JP2018086624A - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】また、簡便かつ工業的有利に、均一かつ良好に粉体に成膜することができる成膜装置および方法を提供する。【解決手段】原料溶液4aを霧化または液滴化する霧化・液滴化部、霧化・液滴化部で発生したミストまたは液滴4bをキャリアガスでもって粉体10まで搬送する搬送部、およびミストまたは液滴を、ヒータ8を用いて熱反応させることにより粉体の表面に成膜する成膜部20を備える成膜装置1であって、成膜部が、ミストまたは液滴と、粉体とを混合させる混合手段を有し、熱反応を粉体と混合しながら行うように構成した成膜装置。【選択図】図1

Description

本発明は、顔料、印刷、環境等に有用な粉体が得られる新規な成膜装置および成膜方法に関する。
粉体の表面を同一または異なる物質の膜で被覆することにより、その粉体の性質を改善したり、その性質に多様性を与えることが知られており、従来そのための方法として種々の手段が提案されている。例えば、物体の表面に保護や装飾のために膜を形成する被覆技術として、塗着法、沈着法、スパッタリング、真空蒸着法、電着法や陽極酸化法等多くの手段が知られている。近年においては、種々の技術分野における進歩に伴い、特異な性質を備えた粉体、特に金属粉体または金属化合物粉体を求める要望が増しており、粉体、特に金属粉体または金属化合物粉体だけが備える性質の他に、膜が備える別の性質を合わせ持ち、複合した機能を有する粉体が求められている。
粉体の表面に同一または異なる物質の膜を被覆し、複合した機能を有する粉体を製造する方法として、特許文献1では、特定の環状シロキサンを真空容器中で揮発させて、銅粉末の表面を環状シロキサン化合物で被覆する方法が開示されている。この方法によれば、銅粉末の電気伝導性を損なわずに耐食性を高めることができると、特許文献1には記載されている。しかしながら、特許文献1のような、真空中の気相法では、粉体表面に均一かつ良好に成膜されているとはいえず、また、真空設備が必要となるなど、製造装置が大掛かりになり、手続も煩雑であり、低コストで多量に生産する方法として、十分に満足のいくものではなかった。
また、特許文献2では、コアとなる金属粒子とシェル源の金属酸化物粒子とが分散したスラリー状の噴霧液を噴霧し、噴霧された液滴を加熱して乾燥させることにより、コアシェル粒子を作製する方法が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、すぐに乾燥させると、不均一な膜となってしまうので、噴霧されて液滴となった噴霧液中で、各々の粒子が液滴中で十分に分散してから液滴を乾燥させる必要があった。また、乾燥のために、噴霧乾燥炉の長さを十分にとる必要があり、さらに、噴霧乾燥炉内の温度が段階的に変化するように構成する必要があるなど、装置が大掛かり且つ複雑になるといった問題があった。また、噴霧による衝突エネルギーにより、粉体表面に均一かつ密着性良く成膜することが困難であった。
特許文献3では、電池用活物質の粉粒体を、流動ガスにより浮遊流動させながら、粉粒体にコーティング液を噴霧することにより、粉粒体にコーティング処理を行う方法が開示されている。しかしながら、特許文献3のように、浮遊流動している粉粒体にコーティング液を噴霧することにより粉粒体に成膜を行う方法では、粉粒体に噴霧されたコーティング液が急速に乾燥して不均一な膜となるのを防ぐために、例えば、加熱された流動ガス、およびヒータによって2段階に分けて徐々に加熱する必要があり、工業的に有用ではなかった。また、粉体表面に均一かつ密着性良く成膜されているとはいえず、複雑な装置構成を要する問題もあった。そのため、複雑な装置構成によらず、簡略な装置構成によって粉体に均一かつ良好に成膜することができる工業的に有用な成膜装置が求められていた。
特開2016−172922号公報 特開2016−014194号公報 特開2012−170927号公報
本発明は、均一かつ良好に粉体に成膜することができる工業的に有用な成膜装置を提供することを目的とし、また、簡便かつ工業的有利に粉体に成膜することができる成膜方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、原料溶液を霧化または液滴化する霧化・液滴化部、前記霧化・液滴化部で発生したミストまたは液滴をキャリアガスでもって被成膜物まで搬送する搬送部、および該ミストまたは該液滴を、ヒータを用いて熱反応させることにより該被成膜物の表面に成膜する成膜部を備える成膜装置であって、前記被成膜物が粉体であり、前記成膜部が、前記ミストまたは前記液滴と、前記粉体とを混合させる混合手段を有し、前記熱反応を、前記粉体と混合しながら行うように構成した成膜装置を用いて粉体表面に成膜を行うと、驚くべきことに、大掛かりな装置を用いることなく、また、簡略な装置構成によって、粉体に対して密着性良く、均一かつ良好に成膜できることを見出し、このような成膜装置が、工業的に有用であり、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを知見した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 原料溶液を霧化または液滴化する霧化・液滴化部、前記霧化・液滴化部で発生したミストまたは液滴をキャリアガスでもって被成膜物まで搬送する搬送部、および該ミストまたは該液滴を、ヒータを用いて熱反応させることにより該被成膜物の表面に成膜する成膜部を備える成膜装置であって、前記被成膜物が粉体であり、前記成膜部が、前記ミストまたは前記液滴と、前記粉体とを混合させる混合手段を有し、前記熱反応を、前記粉体と混合しながら行うように構成したことを特徴とする成膜装置。
[2] 前記混合手段が、導入ガスを前記成膜部に供給して、前記粉体を浮遊させることを特徴とする前記[1]記載の成膜装置。
[3] 前記導入ガスが、前記キャリアガスである前記[2]記載の成膜装置。
[4] 前記混合手段が、前記成膜部の一部または全部を回転する回転機構を有しており、該回転機構によって前記成膜部の一部または全部を回転させながら、前記粉体と前記ミストまたは前記液滴とを混合するように構成されている前記[1]〜[3]のいずれかに記載の成膜装置。
[5] 前記混合手段が、前記成膜部の一部または全部を揺動する揺動機構を有しており、該揺動機構によって前記成膜部の一部または全部を揺動させながら、前記粉体と前記ミストまたは前記液滴とを混合するように構成されている前記[1]〜[3]のいずれかに記載の成膜装置。
[6] 前記成膜部が、使用済みのミストまたは液滴を通過させ、且つ前記粉体を通過させないフィルタを備えており、前記の使用済みのミストまたは液滴を排気するように構成した前記[1]〜[5]のいずれかに記載の成膜装置。
[7] 超音波振動子を霧化・液滴化部に備えており、前記の霧化または液滴化を超音波振動により行うように構成した前記[1]〜[6]のいずれかに記載の成膜装置。
[8] 原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴をキャリアガスでもって、成膜部内に設置されている被成膜物まで搬送し、前記ミストまたは前記液滴を熱反応して前記被成膜物の表面に成膜する成膜方法であって、前記被成膜物が粉体であり、前記熱反応を、前記粉体と混合しながら行うことを特徴とする成膜方法。
[9] 前記混合を、導入ガスを前記成膜部に供給して、前記粉体を浮遊させながら行う前記[8]記載の成膜方法。
[10] 前記導入ガスが、前記キャリアガスである前記[9]記載の成膜方法。
[11] 前記混合を、前記成膜部の一部または全部を回転させながら行う前記[8]〜[10]のいずれかに記載の成膜方法。
[12] 前記混合を、前記成膜部の一部または全部を揺動させながら行う前記[8]〜[10]のいずれかに記載の成膜方法。
[13] 前記熱反応を、大気圧下で行う前記[8]〜[12]のいずれかに記載の成膜方法。
[14] 前記熱反応を、650℃以下の温度で行う前記[8]〜[13]のいずれかに記載の成膜方法。
[15] 前記粉体の平均粒径が、100μm以下である前記[8]〜[14]のいずれかに記載の成膜方法。
本発明の成膜装置は、均一かつ良好に粉体に成膜することができ、工業的に有用である。また、本発明の成膜方法によれば、簡便かつ工業的有利に粉体に成膜することができる。
実施例1で用いる成膜装置の概略構成図である。 実施例1に用いられる霧化・液滴化部の一態様を説明する図である。 図2における超音波振動子の一態様を示す図である。 実施例1に用いられるトラップ手段の一態様を示す図である。 実施例1に用いられる成膜装置における回転機構の排気口側からみた模式的側面図である。 実施例1に用いられる成膜装置における回転機構の供給口側からみた模式的側面図である。 実施例2に用いられる成膜装置の概略構成図である。 実施例2に用いられる成膜装置における揺動機構および反応容器を模式的に表した図である。 実施例3に用いられる成膜装置の概略構成図である。 実施例3に用いられる成膜装置の成膜部の一態様を示す図である。 成膜例における成膜前後の粉体の様子を表す写真である。(a)が成膜前、(b)が120分成膜後、(c)が200分成膜後の粉体の様子を表している。 成膜例におけるTEM観察の結果を示す図である。 実施例4に用いられる成膜装置の概略構成図である。
本発明の成膜装置は、原料溶液を霧化または液滴化する霧化・液滴化部、前記霧化・液滴化部で発生したミストまたは液滴をキャリアガスでもって被成膜物まで搬送する搬送部、および該ミストまたは該液滴を、ヒータを用いて熱反応させることにより該被成膜物の表面に成膜する成膜部を備える成膜装置において、前記被成膜物が粉体であり、前記成膜部が、前記ミストまたは前記液滴と、前記粉体とを混合させる混合手段を有し、前記熱反応を、前記粉体と混合しながら行うように構成したことを特長とする。
(霧化・液滴化部)
前記霧化・液滴化部では、原料溶液を調整し、前記原料溶液を霧化または液滴化してミストまたは液滴を発生させる。霧化または液滴化手段は、前記原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の霧化手段または液滴化手段であってよいが、本発明においては、超音波振動により行う霧化手段または液滴化手段であるのが好ましい。前記ミストまたは前記液滴は、初速度がゼロで、空中に浮遊するものが好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮かびガスとして搬送することが可能なミストであるのがより好ましい。ミストの液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1〜10μmである。
(原料溶液)
前記原料溶液は、霧化または液滴化が可能なものであれば特に限定されず、公知の原料溶液であってよく、ゾルのような液体分散媒も含まれる。有機化合物を含む原料溶液であってもよいし、無機化合物を含む原料溶液であってもよい。本発明においては、前記原料溶液が、成膜用の原料溶液であるのが好ましく、金属を含むものであるのがより好ましい。前記原料溶液における前記金属としては、例えば、バリウム(Ba)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、ストロンチウム(Sr)、ビスマス(Bi)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、タンタル(Ta)、鉛(Pb)およびインジウム(In)から選ばれる1種または2種以上の金属などが挙げられる。また、前記原料溶液は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
(搬送部)
前記搬送部では、前記キャリアガスおよび所望により供給管等を用いて前記ミストまたは前記液滴を前記被成膜物へ搬送する。キャリアガスの種類としては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、キャリアガス濃度を変化させた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01〜20L/分であるのが好ましく、1〜10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001〜2L/分であるのが好ましく、0.1〜1L/分であるのがより好ましい。
(成膜部)
成膜部では、前記ミストまたは前記液滴を、ヒータを用いて熱反応させることにより、前記被成膜物表面に成膜する。前記熱反応は、前記ミストまたは前記液滴を加熱することにより生じる反応であればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程において、熱反応を行う際の条件等については特に制限はないが、通常、加熱温度は800℃以下であり、好ましくは650℃以下であり、より好ましくは120〜650℃の範囲である。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、成膜される膜の厚さは、反応時間を調節すること等により、適宜調整することができる。
前記ヒータは、熱伝導または熱輻射によって前記ミスト又は液滴を加熱させることが可能なものであれば、特に限定されない。前記ヒータとしては、例えば、ホットプレート、赤外線ヒータ等が挙げられる。
前記成膜部は、前記ミストまたは液滴と、前記粉体とを混合させる混合手段を有し、前記粉体と混合しながら前記ミストまたは前記液滴を熱反応させるように構成されている。前記混合手段は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の混合手段であってよい。本発明においては、前記混合手段が、導入ガスを前記成膜部に供給して、前記粉体を浮遊させるのが、好ましく、前記ヒータ上に載置された被成膜物に対して、前記導入ガスを用いて、前記ミストまたは前記液滴を供給することにより、前記粉体と前記ミストまたは液滴とが浮遊しながら混合するのが、より好ましい。前記導入ガスは、前記被成膜物に供給されるガスであれば、特に限定されず、キャリアガスであってもよいし、成膜部にキャリアガスとは別に供給されるガス(例えば、不活性ガス、酸素ガス、オゾン、還元ガス等)であってもよい。本発明においては、前記導入ガスがキャリアガスであるのが、前記ミストまたは前記液滴および前記粉体の混合をより良好に行うことができるため、好ましい。
前記成膜部は、反応容器を有しているのが好ましく、前記反応容器内で、前記粉体と混合しながら前記ミストまたは前記液滴を熱反応させるように構成されているのがより好ましく、前記反応容器内で、前記粉体と前記ミストまたは前記液滴が浮遊しながら混合するように構成されているのが最も好ましい。前記反応容器の形状は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、筒状(例えば、円筒、角筒等)または略筒状であってもよいし、柱状(例えば、円柱、立方体、直方体、五角柱、六角柱または八角柱等)または略柱状であってもよいし、球形状(例えば、半球、楕円半球等)または略球形状であってもよいし、前記混合手段が、導入ガスを用いて、前記ミストまたは前記液滴を前記被成膜物に供給して、前記粉体を浮遊させる場合は、前記反応容器の形状が、球形状であるのが好ましい。前記成膜部が反応容器を有している場合、前記ヒータは、前記反応容器内に設置されていてもよいし、反応容器外に設置されていてもよい。
また、本発明においては、前記混合手段が、前記成膜部の一部または全部を回転する回転機構を有しており、該回転機構によって前記成膜部の一部または全部を回転させながら、前記粉体と前記ミストまたは前記液滴とを混合するように構成されているのも、前記粉体および前記ミストまたは液滴の混合をより良好に行うことができるため、好ましい。本発明においては、前記回転機構によって前記成膜部の一部を回転させるのが好ましく、前記成膜部が反応容器を有している場合には、前記回転機構によって前記反応容器を回転させるのが好ましい。前記反応容器を回転させる場合、前記反応容器は、筒状(例えば、円筒、角筒等)であるのが、粉体の取扱い性および成膜レートがより良好なものとなるので、好ましく、反応管であるのがより好ましく、管状炉内に設置された反応管であるのが最も好ましい。前記回転機構は、前記成膜部の一部または全部を回転させることができるものであれば、特に限定されない。前記回転機構としては、例えば、モータを用いる公知の回転機構などが挙げられる。本発明においては、前記回転機構が、少なくとも、モータ、回転軸、および前記回転機構を制御するコントローラを有しているのが好ましい。前記成膜部の一部または全部を回転させる回転軸は、前記ミストまたは液滴が前記被成膜物まで搬送される方向と平行または略平行であるのが好ましい。また、前記回転の回転速度は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、前記粉体の数、平均粒径等によって適宜決定され得る。上記のような好ましい回転機構としては、例えば、図1に示される成膜装置における、回転機構などが挙げられ、より具体的には、図5および図6に示される回転機構などが挙げられる。
また、本発明においては、前記混合手段が、前記成膜部の一部または全部を揺動する揺動機構を有しており、該揺動機構によって前記成膜部の一部または全部を揺動させながら、前記粉体と前記ミストまたは液滴とを混合するように構成されているのも、前記粉体および前記ミストまたは液滴の混合をより良好に行うことができるため、好ましい。本発明においては、前記揺動機構によって前記成膜部の一部を揺動させるのが好ましく、前記成膜部が反応容器を有している場合には、前記揺動機構によって前記反応容器を揺動させるのが好ましい。前記揺動機構は、前記成膜部の一部または全部を揺動させることができるものであれば、特に限定されない。前記揺動機構としては、例えば、モータを用いる公知の揺動機構などが挙げられる。本発明においては、前記揺動機構が、少なくとも、モータ、回転軸、アーム、および前記揺動機構を制御するコントローラを有しているのが好ましい。前記成膜部の一部または全部を揺動させる方向は、前記ミストまたは液滴が前記被成膜物まで搬送される方向と垂直方向または略垂直方向であるのが、より均一に成膜できるので、好ましい。また、前記揺動の揺動速度は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、前記粉体の数、平均粒径等によって適宜決定され得る。上記のような好ましい揺動機構としては、例えば、図7に示される成膜装置における、揺動機構などが挙げられ、より具体的には、図8に示される揺動機構などが挙げられる。
本発明においては、前記混合手段が、前記成膜部の一部または全部を振動させる振動機構を有しており、該振動機構によって前記成膜部の一部または全部を振動させながら、前記粉体と前記ミストまたは液滴とを混合するように構成されているのも、前記粉体および前記ミストまたは液滴の混合をより良好に行うことができるため、好ましい。本発明においては、前記振動機構によって前記成膜部の一部を振動させるのが好ましく、前記成膜部が反応容器を有している場合には、前記振動機構によって前記反応容器を振動させるのが好ましい。前記振動機構は、前記成膜部の一部または全部を振動させることができるものであれば、特に限定されない。前記振動機構としては、例えば、モータを用いる公知の振動機構などが挙げられる。
前記成膜部は、使用済みのミストまたは液滴を通過させ、且つ前記粉体を通過させないフィルタを備えており、前記の使用済みのミストまたは液滴を排気するように構成しているのが好ましい。前記フィルタの平均孔径は、使用済みのミストまたは液滴を通過させ、且つ前記粉体を通過させないものが好ましく、本発明においては、前記フィルタの平均孔径が、50μm以下であるのが好ましく、10μm以下であるのがより好ましい。なお、
フィルタ材は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。無機材料であってもよいし、樹脂材料であってもよい。
(被成膜物)
前記被成膜物は、粉体であれば特に限定されない。前記「粉体」とは、固体粒子またはその集合体(粒状物を含む)をいい、固体粒子には、1次粒子、2次粒子および凝集粒子が含まれる。前記粉体の構成材料は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、有機物、無機物のいずれを含んでいてもよいが、本発明においては、前記粉体が金属を含むのが好ましい。前記粉体における前記金属としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、ハフニウム(Hf)及びインジウム(In)から選ばれる1種または2種以上の金属などが挙げられる。また、本発明においては、前記粉体の平均粒径は、100μm以下であるのが好ましく、10μm以下であるのがより好ましく、1μm以下であるのが最も好ましい。また、前記粉体の平均粒径は、10nm以上であるのが好ましい。
次に、本発明の好適な成膜装置を用いて、本発明の好適な成膜方法について実施例として説明する。
以下、図面を用いて、本発明の好適な成膜装置および成膜方法をより具体的に説明するが、本発明はこれら図面に限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、本発明の成膜装置の一態様を示している。図1の成膜装置1は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、希釈用キャリアガスを供給する希釈用キャリアガス源2bと、希釈用キャリアガス源2bから送り出される希釈用キャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、反応容器7aと、ミスト発生源4から反応容器7aまでをつなぐ石英製の供給管9と、反応容器7aの上下に設置されたヒータ8と、回転機構11aおよび11bと、コントローラ25と、トラップ槽21、とを備えている。超音波振動子6を作動させると、その振動が、水5aを通じて原料溶液4aに伝播され、原料溶液4aを霧化または液滴化させてミストまたは液滴4bを生成する。ついで、ミストまたは液滴4bが、キャリアガス源2aおよび希釈用キャリアガス源2bから供給されたキャリアガスおよび希釈用キャリアガスによって反応容器7a内に導入される。
図2は、霧化・液滴化部の一態様を示している。原料溶液4aが収容されている容器からなるミスト発生源4が、水5aが収容されている容器5に、支持体(図示せず)を用いて収納されている。容器5の底部には、超音波振動子6が備え付けられており、超音波振動子6と発振器16とが接続されている。そして、発振器16を作動させると、超音波振動子6が振動し、水5aを介して、ミスト発生源4内に超音波が伝播し、原料溶液4aが霧化または液滴化するように構成されている。
図3は、図2に示されている超音波振動子6の一態様を示している。図2の超音波振動子は、支持体6e上の円筒状の弾性体6d内に、円板状の圧電体素子6bが備え付けられており、圧電体素子6bの両面に電極6a、6cが設けられている。そして、電極に発振器を接続して発振周波数を変更すると、圧電振動子の厚さ方向の共振周波数及び径方向の共振周波数を持つ超音波が発生されるように構成されている。
成膜部20は、反応容器7a、ヒータ8を備えた管状炉28、回転機構11aおよび11bを有している。回転機構11aには、回転機構11aを制御するためのコントローラ25が接続されている。また、反応容器7aの一方の側面に、供給管9が接続されており、ミスト発生源4から供給管9を通してキャリアガスおよびミストまたは液滴4bが反応容器7a内に供給される。コントローラ25を操作することによって回転機構11aが駆動して、反応容器7aが図4の矢印の方向に回転し、反応容器7a内で、供給管9から供給されたミストまたは液滴4bと粉体10とが混合しながら、ミストまたは液滴4bが熱反応して粉体10の表面に成膜されるように構成されている。
また、熱反応後、使用済みのミスト、液滴、もしくはガスは、トラップ手段によってトラップ処理に付される。図4は、前記トラップ手段の一態様を示している。図4のトラップ槽21は、排気管17aと接続されており、使用済みのミスト、液滴もしくはガスがトラップ槽21に流れ込むように構成されている。トラップ槽21には、トラップ液21a(例えば対象物質が溶解する溶媒等)が収納されており、トラップ槽21内に流れ込んだ使用済みのミスト、液滴もしくはガス等がトラップ液21aに接触し、対象物質が捕集され、残りは排気管17bに流れていくように構成されている。
図5および図6は、それぞれ、回転機構の排気口側からみた模式的側面図、および回転機構の供給口側からみた模式的側面図を示している。図5に示すように、回転機構11aは、支持台12a、支持台12a上に設けられたローラ13aおよびモータ14を有している。ローラ13aは、中空状であって、中空部に回転軸(図示せず)が設けられており、回転軸の両端が、固定用部材15aを介して支持台12aに固定されている。また、図6に示すように、回転機構11bは、支持台12b、支持台12b上に設けられたローラ13bを有している。ローラ13bは、中空状であって、中空部に回転軸(図示せず)が設けられており、回転軸の両端が、固定用部材15bを介して支持台12bに固定されている。反応容器7aは、回転機構11aおよび回転機構11b上に載置されており、モータ14を駆動させることによって反応容器7aが図5および図6に示した矢印の方向に回転するように構成されている。
以下、図1に示される本発明の成膜装置を用いて、本発明の成膜方法の好適な実施の一態様を説明する。
まず、原料溶液4aをミスト発生源4内に収容し、粉体10を反応容器7a内に設置させ、ヒータ8と回転機構11aとを作動させる。次に、流量調節弁3(3a、3b)を開いてキャリアガス源2(2a、2b)からキャリアガスを反応容器7a内に供給し反応容器7aの雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量とキャリアガス(希釈)希釈用キャリアガスの流量をそれぞれ調節する。次に、超音波振動子6を振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化または液滴化させてミストまたは液滴4bを生成する。ついで、ミストまたは液滴4bが、キャリアガスによって反応容器7a内に導入される。このとき、回転機構11aおよび11bにより反応容器7aが回転し、ミスト又は液滴4bと粉体10とが、混合されながら加熱される。この加熱により、ミストまたは液滴4bが熱反応を起こし、粉体10に成膜される。反応容器7aの供給管9と反対側の側面には、排気口が設けられており、トラップ槽21と接続されており、使用済みのミストまたは液滴がトラップ槽21に供給されて排気されていく。
(実施例2)
図7は、本発明の成膜装置の別の態様を示す概略構成図である。図7の成膜装置51は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、希釈用キャリアガスを供給する希釈用キャリアガス源2bと、希釈用キャリアガス源2bから送り出される希釈用キャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、反応容器7bと、ミスト発生源4から反応容器7bまでをつなぐ石英製の供給管9と、反応容器7bの底部に設置されたホットプレート8’と、揺動機構24と、コントローラ25、とを備えている。超音波振動子6を作動させると、その振動が、水5aを通じて原料溶液4aに伝播され、原料溶液4aを霧化または液滴化させてミストまたは液滴4bを生成する。ついで、ミストまたは液滴4bが、キャリアガス源2aおよび希釈用キャリアガス源2bから供給されたキャリアガスおよび希釈用キャリアガスによって反応容器7b内に導入される。
成膜部20は、反応容器7b、ホットプレート8’および揺動機構24を有している。揺動機構24には、揺動機構24を制御するためのコントローラ25が接続されている。コントローラ25を操作することによって揺動機構24が駆動して、反応容器7bが図7に示した矢印の方向に揺動し、揺動している反応容器7b内で、供給管9から供給されたミストまたは液滴4bと粉体10とが混合しながら、ミストまたは液滴が熱反応して粉体10の表面に成膜されるように構成されている。
図8は、揺動機構24および反応容器7bを模式的に表した図である。揺動機構24は、モータ14、第1のアーム22aおよび第2のアーム22bを有している。第1のアーム22aの一端は、第1のピン23aによって、第1のピン23aを軸に第1のアーム22aが回転可能なようにモータに固定されており、もう一端は、第2のピン23bによって第2のアーム22bの一端に接続されている。また、第2のアーム22bのもう一端は、第3のピン23cによって、第3のピン23cを軸に第2のアーム22bが回転可能なように反応容器7bに固定されている。また、反応容器7bの底面には第3のピン23cが溝内をスライド可能なように溝27と嵌合されており、反応容器7bの端部には、ガイドレール29が設けられている。そして、モータ19を駆動させて、第1のアーム22aを第1のピン23aを軸に回転させることにより、反応容器7bを、図8に示した矢印の方向に揺動運動させるように構成されている。
以下、図7に示される本発明の成膜装置を用いて、本発明の成膜方法の好適な実施の一態様を説明する。
まず、原料溶液4aをミスト発生源4内に収容し、粉体10を反応容器7b内に設置させ、ホットプレート8’と揺動機構24とを作動させる。次に、流量調節弁3(3a、3b)を開き、キャリアガスの流量とキャリアガス(希釈)希釈用キャリアガスの流量をそれぞれ調節する。次に、超音波振動子6を振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化または液滴化させてミストまたは液滴4bを生成する。ついで、ミストまたは液滴4bが、キャリアガスによって反応容器7b内に導入される。このとき、揺動機構24により反応容器7bが揺動し、ミスト又は液滴4bと粉体10とが、混合されながら加熱される。この加熱により、ミストまたは液滴4bが熱反応を起こし、粉体10に成膜される。
(実施例3)
図9は、本発明の成膜装置の別の態様を示す概略構成図である。図9の成膜装置101は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、希釈用キャリアガスを供給する希釈用キャリアガス源2bと、希釈用キャリアガス源2bから送り出される希釈用キャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、反応容器7cと、ミスト発生源4から反応容器7cまでをつなぐ石英製の供給管9と、反応容器7cの底部に設置されたホットプレート8’と、排気管17とを備えている。超音波振動子6を作動させると、その振動が、水5aを通じて原料溶液4aに伝播され、原料溶液4aを霧化または液滴化させてミストまたは液滴4bを生成する。ついで、ミストまたは液滴4bが、キャリアガス源2aおよび希釈用キャリアガス源2bから供給されたキャリアガスおよび希釈用キャリアガスによって反応容器7c内に導入される。
図10は、成膜部の一態様を示している。図10の反応容器7cは、半球形状であり、ホットプレート8’上に設けられている。そして、反応容器7cは、ミスト発生源4と供給管9を介して接続されている。反応容器7cと供給管9の接続部は、反応容器7cの一方の側面に設けられており、ミスト発生源4で発生したミストまたは液滴4bが、キャリアガスによって供給管9を通って反応容器7cに流れ込み、反応容器7cの底面に載置された粉体10に対して供給されるように構成されている。また、反応容器7cの供給管9と反対側の側面には、排気口が設けられている。そして、反応容器7cは、排気口から排気管17と接続されており、使用済みのミスト、液滴、もしくは排気ガスが、排気管17へと運ばれるように構成されている。また、排気口には、フィルタ19が設けられており、フィルタ19は、使用済みのミスト、液滴もしくは排気ガスが通過して排気され、粉体10は通過しないように構成されている。本発明においては、使用済みのミスト、液滴もしくは排気ガスがトラップ処理に付されるように、トラップ手段をさらに備えていてもよい。
反応容器7cの底面に載置された粉体10にミストまたは液滴4bが搬送されると、キャリアガスによって、図10において矢印で表されるように、粉体10が反応容器7内を浮遊する。そして、粉体10とミストまたは液滴4bとが反応容器7内で混合しながら、粉体表面でミストまたは液滴が熱反応する。使用済みのミスト、液滴もしくは排気ガスは、排気口へと流れていき、そして、排気管17へと運ばれていく。
以下、図9に示される本発明の成膜装置を用いて、本発明の成膜方法の好適な実施の一態様を説明する。
まず、原料溶液4aをミスト発生源4内に収容し、粉体10を反応容器7c内に設置させ、ホットプレート8’を作動させる。次に、流量調節弁3(3a、3b)を開いてキャリアガス源2(2a、2b)からキャリアガスを反応容器7c内に供給し反応容器7cの雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量とキャリアガス(希釈)希釈用キャリアガスの流量をそれぞれ調節する。次に、超音波振動子6を振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化または液滴化させてミストまたは液滴4bを生成する。ついで、ミストまたは液滴4bが、キャリアガスによって反応容器7c内に導入される。その後、キャリアガスによって粉体10が吹き飛ばされて、反応容器7c内を浮遊し、そして、ミスト又は液滴4bと粉体10とが、反応容器7c内で混合されながら加熱される。この加熱により、ミストまたは液滴4bが熱反応を起こし、粉体10に成膜される。また、反応容器7cの供給管と反対側の側面の上方には、排気口が設けられており、使用済みのミストまたは液滴が排気口に供給されて排気されていく。なお、排気口には、フィルタ19が設けられており、フィルタ19は、使用済みのミスト、液滴もしくは排気ガスが通過して排気され、粉体10は通過しないように構成されている。
(実施例4)
図13は、本発明の成膜装置の別の態様を示す概略構成図である。図13の成膜装置151は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、希釈用キャリアガスを供給する希釈用キャリアガス源2bと、希釈用キャリアガス源2bから送り出される希釈用キャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、反応容器7bと、ミスト発生源4から反応容器7bまでをつなぐ石英製の供給管9と、反応容器7bの底部に設置されたホットプレート8’とを備えている。超音波振動子6を作動させると、その振動が、水5aを通じて原料溶液4aに伝播され、原料溶液4aを霧化または液滴化させてミストまたは液滴4bを生成する。ついで、ミストまたは液滴4bが、キャリアガス源2aおよび希釈用キャリアガス源2bから供給されたキャリアガスおよび希釈用キャリアガスによって反応容器7b内に導入される。
成膜部20は、反応容器7b、ホットプレート8’および振動機構26を有している。振動機構26には、振動機構26を制御するためのコントローラ25が接続されている。コントローラ25を操作することによって振動機構26が駆動して、反応容器7bが図13に示した矢印の方向に振動し、振動している反応容器7b内で、供給管9から供給されたミストまたは液滴4bと粉体10とが混合しながら、ミストまたは液滴4bが熱反応して粉体10の表面に成膜されるように構成されている。
以下、図13に示される本発明の成膜装置を用いて、本発明の成膜方法の好適な実施の一態様を説明する。
まず、原料溶液4aをミスト発生源4内に収容し、粉体10を反応容器7b内に設置させ、ホットプレート8’と振動機構26とを作動させる。次に、流量調節弁3(3a、3b)を開き、キャリアガスの流量とキャリアガス(希釈)希釈用キャリアガスの流量をそれぞれ調節する。次に、超音波振動子6を振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化または液滴化させてミストまたは液滴4bを生成する。ついで、ミストまたは液滴4bが、キャリアガスによって反応容器7b内に導入される。このとき、振動機構26により反応容器7bが振動し、ミスト又は液滴4bと粉体10とが、混合されながら加熱される。この加熱により、ミストまたは液滴4bが熱反応を起こし、粉体10に成膜される。
(成膜例)
実施例2の図7で示される成膜装置51を用いて、粉体表面に成膜を行った。
1.成膜準備
鉄アセチルアセトナート0.05mol/Lの水溶液を調整して、これを原料溶液とし、得られた原料溶液4aをミスト発生源4内に収容した。次に、粉体10としてTiO(AEROXIDE(R)P25)を用いて、ホットプレート8’上に設置された反応容器7b内に載置し、ホットプレート8’を作動させて、温度を500℃まで昇温させた。次に、流量調節弁3aを開いてキャリアガス源2aから供給されるキャリアガスの流量を0.5L/minに調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
2.成膜
次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化してミスト4bを生成した。このミスト4bが、キャリアガスによって反応容器7b内の粉体10まで供給された。この際、コントローラ25を操作して揺動機構24を駆動させることにより、反応容器7bを図7の矢印の方向に揺動させ、粉体10とミスト4bとが混合しながら、ミストが反応して粉体表面に膜が形成された。なお、成膜時間は200分であった。成膜前、120分成膜後、および200分成膜後の粉体の様子を、それぞれ、図11(a)〜(c)に示す。図11から明らかなように、本発明の成膜装置を用いると、粉体表面に均一かつ良好に成膜できていることがわかる。また、TEMを用いて、粉体表面を観察した。得られたTEM像を図12に示す。図12から明らかな通り、本発明品は、粉体表面に均一かつ良好に成膜されている。
本発明の成膜装置および成膜方法は、表面に成膜された粉体を用いるあらゆる分野に用いることができ、工業的に有用である。特に、顔料、印刷、環境などの分野に、本発明の成膜装置および成膜方法を好適に利用することができる。
1 成膜装置
2a キャリアガス源
2b 希釈用キャリアガス源
3a 流量調節弁
3b 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 原料溶液
4b ミスト
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
6a 電極
6b 圧電体素子
6c 電極
6d 弾性体
6e 支持体
7a 反応容器(管状炉)
7b 反応容器(揺動・振動容器)
7c 反応容器(半球形)
8 ヒータ(管状炉)
8’ ヒータ(ホットプレート)
9 供給管
10 粉体
11a 回転機構(駆動)
11b 回転機構(支持)
12a 支持台(駆動)
12b 支持台(支持)
13a ローラ(駆動)
13b ローラ(支持)
14 モータ
15a 固定用部材(駆動)
15b 固定用部材(支持)
16 発振器
17 排気管
17a 排気管
17b 排気管
19 フィルタ
20 成膜部
21 トラップ槽
21a トラップ液
22a 第1のアーム
22b 第2のアーム
23a 第1のピン
23b 第2のピン
23c 第3のピン
24 揺動機構
25 コントローラ
26 振動機構
27 溝
28 管状炉
29 ガイドレール
51 成膜装置
101 成膜装置
151 成膜装置

Claims (15)

  1. 原料溶液を霧化または液滴化する霧化・液滴化部、前記霧化・液滴化部で発生したミストまたは液滴をキャリアガスでもって被成膜物まで搬送する搬送部、および該ミストまたは該液滴を、ヒータを用いて熱反応させることにより該被成膜物の表面に成膜する成膜部を備える成膜装置であって、前記被成膜物が粉体であり、前記成膜部が、前記ミストまたは前記液滴と、前記粉体とを混合させる混合手段を有し、前記熱反応を、前記粉体と混合しながら行うように構成したことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記混合手段が、導入ガスを前記成膜部に供給して、前記粉体を浮遊させることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記導入ガスが、前記キャリアガスである請求項2記載の成膜装置。
  4. 前記混合手段が、前記成膜部の一部または全部を回転する回転機構を有しており、該回転機構によって前記成膜部の一部または全部を回転させながら、前記粉体と前記ミストまたは前記液滴とを混合するように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
  5. 前記混合手段が、前記成膜部の一部または全部を揺動する揺動機構を有しており、該揺動機構によって前記成膜部の一部または全部を揺動させながら、前記粉体と前記ミストまたは前記液滴とを混合するように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
  6. 前記成膜部が、使用済みのミストまたは液滴を通過させ、且つ前記粉体を通過させないフィルタを備えており、前記の使用済みのミストまたは液滴を排気するように構成した請求項1〜5のいずれかに記載の成膜装置。
  7. 超音波振動子を霧化・液滴化部に備えており、前記の霧化または液滴化を超音波振動により行うように構成した請求項1〜6のいずれかに記載の成膜装置。
  8. 原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴をキャリアガスでもって、成膜部内に設置されている被成膜物まで搬送し、前記ミストまたは前記液滴を熱反応して前記被成膜物の表面に成膜する成膜方法であって、前記被成膜物が粉体であり、前記熱反応を、前記粉体と混合しながら行うことを特徴とする成膜方法。
  9. 前記混合を、導入ガスを前記成膜部に供給して、前記粉体を浮遊させながら行う請求項8記載の成膜方法。
  10. 前記導入ガスが、前記キャリアガスである請求項9記載の成膜方法。
  11. 前記混合を、前記成膜部の一部または全部を回転させながら行う請求項8〜10のいずれかに記載の成膜方法。
  12. 前記混合を、前記成膜部の一部または全部を揺動させながら行う請求項8〜10のいずれかに記載の成膜方法。
  13. 前記熱反応を、大気圧下で行う請求項8〜12のいずれかに記載の成膜方法。
  14. 前記熱反応を、650℃以下の温度で行う請求項8〜13のいずれかに記載の成膜方法。
  15. 前記粉体の平均粒径が、100μm以下である請求項8〜14のいずれかに記載の成膜方法。

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