JP7352999B1 - 建築物、及び、施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な強度を保持しながら、木材の使用量を節減し、かつ、簡便に施工できる建築物の提供。【解決手段】 鉄骨造の外側建物部と、その内側に入れ子状に収容された内側建物部と、を備える建築物であって、前記内側建物部は、木造の枠体構造を備え、前記枠体構造は、通し柱と、前記通し柱の間に架け渡される梁とを組み合わせて構成され、前記通し柱は、側面を開口する側面ほぞ穴を有し、前記梁は、少なくとも一方の端面に前記側面ほぞ穴に挿入される端面ほぞ部を有し、前記側面ほぞ穴に、前記端面ほぞ部が挿入されて、前記通し柱と前記梁とが柱勝ちにて組み合わせて前記枠体構造が構成される、建築物。【選択図】 図3

Description

特許法第30条第2項適用 (1)施工による公開 令和4年11月11日に茨城県土浦市真鍋四丁目2751番9(地番)で施工
本発明は、建築物、及び、施工方法に関する。
SARS-CoV-2(新型コロナウィルス感染症)の感染拡大の影響を受けた在宅勤務等の広がりから、近年、住宅需要が高まっている。また同感染症の影響、及び、政情不安定により、国際物流におけるコンテナの不足、コンテナ運賃の急騰による輸送費の高騰が重なり、近年、木材価格が急騰している。
木造軸組工法(在来工法)による住宅は、柱と梁との位置関係を調整することで、空間の形状を比較的自由に設計できる(言い換えれば、デザイン性が高い)ため、従来から需要が高い一方で、木材を多用するため、昨今の価格急騰の影響を大きく受けて、コスト高となっている。
価格の急騰、安定入手の困難化という木材を取り巻く二重苦の状況下にあって、高まる住宅需要に応えるためには、従来同様の自由度・デザイン性を保持しつつ、木材の使用を節減可能な、新たな設計の木造家屋の開発が求められている。
このような技術として、特許文献1には、「建築すべき家屋の略中心に位置するように布基礎上に立設した鋼材からなる縦主柱と、前記布基礎上に配設した土台と、該土台上に配設した鋼材からなる大引きと、該大引き上に敷設した床パネルと、前記土台上に立設した外壁パネルと、該外壁パネルと縦主柱との間に架設した鋼材からなる中引きと、該中引きと外壁パネルとの間に架設した鋼材からなる梁とから躯体を構成したことを特徴とする木造家屋。」が記載されている。
特開平10-1479792号公報
特許文献1に記載された木造家屋は、その構造部材に鋼材と木材とを併用する構造のため、全体として構造が複雑化し、また、工法・組み立ても特殊となっている。そのため、設計・施工には、施工技能者に対する新たな訓練が必要であり、高まる住宅需要と木材価格の高騰とに迅速に応えられるものではなかった。
そこで、本発明は、十分な強度を保持しながら、木材の使用量を節減し、かつ、簡便に施工できる建築物の提供を課題とする。また、本発明は、施工方法の提供も課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
[1] 鉄骨造の外側建物部と、その内側に入れ子状に収容された内側建物部と、を備える建築物であって、上記内側建物部は、木造の枠体構造を備え、上記枠体構造は、通し柱と、上記通し柱の間に架け渡される梁とを組み合わせて構成され、上記通し柱は、側面を開口する側面ほぞ穴を有し、上記梁は、少なくとも一方の端面に上記側面ほぞ穴に挿入される端面ほぞ部を有し、上記側面ほぞ穴に、上記端面ほぞ部が挿入されて、上記通し柱と上記梁とが柱勝ちにて組み合わされて上記枠体構造が構成される、建築物。
[2] 上記通し柱の上端面と、上記梁の上端面とが、ほぼ面一となるように構成される、[1]に記載の建築物。
[3] 上記建築物の設置面から、上記外側建物部の天井部の内側までの内法高さH1に対する、上記設置面から、上記枠体構造の上端までの外法高さH2(H2/H1)が、0.8~1.0を満たす、[2]に記載の建築物。
[4] 上記外側建物部は、側面に外部空間と連通する第1開口部を備え、上記第1開口部には、扉が設置される、[3]に記載の建築物。
[5] 上記外側建物部、及び、上記内側建物部は、外形がそれぞれ略四角柱状をなし、上記第1開口部側から見たとき、上記内側建物部の横幅W2は、上記第1開口部の横幅W1より小さく、上記内側建物部の横には、空間があり、上記内側建物部は、上記空間に向く側面に、上記内側建物部への出入口を備える、[4]に記載の建築物。
[6] 上記横幅W1と上記横幅W2の差が、車両の出入りが可能な程度に構成され、上記空間が上記車両の駐車スペースを構成する、[5]に記載の建築物。
[7] 上記外側建物部は窓を有さない、[6]に記載の建築物。
[8] 鉄骨造の外側建物部と、その内側に入れ子状に収容された、木造の枠体構造を備える内側建物部と、を備える建築物の施工方法であって、上記外側建物部を設置することと、上記外側建物部の内側に、上記枠体構造を組み立てることと、を含み、上記枠体構造の組み立ては、側面を開口する側面ほぞ穴を有する通し柱と、少なくとも一方の端面に上記側面ほぞ穴に挿入される端面ほぞ部を有する梁と、を用いて、上記側面ほぞ穴に、上記端面ほぞ部を挿入し、上記通し柱と上記梁とを柱勝ちにて組み合わせるようにして行われる、建築物の施工方法。
[9] 上記枠体構造を組み立てることは、上記通し柱の上端面と、上記梁の上端面とが、ほぼ面一となるように行われる、[8]に記載の建築物の施工方法。
本発明によれば、十分な強度を保持しながら、木材の使用量を節減し、かつ、簡便に施工できる建築物が提供される。また、本発明によれば、施工方法も提供される。
本発明の実施例の建築物の外観の説明図である。図1(A)は正面図であり、図1(B)は右側面図であり、図1(C)は、背面図である。 本発明の実施例の建築物の外観の説明図であって、外側建物部が有する第1開口部の扉(シャッタ)を開扉した状態の説明図である。図2(A)は正面図であり、図2(B)は、右側面図である。 本発明の実施例の建築物の間取図である。 枠体構造の説明図である。 通し柱と梁との接合部分の説明図である。図5(A)は接合部分の斜視図であり、図5(B)はその分解図であり、図5(C)は、A-A断面図であり、図5(D)は、その分解図である。 柱と梁とを組み合わせる際の一般的な手順(従来例)を表す模式図である。 内側建物部が有する枠体構造の接合部分の説明図である。 本発明の建築物の好ましい施工方法のフローチャートである。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化した一例であって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、及び、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があり、また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なることがある。
本発明の建築物は、鉄骨造の外側建物部と、その内側に入れ子状に収容された内側建物部と、を備える建築物であって、内側建物部は、木造の枠体構造を備え、枠体構造は、通し柱と、通し柱の間に架け渡される梁とを組み合わせて構成され、通し柱は、側面を開口する側面ほぞ穴を有し、梁は、少なくとも一方の端面に側面ほぞ穴に挿入される端面ほぞ部を有し、側面ほぞ穴に、端面ほぞ部が挿入されて、通し柱と梁とが柱勝ちにて組み合わされて枠体構造が構成される、建築物である。
本発明者は、木造家屋の建築における木材の使用量の節減方法として、特許文献1に記載されたような鋼材との併用、組合せを採用すると、建築物全体の構造が複雑化したり、特殊な金具(このような金具は一般にコスト高となる)を必要としたり、施工にあたる技能者に特殊な訓練・技術を要したりして(技能者が確保しにくくなり)、結果的に昨今の住宅に要求されるコストを満足しなかったり、迅速な施工が難しかったりする問題があることを知見していた。
そこで、従来の発想を転換し、上記のような鋼材と木材との併用・組み合わせではなく、一つの建築物の中で、敢えて鉄骨造部分と木造部分とを分離することを着想した。具体的には、鉄骨造の外側建物部によって、木造の内側建物部をすっぽりと覆うようにすることで、上記問題をいずれも解決できると考えた。なお、以下ではこの着想に基づく建築物を便宜的に「二重建築物」と称する。
本発明者は、二重建築物であれば、建物全体としての強度は頑強な鉄骨造の外側建物部に担わせることができると考えた。この内部に木造の内側建物部を入れ子状に収容して、外側建物部、内側建物部のそれぞれについては、一般的な構造を有し、一般的な工法で施工できるようにすれば、すべての課題は解決されると考えた。
しかし、上記の発想をもとに新たな建築物の設計を行ったところ、新たな課題が見出された。この新たな課題について、図面を参照しながら説明する。
図6は、柱と梁とを組み合わせる際の一般的な手順を表す模式図である。このうち、図6(A)の接合部分60は、上端にほぞ部63を有する柱61と、側面(下面)にほぞ穴64を有する梁62とを、梁勝ちにて組み合わせる場合の模式図である。
図6(A)の場合、柱61の上端に配置されたほぞ部63を、梁62の下面に配置されたほぞ穴64に挿入するために、梁62は、柱61の鉛直上方から、柱61の上端へと矢印ar1方向に嵌め込まれることとなる。この後更に、梁62を鉛直上方から槌65で叩く等して、接合部分60をしっかりと固定することもある。
このようにして接合部分60を形成する場合、梁62を柱61の上方から嵌め込む必要があること、更に必要に応じて槌65で叩く必要があることから、梁62の上部には、所定の作業用の空間が必要になる。
二重建築物を施工するために、このような従来工法にて、外側建物部の内部で、枠体構造を施工する場合、外側建物部の天井部70、枠体構造の上端までの距離ds1が作業上必要となる。この距離ds1は、例えば、数10cm~1.5m程度となる場合もある。
図6(B)は、金物接合工法(従来工法)による柱勝ちの接合部分の模式図である。柱61の側面上端には、接合金具66(「クレテック金具」等)が取り付けられる。一方、梁62の下面には、接合金具66に嵌合するように溝67が形成される。接合金具66に溝67が嵌め合わされ、ボルト、ピン等により柱61と梁62とが緊結される。
この方法により柱61と梁62とを組み合わせる際にも、梁62は、柱61の上方から(矢印ar2方向に)接合金具66に嵌め込まれ、必要に応じて槌65で叩かれる。そのため、図6(A)の場合と同様、天井部70から、枠体構造の上端までの距離ds2が組み立て作業上必要となる。
外側建物部の内部に内側建物部を入れ子状に収容するためには、先に外側建物部を施工し、その後に内側建物部を施工する方が作業効率に優れる。外側建物部を施工した後であれば、降雨等の天候条件に左右されず、内側建物部を簡単に施工できるため、工期の短縮も見込めるためである。
しかし、上述のように、従来工法による木造建築では、天井部70と枠体構造との間にクリアランスを必要とし、このクリアランスは施工後(完成後)にはデッドスペースになり、内側建物部の容積(居住空間の容積)を圧迫するという問題がある。
このことは、一つの建築物の中で、敢えて鉄骨造部分と木造部分とを分離する二重建築物を着想し、これを実際に設計にするに至ったことにより、初めて知見された課題であった。
上記課題を解決するための本発明の建築物の特徴点の一つは、内側建物部の木造の枠体構造における接合部分の構造である。
図7は、本発明の内側建物部が有する枠体構造の接合部分の説明図である。通し柱31と梁32とは、側面ほぞ穴50と端面ほぞ部51とを嵌め合わせることで組み立てられる。この際、通し柱31と梁32とは、互いに横方向(矢印ar3方向)に押し込まれることで、嵌め合わせが可能となる。必要に応じて槌65等で叩く場合でも、矢印ar3方向(又はその逆方向)に叩けばよいため、天井部70と、枠体構造30の上端との間に、作業のためのクリアランスを設ける必要がない。
なお、本明細書における梁とは、一般的な木造家屋における小屋梁に相当する。しかし、本発明の二重建築物においては、木造の枠体構造は屋根を支えない(外側建物部が屋根を支えるため)ため、従来の小屋梁とは、機能が異なる。しかし、設置される位置(柱の上部に架け渡されること)は同様である。
更に、詳細は後述するが、通し柱31の上端面、梁32の上端面がほぼ面一をなす(図7(A)中、線L1)ため、鉄骨造の外側建物部の天井部70と枠体構造の上端をより近づけ、枠体構造により区画される内側建物部の居住容積をより大きくとることができるという効果を有する。
一般に、図6(A)、図6(B)のような接合とされるのには、枠体構造の強度を一定程度確保するというねらいもある。
本発明の建築物は、所定の強度が期待できる鉄骨造の外側建物部によって、内側建物部が入れ子状に収容(すっぽり覆われて収容)される。そのため、建築物全体の強度を、外側建物部に担わせることができ、上記のような接合であっても、建築物全体として、十分な強度を有するのである。
次に、本発明の建築物の具体例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の建築物の一実施例(以下、「本建築物」ともいう。)の外観の説明図である。このうち、図1(A)は正面図であり、図1(B)は右側面図であり、図1(C)は、背面図である。
また、図2は、本建築物の外観の説明図であって、外側建物部が有する第1開口部の扉(シャッタ)を開扉した状態の説明図である。このうち、図2(A)は正面図であり、図2(B)は、右側面図である。なお、各図には座標軸が併記されている。
建築物100は、鉄骨造の外側建物部10の内側に、木造の枠体構造を備える内側建物部20が入れ子状に収容されて構成される一階建ての建築物である。本発明の建築物は二階建て以上であってもよく、その場合、外側建物部10を一階建てとし、内側建物部20を二階建て以上としてもよい。しかし、木材使用量をより節減できる観点で、外側建物部10及び内側建物部20のともに一階建ての、全体として一階建ての建築物が好ましい。
外側建物部10は、側面、背面の三方が窓のない壁面とされ、前方には、第1開口部op1を備え、更に、屋根11を備える。外側建物部10は鉄骨造であり、柱、及び、梁等の骨組みは鋼材とされ、壁面、及び、屋根11の大部分も鋼板(塗装鋼板)等によって構成される。
なお、本明細書において、「鉄骨造」とは、構造部材を鋼材とした構造を意味し、軽量鉄骨造、重量鉄骨造のいずれも含む意味で使用される。
外側建物部10は外形が、ほぼ四角柱状であり、4つの壁面と、平板上の屋根11とを備える。なお、屋根11は、正面側から背面側へ向けて下がる勾配を有しているが、勾配を有していなくてもよい。また、片流れ屋根である必要はなく、切妻屋根、鋸屋根、陸屋根、及び、招き造り等のいずれであってもよい。
外側建物部10の正面には、外側建物部10の横幅より少し狭い横幅の第1開口部op1が配置される。第1開口部op1は、3枚のシャッタ13a、13b、13c、及び、これらを支える取り外し可能な支柱14によって開閉可能とされる。
一方、これと対向する背面16、及び、側面12には窓を含む開口は配置されない。そのため、図1(A)~(C)に示されるように、第1開口部op1をシャッタ13a、13b、13cで閉扉すると、外部から、内側建物部20を視認することはできない。このように構成されることで、第1開口部op1を閉扉すれば、外部からの侵入経路はほぼなくなるため、建築物100は優れた防犯性能を有する。なお、本発明の建築物における外側建物部の開口は1つに限定されるものではなく、複数であってもよい。また、背面16、及び、側面12に窓や出入口等の他の開口部が形成されていてもよい。
外側建物部10の背面16には、外部空間に連通する(内外を連通する)通気口15(ダクト)が配置される。通気口15の個数は、1個に限定されず、複数個配置されてもよい。また、その配置場所も、背面16以外の場所(例えば、側面12)であってもよい。
一方で、背面16に通気口15が配置されることで、第1開口部op1から通気口15までの通気が確保されやすい点で好ましい。
外側建物部10は、例えば、既製の組み立て物置、倉庫、ガレージ等を転用し得る。建築物100の外側建物部10は、それぞれのシャッタ13a、13b、13cに対応する区画に、車両を3台並列駐車可能な(軽量)鉄骨造のガレージが転用されたものである。
図2(A)の正面図においては、第1開口部op1のシャッタ13a、13b、13cが開扉され、正面から見ると、基礎部材22に据え置かれた内側建物部20が視認される。図2(A)、及び、(B)から明らかなとおり、内側建物部20は外形が略四角柱状であり、外側建物部10の内部に入れ子状に収容される。
なお、基礎部材22は、内側建物部20の独立した基礎とされ、外側建物部10は、別体とされた(図示しない)基礎部材上に据え置かれる。
内側建物部20は、正面(第1開口部op1)側に壁21を有し、壁21には、窓23、24が配置され、出入口(第2開口部)は空間Spに面した側面側に配置される。
正面視における内側建物部20の横幅W2は、同じく正面視における第1開口部op1の横幅W1と比較したとき、より狭く構成される。
建築物100においては、横幅W2/横幅W1は約2/3となるよう構成され、残りの1/3は、空間Spとされる。なお、上記は一例であり、横幅W1と横幅W2とは、ほぼ同一であってもよい。この場合、空間Spはなく、より内側建物部20を大きくとることができる。
横幅W2と横幅W1との差(空間Spの幅)の大きさは特に限定されないが、この幅を車両の出入り可能な程度に構成することで、空間Spを駐車スペースとして使用できる点で好ましい。また、空間Spは正面視で内側建物部20の右側に配置されているが、この配置に限定されず、内側建物部20の左側に配置されてもよい。
設置面Gから内側建物部20の上端までの高さH2(外法高さ)と、設置面Gから外側建物部10の天井部の下端までの高さH1(内法高さ)と、の関係は特に限定されないが、内法高さH1に対する外法高さH2(H2/H1)が0.5~1.0を満たすことが好ましく、0.8~1.0を満たすことがより好ましく、0.9~1.0を満たすことが更に好ましい。
H2/H1が上記数値範囲内であると、外側建物部10の内部の空間をより有効に活用できる、言い換えれば内側建物部20の容積をより大きくできる点で好ましい。
図3は、建築物100の間取図である。建築物100の外側建物部10は鉄骨造で内部に柱はなく、その空間内に内側建物部20が収容される。内側建物部20は、後述する木造の枠体構造、及び、壁面パネル等を備える、従来工法により施工可能な構造体である。
内側建物部20は、玄関201、リビングダイニング202、物入203、トイレ204、キッチン205、冷蔵庫置き場206、物入207、洋室208、洗面脱衣室209、浴室210を有する住居である。なお、内側建物部20の間取は例であり、上記以外の間取であってもよいし、住居以外であってもよい。
内側建物部20は、正面側に窓23、24、空間Spに面する側面側に窓25、26を備え、更に、出入口である第2開口部op2を備え、第2開口部op2は扉27により開閉可能とされる。
空間Spは正面視における横幅(W1-W2)が車両28が出入り可能な程度とされ、駐車スペースとして利用される。内側建物部20の第2開口部op2が空間Sp側を向いていることで、車両28の乗降を屋根11の下で行える。雨天時であっても、濡れずに乗降できる点で好ましい。また、外側建物部10の第1開口部op1を閉扉すれば、外部からの容易な侵入を防止でき、車両28の盗難等も予防できる。
次に、内側建物部20が有する枠体構造について説明する。
図4は、内側建物部20が有する枠体構造30の斜視図である。この枠体構造30は、説明のために簡略化されたものであり、実際には、図示された様な枠体構造30を一単位として、これらが隣り合って横に複数組み合わされることで、実際の枠体構造が構成される。なお、隣り合う場合には、通し柱31、及び、梁32等は、隣り合う単位同士で適宜共有され得る。
枠体構造30は、複数本の通し柱31と、通し柱31の間に架け渡された梁32とを備える。
通し柱31は、下部の土台33上にそれぞれ配置され、土台33と梁32との間には、管柱34がほぼ等間隔に配置される。また、土台33の対向面には根太35が架け渡されている。なお、各部は、図示しない金具等によって補強されていてもよい。
図5は、枠体構造30における、通し柱31と、梁32との接合部分の説明図である。図5(A)は接合部分の斜視図であり、図5(B)はその分解図であり、図5(C)は、A-A断面図であり、図5(D)は、その分解図である。
枠体構造30の特徴点の一つは、通し柱31がその側面に開口する側面ほぞ穴50を有していること、梁32がその端面に端面ほぞ部51を有していること、側面ほぞ穴50に、端面ほぞ部51が挿入されて通し柱31と梁32とが柱勝ちにて組み合わされると、通し柱31の上端面41と、梁の上端面42とが、ほぼ面一となるように構成されることにある。
なお、図中、端面ほぞ部51は、直方体状であるが、上記に限定されず、公知の「ほぞ」の形状とすることができる。これと嵌合する側面ほぞ穴も同様である。
内側建物部20の枠体構造30が、通し柱31の側面ほぞ穴50に、梁の端面ほぞ部51を挿入して、通し柱31と梁32とが柱勝ちにて組み合わせる構成としたことで、通し柱31、及び、梁32上に組み立てのためのスペースが不要となる。これにより、枠体構造30の外法高さH2を、外側建物部10の天井部70の内法高さH1により近づけることができ、内側建物部20の容積をより大きくとることができる。
本建築物においては、建築物全体としての強度の大部分を鉄骨造の外側建物部10が担うため、上記のような接合を採用することができ、結果として、内側建物部20の大容積化が可能となった。
また、通し柱の上端面41と、梁の上端面42とを、ほぼ面一となるように構成したことで、デッドスペースがより小さくなり、より大きな(容積が大きい)内側建物部20を配置可能となった。なお、通し柱の上端面41と、梁の上端面42とは面一でなくてもよい。
上述のとおり、建築物100によれば、外側建物部10と内側建物部20とが入れ子状の構造をなし、かつ、外側建物部10を鉄骨造とすることで、建築物全体として十分な強度を保持しながら、木材の使用量の節減が達成される。
また、上述のとおり、建築物100の外側建物部10は、既製の組み立て倉庫、及び、車庫、ガレージを転用できる。また、内側建物部20は、接合部分に特徴はあるものの、木材の製造(プレカット)、及び、組み立てともに、従来工法によるものと大差ない。従って、木材の使用量を節減しつつ、一般的な技能者により、特別な訓練・経験を必要とせずに施工が可能である。
(施工方法)
本発明の建築物の施工方法は特に限定されず、外側建物部10を先に施工し、その後、その内部に内側建物部20を施工してもよいし、内側建物部20を先に施工し、その後に外側建物部を施工してもよい。また、外側建物部10と内側建物部20とを同時に施工してもよい。
なかでも、より容易に建築物を施工できる観点で、外側建物部10を先に施工し、その後、その内部に内側建物部20を施工することが好ましい。
図8は、本発明の建築物の好ましい施工方法のフローチャートである。まず、ステップS11として、外側建物部10を施工する。外側建物部10の施工方法は特に限定されず、公知の方法が適用できる。たとえば、設置面Gに基礎部材を設置し、その上に鋼材の柱等を順次設置して組み立てていく方法が挙げられる。
なお、外側建物部10の基礎部材は、内側建物部20の基礎部材と一体とされてもよいが、別体とされることが好ましい。
外側建物部10の基礎部材を内側建物部20の基礎部材と別体とする場合、ステップS11の外側建物部10の施工の終了後に、内側建物部20の基礎部材を施工することが好ましい。内側建物部20の基礎部材の施工の際、外側建物部10の大部分(特に屋根11や扉)がすでに完成している場合、天候(特に雨天)等に左右される工事を進めることができ、工期をより短縮することが期待できる。
次に、ステップS12として、内側建物部20の枠体構造30が施工される。このとき、内側建物部20の枠体構造30の全体を同時に施工してもよいが、所定の大きさの単位に区切って、各単位ごとに施工することが好ましい。
特に、外側建物部10の第1開口部op1から、より遠い箇所(奥側)に配置されるべき単位から施工していくと、より容易に施工できる。
すでに説明したとおり、枠体構造30の梁32は、固定された通し柱31に横から嵌め込まれる形態であるため、奥側の単位から施工(固定)することで、手前側の単位の施工がより容易となる。
次に、ステップS13として、内側建物部20の仕上げが行われる。仕上げとしては、特に限定されないが、天井パネル、壁面パネル、及び、断熱材の取り付けが行われる。
上記施工方法によれば、外側建物部10が先に施工されるため、その後の天候等に関わらず、内側建物部20の施工を迅速に進めることができる。
10 外側建物部、11 屋根、12 側面、13a シャッタ、13b シャッタ、13c シャッタ、14 支柱、15 通気口、16 背面、20 内側建物部、21 壁、22 基礎部材、23 窓、24 窓、25 窓、26 窓、27 扉、28 車両、30 枠体構造、31 通し柱、32 梁、33 土台、34 管柱、35 根太、50 側面ほぞ穴、51 端面ほぞ部、60 接合部分、61 柱、62 梁、63 ほぞ部、64 ほぞ穴、65 槌、66 接合金具、67 溝、70 天井部、100 建築物

Claims (6)

  1. 鉄骨造の外側建物部と、
    その内側に入れ子状に収容された内側建物部と、を備える建築物であって、
    前記内側建物部は、木造の枠体構造を備え、
    前記枠体構造は、通し柱と、前記通し柱の間に架け渡される梁とを組み合わせて構成され、
    前記通し柱は、側面を開口する側面ほぞ穴を有し、
    前記梁は、少なくとも一方の端面に前記側面ほぞ穴に挿入される端面ほぞ部を有し、
    前記側面ほぞ穴に、前記端面ほぞ部が挿入されて、前記通し柱と前記梁とが柱勝ちにて組み合わされて前記枠体構造が構成され、
    前記外側建物部は、側面に外部空間と連通する第1開口部を備え、前記第1開口部には、扉が設置され、
    前記外側建物部、及び、前記内側建物部は、外形がそれぞれ略四角柱状をなし、
    前記第1開口部側から見たとき、前記内側建物部の横幅W2は、前記第1開口部の横幅W1より小さく、前記内側建物部の横には、空間があり、
    前記内側建物部は、前記空間に向く側面に、前記内側建物部への出入口を備え、
    前記横幅W1と前記横幅W2の差が、車両の出入りが可能な程度に構成され、前記空間が前記車両の駐車スペースを構成する、建築物。
  2. 前記通し柱の上端面と、前記梁の上端面とが、ほぼ面一となるように構成される、請求項1に記載の建築物。
  3. 前記建築物の設置面から、前記外側建物部の天井部の内側までの内法高さH1に対する、前記設置面から、前記枠体構造の上端までの外法高さH2(H2/H1)が、0.8~1.0を満たす、請求項2に記載の建築物。
  4. 前記外側建物部は窓を有さない、請求項3に記載の建築物。
  5. 鉄骨造の外側建物部と、その内側に入れ子状に収容された、木造の枠体構造を備える内側建物部と、を備える建築物の施工方法であって、
    前記外側建物部を設置することと、
    前記外側建物部の内側に、前記枠体構造を組み立てることと、を含み、
    前記枠体構造の組み立ては、
    側面を開口する側面ほぞ穴を有する通し柱と、
    少なくとも一方の端面に前記側面ほぞ穴に挿入される端面ほぞ部を有する梁と、を用いて、
    前記側面ほぞ穴に、前記端面ほぞ部を挿入し、前記通し柱と前記梁とを柱勝ちにて組み合わせるようにして行われ
    前記建築物の設置面から、前記外側建物部の天井部の内側までの内法高さH1に対する、前記設置面から、前記枠体構造の上端までの外法高さH2(H2/H1)が、0.8~1.0を満たす、建築物の施工方法。
  6. 前記枠体構造を組み立てることは、前記通し柱の上端面と、前記梁の上端面とが、ほぼ面一となるように行われる、請求項5に記載の建築物の施工方法。
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