JP2014019851A - グリース組成物の評価方法 - Google Patents

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宣行 稲見
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Abstract

【課題】グリース組成物中での増ちょう剤の分散状態を数値化してグリース組成物の性能をより正確に評価し、グリース開発に役立てる。
【解決手段】グリース組成物中での増ちょう剤の分散状態を数値化し、それを基にグリース組成物の性能を推定して評価する方法であって、半固体状態のままでグリース組成物の位相像を撮影して2値化し、増ちょう剤の座標情報を求め、分散度を算出して増ちょう剤の分散状態を数値化する。
【選択図】図3

Description

本発明は、グリース組成物中での増ちょう剤の分散状態を数値化し、それを基にグリース組成物の性能を評価する方法に関する。
従来から、増ちょう剤の繊維長や繊維径、増ちょう剤量がグリース組成物の性能に影響することが知られている。そこで、グリース組成物から基油を脱脂し、増ちょう剤だけを抽出した後に、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて増ちょう剤を観察することが広く行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような観察方法では、増ちょう剤の形状や寸法を知ることができるものの、グリース組成物中での増ちょう剤の量や分散状態までは評価できない。
一方で、グリース組成物をそのままの状態(即ち半固体状態)で増ちょう剤の分散状態を観察できるようにするために、本出願人は特許文献2において、原子間力顕微鏡を用いてグリース組成物の位相像を撮影し、増ちょう剤の分散状態を観察することを提案している。増ちょう剤の分散状態もグリース組成物の性能に大きく影響しており、分散性の悪いグリース組成物を封入した軸受では音響特性や焼付き性能が低くなる。そのため、半固体状のままグリース組成物中の増ちょう剤の分散状態を知ることは、音響特性や焼付き性能を評価するための試験を行わなくてもある程度の評価が可能になり、グリース開発を効率的に進める上で有効な手段であるといえる。
特開2009−235283号公報 特開2009−14547号公報
しかしながら、特許文献2によれば、グリース組成物中の増ちょう剤の分散状態を画像観察から評価しており、定量的とはいえない。そこで本発明は、グリース組成物中での増ちょう剤の分散状態を数値化してグリース組成物の性能をより正確に評価し、グリース開発に役立てることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、グリース組成物中での増ちょう剤の分散状態を数値化し、それを基にグリース組成物の性能を推定して評価する方法であって、半固体状態のままでグリース組成物の位相像を撮影して2値化し、増ちょう剤の座標情報を求め、分散度を算出して増ちょう剤の分散状態を数値化することを特徴とするグリース組成物の評価方法を提供する。
本発明によれば、半固体状態のまま、グリース組成物の増ちょう剤の分散状態を数値化でき、それを基にしてグリース組成物の性能をより正確に評価することができる。
原子間力顕微鏡の構成を示す概略図である。 実施例2のグリース組成物の位相像を示す写真である。 図2の位相像の2値化像である。 実施例で得られた分散度と混和ちょう度との相関を示すグラフである。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明では、先ず、測定対象となるグリース組成物を半固体状態のままで、その位相像を撮影する。位相像の撮影には、原子間力顕微鏡を用い、タッピングモードで測定すればよい。図1は原子間力顕微鏡の構成を示す概略図であるが、試料5を載置するステージ11、ステージ11を上下または前後左右に移動させる走査装置12、試料5の表面との相互作用を検出するカンチレバー13、カンチレバー13を振動させる圧電振動子14、レーザ光を出射する半導体レーザ15、半導体レーザ15から出射されたレーザ光をカンチレバー13の先端に集光するレンズ16、カンチレバー13から反射されたレーザ光の位置を検出するフォトダイオード17、フォトダイオード17から出力された信号に基づいてカンチレバー13の振動特性の変化分を算出する信号処理回路18、カンチレバー13の振幅が一定になるように走査装置12にフィードバックをかけるフィードバック回路19、カンチレバー13を共振周波数の近傍で駆動する駆動回路20、カンチレバー13の位相特性の変化分が画像化された位相像を生成する位相像生成装置21、位相像生成装置21にて生成された位相像を表示する表示装置22が設けられている。なお、圧電振動子14としては、ピエゾ素子、フォトダイオード17としては、例えば、4分割フォトダイオードを用いることができる。
そして、半固体状態のままのグリース組成物を試料5として用意し、金属板の上に薄く引き伸ばして試料5とする。この試料5をステージ11上に載置し、圧電振動子14を介してカンチレバー13を共振周波数の近傍で振動させるとともに、走査装置12にてステージ11を上下または前後左右に移動させながら、半導体レーザ15からレーザ光を出射させる。そして、半導体レーザ15からレーザ光が出射されると、レンズ16にてカンチレバー13上に集光され、カンチレバー13の先端で反射されたレーザ光はフォトダイオード17にて検出される。
ここで、カンチレバー13を共振周波数の近傍で振動させながら試料5の表面に近づけると、カンチレバー13と試料5との相互作用に由来してカンチレバー13の振動特性が変化し、カンチレバー13の振動の振幅、位相または周波数が変化する。そして、カンチレバー13の振動の振幅、位相または周波数が変化すると、フォトダイオード17上におけるレーザ光のスポット位置が変位し、レーザ光のスポット位置の変位に応じてフォトダイオード17から出力される信号が変化する。
そして、フォトダイオード17から出力された信号は信号処理回路18に送られ、カンチレバー13の振動特性の変化分が信号処理回路18にて算出される。そして、信号処理回路18にて算出されたカンチレバー13の振幅の変化分はフィードバック回路19に送られ、カンチレバー13の振幅が一定になるようにフィードバック回路19にて走査装置12にフィードバックがかけられる。また、信号処理回路18にて算出されたカンチレバー13の位相の変化分は位相像生成装置21に送られ、カンチレバー13の位相特性の変化分が画像化された位相像が位相像生成装置21にて生成され、表示装置22に表示される。
上記の原子間力顕微鏡において、測定モードをタッピングモードに設定する。このタッピングモードは、カンチレバー13を共振させた状態で試料5の表面に近づけ、試料5の観察を行うモードであり、試料5の鮮明な画像を得ることができる。また、物性評価ツールとして位相を用いることで、基油と増ちょう剤との間の吸着力、固さ及び柔らかさの違いを位相像に反映させることができ、グリース組成物中に存在する増ちょう剤を鮮明に観察することができる。
尚、原子間力顕微鏡には、タッピングモードの他に、コンタクトモードもあるが、コンタクトモードでは、カンチレバー13と試料5とが常に接触した状態となり、多量のグリース組成物がカンチレバー13に付着することから、試料5の表面状態が反映された画像を得ることができない。
本発明では、このようにして得られた位相像から分散度を算出する。そのためには先ず、位相像(図2参照)を画像処理して2値化像(図3参照)を作製する。そして、この2値化像から増ちょう剤の座標情報(繊維の個数、各繊維の寸法及び各繊維の座標)を求め、下記式から分散度を算出する。
尚、分散度の算出は、位相像生成装置21からの信号を処理する適当な演算回路(図示せず)で実施する。
分散度は、グリース組成物中での増ちょう剤の分散状態を0〜1の数値で表しており、分散度が1に近いほど増ちょう剤がより均一に分散し、0に近づくほど増ちょう剤が偏在していることを示す。後述する実施例に示すように、例えば、分散度と混和ちょう度との間に相関が見られ、分散度からグリース組成物の増ちょう剤構造を推定することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1〜8、比較例1〜8)
表1に示すように、基油と増ちょう剤とからなるグリース組成物(添加剤無し)を用意した。そして、実施例では、グリース組成物を金属板に少量載せ、カバーガラスにて薄く引き延ばした後、SIIナノテクノロジー社製の原子間力顕微鏡(図1参照)にセットし、測定モードをDFMモード(タッピングモード)、物性評価ツールとして位相を用い、視野10μm×10μm、室温にて位相像を撮影した。実施例2のグリース組成物の位相像を図2に示すが、画像の黒い部分は位相遅れの小さい、すなわち硬い部分を示し、それより色の薄い部分は位相遅れの大きい、すなわち柔らかい部分を示す。この画像から、黒い部分がグリース組成物中に存在する増ちょう剤であり、色の薄い部分が基油であることが判る。次いで、位相像を画像処理して2値化像を作製する。図3は図2の位相像を2値化像に加工したものである。そして、2値化像を基に増ちょう剤の座標情報を求め、上記式により分散度を算出した。
一方、比較例では、同じグリース組成物について、増ちょう剤の粒径を求めた。即ち、サンプル管にグリース組成物を採取し、基油との親和性の高い溶媒で500倍に希釈して超音波洗浄器に5分間かけた後、この増ちょう剤分散溶媒を、予め溶媒を入れておいた石英セル中に滴下し、島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置を用いてメジアン径を求め、粒径とした。
また、増ちょう剤の分散度または粒径とともに、混和ちょう度を測定した。結果を表1に示す。
実施例に示すように、グリース組成物を半固体状のまま、増ちょう剤の分散状態を数値で知ることができる。また、図4に示すように、増ちょう剤の分散度と混和ちょう度との間に相関があり、分散度からグリース組成物の増ちょう剤構造を推定することができる。
これに対し比較例では増ちょう剤の粒径を測定しているが、増ちょう剤濃度や混和ちょう度が異なるグリース組成物でもほほ同じ粒径になっている。そのため、増ちょう剤の粒径からグリース組成物の性状を評価するのは困難であるといえる。
5 試料
11 ステージ
12 走査装置
13 カンチレバー
14 圧電振動子
15 半導体レーザ
16 レンズ
17 フォトダイオード
18 信号処理回路
19 フィードバック回路
20 駆動回路
21 位相像生成装置
22 表示装置

Claims (1)

  1. グリース組成物中での増ちょう剤の分散状態を数値化し、それを基にグリース組成物の性能を推定して評価する方法であって、
    半固体状態のままでグリース組成物の位相像を撮影して2値化し、増ちょう剤の座標情報を求め、分散度を算出して増ちょう剤の分散状態を数値化することを特徴とするグリース組成物の評価方法。
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