JP2001163003A - 車輪駆動用軸受ユニット及び車輪駆動用軸受ユニット用結合部材の製造方法 - Google Patents

車輪駆動用軸受ユニット及び車輪駆動用軸受ユニット用結合部材の製造方法

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JP2001163003A
JP2001163003A JP34852699A JP34852699A JP2001163003A JP 2001163003 A JP2001163003 A JP 2001163003A JP 34852699 A JP34852699 A JP 34852699A JP 34852699 A JP34852699 A JP 34852699A JP 2001163003 A JP2001163003 A JP 2001163003A
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hub
diameter side
intermediate material
outer peripheral
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Shigeoki Kayama
重興 嘉山
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補助リング21aを低コストで造ると共に、
この補助リング21aの内外両周面に形成した内径側雌
スプライン部22及び外径側雄スプライン部23の耐久
性を向上させる。 【解決手段】 補助リング21aを次の様にして造る。
先ず、バー材を、プレスによる剪断加工により所定の長
さに切断し、円柱状の前加工素材を形成する。次いで、
この前加工素材に鍛造加工を施す事により、その内部に
軸方向に亙る鍛流線を形成した、円筒状の中間素材を形
成する。次いで、この中間素材の外周面に上記外径側雄
スプライン部23を、同じく内周面に上記内径側雌スプ
ライン部22を、それぞれ形成し、上記補助リング21
aとする。上記鍛流線を形成した方向(軸方向)と上記
両スプライン部22、23に加わる荷重の方向(円周方
向)とが直交する為、これら両スプライン部22、23
の耐久性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る車輪駆動用軸
受ユニットは、等速ジョイントとハブユニットとを一体
化したもので、独立懸架式サスペンションに支持された
駆動輪{FF車(前置エンジン前輪駆動車)の前輪、F
R車(前置エンジン後輪駆動車)及びRR車(後置エン
ジン後輪駆動車)の後輪、4WD車(四輪駆動車)の全
輪}を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、上
記駆動輪を回転駆動する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】車輪を懸架装置に対して回転自在に支持
する為に、外輪と内輪とを転動体を介して回転自在に組
み合わせた軸受ユニットが、各種使用されている。又、
独立懸架式サスペンションに駆動輪を支持すると共に、
この駆動輪を回転駆動する為の車輪駆動用軸受ユニット
は、等速ジョイントと組み合わせて、デファレンシャル
ギヤと駆動輪との相対変位や車輪に付与された舵角に拘
らず、駆動シャフトの回転を上記車輪に対して円滑に
(等速性を確保して)伝達する必要がある。この様な等
速ジョイントと組み合わせて、しかも比較的小型且つ軽
量に構成できる車輪駆動用軸受ユニットとして従来か
ら、特開平7−317754号公報、実開昭61−94
403号公報、米国特許第5674011号明細書、国
際公開WO 99/13232号公報、ドイツ国特許公
報DE 19700313 A1公報等に記載されたも
のが知られている。
【0003】図5は、このうちの実開昭61−9440
3号公報に記載された従来構造の第1例を示している。
車両への組み付け状態で、懸架装置に支持した状態で回
転しない外輪1は、この懸架装置に支持する為の第一の
取付フランジ2を外周面に、複列の外輪軌道3、3を内
周面に、それぞれ有する。上記外輪1の内側にはハブ4
を、この外輪1と同心に支持している。このハブ4は、
外周面の外端(自動車への組み付け状態で幅方向外側と
なる端で、図1、6の左端、図5の右端)寄り部分に車
輪を支持する為の第二の取付フランジ5を、同じく中央
部に第一の内輪軌道6を、それぞれ形成している。又、
上記ハブ4の外周面の内端(自動車への組み付け状態で
幅方向中央側となる端で、図1、6の右端、図5の左
端)寄り部分には小径段部7を形成し、この小径段部7
に、その外周面に第二の内輪軌道8を形成した内輪9を
外嵌固定している。そして、上記各外輪軌道3、3と上
記第一、第二の内輪軌道6、8との間に転動体10、1
0を、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けて、上記外輪
1の内側に上記ハブ4を回転自在に支持している。又、
上記外輪1の両端部内周面と、このハブ4の中間部外周
面及び上記内輪9の内端部外周面との間にそれぞれシー
ルリング11、11を設けて、上記各転動体10、10
を設置した空間部分の両端開口部を塞いでいる。
【0004】上記ハブ4には、等速ジョイントに付属の
駆動軸12を結合して、このハブ4を回転駆動自在とし
ている。この駆動軸12の基端部(図5の左端部)に
は、上記等速ジョイントの外輪となるハウジング部13
を、一体的に結合固定している。このハウジング部13
の内周面には、等速ジョイントの係合溝を形成してい
る。又、上記駆動軸12の中間部には雄スプライン部1
4を設け、この雄スプライン部14と、上記ハブ4に設
けた中心孔15に形成した雌スプライン部16とをスプ
ライン係合させている。更に、上記駆動軸12の先端部
(図5の右端部)に設けた雄ねじ部17には抑えナット
18を螺合・緊締し、この抑えナット18により、上記
ハブ4の外端面中心寄り部分を抑え付けている。この状
態で、このハブ4の内端部に外嵌した上記内輪9の内端
面は、上記ハウジング部13の外端面に押し付けられ
る。
【0005】上述の様に構成する車輪駆動用軸受ユニッ
トを自動車に組み付ける際には、第一の取付フランジ2
により外輪1を懸架装置に支持し、第二の取付フランジ
5により駆動輪を上記ハブ4に固定する。又、エンジン
によりトランスミッションを介して回転駆動される、図
示しない駆動シャフトの外端部を、上記ハウジング部1
3の内側に設けた等速ジョイント用内輪の内側にスプラ
イン係合させる。自動車の走行時には、この等速ジョイ
ント用内輪の回転を、複数のボール及び上記ハウジング
部13を介して上記駆動軸12に伝達し、この駆動軸1
2により上記ハブ4に固定した、上記駆動輪を回転駆動
する。
【0006】図5に示した一般的な車輪駆動用軸受ユニ
ットは、耐久性の面から特に問題がない代わりに、部品
コスト並びに組立コストが嵩むだけでなく、重量が嵩む
為、自動車の走行性能や乗り心地性能を向上する上で問
題がある。この様な問題に対応できる構造として、例え
ば特開平10−264605号公報に記載されたものが
ある。図6は、この公報に記載された車輪駆動用軸受ユ
ニット19を示している。
【0007】この車輪駆動用軸受ユニット19は、中空
のハブ4aの内端部に、等速ジョイント20の外輪とな
るハウジング部13aを、結合部材である補助リング2
1を介して結合している。短円筒状に形成した、この補
助リング21の内外両周面のうち、内周面には内径側雌
スプライン部22を、外周面には外径側雄スプライン部
23を、それぞれ形成している。この様な補助リング2
1は、上記ハブ4aの内端部外周面に、この外周面に形
成した内径側雄スプライン部24と上記内径側雌スプラ
イン部22とをがたつきなくスプライン係合させる事
で、組み付けている。そして、この状態で、上記ハブ4
aの内端部に形成したかしめ部25により上記補助リン
グ21の内端面を抑え付けて、この補助リング21を上
記ハブ4aの内端部に、がたつきなく固定している。
【0008】一方、上記補助リング21の外周面に形成
した、上記外径側雄スプライン部23には、上記ハウジ
ング部13aの外端部内周面に形成した外径側雌スプラ
イン部26をスプライン係合させている。上記ハウジン
グ部13aの内半部内周面には、ツェッパ型の等速ジョ
イント20を構成するボール27の軌道となる外側係合
溝28を形成している。これに対して、外端部内周面に
は、上記外径側雌スプライン部26を形成している。そ
して、上述の様に、この外径側雌スプライン部26と、
上記補助リング21の外周面に形成した外径側雄スプラ
イン部23とをスプライン係合させている。
【0009】上述の様に互いにスプライン係合させた、
上記外径側雌スプライン部26と上記外径側雄スプライ
ン部23との間には、止め輪29を掛け渡して、上記ハ
ウジング部13aと上記補助リング21とが分離しない
様にしている。即ち、欠円環状の上記止め輪29を、上
記補助リング21の外周面に全周に亙って形成した内側
係止溝30と、上記ハウジング部13aの外端部内周面
に全周に亙って形成した外側係止溝31との間に掛け渡
して、上記ハウジング部13aと上記補助リング21と
が軸方向にずれ動かない様にしている。
【0010】上記ハブ4aと上記ハウジング部13aと
の結合部の構造は、上述の通りであるが、このハブ4a
は、複列アンギュラ型の玉軸受により、外輪1の内径側
に回転自在に支持している。この外輪1は、外周面に懸
架装置に取り付ける為の第一の取付フランジ2を、内周
面に複列の外輪軌道3、3を、それぞれ有する。又、上
記ハブ4aは、外周面の外端寄り部分に車輪32を支持
する為の第二の取付フランジ5を、同じく中央部に第一
の内輪軌道6を、それぞれ設けている。又、上記ハブ4
aの外周面の内端寄り部分に形成した小径段部7に、そ
の外周面に第二の内輪軌道8を形成した内輪9を外嵌固
定している。この内輪9は、上記補助リング21の外端
面と上記小径段部7の外端部に存在する段差面33との
間で挟持固定している。そして、上記各外輪軌道3、3
と上記第一、第二の内輪軌道6、8との間に、それぞれ
転動体10、10を複数個ずつ設けて、上記外輪1の内
径側に上記ハブ4a及び内輪9を回転自在に支持してい
る。
【0011】又、前記等速ジョイント20は、上記ハウ
ジング部13aと、等速ジョイント用内輪34と、保持
器35と、複数個のボール27とから成る。このうちの
等速ジョイント用内輪34は、エンジンによりトランス
ミッションを介して回転駆動される、図示しない駆動シ
ャフト軸の外端部に固定される。この等速ジョイント用
内輪34の外周面には、断面円弧形の内側係合溝36を
複数本(例えば、6本)、円周方向に亙り等間隔に、そ
れぞれ円周方向に対し直角方向に形成している。一方、
上記等速ジョイント用内輪34の内周面には、上記駆動
シャフトの外端部をスプライン係合させる為の雌スプラ
イン部37を形成している。又、上記ハウジング部13
aの内周面で上記内側係合溝36と対向する位置には、
やはり断面円弧形の外側係合溝28を複数本(上記内側
係合溝36と同数本)、円周方向に対し直角方向に形成
している。又、上記保持器35は、断面円弧状で全体を
円環状に形成しており、上記等速ジョイント用内輪34
の外周面とハウジング部13aの内周面との間に挟持し
ている。この保持器35の円周方向複数個所で、上記内
側、外側両係合溝36、28に整合する位置には、それ
ぞれポケット38を形成し、これら各ポケット38の内
側にそれぞれ1個ずつ、上記ボール27を保持してい
る。これら各ボール27は、それぞれ上記各ポケット3
8に保持された状態で、上記内側、外側両係合溝36、
28に沿い転動自在である。
【0012】上述した様な、特開平10−264605
号公報に記載された車輪駆動用軸受ユニット19は、駆
動軸12や抑えナット18(図5)等の、製造作業が面
倒でしかも重量が嵩む部材が不要になる。この為、車輪
駆動用軸受ユニット19のコスト並びに重量の低減を図
れる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な車輪駆動
用軸受ユニット19を構成する補助リング21は、従
来、次の様に造っていた。先ず、断面円形の管材(チュ
ーブ材)を旋削加工により所定の長さに切断して、短円
筒状の前加工素材を形成する。次いで、この前加工素材
の外周面に外径側雄スプライン部23を、転造加工によ
り形成すると共に、同じく内周面に内径側雌スプライン
部22を、ブローチ加工により形成する。そして最後
に、上記各スプライン部23、22に焼き入れ硬化処理
を施す。尚、必要な場合(例えば、上記補助リング21
の径方向の厚さ寸法が上記前加工素材の径方向の厚さ寸
法と異なる場合等)には、上述の様に前加工素材を形成
した後、この前加工素材に鍛造加工、旋削加工等を施し
て、上記補助リング21に必要な外形を与える。ところ
が、上述の様にして造る補助リング21の場合、上記チ
ューブ材が高価である事、並びに、このチューブ材を旋
削加工により切断する際のコストが高い事から、製造コ
ストを低減するのが難しい。本発明の車輪駆動用軸受ユ
ニット及び車輪駆動用軸受ユニット用結合部材の製造方
法は、上述の様な事情に鑑みて発明したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の対象となる車輪
駆動用軸受ユニットは、前述した従来から知られている
車輪駆動用軸受ユニットと同様に、外周面に懸架装置に
取り付ける為の第一の取付フランジを、内周面に複列の
外輪軌道を、それぞれ有する外輪と、外周面の外端寄り
部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジを、同じ
く中央部に第一の内輪軌道を、それぞれ設けると共に、
同じく内端寄り部分にその外周面に第二の内輪軌道を形
成した内輪を外嵌固定したハブと、上記各外輪軌道と上
記第一、第二の内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転
動自在に設けた転動体と、その内周面に等速ジョイント
の係合溝を形成してこの等速ジョイントの外輪となるハ
ウジング部と、このハウジング部と上記ハブとを結合す
る為の結合部材とを備える。そして、この結合部材は、
全体を円筒状に造られて、内周面に形成した内径側雌ス
プライン部を上記ハブの内端部外周面に形成した内径側
雄スプライン部にスプライン係合させてこのハブに固定
している。又、上記ハウジング部は、外端部内周面に形
成した外径側雌スプライン部を上記結合部材の外周面に
形成した外径側雄スプライン部にスプライン係合させる
と共に、上記結合部材に対する軸方向の変位を規制した
状態で、上記ハウジング部から上記ハブにトルクを伝達
自在としている。
【0015】特に、本発明の車輪駆動用軸受ユニット及
び車輪駆動用軸受ユニット用結合部材の製造方法のう
ち、請求項1に記載した車輪駆動用軸受ユニットに於い
ては、上記結合部材は、素材に鍛造加工を施して形成し
た円筒状の中間素材の内周面に上記内径側雌スプライン
部を、同じく外周面に上記外径側雄スプライン部を、そ
れぞれ形成して造ったものである。
【0016】又、請求項2に記載した車輪駆動用軸受ユ
ニット用結合部材の製造方法は、上記結合部材を製造す
る方法であって、断面円形の棒状素材を所定の長さに切
断する事により円柱状の前加工素材を形成し、次いで、
この前加工素材に鍛造加工を施す事により円筒状の中間
素材を形成し、次いで、この中間素材に旋削等の切削加
工を施してこの中間素材の外形を整えた後、この中間素
材の内周面に上記内径側雌スプライン部を、同じく外周
面に上記外径側雄スプライン部を、それぞれ形成する。
【0017】尚、上記結合部材の製造方法として、次の
様な方法を採用する事もできる。先ず、断面円形の棒状
素材を所定の長さに切断する事により円柱状の前加工素
材を形成し、次いで、この前加工素材に鍛造加工を施す
事により、上記結合部材を形成する為の中間素材として
利用する大径円筒部と、前記等速ジョイントの内輪を形
成する為の中間素材として利用する、上記大径円筒部の
内径よりも小さな外径を有する小径円筒部と、これら大
径円筒部と小径円筒部との一端縁同士を連結する連結部
とを備えた粗加工素材を形成する。次いで、この連結部
を切断する事により、上記大径円筒部を上記小径円筒部
から切り離して、この大径円筒部を結合部材用中間素材
とする。次いで、この結合部材用中間素材に鍛造加工及
び旋削等の切削加工を施してこの結合部材用中間素材の
外形を整えた後、この結合部材用中間素材の内周面に上
記内径側雌スプライン部を、同じく外周面に上記外径側
雄スプライン部を、それぞれ形成して上記結合部材とす
る。上記小径円筒部には、別途加工を施して、上記等速
ジョイントの内輪とする。
【0018】
【作用】上述の様に構成する本発明の車輪支持用軸受ユ
ニット及び車輪支持用軸受ユニット用結合部材の製造方
法によれば、結合部材の製造コストを低減できる。即
ち、本発明の場合、この結合部材を造る為の素材とし
て、チューブ材よりも安価な断面円形の棒状素材(バー
材)を使用できる。又、このバー材を使用する事に伴
い、上記結合部材を加工するのに必要な分だけこのバー
材を切断する作業を、旋削加工よりも加工コストが低
い、プレス機による剪断加工により行なえる。従って、
上述の様に結合部材の製造コストを低減できる。
【0019】又、本発明の場合、上記結合部材加工用の
中間素材は、円柱状の前加工素材に鍛造加工を施して円
筒状に形成したものである。この為、上記中間素材を加
工して造った上記結合部材の内部には、軸方向に亙る鍛
流線(メタルフロー)が存在する。言い換えれば、本発
明の場合には、この鍛流線の方向(軸方向)と、トルク
の伝達時に内径側雌スプライン部及び外径側雄スプライ
ン部に加わる荷重の方向(円周方向)とが直交する。こ
の為、上記両スプライン部に加わる円周方向の荷重を十
分に支承でき、これら両スプライン部の耐久性を十分に
確保できる。
【0020】尚、本発明の車輪駆動用軸受ユニットを自
動車に組み付ける場合、等速ジョイントを構成する等速
ジョイント用内輪が1個必要となる。言い換えれば、上
記結合部材と上記等速ジョイント用内輪とは、同じ数量
だけ造る必要がある。この為、本発明の結合部材の製造
方法を実施する場合に、前述した様に、1個の前加工素
材から、結合部材を造る為の中間素材と、等速ジョイン
ト用内輪を造る為の中間素材とを、それぞれ形成すれ
ば、歩留りの良い加工を行なえて(捨てる材料を少なく
できて)、これら結合部材及び等速ジョイント用内輪の
製造コストをより低減できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜4は、本発明の実施の形態
の1例を示している。尚、本発明の特徴は、結合部材で
ある補助リング21aにある。ハブ4bを充実体とした
(図6に示した従来構造と同様に、中空でも良い。)点
を除き、その他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜
6に示した従来構造の場合とほぼ同様であるから、同等
部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは
簡略にし、以下、本発明の特徴部分である、上記補助リ
ング21aに就いて説明する。尚、本例では、1個の前
加工素材40から、この補助リング21aと等速ジョイ
ント用内輪34(図6参照)との双方を造る場合に就い
て説明する。
【0022】先ず、図2(a)に示す様な、S53C又
はS55C相当の炭素鋼製で断面円形のバー材39を、
プレス機による剪断加工により所定の長さに切断し、同
図(b)に示す様な円柱状の前加工素材40とする。次
いで、この前加工素材40に、軸方向(図2の左右方
向)に力を加える鍛造加工を施す事により、同図(c)
に示す様な粗加工素材41とする。この粗加工素材41
は、全体を有底筒状に形成しており、大径円筒部42
と、この大径円筒部42の内径よりも小さな外径を有す
る小径円筒部43と、これら両円筒部42、43の一端
縁同士を連結する連結部44と、上記小径円筒部43の
他端開口を塞ぐ底板部45とを備える。本例の場合、上
記大径円筒部42を上記補助リング21aを加工する為
の中間素材として利用し、上記小径円筒部43を上記等
速ジョイント用内輪34を加工する為の中間素材として
利用する。
【0023】この為に、先ず、プレス機を使用した打ち
抜き加工により上記連結部44を切断(剪断)する事
で、上記大径円筒部42と上記小径円筒部43及び底板
部45とを切り離す。そして、このうちの大径円筒部を
42を、図3(a)に示す様な、上記補助リング21a
を造る為の第一中間素材46とする。次いで、この第一
中間素材46に鍛造加工を施す事により、同図(b)に
示す様な、断面形状がほぼ矩形である第二中間素材47
とし、更に、この第二中間素材47の表面に旋削加工を
施す事により外形を整え、同図(c)に示す様な、断面
形状が矩形である第三中間素材48とする。次いで、こ
の第三中間素材48の外周面に外径側雄スプライン部2
3を、転造加工により形成し、同図(d)に示す様な第
四中間素材49とする。次いで、この第四中間素材49
の中間部外周面に、止め輪29を係止する為の内側係止
溝30を、全周に亙って旋削加工により形成し、同図
(e)に示す様な第五中間素材50とする。次いで、こ
の第五中間素材50の内周面に内径側雌スプライン部2
2を、ブローチ加工により形成すると共に、この内径側
雌スプライン部22と上記外径側雄スプライン部23と
に高周波焼き入れ等による硬化処理を施す事により、同
図(f)に示す様な補助リング21aとして完成する。
尚、上記補助リング21aは、前記ハブ4bの内端部に
形成したかしめ部25により、このハブ4bの内端部外
周面にがたつきなくかしめ固定される。この為、上記補
助リング21aの内周面に設ける上記内径側雌スプライ
ン部22は、上述したブローチ加工の代わりに、歯のピ
ッチの細かいローレット加工により形成する事もでき
る。
【0024】一方、上記小径円筒部43は、この小径円
筒部43の他端開口を塞ぐ上記底板部45をプレスによ
り打ち抜く事で、図4(a)に示す様な、前記等速ジョ
イント用内輪34加工用の第一中間素材51とする。次
いで、この第一中間素材51に鍛造加工を施す事によ
り、軸方向の幅寸法を小さくしつつ外径寸法を大きく、
且つ外周面をほぼ球状凸面とし、同図(b)に示す様な
第二中間素材52とする。次いで、この第二中間素材5
2の表面に旋削加工を施して外形を整える(外周面を正
確な球状凸面とする)と共に、同じく内周面に係止溝5
5を、全周に亙り形成し、同図(c)に示す様な第三中
間素材53とする。尚、上記係止溝55は、上記等速ジ
ョイント用内輪34の内側にスプライン係合させる、駆
動シャフトの外周面に係止した止め輪の外径側部分を係
止する為に利用する。次いで、上記第三中間素材53の
内周面に上記駆動シャフトの外端部をスプライン係合さ
せる為の雌スプライン部37を、ブローチ加工により形
成し、同図(d)に示す様な第四中間素材54とする。
次いで、この第四中間素材54の外周面に複数本の内側
係合溝36(図6参照)を形成すると共に、この内側係
合溝36を含む外周面と上記雌スプライン部37とに高
周波焼き入れ等による硬化処理を施し、更に、上記内側
係合溝36を含む外周面に研削処理を施す事により、前
記等速ジョイント用内輪34(図6参照)として完成す
る。
【0025】上述の様にして造った補助リング21aを
組み込んだ本発明の車輪駆動用軸受ユニットの場合、こ
の補助リング21aの製造コスト低減により、車輪用軸
受ユニット全体としてのコスト低減を図れる。即ち、本
発明の場合、上記補助リング21aを造る為の素材とし
て、チューブ材よりも安価なバー材39を使用してい
る。又、このバー材39を使用する事に伴い、上記補助
リング21a(及び上記等速ジョイント用内輪34)を
加工するのに必要な分だけこのバー材39を切断する作
業を、旋削加工よりも加工コストが低い、プレス機によ
る剪断加工により行なえる。従って、上記補助リング2
1aの製造コストを低減できる。
【0026】又、本発明の場合、上記補助リング21a
を造る為の第一中間素材46は、前記円柱状の前加工素
材40に鍛造加工を施して円筒状に形成したもである。
この為、上記第一中間素材46を加工して造った上記補
助リング21aの内部には、軸方向に亙る鍛流線が存在
する。言い換えれば、本発明の場合、この鍛流線の方向
(軸方向)と、トルクの伝達時に前記内径側雌スプライ
ン部22及び前記外径側雄スプライン部23とに加わる
荷重の方向(円周方向)とが直交する。この為、上記各
スプライン部22、23に加わる円周方向の荷重を十分
に支承でき、これら各スプライン部22、23の耐久性
を十分に確保できる。
【0027】更に、本例の場合には、上記バー材39を
切断する事により形成した1個の前加工素材40から、
上記補助リング21aを造る為の大径円筒部42(第一
中間素材46)と、上記等速ジョイント用内輪34を造
る為の小径円筒部43(第一中間素材51)との、双方
の中間素材を形成している。この為、歩留りの良い加工
を行なえて、上記補助リング21a及び等速ジョイント
用内輪34の製造コストをより低減できる。
【0028】尚、上述した実施の形態では、1個の前加
工素材40から、上記補助リング21aと上記等速ジョ
イント用内輪34とを造る例に就いて説明したが、本発
明は、1個の前加工素材40から上記補助リング21a
のみを造る場合にも適用できる事は言うまでもない。
又、上述した実施の形態で、ハブとして中空のものを使
用して、軽量化を図る事もできる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成し作用
する為、低コストで、しかも優れた耐久性を有する車輪
駆動用軸受ユニットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す半部切断側面
図。
【図2】中間素材の製造工程を示す図。
【図3】補助リングの製造工程を示す図。
【図4】等速ジョイント用内輪の製造工程を示す図。
【図5】従来構造の第1例を示す半部切断側面図。
【図6】同第2例を示す部分切断側面図。
【符号の説明】
1 外輪 2 第一の取付フランジ 3 外輪軌道 4、4a、4b ハブ 5 第二の取付フランジ 6 第一の内輪軌道 7 小径段部 8 第二の内輪軌道 9 内輪 10 転動体 11 シールリング 12 駆動軸 13、13a ハウジング部 14 雄スプライン部 15 中心孔 16 雌スプライン部 17 雄ねじ部 18 抑えナット 19 車輪駆動用軸受ユニット 20 等速ジョイント 21、21a 補助リング 22 内径側雌スプライン部 23 外径側雄スプライン部 24 内径側雄スプライン部 25 かしめ部 26 外径側雌スプライン部 27 ボール 28 外側係合溝 29 止め輪 30 内側係止溝 31 外側係止溝 32 車輪 33 段差面 34 等速ジョイント用内輪 35 保持器 36 内側係合溝 37 雌スプライン部 38 ポケット 39 バー材 40 前加工素材 41 粗加工素材 42 大径円筒部 43 小径円筒部 44 連結部 45 底板部 46 第一中間素材 47 第二中間素材 48 第三中間素材 49 第四中間素材 50 第五中間素材 51 第一中間素材 52 第二中間素材 53 第三中間素材 54 第四中間素材 55 係止溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に懸架装置に取り付ける為の第一
    の取付フランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞ
    れ有する外輪と、外周面の外端寄り部分に車輪を支持す
    る為の第二の取付フランジを、同じく中央部に第一の内
    輪軌道を、それぞれ設けると共に、同じく内端寄り部分
    にその外周面に第二の内輪軌道を形成した内輪を外嵌固
    定したハブと、上記各外輪軌道と上記第一、第二の内輪
    軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた転動
    体と、その内周面に等速ジョイントの係合溝を形成して
    この等速ジョイントの外輪となるハウジング部と、この
    ハウジング部と上記ハブとを結合する為の結合部材とを
    備え、この結合部材は、全体を円筒状に造られて、内周
    面に形成した内径側雌スプライン部を上記ハブの内端部
    外周面に形成した内径側雄スプライン部にスプライン係
    合させてこのハブに固定しており、上記ハウジング部
    は、外端部内周面に形成した外径側雌スプライン部を上
    記結合部材の外周面に形成した外径側雄スプライン部に
    スプライン係合させると共に、上記結合部材に対する軸
    方向の変位を規制した状態で、上記ハウジング部から上
    記ハブにトルクを伝達自在としている車輪駆動用軸受ユ
    ニットに於いて、上記結合部材は、素材に鍛造加工を施
    して形成した円筒状の中間素材の内周面に上記内径側雌
    スプライン部を、同じく外周面に上記外径側雄スプライ
    ン部を、それぞれ形成したものである事を特徴とする車
    輪駆動用軸受ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した車輪駆動用軸受ユニ
    ットを構成する結合部材の製造方法であって、断面円形
    の棒状素材を所定の長さに切断する事により円柱状の前
    加工素材を形成し、次いで、この前加工素材に鍛造加工
    を施す事により円筒状の中間素材を形成し、次いで、こ
    の中間素材に切削加工を施してこの中間素材の外形を整
    えた後、この中間素材の内周面に上記内径側雌スプライ
    ン部を、同じく外周面に上記外径側雄スプライン部を、
    それぞれ形成する、車輪駆動用軸受ユニット用結合部材
    の製造方法。
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