以下、実施形態の保守支援システム及び保守支援方法を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の保守支援システム1の構成例を示す図である。保守支援システム1は、複数の画像形成装置100及び保守支援装置300を備える。画像形成装置100は、消耗品を用いてシート上に画像を形成する装置である。画像形成装置100は、例えば複合機である。保守支援装置300は、画像形成装置100毎の保守の優先度を決定する装置である。画像形成装置100及び保守支援装置300はネットワーク400を介して互いに通信可能に接続される。以下、各装置について詳細に説明する。
図2は、実施形態の画像形成装置100のハードウェアブロック図である。まず、図1及び図2を用いて画像形成装置100について詳細に説明する。画像形成装置100は、ディスプレイ110、コントロールパネル120、プリンタ部130、シート収容部140、外部インターフェース151、メモリ152、記憶装置153、プロセッサ154及び画像読取部200を備える。なお、画像形成装置100のプリンタ部130は、トナー像を定着させる装置であってもよいし、インクジェット式の装置であってもよい。なお、各機能部は、システムバス160を介してデータ通信可能に接続されている。
画像形成装置100は、トナーやインク等の現像剤を用いてシート上に画像を形成する。現像剤がトナーである場合には、現像剤は加熱されることによってシート上に定着される。現像剤がインクである場合には、現像剤はシート上に滴下されることによってシート上に画像が形成される。シートは、例えば紙やラベル用紙である。シートは、その表面に画像形成装置100が画像を形成できる物であればどのような物であってもよい。トナーの例として、消色トナー、非消色トナー(通常のトナー)、加飾性トナー等がある。現像剤は、画像形成装置100において使用される消耗品の具体例の一つである。
ディスプレイ110は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ110は、画像形成装置100に関する種々の情報を表示する。
コントロールパネル120は、複数のボタンを有する。コントロールパネル120は、ユーザの操作を受け付ける。コントロールパネル120は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を、画像形成装置100の制御部に出力する。なお、ディスプレイ110とコントロールパネル120とは一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
プリンタ部130は、画像読取部200によって生成された画像情報又は通信路を介して受信された画像情報に基づいて、シート上に画像を形成する。プリンタ部130は、例えば以下のような処理によって画像を形成する。プリンタ部130の画像形成部は、画像情報に基づいて感光体ドラム上に静電潜像を形成する。プリンタ部130の画像形成部は、静電潜像に現像剤を付着させることによって可視像を形成する。プリンタ部130の転写部は、可視像をシート上に転写する。プリンタ部130の定着部は、シートに対して加熱及び加圧を行うことによって、可視像をシート上に定着させる。なお、画像が形成されるシートは、シート収容部140に収容されているシートであってもよいし、手差しされたシートであってもよい。
シート収容部140は、プリンタ部130における画像形成に用いられるシートを収容する。
外部インターフェース151は、通信インターフェースを用いて構成される。外部インターフェース151は、所定のプロトコルでネットワーク400を介して他の装置(例えば保守支援装置300)と通信する。
メモリ152は、画像形成装置100が備える各機能部が用いるデータを一時的に記憶する。メモリ152は、例えばRAM(Random Access Memory)である。メモリ152は、画像形成装置100が動作する際に必要となるデータを記憶する。メモリ152は、画像読取部200が生成するデジタルデータを一時的に記憶してもよい。メモリ152は、画像形成装置100において形成される画像のデータを一時的に記憶してもよい。
記憶装置153は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶装置153は、画像形成装置100が動作する際に必要となるデータを記憶する。記憶装置153は、例えば画像形成装置100に生じた故障の内容を示すエラー情報を記憶する。
プロセッサ154は、画像形成装置100の各機能部の動作を制御する。プロセッサ154は、記憶装置153に記憶されたソフトウェアプログラムをメモリ152上にロードし、ソフトウェアプログラムを実行することにより処理を実行する。プロセッサ154は、予め定義された形式で、ネットワーク400を通じて所定の情報を保守支援装置300に送信する。所定の情報は、例えば画像形成装置100に関するログ情報である。ログ情報は、画像形成装置100の製造情報や、画像形成装置100に設定された情報、センサ値、カウンタ値、エラー情報、接続台数等の画像形成装置100に関する情報を含む。
画像読取部200は、読み取り対象の画像情報を光の明暗として読み取る。画像読取部200は、読み取られた画像情報を記録する。記録された画像情報は、ネットワークを介して他の情報処理装置に送信されてもよい。記録された画像情報は、プリンタ部130によってシート上に画像形成されてもよい。
図3は、実施形態の保守支援装置300のハードウェア構成を示すブロック図である。保守支援装置300は、外部インターフェース301、メモリ302、記憶装置303、プロセッサ304、入力部305及び出力部306を備える。なお、各機能部は、システムバス307を介してデータ通信可能に接続されている。
外部インターフェース301は、通信インターフェースを用いて構成される。外部インターフェース301は、所定のプロトコルでネットワーク400を介して他の装置(例えば画像形成装置100)と通信する。
メモリ302は、保守支援装置300が備える各機能部が用いるデータを一時的に記憶する。メモリ302は、例えばRAMである。メモリ302は、保守支援装置300が動作する際に必要となるデータを記憶する。
記憶装置303は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶装置303は、保守支援装置300が動作する際に必要となるデータを記憶する。記憶装置303は、例えば画像形成装置100の保守の優先度を決定するためのプログラムを記憶する。記憶装置303は、画像形成装置100の保守の優先度を決定するための各種の情報を記憶する。各種の情報については後述する。
プロセッサ304は、保守支援装置300の各機能部の動作を制御する。プロセッサ304は、記憶装置303に記憶されたソフトウェアプログラムをメモリ302上にロードし、ソフトウェアプログラムを実行することにより処理を実行する。プロセッサ304は、制御部の一具体例である。
入力部305は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の入力装置を用いて構成される。入力部305は、ユーザの指示を保守支援装置300に入力する際にユーザによって操作される。入力部305は、入力装置を保守支援装置300に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、入力部305は、入力装置においてユーザの入力に応じて生成された入力信号を保守支援装置300に入力する。
出力部306は、保守支援装置300に接続された不図示の出力装置を介し、保守支援装置300のユーザに対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子泳動方式ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の画像表示装置を用いて構成できる。また、出力装置は、画像や文字をシートに印刷(印字)する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、インクジェットプリンタやレーザープリンタ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されても良い。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。出力装置は、LED(Light Emitting Diode)等の発光装置を用いて構成されてもよい。なお、出力部306は、保守支援装置300と一体として構成された出力装置であってもよい。
図4は、実施形態の画像形成装置テーブルの一具体例を示す図である。画像形成装置テーブルは、記憶装置303に記憶される。画像形成装置テーブルは、画像形成装置100の保守の優先度を決定するための各種の情報の一具体例である。画像形成装置テーブルは、複数の画像形成装置レコードを有する。画像形成装置レコードは、各画像形成装置100に関する各種の情報を有する。画像形成装置テーブルは、画像形成装置100毎に画像形成装置レコードを有する。
画像形成装置レコードは、製造情報、ユーザID、保守者ID、重要月、コール発生率、保守開始日、再利用トナー判定、契約期限、印刷枚数、読取枚数、モデル名及び保守優先度の各値を有する。製造情報は、画像形成装置100を一意に識別するための情報である。製造情報は、他の製造情報と重複しない情報であればどのような情報であってもよい。製造情報は、例えばシリアル番号であってもよい。ユーザIDは、画像形成装置100のユーザを一意に識別するための情報である。ユーザIDは、他のユーザIDと重複しない情報であればどのような情報であってもよい。ユーザIDは、例えば複数の数字や文字の組み合わせであってもよい。保守者IDは、画像形成装置100を保守する保守者を一意に識別するための情報である。保守者IDは、他の保守者IDと重複しない情報であればどのような情報であってもよい。保守者IDは、例えば複数の数字や文字の組み合わせであってもよい。重要月は、ユーザにとって画像形成装置100を使用できることが重要になる月である。重要月は、例えば画像形成装置100に関する使用頻度が最も高くなる月である。重要月は、画像形成装置100毎に定められる。重要月は複数指定されてもよい。プロセッサ304は、画像形成装置レコードが有する印刷枚数及び読取枚数に基づいて、重要月を決定してもよい。コール発生率は、ユーザによってコールセンターに修理依頼される可能性を示す割合である。コール発生率は、ジャム等のコールに至らない軽度のエラーの種類、件数又は印刷枚数に基づいて算出される。コール発生率は、所定日数ごとに算出する既知の手段である。例えば、所定日数が30日であってもよい。コール発生率は、画像形成装置100に算出されてもよいし、保守支援装置300に算出されてもよい。保守開始日は、画像形成装置100に対する保守が開始された日である。保守開始日は、例えば、画像形成装置100に対するリース契約の初日であってもよいし、保守契約書に記載された保守開始日であってもよい。再利用トナー判定は、画像形成装置100で使用されるトナーが再利用トナーであるか否かを示す値である。再利用トナーは、非正規品のトナーカートリッジである。再利用トナーは、リユース業者によって回収されたトナーカートリッジに、トナーを再充填されたトナーカートリッジである。再利用トナーが使用されている場合、再利用トナー判定はTrueである。再利用トナーが使用されていない場合、再利用トナー判定はFalseである。再利用トナー判定は、プロセッサ304によってトナー交換時等の所定のタイミングで実行される。契約期限は、画像形成装置100に関する契約の期限日である。契約は、例えばリース契約であってもよいし、レンタル契約であってもよいし、保守契約であってもよい。印刷枚数は、画像形成装置100によって印刷されたページ数の総数を示す。印刷枚数は、画像形成装置100によってシートが1枚印刷される都度、1増える。読取枚数は、画像形成装置100によって読取されたページ数の総数を示す。読取枚数は、画像形成装置100によってシートが1枚読取される都度、1増える。モデル名は、画像形成装置100のモデルを示す。保守優先度は、画像形成装置100に対する保守の優先度を示す。保守優先度は、プロセッサ304によって算出される。保守優先度は、画像形成装置100にエラーや故障等の異常が発生した場合の保守の優先度を示す。保守優先度は優先情報の一具体例である。保守優先度の算出については、後述する。
図5は、実施形態のエラー情報テーブルの一具体例を示す図である。エラー情報テーブルは、記憶装置303に記憶される。エラー情報テーブルは、画像形成装置100の保守の優先度を決定するための各種の情報の一具体例である。エラー情報テーブルは、複数のエラー情報レコードを有する。エラー情報レコードは、画像形成装置100にて発生したエラーに関する情報を有する。エラー情報レコードは、画像形成装置100によって送信されたエラー情報に基づいて生成される。エラー情報レコードは、エラー識別情報、製造情報、日時、エラーコード及びスナップショットの各値を有する。エラー識別情報は、画像形成装置100を一意に識別するための情報である。エラー識別情報は、他のエラー識別情報と重複しない情報であればどのような情報であってもよい。日時は、エラー情報が生成された日時を示す。日時は、エラーが発生した画像形成装置100によって決定される。スナップショットは、エラー情報が生成された日時における画像形成装置100の状態を示す。スナップショットは、例えば印刷枚数、読取枚数、接続台数又はカウンタ値等の状態を示す。スナップショットは、画像形成装置100の状態に関する情報であればどのような情報を有していてもよい。
図6は、実施形態の接続台数テーブルの一具体例を示す図である。接続台数テーブルは、記憶装置303に記憶される。接続台数テーブルは、画像形成装置100の保守の優先度を決定するための各種の情報の一具体例である。接続台数テーブルは、複数の接続台数レコードを有する。接続台数レコードは、製造情報にて識別される画像形成装置100に接続された通信装置の台数を示す。画像形成装置100に接続され、とは、例えば画像形成装置100と接続されたネットワークと、ネットワークアドレスが同一のネットワークに接続されていることである。接続台数レコードは、画像形成装置100によって送信されたログ情報に基づいて生成される。接続台数レコードは、製造情報、日時及び接続台数の各値を有する。日時は、接続台数が計測された日時を示す。日時は、接続台数を計測した画像形成装置100によって決定される。接続台数は、接続台数が計測された日時における画像形成装置100に接続された通信装置の台数を示す。接続台数は、fping等の公知の手法を用いて取得されてもよい。
図7は、実施形態の部品カウンタテーブルの一具体例を示す図である。部品カウンタテーブルは、記憶装置303に記憶される。部品カウンタテーブルは、画像形成装置100の保守の優先度を決定するための各種の情報の一具体例である。部品カウンタテーブルは、複数の部品カウンタレコードを有する。部品カウンタレコードは、画像形成装置100に設けられた各部品のカウンタ値に関する情報を有する。部品カウンタレコードは、画像形成装置100によって送信されたログ情報に基づいて生成される。部品カウンタテーブルは、画像形成装置100に設けられた部品毎に部品カウンタレコードを有する。部品カウンタレコードは、製造情報、部品名、製造ロット番号、交換日、カウンタ値及び部品寿命カウンタ値の各値を有する。部品名は、画像形成装置100に設けられた部品の名前を示す。製造ロット番号は、部品が製造された部品のロット番号を示す。交換日は、部品の交換された日を示す。交換日は、複数の値を有してもよい。この場合、部品は、複数回交換されたことを示す。カウンタ値は、部品がどの程度使用されたかを示す指標である。カウンタ値は、部品が所定量使用されると、カウントアップされる。部品寿命カウンタ値は、部品の寿命に関する指標である。カウンタ値が、部品寿命カウンタ値までカウントアップされると、部品は寿命を迎えたと判断される。なお、カウンタ値及び部品寿命カウンタ値は、駆動時間又は駆動回数等の他の指標を用いてもよい。
図8は、実施形態の注意ロットテーブルの一具体例を示す図である。注意ロットテーブルは、記憶装置303に記憶される。注意ロットテーブルは、画像形成装置100の保守の優先度を決定するための各種の情報の一具体例である。注意ロットテーブルは、複数の注意ロットレコードを有する。注意ロットレコードは、画像形成装置100に設けられた各部品について、不具合が発生した恐れのあるロット番号に関する情報を有する。注意ロットレコードは、予め記憶装置303に記憶される。注意ロットテーブルは、不具合が発生した恐れのある部品毎に注意ロットレコードを有する。注意ロットレコードは、部品名及び注意ロット番号の各値を有する。注意ロット番号は、不具合が発生した恐れのあるロット番号を示す。
図9は、実施形態のコール情報テーブルの一具体例を示す図である。コール情報テーブルは、記憶装置303に記憶される。コール情報テーブルは、画像形成装置100の保守の優先度を決定するための各種の情報の一具体例である。コール情報テーブルは、複数のコール情報レコードを有する。コール情報レコードは、ユーザからのコールに関する情報を有する。コールとは、ユーザからコールセンターに電話がかかってくることである。プロセッサ304は、入力部305を介して受け付けた情報に基づいて、コール情報レコードを生成する。入力部305は、コールを受け付けたコールセンターの人によって操作される。生成されたコール情報レコードは、記憶装置303に記憶される。コール情報テーブルは、ユーザからかかってきたコール毎にコール情報レコードを有する。コール情報レコードは、コール情報、ユーザID、コールタイプ、日付及びコール内容の各値を有する。コール情報は、コールを一意に識別するための情報である。コール情報は、他のコール情報と重複しない情報であればどのような情報であってもよい。コール情報は、例えばプロセッサ304によって所定の規則で決定されてもよい。コールタイプは、ユーザから伝えられた内容の種類を示す。コールタイプは、コール内容に基づいてコールを受け付けたコールセンターの人によって決定される。日付は、コールセンターにコールされた日時を示す。コール内容は、ユーザから伝えられた内容を示す。コール内容は、例えば画像形成装置100に発生したエラーの内容であってもよい。
図10は、実施形態の保守情報テーブルの一具体例を示す図である。保守情報テーブルは、記憶装置303に記憶される。保守情報テーブルは、画像形成装置100の保守の優先度を決定するための各種の情報の一具体例である。保守情報テーブルは、複数の保守情報レコードを有する。保守情報レコードは、画像形成装置100に対する保守に関する情報を有する。プロセッサ304は、入力部305を介して受け付けた情報に基づいて、保守情報レコードを生成してもよい。プロセッサ304は、ネットワーク400を介して外部の通信装置から送信された保守に関する情報に基づいて、保守情報レコードを生成してもよい。生成された保守情報レコードは、記憶装置303に記憶される。保守情報テーブルは、画像形成装置100に対する保守毎に保守情報レコードを有する。保守情報レコードは、保守情報、製造情報、日時、保守内容及びコール情報の各値を有する。保守情報は、画像形成装置100に対する保守を一意に識別するための情報である。保守情報は、他の保守情報と重複しない情報であればどのような情報であってもよい。保守情報は、例えばプロセッサ304によって所定の規則で決定されてもよい。日付は、画像形成装置100に対して保守の行われた日を示す。保守内容は、画像形成装置100に対して行われた保守の内容を示す。コール情報は、コール情報テーブルが有するコール情報を識別する情報である。コール情報は、保守がどのコールに基づいて行われたかを示す。
図11は、実施形態の優先度の算出の処理の流れを示すフローチャートである。図11の処理は、所定のタイミングで実行される。図11の処理では、予め定められた製造情報によって識別される画像形成装置100に関する優先度の算出の処理であるものとして説明する。保守支援装置300のプロセッサ304は、所定の情報を受信する(ACT101)。所定の情報は、ログ情報であってもよいし、機体リスト要求であってもよいし、その他の情報であってもよい。機体リストとは、画像形成装置の一覧を示す情報である。
プロセッサ304は、所定の情報がログ情報であるか否かを判定する(ACT102)。所定の情報がログ情報でない場合(ACT102:NO)、プロセッサ304は、所定の情報が機体リスト要求であるか否かを判定する(ACT103)。所定の情報が機体リスト要求でない場合(ACT103:NO)、プロセッサ304は、処理を終了する。所定の情報が機体リスト要求である場合(ACT103:YES)、プロセッサ304は、機体リストを生成する(ACT104)。具体的には、プロセッサ304は、画像形成装置テーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、画像形成装置テーブルから、製造情報とモデル名と保守優先度とを取得する。プロセッサ304は、保守優先度に基づいて降順又は昇順に製造情報とモデル名と保守優先度とを並べ替えることで、機体リストを生成する。プロセッサ304は、生成された機体リストを出力部306に出力する(ACT105)。また、プロセッサ304は、外部インターフェース151を介して外部の装置に機体リストを出力してもよい。
所定の情報がログ情報である場合(ACT102:YES)、プロセッサ304は、ログ情報を記憶装置303に記録する(ACT106)。具体的には、プロセッサ304は、画像形成装置テーブル、エラー情報テーブル、接続台数テーブル、部品カウンタテーブル又は保守情報テーブルにログ情報が示す情報を記録する。
プロセッサ304は、エラー数に基づいて優先度を算出する(ACT107)。具体的には、プロセッサ304は、図12に示すフローチャートに基づいて優先度を算出する。図12は、実施形態のエラー数に基づく優先度算出の処理の流れを示すフローチャートである。プロセッサ304は、エラー数を計数する(ACT201)。具体的には、プロセッサ304は、エラー情報テーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、製造情報毎に現在から1カ月以内の日時を示すエラー識別情報の数を計数する。なお、現在から1カ月以内とは、一具体例であって、1カ月に限定されない。例えば、現在から2カ月以内等の他の期間であってもよい。プロセッサ304は、計数されたエラー数が10以上であるか否かを判定する(ACT202)。なお、判定条件は、エラー数が10以上であることに限定されない。例えば、判定条件は、エラー数が15以上であってもよいし、5以上であってもよい。計数されたエラー数が10以上である場合(ACT202:YES)、プロセッサ304は、エラー数に基づく優先度は1であると算出する(ACT203)。計数されたエラー数が10以上でない場合(ACT202:NO)、プロセッサ304は、エラー数に基づく優先度は0であると算出する(ACT204)。なお、算出される優先度は1又は0に限定されない。算出される優先度は、1又は0以外の値であってもよい。また、プロセッサ304は、あらかじめ定められた一定期間内でのエラー発生率(例えばMTBF: Mean Time Between Failure)に基づいて優先度を算出してもよい。また、プロセッサ304は、発生したエラー数やエラーの種類に基づいて優先度に重み付けをしてもよい。重みづけとは、算出される優先度に対して所定の係数を乗ずることであってもよい。また、プロセッサ304は、日時が進むごとにエラー数が上昇傾向にあるか、下降傾向にあるかに基づいて優先度に重み付けをしてもよい。
図11に戻って、フローチャートの説明を続ける。プロセッサ304は、重要月に基づいて優先度を算出する(ACT108)。具体的には、プロセッサ304は、図13に示すフローチャートに基づいて優先度を算出する。図13は、実施形態の重要月に基づく優先度算出の処理の流れを示すフローチャートである。プロセッサ304は、重要月を取得する(ACT301)。具体的には、プロセッサ304は、画像形成装置テーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、予め定められた製造情報に関する画像形成装置レコードが有する重要月を取得する。プロセッサ304は、現在が取得された重要月の前月である否かを判定する(ACT302)。なお、判定条件は、重要月の前月であることに限定されない。例えば、判定条件は重要月であってもよいし、重要月の翌月であってもよい。重要月の前月である場合(ACT302:YES)、プロセッサ304は、重要月に基づく優先度は1であると算出する(ACT303)。重要月の前月でない場合(ACT302:NO)、プロセッサ304は、重要月に基づく優先度は0であると算出する(ACT304)。なお、算出される優先度は1又は0に限定されない。算出される優先度は、1又は0以外の値であってもよい。なお、プロセッサ304は、現在が重要月の翌月であるときに優先度を1より大きな数値にしてもよい。
図11に戻って、フローチャートの説明を続ける。プロセッサ304は、コール発生率に基づいて優先度を算出する(ACT109)。具体的には、プロセッサ304は、図14に示すフローチャートに基づいて優先度を算出する。図14は、実施形態のコール発生率に基づく優先度算出の処理の流れを示すフローチャートである。プロセッサ304は、コール発生率を取得する(ACT401)。具体的には、プロセッサ304は、画像形成装置テーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、予め定められた製造情報に関する画像形成装置テーブルが有するコール発生率を取得する。プロセッサ304は、取得されたコール発生率が50%以上である否かを判定する(ACT402)。なお、判定条件は、コール発生率が50%以上であることに限定されない。例えば、判定条件はコール発生率が40%以上であることであってもよいし、コール発生率が60%以上であることであってもよい。コール発生率が50%以上である場合(ACT402:YES)、プロセッサ304は、コール発生率に基づく優先度は1であると算出する(ACT403)。コール発生率が50%以上でない場合(ACT402:NO)、プロセッサ304は、コール発生率に基づく優先度は0であると算出する(ACT404)。なお、算出される優先度は1又は0に限定されない。算出される優先度は、1又は0以外の値であってもよい。なお、プロセッサ304は、コール発生率の大きさ又はユーザに応じて、優先度を1より大きな数値又は1より小さな数値にしてもよい。
図11に戻って、フローチャートの説明を続ける。プロセッサ304は、前回訪問日に基づいて優先度を算出する(ACT110)。具体的には、プロセッサ304は、図15に示すフローチャートに基づいて優先度を算出する。図15は、実施形態の前回訪問日に基づく優先度算出の処理の流れを示すフローチャートである。プロセッサ304は、前回訪問日を取得する(ACT501)。具体的には、プロセッサ304は、保守情報テーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、保守情報テーブルが有する保守情報レコードのうち、予め定められた製造情報を有し、かつ日時が最新の保守情報を取得する。プロセッサ304は、取得された保守情報が有する日時を前回訪問日として取得する。プロセッサ304は、前回訪問日が30日以上前である否かを判定する(ACT502)。なお、判定条件は、前回訪問日が30日以上前であることに限定されない。例えば、判定条件は前回訪問日が20日以上前であることであってもよいし、前回訪問日が40日以上前であることであってもよい。前回訪問日が30日以上前である場合(ACT502:YES)、プロセッサ304は、前回訪問日に基づく優先度は1であると算出する(ACT503)。前回訪問日が30日以上前でない場合(ACT502:NO)、プロセッサ304は、前回訪問日に基づく優先度は0であると算出する(ACT504)。なお、算出される優先度は1又は0に限定されない。算出される優先度は、1又は0以外の値であってもよい。なお、プロセッサ304は、前回訪問日が現在の何日前であるかに基づいて、優先度に重みづけをしてもよい。また、プロセッサ304は、前回訪問時に行った作業内容に基づいて、優先度に重みづけをしてもよい。プロセッサ304は、外部インターフェース301を介して外部の通信装置から前回訪問日を取得してもよい。
図11に戻って、フローチャートの説明を続ける。プロセッサ304は、再利用トナー判定に基づいて優先度を算出する(ACT111)。具体的には、プロセッサ304は、図16に示すフローチャートに基づいて優先度を算出する。図16は、実施形態の再利用トナー判定に基づく優先度算出の処理の流れを示すフローチャートである。プロセッサ304は、再利用トナー判定を取得する(ACT601)。具体的には、プロセッサ304は、画像形成装置テーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、画像形成装置テーブルが有する画像形成装置レコードのうち、予め定められた製造情報を有する画像形成装置レコードの再利用トナー判定の値を取得する。プロセッサ304は、取得された再利用トナー判定がTrueである否かを判定する(ACT602)。再利用トナー判定がTrueである場合(ACT602:YES)、プロセッサ304は、再利用トナー判定に基づく優先度は1であると算出する(ACT603)。再利用トナー判定がTrueでない場合(ACT602:NO)、プロセッサ304は、再利用トナー判定に基づく優先度は0であると算出する(ACT604)。なお、算出される優先度は1又は0に限定されない。算出される優先度は、1又は0以外の値であってもよい。
図11に戻って、フローチャートの説明を続ける。プロセッサ304は、契約期限に基づいて優先度を算出する(ACT112)。具体的には、プロセッサ304は、図17に示すフローチャートに基づいて優先度を算出する。図17は、実施形態の契約期限に基づく優先度算出の処理の流れを示すフローチャートである。プロセッサ304は、契約期限を取得する(ACT701)。具体的には、プロセッサ304は、画像形成装置テーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、画像形成装置テーブルが有する画像形成装置レコードのうち、予め定められた製造情報を有する画像形成装置レコードの契約期限の値を取得する。プロセッサ304は、取得された契約期限が現在から90日以内の日付である否かを判定する(ACT702)。なお、判定条件は、契約期限が現在から90日以内の日付であることに限定されない。例えば、判定条件は契約期限が現在から60日以内の日付であることであってもよいし、契約期限が現在から120日以内の日付であることであってもよい。契約期限が90日以内である場合(ACT702:YES)、プロセッサ304は、契約期限に基づく優先度は1であると算出する(ACT703)。契約期限が90日以内でない場合(ACT702:NO)、プロセッサ304は、契約期限に基づく優先度は0であると算出する(ACT704)。なお、算出される優先度は1又は0に限定されない。算出される優先度は、1又は0以外の値であってもよい。なお、プロセッサ304は、外部インターフェース301を介して外部の通信装置から契約期限を取得してもよい。なお、プロセッサ304は、ユーザによって優先度に重み付けをしてもよい。
図11に戻って、フローチャートの説明を続ける。プロセッサ304は、部品寿命カウンタ値を超えた部品数に基づいて優先度を算出する(ACT113)。具体的には、プロセッサ304は、図18に示すフローチャートに基づいて優先度を算出する。図18は、実施形態の部品数に基づく優先度算出の処理の流れを示すフローチャートである。プロセッサ304は、部品寿命カウンタ値を超えた部品数を計数する(ACT801)。具体的には、プロセッサ304は、部品カウンタテーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、部品カウンタテーブルが有する部品カウンタレコードのうち、予め定められた製造情報を有する全ての部品カウンタレコードのカウンタ値と、部品寿命カウンタ値とを取得する。次にプロセッサ304は、取得されたカウンタ値と部品寿命カウンタ値とを比較する。プロセッサ304は、部品寿命カウンタ値よりも大きいカウンタ値を示す部品カウンタレコードの数を部品数として計数する。プロセッサ304は、計数された部品数が10以上である否かを判定する(ACT802)。なお、判定条件は、部品数が10以上であることに限定されない。例えば、判定条件は部品数が5以上であることであってもよいし、部品数が15以上であることであってもよい。部品数が10以上である場合(ACT802:YES)、プロセッサ304は、部品数に基づく優先度は1であると算出する(ACT803)。部品数が10以上でない場合(ACT802:NO)、プロセッサ304は、部品数に基づく優先度は0であると算出する(ACT804)。なお、算出される優先度は1又は0に限定されない。算出される優先度は、1又は0以外の値であってもよい。なお、プロセッサ304は、計数された部品数に基づいて優先度に重み付けをしてもよい。なお、プロセッサ304は、部品の種類に基づいて優先度に重み付けをしてもよい。
図11に戻って、フローチャートの説明を続ける。プロセッサ304は、製造ロット番号に基づいて優先度を算出する(ACT114)。具体的には、プロセッサ304は、図19に示すフローチャートに基づいて優先度を算出する。図19は、実施形態の製造ロット番号に基づく優先度算出の処理の流れを示すフローチャートである。プロセッサ304は、画像形成装置100に設けられた部品の製造ロット番号を取得する(ACT901)。具体的には、プロセッサ304は、部品カウンタテーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、部品カウンタテーブルが有する部品カウンタレコードのうち、予め定められた製造情報を有する全ての部品カウンタレコードの部品名と製造ロット番号とを取得する。プロセッサ304は、画像形成装置100に設けられた部品の注意ロット番号を取得する(ACT902)。具体的には、プロセッサ304は、注意ロットテーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、注意ロットテーブルが有する注意ロットレコードのうち、ACT901において取得された部品名を有する全ての注意ロットレコードの部品名と注意ロット番号とを取得する。プロセッサ304は、一致する製造ロット番号と注意ロット番号とがある否かを判定する(ACT903)。一致する製造ロット番号と注意ロット番号とがある場合(ACT903:YES)、プロセッサ304は、製造ロット番号に基づく優先度は1であると算出する(ACT904)。一致する製造ロット番号と注意ロット番号とがない場合(ACT903:NO)、プロセッサ304は、製造ロット番号に基づく優先度は0であると算出する(ACT905)。なお、算出される優先度は1又は0に限定されない。算出される優先度は、1又は0以外の値であってもよい。なお、プロセッサ304は、外部インターフェース301を介して外部の通信装置から注意ロット番号を取得してもよい。
図11に戻って、フローチャートの説明を続ける。プロセッサ304は、接続台数に基づいて優先度を算出する(ACT115)。具体的には、プロセッサ304は、図20に示すフローチャートに基づいて優先度を算出する。図20は、実施形態の接続台数に基づく優先度算出の処理の流れを示すフローチャートである。プロセッサ304は、接続台数を取得する(ACT1001)。具体的には、プロセッサ304は、接続台数テーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、接続台数テーブルが有する接続台数レコードのうち、予め定められた製造情報を有する接続台数レコードのうち、最新の日時を示す接続台数レコードと、最新の日時よりも1つ古い接続台数レコードとを取得する。次にプロセッサ304は、取得された2つの接続台数レコードの接続台数の値を取得する。プロセッサ304は、取得された2つの接続台数が10%以上増加しているか否かを判定する(ACT1002)。なお、判定条件は、接続台数が10%以上増加していることに限定されない。例えば、判定条件は接続台数が15%以上増加していることであってもよいし、接続台数が5%以上増加していることであってもよい。接続台数が10%以上増加している場合(ACT1002:YES)、プロセッサ304は、接続台数に基づく優先度は1であると算出する(ACT1003)。接続台数が10%以上増加していない場合(ACT1002:NO)、プロセッサ304は、接続台数に基づく優先度は0であると算出する(ACT1004)。なお、算出される優先度は1又は0に限定されない。算出される優先度は、1又は0以外の値であってもよい。なお、プロセッサ304は、接続している端末の種類に基づいて、優先度に重み付けをしてもよい。なお、プロセッサ304は、増加率の代わりに、接続台数自体や増加した台数等の他の値を用いてもよい。
図11に戻って、フローチャートの説明を続ける。プロセッサ304は、ACT107~115によって算出された優先度に基づいて保守優先度を算出する(ACT116)。具体的には、プロセッサ304は、以下の数式(1)に基づいて、保守優先度を算出する。
数式(1)のYは、算出された保守優先度を示す。数式(1)のxnは、ACT107~115によって算出された優先度を示す。数式(1)のknは、所定の重み係数である。所定の重み係数は、予め記憶装置303に条件毎に記録される。すなわち、プロセッサ304は、数式(1)に基づいて、各優先度と所定の重み係数とを乗じた総和を保守優先度として算出する。なお、プロセッサ304は、算出された保守優先度を0~100までの間に収まるように正規化してもよい。なお、プロセッサ304は、重み係数を動的に求めるように構成されてもよい。
プロセッサ304は、算出された保守優先度を記憶装置303に記録する(ACT117)。具体的には、プロセッサ304は、画像形成装置テーブルを記憶装置303から取得する。プロセッサ304は、画像形成装置テーブルが有する画像形成装置レコードのうち、定められた製造情報を有する画像形成装置レコードを取得する。プロセッサ304は、取得された画像形成装置レコードの保守優先度の値として、算出された保守優先度を書込む。プロセッサ304は、画像形成装置レコードを画像形成装置テーブルに記録する。プロセッサ304は、画像形成装置テーブルを記憶装置303に記録する。
なお、プロセッサ304は、上述のエラー数、重要月、コール発生率、前回訪問日、再利用トナー判定、契約期限、部品数、製造ロット番号又は接続台数のうち、いずれか2つ以上の情報に基づいて、保守優先度を算出するように構成されてもよい。また、プロセッサ304は、上述の情報のうち、いずれか3つ以上の情報に基づいて保守優先度を算出するように構成されてもよい。
なお、プロセッサ304は、エラー数、重要月、コール発生率、前回訪問日、再利用トナー判定、契約期限、部品数、製造ロット番号又は接続台数を、複数のカテゴリにカテゴリ分けしてもよい。この場合プロセッサ304は、各カテゴリに含まれる各情報から1つ以上の情報に基づいて、保守優先度を算出するように構成されてもよい。具体的には、プロセッサ304は、装置情報、使用情報及び契約情報の3種類のいずれかに各情報が含まれるようにカテゴリ分けしてもよい。例えば、装置情報は、保守者の保守対象である画像形成装置100の状態を示す情報である。装置情報は、例えば、エラー数、再利用トナー判定、製造ロット番号、部品数及び前回訪問日を含む。使用情報は、画像形成装置100を使用するユーザの使用状態を示す情報である。使用情報は、例えば、重要月、コール発生率、及び接続台数を含む。契約情報は、保守者及びユーザ間の契約に関する情報である。契約情報は、例えば、契約期限を含む。プロセッサ304は、装置情報、使用情報及び契約情報に含まれる情報を、それぞれ1つ以上取得する。プロセッサ304は、取得された情報に基づいて、保守優先度を算出する。
保守支援装置300が算出した保守優先度のとおりに、画像形成装置100の保守を行うことができるか否かは、保守を行う保守者の力による。大規模なユーザの場合、地域毎に異なる保守者が対応することがある。大規模なユーザとは、例えば拠点が複数の地域にわたって存在するユーザである。大規模なユーザとは、例えば拠点が国をまたがって存在するユーザである。このため、保守支援装置300が保守優先度を算出した場合であっても、手厚い保守を受けられる地域と、保守が手薄となる地域とが出てくるという可能性がある。この場合、同一のユーザに対する保守の品質にむらがあると、地域毎に評判が変わる。その結果、保守者に対するユーザからの評判が悪化することがある。このため、同じユーザの画像形成装置100を複数の保守者が分担して保守を行う場合でも、一定の保守品質を保つことが求められる。このため、保守支援装置300のプロセッサ304は、算出された保守優先度を定期的に補正する。
図21は、実施形態の品質情報テーブルの一具体例を示す図である。プロセッサ304は、記憶装置303に記録されている各種の情報に基づいて品質情報テーブルを生成する。品質情報テーブルは、ユーザ毎に生成される。プロセッサ304は、生成された品質情報テーブルの各値に基づいて、保守優先度を補正する。品質情報テーブルの生成については後述する。品質情報テーブルに示される各値は、統計情報の一具体例である。
図22は、実施形態の保守優先度の補正の処理の流れを示すフローチャートである。保守優先度の補正の具体例として、図21の品質情報テーブルを生成する場合を例として説明する。保守優先度の補正は、所定のタイミングで実行される。所定のタイミングとは、例えば1カ月毎、6カ月毎又は1年毎等の予め定められた時期毎であってもよい。所定のタイミングとは、例えば入力部305を介して保守優先度の補正の指示が入力されたタイミングであってもよい。
保守支援装置300のプロセッサ304は、ユーザ保守品質を算出する(ACT1101)。ユーザ保守品質は、ユーザにとっての保守の品質を示す指標である。ユーザ保守品質の値が大きいほど、ユーザからみた保守の品質が高いことを示す。ユーザ保守品質は、保守者毎に算出される。ユーザ保守品質は、保守品質に関する項目毎に算出される。具体的には、プロセッサ304は、以下の数式(2)、数式(3)及び数式(4)に基づいてユーザ保守品質の各項目を算出する。
訪問回数/画像形成装置100の台数 ・・・(2)
訪問回数/エラー数 ・・・(3)
訪問回数/コール数 ・・・(4)
訪問回数とは、所定期間内に保守者がユーザを訪問した回数を示す。プロセッサ304は、記憶装置303に記録された保守情報テーブルに基づいて、訪問回数を計数する。例えば、プロセッサ304は、日時が所定期間内を示し、かつ同一の保守者によって保守される画像形成装置100を示す保守情報レコードの数に基づいて訪問回数を計数する。所定期間とは、例えば、直近1カ月であってもよいし、6カ月であってもよい。所定期間は予め定められた期間であればよい。画像形成装置100の台数は、所定の保守者によって保守され、ユーザが有する画像形成装置100の台数である。プロセッサ304は、記憶装置303に記録された画像形成装置テーブルに基づいて、画像形成装置100の台数を計数する。例えば、プロセッサ304は、品質情報テーブルの生成対象であるユーザに関するユーザIDを示し、所定の保守者IDを示す画像形成装置レコードの数を計数する。エラー数は、所定期間内に画像形成装置100に発生したエラー数である。プロセッサ304は、記憶装置303に記録されたエラー情報テーブルに基づいて、所定のエラー情報レコードの数をエラー数として計数する。所定のエラー情報レコードとは、所定期間内に品質情報テーブルの生成対象となるユーザが有する画像形成装置100について所定の保守者によって保守されたことを示すエラー情報レコードである。コール数は、所定期間内にユーザからかかってきたコール数である。プロセッサ304は、記憶装置303に記録されたコール情報テーブルに基づいて、所定のコール情報レコードの数をコール数として計数する。所定のコール情報レコードとは、所定期間内に品質情報テーブルの生成対象となるユーザであるコール情報レコードである。
プロセッサ304は、数式(2)~(4)に基づいて算出された値を、保守者毎に品質情報テーブルに記録する。例えば、プロセッサ304は、保守者ID“dealer001”によって識別される保守者について、数式(2)に基づいて算出された値を領域10に記録する。このように、プロセッサ304は、保守者毎に、ユーザ保守品質を算出することで、品質情報テーブルを生成する。
保守支援装置300のプロセッサ304は、保守者保守品質を算出する(ACT1102)。保守者保守品質は、保守者からみた保守の品質を示す指標である。保守者保守品質の値が小さいほど、保守者からみた保守の品質が高いことを示す。保守者保守品質は、保守者毎に算出される。保守者保守品質は、品質に関する項目毎に算出される。具体的には、プロセッサ304は、以下の数式(5)、数式(6)、数式(7)及び数式(8)に基づいて保守者保守品質の各項目を算出する。数式(5)、数式(6)及び数式(7)によって算出される項目は、エラーの発生を抑制するための、ついでの保守をどの程度実施しているかを示す指標である。数式(8)によって算出される項目は、不必要に部品を交換していないかを示す指標である。
エラー数/画像形成装置100の台数 ・・・(5)
コール数/画像形成装置100の台数 ・・・(6)
エラー数/利用枚数 ・・・(7)
保守部品交換数/エラー数 ・・・(8)
利用枚数とは、画像形成装置100によって印刷及び読取されたページ数を示す。プロセッサ304は、記憶装置303に記録された画像形成装置テーブルに基づいて、利用枚数を算出する。例えば、プロセッサ304は、品質情報テーブルの生成対象であるユーザに関するユーザIDを示し、所定の保守者IDを示す画像形成装置レコードを取得する。プロセッサ304は、取得された画像形成装置レコードの印刷枚数と読取枚数との値を取得する。プロセッサ304は、取得された印刷枚数と読取枚数との総和を利用枚数として算出する。保守部品交換数とは、所定期間内に交換された部品の総数を示す。プロセッサ304は、記憶装置303に記録された部品カウンタテーブルに基づいて、保守部品交換数を算出する。例えば、プロセッサ304は、品質情報テーブルの生成対象であるユーザが有する画像形成装置100の製造情報を示す所定の部品カウンタレコードを取得する。所定の部品カウンタレコードとは、交換日が所定期間内であることを示す部品カウンタレコードである。プロセッサ304は、取得された部品カウンタレコードの数を、保守者毎に計数する。プロセッサ304は、計数された値を保守部品交換数とする。
また、プロセッサ304は、1回のコールが解決するまでの訪問回数の平均回数を保守者保守品質の項目として算出する。1回のコールが解決するまでの訪問回数の平均回数は、適切な保守で不要な訪問を減らすための指標である。プロセッサ304は、数式(5)~(8)及び、1回のコールが解決するまでの訪問回数の平均回数に基づいて算出された値を、保守者毎に品質情報テーブルに記録する。例えば、プロセッサ304は、保守者ID“dealer001”によって識別される保守者について、数式(5)に基づいて算出された値を領域20に記録する。このように、プロセッサ304は、保守者毎に、保守者保守品質を算出することで、品質情報テーブルを生成する。
プロセッサ304は、品質平均を算出する(ACT1103)。品質平均は、ユーザ保守品質又は保守者保守品質に関する各項目毎の平均値である。具体的には、プロセッサ304は、該当ユーザを非担当の保守者を含む、保守支援装置300に登録されたすべての保守者に対して算出されたユーザ保守品質及び保守者保守品質の各項目の平均値を品質平均として算出する。例えば、プロセッサ304は、「訪問回数/台数」の品質平均として、dealer001の値2.60とdealer002の値1.20と、・・・等の全ての保守者に関する「訪問回数/台数」の値に基づいて平均値を算出する。プロセッサ304は、算出された平均値2.00を領域30に記録する。プロセッサ304は、他の項目についても同様に品質平均を算出する。
プロセッサ304は、保守者スコアを算出する(ACT1104)。保守者スコアとは、保守の品質を比較するための値である。具体的には、プロセッサ304は、ユーザ保守品質の各項目の値を、品質平均で除算することで、保守者スコアを算出する。例えば、プロセッサ304が、dealer001の「訪問回数/台数」に関する保守者スコアを算出する場合について説明する。この場合、プロセッサ304は、領域10に示す値2.60を、領域30に示す値2.00で除算する。プロセッサ304は、算出された値1.30を領域40に記録する。プロセッサ304は、他の項目及び他の保守者についても同様に保守者スコアを算出する。また、プロセッサ304は、保守者保守品質についても同様に保守者スコアを算出する。
プロセッサ304は、スコア合計値を算出する(ACT1105)。スコア合計値とは算出された保守者スコアの合計値である。具体的には、プロセッサ304は、ユーザ保守品質の各項目の値を、品質平均で除算することで、保守者スコアを算出する。例えば、プロセッサ304が、dealer001のユーザ保守品質のスコア合計値を算出する場合について説明する。この場合、プロセッサ304は、ユーザ保守品質の各項目の合計値をスコア合計値として算出する。すなわち、プロセッサ304は「訪問回数/台数」の値1.30、「訪問回数/エラー数」の値4.50、「訪問回数/コール数」の値4.00の合計値9.80をスコア合計値として算出する。プロセッサ304は、算出されたスコア合計値9.80を領域50に記録する。プロセッサ304は、他の保守者についても同様にスコア合計値を算出する。また、プロセッサ304は、保守者保守品質についても同様にスコア合計値を算出する。
プロセッサ304は、ユーザスコア平均及び総合スコア平均を算出する(ACT1106)。ユーザスコア平均とは、算出されたスコア合計値の平均値である。ユーザスコア平均は、ユーザ保守品質と保守者保守品質と、それぞれ算出される。具体的には、プロセッサ304は、ユーザ保守品質のスコア合計値の値を取得する。例えば、プロセッサ304は、dealer001スコアのスコア合計値9.80、dealer002スコアのスコア合計値2.10、・・・を取得する。プロセッサ304は、取得された全てのスコア合計値に基づいて平均値を算出する。プロセッサ304は算出された平均値5.95をユーザスコア平均として領域60に記録する。また、プロセッサ304は、保守者保守品質に関するユーザスコア平均を算出する。プロセッサ304は、保守者保守品質のスコア合計値を取得する。例えば、プロセッサ304は、dealer001スコアのスコア合計値2.84、dealer002スコアのスコア合計値10.00、・・・を取得する。プロセッサ304は、取得された全てのスコア合計値に基づいて平均値を算出する。プロセッサ304は算出された平均値6.42をユーザスコア平均として領域70に記録する。
次に、プロセッサ304は、総合スコア平均を算出する。総合スコア平均とは、該当ユーザを非担当の保守者を含む、保守支援装置に登録されたすべての保守者に対して算出されたスコア合計値の平均値である。具体的には、プロセッサ304は、ユーザ保守品質に関する保守者スコアの値を全て取得する。例えば、プロセッサ304は、dealer001スコアに関する保守者スコア(1.30、4.50、4.00)、dealer002スコアに関する保守者スコア(0.6、0.5、1.00)、・・・を取得する。プロセッサ304は、取得された保守者スコアに基づいて平均値を算出する。プロセッサ304は算出された平均値3.00を総合スコア平均として領域80に記録する。
また、プロセッサ304は、保守者保守品質に関する総合スコア平均を算出する。具体的には、プロセッサ304は、保守者保守品質に関する保守者スコアの値を全て取得する。例えば、プロセッサ304は、dealer001スコアに関する保守者スコア(0.85、0.75、…)、dealer002スコアに関する保守者スコア(2.05、3.75、…)、・・・を取得する。プロセッサ304は、取得された保守者スコアに基づいて平均値を算出する。プロセッサ304は算出された平均値7.20を総合スコア平均として領域90に記録する。
プロセッサ304は、生成された品質情報テーブルに基づいて第1の保守優先度の補正比較をする(ACT1107)。具体的には、プロセッサ304は、品質情報テーブルから各保守者のユーザ保守品質のスコア合計値を取得する。プロセッサ304は、取得されたスコア合計値と、品質情報テーブルの総合スコア平均(領域80の値)とを比較する。また、プロセッサ304は、取得されたスコア合計値と、品質情報テーブルのユーザスコア平均(領域60の値)とを比較する。プロセッサ304は、図23に示す比較表に基づいて、保守優先度の補正判定を行う。図23は、実施形態のスコア合計値についてユーザ保守品質のスコア平均との比較を示すテーブルを示す図である。プロセッサ304は、スコア合計値が総合スコア平均よりも高く、かつスコア合計値がユーザスコア平均よりも大幅に高い場合、プロセッサ304は、保守優先度を下げる補正判定を行う。プロセッサ304は、スコア合計値が総合スコア平均よりも高く、かつスコア合計値がユーザスコア平均よりも大幅に低い場合、プロセッサ304は、保守優先度の補正判定を行わない。プロセッサ304は、スコア合計値が総合スコア平均よりも低く、かつスコア合計値がユーザスコア平均よりも大幅に高い場合、プロセッサ304は、保守優先度の補正判定を行わない。プロセッサ304は、スコア合計値が総合スコア平均よりも低く、かつスコア合計値がユーザスコア平均よりも大幅に低い場合、プロセッサ304は、保守優先度を上げる補正判定を行う。該当ユーザを保守している各保守者にこの判定を行なう。
次に、プロセッサ304は、保守者保守品質に関するスコア平均とスコア合計値とを比較する。プロセッサ304は、各保守者のスコア合計値と、品質情報テーブルの総合スコア平均(領域90の値)とを比較する。また、プロセッサ304は、各保守者のスコア合計値と、品質情報テーブルのユーザスコア平均(領域70の値)とを比較する。プロセッサ304は、図24に示す比較表に基づいて、第2の保守優先度の補正判定を行う。図24は、実施形態の保守優先度と保守者保守品質のスコア平均との比較を示すテーブルを示す図である。プロセッサ304は、スコア合計値が総合スコア平均よりも高く、かつスコア合計値がユーザスコア平均よりも大幅に高い場合、プロセッサ304は、保守優先度を上げる補正判定を行う。プロセッサ304は、スコア合計値が総合スコア平均よりも高く、かつスコア合計値がユーザスコア平均よりも大幅に低い場合、プロセッサ304は、保守優先度の補正判定を行わない。プロセッサ304は、スコア合計値が総合スコア平均よりも低く、かつスコア合計値がユーザスコア平均よりも大幅に高い場合、プロセッサ304は、保守優先度の補正判定を行わない。プロセッサ304は、スコア合計値が総合スコア平均よりも低く、かつスコア合計値がユーザスコア平均よりも大幅に低い場合、プロセッサ304は、保守優先度を下げる補正判定を行う。該当ユーザを保守している各保守者にこの判定を行なう。
なお、プロセッサ304は、スコア平均と保守優先度とを比べるため、ほぼすべてのパターンでスコア平均よりも保守優先度が高い又は低いとなる。このため、プロセッサ304は、一定の係数に基づいて比較することで、保守優先度の補正の頻度を抑制することができる。例えば、プロセッサ304は、スコア平均からプラスマイナス3割を超えた値の場合を「大幅に高い又は低い」とみなしてもよい。この場合、プロセッサ304は、ユーザへの保守のむらをある一定の範囲に抑えつつ、過剰な優先度調整による保守コスト増も抑えることが可能になる。
プロセッサ304は、第1の比較結果と第2の比較結果とに基づいて保守優先度の補正を行う。第1の比較結果は、ユーザ保守品質に関するスコア平均とスコア合計値とを比較した結果である。第2の比較結果は、保守者保守品質に関するスコア平均とスコア合計値とを比較した結果である。まず、第1の比較結果が保守優先度を上げる補正を行う結果を示す場合について説明する。この場合、第2の比較結果が保守優先度を上げる補正を行う結果を示す場合、プロセッサ304は、保守優先度を上げる補正を行う。第2の比較結果が保守優先度を下げる補正を行う結果を示す場合、プロセッサ304は、保守優先度を補正しない。この場合、第2の比較結果が、保守優先度の補正を行わない結果を示す場合、プロセッサ304は、保守優先度を上げる補正を行う。次に、第1の比較結果が保守優先度を補正しない結果を示す場合について説明する。この場合、第2の比較結果が保守優先度を上げる補正を行う結果を示す場合、プロセッサ304は、保守優先度を上げる補正を行う。第2の比較結果が保守優先度を下げる補正を行う結果を示す場合、プロセッサ304は、保守優先度を下げる補正を行う。第2の比較結果が、保守優先度の補正を行わない結果を示す場合、プロセッサ304は、保守優先度の補正を行わない。次に、第1の比較結果が保守優先度を下げる補正を行う結果を示す場合について説明する。この場合、第2の比較結果が保守優先度を上げる補正を行う結果を示す場合、プロセッサ304は、保守優先度を補正しない。第2の比較結果が保守優先度を下げる補正を行う結果を示す場合、プロセッサ304は、保守優先度を下げる補正を行う。第2の比較結果が、保守優先度の補正を行わない結果を示す場合、プロセッサ304は、保守優先度を下げる補正を行う。プロセッサ304は、画像形成装置テーブルの保守優先度を、補正結果を反映させた値に更新する。
このように構成された保守支援システム1では、保守支援装置300のプロセッサ304は、装置情報と使用情報と契約情報とのうち、少なくとも1つの情報に基づいて、保守優先度を算出する。プロセッサ304は、算出された保守優先度を記憶装置303に記録する。保守者は、保守優先度に基づいて、どの画像形成装置100を優先して保守をすることが望ましいか判断することが可能になる。
また、ユーザが複数の画像形成装置100を有し、複数の保守者から保守を受けている場合、プロセッサ304は、ユーザに対する保守の品質を保守者毎に算出する。プロセッサ304は、保守者毎に算出された保守の品質に基づいて保守優先度を補正する。このように構成されることで、ユーザを複数の保守者で担当する場合であっても、保守者毎の保守の品質のむらを一定の範囲に保つことができる。また、保守の品質のむらを一定の範囲に抑えることで、過剰な保守優先度に伴う、保守コストの増加を抑制することが可能になる。
なお、プロセッサ304は、所定の画像形成装置100を保守優先度の補正の計算から除くように構成されてもよい。所定の画像形成装置100とは、例えば納入して間もない画像形成装置100であってもよい。所定の画像形成装置100とは、例えば長期間順調に稼動して訪問保守もコールセンターへのコールもない画像形成装置100であってもよい。所定の画像形成装置100とは、記憶装置303に記憶された情報の不足によって保守の品質を計算することができない画像形成装置100であってもよい。
なお、プロセッサ304は、ユーザと保守者との契約内容に応じて、ユーザ保守品質又は保守者保守品質に関する所定の項目を算出しないように構成されてもよい。例えば、保守者が障害発生時から初動までの訪問時間が定められた契約をユーザと締結している場合について説明する。この場合、プロセッサ304は、訪問時間をユーザ保守品質又は保守者保守品質に関する所定の項目の算出に用いない。契約内容に「24時間以内」又は「72時間以内」等の訪問時間に関する契約内容が複数ある場合、ユーザは「72時間以内」よりも「24時間以内」のほうが高い契約料金を支払うことが多い。このとき、ユーザに安価な契約内容であっても、高価な契約内容と同等の保守品質であると認識されることで、高価なプランの価値が毀損されることを防ぐことができる。
なお、プロセッサ304は保守優先度の補正を所定の間隔で実行するように構成されてもよい。所定の間隔とは、例えば1週間であってもよいし、1カ月であってもよい。このように構成されることで、プロセッサ304は、保守優先度の補正に伴う負荷を減らすことができる。
なお、プロセッサ304は、ユーザ保守品質又は保守者保守品質に関する各項目を算出するための各種の値に関する期間を定められてもよい。期間は、例えば、現在から過去1年分の情報が用いられてもよい。例えば、プロセッサ304は、画像形成装置100の利用当初からの累積値を使用した場合、利用の途中で品質が向上又は低下した場合に、保守優先度への反映が不十分になる。このように構成されることで、保守支援システム1は、近年の状態をより正確に反映して保守優先度を補正することができる。
なお、上述の品質情報テーブルは、対象となるユーザが有する画像形成装置100を保守する全ての保守者に関する保守者スコアを算出する場合について説明した。しかし、品質情報テーブルは、一部の保守者に関する保守者スコアを算出するように構成されてもよい。一部の保守者とは、例えば、国別で表される全ての保守者であってもよいし、地域別で表される全ての保守者であってもよい。例えば、ユーザが日本等の特定の国だけで活動するが、特定の国全土にわたって拠点を持つ場合、特定の国内で稼動する画像形成装置100全体の平均と保守優先度とを比較することが望ましい。例えば、ユーザがヨーロッパ等の隣接した複数国に拠点を持つ場合、国単位で比較すると、保守者毎にばらつきが大きくなる可能性がある。このようなユーザの場合、ヨーロッパ等の複数国で稼動する画像形成装置100全体の平均と保守優先度とを比較することが望ましい。例えば、ユーザが全世界に拠点を持つ場合、拠点によらず同一内容のサービスを展開することが求められる。このようなユーザの場合、全ての画像形成装置100全体の平均と比較することが望ましい。これらのユーザに関する条件はどれかひとつに限定してもよい。対象となるユーザの拠点展開状況によって選択されるように構成されてもよい。また、プロセッサ304は、保守の品質向上のために、平均を算出する代わりに、目標となる数値を設定してもよい。このように構成されることで、保守の品質を向上させることができる。
保守支援装置300は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、保守支援装置300が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、記憶装置303とプロセッサ304とはそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。
また、保守支援システム1は、画像形成装置100以外の装置に用いられてもよい。例えば、保守支援システム1は、POS(Point Of Sales)端末に対する保守優先度の算出に用いてもよい。
上記各実施形態では、制御部はソフトウェア機能部であるものとしたが、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
以上説明した実施形態によれば、プロセッサ304と記憶装置303とを持つことにより、画像形成装置100の保守優先度を適切に決定することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。