JP5157701B2 - 表面処理方法 - Google Patents
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Description
このスパッタ法によって得られた無機配向膜に対して、脂肪族アルコールやシランカップリング剤で表面処理する方法が開示されている(例えば、特許文献1,2)。
本発明によれば、付着物除去装置が成膜室内に設けられていることから、被処理基板が配置される成膜室に対する付着物を除去することができるので、被処理基板上に異物が付着して品質が低下してしまうのを防止することができる。
本発明によれば、付着物除去装置が、成膜室に対して着脱可能に設けられていることから、成膜室に対して付着物の除去を行う場合にのみ、成膜室内に付着物除去装置を配置することができる。表面処理時には、付着物除去装置を成膜室内に配置させないことでその表面に処理剤が付着してしまうようなことがない。
本発明によれば、付着物除去装置が、処理剤供給装置と成膜室とを接続する配管に設けられていることから、成膜室だけでなく配管内の付着物や残留物も除去することができるので、流動経路内を効率よくメンテナンスすることが可能となる。
本発明によれば、付着物除去装置が、流動経路を加熱する加熱装置であることから、流動経路内に付着した付着物を分解させることができので、より効果的に付着物を除去することができる。
本発明によれば、付着物除去装置が、流動経路にオゾンを供給するオゾン供給装置であることから、流動経路内の付着物を短時間で除去することが可能となる。また、加熱装置による加熱と併用することにより、より効果的に付着物を分解除去することができる。
本発明によれば、付着物除去装置が、流動経路の壁面に紫外線を照射する紫外線照射装置であることから、流動経路内の付着物を短時間で除去することが可能となる。また、加熱装置と併用することにより、より効果的に付着物を分解除去することができる。
本発明によれば、付着物除去装置が、流動経路内にプラズマを発生するプラズマ発生装置であることから、流動経路内の付着物を短時間で除去することが可能となる。また、加熱装置による加熱と併用することにより、より効果的に付着物を分解除去することができる。
本発明によれば、成膜室の内部に対して支持部材を進退させる搬送装置を備え、支持部材には、被処理基板を支持する基板支持体と、付着物除去装置とが相互に交換可能に装着されることから、流動経路に対する付着物の除去作業と被処理基板に対する表面処理とを交互に行うことができる。また、付着物除去装置による流動経路に対する付着物除去処理と、基板支持体に対する基板の入れ替え作業を並行して行うことができるので作業効率が向上する。
本発明によれば、流動経路内にキャリアガスを供給するガス供給装置を有し、流動経路上には、キャリアガスの流量を制御する流量制御装置が設けられていることから、キャリアガスの供給量を付着物の除去に最適な供給量に制御することが可能である。
本発明によれば、配管の前記成膜室近傍から分岐する第2の配管を有することから、気化した処理剤を成膜室へ流入させることなく流動させることが可能となる。これにより、成膜室内に被処理基板が配置された状態であっても、配管に対して付着物の除去作業を行うことができる。
本発明によれば、第2の配管が、減圧装置に接続されていることから、第2の配管内、すなわちこれに接続する上記配管(処理剤供給装置に接続される配管)内を減圧した状態で付着物の除去作業を行うことができる。減圧雰囲気のもと加熱装置により上記配管を加熱することによって、付着物の除去効率をさらに向上させることができる。
力下で処理剤を気化させ、前記処理剤の雰囲気に無機膜を有する被処理基板を晒すことで
前記無機膜上に前記処理剤の被膜を形成する表面処理工程と、前記気化した処理剤の流動
経路を付着物除去装置によりクリーニングを実施するクリーニング工程と、を有すること
を特徴とする。
本発明は、上記した表面処理装置を用いた表面処理方法であって、大気圧よりも低い圧力下で処理剤を気化させ、前記処理剤の雰囲気に被処理基板を晒すことで前記被処理基板上に前記処理剤の被膜を形成する表面処理工程を有し、前記表面処理工程では、前記被処理基板が配置された成膜室内の気体を循環させ、前記気化した処理剤を排気しながら供給し、前記表面処理工程よりも前に、前記被処理基板の表面の水分を除去する水分除去工程と、前記被処理基板の表面に水分を供給する水分供給工程とを順に実行することを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング工程は、表面処理工程を複数回繰り返す際の工程間に実行されることから、表面処理工程毎に流動経路内の付着物を適宜除去することができ、表面処理前の被処理基板の表面上に異物が付着して、表面処理後の被処理基板の品質が低下してしまうのを防止することができる。
本発明によれば、クリーニング工程は、表面処理工程中に実行されることから、流動経路内の付着物を適宜除去することができ、表面処理が完了する前の被処理基板上に異物が付着して、表面処理後の被処理基板の品質が低下してしまうのを防止することができる。
図1は、表面処理装置1の概略構成を示すブロック図、図2は、本実施形態の表面処理装置1の概略構成を示す模式図である。
図1および図2に示すように、表面処理装置1は、無機膜10を有する基板W(被処理基板)に対して気化したシランカップリング剤Y2を導入して表面処理を行うことにより、基板W上に無機配向膜を形成する装置であって、処理剤供給装置2と、成膜室3と、ポンプ5(減圧装置)と、制御装置7と、バルブ8と、基板支持体12と、搬送装置11と、流量制御装置15と、複数の付着物除去装置40とを備えている。
このRとしては非常に選択の幅が広く、シランカップリング剤として例えば、オクタデシルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−トリフルオロメチルフェニルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを好適に用いることができる。また、オクチルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びトリデカフルオロテトラヒドロオクチルトリエトキシシラン等も用いることもできる。
そこで本実施形態では、気化したシランカップリング剤Y2が流動する流動経路44上に備えられた付着物除去装置40(41〜43)によって、流動経路44に対するシランカップリング剤Y2の付着物や残留物を除去できる構成となっている。
次に、本発明にかかる表面処理装置1を用いた表面処理方法の一例について説明する。
図4は、基板Wに対する表面処理の説明図である。なお、図4においてはシランカップリング剤の反応状態を模式的に示す図である。また、以下の説明においては、図1および図2を適宜参照する。
「処理条件」
シランカップリング剤:Octadecyl-trimethoxySilane
(オクタデシルトリメトキシシラン)
処理温度:150℃
処理時間:6hrs
処理圧力:100〜200Pa
図4(a)に示すように、無機膜10の表面には分極した水酸基が多数存在し、シラノール基(Si−OH)を形成している。特にその親水性のシラノール基の存在により、図中の破線で示す領域Rに水(湿気)が存在し易くなっている。この状態で表面処理を行うと、基板W上の水分など(付着水や揮発性の汚染物質)による影響を受けてシランカップリング剤Y2が未反応となる領域が発生してしまう。このような表面処理の不都合を回避すべく、本実施形態では無機膜10上の水分(付着水や揮発性の汚染物質)等を除去する。
以下、表面処理が終了するまで、成膜室3内(基板W)の温度を維持する。
ポンプ5は前工程に引き続き駆動させておく。加えて、制御装置7によってバルブ8を開状態にすることで、ポンプ5の作用により気化容器210内が大気圧よりも低い圧力となる。本工程では、減圧雰囲気下において、貯留されているシランカップリング剤Y1を処理剤加熱部212で加熱することによってシランカップリング剤Y1を気化させる。このような減圧雰囲気下において加熱することによって、シランカップリング剤Y1の気化速度を高めることが可能である。
成膜室3内は、シランカップリング剤Y2とキャリアガスの導入によって100〜200Pa程度になる。具体的には、成膜室3に対してキャリアガス(シランカップリング剤Y2)の導入および排出を所定時間並行して行い、成膜室3内の減圧雰囲気を一定にする。なお、必要に応じてポンプ5による排気量を調整する。
また、未反応のシランカップリング剤Y2を気相状態のまま排出させることができるので、シランカップリング剤由来の付着物が成膜室3内に残存するのを抑制できる。
以上のようにして、基板Wの表面がシランカップリング剤によって表面処理される。
以下、クリーニング工程における各実施例1〜3について説明する。以下の説明においては、図1および図3を適宜参照する。
(クリーニングの処理条件)
加熱温度:約200℃(表面処理温度以上)
加熱時間:8hrs
キャリアガス:N2
キャリアガスの供給量:1SLM
処理圧力:300Pa
実施例1では、まず、基板Wに対する表面処理が終了した後、搬送装置11により成膜室3内から基板支持体12を搬出させ、成膜室3内に配置される基板支持体12から表面処理が施された基板Wを取り出した後、空になった基板支持体12を再び成膜室3内に配置する。さらに、気化容器210内からシランカップリング剤Y1も排出させる。
実施例2では、まず、基板Wに対する表面処理が終了した後、搬送装置11により成膜室3内から基板支持体12を搬出させ、搬送装置11に装着されている基板支持体12を分解除去装置43と交換して、分解除去装置43を成膜室3内に収容する。ここでも、シランカップリング剤Y1を気化容器210から排出させておく。
分解除去装置43が、プラズマ発生装置である場合には、成膜室3内にO2プラズマを発生させることにより成膜室3内の付着物を除去する。
分解除去装置43が、UV照射装置である場合には、成膜室3の壁面に向かって紫外線を照射することにより成膜室3内の付着物を除去する。
分解除去装置43が、オゾン供給装置である場合には、成膜室3内にオゾンガスを供給することにより成膜室3内の付着物を除去する。オゾン供給装置は、成膜室3内だけでなく流動経路44の略全体に活性酸素(オゾン)を行き渡らせることができるため、より短時間でクリーニング処理を終了させることが可能である。
このようにして、分解除去装置43を用いて流動経路44に対してクリーニング処理を行う。
実施例3では、まず、基板Wに対する表面処理が終了した後、搬送装置11に装着されている基板支持体12を分解除去装置43と交換して、成膜室3内に分解除去装置43を収容する。ここでも、シランカップリング剤Y1を気化容器210から排出させておく。
そして、配管加熱装置41、成膜室加熱装置42、分解除去装置43を同時に駆動させることでクリーニング処理を実施する。
なお、成膜室3内に、基板支持体12に代えて分解除去装置43を配置するとしたが、分解除去装置43と一緒に、基板Wを保持していない基板支持体12を成膜室3内に配置させてもよい。
なお、減圧雰囲気下において加熱を行うようにしたが、真空雰囲気下あるいは大気圧下で行うようにしてもよい。真空雰囲気にするにはキャリアガスの供給を停止してポンプ5のみを駆動させればよい。
次に、表面処理を行った後のサンプル基板および表面処理を行う前のサンプル基板に対し、各表面上の数箇所の純水接触角をデータとしてそれぞれ取得して比較した。
この結果、表面処理前のサンプル基板の純水接触角の平均値が5度以下であったのに対し、表面処理を行った後のサンプル基板の純水接触角の平均値は40〜100度に上昇した。また、連続して複数のサンプル基板に対して表面処理を行い、基板毎の純水接触角を比較した。ここでは、表面処理工程を5回以上繰り返して行い、各回の処理で得られた基板W間の純水接触角のバラツキは±5度以内であった。
これにより、基板に対して表面処理を行う際、流動経路44上の付着物や残留物の影響を受けることなく、基板上に良好な被膜を形成することができる。
次に、第2実施形態の表面処理装置について述べる。本実施形態では、第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5は、第2実施形態の表面処理装置の概略構成を示す断面図である。
本実施形態の表面処理装置60を用いて表面処理を行う場合には、上記実施形態同様、流動経路44内に気化したシランカップリング剤Y2を供給する。具体的には、処理剤気化装置21によって生成したシランカップリング剤Y2を、キャリアガスとともに成膜室3内に流入させることによって処理を行う。
Claims (14)
- 被処理基板を配置する成膜室と、
気化した処理剤を前記成膜室に供給する処理剤供給装置と、
前記成膜室内を減圧する減圧装置と、を有し、
前記気化した処理剤の流動経路上に、当該流動経路に対する付着物を除去する付着物除去装置が設けられ、
前記付着物除去装置が、前記処理剤供給装置と前記成膜室とを接続する配管に設けられていることを特徴とする表面処理装置。 - 前記成膜室の内部に対して支持部材を進退させる搬送装置を備え、
前記支持部材には、前記被処理基板を支持する基板支持体と、前記付着物除去装置とが相互に交換可能に装着されることを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。 - 前記付着物除去装置が前記成膜室内に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の表面処理装置。
- 前記付着物除去装置が、前記成膜室に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3記載の表面処理装置。
- 前記付着物除去装置が、前記流動経路を加熱する加熱装置であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表面処理装置。
- 前記付着物除去装置が、前記流動経路にオゾンを供給するオゾン供給装置であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表面処理装置。
- 前記付着物除去装置が、前記流動経路の壁面に紫外線を照射する紫外線照射装置であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表面処理装置。
- 前記付着物除去装置が、前記流動経路内にプラズマを発生するプラズマ発生装置であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表面処理装置。
- 前記流動経路内にキャリアガスを供給するガス供給装置を有し、
前記流動経路上には、前記キャリアガスの流量を制御する流量制御装置が設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の表面処理装置。 - 前記配管の前記成膜室近傍から分岐する第2の配管を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の表面処理装置。
- 前記第2の配管が、前記減圧装置に接続されていることを特徴とする請求項10記載の表面処理装置。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の表面処理装置を用いた表面処理方法であって、
大気圧よりも低い圧力下で処理剤を気化させ、前記処理剤の雰囲気に無機膜を有する被処理基板を晒すことで前記無機膜上に前記処理剤の被膜を形成する表面処理工程と、
前記気化した処理剤の流動経路を付着物除去装置によりクリーニングを実施するクリーニング工程と、を有することを特徴とする表面処理方法。 - 前記クリーニング工程は、前記表面処理工程を複数回繰り返す際の工程間に実行されることを特徴とする請求項12記載の表面処理方法。
- 前記クリーニング工程は、前記表面処理工程中に実行されることを特徴とする請求項12記載の表面処理方法。
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