌するハブ、および車輪側部材を固定するフランジを有し、少なくとも一列の軌道とハブとフランジが一体に、素材の鍛造工程を経て製造された内側部材と、複列の軌道を有する外輪および車体側部材を固定するフランジが一体に、素材の鍛造工程を経て製造された外側部材と、転動体と、を備えた車輪支持用軸受ユニットにおいて、フランジと一体化された内輪の軌道溝および外輪の軌道溝の少なくともいずれかは、軸線を含む断面における転動体と軌道溝との接触角度が初期接触点での接触角度の−5°〜+10°となる範囲で、前記断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度が、0°以上30°以下になっていることを特徴とする車輪支持用軸受ユニットを提供する。
本発明はまた、素材の鍛造工程を経て転がり軸受の軌道輪を製造する方法において、軸線を含む断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度(θ)が、0°以上30°以下になるように鍛造条件を設定することを特徴とする軌道輪の製造方法を提供する。
複列の軌道輪と単列の軌道輪とを比較した場合や、軌道輪にフランジが一体化されている軸受部材とフランジがない軌道輪のみの軸受部材とを比較した場合に、これらが素材の鍛造工程を経て製造されていると、より複雑な形状である「複列の軌道輪」および「軌道輪にフランジが一体化されている軸受部材」は、鍛造工程で素材の芯部(中心付近の部分)が軌道溝表層部に出現し易くなる。素材の芯部が軌道溝表層部へ出現していることは、軸線を含む断面を腐食させて実体顕微鏡で観察した時に、軌道溝表層部で多数の鍛流線が極端に折れ曲がって方向性を持って並んだ状態になっていることにより確認できる。
本発明では、鍛流線の折れ曲がり点を結んだ線を「塑性流れ曲線」と称し、その方向を示す線を「塑性流れを示す直線」と称する。ここで、素材の芯部(中心付近の部分)は、周辺の部分よりも非金属介在物が存在しやすい(清浄度が低い)ため、芯部が軌道溝表層部に存在すると、介在物を起点とした剥離が生じやすい。しかし、本発明によれば、素材の芯部が軌道溝表層部(表面から、最大剪断応力深さに相当する深さまでの範囲)へ出現した場合でも、「塑性流れを示す直線」と「軌道溝の転動体接触点での接線」とのなす角度(θ)を0°以上30°以下とすることにより、30°を超えた場合と比較して軌道溝に剥離が生じ難くすることができる。
本発明によれば、素材の鍛造工程を経て製造された軌道輪(外側部材)の、軸線を含む断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度(θ)を0°以上30°以下とすることにより、この角度θが30°を超えている場合と比較して、転がり軸受(軸受ユニット)の寿命を長くすることができる。
本発明の車輪支持用軸受ユニットによれば、フランジと一体化された内輪の軌道溝および外輪の軌道溝の少なくともいずれかについて、軸線を含む断面における転動体と軌道溝との接触角度が初期接触点での接触角度(α)の−5°〜+10°となる範囲で、前記断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度(θ)を0°以上30°以下にすることにより、この角度θが30°を超えている場合と比較して、内部に水が浸入する等の過酷な使用条件での寿命を長くすることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
この実施形態では、図2に示す形状の複列アンギュラ玉軸受を作製した。この軸受は、それぞれ一列の軌道11a,11bを備えた二つの内輪10a,10bと、二列の軌道21a,21bを備えた外輪21と、玉3で構成されている。この軸受の内径(d)は48mmであり、外径(D)は86mmであり、幅(B)は42mmであり、作用点距離(K)は72mmである。
この軸受の内輪10a,10bを図3に示す方法で作製した。
先ず、図3(a)に示すように、山陽特殊製鋼の高清浄度SUJ2鋼製の円柱状素材(直径35mm×軸方向寸法40mm)を用意した。次に、2500tonのプレス機(栗本鉄工所製)を用い、この素材を軸方向を上下方向にして上下の金型の間に置き、1100〜1200℃で、軸方向寸法が27mmとなるまで押し潰すことにより、据え込み工程を行い、図3(b)に示す状態にした。
次に、鍛造工程により、図3(c)に示すように、内輪10aの軸方向一端が塞がれた形状に成形した。次に、ピアスパンチ工程によりこの閉塞部分13を除去して、図3(d)に示す形状にした。
次に、840℃に1時間加熱した後に冷却する焼入れを行った後、180℃で2時間の焼戻し処理を施して、表面硬さをHRC61にした。次に、研削加工を行って、軌道11aの溝形状を含む各寸法が正確な寸法になるようにした。
得られた内輪を軸線Zを含む平面で切断して、軸線Zを含む断面(図2の断面に相当)を露出させた。この断面を、先ず、飽和ピクリン酸水溶液で腐食させ、次いで、飽和ピクリン酸水溶液に塩化第2鉄を少量混合した液体でさらに腐食させた後、その断面を実体顕微鏡で観察した。その写真を図4に示す。また、この顕微鏡写真を基に、内輪の断面に現れた鍛流線を描いた。その図を図5に示す。
図5に示すように、この断面には、全体的に多数の鍛流線Tが折れ曲がって方向性を持って並んでおり、これらの鍛流線Tの折れ曲がり点を結んだ線Sを「塑性流れ曲線」と称する。また、この塑性流れ曲線Sの方向を示す直線Ls を「塑性流れを示す直線」と称する。図5では、塑性流れ曲線Sが厚さ方向中心部付近に存在しているが、軌道溝11aの表層部には存在していない。
また、この軸受の外輪20を図6に示す方法で作製した。
先ず、図6(a)に示すように、SUJ2製の円柱状素材として、直径が50mmで、軸方向寸法が80mmであるものを用意した。次に、2500tonのプレス機(栗本鉄工所製)を用い、この素材を軸方向を上下方向にして上下の金型の間に置き、1100〜1200℃で、軸方向寸法が46mmとなるまで押し潰すことにより、据え込み工程を行い、図6(b)に示す状態にした。
次に、鍛造工程により、図6(c)に示すように、略円筒体の軸方向一端が塞がれた形状の第1成形体200を得た。
次に、ピアスパンチ工程により閉塞部分23を除去して、図6(d)に示す形状の第2成形体201を得た。
次に、冷間ローリング成形を行って、軌道21a,21bを形成するとともに、両端部の内径N1 を77.0mmに、中間部の内径N2 を68.5mmに、全体の外径Dを88.0mmに拡げることにより、外輪20の形状とした。
次に、840℃に1時間加熱した後に冷却する焼入れを行った後、180℃で2時間の焼戻し処理を施して、表面硬さをHRC61にした。次に、研削加工を行って、軌道21a,21bの溝形状を含む各寸法が正確な寸法になるようにした。
得られた外輪を軸線Zを含む平面で切断して、軸線Zを含む断面(図2の断面に相当)を露出させた。また、軸方向で二等分した(すなわち、図2のラインHに沿って切断した)。そして、軸線Zを含む断面を内輪の場合と同じ溶液で腐食した後、その断面を実体顕微鏡で観察した。その写真を図7に示す。図7(a)は軌道溝21bを含む部分の断面を、(b)は軌道溝21aを含む部分の断面を示す。また、この顕微鏡写真を基に、内輪の断面に現れた鍛流線を描いた。その図を図8に示す。
図8に示すように、この断面では、軌道溝21a,21bの表層部で、多数の鍛流線が極端に折れ曲がって方向性を持って並んだ状態になっており、素材中心部が軌道溝21a,21bの表層部へ出現していることが分かる。この図に、この折れ曲がり点を結んだ線(塑性流れ曲線)Sを描き、この塑性流れ曲線Sの方向を示す直線LS を描いた。この塑性流れの方向を示す直線LS と、軌道溝21a,21bの玉3との接触点Pでの軌道溝の接線L1 とのなす角度θが、軌道溝21aでは4°になっており、軌道溝21bでは16°になっている。図8では、塑性流れの方向を示す直線LS を軌道溝21a,21bの玉3との接触点Pまで平行移動した線LS0を描き、この線LS0と接線L1 とのなす角度としてθを表示しているが、この角度は、塑性流れの方向を示す直線LS と接線L1 とのなす角度に等しい。
なお、転がり軸受を予圧を付与して使用する場合には、予圧量によって接触角が変化するため、前記角度(θ)を0°以上30°以下とする範囲を、図9(a)に示すように、初期接触点(予圧を付与する前の軌道溝21bと転動体3との接触点)P0 の位置だけでなく、図9(b)に示すように、接触角度が初期接触点での値(α)の−5°〜+10°となる範囲A(接触点P1 〜P2 の範囲)とすることが好ましい。
また、図1の車輪支持用軸受ユニットの外側部材2のように、フランジ22と複列の軌道溝21a,21bが一体化されたものを素材の鍛造により形成する場合には、熱間鍛造で大体の形状に加工した後に、冷間で型鍛造を行う方法により、軌道溝21a,21bの表層部の角度θを0°以上30°以下に整えることができる。
図2の外輪20を軸方向で二等分したもののうち、内輪10aに対向する部分を外輪20aとして用い、これに図2の軸受の内輪10aと玉3を組み合わせて、試験用の転がり軸受を組み立てた。
内輪10aは、前記と同じ方法で作製した。
外輪20aは、外輪20を以下の方法で作製した後に、図2のラインHに沿って切断することにより得た。
外輪20は、実施形態で用いたものと同じ寸法でSUJ2製であるが、鋼中の酸素(O)含有率および硫黄(S)含有率が異なる円柱状素材を用いて作製した。そして、熱間鍛造の条件を変えて、第1成形体(軸方向の閉塞部分を有する円筒体)の閉塞部分の軸方向位置と厚さを変えることにより、鍛流線の流れを変化させて、前記角度(θ)を変化させた。すなわち、図6(c)では閉塞部分23が軸方向一端にあるが、軸方向で端部より中心側の各位置に閉塞部分23が配置された第1成形体も作製した。また、これ以外の点は前記実施形態と同じ方法を採用して外輪20を作製した。
各サンプルの外輪20aの角度θと鋼中酸素(O)含有率および硫黄(S)含有率を下記の表1に示す。
玉3は、SUJ2製で通常の熱処理が施されたものを用意した。
図10に示す方法で、この試験軸受の寿命試験を行った。先ず、内輪10aに回転軸Jを取り付けた状態で試験軸受を容器Y内に置く。この状態で、容器Y内に、潤滑油「VG10」に水を5質量%混合した液体Eを入れ、液体E内に試験軸受全体が浸るようにする。次に、回転軸Jの上からアキシャル荷重Pa(8820N)を付与した状態で、回転軸Jを速度1000min-1で回転させる。
また、この試験で使用する試験機を、試験軸受に生じる振動を振動計で常時測定し、外輪20aの軌道面21aに剥離が生じて振動計の測定値が一定値を超えると回転を停止するとともに、回転開始から停止までの時間を記録するように構成する。そして、この回転停止までの時間を試験軸受の寿命とした。
また、各サンプル毎に10個の軸受を用意して試験を行い、L10寿命を調べた。さらに、各サンプルのL10寿命をNo. 15のL10寿命で除算して、「L10寿命比」を算出した。その結果を下記の表1に併せて示す。
また、その結果を外輪の角度θとL10寿命比との関係を示すグラフにまとめた。このグラフを図11に示す。さらに、外輪の角度θが30°であるサンプルNo. 8〜11のデータを用いて、外輪の鋼中酸素含有率とL10寿命との関係を示すグラフを得た。このグラフを図12に示す。さらに、外輪の角度θが30°であるサンプルNo. 8〜11のデータを用いて、外輪の鋼中硫黄素含有率とL10寿命との関係を示すグラフを得た。このグラフを図13に示す。
図11のグラフから分かるように、外輪の角度θが0〜30°であるとNo. 15の4.0倍〜20.5倍の寿命になるが、外輪の角度θが33°以上であるとNo. 15の2.0倍以下の寿命となる。
図12のグラフから分かるように、外輪の角度θが30°の場合、外輪の鋼中酸素含有率が15質量ppm以下であるとNo. 15の4.5倍〜6.0倍の寿命になるが、18質量ppmであるとNo. 15の4倍の寿命となる。
図13のグラフから分かるように、外輪の角度θが30°の場合、外輪の鋼中硫黄含有率が350質量ppm以下であるとNo. 15の4.5倍〜6.0倍の寿命になるが、400質量ppmであるとNo. 15の4倍の寿命となる。
小型軽量化された車輪支持用軸受ユニットの一例を示す断面図である。 実施形態で作製した転がり軸受を示す断面図である。 実施形態で採用した内輪の作製方法を説明する図である。 実施形態で得られた内輪の軸線を含む断面を示す顕微鏡写真である。 図4を基に内輪の断面に現れた鍛流線を描き、この鍛流線に基づいて塑性流れ曲線を描いた図である。 実施形態で採用した外輪の作製方法を説明する図である。 実施形態で得られた外輪の軸線を含む断面を示す顕微鏡写真である。 図7を基に外輪の断面に現れた鍛流線を描き、この鍛流線に基づいて塑性流れ曲線を描き、さらに塑性流れを示す直線とその平行移動線、接触点での軌道溝の接線を描いた図である。 外輪の角度θを0°以上30°以下とする接触角度の範囲を説明する図である。 実施例で行った寿命試験を説明する図である。 実施例で行った寿命試験のデータを、外輪の角度θとL10寿命比との関係にまとめたグラフである。 実施例で行った寿命試験の外輪の角度θが30°であるサンプルのデータを、外輪の鋼中酸素含有率とL10寿命との関係にまとめたグラフである。 実施例で行った寿命試験の外輪の角度θが30°であるサンプルのデータを、外輪の鋼中硫黄含有率とL10寿命との関係にまとめたグラフである。
符号の説明
1 内側部材
1a 第1の部材(ハブ輪)
1b 第2の部材
11b 内輪軌道
11 内輪
12 ハブ
13 フランジ
2 外側部材
21 外輪
21a 軌道溝
21b 軌道溝
22a 懸架装置(車体側部材)を固定するボルト穴
22 フランジ
3 玉(転動体)
4 保持器
5 第1のシール
6 第2のシール
7 スリンガ
8 車輪側部材
Ls 塑性流れを示す直線
1 接触点での軌道溝の接線
S0 塑性流れを示す直線の平行移動線
S 塑性流れ曲線
P 接触点
0 初期接触点
1 接触点
2 接触点
θ 接線と塑性流れを示す直線とのなす角度

Claims (6)

  1. 素材の鍛造工程を経て製造され、軸線を含む断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度が、0°以上30°以下であることを特徴とする転がり軸受の軌道輪。
  2. 請求項1記載の軌道輪を備えた転がり軸受。
  3. 複列の軌道を有する外輪およびフランジが一体に、素材の鍛造工程を経て製造された軸受ユニット外側部材であって、
    軸線を含む断面における転動体と軌道溝との接触角度が初期接触点での接触角度の−5°〜+10°となる範囲で、前記断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度が、0°以上30°以下になっていることを特徴とする軸受ユニット外側部材。
  4. 請求項3記載の外側部材と、内輪と、転動体を備えたことを特徴とする軸受ユニット。
  5. 複列の軌道を有する内輪、車軸を内嵌するハブ、および車輪側部材を固定するフランジを有し、少なくとも一列の軌道とハブとフランジが一体に、素材の鍛造工程を経て製造された内側部材と、
    複列の軌道を有する外輪および車体側部材を固定するフランジが一体に、素材の鍛造工程を経て製造された外側部材と、
    転動体と、
    を備えた車輪支持用軸受ユニットにおいて、
    フランジと一体化された内輪の軌道溝および外輪の軌道溝の少なくともいずれかは、軸線を含む断面における転動体と軌道溝との接触角度が初期接触点での接触角度の−5°〜+10°となる範囲で、前記断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度が、0°以上30°以下になっていることを特徴とする車輪支持用軸受ユニット。
  6. 素材の鍛造工程を経て転がり軸受の軌道輪を製造する方法において、
    軸線を含む断面における軌道溝の転動体接触点での接線と、前記断面における軌道溝表層部の塑性流れを示す直線と、のなす角度が、0°以上30°以下になるように鍛造条件を設定することを特徴とする軌道輪の製造方法。
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