JP7358714B2 - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成膜やエッチングに有用な新規な処理装置および処理方法に関する。
半導体装置の製造工程において、成膜やエッチングに真空装置が用いられており、このような真空装置として、複数の処理チャンバーを備えた真空処理装置が使用されている(特許文献1)。 このような真空処理装置は、例えば、内部に搬送手段を具備し、真空雰囲気下で基板が搬送されるように構成されている。しかしながら、このような枚葉式処理チャンバー内で成膜処理やエッチング処理を行う場合、処理結果(例えば、成膜処理における膜質、エッチング処理におけるムラ等)は、処理開始時の処理チャンバー内の環境に依存し、処理開始前に、長時間のアイドリング状態(待機状態)であった処理チャンバー等では、処理開始後数枚の基板については、目標の処理結果が得られないなどの問題があった。そして、この問題を解決するために、製品用基板等の処理に先立って、非製品用基板(ダミー)を処理チャンバー内に導入し、処理チャンバー内を安定させた後、製品用基板を導入する必要があった。なお、ダミーをどの程度導入するかは、処理チャンバー内の環境や、アイドリング状態(待機状態)とされていた時間等に依存する。
また、真空装置を用いずに非真空下で成膜等を行う手法も検討されている。特許文献2には、ソース材料が溶媒に溶解したソース材料溶液を超音波振動子により霧化し、霧化した前記溶液の微粒子をキャリアガス中に含ませた吹き付け用ガスを、予め加熱した製膜用基板の表面に吹き付け、前記微粒子中のソース材料を熱分解させて、前記製膜用基板上に金属酸化物または金属硫化物の薄膜を形成する方法が開示されている。さらに、特許文献2には、前記吹き付け用ガス中の前記微粒子の含有量を測定し、測定値が適正値となるように前記超音波振動子の出力を制御しながら前記薄膜を形成することが記載されている。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、実際には、超音波振動子の出力を変えることで、ミストまたは液滴が不安定になる問題があり、具体的には、ミストまたは液滴の粒径(濃度も含む)が変わってしまうという問題があり、成膜速度を制御するどころか、工業的に有用な均一な膜を得ることすら困難であった。特に、例えば結晶膜を成膜する場合は、結晶性が全く異なる多層構造状の膜が得られてしまうこともあり、再現性も悪く、工業的には不向きであった。
特開2012-119626号公報 特開2000-144435号公報
本発明は、工業的有利に基体を処理できる処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特許文献2記載の発明のように超音波振動子の出力を変えるのではなく、ミストの搬送速度または搬送温度を変えて成膜したところ、安定したミストの成膜が実現できることを知見し、さらに、成膜速度の制御が可能であり、均一な膜厚でかつ高品質の膜が再現性良く得られることを見出した。そして、ミストまたは液滴の光学特性を検出し、この光学特性の検出結果に基づき前記ミストまたは液滴の搬送速度または搬送温度を調節することが重要であることを知見し、このような処理方法や処理装置が上記従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1]成膜用原料を含む原料溶液を霧化または液滴化する霧化・液滴化部と、霧化・液滴化部で得られたミストまたは液滴をキャリアガスを用いて基体まで搬送し、ついで前記基体上で熱反応させて成膜する搬送処理部とを少なくとも備える成膜装置であって、前記搬送処理部が、前記ミストまたは液滴の光学特性を検出する検出手段、および前記光学特性の検出結果に基づいて前記基体上所定の膜厚を成膜するための制御値を演算し、当該制御値に基づいて、前記キャリアガスの流量もしくは、ミストまたは液滴の搬送温度を調節する調節手段を含むことを特徴とする成膜装置。
[2]光学特性が、透過率、吸収率、反射率、屈折率、消衰係数または吸収係数である前記[1]記載の成膜装置。
[3]光学特性が、透過率である前記[1]または[2]に記載の成膜装置。
[4]前記キャリアガスの流量の調節によって、前記ミストまたは液滴の搬送速度を調節する前[1]記載の成膜装置。
[5]前記搬送温度の調節手段が、プレヒートを含む前記[1]記載の成膜装置。
[6]成膜用原料を含む原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴をキャリアガスを用いて基体まで搬送し、ついで前記基体上で熱反応させて前記基体を処理する方法であって、前記ミストまたは液滴の光学特性を検出し、前記光学特性の検出結果に基づいて前記基体上に成膜するための制御値を演算し、当該制御値に基づいて前記キャリアガスの流量もしくはミストまたは液滴の搬送温度を調節することを特徴とする成膜方法。
[7]光学特性が、透過率、吸収率、反射率、屈折率、消衰係数または吸収係数である前記[6]記載の成膜方法。
[8]光学特性が、透過率である前記[6]または[7]に記載の成膜方法。
[9]前記キャリアガスの流量の調節によって、前記ミストまたは液滴の搬送速度を調節する前記[6]~[8]のいずれかに記載の成膜方法。
[10]前記搬送温度の調節を、プレヒートにより行う前記[6]記載の成膜方法。

本発明の処理装置および処理方法によれば、工業的有利に基体を処理できる。
本発明の処理装置の好適な一態様を示す模式図である。 本発明の処理装置の好適な一態様を説明する概略構成図である。 本発明において用いられる霧化・液滴化部の一態様を説明する図である。 本発明において用いられる超音波振動子の一態様を説明する図である。 本発明において用いられる透過率測定器の一態様を説明する図である。 参考例において得られた透過率と膜厚との関係図である。
本発明の処理装置は、処理剤を含む原料溶液を霧化または液滴化する霧化・液滴化部と、霧化・液滴化部で得られたミストまたは液滴をキャリアガスを用いて基体まで搬送し、ついで前記基体上で熱反応させる搬送処理部とを少なくとも備える処理装置であって、前記搬送処理部が、前記ミストまたは液滴の光学特性を検出する検出手段、および前記光学特性の検出結果に基づき前記ミストまたは液滴の搬送速度または搬送温度を調節する調節手段を含むことを特長とする。
本発明において用いられる基体は、特に限定されず、公知のものであってよい。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状、多孔質体状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましく、可撓性基板がより好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されないが、1μm~100mmが好ましく、10μm~10mmがより好ましい。
前記基板は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基板であってよい。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、金属基板や導電性基板であってもよい。また、本発明においては、前記基板の一部または全部の上に、金属膜、半導体膜、導電性膜および絶縁性膜の少なくとも1種の膜が形成されているものも、前記基板として好適に用いることができる。前記金属膜の構成金属としては、例えば、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、シリコン、イットリウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる1種または2種以上の金属などが挙げられる。半導体膜の構成材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムのような元素単体、周期表の第3族~第5族、第13族~第15族の元素を有する化合物、金属酸化物、金属硫化物、金属セレン化物、または金属窒化物、ペロブスカイト等が挙げられる。また、前記導電性膜の構成材料としては、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化インジウム(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)、酸化タングステン(WO)などが挙げられる。前記絶縁性膜の構成材料としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)、酸窒化シリコン(Si)などが挙げられるが、絶縁性酸化物からなる絶縁性膜であるのが好ましく、チタニア膜であるのがより好ましい。
本発明において用いられる処理剤は、前記基体を処理できさえすれば特に限定されず、公知のものであってよい。前記処理剤としては、例えば、成膜用原料、エッチング剤、表面改質剤、洗浄剤、リンス剤などが挙げられる。
前記成膜用原料は、本発明の目的を阻害しない限り、公知の成膜用原料であってよく、無機材料であっても、有機材料であってもよい。本発明においては、前記成膜用原料が、金属または金属化合物を含むのが好ましく、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、イットリウム、ストロンチウム、バリウムおよびケイ素から選ばれる1種または2種以上の金属を含むのがより好ましく、ケイ素含有化合物であるのが最も好ましい。前記ケイ素含有化合物は、少なくとも一つのケイ素を含む化合物であれば特に限定されない。前記ケイ素含有化合物としては、例えば、シラン、シロキサン、シラザン、ポリシラザンなどが挙げられる。前記シランとしては、例えば、モノシラン(SiH)、アルコキシシランなどが挙げられる。前記アルコキシシランとしては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラアミロキシシラン、テトラオクチルオキシシラン、テトラノニルオキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジイソプロポキシシラン、ジエトキシジブトキシシラン、ジエトキシジトリチルオキシシランまたはこれらの混合物などが挙げられる。前記シロキサンとしては、例えばヘキサメチルジシロキサン、1,3-ジブチルテトラメチルジシロキサン、1,3-ジフェニルテトラメチルジシロキサン、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン及び3-グリシドキシプロピルペンタメチルジシロキサンなどが挙げられる。シラザンとしては、例えばヘキサメチルジシラザン及びヘキサエチルジシラザンなどが挙げられる。また、本発明においては、前記成膜用原料が、前記金属を錯体または塩の形態で含むのも好ましい。前記錯体の形態としては、例えば、有機錯体などが挙げられ、より具体的には、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体、キノリノール錯体等が挙げられる。前記塩の形態としては、例えば、ハロゲン化物などが挙げられ、より具体的には、例えば、塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩などが挙げられる。
前記エッチング剤は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のエッチング剤であってよい。前記エッチング剤としては、例えば、有機酸(例えば、硫酸、称賛、塩酸、酢酸、ぎ酸、ふっ酸)、酸化剤(例えば、過酸化水素、濃硫酸)、キレート剤(例えば、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミン4酢酸、エチレンジアミン、エタノールアミン、アミノプロパノール)、チオール化合物などが挙げられる。また、前記エッチング剤としては、例えばイミダゾールや、イミダゾール誘導体化合物などのように自身がエッチング作用を持つものも含まれる。
前記表面改質剤は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。前記表面改質剤としては、例えば、アニオン系・カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、顔料分散剤、アルコール類、脂肪酸、アミン類、アミド類、イミド類、金属せっけん、脂肪酸オリゴマー化合物、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、リン酸系カップリング剤、カルボン酸系カップリング剤、フッ素系界面活性剤、ホウ素系界面活性剤等が挙げられる。前記原料溶液は、前記表面改質剤を、1種類単独で含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。
前記洗浄剤は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。前記洗浄剤としては、例えば、界面活性剤(例えばアニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤等)、金属石鹸などが挙げられる。
前記リンス剤は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。前記リンス剤としては、例えば、フッ素系リンス剤(ハイドロフルオロカーボン(HFC)類やハイドロフルオロエーテル(HFE)類等)などが挙げられる。
前記霧化・液滴化部は、前記処理剤を含む原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されない。前記原料溶液は、そのままで、または前記処理剤を溶媒等に溶解または分散させて用いられる。
前記溶媒は、処理剤が溶解または分散するものであって、霧化または液滴化が可能なものであれば特に限定されず、無機溶媒であってもよいし、有機溶媒であってもよいし、これらの混合溶媒であってもよい。本発明においては、前記溶媒が水であるのが好ましい。
前記処理溶液中の処理剤の含有量は、特に限定されないが、好適には例えば、0.0001~80重量%であり、より好適には0.001%~50重量%である。
本発明においては、前記ミストまたは液滴が、超音波霧化により得られたものであるのが好ましい。超音波を用いて得られたミストまたは液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので形態の安定性に優れている点で好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストが、衝突エネルギーによる損傷がないためにより好ましい。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1~10μmである。
前記搬送処理部では、霧化・液滴化部で得られたミストまたは液滴をキャリアガスを用いて基体まで搬送し、ついで前記基体上で熱反応させる。前記キャリアガスは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01~20L/分であるのが好ましく、1~10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001~2L/分であるのが好ましく、0.1~1L/分であるのがより好ましい。
前記熱反応は、熱でもって前記ミストまたは液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本発明では、前記熱反応を、通常、約1500℃以下の温度で行うが、本発明においては、約900℃以下で行うのが好ましく、650℃以下がより好ましい。下限については、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、120℃以上が最も好ましい。また、前記熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよいが、非酸素雰囲気下または酸素雰囲気下で行われるのが好ましい。また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、本発明においては、前記処理が成膜処理である場合、成膜する膜の膜厚は、成膜時間を調整することにより、容易に設定することができる。
また、前記搬送処理部は、前記ミストまたは液滴の光学特性を検出する検出手段、および前記光学特性の検出結果に基づき前記ミストまたは液滴の搬送速度または搬送温度を調節する調節手段を含んでいる。
前記検出手段は、前記ミストまたは液滴の光学特性を検出できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよい。前記光学特性としては、例えば、透過率、吸収率、反射率、屈折率、消衰係数または吸収係数などが挙げられるが、本発明においては、前記光学特性が透過率であるのが好ましい。前記調節手段は、前記光学特性の検出結果に基づき前記ミストまたは液滴の搬送速度または搬送温度を調節することができれば特に限定されず、公知の手段であってよい。搬送速度を調節する手段としては、例えば、前記キャリアガスの流量を調節する手段などが挙げられる。また、搬送温度を調節する手段としては、例えば、プレヒートを行う手段などが挙げられる。
以下、本発明の好ましい態様を図面を用いて説明するが、本発明はこれら図面に限定されるものではない。
図1は、本発明の処理装置の好適な一態様である成膜装置9を示している。図1の成膜装置9は、透過率測定器1、キャリアガス供給手段2a、キャリアガス(希釈)供給手段2b、流量計3a、流量調節装置3b、フィルム4、原料溶液4a、容器5、超音波伝達液5a、超音波振動子6、供給管7、管状炉8およびパソコン10を備えている。
図2は、本発明の処理装置の好適な一態様である成膜装置9の概略構成図であり、図2も用いて本発明の好ましい態様を説明する。容器5には、超音波伝達液5aが収容されており、ミスト発生源24内には、原料溶液4aが収容されている。また、成膜装置9には、キャリアガス供給手段2aおよびキャリアガス(希釈)供給手段2bがそれぞれ流量計3aおよび流量調節装置3bを介して接続されており、キャリアガスがミスト発生源24および供給管7内にそれぞれ供給可能に構成されている。
超音波振動子6は、発振器と接続されており、発振器を作動させると、超音波振動子6から超音波が照射されるように構成されている。超音波が照射されると、容器5内の超音波伝達液5aを介して、超音波振動が原料溶液4aに伝わり、原料溶液4aの霧化または液滴化が生じる。霧化または液滴化により発生したミストまたは液滴は、キャリアガスの供給によって、供給管7内を移動し、管状炉8へと搬送される。
図3は、本発明において用いられる霧化・液滴化部の一態様を示している。超音波伝達液としての水5aに収容されている容器5上に、原料溶液aが収容されている無底の容器が設けられており、フィルム4により閉塞されている。そして、容器5の底部には、超音波振動子6が備え付けられており、超音波振動子6と発振器16とが接続されている。そして、発振器16を作動させると、超音波振動子6が振動し、水5aを介して、ミスト発生源4内に超音波が伝播し、原料溶液4aが霧化または液滴するように構成されている。
前記フィルム4は、超音波が透過可能なものであって、前記の嵌合または螺合により、前記無底の容器内の底面部を閉塞することができ、さらに、無底の容器内に原料溶液を収容可能とするものであれば特に限定されない。なお、前記底面部は、前記原料溶液の容器の底面に相当する部分をいい、無底の容器の底面となり得る部分であれば特に限定されない。
前記超音波伝達液としては、水に限定されず、無機溶媒や有機溶媒等が挙げられるが、本発明においては、無機溶媒であるのが好ましく、水であるのがより好ましい。前記水としては、より具体的には、例えば、純水、超純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海水などが挙げられ、これらの水に、例えば精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、電解、浸透圧の調整、緩衝化等の処理をした水(例えば、オゾン水、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等)も例として含まれる。
図3は、図1および図2に示されている超音波振動子6の一態様を示している。超音波振動子6は、支持体6e上の円筒状の弾性体6d内に、円板状の圧電体素子6bが備え付けられており、圧電体素子6bの両面に電極6a、6cが設けられている。そして、電極に発振器を接続して発振周波数を変更すると、圧電振動子の厚さ方向の共振周波数及び径方向の共振周波数を持つ超音波が発生されるように構成されている。
透過率測定装置31は、好ましくは図5に示すように、赤色レーザ32および受光センサー33を備えており、供給管7を介して、赤色レーザ32と受光センサー33とが対向するように設置されている。図5のとおり、ミストまたは液滴は、供給管7内の中下部を流れる。そのため、赤色レーザ32からの光が、ミストまたは液滴で遮られ、受光センサー33では、透過する光量が減少する。この減少量(透過率)を用いて、予め測定して得られた透過率と膜厚との関係式にあてはめ、ミストまたは液滴の搬送速度または搬送温度を調節する。なお、関係式は、ミストまたは液滴の透過率と成膜速度を制御できるもの(例えば成膜速度、膜厚等)との関係式が好ましく、また、関係式には相関係数などがなくてもよい。例えば、図6に示す、透過率と膜厚との関係図等を関係式として用いてもよい。制御手段は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の手段であってよい。前記制御手段としては、例えば、PID制御手段などが挙げられる。透過率測定器1によって測定された透過率が、PID制御器であるパソコン10に送られ、予め設定されていた関係式や設定値と比較することにより、流量調節装置3bの出力値を校正するための制御値が演算される。この演算に用いられるPID制御としては、たとえばP制御、I制御、D制御、P-I制御、そのほか制御可能な全ての組み合わせが考えられる。そして、制御値に基づき、パソコン10から3bに制御情報が送出され、流量調節装置3bにより、キャリアガス(希釈)供給手段から供給されるキャリアガス(希釈)の流量が調節される。なお、パソコン10は、CPUを備えているものであれば特に限定されず、シーケンサー等であってもよい。本発明においては、このようにしてミストまたは液滴の搬送速度または搬送温度を調節することにより、成膜速度を制御するだけでなく、成膜品質をより良好なものとすることができる。
管状炉8は、ヒーター28、サセプタ21に載置されている基板20および排気口29を備えている。管状炉8では、ミスト発生源24で発生したミストが、キャリアガスによって供給管7を通って管状炉8内に流れ込み、サセプタ21上に載置された基板20上で、熱反応するように構成されている。また、管状炉8は、排気口29とも接続されており、熱反応後のミスト、液滴もしくはガスが、排気口29へと運ばれるように構成されている。
インジウム(III)アセチルアセトナート4.1gを秤量した後、195ccの純水の入ったビーカーに混ぜ、さらに、このビーカーに、35%に希釈された塩酸5.7ccを加えて十分に溶かし、得られた溶液を原料溶液とした。また、サセプタにGaN基板を載せ、管状炉内にセットした後、ヒーターの温度を500℃まで昇温した。昇温中は、基板表面に熱酸化が生じないように、希釈用のキャリアガス供給手段から窒素ガスを2LPM流した。
500℃に昇温後、超音波振動子に電源を入れて作動させ、原料溶液を霧化した。霧化をはじめて30秒後、霧化が安定したところで、キャリアガス供給手段およびキャリアガス(希釈)供給手段から、それぞれ空気を1.5LPMおよび2LPMの流量で流し込んだ。そして、透過率測定器の受光センサーにて透過光の強度を測定すると、ミストを流し込む前の基準強度に対して35%の透過強度となり、透過率が測定された。成膜後、600nmの酸化インジウム膜が形成されていた。成膜時間は20分であった。
またさらに、上記と同様にして、繰り返し実験を行い、図6に示す透過率と膜厚との関係を導き出した。
シーケンサーに逐次測定した透過率の値を入力し、PID制御によってキャリアガスの流量を演算するようにし、再現実験を繰り返し行ったところ、全ての実験において再現性良く、成膜速度のほぼ等しい安定した成膜を実現することができた。
本発明の処理装置および処理方法は、あらゆる基体の処理に用いることができ、工業的に有用である。特に、基体表面を成膜する場合やエッチング処理する場合には、本発明の処理装置および処理方法を好適に利用することができる。
1 透過率測定器
2a キャリアガス供給手段
2b キャリアガス(希釈)供給手段
3a 流量計
3b 流量調節装置
4 フィルム
4a 原料溶液
5 容器
5a 超音波伝達液
6 超音波振動子
6a 電極
6b 圧電体素子
6c 電極
6d 弾性体
6e 支持体
7 供給管
8 管状炉
9 成膜装置
10 パソコン
16 発振器
20 基板
21 サセプタ
24 ミスト発生源
24a 原料溶液
28 ヒーター
29 排気口
31 透過率測定器
32 赤色レーザ
33 受光センサー
34 ミスト
37 供給管

Claims (10)

  1. 成膜用原料を含む原料溶液を霧化または液滴化する霧化・液滴化部と、霧化・液滴化部で得られたミストまたは液滴をキャリアガスを用いて基体まで搬送し、ついで前記基体上で熱反応させて成膜する搬送処理部とを少なくとも備える成膜装置であって、前記搬送処理部が、前記ミストまたは液滴の光学特性を検出する検出手段、および前記光学特性の検出結果に基づいて前記基体上に所定の膜厚を成膜するための制御値を演算し、当該制御値に基づいて、前記キャリアガスの流量または、ミストもしくは液滴の搬送温度を調節する調節手段を含むことを特徴とする成膜装置。
  2. 光学特性が、透過率、吸収率、反射率、屈折率、消衰係数または吸収係数である請求項1記載の成膜装置。
  3. 光学特性が、透過率であり、透過率と膜厚との関係式にあてはめて、前記キャリアガスの流量または、ミストもしくは液滴の搬送温度を調節する請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記キャリアガスの流量の調節によって、前記ミストまたは液滴の搬送速度を調節する請求項1記載の成膜装置。
  5. 前記搬送温度の調節手段が、プレヒートを含む請求項1記載の成膜装置。
  6. 成膜用原料を含む原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴をキャリアガスを用いて基体まで搬送し、ついで前記基体上で熱反応させて前記基体を成膜する方法であって、前記ミストまたは液滴の光学特性を検出し、前記光学特性の検出結果に基づいて前記基体上に所定の膜厚を成膜するための制御値を演算し、当該制御値に基づいて前記キャリアガスの流量またはミストもしくは液滴の搬送温度を調節することを特徴とする成膜方法。
  7. 光学特性が、透過率、吸収率、反射率、屈折率、消衰係数または吸収係数である請求項6記載の成膜方法。
  8. 光学特性が、透過率であり、透過率と膜厚との関係式にあてはめて、前記キャリアガスの流量または、ミストもしくは液滴の搬送温度を調節する請求項6または7に記載の成膜方法。
  9. 前記キャリアガスの流量の調節によって、前記ミストまたは液滴の搬送速度を調節する請求項6~8いずれかに記載の成膜方法。
  10. 前記搬送温度の調節を、プレヒートにより行う請求項6記載の成膜方法。
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