JP2003273081A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP2003273081A
JP2003273081A JP2002070018A JP2002070018A JP2003273081A JP 2003273081 A JP2003273081 A JP 2003273081A JP 2002070018 A JP2002070018 A JP 2002070018A JP 2002070018 A JP2002070018 A JP 2002070018A JP 2003273081 A JP2003273081 A JP 2003273081A
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高志 宮本
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浩司 武石
Hashio Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理速度の低下やパーティクルの形成に確実
且つ容易に対処できるプラズマ処理装置を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 処理チャンバを介さずにクリーニングガ
スを排出できるバイパスラインを設けることにより、チ
ャンバなどの汚染を防ぎつつ効率的なクリーニングが可
能となる。また、放電管に加熱手段を付加することによ
り、反応生成物を加熱・蒸発させて迅速に除去できる。
また、輸送管の内壁に、フッ化アルミニウムなどの反応
生成物を予め被覆しておくことにより、経時的なプラズ
マ処理速度の変動を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
に関し、特に、プラズマ発生室と処理室とが分離されて
いる「ダウンフロー型」のプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エッチング、アッシング、表面改質ある
いは薄膜堆積などのプラズマ処理は、半導体装置や液晶
ディスプレイをはじめとする各種製品の製造に利用され
ている。例えば、半導体製造用シリコンウェーハや液晶
ディスプレイ用ガラス基板上に形成した導電体膜や絶縁
膜などをプラズマ処理するに際して、プラズマ発生室と
処理室とを分離した「ダウンフロー型」のプラズマ処理
装置が用いられる場合がある。
【0003】図15は、従来のダウンフロー型プラズマ
処理装置の概略構成を表す模式図である。すなわち、ダ
ウンフロー型の装置の場合、プラズマ処理室110とプ
ラズマ発生室120とが輸送管130により連結された
構成を有する。
【0004】プラズマ処理室110は、排気手段112
により減圧雰囲気を維持可能とされ、その内部に配置さ
れた載置台114の上に半導体ウェーハやガラス基板な
どの被処理物Wを載置することができる。
【0005】プラズマ発生室120は、おもに放電管1
22からなり、マイクロ波導波管140が隣接して設け
られている。放電管122は、マイクロ波に対する透過
率が高くエッチングされにくい材料により構成する必要
があり、通常は、アルミナまたは石英により形成され
る。導波管140を導波されてくるマイクロ波Mは、ス
リット120Cを介して放電管122の内部に導入され
る。一方、ガス導入口124からはプラズマ処理に必要
とされるプロセスガスGが導入される。このようにして
導入されたプロセスガスGにマイクロ波が作用し、プラ
ズマ発生領域120AにおいてプロセスガスGのプラズ
マPが励起される。
【0006】プラズマPにより活性化したプロセスガス
Gのラジカルなどのガス種(以下、「活性種」と称す
る)は、輸送管130を通ってプラズマ処理室110内
に載置された被処理物Wの表面に到達し、エッチングや
アッシングなどのプラズマ処理が行われる。
【0007】例えば、被処理物Wとしてシリコン(S
i)をエッチングする場合に、プロセスガスGとして、
CFを用いることができる。この場合、プラズマ発生
領域120Aにおいて形成されたプラズマPの中には、
CF 、CF 、CF、Fなどの遊離基(ラジ
カル)やCなどの中間分解生成物が形成される。
これらの活性種がシリコンの表面に到達すると、CF
、CF は解離して活性なFを生成し、このF
がシリコンと反応してSiFを形成する。このSiF
は蒸気圧が高いため、減圧下でシリコン表面から急速
に脱離する。このようにしてシリコンのエッチングが進
行する。
【0008】図15に例示したようなダウンフロー型の
装置の場合、プラズマ処理室110とプラズマ発生室1
20とが分離しているため、プラズマPに含まれる荷電
粒子などによる被処理物Wへの影響を抑制できる。例え
ば、微細な半導体素子や絶縁膜のチャージアップによる
静電破壊などの問題を抑制できるという利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなダ
ウンフロー型の装置の場合、プラズマ処理を繰り返す
と、処理速度の低下やパーティクルの発生による歩留ま
りの低下が生ずることがある。これは、放電管122を
構成する材料がプロセスガスのプラズマPと反応して生
成物が形成されるからである。例えば、アルミナの放電
管122において、CFやNF、C、C
などのフッ素(F)系ガスを用いてエッチングを行う
と、アルミナに含まれるアルミニウム(Al)がフッ素
(F)と反応してフッ化アルミニウムが生成される。こ
れに伴ってエッチング速度の低下が生じ、また、生成さ
れたフッ化アルミニウムが被処理物Wの上にパーティク
ルとして落下すると歩留まりを低下させるという問題が
生ずる。
【0010】これらの問題を防ぐためには、放電管12
2をクリーニングするか交換する必要がある。すなわ
ち、放電管122を大気開放して取り外し、新品と交換
するか、または研磨、薬液などにより洗浄する必要があ
る。しかし、このためにはクリーニング設備が必要とさ
れ、装置の稼働率も低下し、処理コストも高くなる。
【0011】一方、ダウンフロー型の装置の場合、プラ
ズマ発生室120で生成された活性種が処理室110に
輸送される途中に金属材料が露出していると活性種が反
応して失活し、被処理物Wに対する処理速度が低下する
という問題がある。このため、従来は、輸送管130の
内壁面は、活性種と反応しにくい材料、例えば、四弗化
樹脂(PTFE)またはアルミナ等のセラミック材料な
どにより形成されていた。
【0012】しかし、本発明の独自の検討の結果、輸送
管130の内壁面を活性種と反応しにくい材料で構成し
た場合でも、経時的に処理速度の低下が生ずることが分
かった。そして、この原因は、放電管122を構成する
材料とプロセスガスGとの反応生成物が輸送管130の
内壁面に堆積するためであることが判明した。
【0013】以上説明したように、従来のダウンフロー
型のプラズマ処理装置の場合、放電管122を構成する
材料とプロセスガスGとが反応することにより、プラズ
マ処理を繰り返すと処理速度の低下やパーティクルの落
下などが生ずるという問題があった。
【0014】本発明は、かかる課題の認識に基づいてな
されたものであり、その目的は、処理速度の低下やパー
ティクルの形成に確実且つ容易に対処できるプラズマ処
理装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1のプラズマ処理装置は、ガス導入部
と、前記ガス導入部から導入されたガスに電磁波を作用
させてプラズマを生成するプラズマ発生室と、被処理物
を収容し大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な処
理チャンバと、前記プラズマ発生室と前記処理チャンバ
とを接続する輸送管と、排気手段と、前記輸送管と前記
排気手段とを接続するバイパスラインと、を備え、前記
ガス導入部から導入されたガスを前記処理チャンバを介
さず前記バイパスラインを介して前記排気手段により排
出可能としたことを特徴とする。
【0016】上記構成によれば、プラズマ発生室あるい
は輸送管をクリーニングする際に、クリーニングガスを
バイパスラインを介して流すことができるので、処理チ
ャンバを汚染する心配がない。
【0017】また、本発明の第2のプラズマ処理装置
は、第1のガス導入部と、第2のガス導入部と、前記第
1及び第2のガス導入部の間に設けられ、これらのガス
導入部から導入されたガスに電磁波を作用させてプラズ
マを生成するプラズマ発生室と、被処理物を収容し大気
圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な処理チャンバ
と、前記プラズマ発生室の一端と前記処理チャンバとを
接続する輸送管と、排気手段と、前記プラズマ発生室の
他端と前記排気手段とを接続するバイパスラインと、を
備え、前記第1のガス導入部から前記プラズマ発生室に
導入されたガスを前記輸送管及び前記処理チャンバを介
さず前記バイパスラインを介して前記排気手段により排
出可能としたことを特徴とする。
【0018】上記構成によれば、、プラズマ発生室をク
リーニングする際に、クリーニングガスを輸送管も介す
ることなくバイパスラインを介して流すことができるの
で、処理チャンバのみならず輸送管を汚染する心配も解
消される。
【0019】また、本発明の第3のプラズマ処理装置
は、放電管と電磁波導入手段とを有し、前記放電管の中
に導入されたガスに電磁波を作用させてプラズマを生成
するプラズマ発生室と、被処理物を収容し大気圧よりも
減圧された雰囲気を維持可能な処理チャンバと、前記プ
ラズマ発生室と前記処理チャンバとを接続する輸送管
と、前記放電管を加熱する加熱手段と、を備え、前記チ
ャンバ内を大気圧よりも減圧しつつ、前記放電管の内部
において前記プラズマを生成することにより分解したガ
スを前記チャンバ内に導入することにより前記被処理物
を処理可能としたプラズマ処理装置であって、前記加熱
手段により前記放電管を加熱することにより前記放電管
の内壁に堆積した反応生成物を除去可能としたことを特
徴とする。
【0020】上記構成によれば、放電管を大気開放し取
り外して洗浄する必要がなくなり、クリーニングを容易
にして装置のスループットも向上できる。
【0021】また、本発明の第4のプラズマ処理装置
は、放電管と電磁波導入手段とを有し、前記放電管の中
に導入されたガスに電磁波を作用させてプラズマを生成
するプラズマ発生室と、被処理物を収容し大気圧よりも
減圧された雰囲気を維持可能な処理チャンバと、前記プ
ラズマ発生室と前記処理チャンバとを接続する輸送管
と、前記輸送管を加熱する加熱手段と、を備え、前記チ
ャンバ内を大気圧よりも減圧しつつ、前記放電管の内部
において前記プラズマを生成することにより分解したガ
スを前記チャンバ内に導入することにより前記被処理物
を処理可能としたプラズマ処理装置であって、前記加熱
手段により前記輸送管を加熱することにより前記輸送管
の内壁に堆積した反応生成物を除去可能としたことを特
徴とする。
【0022】上記構成によれば、輸送管を大気開放し取
り外してクリーニングする必要がなくなり、クリーニン
グを容易にして装置のスループットも向上できる。
【0023】ここで、上記第3あるいは第4のプラズマ
処理装置において、排気手段と、前記輸送管と前記排気
手段とを接続するバイパスラインと、をさらに備え、前
記加熱手段の加熱により除去された前記反応生成物を前
記処理チャンバを介さず前記バイパスラインを介して前
記排気手段により排出可能としてもよい。
【0024】このようにすれば、放電管あるいは輸送管
のクリーニングに際して、処理チャンバを汚染する心配
が解消される。
【0025】また、上記第3のプラズマ処理装置におい
て、排気手段と、前記輸送管を介することなく前記放電
管と前記排気手段とを接続するバイパスラインと、をさ
らに備え、前記加熱手段の加熱により前記放電管の内壁
から除去された前記反応生成物を前記輸送管及び前記処
理チャンバを介さず前記バイパスラインを介して前記排
気手段により排出可能とすれば、放電管のクリーニング
に際して、輸送管及び処理チャンバを汚染する心配が解
消される。
【0026】また、上記第1乃至第4のプラズマ処理装
置において、前記被処理物を処理するためのプロセスガ
スを前記プラズマ発生室に導入する第1のガス導入手段
と、前記プラズマ発生室あるいは前記輸送管の少なくと
もいずれかをクリーニングするためのクリーニングガス
を前記プラズマ発生室に導入する第2のガス導入手段
と、をさらに備えたものとすれば、プロセスガスとクリ
ーニングガスを適宜切り替えることにより、プラズマ処
理とクリーニング処理を連続的に実施することも可能と
なる。
【0027】一方、本発明の第5のプラズマ処理装置
は、放電管と電磁波導入手段とを有し、前記放電管の中
に導入されたガスに電磁波を作用させてプラズマを生成
するプラズマ発生室と、被処理物を収容し大気圧よりも
減圧された雰囲気を維持可能な処理チャンバと、前記プ
ラズマ発生室と前記処理チャンバとを接続する輸送管
と、を備え、前記チャンバ内を大気圧よりも減圧しつ
つ、前記放電管の内部において前記プラズマを生成する
ことにより分解したガスを前記チャンバ内に導入するこ
とにより前記被処理物を処理可能としたプラズマ処理装
置であって、前記輸送管の内壁が、前記放電管を構成す
る少なくともいずれかの元素と前記ガスとの反応生成物
により被覆されてなることを特徴とする。
【0028】上記構成によれば、輸送管の内壁を反応生
成物により予め被覆しておくことにより、プラズマ処理
を繰り返した場合でも、処理速度の経時的な変動を抑え
ることができる。
【0029】ここで、前記輸送管の温度を所定の範囲に
制御する温度制御機構をさらに備えたものとすれば、輸
送管の温度の変動に起因するプラズマ処理の処理速度の
変動も抑制することができる。
【0030】また、前記放電管は、アルミナからなり、
前記輸送管の内壁がアルミニウムとフッ素との化合物に
より被覆されてなるものとすれば、フッ素系ガスを用い
たエッチング処理を実行するに際して、エッチング処理
を繰り返しても、エッチング速度の経時的な変動を抑え
ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0032】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1
の実施の形態として、放電管のクリーニングのためのバ
イパスラインを設けたプラズマ処理装置について説明す
る。
【0033】図1は、本実施形態にかかるダウンフロー
型プラズマ処理装置の概略構成を表す模式図である。す
なわち、同図に表した装置は、プラズマ処理室10とプ
ラズマ発生室20とが輸送管30により連結された構成
を有する。
【0034】プラズマ処理室10は、排気手段12によ
り減圧雰囲気を維持可能とされ、その内部に配置された
載置台14の上に半導体ウェーハやガラス基板などの被
処理物Wを載置することができる。
【0035】プラズマ発生室20は、例えば図15に関
して前述したような構造を有し、マイクロ波導波管40
から供給されるマイクロ波Mにより、ガス導入口24か
ら導入されるプロセスガスGのプラズマPを励起させ
る。
【0036】プラズマPにより活性化したプロセスガス
Gのラジカルなどの活性種は、輸送管30を通ってプラ
ズマ処理室10内に載置された被処理物Wの表面に到達
し、エッチングやアッシングなどのプラズマ処理が行わ
れる。このようにして、プラズマPに含まれる荷電粒子
などによる被処理物Wへの影響を抑制しつつ、所定のプ
ラズマ処理を施すことができる。
【0037】さて、本実施形態においては、以上説明し
た構成に加えて、輸送管30から分岐したバイパスライ
ン50が設けられている。そしてさらに、輸送管30と
処理室10との間には開閉自在のバルブV1が設けら
れ、また輸送管30とバイパスライン50との間にも開
閉自在のバルブV2が設けられている。
【0038】バイパスライン50の他端は排気手段12
に接続されて排気可能とされている。排気手段12の入
口には、処理室10とバイパスライン50とを切り替え
可能なバルブV3を適宜設けてもよい。
【0039】また、ガス導入口24には、プラズマ処理
のために必要とされるプロセスガスGの供給ラインの他
に、プラズマ発生室20を洗浄するためのクリーニング
ガスCを供給するラインが適宜設けられている。
【0040】以上説明した構成を有するプラズマ処理装
置によれば、通常のプラズマ処理とは別に、クリーニン
グ処理を行うことができる。以下、これらの処理につい
て説明する。
【0041】図2は、プラズマ処理の際の動作を表す模
式図である。すなわち、プラズマ処理の際には、バルブ
V1を開けて輸送管30と処理室10と連通させ、一
方、バルブV2は閉じてバイパスライン50を遮断す
る。また、バルブV3を処理室10側に切り替えて、排
気手段12により処理室10を排気可能な状態とする。
【0042】この状態において、ガス導入口24からプ
ロセスガスGを供給し、プラズマ発生室20においてプ
ロセスガスGのプラズマPを励起させる。そして、この
ようにして得られた活性種を輸送管30を介して処理室
10の被処理物Wに作用させることにより、エッチング
やアッシングなどの所定のプラズマ処理を施すことがで
きる。
【0043】次に、クリーニングの際の動作について説
明する。
【0044】図3は、クリーニング処理の際の動作を表
す模式図である。すなわち、クリーニング処理の際に
は、バルブV1を閉じて輸送管30と処理室10とを遮
断し、バルブV2を開けて輸送管30とバイパスライン
50とを連通させる。また、バルブV3をバイパスライ
ン50側に切り替えて、排気手段12によりバイパスラ
イン50を排気可能な状態とする。
【0045】この状態において、ガス導入口24からク
リーニングガスCを供給し、プラズマ発生室20におい
てプラズマPを励起させる。すると、プラズマ発生室2
0の内壁に堆積した生成物が分解され、輸送管30、バ
イパスライン50を介して排気手段12により除去され
る。
【0046】例えば、プラズマ発生室20の内壁がアル
ミナ(Al)により形成され、プロセスガスGと
して、CFやNFなどのフッ素(F)系ガスを用い
る場合、アルミナに含まれるアルミニウム(Al)がフ
ッ素(F)と反応してフッ化アルミニウム(AlFx)
が生成される。このようにプラズマ発生室20の内壁に
堆積したフッ化アルミニウムを分解するためには、クリ
ーニングガスCとして、酸素(O)を含有したガスを用
いることが有効である。すなわち、酸素を含有したプラ
ズマPを励起させると、フッ化アルミニウムが分解し
て、揮発性のフッ素はバイパスライン50を介して排出
される。その結果として、プラズマ発生室20を洗浄す
ることができる。
【0047】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、装置を大気開放して放電管22を装置から取り外す
必要がなく、バルブV1〜V3の開閉動作のみにより確
実且つ容易にクリーニングできる。またさらに、このク
リーニング処理に際しては、処理室10を遮断した状態
とし、バイパスライン50を介してクリーニングガスC
を排気するので、処理室10を汚染する心配がない。
【0048】その結果として、プラズマ発生室20の洗
浄を迅速且つ容易に行うことができ、プラズマ処理のス
ループットを向上させ、処理品質も高いレベルに維持す
ることが可能となる。
【0049】図4は、本実施形態にかかるプラズマ処理
装置の変型例を表す模式図である。同図については、図
1乃至図3に関して前述したものと同様の要素には同一
の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0050】すなわち、本変型例においては、バイパス
ライン50がバルブV2を介してプラズマ発生室20の
上流側に接続されている。そして、プラズマ発生室20
の上流側にはプロセスガスGを導入するためのガス導入
口24が設けられ、一方、プラズマ発生室20の下流側
にはクリーニングガスCを導入するためのガス導入口2
6が設けられている。
【0051】この装置の動作について説明すると、ま
ず、プラズマ処理の際には、バルブV1を開け、バルブ
V2は閉じた状態とする。また、バルブV3は、処理室
10側に切り替える。この状態において、排気手段12
により処理室10を排気しつつ、ガス導入口24からプ
ロセスガスGを導入して、プラズマ発生室20において
プロセスガスのプラズマPを励起させる。すると、得ら
れた活性種が輸送管30を介して処理室10に導入さ
れ、被処理物Wにプラズマ処理を施すことができる。
【0052】一方、クリーニング処理の際には、バルブ
V1を閉じて、バルブV2を開けた状態とする。また、
バルブV3は、バイパスライン50の側に切り替えた状
態とする。この状態において、排気手段12によりバイ
パスライン50を介して排気しつつ、ガス導入口26か
らクリーニングガスCを導入して、プラズマ発生室20
においてプラズマPを励起させる。すると、プラズマ発
生室20の内壁に堆積した生成物が分解され、バイパス
ライン50を介して排出させることができる。
【0053】本変型例によれば、プラズマ発生室20の
クリーニング処理の際に、輸送管30を介することなく
クリーニングガスCを排出するので、輸送管30の汚染
の虞も解消することができる。
【0054】なお、図1乃至図3において、バルブV1
及びV2は、それぞれ個別のバルブでなく、単一の切り
替えバルブとして構成されていてもよい。
【0055】また同様に、図1乃至図3において、バル
ブV3は、単一の切り替えバルブでなく、それぞれが処
理チャンバ10とバイパスライン50に設けられた2つ
の開閉バルブとして構成されていてもよい。
【0056】また、以上説明した図1乃至図4において
は、同一の排気手段12にバルブV3を設けて処理室1
0とバイパスライン50とを切り替え可能としたが、本
発明はこれに限定されず、処理室10とバイパスライン
50とを、それぞれ個別の排気手段により排気可能とし
てもよい。
【0057】さらにまた、以上説明した図1乃至図4の
構成においても、必ずしもクリーニング中にパイパスラ
インを介して排気しなくても良い場合もあり得る。すな
わち、除去すべき堆積物の性質や堆積量などに応じて
は、バイパスラインを介さずに、処理チャンバを介して
排気しながらクリーニングしてもよい場合もある。
【0058】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態として、放電管や輸送管に加熱手段を付加
することにより、効率的なクリーニングを可能としたプ
ラズマ処理装置について説明する。
【0059】図5は、本実施形態にかかるダウンフロー
型プラズマ処理装置の要部概略構成を表す模式図であ
る。同図については、図1乃至図4に関して前述したも
のと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省
略する。
【0060】すなわち、本実施形態のプラズマ処理装置
も、プラズマ処理室10とプラズマ発生室20とが輸送
管30により連結された構成を有する。そして、プラズ
マ発生室20の放電管22の周囲にヒータ60が設けら
れ、放電管22を加熱可能としている。
【0061】本実施形態の装置の場合も、プラズマ処理
に際しては、プロセスガスGを導入し、プラズマ発生室
20においてプラズマPを励起させて、得られた活性種
を処理室10に導入することにより、エッチングなどの
各種の処理を行うことができる。 一方、クリーニング
に際しては、ヒータ60により放電管22を加熱した状
態でクリーニングガスCを供給する。すると、放電管2
2の内壁に堆積した生成物が蒸発してクリーニングガス
Cにより輸送され、排気手段12により排出される。
【0062】例えば、アルミナからなる放電管22の内
壁に生成物としてフッ化アルミニウムが堆積した場合、
100パスカル程度の圧力において放電管22を500
℃以上に加熱すると、図6に表したように、フッ化アル
ミニウムDが顕著に蒸発する。本発明者の検討によれ
ば、放電管22を800℃程度まで加熱すると、極めて
迅速にフッ化アルミニウムを除去できることが分かっ
た。
【0063】このように蒸発したフッ化アルミニウム
は、排気手段12により排出され、放電管22を洗浄す
ることができる。このように生成物を蒸発させて輸送す
る場合、クリーニングガスCを蒸発物のキャリアガスと
して用いることとなる。この場合には、クリーニングガ
スCとしては、例えばアルゴン(Ar)などの不活性ガ
スを用いることができる。
【0064】一方、クリーニングガスCとして、放電管
22の内壁に堆積した生成物を分解するガスを用いても
よい。例えば、酸素を含有したガスを流すと、フッ化ア
ルミニウムが分解されて揮発性のフッ素が生成される。
従って、ヒータ60による加熱蒸発の効果と相乗して洗
浄効果をさらに上げることが可能となる。
【0065】一方、本実施形態においては、プラズマ発
生室20のみならず、輸送管30にヒータを付加しても
よい。
【0066】図7は、輸送管30にヒータを付加したプ
ラズマ処理装置の要部構成を例示する模式図である。こ
のように、輸送管30にヒータ60を設けて加熱するこ
とにより、輸送管30の内壁に付着した生成物も蒸発・
分解させて除去することができる。
【0067】また、このように輸送管30も加熱可能と
すれば、プラズマ発生室20のクリーニングの際に蒸発
した生成物が輸送管30の内壁に再付着することも防ぐ
ことができる。
【0068】またさらに、本実施形態において、第1実
施形態に関して前述したバイパスラインを付加してもよ
い。
【0069】図8及び図9は、本実施形態にバイパスラ
インを付加したプラズマ処理装置の要部構成を例示する
模式図である。これらの図については、図1乃至図7に
関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付し
て詳細な説明は省略する。
【0070】ここで、図8に例示した構成は図1に対応
し、図9に例示した構成は図4に対応する。
【0071】すなわち、図8に例示した装置の場合、バ
ルブV1を閉じて処理室10を遮断した状態で、プラズ
マ発生室20や輸送管30の加熱クリーニングが可能と
なる。
【0072】また、図9に例示した装置の場合、バルブ
V1を閉じて輸送管30と処理室10を遮断した状態
で、プラズマ発生室20の加熱クリーニングが可能とな
る。
【0073】その結果として、プラズマ発生室20(あ
るいは輸送管30)においてヒータ60により加熱され
て蒸発した生成物による処理室10の汚染を防ぐことが
できる。
【0074】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態として、プラズマ発生室において生成され
る反応生成物と同一の物質により輸送管の内壁を被覆す
ることにより、プラズマ処理の速度の変動を抑制したプ
ラズマ処理装置について説明する。
【0075】図10は、本実施形態にかかるダウンフロ
ー型プラズマ処理装置の要部概略構成を表す模式図であ
る。同図についても、図1乃至図9に関して前述したも
のと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省
略する。
【0076】すなわち、本実施形態のプラズマ処理装置
も、プラズマ処理室10とプラズマ発生室20とが輸送
管30により連結された構成を有する。但し、本実施形
態においては、輸送管30の内壁面上に被覆層70が設
けられている。被覆層70は、プラズマ処理に際してプ
ラズマ発生室20において生成される反応生成物と同一
の材料からなる。従って、その材料は、プラズマ発生室
20の放電管の材料と、プラズマ処理の際に導入するプ
ロセスガスGとの組み合わせにより適宜決定される。
【0077】例えば、放電管22の材料としてアルミナ
を用い、プロセスガスとしてCFなどのフッ素(F)
系ガスを用いる場合は、前述したように、プラズマPの
励起により、フッ化アルミニウム(AlFx)が反応生
成物として生成される。従って、この場合には、輸送管
30の内壁をフッ化アルミニウムからなる被覆層70に
より覆う。
【0078】このような被覆層70により輸送管30の
内壁を被覆すると、プラズマ処理速度の変動を抑えるこ
とができる。これは、このような被覆層70を設けるこ
とにより、輸送管30における活性種の失活の程度を一
定に維持できるからであるとと考えられる。
【0079】すなわち、ダウンフロー型の装置の場合、
プラズマ発生室20で生成された活性種が処理室10に
輸送される途中に金属材料が露出していると活性種が反
応して失活し、被処理物Wに対する処理速度が顕著に低
下するという問題がある。このため、これまでは、輸送
管30の内壁面は、活性種と反応しにくい材料、例え
ば、四弗化樹脂(PTFE)またはアルミナ等のセラミ
ック材料などにより形成されていた。
【0080】しかし、本発明の独自の検討の結果、輸送
管30の内壁面を活性種と反応しにくい材料で構成した
場合でも、プラズマ処理を繰り返すと、経時的に処理速
度の低下が生ずることが分かった。そして、この原因
は、放電管22を構成する材料とプロセスガスGとの反
応生成物が輸送管30の内壁面に堆積するためであるこ
とが判明した。つまり、このような反応生成物も、活性
種を失活させる作用を有するために、反応生成物が輸送
管30の内壁面に堆積すると、これに触れた活性種が失
活して処理速度が低下する。その結果として、輸送管3
0の内壁面が清浄な状態と比較して処理速度の変動が生
ずることとなる。
【0081】そこで、本実施形態においては、輸送管3
0の内壁を反応生成物と同一の材料からなる被覆層70
により予め覆っておく。このようにすれば、輸送管30
における活性種の失活の程度は最初から一定であるの
で、プラズマ処理を繰り返しても処理速度は変動しな
い。換言すると、プラズマ処理の速度を最初から安定レ
ベルに低下させておくことにより、速度の変動を抑える
ことができる。
【0082】本発明者は、実験により本実施形態の効果
を確認した。
【0083】図11は、本実験において用いた放電管2
2及び輸送管30の一部を表す模式断面図である。ここ
で、本実験においては、放電管22としてアルミナ管を
用い、輸送管30の内壁面に、それぞれ金属(SUS3
16L)、石英(A5052)、四フッ化テフロン(登
録商標)(PTFE)、およびフッ化アルミニウム(A
lF)がそれぞれ露出したものを用いて比較した。ま
た、放電管22と輸送管30とは、継ぎ手28により接
続され、Oリング29により気密が維持されている。
【0084】そして、プロセスガスGとして、四フッ化
炭素(CF)と酸素(O2)とを3:1の割合で混合
したガスを用い、圧力40パスカル(Pa)、マイクロ
波の投入パワー700Wの条件でプラズマを生成し、直
径200mmのシリコン(Si)ウェーハに1分間のエ
ッチング処理を繰り返した。
【0085】図12は、この実験の結果を表すグラフ図
である。すなわち、同図の横軸は処理回数、縦軸はシリ
コンウェーハのエッチング速度をそれぞれ表す。
【0086】この結果から、まず、輸送管30の内壁面
に金属(SUS316L)が露出している場合(長破
線)は、プラズマ処理を繰り返すに従って、エッチング
速度が上昇することが分かる。これは、反応生成物であ
るフッ化アルミニウムよりも金属のほうが活性種を失活
させる作用が強いからである。つまり、プラズマ処理を
繰り返して輸送管30の内壁がフッ化アルミニウムが徐
々に堆積するに従って、活性種の失活の程度が低下する
ために、エッチング速度が増加の方向に変動する。
【0087】次に、輸送管30の内壁面に石英(A50
52)を露出させた場合(短破線)と四フッ化テフロン
(PTFE)を露出させた場合(一点鎖線)について見
ると、エッチング速度が徐々に低下していることが分か
る。これは、これらの材料は、反応生成物であるフッ化
アルミニウムよりも活性種を失活させにくいからであ
る。つまり、当初は、輸送管30の内壁にこれらの材料
が露出しているために、活性種の失活が少ないものの、
プラズマ処理を繰り返して輸送管30の内壁にフッ化ア
ルミニウムが堆積するに従って活性種の失活が増えてエ
ッチング速度が低下の方向に変動する。
【0088】これに対して、輸送管30の内壁をフッ化
アルミニウムにより被覆した場合(実線)は、当初から
エッチング速度がやや低めであるものの、エッチング処
理を繰り返してもエッチング速度の変動は小さく、極め
て安定した処理を継続的に行うことができる。
【0089】このように、本実施形態によれば、半導体
装置や液晶ディスプレイをはじめとした各種の製造現場
において、極めて精密かつ高い再現性が要求されるエッ
チング工程を高い歩留まりで実施することが可能とな
る。
【0090】またさらに、本発明者は、輸送管30の内
壁における活性種の失活が、その内壁面の温度に依存す
ることも見いだした。具体的には、例えば、輸送管30
の温度が上昇すると活性種の失活が顕著となる現象が見
られた。
【0091】図13は、かかる知見に基づいて得られた
本実施形態の変型例にかかるプラズマ処理装置の要部を
表す模式図である。すなわち、本変型例においては、輸
送管30の周囲に、温度制御機構80が設けられてい
る。この温度制御機構80は、輸送管30の温度を所定
の範囲に維持する役割を有する。従って、加熱手段を調
節することにより、周囲温度よりも高い所定の温度範囲
に維持するように制御してもよく、または、冷却手段を
調節することにより、周囲温度よりも低い所定の温度範
囲に維持するように制御してもよい。または、加熱手段
と冷却手段とを適宜調節することにより、任意の温度範
囲に維持可能としてもよい。
【0092】このような温度制御機構80を設けること
により、輸送管30の温度の変動を抑え、その結果とし
て、プラズマ処理の速度の変動を抑制することができ
る。
【0093】図14は、本発明者が行った実験の結果を
表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は時間、縦
軸はエッチング速度をそれぞれ表す。ここでは、シリコ
ンウェーハのエッチングを所定の回数だけ繰り返した後
に、所定の時間だけ装置を休止させ、しかる後にまたシ
リコンウェーハのエッチングを所定の回数だけ繰り返
す、という動作を繰り返した。また、ここで、輸送管3
0の内壁は、フッ化アルミニウムにより予め被覆した。
【0094】図14を見ると、輸送管30に温度制御機
構80を設けない場合(破線)は、時間の経過ととも
に、まずエッチング速度が低下し、しかる後に上昇する
というサイクルを繰り返すことが分かる。このエッチン
グ速度の低下は、プラズマ処理を繰り返している期間に
対応し、輸送管30の温度が徐々に上昇することにより
活性種の失活が増加することに起因するものと考えられ
る。そして、休止期間に輸送管30の温度が低下するこ
とにより、エッチング速度は、当初のレベルまで回復す
る。
【0095】これに対して、温度制御機構80を設けて
輸送管30の温度を約100℃程度に維持した場合(実
線)は、エッチング速度の変動は極く微小の範囲に抑え
られている。
【0096】このように、温度制御機構80を設けるこ
とより、輸送管30の温度の変動に起因するプラズマ処
理速度の変動を抑制し、より安定した高い再現性のプラ
ズマ処理を継続的に実施することが可能となる。
【0097】以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の
形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具
体例に限定されるものではない。
【0098】例えば、本発明のプラズマ処理装置が備え
るプラズマ発生室、輸送管、プラズマ処理室をはじめと
する各要素の構造や形状、配置関係、材質などに関して
は、上記具体例に限定されず、当業者が適宜選択採用し
たものも本発明の範囲に包含される。
【0099】より具体的には、例えば、放電管と導波管
との関係や、処理室におけるエッチングガスの導入部と
被処理物と排気口との配置関係などについても、当業者
が適宜設計変更したものは本発明の範囲に包含される。
【0100】その他、本発明の要素を具備し、当業者が
適宜設計変更しうる全てのエッチング装置は本発明の範
囲に包含される。
【0101】
【発明の効果】本発明は、以上説明した形態で実施さ
れ、以下に説明する効果を奏する。
【0102】まず、本発明によれば、クリーニングガス
を排出するためのバイパスラインを設けることにより、
装置を大気開放して放電管や輸送管を装置から取り外す
必要がなく、バルブの開閉動作のみにより確実且つ容易
にクリーニングできる。
【0103】またさらに、このクリーニング処理に際し
ては、処理室を遮断した状態とし、バイパスラインを介
してクリーニングガスを排気するので、処理室を汚染す
る心配も解消される。その結果として、プラズマ発生室
の洗浄を迅速且つ容易に行うことができ、プラズマ処理
のスループットを向上させ、処理品質も高いレベルに維
持することが可能となる。
【0104】また、本発明によれば、放電管から輸送管
を介することなくクリーニングガスを排出できるバイパ
スラインを設けることにより、プラズマ発生室のクリー
ニング処理の際に、輸送管の汚染の虞も解消することが
できる。
【0105】また、本発明によれば、放電管を加熱する
ことにより、フッ化アルミニウムなどの反応生成物を迅
速に蒸発させて除去することが可能となる。
【0106】また、本発明によれば、輸送管の内壁を反
応生成物と同一の材料からなる被覆層により予め覆って
おくことにより、輸送管における活性種の失活の程度を
最初から一定とし、プラズマ処理を繰り返しても処理速
度は変動せず、安定したプラズマ処理を継続的に実施で
きる。
【0107】特に、近年の半導体装置や液晶ディスプレ
イの製造に際しては、素子サイズの微細化などにより、
極めて精密なエッチングや表面処理などのプラズマ処理
が要求される場合も多く、これに対処するための高い再
現性や安定性を有するプラズマ処理装置が必要とされて
いる。本発明によれば、このような要求に応えるプラズ
マ処理装置を提供できる。
【0108】以上説明したように、本発明によれば、シ
ンプルな装置構成により安定した精密なプラズマ処理を
継続的に再現可能なプラズマ処理装置を提供することが
でき、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるダウンフロー
型プラズマ処理装置の概略構成を表す模式図である。
【図2】プラズマ処理の際の動作を表す模式図である。
【図3】クリーニング処理の際の動作を表す模式図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかるプラズマ処理
装置の変型例を表す模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかるダウンフロー
型プラズマ処理装置の要部概略構成を表す模式図であ
る。
【図6】放電管22において加熱によりフッ化アルミニ
ウムDが顕著に蒸発する様子を表す概念図である。
【図7】輸送管30にヒータを付加したプラズマ処理装
置の要部構成を例示する模式図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にバイパスラインを付
加したプラズマ処理装置の要部構成を例示する模式図で
ある。
【図9】本発明の第2の実施形態にバイパスラインを付
加したプラズマ処理装置の要部構成を例示する模式図で
ある。
【図10】本発明の第3の実施形態にかかるダウンフロ
ー型プラズマ処理装置の要部概略構成を表す模式図であ
る。
【図11】本発明者の実験において用いた放電管22及
び輸送管30の一部を表す模式断面図である。
【図12】本発明の実験の結果を表すグラフ図である。
【図13】本発明の知見に基づいて得られた本実施形態
の変型例にかかるプラズマ処理装置の要部を表す模式図
である。
【図14】本発明者が行った実験の結果を表すグラフ図
である。
【図15】従来のダウンフロー型プラズマ処理装置の概
略構成を表す模式図である。
【符号の説明】
10 処理チャンバ 12 排気手段 14 載置台 20 プラズマ発生室 22 放電管 24、26 ガス導入口 28 継ぎ手 29 Oリング 30 輸送管 40 マイクロ波導波管 50 バイパスライン 60 ヒータ 70 被覆層 80 温度制御機構 110 プラズマ処理室 110 処理室 112 排気手段 114 載置台 120 プラズマ発生室 120A プラズマ発生領域 120C スリット 122 放電管 124 ガス導入口 130 輸送管 140 導波管 C クリーニングガス D フッ化アルミニウム G プロセスガス M マイクロ波 P プラズマ V1〜V3 バルブ W 被処理物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 端生 神奈川県横浜市栄区笠間二丁目5番1号 芝浦メカトロニクス株式会社内 Fターム(参考) 4K030 DA06 EA03 EA11 FA02 KA30 5F004 AA15 BA20 BB14 BB18 BB28 BC02 BC03 CA01 CA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス導入部と、 前記ガス導入部から導入されたガスに電磁波を作用させ
    てプラズマを生成するプラズマ発生室と、 被処理物を収容し大気圧よりも減圧された雰囲気を維持
    可能な処理チャンバと、 前記プラズマ発生室と前記処理チャンバとを接続する輸
    送管と、 排気手段と、 前記輸送管と前記排気手段とを接続するバイパスライン
    と、 を備え、 前記ガス導入部から導入されたガスを前記処理チャンバ
    を介さず前記バイパスラインを介して前記排気手段によ
    り排出可能としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】第1のガス導入部と、 第2のガス導入部と、 前記第1及び第2のガス導入部の間に設けられ、これら
    のガス導入部から導入されたガスに電磁波を作用させて
    プラズマを生成するプラズマ発生室と、 被処理物を収容し大気圧よりも減圧された雰囲気を維持
    可能な処理チャンバと、 前記プラズマ発生室の一端と前記処理チャンバとを接続
    する輸送管と、 排気手段と、 前記プラズマ発生室の他端と前記排気手段とを接続する
    バイパスラインと、 を備え、 前記第1のガス導入部から前記プラズマ発生室に導入さ
    れたガスを前記輸送管及び前記処理チャンバを介さず前
    記バイパスラインを介して前記排気手段により排出可能
    としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】放電管と電磁波導入手段とを有し、前記放
    電管の中に導入されたガスに電磁波を作用させてプラズ
    マを生成するプラズマ発生室と、 被処理物を収容し大気圧よりも減圧された雰囲気を維持
    可能な処理チャンバと、 前記プラズマ発生室と前記処理チャンバとを接続する輸
    送管と、 前記放電管を加熱する加熱手段と、 を備え、 前記チャンバ内を大気圧よりも減圧しつつ、前記放電管
    の内部において前記プラズマを生成することにより分解
    したガスを前記チャンバ内に導入することにより前記被
    処理物を処理可能としたプラズマ処理装置であって、 前記加熱手段により前記放電管を加熱することにより前
    記放電管の内壁に堆積した反応生成物を除去可能とした
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】放電管と電磁波導入手段とを有し、前記放
    電管の中に導入されたガスに電磁波を作用させてプラズ
    マを生成するプラズマ発生室と、 被処理物を収容し大気圧よりも減圧された雰囲気を維持
    可能な処理チャンバと、 前記プラズマ発生室と前記処理チャンバとを接続する輸
    送管と、 前記輸送管を加熱する加熱手段と、 を備え、 前記チャンバ内を大気圧よりも減圧しつつ、前記放電管
    の内部において前記プラズマを生成することにより分解
    したガスを前記チャンバ内に導入することにより前記被
    処理物を処理可能としたプラズマ処理装置であって、 前記加熱手段により前記輸送管を加熱することにより前
    記輸送管の内壁に堆積した反応生成物を除去可能とした
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】排気手段と、 前記輸送管と前記排気手段とを接続するバイパスライン
    と、 をさらに備え、 前記加熱手段の加熱により除去された前記反応生成物を
    前記処理チャンバを介さず前記バイパスラインを介して
    前記排気手段により排出可能としたことを特徴とする請
    求項3または4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】排気手段と、 前記輸送管を介することなく前記放電管と前記排気手段
    とを接続するバイパスラインと、 をさらに備え、 前記加熱手段の加熱により前記放電管の内壁から除去さ
    れた前記反応生成物を前記輸送管及び前記処理チャンバ
    を介さず前記バイパスラインを介して前記排気手段によ
    り排出可能としたことを特徴とする請求項3記載のプラ
    ズマ処理装置。
  7. 【請求項7】前記被処理物を処理するためのプロセスガ
    スを前記プラズマ発生室に導入する第1のガス導入手段
    と、 前記プラズマ発生室あるいは前記輸送管の少なくともい
    ずれかをクリーニングするためのクリーニングガスを前
    記プラズマ発生室に導入する第2のガス導入手段と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か1つに記載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】放電管と電磁波導入手段とを有し、前記放
    電管の中に導入されたガスに電磁波を作用させてプラズ
    マを生成するプラズマ発生室と、 被処理物を収容し大気圧よりも減圧された雰囲気を維持
    可能な処理チャンバと、 前記プラズマ発生室と前記処理チャンバとを接続する輸
    送管と、 を備え、 前記チャンバ内を大気圧よりも減圧しつつ、前記放電管
    の内部において前記プラズマを生成することにより分解
    したガスを前記チャンバ内に導入することにより前記被
    処理物を処理可能としたプラズマ処理装置であって、 前記輸送管の内壁が、前記放電管を構成する少なくとも
    いずれかの元素と前記ガスとの反応生成物により被覆さ
    れてなることを特徴とするプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】前記輸送管の温度を所定の範囲に制御する
    温度制御機構をさらに備えたことを特徴とする請求項8
    記載のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】前記放電管は、アルミナからなり、 前記輸送管の内壁がアルミニウムとフッ素との化合物に
    より被覆されてなることを特徴とする請求項8または9
    に記載のプラズマ処理装置。
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