JP2005282691A - 転がり軸受及び車輪支持用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高いフープ応力が負荷される環境で使用しても長寿命で、且つ信頼性の高い転がり軸受を低コストで提供する。
【解決手段】 外周面に内輪軌道面4aを有する内輪2と、内周面に外輪軌道面5aを有する外輪3と、両軌道面4a,5aの間に転動自在に設けられた複数の転動体6とを備えた転がり軸受1において、内輪2及び外輪3の内の少なくともフープ応力が負荷される側の軌道輪2の軌道面4a以外の部分の硬さをHv350〜500とすると共に、軌道面4aの表面硬さをHv653以上とし、且つ軌道輪2に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後高温焼戻しを施し、更に、該軌道輪2の軌道面4aのみに高周波加熱により第二の熱処理を施す。
【選択図】 図1
【解決手段】 外周面に内輪軌道面4aを有する内輪2と、内周面に外輪軌道面5aを有する外輪3と、両軌道面4a,5aの間に転動自在に設けられた複数の転動体6とを備えた転がり軸受1において、内輪2及び外輪3の内の少なくともフープ応力が負荷される側の軌道輪2の軌道面4a以外の部分の硬さをHv350〜500とすると共に、軌道面4aの表面硬さをHv653以上とし、且つ軌道輪2に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後高温焼戻しを施し、更に、該軌道輪2の軌道面4aのみに高周波加熱により第二の熱処理を施す。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フープ応力が負荷される環境で用いられる転がり軸受及び車輪支持用軸受装置に関する。
通常の転がり軸受の素材としては、軌道面の転がり疲れ寿命を十分に確保するという観点からSUJ2のような高炭素クロム鋼を、熱処理により芯部まで硬化したものが広く用いられている。
通常の転がり軸受が使用される際には、軌道面に繰り返しの圧縮応力が転動体よりかかり、材料内部に対してせん断応力として作用する。従って、転がり軸受の長寿命化は、繰り返しせん断応力による転がり疲労の観点から対策が施されてきた。
通常の転がり軸受が使用される際には、軌道面に繰り返しの圧縮応力が転動体よりかかり、材料内部に対してせん断応力として作用する。従って、転がり軸受の長寿命化は、繰り返しせん断応力による転がり疲労の観点から対策が施されてきた。
ところで、近年、省エネルギーの要求に伴い、自動車等の車輪支持用軸受装置のように、転がり軸受においてもユニット化、モジュール化が進んできている。車輪支持用軸受装置における転がり軸受のユニット化の一例としては次に示すものがある。
即ち、この車輪支持用軸受装置は、外周面に二列の内輪軌道面を有する内方部材と、内周面に該内方部材の内輪軌道面に対向する二列の外輪軌道面を持つ外方部材と、内方部材と外方部材の二列の両軌道面間に設けられた複数の転動体と、該転動体を周方向に略等間隔に配置するための保持器とを備える。また、内方部材は車輪を支持するためのフランジを、外方部材は懸架装置に支持するためのフランジを有する場合が多い。
即ち、この車輪支持用軸受装置は、外周面に二列の内輪軌道面を有する内方部材と、内周面に該内方部材の内輪軌道面に対向する二列の外輪軌道面を持つ外方部材と、内方部材と外方部材の二列の両軌道面間に設けられた複数の転動体と、該転動体を周方向に略等間隔に配置するための保持器とを備える。また、内方部材は車輪を支持するためのフランジを、外方部材は懸架装置に支持するためのフランジを有する場合が多い。
上記のように構成された車輪支持用軸受装置の場合、内方部材は、外周面にフランジ及び一方の列の内輪軌道面(第一の内輪軌道面)を有するハブ輪(第一の内輪)と、外周面に他方の列の内輪軌道面(第二の内輪軌道面)を有して前記ハブ輪の端部に一体的に嵌合固定される内輪(第二の内輪)とを備えている。ハブ輪及び内輪は、ナットで締付け固定するか、或いはハブ輪の先端部を塑性変形させて内輪の端部に加締めることによって固定するが、部品点数を少なくできる生産性の観点と、小型化、軽量化の観点から考えると、加締めによって固定するほうが有利である。
ハブ輪に内輪を加締めによって固定する場合、クリープ防止のため、ハブ輪に内輪を強固に固定して、ハブ輪と内輪との密着性を良くする必要があるが、加締めによりハブ輪に内輪を強固に固定すると、内輪にフープ応力(円周方向に引張られる応力)が生じる。
車輪支持用軸受装置が使用される際には、ハブ輪側の内輪軌道面よりも内輪側の内輪軌道面の方に高い荷重が負荷されるため、内輪はSUJ2のような高炭素クロム鋼を用い、熱処理により表面から芯部まで硬化させて使用する場合が多い。
車輪支持用軸受装置が使用される際には、ハブ輪側の内輪軌道面よりも内輪側の内輪軌道面の方に高い荷重が負荷されるため、内輪はSUJ2のような高炭素クロム鋼を用い、熱処理により表面から芯部まで硬化させて使用する場合が多い。
また、ハブ輪及び外方部材はフランジを有して複雑な形状をしており、熱間鍛造性、切削性、穴あけ加工性の観点から、0.5重量%程度の炭素を含有する中炭素鋼を用い、高周波焼入れによって軌道面周辺を硬化させて使用する場合が多い。
車輪支持用軸受装置の長寿命化も通常の転がり軸受と同様に繰り返しせん断応力による転がり疲労の観点に基づいている。このような観点から、車輪支持用軸受装置の寿命を向上させるため、内輪を浸炭鋼で形成した上、浸炭処理を施した車輪支持用軸受装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−21858号公報
車輪支持用軸受装置の長寿命化も通常の転がり軸受と同様に繰り返しせん断応力による転がり疲労の観点に基づいている。このような観点から、車輪支持用軸受装置の寿命を向上させるため、内輪を浸炭鋼で形成した上、浸炭処理を施した車輪支持用軸受装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、通常の転がり軸受においては、軸と内輪との嵌合が強い場合には、内輪に転動体からの繰り返しせん断応力に加えフープ応力が負荷される。
また、車輪支持用軸受装置においても、内輪側の内輪軌道面に転動体からの繰り返しせん断応力に加え、上述した加締めによりフープ応力が負荷される。
このようにフープ応力が負荷される環境で用いられる転がり軸受において、更なる長寿命化を実現するためには、繰り返しせん断応力による転がり疲労の観点に加え、フープ応力に対する対策を施す必要があり、また、上記特許文献1のように、浸炭や浸炭窒化処理を施すと加工に時間がかかり加工コストが高くつく。
本発明はこのような技術的背景に鑑みてなされたものであり、高いフープ応力が負荷される環境で使用しても長寿命で、且つ信頼性の高い転がり軸受及び車輪支持用軸受装置を低コストで提供することを目的とする。
また、車輪支持用軸受装置においても、内輪側の内輪軌道面に転動体からの繰り返しせん断応力に加え、上述した加締めによりフープ応力が負荷される。
このようにフープ応力が負荷される環境で用いられる転がり軸受において、更なる長寿命化を実現するためには、繰り返しせん断応力による転がり疲労の観点に加え、フープ応力に対する対策を施す必要があり、また、上記特許文献1のように、浸炭や浸炭窒化処理を施すと加工に時間がかかり加工コストが高くつく。
本発明はこのような技術的背景に鑑みてなされたものであり、高いフープ応力が負荷される環境で使用しても長寿命で、且つ信頼性の高い転がり軸受及び車輪支持用軸受装置を低コストで提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、内周面に外輪軌道面を有する外輪と、前記両軌道面の間に転動自在に設けられた複数の転動体とを備えた転がり軸受において、
前記内輪及び前記外輪の内の少なくともフープ応力が負荷される側の軌道輪の軌道面以外の部分の硬さをHv350〜500とすると共に、前記軌道面の表面硬さをHv653以上とし、且つ前記軌道輪に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後高温焼戻しを施し、更に、該軌道輪の前記軌道面のみに高周波加熱により第二の熱処理を施すことを特徴とする。
前記内輪及び前記外輪の内の少なくともフープ応力が負荷される側の軌道輪の軌道面以外の部分の硬さをHv350〜500とすると共に、前記軌道面の表面硬さをHv653以上とし、且つ前記軌道輪に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後高温焼戻しを施し、更に、該軌道輪の前記軌道面のみに高周波加熱により第二の熱処理を施すことを特徴とする。
高フープ応力が負荷される環境においても長寿命とするには、フープ応力が負荷される側の軌道輪の靭性を向上させることが有効であり、このフープ応力は、特に、上述した車輪支持用軸受装置の例のように、軌道輪(内方部材の内輪)がユニットの一部として使用される場合に生じやすいと考えられる。
本発明では、内輪及び外輪の内の少なくともフープ応力が負荷される側の軌道輪の軌道面以外の部分の硬さをHv350〜500とすることで該軌道輪の靭性を優れたものとすることができ、これにより、高フープ応力が負荷される環境で使用しても長寿命な転がり軸受とすることができる。
本発明では、内輪及び外輪の内の少なくともフープ応力が負荷される側の軌道輪の軌道面以外の部分の硬さをHv350〜500とすることで該軌道輪の靭性を優れたものとすることができ、これにより、高フープ応力が負荷される環境で使用しても長寿命な転がり軸受とすることができる。
軌道輪の軌道面以外の部分の硬さがHv500を超えると、十分な靭性が得られず、一方、Hv350未満であると、耐摩耗性が低下する虞れがある。
また、軌道輪は、軌道面以外の部分の硬さをHv450以下とすることでさらに優れた靭性を有する。従って、高フープ応力が負荷される環境で使用しても、さらに長寿命な転がり軸受とするには、軌道輪の軌道面以外の部分の硬さをHv350〜450とすることが好ましい。
また、軌道輪は、軌道面以外の部分の硬さをHv450以下とすることでさらに優れた靭性を有する。従って、高フープ応力が負荷される環境で使用しても、さらに長寿命な転がり軸受とするには、軌道輪の軌道面以外の部分の硬さをHv350〜450とすることが好ましい。
軌道輪の軌道面には転動体からの繰り返しせん断応力が負荷されることから、前記軌道面の表面硬さを大きくして転がり寿命を確保するために、軌道輪の軌道面の表面硬さをHv653以上とした。
軌道輪の軌道面の表面硬さがHv653未満であると、硬さが不足するため、転がり寿命が低下する。
また、軌道輪に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後高温焼戻しを施し、更に、該軌道輪の前記軌道面のみに高周波加熱により第二の熱処理を施すことで、フープ応力が負荷される側の軌道輪の軌道面以外の部分、及び該軌道面の硬さを所定の範囲に安定して収めることができ、しかも、浸炭や浸炭窒化処理を行わないので、加工時間が短くて済み、加工コストを安くすることができる。
軌道輪の軌道面の表面硬さがHv653未満であると、硬さが不足するため、転がり寿命が低下する。
また、軌道輪に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後高温焼戻しを施し、更に、該軌道輪の前記軌道面のみに高周波加熱により第二の熱処理を施すことで、フープ応力が負荷される側の軌道輪の軌道面以外の部分、及び該軌道面の硬さを所定の範囲に安定して収めることができ、しかも、浸炭や浸炭窒化処理を行わないので、加工時間が短くて済み、加工コストを安くすることができる。
請求項2に係る発明は、外周面に車輪を取り付けるためのフランジを有すると共に第一の内輪軌道面を有する第一の内輪の端部に、外周面に第二の内輪軌道面を有する第二の内輪が一体的に嵌合固定された内方部材と、外周面に懸架装置に支持するためのフランジを有すると共に、内周面に前記第一の内輪軌道面に対向する外輪軌道面及び前記第二の内輪軌道面に対向する外輪軌道面を有して前記内方部材に外挿された外方部材と、前記内方部材の内輪軌道面と前記外方部材の外輪軌道面との間に転動自在に配設された複列の転動体とを備えた車輪支持用軸受装置において、
前記第二の内輪に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後、高温焼戻しを施し、更に、前記第二の内輪軌道面のみに高周波加熱により第二の熱処理を施すことで、該第二の内輪軌道面以外の部分の硬さをHv350〜500、前記第二の内輪軌道面の硬さをHv653以上とすると共に、前記第二の内輪の最外形面、又は小外径面を有する場合は該小外径面に作用するフープ応力の大きさを150〜300MPa以下としたことを特徴とする。
前記第二の内輪に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後、高温焼戻しを施し、更に、前記第二の内輪軌道面のみに高周波加熱により第二の熱処理を施すことで、該第二の内輪軌道面以外の部分の硬さをHv350〜500、前記第二の内輪軌道面の硬さをHv653以上とすると共に、前記第二の内輪の最外形面、又は小外径面を有する場合は該小外径面に作用するフープ応力の大きさを150〜300MPa以下としたことを特徴とする。
前記内方部材の内で第二の内輪の最外形面、又は小外径面を有する場合は該小外径面に作用するフープ応力の大きさを300MPa以下とすることで、信頼性をより高めることができ、更に信頼性の高い車輪支持用軸受装置とするには260MPa以下とすることが好ましい。
一方、前記内方部材の内で第二の内輪の最外形面、又は小外径面を有する場合は該小外径面に作用するフープ応力の大きさが150MPa未満であると、前記内方部材の第一の内輪と第二の内輪との密着性が十分に得られず、クリープ、がたつき及び乗り上げ等が生じ転がり寿命が低下する虞れがある。
一方、前記内方部材の内で第二の内輪の最外形面、又は小外径面を有する場合は該小外径面に作用するフープ応力の大きさが150MPa未満であると、前記内方部材の第一の内輪と第二の内輪との密着性が十分に得られず、クリープ、がたつき及び乗り上げ等が生じ転がり寿命が低下する虞れがある。
また、前記第二の内輪に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後、高温焼戻しを施し、更に、前記第二の内輪軌道面のみに高周波加熱により第二の熱処理を施した場合は、浸炭等に比べて短時間で第二の内輪軌道面以外の部分の表面硬さをHv350〜500にできるので、信頼性が高く、低コストでフープ応力に対応できる内輪とすることができる。
本発明によれば、高フープ応力が負荷される側の軌道輪の靭性を優れたものとすることができると共に、該軌道輪の軌道面についても最適な表面硬さを確保することができ、しかも浸炭や浸炭窒化処理を行わなくて済むため、高フープ応力が負荷される環境で使用しても、長寿命で、且つ信頼性の高い転がり軸受を低コストで提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である玉軸受を説明するための部分縦断面図、図2は本発明の他の実施の形態である車輪支持用軸受装置を説明するための部分縦断面図、図3は内輪の変形例を示す断面図、図4は車輪支持用軸受装置の内輪の軌道面以外の部分の硬さと転がり疲労寿命との相関を示すグラフ図、図5は車輪支持用軸受装置の内輪のフープ応力と転がり寿命との関係を示すグラフ図である。
本発明に実施の形態の一例である玉軸受(転がり軸受)1は、図1に示すように、外周面に内輪軌道面4aを有する内輪2と、内周面に外輪軌道面5aを有する外輪3と、両軌道面4a,5aの間に転動自在に設けられた複数の転動体6とを備える。
内輪2、外輪3及び転動体6はSUJ2で形成されており、外輪3及び転動体6は芯部まで焼入れ硬化されている。
内輪2、外輪3及び転動体6はSUJ2で形成されており、外輪3及び転動体6は芯部まで焼入れ硬化されている。
ここで、この実施の形態では、内輪2を回転輪、外輪3を固定輪としてフープ応力が負荷される側の軌道輪を内輪2とし、内輪2に対する第一の熱処理として、800〜900°Cから選択される所定の温度で加熱保持後、油焼入れして芯部まで焼入れ硬化し、400〜600°Cから選択される所定の温度で高温焼戻しを行った後、内輪軌道面4aのみに高周波誘導加熱により第二の熱処理が施して軌道面4a以外の部分よりも硬さが大きい硬化層7を形成し、これにより、軌道面4a以外の部分の硬さをHv350〜500(好ましくはHv350〜450)として内輪2の靭性を優れたものとすると共に、軌道面4aの表面硬さをHv653以上としている。
このようにこの実施の形態では、高フープ応力が負荷される側の軌道輪である内輪2の靭性を優れたものとすることができると共に、該内輪2の軌道面4aについても最適な表面硬さを確保することができ、しかも浸炭や浸炭窒化処理を行わなくて済むため、内輪2と軸との嵌合が強く、内輪2に高フープ応力が負荷される環境で使用しても、長寿命で、且つ信頼性の高い玉軸受1を低コストで提供することができる。
次に、図2を参照して、本発明の他の実施の形態であるユニット化された転がり軸受を備えた車輪支持用軸受装置を説明する。
この車輪支持用軸受装置10は、図2に示すように、内方部材としてのハブ輪(第一の内輪)12、内輪(第二の内輪)13、外方部材としての外輪14及び複数の転動体15を備えており、図においてハブ輪12の左端側外周部には、車輪を固定するための車輪支持用フランジ16が設けられている。
ハブ輪12の右端部には小径段部18が形成されており、該小径段部18に内輪13が嵌め込まれている。また、ハブ輪12の右端部は円筒状に形成されており、該円筒部19を径方向外方に広げて内輪13の端部に加締めることにより、ハブ輪12と内輪13とが一体的に固定されている。
この車輪支持用軸受装置10は、図2に示すように、内方部材としてのハブ輪(第一の内輪)12、内輪(第二の内輪)13、外方部材としての外輪14及び複数の転動体15を備えており、図においてハブ輪12の左端側外周部には、車輪を固定するための車輪支持用フランジ16が設けられている。
ハブ輪12の右端部には小径段部18が形成されており、該小径段部18に内輪13が嵌め込まれている。また、ハブ輪12の右端部は円筒状に形成されており、該円筒部19を径方向外方に広げて内輪13の端部に加締めることにより、ハブ輪12と内輪13とが一体的に固定されている。
ハブ輪12の外周面の軸方向中間部及び内輪13の外周面には、それぞれ軌道面が形成され、内輪軌道面17a,17bとされている。また、外輪14の内周面には前記両内輪軌道面17a,17bに対応する外輪軌道面20a,20bが形成されている。外輪14の外周面には、車輪支持用フランジ16から離間する側の端部に、懸架装置支持用フランジ11が設けられている。更に、内輪軌道面17a,17bと外輪軌道面20a,20bとの間には、それぞれ複列の転動体15が転動自在に配列されている。
なお、図2の例では、内輪13は小外径面22を持つが、図3に示すように、小外径面を持たないものを内輪13に用いても良い。また、転動体15として玉を使用しているが、重量の嵩む車輪支持用軸受装置の場合には、転動体15としてテーパころを使用する場合もある。
この車輪支持用軸受装置10において、ハブ輪12、内輪13及び外輪14の材質は特に限定されないが、内輪13側の内輪軌道面17bの転がり疲れ寿命を十分に確保するためには、内輪13を形成する金属材料として炭素量が0.5〜1.1重量%の材料を用いることが好ましい。炭素量が0.5重量%以上であれば、内部と表面に最適な硬さを得ることができ、1.1重量%以下であれば大きな炭化物の発生を防止することができる。
この車輪支持用軸受装置10において、ハブ輪12、内輪13及び外輪14の材質は特に限定されないが、内輪13側の内輪軌道面17bの転がり疲れ寿命を十分に確保するためには、内輪13を形成する金属材料として炭素量が0.5〜1.1重量%の材料を用いることが好ましい。炭素量が0.5重量%以上であれば、内部と表面に最適な硬さを得ることができ、1.1重量%以下であれば大きな炭化物の発生を防止することができる。
なお、最適な硬さを容易に得て転がり寿命を向上させるためには、内輪13を形成する金属材料としてSUJ2等の高炭素クロム鋼を用いることがより好ましい。
また、ハブ輪12及び外輪14はそれぞれ車輪支持用フランジ16及び懸架装置支持用フランジ11を有して複雑な形状をしており、熱間鍛造性、切削性、穴あけ加工性等が求められるため、これらを形成する金属材料として0.5重量%程度の炭素を含有する中炭素鋼を用いることが好ましい。
また、ハブ輪12及び外輪14はそれぞれ車輪支持用フランジ16及び懸架装置支持用フランジ11を有して複雑な形状をしており、熱間鍛造性、切削性、穴あけ加工性等が求められるため、これらを形成する金属材料として0.5重量%程度の炭素を含有する中炭素鋼を用いることが好ましい。
転動体15として玉を使用する場合、SUJ2等の高炭素クロム鋼製のもの、あるいは高炭素クロム鋼製で表面に浸炭窒化処理を施したものを用いることが好ましい。
ハブ輪12の外周面には、車輪支持用フランジ16の付け根部から小径段部18にかけて誘導加熱装置によって高周波焼入れされた硬化層24が形成されている。
このような車輪支持用軸受装置1を自動車等に組み付けるには、外輪14の懸架装置支持用フランジ11を懸架装置に固定し、ハブ輪12の車輪支持用フランジ16に車輪を固定し、これにより、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持することができる。
ハブ輪12の外周面には、車輪支持用フランジ16の付け根部から小径段部18にかけて誘導加熱装置によって高周波焼入れされた硬化層24が形成されている。
このような車輪支持用軸受装置1を自動車等に組み付けるには、外輪14の懸架装置支持用フランジ11を懸架装置に固定し、ハブ輪12の車輪支持用フランジ16に車輪を固定し、これにより、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持することができる。
ここで、この実施の形態では、フープ応力が負荷される側の軌道輪をハブ輪12の小径段部18に嵌合された内輪13とし、内輪13に対する第一の熱処理として、800〜900°Cから選択される所定の温度で加熱保持後、油焼入れして芯部まで焼入れ硬化し、400〜600°Cから選択される所定の温度で高温焼戻しを行った後、内輪軌道面17bのみに高周波誘導加熱により第二の熱処理が施して軌道面17b以外の部分よりも硬さが大きい硬化層25を形成し、これにより、軌道面17b以外の部分の硬さをHv350〜500(好ましくはHv350〜450)として内輪13の靭性を優れたものとすると共に、軌道面17bの表面硬さをHv653以上としている。
この場合、軌道面17bのHv653である深さは0.5mm以上、Hv500である深さは1.5mm以上であることがより好ましい。
また、内輪13の最外形面23、又は小外径面を有する場合は小外径面22に加締め後に作用するフープ応力は150〜300MPa(より好ましくは150〜260MPa)とすることが好ましい。
このようにこの実施の形態では、高フープ応力が負荷される側の軌道輪である内輪13の靭性を優れたものとすることができると共に、該内輪13の軌道面17bについても最適な表面硬さを確保することができ、しかも浸炭や浸炭窒化処理を行わなくて済むため、内輪13に高フープ応力が負荷される環境で使用しても、長寿命で、且つ信頼性の高い車輪支持用軸受装置10を低コストで提供することができる。
また、内輪13の最外形面23、又は小外径面を有する場合は小外径面22に加締め後に作用するフープ応力は150〜300MPa(より好ましくは150〜260MPa)とすることが好ましい。
このようにこの実施の形態では、高フープ応力が負荷される側の軌道輪である内輪13の靭性を優れたものとすることができると共に、該内輪13の軌道面17bについても最適な表面硬さを確保することができ、しかも浸炭や浸炭窒化処理を行わなくて済むため、内輪13に高フープ応力が負荷される環境で使用しても、長寿命で、且つ信頼性の高い車輪支持用軸受装置10を低コストで提供することができる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記各実施の形態では、フープ応力が負荷される側の軌道輪として内輪を例に採って本発明を適用した場合を説明したが、必ずしもこのようにする必要はなく、フープ応力が負荷される側の軌道輪を外輪、或いは内輪及び外輪の両方として本発明を適用してもよい。
例えば、上記各実施の形態では、フープ応力が負荷される側の軌道輪として内輪を例に採って本発明を適用した場合を説明したが、必ずしもこのようにする必要はなく、フープ応力が負荷される側の軌道輪を外輪、或いは内輪及び外輪の両方として本発明を適用してもよい。
(第一の実施例)
図2と略同一構造の車輪支持用軸受装置を製作した。外輪14及びハブ輪12は、炭素を0.50〜0.60重量%含有する鋼を用いた。また、転動体15は軸受鋼SUJ2を用いて転動体ピッチ径を49mmとし、保持器は樹脂製保持器を用いた。
内輪13は軸受鋼SUJ2を用い、第一の熱処理として、820〜840°Cで加熱保持後油焼入れして芯部まで焼入れ硬化し、その後、種々の温度で焼戻しを行い、更に、内輪13の内輪軌道面17bのみに高周波加熱により第二の熱処理を施し、内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さ及び内輪軌道面17bの表面硬さを調整した。
表1に本発明例である実施例1〜9と比較例1〜6について、内輪3の内輪軌道面7b以外の部分の硬さ及び内輪軌道面7bの表面硬さを示す。
図2と略同一構造の車輪支持用軸受装置を製作した。外輪14及びハブ輪12は、炭素を0.50〜0.60重量%含有する鋼を用いた。また、転動体15は軸受鋼SUJ2を用いて転動体ピッチ径を49mmとし、保持器は樹脂製保持器を用いた。
内輪13は軸受鋼SUJ2を用い、第一の熱処理として、820〜840°Cで加熱保持後油焼入れして芯部まで焼入れ硬化し、その後、種々の温度で焼戻しを行い、更に、内輪13の内輪軌道面17bのみに高周波加熱により第二の熱処理を施し、内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さ及び内輪軌道面17bの表面硬さを調整した。
表1に本発明例である実施例1〜9と比較例1〜6について、内輪3の内輪軌道面7b以外の部分の硬さ及び内輪軌道面7bの表面硬さを示す。
製作した車輪支持用軸受装置について、次の条件で回転試験を行った(外輪14を固定側、内輪13を回転側とした)。
ラジアル荷重:6500N
アキシアル荷重:3900N
回転速度:1000min-1
なお、内輪13をハブ輪12に加締めにより固定する際、加締めの荷重を調整し、内輪13に400MPaのフープ応力を負荷した。
車輪支持用軸受装置の寿命は、回転試験機に取り付けた振動計の値が試験開始時の3倍になった時点とし、内輪13に負荷するフープ応力は内輪13の小外径面22(図2参照)にかかるフープ応力を歪ゲージを用いて測定した。なお、内輪3が小外径面22を有さない場合は、最外形面23(図3参照)に生じるフープ応力を同様の方法で測定すればよい。
ラジアル荷重:6500N
アキシアル荷重:3900N
回転速度:1000min-1
なお、内輪13をハブ輪12に加締めにより固定する際、加締めの荷重を調整し、内輪13に400MPaのフープ応力を負荷した。
車輪支持用軸受装置の寿命は、回転試験機に取り付けた振動計の値が試験開始時の3倍になった時点とし、内輪13に負荷するフープ応力は内輪13の小外径面22(図2参照)にかかるフープ応力を歪ゲージを用いて測定した。なお、内輪3が小外径面22を有さない場合は、最外形面23(図3参照)に生じるフープ応力を同様の方法で測定すればよい。
試験結果を表1及び図4に示す。なお、表1及び図3に示した転がり寿命の数値は、比較例1の転がり寿命を1.0とした場合の相対値で示してある。
表1及び図4から明らかなように、本発明例である実施例1〜11は、内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さ及び内輪軌道面17bの表面硬さが、本発明で規定する所定の範囲内であるため、高フープ応力が負荷される側の軌道輪である内輪13の靭性を優れたものとすることができると共に、該内輪13の軌道面17bについても最適な表面硬さを確保することができ、高フープ応力が負荷される環境においても転がり寿命が良好である。また、内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さをHv350〜450も実施例3〜11については、内輪13の靭性が特に優れ、さらに優れた転がり寿命であった。
一方、比較例1及び比較例2は内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さが、本発明で規定する所定の範囲より大きく、本発明で意図する効果が得られなかったため、転がり寿命が短かった。
表1及び図4から明らかなように、本発明例である実施例1〜11は、内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さ及び内輪軌道面17bの表面硬さが、本発明で規定する所定の範囲内であるため、高フープ応力が負荷される側の軌道輪である内輪13の靭性を優れたものとすることができると共に、該内輪13の軌道面17bについても最適な表面硬さを確保することができ、高フープ応力が負荷される環境においても転がり寿命が良好である。また、内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さをHv350〜450も実施例3〜11については、内輪13の靭性が特に優れ、さらに優れた転がり寿命であった。
一方、比較例1及び比較例2は内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さが、本発明で規定する所定の範囲より大きく、本発明で意図する効果が得られなかったため、転がり寿命が短かった。
比較例3及び比較例4は内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さが、本発明で規定する所定の範囲より低く、耐摩耗性が不十分であるため、ハブ輪12と内輪13との嵌合面にクリープを生じ、寿命が短かった。
また、比較例5及び比較例6は、内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さは本発明の所定の範囲内であるが、内輪軌道面17bの表面硬さが本発明の所定の範囲より低く、転動体15からの繰り返しせん断応力に耐えられず、短寿命であった。
また、比較例5及び比較例6は、内輪13の軌道面17b以外の部分の硬さは本発明の所定の範囲内であるが、内輪軌道面17bの表面硬さが本発明の所定の範囲より低く、転動体15からの繰り返しせん断応力に耐えられず、短寿命であった。
(第二の実施例)
第一の実施例と略同様の車輪支持用軸受装置を作成し、回転試験を行った。なお、第一の実施例と同じ部分は記載を省略し、異なる部分のみを説明する。
400〜600°Cから選択された所定の温度で焼戻しを行い、内輪13の第二の内輪軌道面17b以外の部分の硬さをHv400前後、第二の内輪軌道面17bの硬さをHv720前後となるように調整した。
転がり寿命に対するフープ応力の影響を調べるために、表2に示すように、内輪13の小外径面22に作用するフープ応力を、加締め荷重を調整することで変化させ、転がり試験を行った。
試験結果を表2及び図5に示す。なお、表2及び図5に示した転がり寿命の数値は、表1の比較例1の転がり寿命を1とした場合の相対値で示してある。
第一の実施例と略同様の車輪支持用軸受装置を作成し、回転試験を行った。なお、第一の実施例と同じ部分は記載を省略し、異なる部分のみを説明する。
400〜600°Cから選択された所定の温度で焼戻しを行い、内輪13の第二の内輪軌道面17b以外の部分の硬さをHv400前後、第二の内輪軌道面17bの硬さをHv720前後となるように調整した。
転がり寿命に対するフープ応力の影響を調べるために、表2に示すように、内輪13の小外径面22に作用するフープ応力を、加締め荷重を調整することで変化させ、転がり試験を行った。
試験結果を表2及び図5に示す。なお、表2及び図5に示した転がり寿命の数値は、表1の比較例1の転がり寿命を1とした場合の相対値で示してある。
表2及び図5から明らかなように、実施例1〜7は、内輪13の小外径面22に作用するフープ応力が本発明の請求項2で規定する範囲とされているため、転がり寿命が良好である。特に、実施例1〜5はフープ応力が比較的小さくより長寿命であった。従って、内輪13の小外径面22に作用するフープ応力を150〜260MPaとすることで、更に信頼性の高い車輪支持用軸受装置とすることができる。
一方、実施例8は内輪12と内輪13との密着性が不十分であり、クリープを生じ、実施例1〜7よりも転がり寿命が短かった。また、実施例9〜12は内輪13の小外径面22に作用するフープ応力が大きいために、実施例1〜7と比較して転がり寿命が短かった。
一方、実施例8は内輪12と内輪13との密着性が不十分であり、クリープを生じ、実施例1〜7よりも転がり寿命が短かった。また、実施例9〜12は内輪13の小外径面22に作用するフープ応力が大きいために、実施例1〜7と比較して転がり寿命が短かった。
1 玉軸受
2 内輪
3 外輪
4a 内輪軌道面
5a 外輪軌道面
6 転動体
7 硬化層
10 車輪支持用軸受装置
11 懸架装置支持用フランジ
12 ハブ輪(第一の内輪)
13 内輪(第二の内輪)
14 外輪(外方部材)
15 転動体
16 車輪支持用フランジ
17a 内輪軌道面
17b 内輪軌道面
18 小径段部
19 円筒部
20a 外輪軌道面
20b 外輪軌道面
22 小外径面
23 最外形面
24 硬化層(ハブ輪12側)
25 硬化層(内輪13側)
2 内輪
3 外輪
4a 内輪軌道面
5a 外輪軌道面
6 転動体
7 硬化層
10 車輪支持用軸受装置
11 懸架装置支持用フランジ
12 ハブ輪(第一の内輪)
13 内輪(第二の内輪)
14 外輪(外方部材)
15 転動体
16 車輪支持用フランジ
17a 内輪軌道面
17b 内輪軌道面
18 小径段部
19 円筒部
20a 外輪軌道面
20b 外輪軌道面
22 小外径面
23 最外形面
24 硬化層(ハブ輪12側)
25 硬化層(内輪13側)
Claims (2)
- 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、内周面に外輪軌道面を有する外輪と、前記両軌道面の間に転動自在に設けられた複数の転動体とを備えた転がり軸受において、
前記内輪及び前記外輪の内の少なくともフープ応力が負荷される側の軌道輪の軌道面以外の部分の硬さをHv350〜500とすると共に、前記軌道面の表面硬さをHv653以上とし、且つ前記軌道輪に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後高温焼戻しを施し、更に、該軌道輪の前記軌道面のみに高周波加熱により第二の熱処理を施すことを特徴とする転がり軸受。 - 外周面に車輪を取り付けるためのフランジを有すると共に第一の内輪軌道面を有する第一の内輪の端部に、外周面に第二の内輪軌道面を有する第二の内輪が一体的に嵌合固定された内方部材と、外周面に懸架装置に支持するためのフランジを有すると共に、内周面に前記第一の内輪軌道面に対向する外輪軌道面及び前記第二の内輪軌道面に対向する外輪軌道面を有して前記内方部材に外挿された外方部材と、前記内方部材の内輪軌道面と前記外方部材の外輪軌道面との間に転動自在に配設された複列の転動体とを備えた車輪支持用軸受装置において、
前記第二の内輪に対する第一の熱処理として、芯部まで焼入れ硬化した後、高温焼戻しを施し、更に、前記第二の内輪軌道面のみに高周波加熱により第二の熱処理を施すことで、該第二の内輪軌道面以外の部分の硬さをHv350〜500、前記第二の内輪軌道面の硬さをHv653以上とすると共に、前記第二の内輪の最外形面、又は小外径面を有する場合は該小外径面に作用するフープ応力の大きさを150〜300MPa以下としたことを特徴とする車輪支持用軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004096419A JP2005282691A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | 転がり軸受及び車輪支持用軸受装置 |
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ID=35181321
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011106531A (ja) * | 2009-11-16 | 2011-06-02 | Ntn Corp | 車輪用軸受装置 |
JP2013155842A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Jtekt Corp | 軸受用内輪の取付構造及び車輪用軸受装置 |
CN105121055A (zh) * | 2013-04-22 | 2015-12-02 | 日本精工株式会社 | 套圈部件的制造方法 |
US20220145935A1 (en) * | 2020-11-09 | 2022-05-12 | Aktiebolaget Skf | Bearing unit made of low carbon steel |
CN114729667A (zh) * | 2019-12-03 | 2022-07-08 | 蒂森克虏伯罗特艾德德国有限公司 | 用于提高表面层硬化的滚动轴承滚道的承载能力的方法以及用于对其硬轧的轧制装置 |
-
2004
- 2004-03-29 JP JP2004096419A patent/JP2005282691A/ja active Pending
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