JP7358973B2 - 割ナット開閉装置 - Google Patents
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また、本発明の割ナット開閉装置は、第1割ナットおよび第2割ナットの開閉動作を担う開閉機構を備える。この開閉機構は、第1A割ナット片と第2A割ナット片を連携して移動させるとともに、第1B割ナット片と第2B割ナット片を連携して移動させる。
この開閉機構は、駆動源からの出力を、第1B割ナット片および第2A割ナット片の一方に荷重点を介して印加する。この開閉機構における荷重点は、第1割ナットと第2割ナットの鉛直方向における中心より下方に配置される。
本発明の割ナット開閉装置において、好ましくは、第1連結ロッドは、第1Aロッドと、第1Aロッドよりも鉛直方向における下方であって、かつ、第1Aロッドよりも水平方向における後方に配置される第1Bロッドと、を備える。この第2連結ロッドは、第2Aロッドと、第2Aロッドよりも鉛直方向における下方であって、かつ、第2Aロッドよりも水平方向における前方に配置される第2Bロッドと、を備える。
このボールねじは、第1ねじ部と第1ねじ部とは逆向きにねじ切りされた第2ねじ部とが設けられるねじ軸と、第1ねじ部に嵌合される第1ボールナットと、第2ねじ部に嵌合される第2ボールナットと、を備える。
この開閉機構において、駆動源の出力がねじ軸を介して荷重点に印加され、第1ボールナットの進退動作により第1B割ナット片と第2B割ナット片の開閉動作が行われ、かつ、第2ボールナットの進退動作により第1A割ナット片と前記第2A割ナット片の開閉動作が行われる。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係る型締装置1は、図1および図2に示すように、基台10と、基台10に固定される固定型盤11と、固定型盤11に対して進退移動可能に基台10に設けられる可動型盤12と、を備えている。また、型締装置1は、固定型盤11と可動型盤12に亘って設けられるタイバー15A,15B,15C,15Dと、可動型盤12を進退移動させる可動型盤移動手段18と、型締めする際にタイバー15A,15B,15C,15Dと係合される割ナット開閉装置20と、を備えている。
型締装置1において、鉛直方向Vおよび水平方向Hが図1、図2などに示すように定義されるものとする。また、型締装置1および割ナット開閉装置20おいて、図示を省略するが、可動型盤12が設けられる側を前、固定型盤11が設けられ側を後と定義する。この前後の定義は相対的なものとする。
固定型盤11は基台10の水平方向Hの一端側に設けられ、可動型盤12は基台10に対して摺動可能かつ固定型盤11と対向して設けられる。なお、固定型盤11および可動型盤12において、互いに対向する側の面をおもて面11A,12Aといい、おもて面11A,12Aと対向する面をうら面11B,12Bという。
タイバー15A,15B,15C,15Dには、固定型盤11の側の端部に型締力発生用のピストン16が設けられる。また、タイバー15A,15B,15C,15Dには、可動型盤12の側の端部に周方向に連なるリング状の噛み合い歯17が形成されている。噛み合い歯17は、第1割ナット21および第2割ナット22の内周に形成される噛み合い歯と噛み合わされる。これにより、タイバー15A,15B,15C,15Dは可動型盤12に係止される。なお、第1割ナット21(第2割ナット22)の内周に設けられる噛み合い歯は、図示が一部省略されている。
また、基台10には、例えば、電動式又は油圧式の可動型盤移動手段18が設けられ、固定型盤11に対して可動型盤12を往復移動可能とされている。図1は、可動型盤移動手段18によって可動型盤12を固定型盤11の方向に移動させ、可動金型14を固定金型13に接触させた型閉状態を示している。
次に、割ナット開閉装置20について、図2および図3を参照して説明する。
型締装置1の割ナット開閉装置20は、タイバー15A,15B,15C,15Dと第1割ナット21の当接点(支点)SPと、第1割ナット21の閉力(ボールねじ推力)の荷重点FPとを近くすることで、第1割ナット21に発生する回転モーメントを小さくできる。これにより、割ナット開閉装置20によれば、ねじ軸38の曲げを最小限に抑え、ねじ軸38の曲げによる破損およびねじ軸38と第1割ナット21の摺動部のかじりを防止することができる。
図2および図3に示すように、割ナット片21Bと割ナット片22Aの間であって、可動型盤12のうら面12Bには、割ナット片21A,21B,22A,22Bの駆動源30が設けられている。割ナット開閉装置20の要素である駆動源30は、正逆回転が可能な回転電動機、例えばサーボモータからなる。駆動源30は、図示を省略する例えばブラケットに固定される。
駆動源30は、図示を省略する出力軸に接続されるねじ軸38を介して、第1割ナット21の割ナット片21Aと第2割ナット22の割ナット片22Aを水平方向Hに往復移動させるのに加えて、第1割ナット21の割ナット片21Bと第2割ナット22の割ナット片22Bを水平方向Hに往復移動させる。往復移動は、第1割ナット21と第2割ナット22の間で行われる。
割ナット開閉装置20は、図3に示すように、駆動源30の回転駆動力によって第1割ナット21および第2割ナット22の開閉動作を担うボールねじ37を備える。
ボールねじ37は、ねじ軸38と、ねじ軸38に噛み合わされる第1ボールナット39Aと、ねじ軸38に噛み合わされる第2ボールナット39Bと、を備える。ねじ軸38は、第1ボールナット39Aが噛み合わされる領域の周囲にらせん状の第1ねじ部38Aと、第2ボールナット39Bが噛み合わされる領域の周囲にらせん状の第2ねじ部38Bと、を備える。第1ねじ部38Aと第2ねじ部38Bは、ねじ切りの向き、つまり巻方向が逆である。
ボールねじ37は、ねじ軸38の第1ねじ部38Aと第1ボールナット39Aとの間、および、ねじ軸38の第2ねじ部38Bと第2ボールナット39Bとの間のそれぞれに複数の転動体としてのボールが介在する。
第1ねじ部38Aと第1ボールナット39Aおよび第2ねじ部38Bと第2ボールナット39Bは、ねじ切りの向きを除いて、ねじのリード、外径などの仕様は同じである。
次に、図3および図4を参照して、割ナット開閉装置20の動作を説明する。
割ナット開閉装置20は、第1割ナット21および第2割ナット22が対応するタイバー15A,15Bを開放する開位置と、第1割ナット21および第2割ナット22が対応するタイバー15A,15B,15C,15Dを把持する閉位置との間を往復動作する。図3は開位置における割ナット開閉装置20を示し、図4は閉位置における割ナット開閉装置20を示している。開位置から閉位置までの移動は、例えば射出成形の場合、射出成形の前提として行われる可動金型14と固定金型13のピストン16による型締めに先行して行われる。また、閉位置から開位置までの移動は、例えば射出成形の場合、所定量の溶融樹脂を可動金型14と固定金型13の間のキャビティに充填するなどした後に行われる可動金型14と固定金型13の型開きに先行して行われる。
開位置から閉位置まで移動するには、駆動源30に電力を供給してその出力軸を回転駆動させる。なお、開位置から閉位置まで移動するときの出力軸の回転の向きを順方向とする。
閉位置から開位置まで移動するには、図4の状態において、駆動源30に電力を供給して出力軸を逆向きに回転駆動させる。そうすると、出力軸に接続されるボールねじ軸38は、逆向きに回転する。これにより、割ナット片21Aおよび割ナット片22Aは、他方のL側に向けて移動し、割ナット片21Bおよび割ナット片22Bは、一方のR側に向けて移動する。そして、図3に示すように、割ナット片21Aと割ナット片21Bがタイバー15Aから所定距離だけ離れ、また、割ナット片22Aと割ナット片22Bがタイバー15Bから所定距離だけ離れると、駆動源30への電力供給を停止して、出力軸の回転駆動を停止させる。これで、割ナット開閉装置20による割ナット片21A,21B,22A,22Bの閉状態から開状態の動作が終わり、型開きおよび離型の準備が整う。
次に、割ナット開閉装置20が奏する効果について、当該効果が求められる要因、当該効果を奏するための構成および当該効果の順で説明する。
この要因は二つある。割ナット開閉装置20におけるタイバー15A,15Bが片持ち構造であることが一つ目の要因である。水平方向Hに並ぶ第1割ナット21と第2割ナット22を対として開閉する機構を備えることが二つ目の要因である。
一つ目の要因である片持ち構造についていうと、図1に示すように、タイバー15A,15Bは、水平方向Hの一方の側の端部が固定型盤11に固定され支持端をなす一方、第1割ナット21および第2割ナット22に掴まれる側の端部は自由端をなしている。したがって、タイバー15A,15Bは、自由端において、鉛直方向Vの下向きにたわむので支持端に対して下向きに偏心する。
鉛直方向Vの回転モーメントMVに対応し、割ナット開閉装置20はボールねじ37の鉛直方向Vにおける配置位置を特定する。つまり、図3および図4に示すように、第1割ナット21および第2割ナット22の鉛直方向Vにおける中心CVよりも、第1ボールナット39Aを介するボールねじ37からの荷重点FPが鉛直方向Vの下方に配置される。ねじ軸38の軸線C38Vは、荷重点FPを通る。荷重点FPをこのように配置することにより、当接点(支点)SPと荷重点FPの間の距離LV1を、図7の距離LV2よりも短くできる。
以上のように、割ナット開閉装置20は、支点SPから荷重点FPまでの距離LV1を短くできるので、回転モーメントMVを小さく抑えることができる。これに対して、図7(a)に示すように、第1割ナット21および第2割ナット22の鉛直方向Vの中心CVと荷重点FPとが一致すると、支点SPから荷重点FPまでの距離LV2は距離LV1よりも大きい。したがって、本実施形態によれば、鉛直方向Vの回転モーメントMVを抑えることができるので、ボールねじ37に生ずる曲げ応力も小さく抑えることができる。しかも、本実施形態によれば、新たな部材を追加しなくても、ボールねじ37の位置を特定することで、曲げ応力の低減を図れるのでコストの上昇を招くことがない。
次に、本発明に係る第2実施形態について、図5を参照して説明する。なお、第2実施形態については、第1実施形態との相違点を中心にして説明するとともに、第1実施形態と同じ要素については第1実施形態と同じ符号を図面に付してその説明を省略する。
次に、本発明に係る第3実施形態について、図6を参照して説明する。なお、第3実施形態については、第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心にして説明するとともに、第1実施形態および第2実施形態と同じ要素については同じ符号を図面に付してその説明を省略する。
はじめに、ボールねじ37は、図6(a)に示すように、第1割ナット21および第2割ナット22の鉛直方向Vの中心CVよりも、第1ボールナット39Aを介するボールねじ37からの荷重点FPが鉛直方向Vの下方に配置される。この構成が第1実施形態に対応する。
例えば、以上で説明した実施形態は、逆向きにねじが切られた第1ねじ部38Aと第2ねじ部38Bとを備えるボールねじ37を用いることで、割ナット片21Aおよび割ナット片21Bと割ナット片21Bおよび割ナット片22Bとを水平方向Hに逆向きに移動させる割ナットの開閉機構にて例示している。しかし、本発明は、逆向きにねじが切られた第1ねじ部38Aと第2ねじ部38Bとを備えるボールねじ37を用いる割ナットの開閉に限定されない。例えば、特許文献2に開示される1組のボールナットとボールねじ軸およびリンク機構によって、第1割ナット21および第2割ナット22を開閉する割ナットの開閉構造においても適用できる。また、ボールねじ37に限らずこの割ナットの開閉を実現できる。例えば、特許文献2に開示される機構が該当する。この特許文献2に開示される機構の駆動源は、回転電動機の他に油圧シリンダを適用することができる。したがって、本発明に適用される駆動源もまた回転電動機に限るものではない。以上の通り、本発明は公知の割ナットの開閉機構に適用できる。
10 基台
11 固定型盤
12 可動型盤
13 固定金型
14 可動金型
15A,15B,15C,15D タイバー
20,120,220 割ナット開閉装置
21,22 割ナット
21A,21B,22A,22B 割ナット片
25 第1連結ロッド
25A,25B 第1ロッド
26 連結ロッド
26A,26B 第2ロッド
30 駆動源
34 連結体
38 ねじ軸
38A 第1ねじ部
38B 第2ねじ部
39A 第1ボールナット
39B 第2ボールナット
V 鉛直方向
H 水平方向
CH 水平方向の中心
CV 鉛直方向の中心
FE 自由端
SP 支点,当接点
FP 荷重点
MH 回転モーメント
MV 回転モーメント
Claims (7)
- 第1A割ナット片と第1B割ナット片を有し、第1タイバーを把持する第1割ナット、および、第2A割ナット片と第2B割ナット片を有し第2タイバーを把持する第2割ナットと、
前記第1割ナットおよび前記第2割ナットの開閉動作を担い、前記第1A割ナット片と前記第2A割ナット片を連携して水平方向に往復移動させるとともに、前記第1B割ナット片と前記第2B割ナット片を連携して水平方向に往復移動させる開閉機構と、を備え、
前記開閉機構は、
駆動源からの水平方向の出力を、前記第1B割ナット片および前記第2A割ナット片の一方に荷重点を介して印加し、かつ、
前記荷重点は、前記第1割ナットと前記第2割ナットの鉛直方向における中心より下方に配置される、
ことを特徴とする割ナット開閉装置。
- 前記荷重点は、前記第1割ナットと前記第2割ナットの水平方向における中心より前方に配置される、
請求項1に記載の割ナット開閉装置。
- 前記第1B割ナット片と前記第2B割ナット片とを連結する第1連結ロッドと、
前記第1A割ナット片と前記第2A割ナット片とを連結する第2連結ロッドと、を備える、
請求項1または請求項2に記載の割ナット開閉装置。
- 前記第1連結ロッドは、
第1Aロッドと、前記第1Aロッドよりも鉛直方向における下方であって、かつ、前記第1Aロッドよりも水平方向における後方に配置される第1Bロッドと、を備え、
前記第2連結ロッドは、
第2Aロッドと、前記第2Aロッドよりも鉛直方向における下方であって、かつ、前記第2Aロッドよりも水平方向における前方に配置される第2Bロッドと、を備える、
請求項3に記載の割ナット開閉装置。
- 前記第1割ナットおよび前記第2割ナットの前後方向の寸法をLNとすると、
前記第2Aロッドと前記第1Bロッドは、
前記第1割ナットと前記第2割ナットの前端から3/4×LNの範囲に配置される、
請求項4に記載の割ナット開閉装置。
- 前記開閉機構は、
前記第1割ナットおよび前記第2割ナットの開閉動作を担うボールねじを備え、
前記ボールねじは、
第1ねじ部と前記第1ねじ部とは逆向きにねじ切りされた第2ねじ部とが設けられるねじ軸と、
前記第1ねじ部に嵌合される第1ボールナットと、前記第2ねじ部に嵌合される第2ボールナットと、を備え、
前記駆動源からの出力が前記ねじ軸を介して前記荷重点に印加され、前記第1ボールナットの進退動作により前記第1B割ナット片と前記第2B割ナット片の開閉動作が行われ、かつ、前記第2ボールナットの進退動作により前記第1A割ナット片と前記第2A割ナット片の開閉動作が行われる、
請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の割ナット開閉装置。
- 第1A割ナット片と第1B割ナット片を有し、第1タイバーを把持する第1割ナット、および、第2A割ナット片と第2B割ナット片を有し第2タイバーを把持する第2割ナットと、
前記第1割ナットおよび前記第2割ナットの開閉動作を担い、前記第1A割ナット片と前記第2A割ナット片を連携して移動させるとともに、前記第1B割ナット片と前記第2B割ナット片を連携して移動させる開閉機構と、を備え、
前記開閉機構は、
駆動源の出力軸の方向に前記第1割ナットおよび前記第2割ナットを開閉移動させるものであって、
前記駆動源からの出力を、前記第1B割ナット片および前記第2A割ナット片の一方に荷重点を介して印加し、かつ、
前記荷重点は、前記第1割ナットと前記第2割ナットの水平方向における中心より前方に配置される、
ことを特徴とする割ナット開閉装置。
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