JP6980183B2 - 結晶性酸化物半導体膜、半導体装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、アルミニウムおよびガリウムを含むコランダム構造酸化物結晶が記載されており、高温時の相転移が抑制されることが記載されている。しかしながら、AlGaO系半導体は、成膜自体が容易ではなく、さらに、厚さ50nm以上の厚い膜を得ることが困難であった。そのため、AlGaO系半導体の厚膜が待ち望まれていた。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
[1] アルミニウムおよびガリウムを少なくとも含有する酸化物半導体を主成分として含む結晶性酸化物半導体膜であって、
膜厚が500nm以上であることを特徴とする結晶性酸化物半導体膜。
[2] 酸化物半導体がコランダム構造を有する前記[1]記載の結晶性酸化物半導体膜。
[3] 膜厚が1μm以上であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の結晶性酸化物半導体膜。
[4] 酸化物半導体が、α−(AlxGa1−x)2O3(但し、1>X>0)またはα−(AlZ1GaZ2InZ3)2O3(但し、1>Z1,Z2,Z3>0およびZ1+Z2+Z3=1)である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の結晶性酸化物半導体膜。
[5] 金属元素中のアルミニウム濃度が、1原子%以上である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の結晶性酸化物半導体膜。
[6] 原料溶液を霧化または液滴化して生成されるミストまたは液滴を、キャリアガスでもって成膜室内に設置されている基体まで搬送し、ついで該基体上で該ミストまたは該液滴を熱反応させて成膜されてなる前記[1]〜[5]のいずれかに記載の結晶性酸化物半導体膜。
[7] 前記成膜室内において、前記ミストまたは前記液滴を旋回させて旋回流を発生させる前記[6]記載の結晶性酸化物半導体膜。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれかに記載の結晶性半導体膜を含む半導体装置。
[9] 半導体レーザ、ダイオードまたはトランジスタである前記[8]記載の半導体装置。
まず、原料溶液4aをミスト発生源4内に収容し、基板10をホットプレート8上に設置させ、ホットプレート8を作動させる。次に、流量調節弁3(3a、3b)を開いてキャリアガス源2(2a、2b)からキャリアガスを成膜室7内に供給し、成膜室7の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量とキャリアガス(希釈)の流量をそれぞれ調節する。次に、超音波振動子6を振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化または液滴化させてミストまたは液滴4bを生成する。ついで、ミストまたは液滴4bが、キャリアガスによって成膜室7内に導入される。成膜室7の上面真ん中には、排気口が設けられており、排気管17と接続されている。また、排気管17は排気ファン11に接続されており、排気ファン17によって、成膜室7内の排気ガス等が排気口から吸気されるように構成されている。また、円筒状の成膜室7の側面には、ミストまたは液滴の搬入口が設けられており、成膜室7内に導入されたミストまたは液滴が旋回して、内向きに流れる旋回流が生じるように構成されている。そして、旋回しながら、ミストまたは液滴が、成膜室7内でホットプレート8の加熱により熱反応して、基板10上に成膜することができる。
また、前記基体は成膜時に回転されてもよく、回転方向は、前記旋回流の向きと逆向きにするのが好ましい。
原料溶液は、アルミニウムまたはガリウムの金属を少なくとも含有し、霧化または液滴化が可能であれば特に限定されない。なお、原料溶液は、1種でもよいし、2種以上の溶液を原料溶液として用いてもよい。前記原料溶液は、上記金属を霧化できるものであれば特に限定されないが、前記原料溶液として、前記金属を錯体または塩の形態で有機溶媒または水に溶解または分散させたものを好適に用いることができる。錯体の形態としては、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体などが挙げられる。塩の形態としては、例えば、有機金属塩(例えば金属酢酸塩、金属シュウ酸塩、金属クエン酸塩等)、硫化金属塩、硝化金属塩、リン酸化金属塩、ハロゲン化金属塩(例えば塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩等)などが挙げられる。
前記基体は、前記膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されない。
結晶性酸化物半導体膜の積層は、ミストCVD法により行うのが好ましく、上記のような旋回流を発生させる成膜装置を用いるのがより好ましい。前記ミストCVD法では、前記原料溶液を霧化または液滴化し(霧化・液滴化工程)、生成されるミストまたは液滴をキャリアガスによって前記基体に供給し(ミスト・液滴供給工程)、供給されたミストまたは液滴を反応させて、前記基体上に成膜する(成膜工程)。
1.製造装置
まず、図1を用いて、本実施例で用いた成膜装置1を説明する。成膜装置1は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)源2bと、キャリアガス(希釈)源2bから送り出されるキャリアガス(希釈)の流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、成膜室7と、ミスト発生源4から成膜室7までをつなぐ石英製の供給管9と、成膜室7内に設置されたホットプレート8と、排気管17および排気ファン11とを備えている。ホットプレート8上には、基板10が設置されている。
ガリウムアセチルアセトナートとアルミニウムアセチルアセトナートとがモル比で1:6となり、かつ塩酸が体積比で2%となるように水溶液を調整し、これを原料溶液とした。
上記2.で得られた原料溶液4aをミスト発生源4内に収容した。次に、基板10として4インチのc面サファイア基板を用いて、c面サファイア基板をホットプレート8上に設置し、ホットプレート8を作動させて成膜室7内の温度を500℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁3(3a、3b)を開いてキャリアガス源2(2a、2b)からキャリアガスを成膜室7内に供給し、成膜室7の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を8L/minに、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/minにそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして酸素を用いた。
次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを微粒子化させて原料微粒子4bを生成した。この原料微粒子4bが、キャリアガスによって成膜室7内に導入され、成膜室7内でミストが旋回して、旋回流が発生した。そして、大気圧下、600℃にて、成膜室7内で旋回流のミストが反応して、基板10上に薄膜が形成された。なお、成膜時間は3時間であった。
上記4.にて得られた膜につき、アルミニウムの含有率をX線にて測定した。XRD測定結果を図6に示す。XRD測定結果から、得られた膜は、今まで成膜が困難とされてきたコランダム構造のアルミニウム62.8%含有AlGaO系半導体膜であった。また、得られたコランダム構造のAlGaO系半導体膜につき、膜厚を測定したところ、720nmであった。
今まではコランダム構造のAlGaO系半導体膜が得られたとしても、50nm以上の厚い膜を得ることは困難であったが、本発明によれば、700nm以上もの厚いコランダム構造のAlGaO系半導体膜を得ることができた。
旋回流の旋回速度を低速化した条件で、成膜室内のノズルを基板に近づけて成膜したこと以外は、実施例1と同様にして、コランダム構造のAlGaO系半導体膜を成膜した。得られた膜につき、X線回折装置を用いて測定したところ、コランダム構造のアルミニウム77%含有AlGaO系半導体膜であった。また、得られたコランダム構造のAlGaO系半導体膜につき、膜厚を測定したところ、2.4μmであった。なお、AFM像を図7に示す。AFMにより測定された1μm×1μmにおけるRMS値は13.85nmであった。そのため、アルミニウムを70%以上も含む高濃度アルミニウム含有AlGaO系半導体膜でも、つまり、アルミニウムの濃度が高くても、表面の荒れが抑制された良質な膜が得られたことがわかった。
2a キャリアガス源
2b キャリアガス(希釈)源
3a 流量調節弁
3b 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 原料溶液
4b 原料微粒子
4c 排気ガス
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
6a 電極
6b 圧電体素子
6c 電極
6d 弾性体
6e 支持体
7 成膜室
8 ホットプレート
9 供給管
10 基板
11 排気ファン
16 発振器
17 排気管
Claims (6)
- 結晶性半導体膜を含む半導体装置であって、
前記結晶性半導体膜は、アルミニウムおよびガリウムを少なくとも含有する酸化物半導体を主成分として含み、
膜中の金属元素中のアルミニウム濃度が62.8原子%以上80原子%以下であり、
膜厚が500nm以上であることを特徴とする半導体装置。 - 膜中の金属元素中のアルミニウム濃度が77原子%以下である請求項1に記載の半導体装置。
- 酸化物半導体がコランダム構造を有する請求項1または2に記載の半導体装置。
- 膜厚が1μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
- 酸化物半導体が、α−(AlxGa1−x)2O3(但し、1>X>0)またはα−(AlZ1GaZ2InZ3)2O3(但し、1>Z1,Z2,Z3>0およびZ1+Z2+Z3=1)である請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置。
- 半導体装置は、半導体レーザ、ダイオードまたはトランジスタである請求項1〜5のいずれかに記載の半導体装置。
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