JP2009250794A - 磁気エンコーダの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い検出精度を安定的に確保することができる磁気エンコーダの製造方法を提供する。
【解決手段】磁気エンコーダ26は、磁性体粉と樹脂組成物とを含有するプラスチック磁石からなり、円環状に形成されて円周方向に多極に着磁される磁極形成リング27を有する。この磁気エンコーダ26の製造方法は、磁極形成リング27を磁場射出成形する工程と、該成形された磁極形成リング27の磁気検出面27aに機械加工を施す工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車輪支持用軸受ユニットの回転体に取り付けられ、当該回転体の回転速を検出するために用いられる磁気エンコーダの製造方法に関する。
従来、車輪支持用軸受ユニットに用いられる磁気エンコーダとして、金属製のスリンガに磁性ゴムを接合し、該接合体を円周方向に多極磁化したものが知られている。この磁気エンコーダには更なる検出精度の向上が要求されており、その対応の一つとして、金属製のスリンガに、樹脂組成物と磁性体粉とからなるプラスチック磁石を接合し、該接合体を円周方向に多極磁化したものが提案されている。プラスチック磁石は、磁界をかけた状態での射出成形(磁場射出成形)が可能なため、優れた磁気特性発現に不可欠な異方性が得られるという利点がある。つまり、磁性体粉の配向制御によって、より効率的に磁力向上が図れるプラスチック磁石を用いれば、磁性ゴム製のものに対して、検出精度の優れた磁気エンコーダを得ることが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−214874号公報
しかしながら、射出成形法では、高温の溶融状態のプラスチック磁石が金型内を流動しながら低温の金型壁で冷却されるため、図5に示すように溶融状態のプラスチック磁石が金型内を流動する際、金型壁50,51に接する部分及びその近傍に、プラスチック磁石の温度が低下して非常に粘度の高い射出成形表面層S(一般的にスキン層と称される)が形成される。さらに、射出成形表面層S(スキン層)のプラスチック磁石と、より内部の溶融状態のプラスチック磁石との流動速度差によるせん断応力も作用するため、射出成形表面層S(スキン層)のプラスチック磁石に含まれる磁性体粉の配向が必ずしも十分に制御しきれず、検出精度に悪影響を及ぼす虞がある。特に、磁気エンコーダは、薄肉形状のものが多く、磁極形成リング全体に占める射出成形表面層S(スキン層)の割合が高いので、上述した影響を大きく受け易い。
また、スリンガの寸法や加工方法によっては、スリンガのフランジ部(円周上)に最大100μm程度のうねりを生じることがある。スリンガのフランジ部にこのようなうねりが存在すると、接合された磁極形成リングもスリンガに倣ってうねりを生じるため、検出時にこのうねりに相当する分だけ、磁気検出面と磁気センサとの距離(エアギャップ)がばらつき、検出精度に悪影響を及ぼす虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い検出精度を安定的に確保することができる磁気エンコーダの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る磁気エンコーダの製造方法によれば、磁気エンコーダが、磁性体粉と樹脂組成物とを含有するプラスチック磁石からなり、円環状に形成されて円周方向に多極に着磁される磁極形成リングを有しており、前記磁極形成リングを磁場射出成形する工程と、該成形された磁極形成リングの磁気検出面に機械加工を施す工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、磁気エンコーダの磁極形成リングの磁気検出面に、研削、切削等の機械加工を施すことにより、磁気検出面の表面から層内に含まれる磁性体粉の配向を必ずしも十分に制御しきれない射出成形表面層(スキン層)が除去され、同時に、磁気検出面と磁気センサとの距離を磁気検出面の円周上で一定に保つこともできるので、高い検出精度を安定的に確保することができる磁気エンコーダを得ることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る磁気エンコーダの製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態として、独立懸架式のサスペンションに支持する、非駆動輪を支持するための車輪支持用転がり軸受ユニット2aに、本実施形態の製造方法により製造された磁気エンコーダ26を備えた軸受装置を適用した場合について示している。尚、本発明の特徴以外の構成及び作用については、従来から広く知られている構造と同等であるから、説明は簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
転がり軸受ユニット2aは、静止輪である外輪5aと、車輪(図示せず)を固定するための取付フランジ12と一体回転する回転輪であるハブ7a及び内輪16aと、外輪5aとハブ7a及び内輪16aとの間で形成される環状隙間で周方向に転動自在に配置され、保持器18によって案内される複数の転動体である玉17a,17aとを備え、内輪16aには磁気エンコーダ26が固定されている。
ハブ7aの内端部に形成した小径段部15に外嵌した内輪16aは、このハブ7aの内端部を径方向外方に加締め広げる事により形成した加締め部23によりその内端部を抑え付ける事で、上記ハブ7aに結合固定している。また、車輪は、このハブ7aの外端部で、外輪5aの外端部から突出した部分に形成した取り付けフランジ12に、複数のスタッド8によって結合固定自在としている。これに対して外輪5aは、その外周面に形成した結合フランジ11により、懸架装置を構成する、図示しないナックル等に結合固定自在としている。
更に、外輪5aの両端部内周面と、ハブ7aの中間部外周面及び内輪16aの内端部外周面との間には、それぞれシールリング21a、21bを設けている。これら各シールリング21a、21bは、外輪5aの内周面とハブ7a及び内輪16aの外周面との間で、各玉17a、17aを設けた環状空間と外部空間とを遮断している。
各シールリング21a、21bは、それぞれ軟鋼板を曲げ形成して、断面L字形で全体を円環状とした芯金24a、24bにより、弾性材22a、22bを補強してなる。この様な各シールリング21a、21bは、それぞれの芯金24a、24bを外輪5aの両端部に締り嵌めで内嵌し、それぞれの弾性材22a、22bが構成するシールリップの先端部を、ハブ7aの中間部外周面、或は内輪16aの内端部外周面に外嵌固定したスリンガ25に、それぞれの全周に亙り摺接させている。
磁気エンコーダ26は、スリンガ25と磁極形成リング27とで構成される。スリンガ25は、内輪16aの内端部外周面に外嵌固定される円筒部25aと、該円筒部25aの車幅方向の内端部から径方向外方に延びるフランジ部(円輪部)25bとを備えており、フランジ部25bの車幅方向内側を向く軸方向端面には、円環状に形成された磁極形成リング27が同心に接合されている。図3に示すように、磁極形成リング27は、円周方向に交互にN極、S極が形成され(即ち、多極に着磁され)ている。そして、この磁極形成リング27に磁気センサ(図示せず)が対向配置される。
磁極形成リング27は、磁性体粉とそのバインダとなる樹脂組成物とを含有するプラスチック磁石材料で形成されている。磁極形成リング27のスリンガ25への接合方法としては、接着剤を予め半硬化状態でフランジ部25bの磁石接合面に焼き付けたスリンガ25をコアにして、磁界をかけた状態でのプラスチック磁石材料のインサート成形を行い、その後、接着剤を完全に硬化させて、スリンガ25のフランジ部25bに成形と同時に一体的に接合する方法、或いは、一旦、磁極形成リング27のみを磁場射出成形し、後から、スリンガ25のフランジ部25bに接着剤で接合する方法を例示できる。また、磁極形成リング27は、接合した後、円周方向に多極磁化される。
上記プラスチック磁石材料に含有される樹脂組成物としては、ポリアミド系樹脂、またはポリフェニレンサルファイド等を用いることができる。具体的には、融雪剤として使用される塩化カルシウムが水と一緒にかかる可能性があるという点を考慮して、吸水率の小さい所謂高級ナイロンであるポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド612樹脂、あるいはアジピン酸ユニットにテレフタル酸を一部共重合させた半芳香族ポリアミドであるポリアミド6T/6−6、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6T/6I/6−6、ポリアミド6T/M−5T、ポリアミド9T、または、ポリフェニレンサルファイド等が好ましい。
スリンガ25のフランジ部25bの接合面(接着剤により磁極形成リング27を接合する面)は、磁極形成リング27との接合をより強固なものとするため、ショットブラストなどの機械的処理や化学エッチング法などの処理により粗面化することが好ましい。
また、磁極形成リング27は、例えば、−40〜120°Cの繰り返し冷熱衝撃が印加されるような状況下での信頼性をより確実なものとするために、プラスチック磁石材料に含有される樹脂組成物を、低吸水性を示すポリアミド樹脂と、衝撃強さ改良剤として配合される軟質成分とのポリマーアロイとするのが好ましい。ここで、軟質成分は、樹脂組成物の総重量に対して、5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%配合され、軟質成分としては、その分子構造中にガラス転移温度が少なくとも−40°C以下である軟質セグメントを含むブロック共重合体を例示できる。
プラスチック磁石材料に利用可能なブロック共重合体としては、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリジオレフィン系及びシリコン系があるが、磁気エンコーダ26に要求される性能や、その使用環境を考慮すると、ポリエステル系及びポリアミド系が好ましく、また、これらブロック共重合体における軟質セグメントのガラス転移温度が−40°C以下のものであれば良い。
更に、プラスチック磁石材料に含有される樹脂組成物には、熱安定剤(耐熱加工安定剤、酸化防止剤)、光安定剤、帯電防止材、可塑剤、無機あるいは有機難燃剤、その他、補強材等が必要に応じて適宜添加されるが、特に、使用環境を考慮すると、熱安定剤の添加が望ましく、好適に添加されるものとしては、アミン系酸化防止剤として、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンポリマーに代表されるアミン・ケトン系、p,p′−ジクミルジフェニルアミンに代表されるジアリルアミン系、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミンに代表されるp−フェニレンジアミン系、のものを例示でき、フェノール系酸化防止剤として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ一ルに代表されるモノフェノ−ル系、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)に代表されるポリフェノール系、のものを例示できる。また、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンといったハイドロキノン系のものも例示できる。
更に、酸化防止剤と共に、過酸化物分解型酸化防止剤(二次酸化防止剤)を併用してもよい。二次酸化防止剤としては、2−メルカプトベンズイミダゾールのような硫黄系二次酸化防止剤や、トリス(ノニル化フェニル)フォスファイトのようなリン系二次酸化防止剤を例示できる。尚、熱安定剤の配合量は、樹脂に対して0.1〜3重量%程度が好ましいが、種類によっては(ブルームしない、あるいは樹脂の物性に悪影響を及ぼさない範囲で)それ以上の量が添加される場合ある。
一方、プラスチック磁石材料に含有される磁性体粉としては、ストロンチウムフェライトやバリウムフェライトなどのフェライト、ネオジウム−鉄−ボロン,サマリウム−コバルト,サマリウム−鉄などの希土類磁性体粉を例示することができ、更にフェライトの磁気特性を向上させるためにランタンとコバルト等を混入させたものであってもよい。
尚、磁極形成リング27の磁気特性を十分に確保するため、磁性体粉の含有量を60〜80体積%としている。これは、磁性体粉の含有量が60体積%未満の場合は、磁気特性が劣ると共に、細かいピッチで円周方向に多極磁化させるのが困難になるためであり、−方、80体積%を越える場合は、バインダとなる樹脂組成物量が少なくなりすぎて、磁石全体の強度が低くなると同時に、成形が困難になり、実用性が低下するためである。
また、磁極形成リング27の厚さは0.6mm以上とするのが好ましい。磁極形成リング27の厚さが0.6mm未満の場合は、磁束密度(磁力の強さ)が低くなり、実用性に劣る。好ましくは、磁極形成リングの厚さを0.7mm以上とすると、十分な磁束密度を確保することができる。
本発明者らは、上記材料を使用し、さらに、上記のような基本仕様とすれば、性能の良好な磁気エンコーダが得られることを既に見出していたが、検出精度をさらに向上させるべく検討を重ねた結果、磁極形成リング27の磁気検出面27a(磁気センサの磁気検出部と対向する面)に機械加工を施すことにより、高い検出精度を安定的に確保することができる磁気エンコーダが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明に係る磁気エンコーダ26の製造方法において、スリンガ25と磁極形成リング27とを接合した後に磁気検出面27aを機械加工することによって、磁気検出面27aから、層内に含まれる磁性体粉の配向を必ずしも十分に制御しきれない射出成形表面層S(スキン層、図5参照。)を除去するとともに、磁気検出面27aの平面度を向上させて、スリンガ25のうねりの有無にかかわらず、磁気検出面27aと磁気センサとの距離を一定とする構成となる。具体的には、スリンガ25をコアとして、磁界をかけた状態でプラスチック磁石材料をインサート成形した後に、磁気検出面27aを研削、或いは切削する方法や、または、別体に磁場射出成形した磁極形成リング27をスリンガ25に接合した後に、磁気検出面27aを研削、或いは切削する方法、等の方法により、磁気エンコーダを製造することができる。なお、成形条件等にもよるが、スキン層は最大で100μm程度である。
以上説明したように、本実施形態によれば、磁気エンコーダ26の磁極形成リング27の磁気検出面27aに、研削、切削等の機械加工を施すことにより、磁気検出面27aの表面から層内に含まれる磁性体粉の配向を必ずしも十分に制御しきれない射出成形表面層S(スキン層)が除去され、同時に、磁気検出面27aと磁気センサとの距離を磁気検出面27aの円周上で一定に保つこともできるので、高い検出精度を安定的に確保することができる磁気エンコーダ26を得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
以下、本発明について実施例を用いて説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。ここで、実施例1〜5及び比較例では、図4に示される磁気エンコーダを用いて、磁気特性評価を行った。各磁気エンコーダは、以下の材料及び方法によって製造される。
つまり、厚み0.6mmのSUS430により作製した外径φ75mm、内径φ65mmのスリンガ25に、厚み0.9mm、外径φ75mm、内径φ67mmの磁極形成リング27を接合する構成とした。
プラスチック磁石材料としては、実施例1〜4及び比較例では、25体積%のポリアミド12と、75体積%の磁性体粉(ストロンチウムフェライト)を含有するポリアミド12系プラスチック磁石材料を、実施例5では、25体積%のポリフェニレンサルファイドと75体積%の磁性体粉(ストロンチウムフェライト)を含有するポリフェニレンサルファイド系プラスチック磁石材料を、それぞれ使用した。
そして、実施例1及び5では、別体に磁場射出成形した厚み1.0mmの磁極形成リング27をエポキシ樹脂系接着剤にてスリンガ25に接合した後に、磁極形成リング27の厚みが0.9mmとなるように磁気検出面27aを研削した。
実施例2では、別体にて磁場射出成形した厚み2.5mmの磁極形成リング27を軸方向(厚み方向)の中央で2枚に切断し(切断後の厚みは1.0mm)、エポキシ樹脂系接着剤にてスリンガ25に接合した後に、磁極形成リング27の厚みが0.9mmとなるように磁気検出面27aを研削した。
実施例3では、別体にて磁場射出成形した厚み40.0mmの磁極形成リング27を1枚の厚みが1.0mmとなるように切断し、エポキシ樹脂系接着剤にてスリンガ25に接合した後に、磁極形成リング27の厚みが0.9mmとなるように磁気検出面27aを研削した。
実施例4では、フェノール樹脂系接着剤を半硬化状態に焼き付けたスリンガ25をコアとして、磁界をかけた状態でのプラスチック磁石材料のインサート成形(金型により、磁極形成リング27の厚みは1.0mmとされている)を行い、接着剤を完全硬化させた後、磁極形成リングの厚みが0.9mmとなるように磁気検出面27aを研削した。
比較例では、別体にて磁場射出成形した厚み0.9mmの磁極形成リング27をエポキシ樹脂系接着剤にてスリンガ25に接合し、機械加工は行わなかった。
続いて、上記の方法により製造した全ての磁気エンコーダをヨークコイルにて96極(N極:48極、S極:48極)に着磁し、着磁後の磁気エンコーダの単一ピッチ誤差を、φ69mmの検出径で、磁気検出面27aと磁気センサとのエアギャップを1.0mmとして測定し、結果を比較した。
具体的には、各実施例及び比較例について、磁気エンコーダを5枚ずつ製造、着磁、測定し、各実施例及び比較例において、単一ピッチ誤差の最悪値(つまり、最大値)と、単一ピッチ誤差の平均値(5枚の平均値)とを、比較例での単一ピッチ誤差の最悪値を1.00として、相対的に比較、評価した。その結果を表1に示す。なお、単一ピッチ誤差と検出精度には、誤差の数値が大きいほど検出精度は低く、誤差の数値が小さいほど検出精度は高いという関係性がある。また、検出径φ69mmの位置で測定した磁気検出面27aのうねりについても、各5枚測定の最大値と平均値とを、表1に併せて示す。
Figure 2009250794
以上、評価結果から明らかなように、各実施例の磁気エンコーダは、比較例の磁気エンコーダに対して、検出精度が2〜3割向上している。
つまり、機械加工により、磁気エンコーダの磁気検出面27aから、層内に含まれる磁性体粉の配向を必ずしも十分に制御しきれない射出成形表面層S(スキン層)を除去するとともに、磁気検出面27aの平面度を向上させて、スリンガのうねりの有無にかかわらず、磁気検出面27aと磁気センサとの距離を一定とすることで、高い検出精度を安定的に確保することができる磁気エンコーダ26を得られることがわかる。
さらに、磁極形成リング27の厚さによる影響を確認するため、以下に示す実験を行った。
別体にて磁場射出成形した厚さ2.5mmの磁極形成リング27(実施例2にて使用したもの)をエポキシ樹脂系接着剤にてスリンガ25に接合した後、所定の厚さとなるように磁気検出面27aを研削した。この磁気エンコーダ26をヨークコイルにて96極に着磁し、着磁後の磁気エンコーダ26の磁束密度(磁力の強さ)と単一ピッチ誤差を検出径φ69mmの位置で、エアギャップを1.0mmとして測定し、結果を比較した。具体的には、前述の比較例の磁気エンコーダ(磁極形成リング27の厚さが0.9mmで機械加工なし)の磁束密度及び単一ピッチ誤差を1(図中の▲印)として、相対比較の結果を図6及び図7にまとめた。
図6及び図7によると、磁極形成リング27の厚さが0.2mmの場合は、比較例に対して、磁束密度が低く、且つ単一ピッチ誤差も大きく、磁気エンコーダ26としての実用性に劣る。磁極形成リング27の厚さが0.4mmの場合は、単一ピッチ誤差の値は比較例より小さく、優れているが、磁束密度が比較例よりも20%以上低いため、磁気エンコーダとしての実用性が十分であるとは必ずしもいえない。磁極形成リング27の厚さを0.6mmとすると、磁束密度が比較例とほぼ同じで、単一ピッチ誤差は比較例より30%優れる磁気エンコーダ26が得られる。そして、磁極形成リング27の厚さが0.7mm以上の範囲では、磁束密度及び単一ピッチ誤差の両方がほぼ飽和に達することがわかる。
本発明の磁気エンコーダの製造方法の一実施形態により製造された磁気エンコーダを備えた車輪支持用軸受ユニットを示す断面図である。 図1の部分拡大断面図である。 図1の磁気エンコーダに用いられるプラスチック磁石の磁化の一例を示す斜視図である。 本発明に係る磁気エンコーダの製造方法の一実施形態により製造された磁気エンコーダの一例を示す断面図である。 射出成形金型内の溶融プラスチック磁石の固化挙動を示す説明図である。 本発明の磁気エンコーダについて、磁極形成リングの厚さと磁束密度の関係を示す図である。 本発明の磁気エンコーダについて、磁極形成リングの厚さと単一ピッチ誤差の関係を示す図である。
符号の説明
25 スリンガ
25a 円筒部
25b フランジ部
26 磁気エンコーダ
27 磁極形成リング
27a 磁気検出面

Claims (1)

  1. 磁性体粉と樹脂組成物とを含有するプラスチック磁石からなり、円環状に形成されて円周方向に多極に着磁される磁極形成リングを有する磁気エンコーダの製造方法であって、
    前記磁極形成リングを磁場射出成形する工程と、
    該成形された磁極形成リングの磁気検出面に機械加工を施す工程と、
    を含むことを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。
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