JP2010020255A - 表面処理装置および表面処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置内に付着した処理剤の付着物を除去することで表面処理精度を向上させることが可能な表面処理装置および表面処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の表面処理装置1は、基板Wを配置する成膜室3と、気化したシランカップリング剤Y2を成膜室3に供給する処理剤供給装置1と、成膜室3内を減圧するポンプ5と、を有し、気化したシランカップリング剤Y2の流動経路44上に、流動経路44に対する付着物を除去する付着物除去装置40が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、表面処理装置および表面処理方法に関するものである。
液晶プロジェクタ等の投射型表示装置の光変調手段として用いられる液晶装置は、一対の基板間の周縁部にシール材が配設され、その中央部に液晶層が封止されて構成されている。その一対の基板の内面側には液晶層に電圧を印加する電極が形成され、これら電極の内面側には非選択電圧印加時において液晶分子の配向を制御する配向膜が形成されている。このような構成によって液晶装置は、非選択電圧印加時と選択電圧印加時との液晶分子の配向変化に基づいて光源光を変調し、表示画像を形成するようになっている。
ところで、前述した配向膜としては、側鎖アルキル基を付加したポリイミド等からなる高分子膜の表面に、ラビング処理を施したものが一般に用いられている。しかし、このようなラビング法は簡便であるものの、物理的にポリイミド膜をこすることでポリイミド膜に対して配向特性を付与するために、種々の不都合が指摘されている。具体的には、(1)配向性の均一さを確保することが困難であること、(2)ラビング処理時の筋跡が残り易いこと、(3)配向方向の制御およびプレチルト角の選択的な制御が可能ではなく、また広視野角を得るために用いられるマルチドメインを使用した液晶パネルには適さないこと、(4)ガラス基板からの静電気による薄膜トランジスタ素子の破壊や、配向膜の破壊が生じ、歩留まりを低下させること、(5)ラビング布からのダスト発生による表示不良が発生しがちであること、などである。
また、このような有機物からなる配向膜では、液晶プロジェクタのような高出力光源を備えた機器に用いた場合、光エネルギーにより有機物がダメージを受けて配向不良を生じてしまう。特に、プロジェクタの小型化および高輝度化を図った場合には、液晶パネルに入射する単位面積あたりのエネルギーが増加し、入射光の吸収によりポリイミドそのものが分解し、また、光を吸収したことによる発熱でさらにその分解が加速される。その結果、配向膜に多大なダメージが付加され、機器の表示特性が低下してしまう。
そこで、このような不都合を解消するため、無機材料からなる配向膜の適用が進められている。無機配向膜の形成には、蒸着法、スパッタ法等があるが、蒸着法では大型基板に低欠陥密度の膜を形成することが困難であり、スパッタ法での無機配向膜の形成が強く求められている。
このスパッタ法によって得られた無機配向膜に対して、脂肪族アルコールやシランカップリング剤で表面処理する方法が開示されている(例えば、特許文献1,2)。
特開2004−47211号公報 特開2007−127757号公報
また、液相処理のほか、気相状態のシランカップリング剤を基板に供給する気相処理も知られている。しかしながらこの場合には、成膜室内や配管などの内壁にシランカップリング剤そのものや変質したもの(例えば、アルキル鎖が分断したものや反応基が分解したものが考えられる)が付着したり残留することがあった。そのため、表面処理時にこれらが異物として基板上に付着して、処理品質を低下させるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、装置内に付着した処理剤の付着物を除去することで表面処理精度を向上させることが可能な表面処理装置および表面処理方法を提供することを目的としている。
本発明の表面処理装置は、上記課題を解決するために、被処理基板を配置する成膜室と、気化した処理剤を前記成膜室に供給する処理剤供給装置と、前記成膜室内を減圧する減圧装置と、を有し、前記気化した処理剤の流動経路上に、当該流動経路に対する付着物を除去する付着物除去装置が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、被処理基板を配置する成膜室と、気化した処理剤を成膜室に供給する処理剤供給装置と、成膜室内を減圧する減圧装置と、を有し、気化した処理剤の流動経路上に、流動経路に対する付着物を除去する付着物除去装置が設けられていることから、流動経路内に存在する処理剤に由来した付着物や残留物を効果的に除去することができる。これにより、被処理基板上にこれらが付着してしまうのを防止することができる。
また、前記付着物除去装置が前記成膜室内に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、付着物除去装置が成膜室内に設けられていることから、被処理基板が配置される成膜室に対する付着物を除去することができるので、被処理基板上に異物が付着して品質が低下してしまうのを防止することができる。
また、前記付着物除去装置が、前記成膜室に対して着脱可能に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、付着物除去装置が、成膜室に対して着脱可能に設けられていることから、成膜室に対して付着物の除去を行う場合にのみ、成膜室内に付着物除去装置を配置することができる。表面処理時には、付着物除去装置を成膜室内に配置させないことでその表面に処理剤が付着してしまうようなことがない。
また、前記付着物除去装置が、前記処理剤供給装置と前記成膜室とを接続する配管に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、付着物除去装置が、処理剤供給装置と成膜室とを接続する配管に設けられていることから、成膜室だけでなく配管内の付着物や残留物も除去することができるので、流動経路内を効率よくメンテナンスすることが可能となる。
また、前記付着物除去装置が、前記流動経路を加熱する加熱装置であることが好ましい。
本発明によれば、付着物除去装置が、流動経路を加熱する加熱装置であることから、流動経路内に付着した付着物を分解させることができので、より効果的に付着物を除去することができる。
また、前記付着物除去装置が、前記流動経路にオゾンを供給するオゾン供給装置であることが好ましい。
本発明によれば、付着物除去装置が、流動経路にオゾンを供給するオゾン供給装置であることから、流動経路内の付着物を短時間で除去することが可能となる。また、加熱装置による加熱と併用することにより、より効果的に付着物を分解除去することができる。
また、前記付着物除去装置が、前記流動経路の壁面に紫外線を照射する紫外線照射装置であることが好ましい。
本発明によれば、付着物除去装置が、流動経路の壁面に紫外線を照射する紫外線照射装置であることから、流動経路内の付着物を短時間で除去することが可能となる。また、加熱装置と併用することにより、より効果的に付着物を分解除去することができる。
また、前記付着物除去装置が、前記流動経路内にプラズマを発生するプラズマ発生装置であることが好ましい。
本発明によれば、付着物除去装置が、流動経路内にプラズマを発生するプラズマ発生装置であることから、流動経路内の付着物を短時間で除去することが可能となる。また、加熱装置による加熱と併用することにより、より効果的に付着物を分解除去することができる。
また、前記成膜室の内部に対して支持部材を進退させる搬送装置を備え、前記支持部材には、被処理基板を支持する基板支持体と、前記付着物除去装置とが相互に交換可能に装着されることが好ましい。
本発明によれば、成膜室の内部に対して支持部材を進退させる搬送装置を備え、支持部材には、被処理基板を支持する基板支持体と、付着物除去装置とが相互に交換可能に装着されることから、流動経路に対する付着物の除去作業と被処理基板に対する表面処理とを交互に行うことができる。また、付着物除去装置による流動経路に対する付着物除去処理と、基板支持体に対する基板の入れ替え作業を並行して行うことができるので作業効率が向上する。
また、前記流動経路内にキャリアガスを供給するガス供給装置を有し、前記流動経路上には、前記キャリアガスの流量を制御する流量制御装置が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、流動経路内にキャリアガスを供給するガス供給装置を有し、流動経路上には、キャリアガスの流量を制御する流量制御装置が設けられていることから、キャリアガスの供給量を付着物の除去に最適な供給量に制御することが可能である。
また、前記配管の前記成膜室近傍から分岐する第2の配管を有することが好ましい。
本発明によれば、配管の前記成膜室近傍から分岐する第2の配管を有することから、気化した処理剤を成膜室へ流入させることなく流動させることが可能となる。これにより、成膜室内に被処理基板が配置された状態であっても、配管に対して付着物の除去作業を行うことができる。
また、前記第2の配管が、前記減圧装置に接続されていることが好ましい。
本発明によれば、第2の配管が、減圧装置に接続されていることから、第2の配管内、すなわちこれに接続する上記配管(処理剤供給装置に接続される配管)内を減圧した状態で付着物の除去作業を行うことができる。減圧雰囲気のもと加熱装置により上記配管を加熱することによって、付着物の除去効率をさらに向上させることができる。
本発明は、上記した表面処理装置を用いた表面処理方法であって、大気圧よりも低い圧力下で処理剤を気化させ、前記処理剤の雰囲気に無機膜を有する被処理基板を晒すことで前記無機膜上に前記処理剤の被膜を形成する表面処理工程と、前記気化した処理剤の流動経路を付着物除去装置によりクリーニングを実施するクリーニング工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、上記した表面処理装置を用いた表面処理方法であって、大気圧よりも低い圧力下で処理剤を気化させ、処理剤の雰囲気に無機膜を有する被処理基板を晒すことで無機膜上に処理剤の被膜を形成する表面処理工程と、気化した処理剤の流動経路を付着物除去装置によりクリーニングを実施するクリーニング工程と、を有することから、表面処理前の被処理基板あるいは表面処理が完了する前の被処理基板上に異物が付着してしまうのを防止することができる。そのため、被処理基板の表面に良好な被膜を形成することができる。また、被処理基板上に付着した異物により、表面処理工程時に処理剤の供給量などの制御性が低下してしまうのを防止することができる。
また、前記クリーニング工程は、前記表面処理工程を複数回繰り返す際の工程間に実行されることが好ましい。
本発明によれば、クリーニング工程は、表面処理工程を複数回繰り返す際の工程間に実行されることから、表面処理工程毎に流動経路内の付着物を適宜除去することができ、表面処理前の被処理基板の表面上に異物が付着して、表面処理後の被処理基板の品質が低下してしまうのを防止することができる。
また、前記クリーニング工程は、前記表面処理工程中に実行されることが好ましい。
本発明によれば、クリーニング工程は、表面処理工程中に実行されることから、流動経路内の付着物を適宜除去することができ、表面処理が完了する前の被処理基板上に異物が付着して、表面処理後の被処理基板の品質が低下してしまうのを防止することができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[第1実施形態の表面処理装置]
図1は、表面処理装置1の概略構成を示すブロック図、図2は、本実施形態の表面処理装置1の概略構成を示す模式図である。
図1および図2に示すように、表面処理装置1は、無機膜10を有する基板W(被処理基板)に対して気化したシランカップリング剤Y2を導入して表面処理を行うことにより、基板W上に無機配向膜を形成する装置であって、処理剤供給装置2と、成膜室3と、ポンプ5(減圧装置)と、制御装置7と、バルブ8と、基板支持体12と、搬送装置11と、流量制御装置15と、複数の付着物除去装置40とを備えている。
基板Wは、石英、ガラス、サファイア等からなり、表面に透明電極、配線、層間絶縁膜など(いずれも図示略)を有し、最表層にスパッタ法や蒸着法などによって成膜された無機膜10が設けられている。無機膜10は、SiO2などの酸化膜から構成されたものである。
処理剤供給装置2は、処理剤としてのシランカップリング剤Y1を気化させ、気化したシランカップリング剤Y2を成膜室3へと供給するためのものである。この処理剤供給装置2は、処理剤気化装置21と、ガス供給装置22とを備えている。
処理剤気化装置21は、シランカップリング剤Y1を貯留する気化容器210と、気化容器210内に貯留されたシランカップリング剤Y1を加熱する処理剤加熱部212などを備えている。そして、ポンプ5と処理剤加熱部212が制御装置7によって制御されることによって、気化容器210の内部雰囲気が制御される。
用いるシランカップリング剤Y1としては、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤を用いることができる。
Figure 2010020255
ORはアルコキシ基であり、Rはメチル基(CH)、エチル基(C)等のアルキル基である。このRは反応後には脱離し、A−Si結合部とSi−O−Siという結合だけが残ることになる。
このRとしては非常に選択の幅が広く、シランカップリング剤として例えば、オクタデシルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−トリフルオロメチルフェニルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを好適に用いることができる。また、オクチルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びトリデカフルオロテトラヒドロオクチルトリエトキシシラン等も用いることもできる。
ガス供給装置22は、気化容器210内にキャリアガスを供給するためのもので、配管6Aを介して処理剤気化装置21(気化容器210)と接続されている。キャリアガスとしては、使用されるシランカップリング剤Y1の種類に応じて選択され、例えば窒素ガス(N2)やアルゴンガス(Ar)を用いることができる。このガス供給装置22は、供給量を制御しつつ気化容器210の内部へキャリアガスを供給することが可能となっている。
流量制御装置15は、気化容器210から送出されるシランカップリング剤Y2およびキャリアガスの流量を制御するもので、気化容器210と成膜室3とを接続する配管6B上に配置されている。この流量制御装置15は、シランカップリング剤Y2の温度や配管6B内の温度および圧力などの影響を受けることなく、シランカップリング剤Y2の流量を制御することができる。
バルブ8は、配管6B上に設けられており、流量制御装置15よりも成膜室3側に位置する。このバルブ8が制御装置7によって制御されることで、成膜室3内の処理雰囲気が制御される。
配管加熱装置41は、配管6Bを加熱する付着物除去装置40であって、配管6Bの延在方向に沿ってその管壁を囲むようにして設けられている。配管加熱装置41は、制御装置7による制御のもと配管6Bを所定の温度にまで加熱する。
成膜室3は、内部に無機膜10を有した基板Wを収容可能な容器であって、例えばステンレスなどの金属からなる。成膜室3は密閉可能に構成されており、配管6Cを介して接続されるポンプ5によって内部を減圧可能になっている。
具体的に本実施形態の成膜室3は、本体部31と、該本体部31に対して着脱可能な蓋部32とを有しており、蓋部32が成膜室3の底部を構成するようになっている。この蓋部32が本体部31に装着されることによって密閉空間が形成される。
本体部31の下端側周縁には、外側に張り出すフランジ部31Aが設けられており、蓋部32が本体部31に装着された状態においてフランジ部31Aと蓋部32との間に環状のシール材33が配置される構成となっている。シール材33は、本体部31および蓋部32のどちら側に設けられていてもよい。
このように、本体部31に対して蓋部32を装着した際、相互間にシール材33を介在させる構成としたことで成膜室3の内部を外部から隔離することができ、成膜室3の密閉状態を確保することが可能になる。そして、密閉状態とされた成膜室3内に、処理剤供給装置2から配管6Bを介して気化したシランカップリング剤Y2が導入されるようになっている。
成膜室加熱装置42は、成膜室3を加熱する付着物除去装置40であって、成膜室3の周壁3bを囲むようにして設けられている。ここで、周壁3bだけでなく成膜室3の上面3a側にも設けられるようにしても良い。この成膜室加熱装置42は、制御装置7による制御のもと成膜室3を所定の温度にまで加熱する。
ポンプ5は、配管6C上に配置されており、該配管6Cを介して成膜室3へと接続されている。このポンプ5は、制御装置7の制御のもとに駆動され、バルブ8の開閉状態に応じて、成膜室3内の空気を排出して成膜室3の内部に減圧雰囲気を形成することが可能である。
搬送装置11は、成膜室3の内部に対して進退可能な支持部材113を有しており、制御装置7の制御のもとに駆動される。支持部材113の端部には蓋部32が取り付けられており、支持部材113を本体部31に対して進退させることで、蓋部32を本体部31に対して着脱させることができる。蓋部32が本体部31に装着されると成膜室3の内部に密閉空間が形成される。
搬送装置11は、支持部材113に、図2に示す基板Wを支持する基板支持体12と、図3に示す分解除去装置43とを交互に交換可能に装着できるようになっている。図3は、成膜室3内に分解除去装置43を配置した状態を示す図である。これら基板支持体12および分解除去装置43は、支持部材113の端部に蓋部32を介してそれぞれ設けられ、より詳細には蓋部32の上面32a上に配置される。
基板支持体12は、図2に示すように、表面処理時に成膜室3内に配置され、複数の基板Wを互いに離間させた状態で保持する構成とされている。この基板支持体12は、気化したシランカップリング剤Y2の流動を遮らない構成であることが好ましく、例えば通気性の良いメッシュ状のものが好適である。
分解除去装置43は、図3に示すように、クリーニング処理時に成膜室3内に配置される付着物除去装置40であって、プラズマ発生装置、オゾン供給装置、紫外線照射装置のいずれかが採用される。プラズマ発生装置は、成膜室3内にプラズマを発生させることで付着物を分解除去するものであって、例えばO2プラズマを発生する。オゾン供給装置は、成膜室3内にオゾンを供給することで付着物を分解除去するものである。UV照射装置は、成膜室3の内壁にUVを照射することによって付着物を分解除去するもので、所定波長(λ=300nm)を照射する。ここでは、シランカップリング剤Y2の種類、付着物や残留物の量などに応じていずれかの装置が選択される。
表面処理を実行する際には、支持部材113に基板支持体12が装着された状態で、該支持部材113を成膜室3に対して進退させることにより、基板支持体12を成膜室3に対して搬入および搬出することができる。一方、クリーニング処理を実行する際には、支持部材113に分解除去装置43が装着された状態で、該支持部材113を成膜室3に対して進退させることにより、基板支持体12を成膜室3内に搬入および搬出することができる。
また、支持部材113に、基板支持体12および蓋部32よりも内側にシリンダ部(不図示)が設けられていてもよい。このシリンダ部を設けたことで、本体部31に蓋部32を装着した状態で成膜室3の基板支持体12を上下移動させることができる。
制御装置7は、図1に示すように、処理剤気化装置21、ガス供給装置22、ポンプ5、バルブ8、搬送装置11、流量制御装置15、付着物除去装置40の各々と電気的に接続されており、表面処理装置1の動作を統括的に制御する。
具体的に、制御装置7は、処理剤気化装置21およびガス供給装置22を制御することによって、気化容器210内の処理雰囲気を制御し、シランカップリング剤Y1の気化に最適な条件とすることが可能である。このシランカップリング剤Y1の気化に最適な条件とは、制御可能な処理雰囲気の中において、最も短時間で効率よくシランカップリング剤Y1が気化する条件である。すなわち、本実施形態においては、制御装置7によって、気化容器210の内部の温度や圧力などが、最も短時間でシランカップリング剤Y1が気化する条件に制御される。
また、制御装置7は、さらにポンプ5、バルブ8、流量制御装置15を制御することによって、成膜室3内の処理雰囲気を制御し、気化したシランカップリング剤Y1による基板Wの表面処理に最適な条件とすることが可能である。この気化したシランカップリング剤Y2による基板Wの表面処理に最適な条件とは、制御可能な処理雰囲気中において、最も短時間で効率よく表面処理が完了する条件である。そして、基板Wの表面に所定の膜厚のシランカップリング剤が成膜されたことで表面処理が完了するものとする。つまり、本実施形態においては、制御装置7によって、成膜室3の内部の温度や圧力などが、基板Wの表面に最も短時間で所定の膜厚のシランカップリング剤が成膜される条件に制御される。
また、制御装置7は、ガス供給装置22、バルブ8、搬送装置11、ポンプ5、付着物除去装置40(41〜43)を制御することによって、流動経路44上のクリーニング処理に最適な条件とすることが可能である。この流動経路44におけるクリーニング処理に最適な条件とは、制御可能な処理雰囲気中において、最も短時間で効率よくクリーニング処理が完了する条件である。本実施形態では、シランカップリング剤Y1の気化を停止させた状態でクリーニング処理が実行される。
本実施形態の表面処理装置1は、気化したシランカップリング剤Y2が流動する流動経路44を有している。流動経路44は、処理剤供給装置2と成膜室3とを接続する配管6B、成膜室3、該成膜室3に接続された配管6Cによって構成され、この順にシランカップリング剤Y2が流動する。表面処理装置1により基板Wの表面処理を行うと、シランカップリング剤Y2が流動経路44内に付着したり残留することがあり、これらは次の表面処理時に影響を及ぼす虞がある。
そこで本実施形態では、気化したシランカップリング剤Y2が流動する流動経路44上に備えられた付着物除去装置40(41〜43)によって、流動経路44に対するシランカップリング剤Y2の付着物や残留物を除去できる構成となっている。
[表面処理方法]
次に、本発明にかかる表面処理装置1を用いた表面処理方法の一例について説明する。
図4は、基板Wに対する表面処理の説明図である。なお、図4においてはシランカップリング剤の反応状態を模式的に示す図である。また、以下の説明においては、図1および図2を適宜参照する。
「処理条件」
シランカップリング剤:Octadecyl-trimethoxySilane
(オクタデシルトリメトキシシラン)
処理温度:150℃
処理時間:6hrs
処理圧力:100〜200Pa
まず、基板Wが配置された成膜室3内を減圧加熱することで、無機膜10を有した基板W上の水分を除去する(水分除去工程)。
図4(a)に示すように、無機膜10の表面には分極した水酸基が多数存在し、シラノール基(Si−OH)を形成している。特にその親水性のシラノール基の存在により、図中の破線で示す領域Rに水(湿気)が存在し易くなっている。この状態で表面処理を行うと、基板W上の水分など(付着水や揮発性の汚染物質)による影響を受けてシランカップリング剤Y2が未反応となる領域が発生してしまう。このような表面処理の不都合を回避すべく、本実施形態では無機膜10上の水分(付着水や揮発性の汚染物質)等を除去する。
具体的には、制御装置7によって成膜室3内の処理雰囲気が水分除去処理に好適な条件とされる。制御装置7は、バルブ8を閉状態にすることで成膜室3を密閉にし、その後、ポンプ5を駆動させることにより成膜室3内を大気圧よりも低い圧力(所定の減圧雰囲気)にする。このとき、成膜室加熱装置42によって、成膜室3内(基板W)を上記した表面処理温度(150℃)まで加熱する。こうした高温および減圧雰囲気下で、基板W上の付着水および揮発性の汚染物質を除去するようにする。
以下、表面処理が終了するまで、成膜室3内(基板W)の温度を維持する。
次に、処理剤気化装置21の気化容器210内に貯留されたシランカップリング剤Y1を気化させる。
ポンプ5は前工程に引き続き駆動させておく。加えて、制御装置7によってバルブ8を開状態にすることで、ポンプ5の作用により気化容器210内が大気圧よりも低い圧力となる。本工程では、減圧雰囲気下において、貯留されているシランカップリング剤Y1を処理剤加熱部212で加熱することによってシランカップリング剤Y1を気化させる。このような減圧雰囲気下において加熱することによって、シランカップリング剤Y1の気化速度を高めることが可能である。
次に、ガス供給装置22から気化容器210へ所定量のキャリアガスを導入する。キャリアガスの流量は、例えば、500cc/min以下(大気圧換算)とする。気化したシランカップリング剤Y2は、気化容器210に導入されたキャリアガス(N2)とともに流動経路44に沿って流動する。本実施形態では、流量制御装置15によって、気化容器210から送出されたシランカップリング剤Y2およびキャリアアガスを所望の供給量で成膜室3内へ供給している。
次に、成膜室3内に導入されたシランカップリング剤Y2によって基板Wの表面処理を行う(表面処理工程)。
成膜室3内は、シランカップリング剤Y2とキャリアガスの導入によって100〜200Pa程度になる。具体的には、成膜室3に対してキャリアガス(シランカップリング剤Y2)の導入および排出を所定時間並行して行い、成膜室3内の減圧雰囲気を一定にする。なお、必要に応じてポンプ5による排気量を調整する。
表面処理時における成膜室3内の圧力は、大気圧よりも低く設定される。具体的には、50〜5000Paの範囲内で設定され、気化したシランカップリング剤Y2の拡散性や再液化を考慮すると、1000Pa以下に設定されることがより好ましい。
成膜室3を気化容器210よりも減圧雰囲気にすることで、気化容器210から導入されたシランカップリング剤Y2の拡散性が高められ、成膜室3全体にシランカップリング剤Y2が充満する。成膜室3内には基板Wが配置されているため、当該基板Wが気化したシランカップリング剤Y2の雰囲気中に晒されて、図4(b),(c)に示すように、シランカップリング剤Y2の加水分解基とOH基とが反応する。このようにして、基板Wに対して表面処理が施され、その結果、無機膜10上にシランカップリング剤の被膜が形成される。
表面処理中、ポンプ5は常に駆動させておき、成膜室3に対してキャリアガス(シランカップリング剤Y2)の供給および排出を行うことが適当である。これにより、成膜室3内の雰囲気を均一にすることができる。その結果、成膜室3内における配置場所に関わらず、基板Wの全体がシランカップリング剤Y2に晒されることになる。これにより、処理むらが防止され安定した表面処理を行うことができる。
また、未反応のシランカップリング剤Y2を気相状態のまま排出させることができるので、シランカップリング剤由来の付着物が成膜室3内に残存するのを抑制できる。
なお、基板Wには予め水分除去処理(水分除去工程)が施されているので、水分等の影響を受けることなく均一な表面処理を実行することが可能である。
そして、このような表面処理を、基板W上に所定の厚さの被膜が形成されるまで継続する。表面処理時間は6hrs程度となっており、成膜室3内の圧力や表面処理温度によって異なる。本実施形態では、成膜室3の内部圧力が100〜200Pa程度に設定されているので、処理温度(150℃)等によって処理時間を設定する。
以上のようにして、基板Wの表面がシランカップリング剤によって表面処理される。
次に、表面処理工程の後、シランカップリング剤Y2が流動した流動経路44に対するクリーニング工程を実施する。クリーニング工程は、上述した表面処理工程を複数繰り返す際の工程間に実行する。
以下、クリーニング工程における各実施例1〜3について説明する。以下の説明においては、図1および図3を適宜参照する。
(クリーニングの処理条件)
加熱温度:約200℃(表面処理温度以上)
加熱時間:8hrs
キャリアガス:N2
キャリアガスの供給量:1SLM
処理圧力:300Pa
<実施例1>
実施例1では、まず、基板Wに対する表面処理が終了した後、搬送装置11により成膜室3内から基板支持体12を搬出させ、成膜室3内に配置される基板支持体12から表面処理が施された基板Wを取り出した後、空になった基板支持体12を再び成膜室3内に配置する。さらに、気化容器210内からシランカップリング剤Y1も排出させる。
その後、ポンプ5により流動経路44内を減圧雰囲気にし、ガス供給装置22から所定の供給量でキャリアガス(N2)を流動経路44内に供給する。ここでは、流量制御装置15によりキャリアガスを1SLMで供給する。供給されたキャリアガスは、気化容器210、配管6B、成膜室3の順に流動しポンプ5の作用により成膜室3から排出される。
次に、減圧雰囲気下でキャリアガスの供給および排出を繰り返しながら、配管加熱装置41によって配管6Bを加熱するとともに成膜室加熱装置42によって成膜室3内を所定の処理温度に加熱する。成膜室加熱装置42は、成膜室3内の温度が表面処理時の温度よりも高温になるようにし、ここでは約200℃に加熱する。同様に、配管加熱装置41においても配管6Bを表面処理温度以上に加熱する。加熱することによって、成膜室3の内壁あるいは配管6Bの管壁に付着した付着物を分解ないし蒸発させることができ、キャリアガスとともに排出させることができる。
また、成膜室3内には、基板Wを保持していない基板支持体12が配置されているので、表面処理の際、基板支持体12に付着した付着物も除去することが可能である。これにより、基板Wの交換作業時にその表面に異物が付着してしまうのを避けることができる。
このようにして、配管加熱装置41および成膜室加熱装置42を用いて流動経路44に対してクリーニング処理を行う。
<実施例2>
実施例2では、まず、基板Wに対する表面処理が終了した後、搬送装置11により成膜室3内から基板支持体12を搬出させ、搬送装置11に装着されている基板支持体12を分解除去装置43と交換して、分解除去装置43を成膜室3内に収容する。ここでも、シランカップリング剤Y1を気化容器210から排出させておく。
次に、実施例1同様に、流動経路44内を減圧雰囲気にした状態でキャリアガスの供給および排出を行う。同じくして、制御装置7による制御のもと分解除去装置43を駆動する。
分解除去装置43が、プラズマ発生装置である場合には、成膜室3内にO2プラズマを発生させることにより成膜室3内の付着物を除去する。
分解除去装置43が、UV照射装置である場合には、成膜室3の壁面に向かって紫外線を照射することにより成膜室3内の付着物を除去する。
分解除去装置43が、オゾン供給装置である場合には、成膜室3内にオゾンガスを供給することにより成膜室3内の付着物を除去する。オゾン供給装置は、成膜室3内だけでなく流動経路44の略全体に活性酸素(オゾン)を行き渡らせることができるため、より短時間でクリーニング処理を終了させることが可能である。
このようにして、分解除去装置43を用いて流動経路44に対してクリーニング処理を行う。
<実施例3>
実施例3では、まず、基板Wに対する表面処理が終了した後、搬送装置11に装着されている基板支持体12を分解除去装置43と交換して、成膜室3内に分解除去装置43を収容する。ここでも、シランカップリング剤Y1を気化容器210から排出させておく。
そして、配管加熱装置41、成膜室加熱装置42、分解除去装置43を同時に駆動させることでクリーニング処理を実施する。
なお、成膜室3内に、基板支持体12に代えて分解除去装置43を配置するとしたが、分解除去装置43と一緒に、基板Wを保持していない基板支持体12を成膜室3内に配置させてもよい。
このように、各付着物除去装置40(41〜43)を用いて、流動経路44の成膜室3や配管6B、基板支持体12、ひいては気化容器210などの内壁に付着あるいは残留したシランカップリング剤由来の物質を除去する。
なお、減圧雰囲気下において加熱を行うようにしたが、真空雰囲気下あるいは大気圧下で行うようにしてもよい。真空雰囲気にするにはキャリアガスの供給を停止してポンプ5のみを駆動させればよい。
本実施形態の表面処理装置1および表面処理方法によれば、表面処理時に気化したシランカップリング剤Y2が流動する流動経路44に対して、付着物除去装置40(41〜43)を用いてクリーニングを行うことにより、流動経路44である成膜室3、配管6B、基板支持体12、気化容器210等に付着した付着物や残留物をほとんど除去することができる。シランカップリング剤に由来する付着物や残留物が異物として基板W上に付着してしまうと、表面処理時に成膜レートの制御性が劣り、表面処理後の基板Wの品質を低下させる原因となってしまう。本実施形態のように流動経路44に対してクリーニング処理を実施することによって、表面処理時に影響を与える上記付着物や残留物を除去することにより、基板Wの表面に良好な被膜を形成することができる。
また、本実施形態では、減圧雰囲気下において配管6Bや成膜室3内を加熱しながらクリーニング処理を実行している。その結果、配管6Bや成膜室3内に存在する付着物や残留物を溶融あるいは揮発させることができるので、より効果的に除去することができる。これにより、表面処理時に成膜レートの制御性を良好に行えるので、処理品質を向上させることができる。また、成膜室3内に、基板Wを保持していない基板支持体12を配置させておくことによって、基板支持体12に付着した付着物も除去することができるので、次の表面処理時に基板Wに異物が付着するのをより防止することができる。
[純水接触角の比較]
次に、表面処理を行った後のサンプル基板および表面処理を行う前のサンプル基板に対し、各表面上の数箇所の純水接触角をデータとしてそれぞれ取得して比較した。
この結果、表面処理前のサンプル基板の純水接触角の平均値が5度以下であったのに対し、表面処理を行った後のサンプル基板の純水接触角の平均値は40〜100度に上昇した。また、連続して複数のサンプル基板に対して表面処理を行い、基板毎の純水接触角を比較した。ここでは、表面処理工程を5回以上繰り返して行い、各回の処理で得られた基板W間の純水接触角のバラツキは±5度以内であった。
以上の結果から分かるように、本実施形態の表面処理装置1および表面処理方法によれば、表面処理中、所定の雰囲気とされた成膜室3内にシランカップリング剤Y2を導入しつつ排出を行うことによって、成膜室3内にシランカップリング剤由来の付着物や残留物が発生する量を大幅に減らせることが分かった。これにより、複数の基板に対して表面処理を連続して行ったとしても安定した表面処理を行うことができ、基板上に良好な被膜を得ることができた。従って、処理むらを防止して均一な表面処理が可能であることを確認できた。
また、本実施形態の表面処理装置1および表面処理方法によれば、流動経路44に対するクリーニング処理を実施することによって、基板上に付着する付着物の量を格段に減少させることができ、クリーニング処理によって流動経路44上の付着物や残留物が効果的に除去されたことが分かる。
これにより、基板に対して表面処理を行う際、流動経路44上の付着物や残留物の影響を受けることなく、基板上に良好な被膜を形成することができる。
純水接触角は、クリーニング処理の回数や頻度によって調整することができる。また、純水接触角は、クリーニング処理における、処理温度、処理時間、処理圧力(ガス流量)によっても制御可能である。
このように、本実施形態の表面処理装置1によれば、クリーニング処理によって、シランカップリング剤に由来する付着物や残留物を流動経路44から除去することにより、これら付着物や残留物が異物や変質物(ポリマー)となって表面処理を行う基板W上に付着してしまうのを防止することができる。つまり、シランカップリング剤に由来する異物や変質物が表面処理前の基板W上に付着してしまうと、表面処理時に成膜レートなどを制御しにくいなどの問題が生じるが、上述したようなクリーニング処理を実施することによって、基板Wに対して所望の表面処理を行うことができる。そのため、過剰な表面処理が施されるのを防止して、基板W上に良好な被膜を形成することが可能となる。
[第2実施形態の表面処理装置]
次に、第2実施形態の表面処理装置について述べる。本実施形態では、第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5は、第2実施形態の表面処理装置の概略構成を示す断面図である。
以下に示す本実施形態の表面処理装置60の基本構成は、上記第1実施形態とほぼ同一構成であるが、配管6Bとポンプ5とを繋ぐバイパスとしての配管6Dを設けた点において、上記第1実施形態と異なっている。
図5に示すように、本実施形態の表面処理装置60は、配管6Bの成膜室3の近傍から分岐する配管6D(第2の配管)を有している。配管6Dは、その一端がバルブ8を介して配管6Bに接続され、他端がポンプ5に接続されている。この構成により、ガス供給装置22から送出されたキャリアガスは、気化容器210を経て配管6B内を流動し、成膜室3に流入することなく配管6Dへと流動させることができる。キャリアガスを成膜室3内へ流入させるか否かはバルブ18を切り換えることにより可能である。
次に、第2実施形態の表面処理装置60の動作について説明する。
本実施形態の表面処理装置60を用いて表面処理を行う場合には、上記実施形態同様、流動経路44内に気化したシランカップリング剤Y2を供給する。具体的には、処理剤気化装置21によって生成したシランカップリング剤Y2を、キャリアガスとともに成膜室3内に流入させることによって処理を行う。
クリーニング処理を行う場合には、気化容器210内に気化したシランカップリング剤Y2が存在していないことを確認した上で、ガス供給装置22からキャリアガスを配管6B内に供給する。具体的には、ポンプ5により配管6B,6D内を減圧雰囲気にするとともに、配管加熱装置41によって配管6Bを表面処理温度以上にまで加熱した状態で、キャリアガスを供給することによりクリーニング処理を実施する。このとき、ガス供給装置22から送出されたキャリアガスが、気化容器210、配管6Bおよび配管6Cの順に流動していくことにより、気化容器210および配管6B内の付着物あるいは残留物が除去される。
本実施形態の表面処理装置60によれば、配管6Dを設けたことにより、ガス供給装置22から送出されたキャリアガスを直接ポンプ5へと導くことができるので、成膜室3内に基板支持体12を配置したままで気化容器210および配管6B内のクリーニング処理を行うことができる。そのため、表面処理中であってもクリーニング処理を適宜実施することが可能である。これによって、より短いサイクルでクリーニング処理を行うことができるので、基板Wに対する表面処理の効率をより一層向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、先の実施形態では、表面処理時とクリーニング処理時とで、成膜室3内に基板支持体12と分解除去装置43とを交互に交換可能とした構成となっているが、成膜室3内に分解除去装置43を常時据付けた構成にしても良い。これにより、交換作業を行う手間が省かれる。
また、基板Wを支持していない基板支持体12を成膜室3内に配置して、基板支持体12に対してもクリーニング処理を行うようにしても良い。これにより、基板支持体12に付着した付着物も除去することができるので、良好な成膜処理を行うことができる。
第1実施形態の表面処理装置の概略構成を示すブロック図。 第1実施形態の表面処理装置の概略構成を示す模式図(表面処理時)。 第1実施形態の表面処理装置の概略構成を示す模式図(クリーニング処理時)。 基板に対する表面処理の説明図。 第2実施形態の表面処理装置の概略構成を示す模式図。
符号の説明
1…表面処理装置(第1実施形態)、2…処理剤供給装置、3…成膜室、5…ポンプ(減圧装置)、6A,6B,6C…配管、6D…配管(第2の配管)、10…無機膜、11…搬送装置、12…基板支持体、21…処理剤気化装置、22…ガス供給装置、40…付着物除去装置、41…配管加熱装置、42…成膜室加熱装置、43…分解除去装置、44…流動経路、60…表面処理装置(第2実施形態)、113…支持部材、W…基板(被処理基板)、Y1…シランカップリング剤(液相状態)、Y2…シランカップリング剤(気相状態)

Claims (15)

  1. 被処理基板を配置する成膜室と、
    気化した処理剤を前記成膜室に供給する処理剤供給装置と、
    前記成膜室内を減圧する減圧装置と、を有し、
    前記気化した処理剤の流動経路上に、当該流動経路に対する付着物を除去する付着物除去装置が設けられている
    ことを特徴とする表面処理装置。
  2. 前記付着物除去装置が前記成膜室内に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の表面処理装置。
  3. 前記付着物除去装置が、前記成膜室に対して着脱可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の表面処理装置。
  4. 前記付着物除去装置が、前記処理剤供給装置と前記成膜室とを接続する配管に設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の表面処理装置。
  5. 前記付着物除去装置が、前記流動経路を加熱する加熱装置である
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表面処理装置。
  6. 前記付着物除去装置が、前記流動経路にオゾンを供給するオゾン供給装置である
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の表面処理装置。
  7. 前記付着物除去装置が、前記流動経路の壁面に紫外線を照射する紫外線照射装置である
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の表面処理装置。
  8. 前記付着物除去装置が、前記流動経路内にプラズマを発生するプラズマ発生装置である
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の表面処理装置。
  9. 前記成膜室の内部に対して支持部材を進退させる搬送装置を備え、
    前記支持部材には、前記被処理基板を支持する基板支持体と、前記付着物除去装置とが相互に交換可能に装着される
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の表面処理装置。
  10. 前記流動経路内にキャリアガスを供給するガス供給装置を有し、
    前記流動経路上には、前記キャリアガスの流量を制御する流量制御装置が設けられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の表面処理装置。
  11. 前記配管の前記成膜室近傍から分岐する第2の配管を有する
    ことを特徴とする請求項4記載の表面処理装置。
  12. 前記第2の配管が、前記減圧装置に接続されている
    ことを特徴とする請求項11記載の表面処理装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の表面処理装置を用いた表面処理方法であって、
    大気圧よりも低い圧力下で処理剤を気化させ、前記処理剤の雰囲気に無機膜を有する被処理基板を晒すことで前記無機膜上に前記処理剤の被膜を形成する表面処理工程と、
    前記気化した処理剤の流動経路を付着物除去装置によりクリーニングを実施するクリーニング工程と、を有する
    ことを特徴とする表面処理方法。
  14. 前記クリーニング工程は、前記表面処理工程を複数回繰り返す際の工程間に実行される
    ことを特徴とする請求項13記載の表面処理方法。
  15. 前記クリーニング工程は、前記表面処理工程中に実行される
    ことを特徴とする請求項13記載の表面処理方法。
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