JP2008223990A - 車輪支持用転がり軸受装置 - Google Patents
車輪支持用転がり軸受装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008223990A JP2008223990A JP2007066867A JP2007066867A JP2008223990A JP 2008223990 A JP2008223990 A JP 2008223990A JP 2007066867 A JP2007066867 A JP 2007066867A JP 2007066867 A JP2007066867 A JP 2007066867A JP 2008223990 A JP2008223990 A JP 2008223990A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wheel
- hub
- race
- rolling bearing
- bearing device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
【解決手段】車輪支持用転がり軸受装置1は、ハブ輪2と、ハブ輪2に一体的に固定された内輪3と、外輪4と、二列の転動体5,5と、を備えている。ハブ輪2の外周面及び内輪3の外周面に形成された軌道面と、外輪4の内周面に形成された軌道面とは対向しており、対向する両軌道面間に複数の転動体5が転動自在に配されている。また、ハブ輪2の外周面と外輪4の内周面とには、高周波焼入れによる硬化層22が形成されている。ハブ輪2,内輪3,及び外輪4は、炭素の含有量が0.45質量%以上0.75質量%以下である鋼で構成されている。そして、ハブ輪2,内輪3,及び外輪4は、上記鋼からなる円柱状素材に軟化焼鈍しを施した後に冷間鍛造を施すことにより成形されたものである。
【選択図】図1
Description
また、プレス成形のような塑性加工においては、焼鈍しの後の硬さが低いほど加工性が良好になるが、ハブホイールのような複雑な形状を有する部材を塑性加工により製造する場合には、素材の硬さだけでなく炭化物組織の状態,大きさ,分布が関係するため、炭化物組織を制御した素材を用いる必要がある。
例えば、ハブホイールの外周面に設けられたフランジには、車軸と車輪との間に加わるラジアル荷重が伝わるため、フランジの強度が不十分である場合には、長期間にわたる使用に伴って、フランジの根元部に亀裂等の損傷が発生するおそれがある。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。本発明に係る請求項1の車輪支持用転がり軸受装置は、車輪が取り付けられ一体に回転するハブホイールと、前記ハブホイールの外方に配され前記ハブホイールの外周面に形成された軌道面に対向する軌道面を内周面に有する外輪と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備え、前記ハブホイールが前記転動体の転動を介して前記外輪に回転自在に支持された車輪支持用転がり軸受装置において、前記ハブホイール及び前記外輪の少なくとも一方は、0.45質量%以上0.75質量%以下の炭素を含有する鋼からなり且つ軟化焼鈍しが施された円柱状素材を、冷間鍛造で成形して得られたものであるとともに、前記ハブホイールの軌道面には高周波焼入れが施されていることを特徴とする。
炭素は鋼に強度及び焼入れ性を付与するために必要な元素であり、車輪支持用転がり軸受装置に必要な性能を付与するためには、鋼中の含有量を0.45質量%以上とする必要がある。ただし、含有量が0.75質量%を超えると、鋼の加工性が低下して生産性が悪化するおそれがある。
このような円柱状素材は塑性加工性がより優れているため、冷間鍛造で成形してハブホイールや外輪とする際に割れ等の損傷がより生じにくく、ハブホイールや外輪の製造が容易である。
非焼入れ部の硬さがHv200未満であると、ハブホイールや外輪の疲労強度が不十分となるおそれがある。一方、Hv350超過であると、衝撃的な荷重が負荷された場合に破損するおそれがある。
ハブ輪2の内端側部分には外径の小さい円筒部11が形成されており、該円筒部11に内輪3が圧入され、内輪3とハブ輪2とが一体的に固定されている。なお、内輪3とハブ輪2とが一体的に固定されたものが、本発明の構成要件であるハブホイールに相当し、外輪4が本発明の構成要件である外輪に相当する。
この円柱状素材は、軟化焼鈍しによって硬さがHv180以下とされていることが好ましい。また、円柱状素材はフェライト,球状化セメンタイト,及び針状セメンタイトを含有しているが(図2の組織図を参照)、球状化セメンタイトの最大粒径は軟化焼鈍しによって1μm以上7μm以下とされていることが好ましい。
このような車輪支持用転がり軸受装置1は、ハブ輪2,内輪3,及び外輪4が優れた疲労強度を有しているので、大きな荷重が負荷されても変形や損傷が生じにくい。また、円柱状素材がフェライト,球状化セメンタイト,及び針状セメンタイトを含有していて塑性加工性に優れているため、冷間鍛造で成形してハブ輪2,内輪3,及び外輪4とする際に割れ等の損傷が生じにくい。
得られたハブ輪2の軌道面を含む外周面に高周波焼入れ及び焼戻しを施して、硬化層22を形成した後、研削仕上げや超仕上げを施して、ハブ輪2を完成した。
内輪3及び外輪4もハブ輪2と同様に製造して、これらを組み立てれば、車輪支持用転がり軸受装置1が得られる。
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。まず、円柱状素材に冷間鍛造を施した際の割れ発生率と、円柱状素材を構成する鋼が含有する球状化セメンタイトの最大粒径との関係を調査した。
JIS S55Cに相当する鋼(炭素の含有量は0.55質量%)で構成された直径60mmの円柱状素材に、軟化焼鈍しを施して、フェライト,球状化セメンタイト,及び針状セメンタイトを含有する組織とした。その際には、軟化焼鈍しの条件を後述のように種々変更することにより、球状化セメンタイトの最大粒径及び硬さが異なるものを製造した(表1を参照)。
条件1:780℃で0.5h保持した後に、20℃/hの冷却速度で700℃まで冷却して1h保持した。続いて、50℃/hの冷却速度で650℃まで冷却し、さらに70℃/hの冷却速度で520℃まで冷却した。
条件2:780℃で0.5h保持した後に、20℃/hの冷却速度で700℃まで冷却して2h保持した。続いて、50℃/hの冷却速度で650℃まで冷却し、さらに70℃/hの冷却速度で520℃まで冷却した。
条件4:780℃で0.5h保持した後に、20℃/hの冷却速度で700℃まで冷却して5h保持した。続いて、50℃/hの冷却速度で650℃まで冷却し、さらに70℃/hの冷却速度で520℃まで冷却した。
条件6:780℃で0.5h保持した後に、20℃/hの冷却速度で700℃まで冷却して0.25h保持した。続いて、50℃/hの冷却速度で650℃まで冷却し、さらに70℃/hの冷却速度で520℃まで冷却した。
試験結果を表1及び図4のグラフに示す。この結果から分かるように、球状化セメンタイトの最大粒径が1μm以上であると、冷間鍛造によるマイクロクラックの発生はなかった。
結果を図5のグラフに示す。非焼入れ部の硬さがHv200以上であると、疲労寿命が合格ラインである1.0×107 回に達していることが分かる。
2 ハブ輪
3 内輪
4 外輪
5 転動体
10 車輪取り付け用フランジ
13 懸架装置取り付け用フランジ
20a 第一内側軌道面
20b 第二内側軌道面
21a 第一外側軌道面
21b 第二外側軌道面
22 硬化層
Claims (3)
- 車輪が取り付けられ一体に回転するハブホイールと、前記ハブホイールの外方に配され前記ハブホイールの外周面に形成された軌道面に対向する軌道面を内周面に有する外輪と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備え、前記ハブホイールが前記転動体の転動を介して前記外輪に回転自在に支持された車輪支持用転がり軸受装置において、
前記ハブホイール及び前記外輪の少なくとも一方は、0.45質量%以上0.75質量%以下の炭素を含有する鋼からなり且つ軟化焼鈍しが施された円柱状素材を、冷間鍛造で成形して得られたものであるとともに、前記ハブホイールの軌道面には高周波焼入れが施されていることを特徴とする車輪支持用転がり軸受装置。 - 前記円柱状素材は、前記軟化焼鈍しによって、球状化セメンタイトの最大粒径が1μm以上7μm以下とされているとともに、硬さがHv180以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の車輪支持用転がり軸受装置。
- 前記ハブホイール及び前記外輪は焼入れが施されていない非焼入れ部を有しており、前記非焼入れ部の硬さは、前記冷間鍛造での加工硬化によりHv200以上350以下とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪支持用転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007066867A JP5050587B2 (ja) | 2007-03-15 | 2007-03-15 | 車輪支持用転がり軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007066867A JP5050587B2 (ja) | 2007-03-15 | 2007-03-15 | 車輪支持用転がり軸受装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008223990A true JP2008223990A (ja) | 2008-09-25 |
JP5050587B2 JP5050587B2 (ja) | 2012-10-17 |
Family
ID=39842845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007066867A Active JP5050587B2 (ja) | 2007-03-15 | 2007-03-15 | 車輪支持用転がり軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5050587B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011195111A (ja) * | 2010-03-23 | 2011-10-06 | Nsk Ltd | 軸受ユニット |
JP2011230614A (ja) * | 2010-04-27 | 2011-11-17 | Nsk Ltd | 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法 |
JP2013215774A (ja) * | 2012-04-09 | 2013-10-24 | Ntn Corp | フランジ構造体およびフランジ構造体製造方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001163003A (ja) * | 1999-12-08 | 2001-06-19 | Nsk Ltd | 車輪駆動用軸受ユニット及び車輪駆動用軸受ユニット用結合部材の製造方法 |
JP2001329333A (ja) * | 2000-05-17 | 2001-11-27 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 冷間鍛造用高周波焼入れ用鋼 |
JP2006064036A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Nsk Ltd | 車輪支持用軸受装置 |
JP2006200700A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-03 | Nsk Ltd | 車輪支持用転がり軸受装置 |
JP2006241559A (ja) * | 2005-03-04 | 2006-09-14 | Nsk Ltd | 車輪支持用転がり軸受ユニット |
-
2007
- 2007-03-15 JP JP2007066867A patent/JP5050587B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001163003A (ja) * | 1999-12-08 | 2001-06-19 | Nsk Ltd | 車輪駆動用軸受ユニット及び車輪駆動用軸受ユニット用結合部材の製造方法 |
JP2001329333A (ja) * | 2000-05-17 | 2001-11-27 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 冷間鍛造用高周波焼入れ用鋼 |
JP2006064036A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Nsk Ltd | 車輪支持用軸受装置 |
JP2006200700A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-03 | Nsk Ltd | 車輪支持用転がり軸受装置 |
JP2006241559A (ja) * | 2005-03-04 | 2006-09-14 | Nsk Ltd | 車輪支持用転がり軸受ユニット |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011195111A (ja) * | 2010-03-23 | 2011-10-06 | Nsk Ltd | 軸受ユニット |
JP2011230614A (ja) * | 2010-04-27 | 2011-11-17 | Nsk Ltd | 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法 |
JP2013215774A (ja) * | 2012-04-09 | 2013-10-24 | Ntn Corp | フランジ構造体およびフランジ構造体製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5050587B2 (ja) | 2012-10-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5121168B2 (ja) | 転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法 | |
JP2006200700A (ja) | 車輪支持用転がり軸受装置 | |
JP5045491B2 (ja) | 大型転がり軸受 | |
JP2006291250A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット | |
JP5050587B2 (ja) | 車輪支持用転がり軸受装置 | |
JP2006064036A (ja) | 車輪支持用軸受装置 | |
JP2009203526A (ja) | 転がり軸受 | |
JP4893585B2 (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法 | |
JP5136146B2 (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法 | |
JP6023493B2 (ja) | 軌道輪の製造方法、軌道輪および転がり軸受 | |
JP4561389B2 (ja) | 軸受ユニットの外側部材 | |
JP5644881B2 (ja) | 車輪支持用転がり軸受装置の製造方法 | |
JP2005145313A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット | |
JP2006329287A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット及びその内輪の製造方法 | |
JP2007186760A (ja) | 転がり軸受用軌道輪の製造方法及び転がり軸受 | |
JP5195081B2 (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット及びその製造方法 | |
JP2008266667A (ja) | 車輪支持用転がり軸受装置 | |
JP2010013039A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット及びその製造方法 | |
JP4225061B2 (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット | |
JP2007107647A (ja) | 車輪支持用転がり軸受装置 | |
JP2006153188A (ja) | 車輪支持用転がり軸受装置 | |
JP5195089B2 (ja) | ハブユニット軸受およびその製造方法 | |
JP2006226373A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット | |
JP2012192818A (ja) | 車輪用軸受装置 | |
JP2005282691A (ja) | 転がり軸受及び車輪支持用軸受装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100305 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110920 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120626 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120709 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5050587 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803 Year of fee payment: 3 |
|
R157 | Certificate of patent or utility model (correction) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157 |