JP2018140352A - 処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定的且つ良好に、工業的有利に被処理物を処理することのできる処理方法を提供する。【解決手段】被処理物上で原料液を含むミスト又は液滴を反応させることにより、前記被処理物を処理する方法において、前記原料液を霧化または液滴し、ついで、得られた前記ミスト又は前記液滴をキャリアガスを用いて前記被処理物まで搬送し、平均粒径が100nm以下である前記ミストまたは前記液滴を反応させることにより、前記被処理物を処理する。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置や電子機器等の製造等に有用な被処理物の処理方法に関し、より具体的には、被処理物上で原料液を含むミストまたは液滴を反応させることにより処被理物を処理する方法に関する。
基板または半導体膜もしくは絶縁膜等の被処理材に対する、エッチング、洗浄、表面改質、成膜等の処理を、液体材料を用いて行う技術が知られており、例えば、スプレー法等を用いたエッチング処理や、塗布法等を用いた成膜処理などの処理方法が一般的に知られている。中でも、霧化された液体原料(ミスト)を用いることにより、被処理物に対してエッチング処理、表面改質処理、成膜処理等を行う方法が検討されている。また、近年においては、半導体装置や電子機器等の製造工程で、サブミクロンオーダーのパターン形成が行われるため、例えば、段差被覆が、ミストを用いる場合でも困難になる問題が生じていた。そのため、半導体装置や電子機器等の製造に有用な、被処理物への処理をナノレベルで制御できる処理方法が待ち望まれていた。
特許文献1では、第1超音波振動子によってミスト化された液体原料のミストを、第2超音波振動子を備える選別室に供給し、選別室において、第2超音波振動子を備える振動体(ステム)の働きによってミストの平均粒径を小さくするとともに、大径の粒子を沈降によって排除する霧化方法、および平均粒径を小さくしたミストを加熱した基板上に散布することにより、基板上に成膜処理を行う方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法は、微細化されたミストの平均粒子径はせいぜい約0.34μmであり、ミストの粒子径もせいぜい0.2μm程度であった。そのため、十分に細かいミストを用いて成膜処理することができなかった。また、ミストどうしが凝集して被処理物上に滴下してしまうなど、安定的な成膜処理に支障をきたし、均一且つ良好に成膜処理をすることが困難である問題があった。さらに、原料効率も十分に満足のいくものではなかった。
また、特許文献2では、10μm以下の平均粒径を有するマイクロミストを半導体ウエハの表面に噴霧して、ウエハ上の既存構造物を溶解除去するエッチング処理を行うことが記載されている。しかしながら、特許文献2に記載のエッチング処理方法では、噴霧されるミストの粒径が1μm以上であり、エッチング液を半導体ウエハに向けて十分に効率よく拡散できない問題があった。また、凝集によって粒径の大きくなったミストがエッチング面に付着してしまうなど、エッチング処理の安定性及び均一性において、十分に満足できるものではなかった。さらに、結露によって、周りの装置等に水滴が付着する問題もあった。
そのため、上記した問題がなく、安定的且つ良好に、工業的有利に被処理物を処理することができる処理方法が待ち望まれていた。
特開2004−267893号公報 特開2009−010033号公報
本発明は、安定的且つ良好に、工業的有利に被処理物を処理することができる処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、被処理物上で原料液を含むミスト又は液滴を反応させることにより、前記被処理物を処理する方法において、平均粒径が100nm以下である前記ミスト又は前記液滴を用いて前記処理を行うと、ミストの凝集や結露等が起こることなく、安定的且つ良好に、均一に被処理物を処理できることを見出した。また、このような処理方法が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 被処理物上で原料液を含むミスト又は液滴を反応させることにより、前記被処理物を処理する方法であって、前記ミスト又は前記液滴の平均粒径が100nm以下であることを特徴とする処理方法。
[2] 前記ミスト又は前記液滴の粒径が100nm以下である前記[1]記載の処理方法。
[3] 前記ミストまたは前記液滴が、前記原料液を霧化または液滴化し、ついで、キャリアガスを用いて前記被処理物まで搬送されたものである前記[1]または[2]に記載の処理方法。
[4] 前記原料液が、エッチング剤、表面改質剤または成膜原料を含有し、前記処理が、エッチング処理、表面改質処理または成膜処理である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の処理方法。
[5] 前記原料液が、成膜原料を含有し、前記処理が、成膜処理である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の処理方法。
[6] 前記反応を、大気圧下で行う前記[1]〜[5]のいずれかに記載の処理方法。
[7] 前記反応が、熱反応である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の処理方法。
[8] 前記熱反応を、200℃以下の温度で行う前記[7]記載の処理方法。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の処理方法によって処理された被処理物。
本発明の処理方法によれば、安定的且つ良好に、工業的有利に被処理物を処理することができる。
実施例において用いた成膜装置の概略構成図である。 本発明の搬送工程の一態様を模式的に示す図である。 実施例で得られた被処理物の蛍光スペクトルの測定結果を示す図である。
本発明の処理方法は、被処理物上で原料液を含むミスト又は液滴を反応させることにより、前記被処理物を処理する方法であって、前記ミスト又は前記液滴の平均粒径が100nm以下であることを特長とする。前記ミストまたは前記液滴は、原料液を含んでおり、平均粒径が100nm以下であれば、特に限定されない。前記ミストまたは前記液滴は、原料液を霧化または液滴化し、必要により、100nm以下の平均粒径のものに分級することにより、得られる。
(原料液)
前記原料液は、被処理物を処理する処理剤を含んでおり、霧化または液滴化が可能であれば、特に限定されない。前記処理剤は、液状であってもよいし、固体状であってもよいし、気体状であってもよい。ゲル状であってもよいし、ゾル状であってもよい。また、前記原料液は、無機材料を含んでいてもよいし、有機材料を含んでいてもよい。前記処理剤は、被処理物を処理できれば、特に限定されず、公知のものであってよい。前記処理剤としては、例えば、エッチング剤、表面改質剤、または成膜原料などが挙げられるが、本発明においては、前記処理剤が、成膜原料であるのが好ましい。
前記エッチング剤は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のエッチング剤であってよい。前記エッチング剤としては、例えば、一般的な酸、または塩基等を採用することができる。前記酸としては、例えば、弗酸、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、炭酸、蟻酸、安息香酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、亜硫酸、次亜硫酸、亜硝酸、次亜硝酸、亜リン酸、次亜リン酸等のプロトン酸またはこれらの混合物等が挙げられる。また、前記アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムまたはこれらの混合物等が挙げられる。他のエッチング剤としては、金、銀、銅、パラジウム、白金などの金属のエッチングに使用されてきたもの(例えば、塩化第二鉄ベースの、シアン酸塩/酸素ベースの、フェロシアン酸塩/フェリシアン酸塩ベースの、チオ尿素ベースの、及びヨウ化カリウム/ヨウ素ベース(KI/I2;「三ヨウ化物」)のエッチング剤系など、及びこれらの組み合わせ)が挙げられる。本発明においては、前記原料液は、前記エッチング剤を、1種類単独で含有していてもよいし、2種類以上を含有していてもよい。前記原料液中の前記エッチング剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは、0.001重量%〜80重量%であり、より好ましくは0.01重量%〜80重量%である。
前記表面改質剤は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。前記表面改質剤としては、例えば、アニオン系・カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、顔料分散剤、アルコール類、脂肪酸、アミン類、アミド類、イミド類、金属せっけん、脂肪酸オリゴマー化合物、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、リン酸系カップリング剤、カルボン酸系カップリング剤、フッ素系界面活性剤、ホウ素系界面活性剤等が挙げられる。前記原料液は、前記表面改質剤を、1種類単独で含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。前記原料液中の前記表面改質剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは、0.001重量%〜80重量%であり、より好ましくは0.01重量%〜80重量%である。
前記成膜原料は、本発明の目的を阻害しない限り、公知の成膜原料であってよく、無機材料であっても、有機材料であってもよい。本発明においては、前記成膜原料が、金属または金属化合物を含むのが好ましく、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、シリコン、イットリウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる1種または2種以上の金属を含むのがより好ましい。また、本発明においては、前記成膜原料が、前記金属を錯体または塩の形態で含むのも好ましい。前記錯体の形態としては、例えば、有機錯体などが挙げられ、より具体的には、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体、キノリノール錯体等が挙げられる。前記塩の形態としては、例えば、ハロゲン化物などが挙げられ、より具体的には、例えば、塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩などが挙げられる。原料液中の前記成膜原料の含有量は、特に限定されないが、好ましくは、0.001重量%〜80重量%であり、より好ましくは0.01重量%〜80重量%である。
本発明においては、前記原料液が、エッチング剤、表面改質剤、または成膜原料を含有し、前記処理が、エッチング処理、表面改質処理、または成膜処理であるのが好ましく、前記原料液が、成膜原料を含有し、前記処理が、成膜処理であるのがより好ましい。
前記原料液は、さらに、溶媒を含んでいてもよい。前記溶媒は、特に限定されず、水等の無機溶媒であってもよいし、アルコール等の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。本発明においては、前記溶媒が有機溶媒を含むのが好ましく、有機溶媒であるのがより好ましい。
(霧化・液滴化)
霧化手段または液滴化手段は、前記原料液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよい。本発明においては、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段が好ましい。超音波を用いて得られたミストまたは液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく 、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので衝突エネルギーによる損傷がないため、非常に好適である。
本発明においては、環状エステルまたは環状アミドを含む溶媒を原料液に用いることにより、前記霧化手段または液滴化手段でもって、平均粒径100nm以下のミストまたは液滴を得ることができる。なお、このように超音波霧化を実施する場合、他の溶媒を用いる場合とは異なり、白っぽい霧状のミストまたは液滴を確認することは、通常できないので、便宜上、ミストまたは液滴が無色透明であることを確認して成膜することもできる。前記環状エステルは、溶媒として用いることができ、且つエステル官能基を環内に含む環状エステル化合物であれば特に限定されないが、本発明においては、前記環状エステルが、ラクトン類であるのが好ましい。前記ラクトン類としては、例えば、β―ラクトン類、γ―ラクトン類、δ―ラクトン類、ε―ラクトン類などのラクトン類などが挙げられ、具体的には、例えば、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、γ―カプロラクトン、γ―カプリロラクトン、γ―ラウロラクトンなどのγ―ラクトン類、δ―バレロラクトンなどのδ―ラクトン類、又はε―カプロラクトンなどのε―ラクトン類等が挙げられるが、本発明においては、前記ラクトン類が、γ―ラクトン類であるのが好ましく、γ―ブチロラクトンであるのがより好ましい。前記環状アミドは、溶媒として用いることができ、且つアミド基を環内に含む環状アミド化合物であれば特に限定されないが、本発明においては、前記環状アミドが、ラクタム類であるのが好ましい。前記ラクタム類としては、例えば、β―ラクタム類、γ―ラクタム類、δ―ラクタム類などが挙げられ、より具体的には例えば、γ−ブチロラクタム(2−ピロリドン)、ε−カプロラクタム、オキシドロール、イチサン、グリコシアニジンなどが挙げられる。
本発明においては、前記霧化手段または前記液滴化手段で得られたミストまたは液滴が、平均粒径100nmを超える場合、100nm以下の平均粒径のものに分級する。分級手段は、前記ミストまたは液滴を100nm以下の平均粒径のものに分級できさえすれば特に限定されないが、本発明においては、便宜的に、白っぽいミストまたは液滴を除去することにより、粒径が100nm以下となるように簡便かつ容易に分級することができる。なお、前記霧化手段または液滴化手段で得られたミストまたは液滴が平均粒径100nm以下であるのか否かの判断は、例えば、レーザー回折法により測定した、ミストまたは液滴の粒度分布の積算%が50%の値(D50)でもって判断したり、パーティクルカウンターで粒子数と粒子径を測定していって、その平均を求めたりすることにより行うことができるが、本発明では、前記霧化手段または液滴化手段に超音波を用いるため、便宜上、当該ミストまたは液滴が無色透明であるか否かでもって行うことが可能である。すなわち、本発明においては、前記ミストまたは液滴が無色透明でない場合には、平均粒径100nmを超えるものであると判断することができる。また、本発明においては、前記霧化手段または液滴化手段で得られたミストまたは液滴が平均粒径100nm以下であるのか否かの判断は、便宜上、パーティクルカウンターで0.2μm以上のものがカウントされるか否かによって行うことも可能である。本発明においては、前記分級手段が、キャリアガスを用いる手段であるのが好ましい。ミストまたは液滴を、キャリアガスを用いて搬送することにより、粒径の大きなものは沈降して液状になっていくので、簡便かつ容易に分級することができる。なお、前記ミストまたは前記液滴の平均粒径の下限も、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されないが、1nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。
本発明においては、平均粒径100nm以下のミストまたは液滴は滞留しやすいため、前記ミストまたは前記液滴を、キャリアガスを用いて被処理物まで搬送するのが好ましい。前記キャリアガスは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01〜20L/分であるのが好ましく、1〜10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001〜2L/分であるのが好ましく、0.1〜1L/分であるのがより好ましい。
図2は、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段によって生成されたミストまたは液滴のうち、平均粒径が平均100nm以下であるミストまたは液滴を、キャリアガスを用いて選択的に取り出す場合の好ましい一態様を示している。超音波振動子(図示せず)によって霧化または液滴化されたミストまたは液滴のうち、平均粒径の大きなミスト4b(白色)は、図2に示すように、自重によって、ミスト発生源4内を沈降する。一方、平均粒径が100nm以下である微細なミスト4cは、自重が軽いため、容器5内を浮上し、ミスト発生源4内の上方に滞留する。ここで、通常、平均粒径の大きなミスト4bは、目視による観察において、白っぽい霧状に見えるが、平均粒径が100nm以下である微細なミスト4cは、目視による観察において、無色透明である。このような、平均粒径が100nm以下であり、無色透明の微細なミスト4cに対して、図2の矢印で示すように、流量を調節しながら、キャリアガスを供給することによって、微細なミスト4cのみをミスト発生源4内から選択的に取り出す。また、供給管の長さを調節することによっても、選択的に取り出すこともできる。
(被処理物)
前記被処理物は、前記ミストまたは前記液滴を反応させることにより処理可能なものであれば、特に限定されない。前記被処理物の材料も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の材料であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状は、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、膜状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられる。本発明においては、前記ミストまたは前記液滴の平均粒径が100nm以下と微細であるため、前記被処理物が立体形状であっても、均一且つ良好に処理することができる。
前記原料液が、エッチング剤を含み、前記処理が、エッチング処理である場合、前記被処理物の構成材料としては、例えば、半導体材料、絶縁体材料、金属材料等の固体材料が挙げられる。前記半導体材料としては、例えば、シリコン(単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムヒ素、ガリウムアルミニウムヒ素、インジウムリン、インジウムアンチモン、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、酸化ガリウム、ペロブスカイトなどが挙げられる。前記絶縁体材料としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロムなどの金属酸化物及びこれらのシリケート、二酸化ケイ素、石英などのシリコン酸化物、シリコン窒化物、サファイアなどが挙げられる。前記金属材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)およびアルミニウム(Al)から選ばれる1種または2種以上の金属等が挙げられる。
前記原料液が、表面改質剤を含み、前記処理が、表面改質処理である場合、前記被処理物の構成材料としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムなどのゴム類、各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等の高分子材料、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス、ニッケル、クロム、タングステン、金、銅、鉄、銀、亜鉛、スズ、鉛等の金属材料、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、石灰、ゼオライト、半田、ガラス、ペロブスカイト、セラミック材料等が挙げられる。
前記原料液が、成膜原料を含み、前記処理が、成膜処理である場合、前記被処理物の構成材料としては、例えば、石英、ガラス、サファイア、チタニア等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂、塩化ビニル、ポリエチレンのようなポリオレフィン、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン、エポキシ樹脂等の有機材料、紙、合成紙等の紙材料、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属に絶縁性を付与する層等を塗布又は積層した複合材料、ペロブスカイト等の特定の結晶構造を有する結晶構造材料等が挙げられる。
前記反応は、前記被処理物上で、前記ミストまたは液滴が反応さえすればそれでよく、物理的な反応であってもよいし、化学的な反応であってもよい。乾燥による反応であってもよいが、熱による熱反応が好ましく、熱反応は、熱でもって前記ミストまたは液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本発明では、前記熱反応を、通常、650℃以下で行うが、本発明においては、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、150℃以下が最も好ましい。本発明においては、このような低温であっても、安定的且つ良好に前記被処理物を処理することができる。下限については、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。また、前記反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよいが、非酸素雰囲気下または酸素雰囲気下で行われるのが好ましい。また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、前記処理が成膜処理である場合、成膜する膜の膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。
本発明の処理方法は、安定的且つ良好に、工業的有利に被処理物を処理することができる。また、本発明の処理方法によって処理された被処理物も、本発明に包含される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1.成膜装置
図1を用いて、本実施例で用いた成膜装置1を説明する。成膜装置1は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2と、キャリアガス源2から送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3と、原料液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、ホットプレート8と、ホットプレート8上に載置された基板10と、ミスト発生源4から基板10近傍までをつなぐ供給管9とを備えている。
2.原料液の作製
Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を2−ピロリドン(γ―ブチロラクタム)に混合し、これを原料液とした。なお、混合割合を、Alq3を10mgに対して、2−ピロリドンを10mLの割合とし、溶液中のAlq3の濃度を50重量%とした。
3.成膜準備
上記2.で得られた原料液4aをミスト発生源4内に収容した。次に、被処理物である基板10として、15mm角のガラス/ITO基板をホットプレート8上に設置し、ホットプレート8を作動させて基板10の温度を150℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁3aを開いて、キャリアガス源2から供給されるキャリアガスの流量を5.0L/分に調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
4.成膜処理
次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料液4aに伝播させることによって、原料液4aを霧化させてミストを生成した。得られたミスト4cを目視で観察したところ、無色透明であった。ミスト4c(無色透明)に対し、キャリアガスを供給し、微細なミスト4c(無色透明)を、供給管9内に通して、基板10へと搬送し、大気圧下、150℃にて、基板10近傍でミスト4cを反応させ、基板10上に成膜した。なお、成膜処理時間は24分間であった。
5.評価
上記4.にて得られた成膜処理後の被処理物の蛍光スペクトルを、励起波長270nmにおいて測定した。図3にその結果を示す。図3から明らかなように、460nm付近にAlq3のピークがみられることから、Alq3膜が形成されていることがわかる。
(実施例2〜6)
成膜温度を、それぞれ、160℃(実施例2)、170℃(実施例3)、180℃(実施例4)、190℃(実施例5)、200℃(実施例6)としたこと以外は、実施例1と同様にして、被処理物に対して成膜処理を行った。成膜処理後の被処理物の蛍光スペクトルを、それぞれ励起波長270nmにおいて測定した。図3にそれらの結果を示す。図3から明らかなように、460nm付近にAlq3のピークがみられることから、Alq3膜が形成されていることがわかる。
また、図3から明らかなように、実施例1〜6において得られた被処理物の蛍光スペクトルの形状が近似していることから、本発明の処理方法によれば、被処理物に対して、200℃以下の低温であっても安定的且つ良好に処理できることがわかる。
本発明の処理方法は、安定的且つ良好に、工業的有利に被処理物を処理することができるため、半導体装置、電子機器等の種々の製造分野に利用可能である。
1 成膜装置
2 キャリアガス源
3 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 原料液
4b ミスト(白色)
4c 微細なミスト(無色透明)
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
8 ホットプレート
9 供給管
10 基板

Claims (9)

  1. 被処理物上で原料液を含むミスト又は液滴を反応させることにより、前記被処理物を処理する方法であって、前記ミスト又は前記液滴の平均粒径が100nm以下であることを特徴とする処理方法。
  2. 前記ミスト又は前記液滴の粒径が100nm以下である請求項1記載の処理方法。
  3. 前記ミストまたは前記液滴が、前記原料液を霧化または液滴化し、ついで、キャリアガスを用いて前記被処理物まで搬送されたものである請求項1または2に記載の処理方法。
  4. 前記原料液が、エッチング剤、表面改質剤または成膜原料を含有し、前記処理が、エッチング処理、表面改質処理または成膜処理である請求項1〜3のいずれかに記載の処理方法。
  5. 前記原料液が、成膜原料を含有し、前記処理が、成膜処理である請求項1〜4のいずれかに記載の処理方法。
  6. 前記反応を、大気圧下で行う請求項1〜5のいずれかに記載の処理方法。
  7. 前記反応が、熱反応である請求項1〜6のいずれかに記載の処理方法。
  8. 前記熱反応を、200℃以下の温度で行う請求項7記載の処理方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の処理方法によって処理された被処理物。

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