JP5672181B2 - 軌道輪部材の製造方法 - Google Patents
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Description
更に、図7に示した外輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユニット1bは、従動輪用のもので、1対の内輪10、10と、ハブ11と、複数個の転動体4、4とを備える。このうちの1対の内輪10、10は、それぞれが外周面に単列の内輪軌道8a、8bを有するもので、軸方向に並べて配置されている。又、前記ハブ11は、内周面の軸方向2箇所位置に複列の外輪軌道5a、5bを、外周面の軸方向外端寄り部分に外向フランジ7を、それぞれ有する。そして、これら両外輪軌道5a、5bと前記両内輪軌道8a、8bとの間に前記各転動体4、4を、両列毎に複数個ずつ配置して、前記両内輪10、10の外径側での前記ハブ11の回転を可能としている。使用状態では、これら両内輪10、10を、懸架装置に設けた車軸に外嵌固定すると共に、前記ハブ11の外向フランジ7に、車輪及び制動用回転部材を結合固定する。
尚、上述した各車輪支持用転がり軸受ユニット1、1a、1bの場合には、前記各転動体4、4として玉を使用しているが、重量の嵩む車両用の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、転動体として円すいころを使用する場合もある。
次に、従来の軌道輪部材の製造方法の1例に就いて、図8〜9に示す様な、内周面の軸方向2箇所位置に複列の外輪軌道5a、5bを、外周面のうちで軸方向片側(図8〜9に於ける上側)の外輪軌道5aと径方向に重畳する位置に外向フランジ6を、それぞれ形成した外輪2の製造方法を例にして、前記図8〜9に図10を加えて説明する。
そして、最初の据え込み工程で、この原素材12を軸方向に押し潰す事により図10の(B)に示す様な、第一中間素材13を得る。この第一中間素材13は、軸方向中間部の外径が軸方向両端部の外径よりも大きくなった、ビヤ樽若しくは厚肉円盤状の如き形状を有する。
この様な第一中間素材13を得たならば、続く荒成形工程で、この第一中間素材13の周囲を荒成形用ダイスにより囲んだ状態で、この第一中間素材13の軸方向両端面の中央部に1対の荒成形用押圧パンチを押し付け、この第一中間素材13を塑性変形させる。そして、図10の(C)に示す様な、第二中間素材14を得る。この第二中間素材14は、軸方向両端面に開口する1対の凹部15a、15bと、これら両凹部15a、15bの底部同士の間に存在する隔壁部16と、外周面の軸方向片側(図10の上側)に寄った位置に径方向外方に突出する状態で形成された外向フランジ6とを備える。
この様な第三中間素材18を得たならば、続く打ち抜き工程で、この第三中間素材18の隔壁部16を、その外周縁部分を除いて打ち抜き除去する事により、図10の(E)に示す様な、第四中間素材19を得る。
この様な第四中間素材19を得たならば、続くバリ取り工程で、この第四中間素材19の外向フランジ6の外周縁部に残っているバリ20を除去する事により、図10の(F)に示す様な、第五中間素材21を得る。
その後、この第五中間素材21の各部に、旋削等による切削加工や研削加工等の仕上げ加工を施す事により、図8〜9に示した外輪2を完成させる。
これに対して、図12に示す様な形状を有するハブ11bを造る場合に、仕上加工が面倒になるだけでなく、材料の歩留まりが悪化する。このハブ11bは、軸方向外端部に設けた円筒部22aの内径を、軸方向外側の外輪軌道5aの内径よりも小さくしたもので、これら円筒部22aと外輪軌道5aとの間部分が、軸方向両側部分よりも内径が大きくなったアンダカット部23となっている。
この様な軌道輪部材を造る為の本発明の製造方法では、先ず、金属製の素材を塑性加工する事により、軸方向一端部に前記第二小径部を設け、前記第一小径部及び前記アンダカット部を持たず、これら第一小径部及びアンダカット部となるべき部分を円筒部とした中間素材を形成する。
その後、前記円筒部の軸方向中間部乃至軸方向他端寄り部分の直径を塑性加工により縮めて、前記第一小径部及び前記アンダカット部を形成する。
この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記円筒部を軸方向に押し潰しつつ金属材料の一部を径方向内側に移動させる際に、この円筒部の外周面を金型により抑え付けて、この円筒部の外径が拡がる事を防止する。
上述の様な前記第三中間素材30には、前記隔壁部33全体を打ち抜き除去するピアス(プレスによる打ち抜き)加工を施して、図1の(E)に示す様な、第四中間素材34とする。
尚、図示の例では、前記隔壁部33の打ち抜き加工を、前記肩部24及び前記アンダカット部23を形成する以前に行っているが、この打ち抜き加工は、これら肩部24及びアンダカット部23を形成した後に行っても良い。
2 外輪
3、3a ハブ
4 転動体
5a、5b 外輪軌道
6 外向フランジ
7 外向フランジ
8a、8b 内輪軌道
9 スプライン孔
10 内輪
11、11a、11b ハブ
12、12a 原素材
13、13a 第一中間素材
14 第二中間素材
15a、15b 凹部
16 隔壁部
17 円筒状部分
18 第三中間素材
19 第四中間素材
20 バリ
21、21a 第五中間素材
22、22a 円筒部
23 アンダカット部
24 肩部
25 中間素材
26 最終中間素材
27 第二中間素材
28 充実部
29 円筒部
30 第三中間素材
31 凹部
32 小円筒部
33 隔壁部
34 第四中間素材
35 受型
36 環状凹部
37 支承部
38 ダイス
39 パンチ
40 基板部
41 小径部
42 大径部
43 曲面部
44 押圧部
Claims (3)
- 金属材により略円筒状に造られて、内周面の軸方向中間部に軸方向両側部分よりも内径が小さくなった第一小径部を、この第一小径部から軸方向に離隔した軸方向一端部に第二小径部を、それぞれ設け、これら第一、第二両小径部の間部分を、これら第一、第二両小径部よりも内径が大きいアンダカット部とすると共に、このうちの第一小径部を軸方向両側から挟む部分に1対の外輪軌道を設けた軌道輪部材の製造方法であって、金属製の素材を塑性加工する事により、軸方向一端部に前記第二小径部を設け、前記第一小径部及び前記アンダカット部を持たず、これら第一小径部及びアンダカット部となるべき部分を円筒部とした中間素材を形成した後、この円筒部の軸方向中間部乃至軸方向他端寄り部分の直径を塑性加工により縮めて、前記第一小径部及び前記アンダカット部を形成する事を特徴とする軌道輪部材の製造方法。
- 前記軌道輪部材が、外周面に外向フランジを備え、車輪支持用転がり軸受を構成する外輪であって、前記アンダカット部がこの外向フランジの径方向内側に存在するものであり、この外向フランジよりも軸方向他端寄り部分に存在する前記円筒部を軸方向に押し潰しつつ金属材料の一部を径方向内側に移動させて前記第一小径部を形成する事により、この第一小径部と前記第二小径部との間を前記アンダカット部とする、請求項1に記載した軌道輪部材の製造方法。
- 前記円筒部を軸方向に押し潰しつつ金属材料の一部を径方向内側に移動させる際に、この円筒部の外周面を金型により抑え付けて、この円筒部の外径が拡がる事を防止する、請求項2に記載した軌道輪部材の製造方法。
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