JP2007333184A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度な回転検出が可能で、且つ被検出面の位置決めを容易に正確に行え、安価で、組立性が向上した転がり軸受を提供する。
【解決手段】シール部24と、磁気エンコーダの被検出面25aを有する磁石部25と、当該磁石部25が取り付けられる芯金23と、を備えた磁気エンコーダ付シール装置であって、当該シール部24と当該磁石部25とは、異なるあるいは同一の材料からなり、前記磁石部25は、磁性粉と、バインダーとしての熱可塑性樹脂およびゴムの少なくとも一方と、を含有して周方向に多極着磁され、且つ、前記芯金23の外径および内径の少なくとも一方と略同径である。
【選択図】図1
【解決手段】シール部24と、磁気エンコーダの被検出面25aを有する磁石部25と、当該磁石部25が取り付けられる芯金23と、を備えた磁気エンコーダ付シール装置であって、当該シール部24と当該磁石部25とは、異なるあるいは同一の材料からなり、前記磁石部25は、磁性粉と、バインダーとしての熱可塑性樹脂およびゴムの少なくとも一方と、を含有して周方向に多極着磁され、且つ、前記芯金23の外径および内径の少なくとも一方と略同径である。
【選択図】図1
Description
本発明は、転がり軸受に関し、特に、回転要素の回転速度を検出する磁気エンコーダを備えた、自動車、自動二輪車、産業機械等に用いられる転がり軸受に関する。
従来、回転要素の回転速度を検出する転がり軸受として、センサとエンコーダを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の転がり軸受は、適用対象として、ローラスケート、スケートボード、自転車、スクータ等が例示されており、このような適用対象には、比較的小型の軸受が使用される。図14に示すように、転がり軸受200は、回転要素であるホイール(図示せず)を支持する外輪201と、内輪202と、外輪201と内輪202との間に円周方向に転動可能に配設される複数の転動体203と、回転輪側である外輪201の軸方向端部に取り付けられた環状の芯金204とを備える。当該芯金204の軸方向外方を向く面には、磁石エンコーダ205が接着及びその磁力により直接固定されている。そして、磁石エンコーダ205の軸方向に対向する位置には、外輪201回転時の磁石エンコーダ205の磁性パルスを感知するセンサ(図示せず)が配置され、該センサの感知信号に基づいてホイールの回転速度が検出される。
一方、図15に示す転がり軸受200aは、外輪201と、内輪202と、複数の転動体203と、円環状の芯金204とを備えており、当該芯金204の軸方向外方を向く面には、環状板部206が固定されている。当該環状板部206には、図16(a)及び(b)に示すように、2つの磁石エンコーダ207が円周方向に互いに180°離間して埋め込まれており、環状板部206は、接着及び磁石エンコーダ207の磁力により芯金204に固定されている。そして、上記同様に、磁石エンコーダ207の軸方向に対向する位置には、外輪201回転時の磁石エンコーダ207の磁性パルスを感知するセンサ(図示せず)が配置され、該センサの感知信号に基づいてホイールの回転速度が検出されるようになっている。
特表2004−522963号公報
ところで、上記特許文献1に記載の転がり軸受では、ホイールの回転速度を検出するための磁石エンコーダが円周方向に1個又は2個しか配置されていないため、1回転で得られる信号の数が少なく、比較的小型であっても、高精度な回転速度の検出が困難である。
また、磁気エンコーダが接着及びその磁力により直接固定されるので、磁気エンコーダの被検出面(磁気面)の位置ずれを生ずる虞があり、正確な位置決めを行うことが難しい。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高精度な回転検出が可能で、且つ磁気エンコーダの被検出面の位置決めを容易に行え、安価で、組立性が向上した転がり軸受を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る転がり軸受は、下記の(1)及び(2)を特徴としている。
(1) シール部と、磁気エンコーダの被検出面を有する磁石部と、当該磁石部が取り付けられる芯金と、を備えた磁気エンコーダ付シール装置であって、
当該シール部と当該磁石部とは、異なるあるいは同一の材料からなり、
前記磁石部は、磁性粉と、バインダーとしての熱可塑性樹脂およびゴムの少なくとも一方と、を含有して周方向に多極着磁され、且つ、前記芯金の外径および内径の少なくとも一方と略同径であることを特徴とする。
当該シール部と当該磁石部とは、異なるあるいは同一の材料からなり、
前記磁石部は、磁性粉と、バインダーとしての熱可塑性樹脂およびゴムの少なくとも一方と、を含有して周方向に多極着磁され、且つ、前記芯金の外径および内径の少なくとも一方と略同径であることを特徴とする。
(2) 固定輪と、回転輪と、前記固定輪と前記回転輪により画成された環状空間に周方向に回転自在に配設された複数の転動体と、前記環状空間の開口端部をシールする一対のシール装置と、を備える転がり軸受において、
前記シール装置の少なくとも片方が(1)に記載の磁気エンコーダ付きシール装置であることを特徴とする転がり軸受。
前記シール装置の少なくとも片方が(1)に記載の磁気エンコーダ付きシール装置であることを特徴とする転がり軸受。
上記(1)の構成の磁気エンコーダ付きシール装置によれば、磁石部が磁性粉と、バインダーとしての熱可塑性樹脂およびゴムの少なくとも一方と、を含有して射出成形や圧縮成形を用いて芯金に取付けられて成形されるので、少ない材料の種類で成形を行うことができる。したがって、成形サイクルを短くすることができ、各種ゲートでの射出成形を行うことができる。これにより、製造コストを少なくすることができる。また、磁石部が、芯金の外径および内径の少なくとも一方に略同径であるので、位置決めを正確に行うことができ、位置決め精度を向上させることができる。
また、磁石部は、磁性粉と、バインダーとしての熱可塑性樹脂およびゴムの少なくとも一方と、を含有して周方向に多極着磁されるので、1回転から得られる検出信号が多数になる。これにより、多数得られた検出信号に基づいて回転数を検出するので、高い検出精度を得ることができる。
また、上記(2)の構成の転がり軸受によれば、射出成形を用いて芯金に磁石部が形成されるので、磁気信号面である被検出面と、回転輪と、の組付精度を高めることができる。これにより、被検出面の位置決めを正確に出すことができ、位置決め精度を向上させることができ、より高精度な回転数の検出ができる。
本発明によれば、高精度な回転検出を行うことができるとともに、磁気エンコーダの被検出面の位置決めを容易に正確に行うことができ、製造コストを抑制するとともに組立性を向上させることができる。
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る第1実施形態である転がり軸受の断面図、図2は図1における磁気エンコーダ部材の単体外観斜視図、図3は本発明に係る第2実施形態である転がり軸受の断面図、図4は本発明に係る第3実施形態である転がり軸受の断面図、図5は本発明に係る第4実施形態である転がり軸受の断面図、図6は本発明に係る第5実施形態である転がり軸受の断面図、図7は本発明に係る第6実施形態である転がり軸受の断面図、図8は本発明に係る第7実施形態である転がり軸受の断面図、図9は本発明に係る第8実施形態である転がり軸受の断面図、図10は本発明に係る第1実施形態のシール装置の成形時における断面図、図11は図10におけるシール装置の上視図、図12は本発明に係る第1実施形態シール装置の別の成形における断面図、図13は図11におけるシール装置の上視図である。
図1は本発明に係る第1実施形態である転がり軸受の断面図、図2は図1における磁気エンコーダ部材の単体外観斜視図、図3は本発明に係る第2実施形態である転がり軸受の断面図、図4は本発明に係る第3実施形態である転がり軸受の断面図、図5は本発明に係る第4実施形態である転がり軸受の断面図、図6は本発明に係る第5実施形態である転がり軸受の断面図、図7は本発明に係る第6実施形態である転がり軸受の断面図、図8は本発明に係る第7実施形態である転がり軸受の断面図、図9は本発明に係る第8実施形態である転がり軸受の断面図、図10は本発明に係る第1実施形態のシール装置の成形時における断面図、図11は図10におけるシール装置の上視図、図12は本発明に係る第1実施形態シール装置の別の成形における断面図、図13は図11におけるシール装置の上視図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態である転がり軸受10は、図1に示すように、回転輪である外輪11と、固定輪である内輪12と、外輪11と内輪12により画成された環状空間に周方向に回転自在に配設された複数の転動体である玉13と、玉13を保持するポケット22が円周方向に所定の間隔で形成された保持器21と、前記環状空間の開口端部で外輪11の軸方向両端部(図では、軸方向一端部のみ図示)に取り付けられた一対のシール装置26と、当該シール装置26の一方に取付けられ、磁気エンコーダとして機能する磁石部25と、当該磁石部25に近接対向して配されたセンサ29と、とを備える。
本発明の第1実施形態である転がり軸受10は、図1に示すように、回転輪である外輪11と、固定輪である内輪12と、外輪11と内輪12により画成された環状空間に周方向に回転自在に配設された複数の転動体である玉13と、玉13を保持するポケット22が円周方向に所定の間隔で形成された保持器21と、前記環状空間の開口端部で外輪11の軸方向両端部(図では、軸方向一端部のみ図示)に取り付けられた一対のシール装置26と、当該シール装置26の一方に取付けられ、磁気エンコーダとして機能する磁石部25と、当該磁石部25に近接対向して配されたセンサ29と、とを備える。
転がり軸受10は、例えば、単列深溝玉軸受であり、前記外輪11が自動二輪車の駆動輪または従動輪のホイール(不図示)に同心に内嵌されて固定されるとともに、内輪12が車軸(不図示)に外嵌されることで、前記外輪11を回転可能に支持している。なお、前記外輪11と前記内輪とにより画成される環状空間には、例えばグリースなどの潤滑剤が充填されている。
前記シール装置26は、芯金23と、磁石部25と、シールリップ形状部24と、を備える。当該芯金23は、略円環形状であり、フランジ部27を有して断面略L字形状で形成されている。当該フランジ部27は、前記外輪11の軸方向端部の内周面に設けられる段部17に嵌合している。これにより前記外輪11と前記シール装置26が連結される。また、シール部であるシールリップ形状部24は、前記芯金23の内径側周縁部に接合され、当該シールリップ形状部24の先端部は複数の摺接面に分岐しており、各摺接面は、内輪12の端部外周面に設けられたシール溝20を内包するようにして、全周に亙ってそれぞれ内輪12に摺接している。これにより高い密封力を得ている。
また、前記磁石部25は、磁気エンコーダの被検出面25aを有して、略円環形状で、且つ前記芯金23の外径と略同径になるように形成されるとともに、前記芯金23の軸方向外側の端面28で接合され、前記芯金23に取付けられる。
さらに、転がり軸受10は、前記磁石部25の被検出面25aに非接触の状態でセンサ29が対向配置されている。当該センサ29は、前記外輪11の回転の検出を、前記外輪11に連結された磁石部25の被検出面25aの磁束密度の変動を磁気パルスとして検出することにより行う。検出された回転数の情報は、例えば、ABS装置において予め定められている回転数情報との偏差を算出することにより行われるブレーキ制御など等に適宜用いられる。なお、前記センサ29は、固定(非回転)部材に取り付けられていればよく、この転がり軸受10とユニット化されていなくてもよい。
ここで、前記磁石部25は、図2に示すように、前記被検出面25aに、N極が着磁されたN極着磁部25bと、S極が着磁されたS極着磁部25cと、が周方向に順次配置されている。
また、前記磁石部25の組成としては、異方性用の磁性粉を60〜80体積%含有し、熱可塑性樹脂またはゴムをバインダーとした異方性磁石コンパウンドを好適に用いることができる。
前記磁性粉としては、ストロンチウムフェライトやバリウムフェライト等のフェライト、ネオジウム−鉄−ボロン、サマリウム−コバルト、サマリウム−鉄等の希土類磁性粉を用いることができ、更にフェライトの磁気特性を向上させるためにランタン等の希土類元素を混入させたものであってもよい。磁性粉の含有量が60体積%未満の場合は、磁気特性が劣るとともに、細かいピッチで円周方向に多極磁化させるのが困難になって好ましくない。これに対して、磁性粉の含有量が80体積%を越える場合は、樹脂バインダー量が少なくなりすぎて、材料全体の強度が低くなると同時に、成形が困難になり、実用性が低下する。
前記バインダーとしては、射出成形可能な熱可塑性樹脂またはゴムが好適であり、具体的には、ゴムとしては、ニトリルゴム、アクリルゴムが好適であり、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド12系熱可塑性エラストマー等を用いることができる。なお、磁石部25に融雪剤として使用される塩化カルシウムが、水とともにかかる虞があるので、吸水性の少ないポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド12系熱可塑性エラストマーを樹脂バインダーとする方が、より好ましい。さらに、磁石部25の使用環境で想定される急激な温度変動(熱衝撃)による亀裂の発生を防止するためのバインダーとしては、添加することで、曲げ撓み性、耐亀裂性が向上するポリアミド12系熱可塑性エラストマー、あるいは、それとポリアミド12を混合物としたものが最も好適である。さらに、磁場成形を行うと磁気特性が上がって、より好ましい。
なお、当該磁場成形は、溶融した材料の射出時に合わせてコイル電流を金型両端のコイルに流して発生する一方向(極性同一)の磁界で着磁する工程と、金型内での冷却時に着磁時のコイル電流に対して高い初期コイル電流に始まって、極性が交互に反転し、振幅が徐々に小さくなる複数のパルス電流を金型両端のコイルに流して脱磁する反転脱磁工程と、を備えている。
磁石材料の磁気特性としては、リング状磁石の厚さ方向に磁区配向(アキシアル異方性)した状態に近くなり、最大エネルギー積(BHmax)で、1.3〜15MGOe、より好ましくは、1.8〜12MGOeの範囲が達成される。最大エネルギー積が、1.3MGOe未満の場合は、磁気特性が低すぎるので、回転数を検知するためにセンサ29との距離をかなり接近させて配設する必要があって、性能の向上が望めない。最大エネルギー積が15MGOeを越える場合は、過剰な磁気特性を有するとともに、比較的安価なフェライトを中心とした組成では、達成不可能であり、ネオジウム−鉄−ボロン等の希土類磁性粉を多量に配合する必要があるので、非常に高価で、なお且つ、成形性も悪い。また、磁性粉として、希土類系を使用した場合、フェライト系に比べて、耐酸化性が低いので、長期間に渡って安定した磁気特性を維持させるために、磁石部25表面に、更に表面処理層を設けても良い。この表面処理層としては、電気あるいは無電解ニッケルメッキ、エポキシ樹脂塗膜、シリコン樹脂塗膜、フッ素樹脂塗膜等を具体的に用いることができる。
前記芯金23の材質としては、上述した磁石材料の磁気特性を低下させず、なお且つ使用環境を考慮して、一定レベル以上の耐食性を有するフェライト系ステンレス(SUS430)、マルテンサイト系ステンレス(SUS410など)などの磁性材料が好ましい。このステンレス鋼で製造した芯金23表面には、磁石材料との接合性を向上させるために、粗面化処理(ショットブラストなど)を行うと好適である。なお、それほど耐食性を必要としない場合は、コストを考慮して、芯金23の材料は冷延鋼板(SPCC,SECC)などでもよい。この場合の表面処理は、上述した他、リン酸塩などの化学処理を行ってもよいが、表面処理は絶対条件ではない。
また、磁石部25は、磁石部25を成形した後、芯金23と接着で一体化しても、あるいは、インサート成形によって型内で芯金23と一体化してもよい。芯金23と磁石部25とを接着で一体化する場合は、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して適宜選定すればよいが、インサート成形を行う場合の芯金23の接着剤層は、インサート成形時に溶融した高圧の樹脂磁石材料またはゴム材料によって、脱着して流失しない程度まで半硬化状態となっており、溶融樹脂からの熱、あるいはそれに加えて成形後の2次加熱によって完全に硬化状態となる接着剤が好ましい。具体的に使用可能な接着剤としては、溶剤での希釈が可能で、2段階に近い硬化反応が進むフェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤などが、耐熱性、耐薬品性、ハンドリング性を考慮して好適である。また、使用環境によっては上記接着剤層を2層としてもよい。
また、磁石部25を、芯金23をコアにして射出成形する際、そのゲートは特に限定されないが、サイドゲート(図10および図11参照)やリングゲート(図12および図13参照)で成形することで、金型構造が簡単になり、材料の使用量が少なくなるので好ましい。サイドゲートで成形する際には、図10および図11に示すように、成形の過程でサイドゲート101とランナ102が形成されるので、これらを除去して、シール装置26を形成する。同じく、リングゲートで成形する際には、図12および図13に示すように、成形の過程でリングゲート103とリング状ランナ104とランナ102が形成されるので、これらを除去して、シール装置26を形成する。なお、これら射出成形により、磁石部25は、前記芯金23の外径または内径の少なくともいずれかと略同径となる。
また、これら射出成形を行う場合には、溶融した樹脂磁石材料が金型中に高圧で流れ込み、金型中で急冷され固形化する。また、ゴム材料を使用する場合は、溶融した材料が金型内に流れ込み、高温の金型内で化学反応により固形化する。圧縮成形の場合は、圧縮時に一度溶融し、固形化する。さらに、磁場成形を行うと好ましい。磁場成形することにより、配向性が高くなり、厚さ方向に配向させたアキシアル異方性に非常に近くなるので、より好ましい。なお、ゲートおよびランナの数は図に例示した数に限定されるものではなく、複数でもよい。
したがって、本実施形態によれば、磁石部25は、磁性粉と、バインダーとしての熱可塑性樹脂およびゴムの少なくとも一方と、を含有して射出成形や圧縮成形を用いて芯金23に取付けられて成形されるので、少ない材料の種類で成形を行うことができる。したがって、成形サイクルを短くすることができ、各種ゲートでの射出成形を行うことができる。これにより、製造コストを少なくすることができる。また、磁石部25が、芯金23の外径に略同径であるので、位置決めを正確に行うことができ、位置決め精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、磁石部25は、磁性粉と、バインダーとしての熱可塑性樹脂およびゴムの少なくとも一方と、を含有して周方向に多極着磁されるので、1回転から得られる検出信号の分解能を高めることができ、高精度な回転数検出が可能である。
また、本実施形態によれば、芯金23の端面28で径方向に広く被検出面25aが設けられるため、磁束密度を上げられ、さらに高精度な回転数検出が可能になる。
(第2実施形態)
次に、図3を参照して、本発明に係る第2実施形態の転がり軸受を説明する。なお、以下の各実施形態において上述した第1実施形態と共通する構成部分の説明は、同一符号または相当符号を付すことで簡略化あるいは省略する。
次に、図3を参照して、本発明に係る第2実施形態の転がり軸受を説明する。なお、以下の各実施形態において上述した第1実施形態と共通する構成部分の説明は、同一符号または相当符号を付すことで簡略化あるいは省略する。
本発明の第2実施形態である転がり軸受30では、図3に示すように、内輪12において、軸方向端部の外周面に段部37が設けられる。また、外輪11において、端部内周面に凹溝形状となるシール溝39が形成されている。さらに、芯金23の内径側に形成されたフランジ部27が前記段部37に嵌合するとともに、前記芯金23の外径側周縁部にシールリップ形状部24が接合されている。すなわち、シール装置26が内輪12に取付けられた構造となっている。これ以外の様態は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第3実施形態)
次に、図4を参照して、本発明に係る第3実施形態の転がり軸受を説明する。
次に、図4を参照して、本発明に係る第3実施形態の転がり軸受を説明する。
本発明の第3実施形態である転がり軸受40では、図4に示すように、芯金43のフランジ部47が軸受内方に向かって形成され、また当該芯金43の背面である端面48に磁石部45が接合されている。これ以外の様態は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同じ作用効果を奏する。
(第4実施形態)
さらに、図5を参照して、本発明に係る第4実施形態の転がり軸受を説明する。
さらに、図5を参照して、本発明に係る第4実施形態の転がり軸受を説明する。
本発明の第4実施形態である転がり軸受50では、図5に示すように、シールリップ形状部54がシール溝20に対し、非接触の状態で対向配置されている。それ以外の様態は、第3実施形態と同じである。
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏するが、特に、シールリップ形状部54がシール溝20に非接触の状態で対向配置されているので、軸受40の回転トルクを小さくすることができる。
(第5実施形態)
次に、図6を参照して、本発明に係る第5実施形態の転がり軸受を説明する。
次に、図6を参照して、本発明に係る第5実施形態の転がり軸受を説明する。
本発明の第5実施形態である転がり軸受60は、図6に示すように、磁石部65とシールリップ形状部64が同一の磁性材料で単一部材として成形され、且つ当該単一部材が芯金23の軸方向外側の端面28を全面に亙って覆い被さるように当該芯金23に接合されている。それ以外の様態は、第1実施形態と同じである。
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏するが、特に、磁石部65とシールリップ形状部64が同一の磁石材料で単一部材として成形されるので、製造工程を少なくすることができ、安価に製造することができる。また、一定レベル以上の耐食性を有する環境下で使用されたとしても、前記端面28が磁性材料で覆われて外部環境と接することがないので、成形時に芯金23に冷延鋼板(SPCC,SECC)などの使用ができ、より製造コストを抑制することができる。
(第6実施形態)
次に、図7を参照して、本発明に係る第6実施形態の転がり軸受を説明する。
次に、図7を参照して、本発明に係る第6実施形態の転がり軸受を説明する。
本発明の第6実施形態である転がり軸受70は、図7に示すように、第5実施形態と同じく磁石部75とシールリップ形状部74が同一の磁性材料で単一部材として成形されるとともに、当該シールリップ形状部74が磁石部75を内径側にそのまま延出したような単純な円環形状で形成される。さらに、内輪12には、前記シールリップ形状部74の形状に倣って、軸方向で段部となるようにシール溝79が形成される。それ以外の様態は第5実施形態と同じである。
したがって、本実施形態によれば、第5実施形態と同様の作用効果を奏するが、特に、シールリップ形状部74が単純な円環形状で形成されるとともに、シール溝79が段部にて形成されるので、金型加工やシール溝の加工を簡素化することができ、さらに製造コストを抑制することができる。
(第7実施形態)
次に、図8を参照して、本発明に係る第7実施形態の転がり軸受を説明する。
次に、図8を参照して、本発明に係る第7実施形態の転がり軸受を説明する。
本発明の第7実施形態である転がり軸受80は、図8に示すように、磁石部85とシールリップ形状部が同一の磁性材料で単一部材として一体に成形されて、且つ当該単一部材が芯金23を内包するように成形される。さらに、内輪12の端部外周面には、シール溝が設けらず、即ちそのまま平坦面で形成される。また、外輪11の軸方向端面と磁石部85の被検出面85aとは略同一となるように形成される。それ以外の様態は、第5実施形態と同じである。
したがって、本実施形態によれば、第5実施形態と同様の作用効果を奏するが、特に、磁石部85とシールリップ形状部84が同一の磁性材料で単一部材として成形されるので、製造工程を少なくすることができ、より製造コストを抑制することができる。また、内輪12にシール溝を有していないので、金型などでの加工が容易に行うことができ、製造コストをさらに抑制することができる。さらに、磁石部85の被検出面85aと外輪11の軸方向端面とは略同一に配置されるので、センサ29に対する被検出面85aの位置決めをより高精度に行うことができる。
(第8実施形態)
次に、図9を参照して、本発明に係る第8実施形態の転がり軸受を説明する。
(第8実施形態)
次に、図9を参照して、本発明に係る第8実施形態の転がり軸受を説明する。
本発明の第8実施形態である転がり軸受90は、図8に示すように、磁石部95とシールリップ形状部94が同一の磁性材料で単一部材として成形されて、且つ当該単一部材が軸方向外側である端面28を全面に亙って覆い被さるととともに、同じく芯金43の先端部が覆い被さるように前記芯金23に接合されている。また、当該シールリップ形状部94が磁石部95を内径側に向かってそのまま延出したような単純な円環形状で形成される。さらに、内輪12には、前記シールリップ形状部94の形状に倣って、軸方向で段部となるようにシール溝99が形成される。また、磁石部95の被検出面95aと外輪11の軸方向端面とは略同一になるように設けられる。それ以外の様態は、第3実施形態と同じである。
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏するが、特に、シールリップ形状部94が単純な円環形状で形成され、且つシール溝99が段部にて形成されるので、金型加工やシール溝の加工を簡素化することができる。また、磁石部95とシールリップ形状部94が磁性材料で単一部材として成形されるので、製造工程を少なくすることができ、製造コストをさらに抑制することができる。さらに、磁石部95の被検出面95aと外輪11の軸方向端面とは略同一に配置されるので、センサ29に対する被検出面95aの位置決めをより高精度に行うことができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。例えば、シールリップ形状部やシール溝などの形状は、上述した実施形態に限定されるものではない。
10,30,40,50,60,70,80,90 転がり軸受
11 外輪
12 内輪
26 シール装置
23,43 芯金
25,45,65,75,85,95 磁石部
11 外輪
12 内輪
26 シール装置
23,43 芯金
25,45,65,75,85,95 磁石部
Claims (2)
- シール部と、磁気エンコーダの被検出面を有する磁石部と、当該磁石部が取り付けられる芯金と、を備えた磁気エンコーダ付シール装置であって、
当該シール部と当該磁石部とは、異なるあるいは同一の材料からなり、
前記磁石部は、磁性粉と、バインダーとしての熱可塑性樹脂およびゴムの少なくとも一方と、を含有して周方向に多極着磁され、且つ、前記芯金の外径および内径の少なくとも一方と略同径であることを特徴とする磁気エンコーダ付きシール装置。 - 固定輪と、回転輪と、前記固定輪と前記回転輪により画成された環状空間に周方向に回転自在に配設された複数の転動体と、前記環状空間の開口端部をシールする一対のシール装置と、を備える転がり軸受において、
前記シール装置の少なくとも片方が請求項1に記載の磁気エンコーダ付きシール装置であることを特徴とする転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006168888A JP2007333184A (ja) | 2006-06-19 | 2006-06-19 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006168888A JP2007333184A (ja) | 2006-06-19 | 2006-06-19 | 転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=38932835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006168888A Withdrawn JP2007333184A (ja) | 2006-06-19 | 2006-06-19 | 転がり軸受 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007333184A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010013411A1 (ja) * | 2008-07-28 | 2010-02-04 | Ntn株式会社 | 回転検出装置付き車輪用軸受装置 |
WO2011135957A1 (ja) * | 2010-04-26 | 2011-11-03 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
-
2006
- 2006-06-19 JP JP2006168888A patent/JP2007333184A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010013411A1 (ja) * | 2008-07-28 | 2010-02-04 | Ntn株式会社 | 回転検出装置付き車輪用軸受装置 |
WO2011135957A1 (ja) * | 2010-04-26 | 2011-11-03 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
JPWO2011135957A1 (ja) * | 2010-04-26 | 2013-07-18 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090225 |
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A761 | Written withdrawal of application |
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