JP5556297B2 - 車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造方法 - Google Patents

車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造方法 Download PDF

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この発明は、自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受を構成する外輪相当部材の製造方法に関する。特に本発明は、軸方向の中間部に、軸方向に関して当該部分の両側よりも内径が大きくなった、所謂アンダカット部を有する外輪相当部材を、低コストで造れる製造方法の実現を意図している。
自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受は、外輪相当部材の内周面に形成した複列の外輪軌道と、内輪相当部材の外周面に形成した複列の内輪軌道との間に、両列毎に複数個の転動体を設ける事により、前記外輪相当部材と前記内輪相当部材との相対回転を自在としている。これら外輪相当部材と内輪相当部材との何れを前記懸架装置に結合固定し、何れに車輪を支持固定するか(何れを静止輪とし、何れを回転輪とするか)は、設計により異なり、何れの構造も存在する。又、前記両列の転動体のピッチ円直径に関しては、互いに同じである場合が多いが、異なる構造も知られている。又、異なる場合に、何れの列のピッチ円直径を大きくするかも、支持すべき車輪が従動輪であるか駆動輪であるか等の相違に応じて、両方の構造が知られている。
この様に、車輪支持用転がり軸受ユニットには、多くの仕様が存在し、しかも、近年に於ける要求の多様化により、従来とは異なる形状を実現する必要性が増大している。例えば、外輪の内周面に形成した複列の外輪軌道のうち、軸方向に関して中央寄り部分の外輪軌道部分の内径を、この外輪軌道の軸方向両側部分の内径よりも十分に大きくする形状、即ち、内周面の軸方向中間部にアンダカット部を有する外輪の提供を要求される場合もある。何れにしても、前記外輪は、中炭素鋼等の金属材料により造るが、内周面に上述の様なアンダカット部を有する外輪を従前の方法により造った場合には、コストが嵩むだけでなく、十分な耐久性を確保する事が難しい。この点に就いて、図10により説明する。
造るべき外輪1の形状は、図10の(A)(B)に鎖線で示す。この外輪1は、本体部分を略円筒状に造られたもので、内周面のうちで軸方向に互いに離隔した2個所位置に複列アンギュラ型の外輪軌道2a、2bを、外周面の軸方向中間にフランジ部3を、それぞれ有する。これら両外輪軌道2a、2bは、前記外輪1の内周面の軸方向中間部に設けた、内径が小さくなった第一小径部4の軸方向両側面部分に形成されている。以上の形状に関しては、従来から一般的に使用されている車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪と同様であり、従前の製造方法でも、特に問題なく造れる。特に、図10に示した外輪1の場合、円筒状の本体部分5のうちの軸方向一端部(図10の上端部)の直径を、軸方向中間部乃至他端部の直径よりも小さくして、当該部分を第二小径部6としている。この様な第二小径部6を設けるのに伴って、この第二小径部6と前記第一小径部4との間部分が、これら第一、第二両小径部4、6よりも内径が大きいアンダカット部7となる。この様なアンダカット部7の存在に基づいて、前記外輪1の製造コストの低減と耐久性の確保とが難しくなる。
即ち、前記外輪1を造るのに一般的には、中炭素鋼製で円柱状の素材に、塑性加工の一種である鍛造加工を施して、完成後の外輪の形状に近い中間素材とした後、この中間素材に、切削、研削等の削り加工を施して、所望の形状及び表面性状を有する、前記外輪1とする。前記鍛造加工は、前記素材の軸方向に遠近動する受型と押型との間でこの素材を軸方向に押し潰す(塑性変形させる)事により行う。前記中間素材に、前記アンダカット部7に近い形状部分(端部開口までの間部分に比べて、内周面から径方向外方に凹んだ部分)が存在すると、上述の様な鍛造加工後に、前記受型と押型とのうちで、当該部分を加工した型を前記中間素材から分離できなくなる。この為、従前の方法により、図10に鎖線で示す様な外輪1を造る場合には、図10の(A)に示す様な、アンダカット部を持たない中間素材8を造り、この中間素材8のうちで、前記アンダカット部7に対応する、内周面中間部を大きく削り取る必要がある。この為、加工の手間が増大し、又、材料の歩留まりが悪化して製造コストが増大するだけでなく、前記両外輪軌道2a、2b部分の表面性状を良好にしにくくなる。即ち、前記内周面中間部を大きく削り取るのに伴って、金属材料中の、所謂ファイバーフローの切断部が前記両外輪軌道2a、2b部分の表面に露出し易くなる。又、前記素材を構成する金属材料のうちで、これら両外輪軌道2a、2b部分の耐久性を確保する面から有利な清浄部分(素材の径方向中間部分)を、これら両外輪軌道2a、2b部分に露出させる事が難しくなる。
上述の様な問題を生じる、図10の(A)に示す様な従前の製造方法に対して、図10の(B)に示す様な、完成後の外輪1のアンダカット部7に対応する部分の内径が大きくなった中間素材8aを、鍛造等の塑性加工により造る事ができれば、上述の様な問題を総て解決できる。但し、この様な中間素材8aを従前の製造方法により造れない事は、前述した通りである。
アンダカット部を有する金属製部品を鍛造等の塑性加工により造る方法として従来から、特許文献1、2に記載された方法が知られている。このうちの特許文献1に記載された製造方法では、円輪状部分の径方向中間部から軸方向に突出した円筒部を径方向内方に曲げ形成する事により、この円輪状部分の内径寄り部分とこの円筒部の先端寄り部分との間をアンダカット部とする。又、特許文献2に記載された製造方法では、軸方向一端部に大径部を有し、軸方向中間部乃至他端部を円柱部とした中間素材の軸方向中間部乃至他端部を軸方向に押し潰して別の大径部を形成し、この別の大径部と前記大径部との間をアンダカット部とする。
前記特許文献1に記載された製造方法では、アンダカット部を設ける部分の形状が限定される(部分円すい筒状の内径側部分に限定される)為、車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造には適さない。又、前記特許文献2に記載された製造方法は、アンダカット部が外周面に存在する金属製部品を造る事を考慮しており、図10に示した外輪1の様な、内周面にアンダカット部7を有する車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造には適さない。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、軸方向の中間部に、軸方向に関して当該部分の両側よりも内径が大きくなった、アンダカット部を有する外輪相当部材を、低コストで造れる製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の製造方法の対象となる車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材は、金属材により略円筒状に造られて、内周面の軸方向中間部に軸方向両側部分よりも内径が小さくなった第一小径部を、この第一小径部から軸方向に離隔した部分に第二小径部を、それぞれ設け、これら第一、第二両小径部の間部分を、これら第一、第二両小径部よりも内径が大きいアンダカット部としたものである。
特に、本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造方法は、先ず、金属製の素材を塑性加工する事により、前記第二小径部及び前記アンダカット部を持たず、これら第二小径部及びアンダカット部となるべき部分を円筒部とした中間素材を形成する。その後、この円筒部の内径を、絞り加工や肉寄せ加工等の塑性加工により縮めて、前記第二小径部及び前記アンダカット部を形成する。
この様に前記中間素材を形成した後、前記第二小径部及び前記アンダカット部を形成する為に、本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造方法の場合、前記円筒部の内径より大きく同じく外径より小さい外径を有するパンチをこの円筒部に、この円筒部の軸方向端面から押し込む事により、この円筒部を構成する金属材料の一部を、この円筒部の内径側で且つ軸方向の中央寄り部分に移動させて(肉寄せ加工を施して)、前記第二小径部及び前記アンダカット部を形成する。
この様な本発明を実施するのに、具体的には、請求項2に記載した発明の様に、金属製で円柱状の素材を軸方向に押し潰す事により、一端面に開口し、他端部の内径が中間部乃至一端部よりも小さくなった円形凹孔と、この円形凹孔の底部を塞ぐ底板部とを備えた第一予備中間素材を形成する。その後、この底板部を打ち抜いて、軸方向に貫通する円筒部を備え、この円筒部の軸方向他端部を第一小径部とした中間素材とする。次いで、この中間素材の円筒部の軸方向端面からパンチを押し込む。
更に、この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記中間素材の円筒部の軸方向端面から、先ず、この軸方向端面を押圧する部分の軸方向に関する突出量が、径方向中間部で大きく、同じく径方向内端部で小さくなった予備成形用パンチを押し込む。そして、前記円筒部の一端寄り部分の金属材料を軸方向中央部に移動させ、内径寄り部分が軸方向一端側に突出した形状を有する予備第二小径部とする。その後、この予備第二小径部を押圧する部分の軸方向に関する突出量が、内径寄り部分で大きく、外径寄り部分で漸減する仕上成形用パンチを押し込む。そして、前記予備第二小径部の内径寄り部分の金属材料を軸方向中央部に移動させて第二小径部とする。
上述の様に構成する本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造方法によれば、軸方向の中間部に、軸方向に関して当該部分の両側よりも内径が大きくなった、アンダカット部を有する外輪相当部材を、低コストで造れる。即ち、中炭素鋼等の金属製の素材に、鍛造加工等の塑性加工を施す事により、前記アンダカット部を含んで、完成後の状態に近い形状を有する中間素材に加工できる。この為、この中間素材の内周面中間部を大きく削り取る必要がなくなり、加工の手間の低減と、材料の歩留まり向上とにより、製造コストの低減を図れる。又、前記中間素材の内周面中間部を大きく削り取る必要が無くなるので、ファイバーフローの切断部が、前記外輪相当部材の内周面に設けた複列の外輪軌道の表面部分に露出したり、或は、前記素材中の非清浄部分がこれら両外輪軌道部分に露出したりするのを防止し易くなる。
本発明に関する参考例の第1例を、工程順に示す断面図。 中間素材の一端部の直径を縮める為の予備加工を、加工開始直前の状態(A)と加工終了直後の状態(B)とで示す断面図。 同じく仕上加工を、加工開始直前の状態(A)と加工終了直後の状態(B)とで示す断面図。 本発明に関する参考例の第2例を示す、図2と同様の断面図。 本発明の実施の形態の1例を、工程順に示す断面図。 中間素材の一端部内径寄り部分の金属材料を軸方向中間寄り部分に移動させる為の予備加工を、加工開始直前の状態(A)と加工終了直後の状態(B)とで示す断面図。 この予備加工に伴う金属材料の移動状態を説明する為の、図6の(B)のX部拡大断面図。 中間素材の一端部内径寄り部分の金属材料を軸方向中間寄り部分に移動させる為の仕上加工を、加工開始直前の状態(A)と加工終了直後の状態(B)とで示す断面図。 この仕上加工に伴う金属材料の移動状態を説明する為の、図8の(B)のY部拡大断面図。 本発明の製造方法の対象となる外輪を、従前の製造方法で造る場合(A)と、本発明の製造方法により造る場合(B)とでそれぞれ示す部分断面図。
本発明に関する参考例の第1例
図1〜3は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例の製造方法では、図1の(G)に示す様な、完成後の外輪1のアンダカット部7(図10参照)に対応する部分の内径が大きくなった最終中間素材9を、塑性加工の一種である鍛造加工により造る。この最終中間素材9の形状は、前述の図10の(B)に示した中間素材8aと、基本的に同じである。尚、以下に述べる、素材10を順次塑性変形させて前記最終中間素材9とする鍛造加工は、熱間により(被加工物である素材乃至は各段階の中間素材を900℃を超える温度に加熱した状態で)行う事が、加工力(プレス機の容量)を小さく抑えると共に、被加工物に亀裂等の損傷を発生しにくくする面からは好ましい。但し、被加工物の形状や寸法によっては、温間で(被加工物を600〜900℃に加熱した状態で)行う事もできる。更に、被加工物の形状変化が比較的少ない、初期段階の加工は、被加工物の寸法によっては、冷間で行う事もできる。
上述の様な最終中間素材9を造る為に本参考例の製造方法の場合には、先ず、長尺材を所定長さに切断する事により、図1の(A)に示す様な、円柱状の素材10を得る。次いで、この素材10を軸方向に押し潰して、軸方向寸法を縮めると共に外径を拡げる据え込み加工を施す事により、図1の(B)に示す様な、軸方向中央部の外径が最も大きくなった、厚肉円盤状の第一中間素材11とする。
次に、この第一中間素材11に第一段階の荒成形加工を施す事により、図1の(C)に示す様な第二中間素材12とする。この荒仕上加工は、前記第一中間素材11を、軸方向に関して遠近動する押型と受型との間で押し潰す、鍛造加工により行う。
この様にして造った前記第二中間素材12に、続いて第二段階の荒成形加工を施す事により、図1の(D)に示す様な第三中間素材13とする。この第三中間素材13は、円筒部14の外周面に素フランジ部15を、内径側部分に隔壁部16を、それぞれ有する。この円筒部14のうちでこの素フランジ部15よりも軸方向に関して片側(図1の下側)に存在する片側円筒部分17に関しては、直径及び径方向の厚さ寸法を、前記最終中間素材9のうちの該当する部分の直径及び厚さ寸法と同じとしている。これに対して、前記円筒部14のうちで前記素フランジ部15よりも軸方向に関して他側(図1の上側)に存在する他側円筒部分18に関しては、直径を前記最終中間素材9のうちの該当する部分の直径よりも大きく、径方向の厚さ寸法を該当する部分の厚さ寸法よりも小さくしている。
この様な前記第三中間素材13には、前記隔壁部16の外径側端部を除く、中央部分を打ち抜き除去するピアス(プレスによる打ち抜き)加工を施して、図1の(E)に示す様な、第四中間素材19とする。
以上の加工により造られる第一〜第四中間素材11〜13、19には、何れも金型を退避させる事に対する障害となるアンダカット部分がない(前記第一小径部と両端開口との間に、この第一小径部よりも内径が小さくなった部分が存在しない)。従って、例えば特許文献3等に記載されて従来から周知の鍛造加工方法により、容易に加工できる。この為、前記素材10から前記第四中間素材19までの加工方法に使用する金型等の、具体的な構造及び作用に就いては、図示並びに説明を省略する。
前記第四中間素材19には、前記他側円筒部分18に、本参考例の特徴となる、鍛造による縮径加工を施す事により、図1の(F)に示した第五中間素材20を経て、同(G)に示した、前記最終中間素材9とする。以下、前記第四中間素材19を前記第五中間素材20とし、更にこの第五中間素材20を前記最終中間素材9とする工程に就いて、図2、3を参照しつつ、詳しく説明する。
先ず、前記第四中間素材19を前記第五中間素材20に加工するには、図2の(A)に示す様に、この第四中間素材19を、プレス加工機の基台に固定した予備成形用ダイス21にセットする。この予備成形用ダイス21はその中心部に、この第四中間素材19の片側円筒部分17を隙間なく内嵌する円孔部22と、この片側円筒部分17の端面を突き当てる為の段差部23と、前記第四中間素材19の外周面の素フランジ部15を収納する為の凹孔部24とを備える。この第四中間素材19をこの様な予備成形用ダイス21にセットしたならば、この予備成形用ダイス21の上方に設けた、予備成形用パンチユニット25を下降させて、前記他側円筒部分18の直径を縮めると同時に、この他側円筒部分18の径方向に関する厚さ寸法を増大させる。
前記予備成形用パンチユニット25は、互いに同心に組み合わされた予備成形用インナパンチ26と予備成形用アウタパンチ27とを、前記プレス加工機のラムの下面に固定して成る。このうちの予備成形用インナパンチ26の外径は、縮径すべき前記他側円筒部分18の内径よりも小さく、この他側円筒部分18を縮径して得られる、前記第五中間素材20の他側円筒部分18aの内径に見合う(スプリングバックを考慮する場合にはこの内径よりも僅かに小さな、考慮する必要がない場合にはこの内径と同じ)寸法としている。又、前記予備成形用アウタパンチ27は、全体を円環状としたもので、断面円形で段付の中心孔28を有する。この中心孔28は、上端部に設けた小径部29の下端部と、中間部に設けた大径部30の上端部とを段差部31により連続させ、更に、この大径部30の下端開口部に、下方に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜したガイド傾斜面32を設けている。このうちの大径部30の内径は、前記第五中間素材20の他側円筒部分18aの外径に見合う(スプリングバックを考慮する場合にはこの外径よりも僅かに小さな、考慮する必要がない場合にはこの外径と同じ)寸法としている。更に、前記ガイド傾斜面32の下端部の内径は、前記縮径すべき前記他側円筒部分18の端面の外径よりも大きい。
前記第五中間素材20を造るには、前述の様に、前記第四中間素材19を前記予備成形用ダイス21にセットした状態で、図2の(B)に示す様に、上述の様な予備成形用パンチユニット25を、プレス加工機のラムと共に大きな力で下降させる。すると、前記他側円筒部分18が、前記ガイド傾斜面32に案内されて直径を縮めつつ、前記大径部30内に進入し、前記他側円筒部分18aを備えた、前記第五中間素材20に加工される。この第五中間素材20の他側円筒部分18aの径方向に関する厚さ寸法は、前記第四中間素材19の他側円筒部分18の同方向の厚さ寸法よりも、直径が縮まった分だけ厚くなる。この様に本参考例の場合には、造るべき他側円筒部分18aの厚さ寸法(所定値)よりも小さい厚さ寸法を有する他側円筒部18を縮径しつつこの厚さ寸法を大きくする為、この他側円筒部18の縮径作業を行い易い。尚、図1の(E)→(F)、及び、図2の(A)→(B)の予備成形時には、この予備成形完了時の状態でも、前記他側円筒部分18aの端面と、前記予備整形用アウタパンチ27の中心孔28の段差部31とは離隔した状態のままとなる。この理由は、前記他側円筒部分18aの厚さ寸法が過大になる事を防止して、次の、縮径の為の仕上成形作業を容易に行える様にする為である。
上述の様に、前記予備成形用ダイス21と前記予備整形用パンチユニット25との間で前記第四中間素材19を押圧して、前記第五中間素材20を得たならば、次いで、この第五中間素材20を、図3に示す様に、仕上成形用ダイス33と仕上成形用パンチユニット34との間で押圧して、前記最終中間素材9とする。これら仕上成形用ダイス33及び仕上成形用パンチユニット34の基本的構造は、前記予備成形用ダイス21及び前記予備整形用パンチユニット25と同様である。但し、前記仕上成形用ダイス33に関しては、前記第四中間素材19乃至前記第五中間素材20の中心孔35(前記隔壁部16を打ち抜く事に伴って形成された円孔)に隙間なく内嵌されるマンドレル36を備える。前記第五中間素材20を前記仕上成形用ダイス33にセットした状態では、この第五中間素材20の片側円筒部分17の先端部(下半部)が、前記仕上成形用ダイス33に設けた円筒部22aの内周面と、同じく段差部23aの上面と、前記マンドレル36の基端部外周面とにより画成される空間(キャビティ)内に収納される。又、このマンドレル36の先半部(上半部)が、前記中心孔35に隙間なく内嵌される。
この状態から、前記仕上成形用パンチユニット34を下降させると、前記他側円筒部分18aが、ガイド傾斜面32aに案内されて直径を縮めつつ、大径部30a内に進入し、この他側円筒部分18aよりも更に直径が小さく、更に厚さ寸法が大きな他側円筒部18bを備えた、前記最終中間素材9に加工される。この様に、前記第五中間素材20をこの最終中間素材9とする仕上成形の際には、前述した予備成形の場合とは異なり、前記他側円筒部18bの端面を、仕上成形用インナパンチ37と共に前記仕上成形用パンチユニット34を構成する仕上成形用アウタパンチ38に設けた、段差部31aに突き当てる。そして、前記他側円筒部18bを、内外両周面を拘束した状態のまま、十分に大きな力で軸方向に押圧して、この他側円筒部18bの形状及び寸法を、前記仕上成形用パンチユニット34の内面形状に合わせて、精度良く仕上げる(明りょうなアンダカット部の形状を得る)。この様にして行う仕上成形時に、前記第五中間素材20乃至前記最終中間素材9には、大きな力(荷重、応力)が加わる。但し、これら第五中間素材20乃至最終中間素材9の中心孔35及び片側円筒部分17の内径側には、前記マンドレル36を隙間なく内嵌している為、前記第五中間素材20乃至前記最終中間素材9のうち、前記軸方向他側部分18a乃至18b以外の部分に、有害な変形が生じる事はない。
尚、本工程で得る最終中間素材9は、後述する切削(旋削)及び研削加工前のもので、その形状は製品としての最終形状ではない。従って、特に高い形状精度及び寸法精度を要求されるものではないので、必ずしも、前記他側円筒部18bの端面を前記段差部31aに突き当てる必要はない。
又、以上の本発明に関する参考例は、前記図1の(E)に示した第四中間素材19を同じく(G)に示した最終中間素材9に加工する途中で、同じく(F)に示した第五中間素材20を成形する場合に就いて説明した。但し、前記第四中間素材19の他側円筒部分18を前記最終中間素材9の他側円筒部分18bに加工する程度(加工量の多寡)によっては、この工程を変更する事もできる。例えば、加工量が少ない(縮径する割合が低い)場合には、前記第五中間素材20の加工工程を省略し、前記第四中間素材19を、直接前記最終中間素材9に加工する事もできる。逆に、加工量が多い(縮径する割合が高い)場合には、この第四中間素材19から前記最終中間素材9への加工を、より多段階で行う事もできる。
何れにしても、得られた最終中間素材9は、前記仕上成形用ダイス33と前記仕上成形用パンチユニット34との間から取り出し、次の仕上加工工程(切削工程及び研削工程)に送って、外輪1(図10の鎖線参照)として完成する。本参考例の製造方法により造られる前記最終中間素材9は、前述の図10の(B)に実線で示した様に、同じく鎖線で示した外輪1の断面形状よりも少しだけ大きな断面形状を有する。この為、前記仕上加工工程での削り代は少なくて済み、この仕上加工の能率化と、材料の歩留まり向上とにより、図10に鎖線で示す様な、アンダカット部を有する前記外輪1を、低コストで造れる。又、1対の外輪軌道の表面にファイバーフローの切断部を露出させにくくできて、これら両外輪軌道の転がり疲れ寿命を確保する面から有利になる。
本発明に関する参考例の第2例
図4は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、前述の図1の(E)に示した第四中間素材19を加工する工程を省略し、同図の(D)に示した第三中間素材13を、直接、同図の(F)に示した第五中間素材20の形状に加工する事を意図している。この為に本参考例の場合には、予備成形用パンチユニット25aを構成する予備成形用インナパンチ26aの軸方向長さを、上述した本発明に関する参考例の第1例で使用する予備成形用インナパンチ26(図2参照)よりも長くすると共に、先端外周縁部を尖らせている。そして、図4の(A)→(B)に示す様に、前記第三中間素材13の内径側軸方向中間部に存在する隔壁部16の中央部を打ち抜いて、円形の中心孔35を形成すると同時(実際には時間的に、僅かに前後する)に、他側円筒部分18の直径を縮め、且つ、この他側円筒部分18の径方向に関する厚さ寸法を増大させる。そして、前述の図1の(F)に示した第五中間素材20の形状に加工する。この様な本参考例の加工方法は、前記中心孔35の内径が加工後の他側円筒部分18aの内径よりも小さい(殆どの場合にこの条件を満たす)場合に実施可能である。
その他の構成及び作用・効果は、前述した本発明に関する参考例の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
実施の形態の1例
図5〜9は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の製造方法では、図5の(G)に示す様な、完成後の外輪1のアンダカット部7(図10参照)に対応する部分の内径が大きくなった最終中間素材9aを、塑性加工の一種である鍛造加工により造る。この最終中間素材9aの形状に関しても、前述の図10の(B)に示した中間素材8a、及び、図1の(G)に示した最終中間素材9と、基本的に同じである。但し、図5と、図10及び図1とでは、軸方向位置が上下逆になっている。尚、以下に述べる、素材10を順次塑性変形させて前記最終中間素材9aとする鍛造加工に就いても、熱間により行う事が、加工力(プレス機の容量)を小さく抑えると共に、被加工物に亀裂等の損傷を発生しにくくする面からは好ましいが、被加工物の形状や寸法によっては、温間で行う事もできる。更に、被加工物の形状変化が比較的少ない、初期段階の加工は、被加工物の寸法によっては、冷間で行う事もできる。
上述の様な最終中間素材9aを造る為に本例の製造方法の場合には、先ず、長尺材を所定長さに切断する事により、図5の(A)に示す様な、円柱状の素材10を得る。次いで、この素材10を軸方向に押し潰して、軸方向寸法を縮めると共に外径を拡げる据え込み加工を施す事により、図5の(B)に示す様な、軸方向中央部の外径が最も大きくなった、ビヤ樽状の第一中間素材11aとする。
次に、この第一中間素材11aに第一段階の荒成形加工を施す事により、図5の(C)に示す様な第二中間素材12aとする。この荒仕上加工は、前記第一中間素材11aを、軸方向に関して遠近動する押型と受型との間で押し潰す、鍛造加工により行う。
この様にして造った前記第二中間素材12aに、続いて第二段階の荒成形加工を施す事により、図5の(D)に示す様な第三中間素材13aとする。この第三中間素材13aは、円筒部14aの外周面に素フランジ部15aを、この円筒部14aの片端部{図5の(D)の下端部}に底板部39を、それぞれ有する。又、この円筒部14aの片端寄り部分(前記素フランジ部15aよりも前記底板部39寄り部分)は、中間部乃至他端寄り部分(この素フランジ部15aに関して、この底板部39と反対側部分)よりも小径で、且つ、薄肉に形成している。前記第三中間素材13aが特許請求の範囲に記載した第一予備中間素材に、前記円筒部14aの内周面と前記底板部39の内面とにより囲まれた部分が、特許請求の範囲に記載した円形凹孔に、それぞれ相当する。
この様な前記第三中間素材13aには、前記底板部39全体を打ち抜き除去するピアス(プレスによる打ち抜き)加工を施して、図5の(E)に示す様な、第四中間素材19aとする。この第四中間素材19aが特許請求の範囲に記載した中間素材に、前記ピアス加工に伴って形成された、前記中間部乃至他端寄り部分に比べて小径且つ薄肉の片側円筒部分40が、特許請求の範囲に記載した第一小径部に、それぞれ相当する。本例の場合には、この片側円筒部分40の直径及び径方向の厚さ寸法を、前記最終中間素材9aのうちの該当する部分の直径及び厚さ寸法と同じとしている。これに対し、前記円筒部14aのうちで前記素フランジ部15aに関して、前記底板部39と反対側部分に存在する他側円筒部分41に関しては、前記最終中間素材9aのうちの該当する部分の厚さ寸法よりも大きくしている。又、前記他側円筒部分41の外径に関しては、前記最終中間素材9aのうちの該当する部分の外径と同じとしている。
以上の加工により造られる第一〜第四中間素材11a〜13a、19aには、何れも金型を退避させる事に対する障害となるアンダカット部分がない。従って、従来から周知の鍛造加工方法により、容易に加工できる。この為、前記素材10から前記第四中間素材19aまでの加工方法に使用する金型等の、具体的な構造及び作用に就いては、図示並びに説明を省略する。
前記第四中間素材19aには、前記他側円筒部分41に、本発明の特徴となる、肉寄せ加工を施す事により、図5の(F)に示した第五中間素材20aを経て、前記最終中間素材9aとする。前記第四中間素材19aをこの第五中間素材20aとする加工、及び、この第五中間素材20aを前記最終中間素材9aとする加工は、何れも、パンチ(押型)と、マンドレルを備えたダイス(受型)との間で中間素材の一部を軸方向に押圧する肉寄せ加工により行う。先ず、前記第四中間素材19aを前記第五中間素材20aとする、アンダカット部の成形作業に就いて、図6〜7により説明する。
先ず、図6の(A)に示す様に、前記第四中間素材19aを、中心部にマンドレル42を設けた固定ダイス43にセットし、更に可動ダイス44により抑え付ける。即ち、前記片側円筒部分40を前記マンドレル42の外周面と前記固定ダイス43に形成した凹部45との間の円筒状空間に、前記片側円筒部40の変形を許容するほどの隙間を介在させる事なく(実質的に隙間を介在させずに)挿入する。又、前記素フランジ部15aを前記固定ダイス43の上面に形成した凹孔部24aに収納する。更に、フローティングダイと呼ばれる、円環状の可動ダイス44を前記他側円筒部分41に、この他側円筒部分41の外径が拡がるのを許容するほどの隙間を介在させる事無く(実質的に隙間を介在させずに)外嵌する。
この状態から、図6の(A)→(B)に示す様に、予備成形用パンチ46を前記他側円筒部分41の先端面に押し付ける。そして、この他側円筒部分41の先端寄り(図5〜6の上寄り)で且つ内径側半部の金属材料を、第四中間素材19aの軸方向中央寄りに移動させ、前記第五中間素材20aとする。前記予備成形用パンチ46のうち、前記他側円筒部分41の先端面を押圧する、予備成形用押圧部47の外径は、この他側円筒部分41の内径より大きく、同じく外径より小さい。即ち、前記予備成形用パンチ46は、先端側(下端側)から順番に、前記他側円筒部分41の内径寄りも小さな外径を有する芯金部48と、前記予備成形用押圧部47と、この他側円筒部分41の内径より大きく同じく外径より小さな外径を有し、基端部(上端部)に向かうに従って外径が漸次大きくなる方向に傾斜させたテーパ面状の外周面を有する中間段部49と、前記可動ダイス44の内径側にがたつきなく挿入可能な上部大径部50とを備える。前記予備成形用押圧部47は、前記中間段部49と前記芯金部48と連続部である、この中間段部49の先端面として設けられている。又、前記予備成形用押圧部47は、部分円弧状の断面形状を有し、軸方向に関する突出量が、径方向中間部で大きく、同じく内径寄り部分及び外径寄り部分で小さくなっている。
この様な前記予備成形用パンチ46の押し込みに伴って、図7のイ部分(この図7中に細かいハッチングを付した2個所位置のうちの上側部分)の金属材料を下方に押圧し、その分だけ、同図のロ部分(同じく細かいハッチングのうちの下側部分)に、金属材料を膨出させる。即ち、前記他側円筒部分41のうちの開口端部(一端部、上端部)寄りで、且つ、径方向内側部分の金属材料を、軸方向中央部で径方向内方に移動させる。そして、図5の(F)及び図6の(B)に示す様な、内径寄り部分が軸方向一端側(上側)に突出した形状を有する、予備小径部51(特許請求の範囲に記載した予備第二小径部)を備えた、前記第五中間素材20aとする。この予備成形加工時に、前記上部大径部50が前記可動ダイス44の内径側にがたつきなく進入して、前記第四中間素材19aと前記予備成形用パンチ46との同心性を確保する。又、前記芯金部48が前記予備小径部51の内径寸法を規制し、この予備小径部51の内径が過度に小さくなる事を防止して、所望寸法を有する、この予備小径部51を得る。
この第五中間素材20aには、図8に示す様な、前記予備小径部51を小径部52(特許請求の範囲に記載した第二小径部)とする為の仕上成形を行って、図5の(G)及び図8の(B)に示す様な、最終中間素材9aとする。この仕上成形加工では、図8の(A)に示す様に、前記第五中間素材20aを、中心部にマンドレル42aを設けた固定ダイス43aにセットし、更に可動ダイス44aにより抑え付ける。これらマンドレル42a、固定ダイス43a、可動ダイス44aの形状、寸法、機能は、上述した予備成形に使用するマンドレル42、固定ダイス43、可動ダイス44(図6参照)と同じである。
この様なマンドレル42a、固定ダイス43a、可動ダイス44aに、前記第五中間素材20aをセットした状態から、図8の(A)→(B)に示す様に、仕上成形用パンチ53に設けた仕上成形用押圧部54を、前記予備小径部51の軸方向片側面(上面)に押し付ける。そして、予備小径部51を構成する金属材料のうちで、内径側半部を構成する金属材料を、軸方向一端側から中央側に(図8〜9の上側から下側に)移動させる。即ち、図9中に細かいハッチングを付した2個所位置のうちの軸方向一端寄り部分(図8〜9の上側部分、図9のハ部分)の金属材料を下方に押し込み、その分、軸方向中央寄り部分(図8〜9の下側部分、図9のニ部分)に金属材料を膨出させる。前記仕上成型用パンチ50の仕上成形用押圧部54は、軸方向に関する突出量が、内径寄り部分で大きく(内径寄り部分が、前記仕上成型用パンチ50の中心軸に直交する方向の平坦面であり)、外径寄り部分で漸減する(外径側半部が、断面形状が四分の一円弧状である凸曲面である)。前記仕上成型用パンチ50に関しても、前記予備成形用パンチ46と同様、芯金部48aと、中間段部49aと、上部大径部50aとを備える。前記仕上成型用パンチ53と前記予備成形用パンチ46との相違は、前記仕上成形用押圧部54の形状のみであり、前記芯金部48aと、前記中間段部49aと、前記上部大径部50aとの形状、寸法、機能に就いては、前記予備成形用パンチ46の芯金部48と、中間段部49と、上部大径部50(図6参照)と同じである。
この様な前記仕上成形用パンチ53の押し込みに伴って、図9のハ部分の金属材料を下方に移動させる代わりに、同図のニ部分に移動させて、図5の(G)及び図8の(B)に示す様な、内径寄り部分が中心軸に対し直交する方向に存在する平坦面である小径部52(特許請求の範囲に記載した第二小径部)を備えた、前記最終中間素材9aとする。
本例の場合には、前記小径部52を造る為に、前述の様な、内径側端部が軸方向一端側に突出した予備小径部51を形成してから、この予備小径部51の内径寄り部分を軸方向に押し潰して前記小径部52とする為、この小径部52の軸方向他端側に欠肉部が発生しにくい。即ち、この小径部52の軸方向両側面の形状を、何れも所望通りに仕上られる。これに対して、前記予備小径部51を形成する工程を省略する{図5の(E)に示した第四中間素材19aから、直接(G)に示した最終中間素材9aを加工しようとした場合}には、図9に鎖線αで示す様に、得られる小径部52の軸方向他端側に欠肉部が発生し易くなる。
本例の場合も、得られた最終中間素材9aは、前記マンドレル42aと、前記固定ダイス43aと、前記可動ダイス44aと、前記仕上成型用パンチ53との間から取り出し、次の仕上加工工程(切削工程及び研削工程)に送って、外輪1(図10の鎖線参照)として完成する。本例の製造方法により造られる前記最終中間素材9aに関しても、前記仕上加工工程での削り代は少なくて済み、この仕上加工の能率化と、材料の歩留まり向上とにより、図10に鎖線で示す様な、アンダカット部を有する前記外輪1を、低コストで造れる。
本発明の様に、金属製の素材を塑性加工してアンダカット部を持たない中間素材を形成した後、円筒部の一部の直径を、絞り加工や肉寄せ加工等の塑性加工により縮めてアンダカット部を形成する方法は、車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造に限らず、内周面の中間部にアンダカット部を有する、各種金属製部品の製造に利用できる。
1 外輪
2a、2b 外輪軌道
3 フランジ部
4 第一小径部
5 本体部分
6 第二小径部
7 アンダカット部
8、8a 中間素材
9、9a 最終中間素材
10 素材
11、11a 第一中間素材
12、12a 第二中間素材
13、13a 第三中間素材
14、14a 円筒部
15、15a 素フランジ部
16 隔壁部
17 片側円筒部分
18、18a、18b 他側円筒部分
19、19a 第四中間素材
20、20a 第五中間素材
21 予備成形用ダイス
22、22a 円孔部
23、23a 段差部
24、24a 凹孔部
25、25a 予備成形用パンチユニット
26、26a 予備成形用インナパンチ
27 予備成形用アウタパンチ
28 中心孔
29 小径部
30、30a 大径部
31、31a 段差部
32、32a ガイド傾斜面
33 仕上成形用ダイス
34 仕上成形用パンチユニット
35 中心孔
36 マンドレル
37 仕上成形用インナパンチ
38 仕上成形用アウタパンチ
39 底板部
40 片側円筒部分
41 他側円筒部分
42、42a マンドレル
43、43a 固定ダイス
44、44a 可動ダイス
45 凹部
46 予備成形用パンチ
47 予備成形用押圧部
48、48a 芯金部
49、49a 中間段部
50、50a 上部大径部
51 予備小径部
52 小径部
53 仕上成形用パンチ
54 仕上成形用押圧部
特開2007−125614号公報 特開2008−194704号公報 国際公開第2009/096434号パンフレット

Claims (3)

  1. 金属材により略円筒状に造られて、内周面の軸方向中間部に軸方向両側部分よりも内径が小さくなった第一小径部を、この第一小径部から軸方向に離隔した部分に第二小径部を、それぞれ設け、これら第一、第二両小径部の間部分を、これら第一、第二両小径部よりも内径が大きいアンダカット部とした車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造方法であって、金属製の素材を塑性加工する事により、前記第二小径部及び前記アンダカット部を持たず、これら第二小径部及びアンダカット部となるべき部分を円筒部とした中間素材を形成した後、この円筒部の内径より大きく同じく外径より小さい外径を有するパンチをこの円筒部に、この円筒部の軸方向端面から押し込む事により、この円筒部を構成する金属材料の一部を、この円筒部の内径側で且つ軸方向の中央寄り部分に移動させて、前記第二小径部及び前記アンダカット部を形成する事を特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造方法。
  2. 金属製で円柱状の素材を軸方向に押し潰す事により、一端面に開口し、他端部の内径が中間部乃至一端部よりも小さくなった円形凹孔と、この円形凹孔の底部を塞ぐ底板部とを備えた第一予備中間素材を形成した後、この底板部を打ち抜いて、軸方向に貫通する円筒部を備え、この円筒部の軸方向他端部を第一小径部とした中間素材とし、次いで、この中間素材の円筒部の軸方向端面からパンチを押し込む、請求項1に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造方法。
  3. 中間素材の円筒部の軸方向端面から、先ず、この軸方向端面を押圧する部分の軸方向に関する突出量が、径方向中間部で大きく、同じく径方向内端部で小さくなった予備成形用パンチを押し込んで、前記円筒部の一端寄り部分の金属材料を軸方向中央部に移動させる事により、内径寄り部分が軸方向一端側に突出した形状を有する予備第二小径部とした後、この予備第二小径部を押圧する部分の軸方向に関する突出量が、内径寄り部分で大きく、外径寄り部分で漸減する仕上成形用パンチを押し込んで、前記予備第二小径部の内径寄り部分の金属材料を軸方向中央部に移動させて第二小径部とする、請求項2に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットの軌道輪部材の製造方法。
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