JP6999105B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、半導体上の中央部に、バリアハイトが小さくなる金属を配置し、半導体上の周辺部に、バリアハイトが大きくなる金属と半導体とのショットキーコンタクトを形成して、逆方向耐圧を大きくし、さらに順方向立ち上がり電圧を小さくすることが記載されている。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
[1] 半導体領域と、該半導体領域上に設けられている2種以上のバリア電極とを少なくとも備えている半導体装置を製造する方法であって、前記バリア電極の形成を、第1のバリア電極を前記半導体領域上に形成し、ついで、第1のバリア電極よりもバリアハイトの低い第2のバリア電極を前記半導体領域上に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
[2] 前記半導体領域との間にショットキーバリアを形成可能な複数の第1のバリア電極と、前記半導体領域との間に第1のバリア電極のショットキーバリアのバリアハイトとは異なるバリアハイトのショットキーバリアを形成可能な複数の第2のバリア電極とが、前記半導体領域上に交互に設けられるように前記バリア電極を形成する前記[1]記載の製造方法。
[3] 前記バリア電極の外側には第1のバリア電極を設ける前記[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 第1のバリア電極および第2のバリア電極の電極材料がそれぞれ同種の金属である前記[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 第1のバリア電極のショットキーバリアのバリアハイトが、1eV以上である前記[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 第2のバリア電極のショットキーバリアハイトが、1eV未満である前記[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7] 前記半導体領域が、結晶性酸化物半導体を主成分として含む前記[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] 前記半導体領域が、ガリウム化合物を主成分として含む前記[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9] 前記半導体領域が、α―Ga2O3またはその混晶を主成分として含む前記[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10] 第1のバリア電極の形成を、第1のバリア電極を前記半導体領域に埋め込むことにより行う前記[1]~[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11] さらに、前記バリア電極の外周辺部にガードリングを形成する前記[1]~[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12] 前記ガードリングが金属からなる前記[11]記載の製造方法。
[13] 前記半導体装置がダイオードである前記[1]~[12]のいずれかに記載の製造方法。
[14] 前記半導体装置がジャンクションバリアショットキーダイオードである前記[1]~[13]のいずれかに記載の製造方法。
[15] 前記半導体装置がパワーデバイスである前記[1]~[14]のいずれかに記載の製造方法。
霧化・液滴化工程は、前記原料溶液を霧化または液滴化する。前記原料溶液の霧化手段または液滴化手段は、前記原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段が好ましい。超音波を用いて得られたミストまたは液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので衝突エネルギーによる損傷がないため、非常に好適である。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは100nm~10μmである。
前記原料溶液は、霧化または液滴化が可能であり、半導体領域を形成可能な原料を含んでいれば特に限定されず、無機材料であっても、有機材料であってもよいが、本発明においては、前記原料が、金属または金属化合物であるのが好ましく、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、シリコン、イットリウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる1種または2種以上の金属を含むのがより好ましい。
搬送工程では、キャリアガスでもって前記ミストまたは前記液滴を成膜室内に搬送する。前記キャリアガスとしては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01~20L/分であるのが好ましく、1~10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001~2L/分であるのが好ましく、0.1~1L/分であるのがより好ましい。
成膜工程では、成膜室内で前記ミストまたは液滴を熱反応させることによって、基体上に、前記半導体膜を成膜する。熱反応は、熱でもって前記ミストまたは液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度(例えば1000℃)以下が好ましく、650℃以下がより好ましく、300℃~650℃が最も好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよいが、非酸素雰囲気下または酸素雰囲気下で行われるのが好ましい。また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。
前記基体は、前記半導体膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されない。
1-1.n-型半導体層の形成
1-1-1.成膜装置
図13を用いて、実施例で用いたミストCVD装置19を説明する。ミストCVD装置19は、基板20を載置するサセプタ21と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給手段22aと、キャリアガス供給手段22aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)供給手段22bと、キャリアガス(希釈)供給手段22bから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23bと、原料溶液24aが収容されるミスト発生源24と、水25aが入れられる容器25と、容器25の底面に取り付けられた超音波振動子26と、内径40mmの石英管からなる供給管27と、供給管27の周辺部に設置されたヒーター28とを備えている。サセプタ21は、石英からなり、基板20を載置する面が水平面から傾斜している。成膜室となる供給管27とサセプタ21をどちらも石英で作製することにより、基板20上に形成される膜内に装置由来の不純物が混入することを抑制している。
0.1M臭化ガリウム水溶液に臭化水素酸を体積比で20%含有させ、これを原料溶液とした。
上記1-1-2.で得られた原料溶液24aをミスト発生源24内に収容した。次に、基板20として、サファイア基板をサセプタ21上に設置し、ヒーター28を作動させて成膜室27内の温度を480℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁23a、23bを開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段22a、22bからキャリアガスを成膜室27内に供給し、成膜室27の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を5L/分に、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/分にそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
次に、超音波振動子26を2.4MHzで振動させ、その振動を、水25aを通じて原料溶液24aに伝播させることによって、原料溶液24aを霧化させてミストを生成した。このミストが、キャリアガスによって成膜室27内に導入され、大気圧下、510℃にて、成膜室27内でミストが反応して、基板20上に半導体膜が形成された。なお、膜厚は2.5μmであり、成膜時間は180分間であった。
XRD回折装置を用いて、上記1-1-4.にて得られた膜の相の同定を行ったところ、得られた膜はα-Ga203であった。
0.05Mガリウムアセチルアセトナート水溶液に塩酸を体積比で1.5%および塩化スズ0.2%をそれぞれ含有させ、これを原料溶液としたこと以外、上記1-1.と同様にして、上記1-1.で得られたn-型半導体層上に半導体膜を成膜した。得られた膜につき、XRD回折装置を用いて、膜の相の同定を行ったところ、得られた膜はα-Ga203であった。
図1に示すとおり、n+型半導体層上に、Ti層およびAu層をそれぞれ電子ビーム蒸着にて積層した。なお、Ti層の厚さは35nmであり、Au層の厚さは175nmであった。
サファイア基板を剥離後、n-型半導体層上に、Pt層を電子ビーム蒸着にて積層した。そして、高速アニール装置(RTA)を用いて窒素雰囲気で400℃30秒間アニール処理し、図2に示すとおり、第2のバリア電極を形成した。また、フォトリソグラフィーおよびエッチング処理に付し、図3に示すとおり、第1のバリア電極を形成した。なお、第1のバリア電極の金属層の形成は、Pt層を電子ビーム蒸着にて積層することにより行った。
IV測定を実施した。その結果、第1のバリア電極のバリアハイトは、1.5eVであり、第2のバリア電極のバリアハイトは0.9eVであった。なお、第2のバリア電極についてのIV測定結果を図14に示す。また、温度変化によっても特性が変わらず、半導体特性において非常に良好であった。
2 第2のバリア電極
3 半導体領域
4 オーミック電極
5 ガードリング
19 ミストCVD装置
20 基板
21 サセプタ
22a キャリアガス供給手段
22b キャリアガス(希釈)供給手段
23a 流量調節弁
23b 流量調節弁
24 ミスト発生源
24a 原料溶液
25 容器
25a 水
26 超音波振動子
27 供給管
28 ヒーター
29 排気口
Claims (14)
- 結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体領域と、該半導体領域上に設けられている2種以上のバリア電極とを少なくとも備えている半導体装置を製造する方法であって、前記バリア電極の形成を、第1のバリア電極を前記半導体領域上に形成し、ついで、第1のバリア電極よりもバリアハイトの低い第2のバリア電極を前記半導体領域上に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 前記半導体領域との間にショットキーバリアを形成可能な複数の第1のバリア電極と、前記半導体領域との間に第1のバリア電極のショットキーバリアのバリアハイトとは異なるバリアハイトのショットキーバリアを形成可能な複数の第2のバリア電極とが、前記半導体領域上に交互に設けられるように前記バリア電極を形成する請求項1記載の製造方法。
- 前記バリア電極の外端には前記第1のバリア電極が位置している請求項1または2に記載の製造方法。
- 第1のバリア電極および第2のバリア電極の電極材料がそれぞれ同種の金属である請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
- 第1のバリア電極のショットキーバリアのバリアハイトが、1eV以上である請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
- 第2のバリア電極のショットキーバリアハイトが、1eV未満である請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記半導体領域が、ガリウム化合物を主成分として含む請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記半導体領域が、α―Ga2O3またはその混晶を主成分として含む請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。
- 第1のバリア電極の形成を、第1のバリア電極を前記半導体領域に埋め込むことにより行う請求項1~8のいずれかに記載の製造方法。
- さらに、前記バリア電極の外周辺部にガードリングを形成する請求項1~9のいずれかに記載の製造方法。
- 前記ガードリングが金属からなる請求項10記載の製造方法。
- 前記半導体装置がダイオードである請求項1~11のいずれかに記載の製造方法。
- 前記半導体装置がジャンクションバリアショットキーダイオードである請求項1~12のいずれかに記載の製造方法。
- 前記半導体装置がパワーデバイスである請求項1~13のいずれかに記載の製造方法。
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