JP5029376B2 - 複列転がり軸受ユニット用外輪の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車、鉄道車両等の各種車両の車輪を回転自在に支持する為の回転支持部を構成する複列転がり軸受ユニットを構成する外輪の製造方法の改良に関する。本発明の製造方法の対象となる複列転がり軸受ユニットに組み込まれる外輪は、内周面の軸方向2個所位置に複列の背面組み合わせ型の外輪軌道を備えたものである。この様な軸受外輪は、外周面が、軸方向に関して外径が実質的に変化しない円筒面であり、内周面が、軸方向中間部の内径が最も小さく、この軸方向中間部の両側部分が、軸方向両端部に向かうに従って内径が漸次大きくなる方向に傾斜した形状である。尚、軸方向に関して外径が実質的に変化しない円筒面とは、軸方向両端縁部に設けた面取り部を除き、外径が変化しない形状を言う。又、本発明の製造方法の対象となる外輪を組み込んで構成される複列転がり軸受ユニットは、複列であれば、玉軸受に限らず、円すいころ軸受も含まれる。
各種車両の車輪を回転自在に支持する為に、図8に示す様な、背面組み合わせ型の複列アンギュラ型玉軸受1が、広く使用されている。この複列アンギュラ型玉軸受1は、内周面に複列の外輪軌道2、2を備えた外輪3と、それぞれの外周面に内輪軌道4を形成した1対の内輪5、5と、これら両外輪軌道2、2と両内輪5、5の内輪軌道4、4との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた玉6、6と、これら各玉6、6を保持する為の1対の保持器7、7とを備える。この様な複列アンギュラ型玉軸受1は、例えば、上記外輪3をハウジング8に内嵌固定すると共に、上記両内輪5、5を回転軸9に外嵌固定する。そして、このハウジング8の内側にこの回転軸9を、回転自在に支持する。
この様な複列アンギュラ型玉軸受1を構成する、上記外輪3及び上記両内輪5、5は、例えば特許文献1〜5等に記載されて周知の様に、鍛造加工、ローリング加工、切削乃至研削加工を施す事により、所定の形状及び寸法に加工している。例えば、上記外輪3に関しては、従来から、図9に示す様な工程で造っていた。先ず、この従来の軸受外輪の製造方法に就いて説明する。
この図9に示した、従来から知られている軸受外輪の製造方法では、先ず、(A)に示した様な円柱状の素材10を、長尺な原材料を所定長さに切断する事により得る。
次いで、この素材10に、1対の金型の互いに対向する押圧面同士の間で軸方向に押し潰す、据え込み加工を施す事により、(B)に示す様な、外周面が凸円弧面である第一中間素材11とする。
次いで、この第一中間素材11に、(C)→(D)に示した様に後方押出加工を施す事により、(D)に示した第二中間素材12とする。この後方押出加工では、上記第一中間素材11をダイス13とパンチ14との間で軸方向に押し潰すと共に、押し潰しに伴って押し出された余肉を、このパンチ14の押圧方向後方に移動させて、円板状の底板部15と円筒状の周壁部16とから成る、上記第二中間素材12を得る。
次いで、この様な第二中間素材12に、上記底板部15を打ち抜き除去する打ち抜き加工を施す事により、(E)に示す様な、段付円筒状の第三中間素材17とする。この打ち抜き加工は、プレス加工機により打ち抜きパンチを、上記第二中間素材12に突き通す事により行う。
この様にして、上記第三中間素材17を造った後、この第三中間素材17に冷間でローリング加工(CRF)を施して、(F)に示す様な第四中間素材18とする。
この様にして得られた、この第四中間素材18には、外輪軌道2、2を形成する為の切削加工及び研磨加工等の必要な仕上加工を施す事により、前述の図8に示した様な、複列アンギュラ型玉軸受1を構成する外輪3として完成する。
ところで、上記外輪3を造る為の、上記素材10は、鉄鋼メーカーで圧延成形された、断面円形の長尺材を所定長さに切断する事で造られた、円柱状のものを使用する。この様にして得られる円柱状の素材10の組成(清浄度)は均一でない事が、特許文献6に記載される等により、従来から知られている。即ち、上記素材10の中央部(中心から半径の40〜50%までの中央寄り円柱状部分)には、非金属介在物が存在し易く、清浄度が低い事が、上記特許文献6に記載される等により、従来から知られている。そして、清浄度が低い金属材料が、上記外輪3の内周面に設けた外輪軌道2、2のうちで、特に玉6、6(図8)の転動面が転がり接触する部分に露出すると、この部分の転がり疲れ寿命の確保が難しくなる。
これらの事を考慮した場合、上記素材10の中央部に存在する金属材料が、上記両外輪軌道2、2のうちで、少なくとも転動面が転がり接触する部分に露出しない様にする事が好ましい。但し、前述の図9に示した従来の製造方法によれば、上記素材10の中心部に存在する中心側金属材料20が、上記両外輪軌道2、2のうちの何れかの外輪軌道2の表面に露出してしまい、当該外輪軌道2の転がり疲れ寿命の確保が難しくなる。
この様な事情に鑑みて特許文献7、8には、円柱状の素材を鍛造加工により塑性変形させて内周面に複列の外輪軌道を設けた外輪とする際の塑性変形の方向を規制する事で、これら両外輪軌道の表面に中心側金属材料が露出しないか、仮に露出した場合でもこの中心側金属材料の厚さを薄くする発明が記載されている。即ち、上記特許文献7、8には、上記外輪の中心軸を含む仮想平面での断面に関して、この外輪を構成する金属材料が塑性変形する方向を示す塑性流れ線の方向を規制する発明が記載されている。具体的には、上記特許文献7に記載された発明の場合には、上記断面に関して、上記塑性流れ線の開始点、即ち、この塑性流れ線と上記外輪の内周面の母線との交点を、この外輪の軸方向中央部に位置させている。これと共に、上記塑性流れ線と、上記外輪軌道のうちで玉との転がり接触部での接線との角度を、45度以下に規制している。又、特許文献8に記載された発明の場合には、塑性流れ線と、外輪軌道のうちで玉との転がり接触部での接線との角度を、0〜30度に規制している。
上述の様な特許文献7、8に記載された発明の構造によれば、従前の構造に比べて複列転がり軸受ユニットの耐久性の向上を図れるが、使用条件が厳しくなった場合にも十分な耐久性を確保する面からは、改良の余地がある。即ち、潤滑剤であるグリースに水等の異物が混入する可能性があったり、使用時に加わる荷重が大きくなったり、使用時の回転速度が速い等、使用条件が厳しくなると、上記特許文献7、8に記載された発明の構造では、必ずしも十分な耐久性を確保できなくなる可能性がある。例えば、特許文献8に記載された発明の構造の場合には、何れか一方の外輪軌道の表面には、清浄な金属材料を露出させられても、他方の外輪軌道の表面には、必ずしも清浄でない、中心側金属材料が露出する可能性がある。
特開平9−176740号公報 特開平9−280255号公報 特開平11−140543号公報 特開2002−79347号公報 特開2003−230927号公報 特開2006−250317号公報 特開2006−220195号公報 特開2006−220221号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、外輪の内周面に設けた複列の外輪軌道の何れにも、清浄な金属材料を露出させられる構造を得られる複列転がり軸受ユニット用外輪の製造方法を実現して、上記外輪を組み込んだ複列転がり軸受ユニットの耐久性向上を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の複列転がり軸受ユニット用外輪の製造方法では、先ず、軸受鋼、中炭素鋼、高炭素鋼等の金属材料を圧延成形された、断面円形の長尺材を切断する事により造られた円柱状で、径方向中央部の清浄度が低い素材に、軸方向に押し潰しつつ外径を拡げる据え込み加工を施す事により、この素材を軸方向中間部が膨らんだ第一中間素材とする。
その後、有底円筒状で底面中央部に深さ寸法の1/2未満の高さ寸法を有し、且つ、先端部分の直径が上記素材のうちで上記清浄度が低い径方向中央部の直径よりも大きな円形凸部を設け、この円形凸部の外周面と内周面との間を円筒状成形空間としたダイス内に上記第一中間素材を、この第一中間素材の片面の中央部を上記円形凸部に当接させる状態でセットする。そして、上記ダイスの内径よりも小さく、且つ、上記素材のうちで上記清浄度が低い径方向中央部の直径よりも大きな外径を有するパンチの先端部分を上記第一中間素材の軸方向他面の中央部に押し付ける前後方押出加工によりこの第一中間素材を、円筒部の軸方向中間部内径側に隔壁部を設けた第二中間素材に加工する。
次いで、この第二中間素材に、この隔壁部のうちで径方向外端寄り部分を除いた部分を打ち抜き除去する打ち抜き加工を施して第三中間素材とする。
その後、1対のローラによりこの第三中間素材の内外両周面をこれら両ローラの周面に見合う形状に塑性変形させるローリング加工を施す事により、上記第三中間素材を第四中間素材とする。
更にこの第四中間素材に、上記打ち抜き加工後に残った上記隔壁部の径方向外端寄り部分である、肩部の両側に複列の外輪軌道を形成する為の切削加工及び研磨加工を含む仕上加工を施す事により、外周面が、軸方向に関して外径が実質的に変化しない円筒面であり、内周面が、軸方向中間部の内径が最も小さく、この軸方向中間部の両側部分が、軸方向両端部に向かうに従って内径が漸次大きくなる方向に傾斜した形状であって、この内径が漸次大きくなる部分に上記複列の外輪軌道を設ける。
本発明の複列転がり軸受ユニット用外輪の製造方法は、上述の様にして円柱状の素材を外輪に加工する事により、この外輪の中心軸を含む仮想平面での断面に関して、この外輪を構成する金属材料が塑性変形する方向を示す塑性流れ線の開始点を、上記複列の外輪軌道同士の間に存在する上記肩部の軸方向中間部に存在させる。又、この肩部の軸方向に関する幅寸法をWとした場合に、この肩部の幅方向中心から上記開始点までの軸方向距離をW/4以下とする。そして、上記塑性流れ線が、上記両外輪軌道の母線の何れとも交叉しない外輪とする。
上述の様な要件を備えた、本発明の製造方法により造られる複列転がり軸受ユニット用外輪によれば、内周面のうち、内径が最も小さくなった部分を挟んだ、軸方向に離隔した2個所位置に形成した両外輪軌道のうち、少なくとも転動体荷重が作用する部分に、素材のうちで清浄度の低い、中央寄り部分金属材料を露出させずに済む。この為、上記両外輪軌道の転がり疲れ寿命を確保し、これら両外輪軌道を備えた外輪を含む、複列転がり軸受ユニットの耐久性確保の為の設計の自由度向上を図れる。
図1〜2は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の製造方法により造られる複列転がり軸受ユニット用の外輪3の特徴は、この外輪3を構成する金属材料が塑性変形する方向を示す塑性流れ線の方向を規制する事により、この外輪3の内周面に設けた複列の外輪軌道2、2の表面に、図2の(A)に示す素材10の中心から半径の40%未満(より好ましくは50%未満)の部分であり清浄度の劣る(耐久性確保の面から不利になる、粒径が大きな非金属介在物が存在し易い)中心側金属材料20(図2、3参照)が露出する事を防止する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図8に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の製造方法、及び、この製造方法により造られる複列転がり軸受ユニット用の外輪3の特徴部分を中心に説明する。
図1は、金属材料製の素材を鍛造加工により塑性変形させる事に伴って、この金属材料の組織が移動する状態を表した、所謂メタルフローを示す為に、上記外輪3を、中心軸を含む仮想平面に関する断面で表した図である。そして、上記図1で、この外輪3の内部に記載した複数本の曲線(鍛流線)イ、イは、上記メタルフローの断面形状を表している。即ち、図1に示した、内周面に複列の外輪軌道2、2を備えた外輪3は、図2の(A)に示す様な円柱状の素材10を、同図の(A)→(B)→(C)→(D)→(E)に示す様に、順次塑性変形させ、更に仕上加工である、旋削加工及び研磨加工を施す事により、上記図1に示した形状とする。
この様にして上記外輪3を造る際、塑性変形に伴って、上記素材10を構成する金属材料が、径方向及び軸方向に移動する。言い換えれば、鍛造加工により、上記素材10を上記外輪3に加工する過程では、この素材10の径方向中央部を押し潰す事によりこの径方向中央部から押し出した金属材料を、径方向外方及び軸方向端部に移動させる。この移動に伴って、この金属材料が、その内部で複雑に変形する。即ち、それぞれがこの金属材料の塑性変形に伴って自由に変形する複数の円筒が、上記素材10中に存在すると仮定した場合、これら各円筒は、上記素材10を上記外輪3に加工する過程で、複雑に変形する。上記各曲線イ、イは、この変形の方向及び程度を表したもので、上記素材10を構成する金属材料が、外径側(図1の上側)に移動しつつ、軸方向端部(図1の左右両端部)に向け移動する状態を表している。又、上記各曲線イ、イの中間部で、最も移動方向前方(外径側乃至軸方向端部側)に突出している部分(各曲線イ、イの先端部)同士を結んだ曲線ロは、上記金属材料が塑性変形する方向を示す塑性流れ線である。上記素材10の中央部の金属材料は、この塑性流れ線(曲線ロ)に沿った部分で、最も多く移動する。尚、上記図1中の点α、αは、上記両外輪軌道2、2と玉6、6(図8参照)の転動面との転がり接触点(接触楕円の中心点)を表している。又、直線β、βは、これら両転がり接触点での、上記両外輪軌道2、2の母線に関する接線を、直線γ、γは、同じく法線(上記各玉6、6に関する接触角の方向)を、それぞれ表している。
上記素材10の中央部の金属材料とは、前述した通り、清浄度の劣る中心側金属材料20である。従って、この中央部の金属材料(中心側金属材料20)が(仕上加工を完了した状態での)上記両外輪軌道2、2部分に達しない様にする事が、上記外輪3を組み込んだ複列転がり軸受ユニットの耐久性確保を図る面から必要になる。この為に本例の場合には、上記塑性流れ線(曲線ロ)が、上記両外輪軌道2、2の母線の何れとも交叉しない様にしている。
この為に本例の複列転がり軸受ユニット用外輪の製造方法の場合には、上記塑性流れ線(曲線ロ)が次の2通りの条件を満たす様に、上記外輪3の加工条件を規制している。
先ず第一に、上記塑性流れ線(曲線ロ)の方向を、極力径方向外側に向け(軸方向への傾斜量を少なく抑え)ている。
第二に、上記塑性流れ線(曲線ロ)の開始点O(この塑性流れ線と上記外輪3の内周面の母線との交点)を、上記両外輪軌道2、2同士の間部分のうちで、できるだけ中央寄り部分に位置させている。具体的には、これら両外輪軌道2、2との間部分に存在する肩部21の軸方向に関する幅寸法をWとした場合に、この肩部21の幅方向中心から上記開始点Oまでの軸方向距離を、W/4以下に抑えている。
本例の製造方法の場合、上記2通りの条件を満たす事により、上記塑性流れ線(曲線ロ)が、上記両外輪軌道2、2の母線の何れとも交叉しない様にして、これら両外輪軌道2、2の表面に、上記中央部の金属材料が達しない様にしている。この為、上記両外輪軌道2、2の転がり疲れ寿命を確保し、これら両外輪軌道2、2を備えた上記外輪3を含む、複列転がり軸受の耐久性確保を図れる。
上述の様な本例の製造方法により造られる構造に対して、図4の(A)に示す様に、塑性流れ線である曲線ロ´の方向に、軸方向への傾斜量の割合が多くなる(曲線ロ´と上記外輪3の中心軸との傾斜角度が小さくなる)と、上記塑性流れ線(曲線ロ´)と何れかの外輪軌道2の母線とが交叉する。この様な場合には、この何れかの外輪軌道2の表面に、上記素材10の中央部の金属材料(中心側金属材料20)が達してしまう。
又、図4の(B)に示す様に、塑性流れ線である曲線ロ″の開始点が上記肩部21から外れた場合にも、何れか一方又は両方の外輪軌道2の表面に、上記中心側金属材料20が達してしまう。
そして、上記図4の(A)(B)の何れに記載した構造の場合にも、複列転がり軸受の耐久性確保を十分には図れなくなる。
尚、塑性流れ線(曲線ロ)を図1に示す様な形状にできる、上記外輪3は、図2に示した様な工程で加工する。即ち、図2の(A)に示した、中炭素鋼、軸受鋼、浸炭鋼の如き鉄系合金等の、塑性加工後に焼き入れ硬化可能な、金属製で円柱状の素材10に、順次、塑性加工或いは打ち抜き加工を施す。そして、(B)に示した第一中間素材11a、(C)に示した第二中間素材12a、(D)に示した第三中間素材17aを経て、(E)に示した第四中間素材18aを得る。更に、この第四中間素材18aに、必要とする切削加工及び研削加工を施して、前述の図8に示した様な複列アンギュラ型玉軸受1を構成する外輪3とする。以下、上記素材10を上記第四中間素材18aに加工する工程に就いて、順番に説明する。尚、以下の加工のうち、(A)→(D)に示した、据え込み加工と、前後方押出加工と、打ち抜き加工とは、基本的には総て熱間若しくは温間で行い、(D)→(E)に示したローリング加工は冷間で行うが、小型の外輪3を形成し、しかも金属材料として優れた延性を有するものを使用する場合等、可能であれば、全工程を冷間で行っても良い。
先ず、据え込み工程で、図2の(A)→(B)に示す様に、上記素材10を軸方向に押し潰しつつ外径を拡げ、この素材10を、軸方向中間部が膨らんだ、上記第一中間素材11aとする。この様な据え込み工程の基本的な実施状況に関しては、前述の図9に示した、従来の製造方法での据え込み工程と同様である。
本例の場合、上記前後方押出加工で、図2の(B)に示した上記第一中間素材11aを、図2の(C)に示した第二中間素材12aに加工する。この様に、第一中間素材11aを第二中間素材12aに加工する上記前後方押出加工には、この第二中間素材12aの表面形状に合致する内面形状を有するダイス及び外面形状を有するパンチを使用する。このうちのダイスの内面形状は、上記図2の(C)に示した上記第二中間素材12aの形状から分かる様に、有底円筒状で、底面中央部に深さ寸法の1/2未満の高さ寸法を有する円形凸部を設けている。そして、この円形凸部の外周面と内周面との間を、上記第二中間素材12aの下寄り部分を形成する為の、円筒状成形空間としている。又、上記パンチは、上記第二中間素材12aの上寄り部分に押し込まれて、この上寄り部分の内面形状と上端面を加工する為のもので、上記パンチの先端部は上記ダイスの内径よりも小さな外径を有する。
尚、上記図1に示す様な、塑性流れ線の形状を得る為に、上記パンチの先端部分及び上記ダイスの円形凸部の先端部分の直径は、上記第一の中間素材11aの中心側金属材料20のうちで、この第一の中間素材11aの軸方向両端面に露出した部分の直径よりも大きくする
又、同様に上記塑性流れ線の形状を得る為に、上記パンチが、上記先端部分とこの先端部分よりも大径である大径部分とを段部により連続させた構造である場合、この先端部分の端面から上記段部までの長さと、上記ダイスの円形凸部の高さとが、ほぼ同じである事が好ましい。
上記前後方押出加工で、上記第一中間素材11aを上記第二中間素材12aに加工するには、上記ダイス内にこの第一中間素材11aを、この第一中間素材11aの軸方向片面(下面)の中央部を、上記円形凸部に当接させる(載置する)状態でセットする。次いで、上記パンチの先端部により上記第一中間素材11aの軸方向他面の中央部を強く押圧し、このパンチの先端面(下面)と上記円形凸部の先端面(上面)との間で、上記第一中間素材の中央部を軸方向に押し潰す。そして、この押し潰しに伴って径方向外方に押し出された金属材料を、上記第一中間素材11aの径方向外寄り部分に存在する金属材料と共に、上記円筒状成形用空間及び上記パンチの押し込み方向後方でこのパンチの外周面と上記ダイスの内周面との間に存在する円筒状の空間に移動させる。そして、図2の(C)に示す様な、円筒部22の軸方向中間部内径側に隔壁部23を設けた、上記第二中間素材12aとする。
尚、上記第二中間素材12aを上記ダイスから取り出し易くする為に、このダイスを、上下動が可能でありこの第二中間素材12aの下寄り部分の内面形状を加工する為の第一のダイスと、この第二中間素材12aの外側面と下端面とを加工する為の第二のダイスとを分離自在に組み合わせた構造にする事が好ましい。
上述の様な第二中間素材12aは、上記ダイスから取り出した後、前述した従来の製造方法の場合と同様の打ち抜き加工とローリング加工とを施す事により、図2の(D)に示した第三中間素材17aを経て、図2の(E)及び図3に示す様な、第四中間素材18aとする。このうちの打ち抜き加工では、上記第二中間素材12aを図示しない受型の内周面に保持した状態で、この第二中間素材12aの内径側に図示しない打ち抜きパンチを押し込み、上記隔壁部23のうちで径方向外端寄り部分を除いた部分を打ち抜き除去する。この様な打ち抜き工程により、図2の(D)に示す様な、軸方向中央部の内径が両端寄り部分の内径よりも小さくなった、上記第三中間素材17aとする。次いで、上記ローリング加工では、図示しない1対のローラによりこの第三中間素材17aの内外両周面をこれら両ローラの周面に見合う形状に塑性変形させて、上記第四中間素材18aとする。
この第四中間素材18aは、完成後の外輪3{図2の(E)及び図3の鎖線参照}よりも厚肉である。そこで、この第四中間素材18aに、所定の切削(旋削)加工及び研削加工を施して、上記外輪3として完成する。上記図2の(A)〜(E)に、加工の進行に伴う、中心側金属材料20の分布状態の変化状況を示している。この中心側金属材料20と、周囲に存在する清浄な金属材料との境界線が、前述の図1に示した曲線(鍛流線)イ、イの何れかに相当する。又、図2の(E)及び図3に、上記第四中間素材18aの段階での、上記中心側金属材料20の分布状態と完成後の外輪3の断面形状とを、鎖線で表している。この鎖線で表した、この外輪3の断面形状と、上記境界線とを見れば明らかな通り、上記金属材料が塑性変形する方向を示す塑性流れ線は、上記外輪3の内周面に形成する複列の外輪軌道2、2の母線と交叉する事はない。又、上記塑性流れ線の始点は、これら両外輪軌道2、2同士の間部分に設けた肩部21のほぼ中央に位置する。
前述の上記図2の(E)及び上記図3から明らかな通り、上記塑性流れ線を上記両外輪軌道2、2の母線と交叉させず、且つ、この塑性流れ線の始点をこれら両外輪軌道2、2同士の間部分に設けた肩部21のほぼ中央に位置させれば、これら両外輪軌道2、2の表面部分に、清浄度の高い金属材料(前記素材10のうちで、中心からの半径が40〜70%の部分、より好ましくは中心からの半径が50〜70%の部分)を露出させられる。この為、上記両外輪軌道2、2の転がり疲れ寿命を確保し、これら両外輪軌道2、2を備えた外輪3を含む車輪支持用転がり軸受ユニットの耐久性確保の為の設計の自由度向上を図れる。
本発明の効果を確認する為に行ったシミュレーションの結果に就いて説明する。このシミュレーションでは、図1に示した外輪3の断面に関して、塑性流れ線(曲線ロ)の方向及び開始点位置の相違が、この外輪の内周面に形成した複列の外輪軌道2、2の表面に現れると予測される非金属介在物の最大径に及ぼす影響に就いて、極値統計法により求めた。尚、上記両外輪軌道2、2の表面に表れる非金属介在物の最大径が大きい程、これら両外輪軌道2、2の転がり疲れ寿命(例えばL10寿命)を確保する事が難しくなる。言い換えれば、これら両外輪軌道2、2の表面部分に表れる非金属介在物の直径は、小さい程好ましい。
先ず、下記の表1は、上記塑性流れ線(曲線ロ)の方向が、上記両外輪軌道2、2の表面に表れる非金属介在物の最大径、及び、これら両外輪軌道2、2の転がり疲れ寿命(L10寿命)に及ぼす影響を求めた結果に就いて示している。この表1中、符号「○」は、塑性流れ線が、少なくとも何れかの外輪軌道2、2の母線と交叉している事を、符号「×」は、何れの母線とも交叉していない事を、それぞれ表している。又、軌道面1、2の欄に記載した数値は、当該外輪軌道2の表面に現れると予想される非金属介在物の最大径(μm)を表している。又、L10寿命の単位は時間である。又、表1中の▲1▼〜▲3▼は本発明の技術的範囲からは外れる比較例であり、▲4▼〜▲7▼が、本発明の実施例である。
Figure 0005029376
この様な表1から明らかな通り、塑性流れ線が、何れの外輪軌道2、2の母線とも交叉しない構造によれば、これら両外輪軌道2、2の表面に現れる非金属介在物の最大径を抑えて、これら両外輪軌道2、2の転がり疲れ寿命を確保できる。これに対して、上記塑性流れ線が何れかの外輪軌道2の母線と交叉した場合には、当該外輪軌道2の表面に現れる非金属介在物の最大径が大きくなる。そして、例えば潤滑用のグリース中に水が混入した場合等に、複列転がり軸受ユニットの耐久性を確保できなくなる。
次に、下記の表2は、上記塑性流れ線の開始点位置が、上記両外輪軌道2、2の表面に表れる非金属介在物の最大径に及ぼす影響を、極値統計調査により求めた結果に就いて示している。この表2中の▲1▼〜▲3▼が、特許請求の範囲に記載した発明に対応する構造を、▲4▼、▲5▼はこの特許請求の範囲に記載した発明からは外れる構造を、それぞれ示している。又、図5に、開始点▲1▼〜▲5▼の具体的位置を示している。
Figure 0005029376
この様な表2から、上記塑性流れ線の開始点を、複列の外輪軌道2、2同士の間に存在する肩部21の軸方向中間部に存在させ、この肩部21の軸方向に関する幅寸法をWとした場合に、この肩部21の幅方向中心から上記開始点までの軸方向距離を0.4W以下、より好ましくはW/4(0.25W)以下にするのが好ましい事が分かる。
以上、表1、2にそれぞれの結果を示したシミュレーションから明らかな通り、塑性流れ線の方向を何れの外輪軌道2、2とも交叉しない方向に規制し、且つ、この塑性流れ線の開始点位置を上記肩部21の中央寄り部分に規制すれば、上記両外輪軌道2、2の表面に現れる非金属介在物の最大径を小さく抑えられて、グリース中に水分が混入する等により生じる、不良潤滑下で起こる、非金属介在物を起点とした早期剥離を防止できて、複列転がり軸受の耐久性確保を十分に図れる。
次に、前述の図8に示した様な複列アンギュラ型玉軸受1を構成する為の外輪3を、加工条件を変えて各種造り、これら各外輪3の内周面に設けた外輪軌道2、2の耐久性に就いて試験した結果に就いて説明する。複列アンギュラ型玉軸受の内径は40mm、外径は74mm、幅は39mm、作用点距離(各列の玉の接触角を表す線と中心軸との交叉点同士の距離)は57mmとした。この様な複列アンギュラ型玉軸受の構成部材のうち、1対の内輪5、5は、前述の特許文献8の明細書の段落[0015][0016]に記載した方法により造った。上記両内輪5、5の製造方法に関しては、本発明の特徴ではないし、上記特許文献8に詳しく記載されている為、詳しい説明は省略する。
又、上記外輪3に就いては、前述の図2に示した方法により造った。具体的には、図2の(A)に示す円柱状の素材10として、高炭素クロム軸受鋼2種(SUJ2)製で、直径が40mm、軸方向寸法が40mmのものを用意した。次に、1100〜1200℃に加熱した上記素材10を、24500kN(2500Ton・f)のプレス機により軸方向(上下方向)に、軸方向寸法が30mmになるまで押し潰す据え込み加工を行い、図2の(B)に示した第一中間素材11aとした。次に、この第一中間素材11aに前述した様に鍛造加工を施して、図2の(C)に示す様な第二中間素材12aとした後、隔壁部23を打ち抜いて、図2の(D)に示す様な第三中間素材17aとした。更に、この第三中間素材17aに冷間ローリング加工を施して、内周面に上記両外輪軌道2、2の元となる部分を形成すると共に、両端部を含む各部の内径を所定の寸法に仕上げて、図2の(E)に示した第四中間素材18aとした後、この第四中間素材18aに旋削加工を施して上記外輪3とした。次に、この外輪3を840℃に加熱して1時間保持した後に冷却する焼入れを行った後、180℃×2時間の焼戻し処理を施して、上記外輪3の表面硬さをHRC61とした。次に、この外輪3に研削加工を施して、上記両外輪軌道2、2を含む、この外輪3の各部の寸法精度を向上させた。
この様にして得られた上記外輪3を、前記特許文献8に記載された発明の場合と同様に、軸方向中間部で2分割して、次述する図6に示す様な、内周面に単列の外輪軌道2を有する半外輪25とし、この半外輪25と前記内輪5とを組み合わせて、図6に示す様な、単列アンギュラ型の玉軸受ユニット26とした。そして、この玉軸受ユニット26を構成する上記半外輪25の耐久性(L10寿命)を、上記特許文献8に記載された発明の場合と同様に、図6に示す様な測定方法により測定し、この測定結果と、塑性流れ線の方向{外輪軌道2の母線と交叉(接触)するか否か}及び開始点との関係に就いて整理した。
上記耐久性を測定するには、先ず、上記内輪5を回転軸27に取り付けた状態で、上記玉軸受ユニット26を容器28内に入れる。この容器28内には、潤滑油(VG10)に水を5質量%混合した液体29を貯溜しており、上記玉軸受ユニット26全体をこの液体29中に浸漬する。次に、上記回転軸27により上記内輪5を、8820Nのアキシャル荷重を付与しつつ、1000min−1で回転させて、上記玉軸受ユニット26に生ずる振動を振動計で継続して測定した。そして、上記半外輪25の内周面の外輪軌道2が剥離する事により生じる振動(外輪軌道2の損傷に起因すると考えられる周波数の振動)の測定値が一定値を超えた場合に、上記回転軸27を停止し、回転開始から停止までの時間を記録して、この時間を上記外輪軌道2の損傷に基づく、上記玉軸受ユニット26の寿命とした。又、取り出した半外輪25を径方向に切断してその断面を観察し、上記塑性流れ線の方向及び開始点を求めた。この様な測定を、同種の(同じ製造方法により造られた)サンプル毎に10個ずつ行い、L10寿命を調べた。その結果を、下記の表3に示す。尚、この表3中、介在物の最大直径の値は、上記塑性流れ線の方向及び開始点位置に基づいて、極値統計により求めた。
Figure 0005029376
又、この表3に表した測定結果を、図7に記載した。この図7の横軸は塑性流れ線の開始点位置を、縦軸はL10寿命を、符号「▲」は上記塑性流れ線の方向に関して、この塑性流れ線と上記外輪軌道2の母線とが交叉(接触)していない事を、符号「●」は同じく接触している事を、それぞれ表している。この様な表3及び図7の記載から分かる様に、上記塑性流れ線の開始点を上記肩部21の中央近くに設定し、且つ、この塑性流れ線と上記外輪軌道2の母線とを交叉させなければ、潤滑油中に水分が混入した様な、厳しい潤滑条件の下でも、転がり疲れ寿命を確保して、十分な耐久性を得られる。
即ち、上記塑性流れ線の開始位置が、上記肩部21の中央位置からこの肩部21の幅Wの1/4以下であれば、上記外輪軌道2の表面に現れる非金属介在物の最大直径を小さく抑えられて、この外輪軌道2の転がり疲れ寿命が長くなる。これに対して、上記塑性流れ線の開始位置が上記幅Wの1/4を越えたり、この塑性流れ線と上記外輪軌道2の母線とが接触したりすると、上記外輪軌道2の表面に表れる非金属介在物の最大直径が大きくなり、その結果、この外輪軌道2の転がり疲れ寿命が短くなる。
本発明の製造方法により造られる複列転がり軸受ユニットに組み込む外輪を構成する金属材料が塑性変形する方向を示す塑性流れ線を説明する為の部分断面図。 好ましい塑性流れ線を得る為の製造方法の1例を工程順に示す断面図。 第四中間素材を示す断面図。 好ましくない塑性流れ線の2例を示す部分断面図。 塑性流れ線の開始位置を説明する為の模式図。 本発明の効果を確認する為に行った耐久試験の実施状況を示す断面図。 この耐久試験の結果を示すグラフ。 本発明の製造方法の対象となる軸受外輪を備えたアンギュラ型の複列玉軸受を備えた回転支持部の1例を示す断面図。 従来から知られている軸受外輪の製造方法を示す、図1と同様の図。
1 複列アンギュラ型玉軸受
2 外輪軌道
3 外輪
4 内輪軌道
5 内輪
6 玉
7 保持器
8 ハウジング
9 回転軸
10 素材
11、11a 第一中間素材
12、12a 第二中間素材
13 ダイス
14 パンチ
15 底板部
16 周壁部
17、17a 第三中間素材
18、18a 第四中間素材
20 中心側金属材料
21 肩部
22 円筒部
23 隔壁部
25 半外輪
26 玉軸受ユニット
27 回転軸
28 容器
29 液体

Claims (1)

  1. 圧延成形された断面円形の長尺材を切断する事により造られた円柱状で、径方向中央部の清浄度が低い素材に、軸方向に押し潰しつつ外径を拡げる据え込み加工を施す事により、この素材を軸方向中間部が膨らんだ第一中間素材とした後、有底円筒状で底面中央部に深さ寸法の1/2未満の高さ寸法を有し、且つ、先端部分の直径が上記素材のうちで上記清浄度が低い径方向中央部の直径よりも大きな円形凸部を設け、この円形凸部の外周面と内周面との間を円筒状成形空間としたダイス内に上記第一中間素材を、この第一中間素材の片面の中央部を上記円形凸部に当接させる状態でセットし、上記ダイスの内径よりも小さく、且つ、上記素材のうちで上記清浄度が低い径方向中央部の直径よりも大きな外径を有するパンチの先端部分を上記第一中間素材の軸方向他面の中央部に押し付ける前後方押出加工によりこの第一中間素材を、円筒部の軸方向中間部内径側に隔壁部を設けた第二中間素材に加工し、次いで、この第二中間素材に、この隔壁部のうちで径方向外端寄り部分を除いた部分を打ち抜き除去する打ち抜き加工を施して第三中間素材とした後、1対のローラによりこの第三中間素材の内外両周面をこれら両ローラの周面に見合う形状に塑性変形させるローリング加工を施す事により、上記第三中間素材を第四中間素材とし、更にこの第四中間素材に、上記打ち抜き加工後に残った上記隔壁部の径方向外端寄り部分である、肩部の両側に複列の外輪軌道を形成する為の切削加工及び研磨加工を含む仕上加工を施す事により、外周面が、軸方向に関して外径が実質的に変化しない円筒面であり、内周面が、軸方向中間部の内径が最も小さく、この軸方向中間部の両側部分が、軸方向両端部に向かうに従って内径が漸次大きくなる方向に傾斜した形状であって、この内径が漸次大きくなる部分に上記複列の外輪軌道を設ける事により、上記外輪の中心軸を含む仮想平面での断面に関して、この外輪を構成する金属材料が塑性変形する方向を示す塑性流れ線の開始点が、上記複列の外輪軌道同士の間に存在する上記肩部の軸方向中間部に存在しており、この肩部の軸方向に関する幅寸法をWとした場合に、この肩部の幅方向中心から上記開始点までの軸方向距離がW/4以下であって、上記塑性流れ線が、上記両外輪軌道の母線の何れとも交叉しない外輪とする、複列転がり軸受ユニット用外輪の製造方法
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