JP2738599B2 - 中高層建築物の構造およびその施工方法 - Google Patents

中高層建築物の構造およびその施工方法

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JP2738599B2
JP2738599B2 JP3115511A JP11551191A JP2738599B2 JP 2738599 B2 JP2738599 B2 JP 2738599B2 JP 3115511 A JP3115511 A JP 3115511A JP 11551191 A JP11551191 A JP 11551191A JP 2738599 B2 JP2738599 B2 JP 2738599B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中高層建築物の構造お
よびその施工方法に係わり、特に、建物の1階に、1階
の住戸を構成する住戸ユニットを前後左右に複数列配設
し、各住戸ユニットの上に建物の各階を構成する住戸ユ
ニットを積み重ねて前後左右上下に隣接する各住戸ユニ
ットを相互に一体化してなる中高層建築物の構造および
その施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大都市の用地不足と、要請される
住宅戸数の消化のために、市街地集合住宅等において
は、中層から例えば10〜15階の高層の集合住宅が建
築されるようになってきた。
【0003】これらは、一般に、柱をH形鋼を主材とす
るSRC造とし、けた行は鉄骨梁と壁の部分を一体とし
た大型PC板、戸境壁ははりブレース入りPC板、床は
現場打ちとし、基本的に従来のオフィスビルの工法技術
を適用したものであった。
【0004】ところで、この種の集合住宅においても、
時間、資材、労力の冗費を削減し、品質の良い住宅を得
るために、戸建て住宅のようなプレハブ化が進められる
ようになってきた。
【0005】図9ないし図10は、このようなプレハブ
化を図った中高層建築物の施工技術の従来例を示すもの
である。
【0006】図9に示すユニット化工法は、H形鋼を主
体構造とするスペースフレーム1の中にボックス型に組
み立てた住戸ユニット2を挿入していくもので、住戸ユ
ニット2はクレーン3で吊り上げた押し込み治具兼用の
吊上げ板4に載せられて、スペースフレーム1の挿入部
1aに臨ませられ、吊上げ板4に備えられた挿入装置に
よって挿入部1aの中に挿入されていくものである。
【0007】また、図10に示すユニット化工法は、鉄
骨造のスペースユニット(住戸ユニット)5を、クレー
ン6により、現場で積み上げて行くもので、ブロック工
法とも呼ばれているものである。なお、現場で積み上げ
られるスペースユニット5は、間口3,150mm、奥
行11,270mm、高さ2,670mm、重量9〜10
tを標準とするもので、けた行方向はラーメン、スパン
方向は多柱式のフィーレンディールトラスの構造形式を
とっており、ユニットの外壁は、耐鋼性鋼鈑によるカー
テンウォールが工場で先付けされ、さらにサッシ、ガラ
スも工場において取り付けられるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した従来
技術における次ぎのような課題を解決せんとするもので
ある。
【0009】第1に、図9に示すようなユニット化工法
では、住戸ユニット2を吊上げ板4を介してクレーン3
によりスペースフレーム1の挿入部1aに臨む位置まで
吊り上げ、住戸ユニット2を挿入部1aに押し込まなけ
ればならないので、現場での施工作業の能率が悪く、ま
たスペースフレーム1の前に住戸ユニット2を臨ませる
ための作業空間を確保しなければならないといった問題
点である。
【0010】第2に、図10に示すような住戸ユニット
5を積み重ねて建築物を構築するユニット化工法では、
鉛直荷重並びに水平荷重に対する強度向上を図るために
個々の住戸ユニットの構造を強固なものにしなければな
らず、住戸ユニットのコストが大きくなって、全体的に
コスト高になるといった点である。
【0011】また、住戸ユニットとこれより剛性が強化
された強化住戸ユニットとを用い、これらを積み重ねて
建築物を構築する場合、強化住戸ユニットを単に多く用
いたのではコストがかかるため建築物全体として効率よ
く強度の向上を図ることができない。そこで、本発明は
前記事情に鑑みて提案されたもので、その目的とすると
ころは、各階の四隅に配置される住戸ユニットを他の住
戸ユニットより剛性を強化し、この強化した住戸ユニッ
トの列に水平荷重を受け持たせ、以て建築物全体の強度
を効率よく向上させるとともに施工コストの削減を図
り、また、現場での施工作業の能率を上げることができ
る中高層建築物の構造およびその施工方法を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による中高層建築
物の構造は次のとおりである。
【0013】すなわち、建物の1階に、1階の住戸を構
成する住戸ユニットを前後左右に複数列配設し、各住戸
ユニットの上に建物の各階を構成する住戸ユニットを積
み重ねて前後左右上下に隣接する各住戸ユニットを相互
に一体化してなる中高層建築物であって、前記住戸ユニ
ットのうち他の住戸ユニットよりも剛性が強化された強
化住戸ユニットを各階の四隅に配設してそれぞれの上下
方向に強化住戸ユニットの列を構成させ、これら強化住
戸ユニットの列同士の間に、それぞれ前記他の住戸ユニ
ットを少なくとも上下方向に1列以上介在させることを
特徴とするものである。
【0014】また、本発明では、前記住戸ユニットとし
て、4本の柱部と、これら柱部の上端並びに下端をそれ
ぞれ連結する上梁部並びに下梁部とによりボックス型に
組んだ構造のものが挙げられ、また、住戸ユニットのう
ち剛性が強化された住戸ユニットとして、前後左右上下
の各六面のうち少なくとも隣接する2面に、ブレース、
耐力壁等の剛性強化部材が組み込んでなるものが挙げら
れる。
【0015】さらに本発明による中高層建築物の施工方
法は、建物の1階に、1階の住戸を構成する住戸ユニッ
トを前後左右に複数列配設し、各住戸ユニットの上に建
物の各階を構成する住戸ユニットを積み重ねて前後左右
上下に隣接する各住戸ユニットを相互に一体化してなる
中高層建築物の施工方法であって、予め通常の住戸ユニ
ットより躯体の剛性を強化した強化住戸ユニットを構成
しておき、1階より上階に向けて住戸ユニットを配設す
る際に、各階の四隅に強化住戸ユニットが配置されるよ
うにこの強化住戸ユニットを上下方向に連続して積み重
ねていくとともに、これら強化住戸ユニットの列同士の
間には通常の住戸ユニットを介在させることを特徴とす
るものである。
【0016】
【作用】本発明によれば、建築物を構成する住戸ユニッ
トの中で、最も剛性が強化された住戸ユニット(強化住
戸ユニット)を各階の四隅に配置して積み重ねることに
より、剛性の大きな住戸ユニットの列が建築物の四隅に
造られるので、水平力に対して効率よく建築物の剛性を
増した骨組み構造とし得、また、建築物にかかる水平力
が、最も剛性が強化された列の住戸ユニット(強化住戸
ユニット)に主に伝達されて、強化住戸ユニットにより
受け持たせられるので、他の列の住戸ユニットに要求さ
れる強度を小さくすることが可能になる。すなわち、強
化住戸ユニットの列同士は、強化住戸ユニットによって
水平方向に連結されず、通常の(剛性が強化されていな
い)住戸ユニットで連結されているため、建築物に作用
する水平力等は、強化住戸ユニットの列から通常の住戸
ユニットにも伝達される。従って、本発明は、強化住戸
ユニットだけで水平力等を受け持たせるものではなく、
通常の住戸ユニットと協働させて水平力等を受け持たせ
たものであり、これにより少ない数の強度住戸ユニット
を用いつつ、通常の住戸ユニットの強度を有効に利用し
て建築物全体の強度を効率よく向上させるものである。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0018】図1は本発明にかかる中高層建築物の構造
の基本的な構成を示す概略斜視図である。この中高層建
築物の構造も、基本的には、4本の柱体10aと、これ
ら柱体10aの上端並びに下端をそれぞれ連結する上梁
部10b並びに下梁部10cとによりボックス型に組ま
れた住戸ユニット10を、建物の1階より、前後左右に
複数列(図示例では前後左右に4列ずつ)配設し、各住
戸ユニット10の上に建物の各階を構成する住戸ユニッ
ト10を積み重ねて前後左右上下に隣接する各住戸ユニ
ット10を相互に一体化してなる基本構造となってい
る。
【0019】しかし本発明にあっては、前記住戸ユニッ
ト10のうち各階の四隅に積み重ねられる住戸ユニット
(強化住戸ユニット)10Aを、他の住戸ユニット10
よりも剛性強化したことを最大の特徴とするものであ
る。
【0020】そして、この実施例では、各階において住
戸ユニットを前後左右に4個づつ計16個配置するとと
もに、剛性強化された強化住戸ユニット10Aを、建築
物の四隅において積み重ね、四隅の列の各階に配置され
た住戸ユニット10Aによって、建築物の水平方向の荷
重を主に受け持たせるようにしているものである。
【0021】すなわち、図1に示される建築物では、構
築すべき建築物の四隅にそれぞれ強化住戸ユニット10
Aを積み重ねてなる強化住戸ユニット列Rが設けられ、
これら強化住戸ユニット列Rの間に住戸ユニット10が
設置されている。
【0022】図2は前記強化住戸ユニット10Aの斜視
図を示すもので、図示例では、強化住戸ユニット10A
は全体が四角箱型のボックス型式とされて、より具体的
には、四隅に立てられた柱部10aと、これら柱部10
aの上端および下端間に架け渡されてユニットの上部お
よび下部の枠組みとなる上梁部10bおよび下梁部10
cと、ユニットの6面の内上下面並びに建築物の外面に
臨む2つの側面にそれぞれ設けられた壁体(剛性強化部
材)10dとを主体として構成されている。
【0023】そして、前記壁体10dは、住戸ユニット
10Aの剛性を高めるために柱部10a、上梁部10
b、下梁部10cに囲まれた内側に設けられたもので、
いわゆる耐震要素として地震時などにユニットに作用す
る水平力を分担させるようになっている。
【0024】なお、図面では、壁体10dを耐震要素を
構成する耐力壁として適用しているが、本発明では、こ
の図示例に限定されるものではなく、例えば壁体10d
の代わりに、ブレース、トラス等を設けるようにしても
良い。また、壁体10dには、窓等の開口部を形成する
ことも可能である。
【0025】また、前記強化住戸ユニット10Aとして
は、図2に示す例に限定されるものではなく、強化住戸
ユニット10Aの配列位置により種々の形態が採られる
ことは言うまでもない。
【0026】図3ないし図5は、このような強化住戸ユ
ニット10Aの基本的な形態を示す概略斜視図であり、
図3に示す例では、強化住戸ユニット10Bは、四隅に
立てられた柱部10aと、これら柱部10aの上端およ
び下端間に架け渡されてユニットの上部および下部の枠
組みとなる上梁部10bおよび下梁部10cと、住戸ユ
ニットの2つの隣接する側面に組み付けられた壁体10
dとを基本として四角箱型に構成されている。
【0027】また、図4に示す強化住戸ユニット10C
も、基本的には、図3に示す強化住戸ユニット10Bと
同様に、四隅に立てられた柱部10aと、これら柱部1
0aの上端および下端間に架け渡されてユニットの上部
および下部の枠組みとなる上梁部10bおよび下梁部1
0cとを主体として構成されているが、この例では、壁
体10dをさらに一つユニットの側面に組み付け、その
剛性を強化した構造となっている。
【0028】さらに、図5に示す強化住戸ユニット10
Dでは、四隅に立てられた柱部10aと、これら柱部1
0aの上端および下端間に架け渡されてユニットの上部
および下部の枠組みとなる上梁部10bおよび下梁部1
0cとから構成された架構の4つの側面(すなわち架構
の周囲)に壁体10dを組み付け、ユニットの剛性を強
化した構造となっている。
【0029】また、本発明では、住戸ユニットの剛性を
さらに強化するために、図示していないが、ユニットの
上面および下面にさらに壁体10d等の剛性強化部材を
組み付け、ユニットの耐力、剛性を増大するようにして
も良いことは勿論である。なお、前記した図3ないし図
5に示す図示例では、剛性強化部材として、壁体10d
を適用したが、ブレース等に置き換えることも可能であ
る。
【0030】また、図6は、前記強化住戸ユニット10
Aの間に配列される住戸ユニット10の具体的な構成を
示す図であり、図示例では、住戸ユニット10は、四隅
に立てられた柱部10aと、これら柱部10aの上端お
よび下端間に架け渡されてユニットの上部および下部の
枠組みとなる上梁部10bおよび下梁部10cと、ユニ
ットの上下に架設された小梁部10fとを主体として構
成されている。
【0031】なお、この住戸ユニット10の構成も、図
示例に限定されるものではなく、構築すべき建築物の設
計要求等に基づき種々変更可能である。
【0032】ところで、ユニットの鉛直荷重を負担する
柱部10aは、建築物が多層階になるほど柱断面を大き
くしなければならないが、その際問題となるのは、ユニ
ット内に組み付けられるユニット式の家具等の処理であ
る。
【0033】ここで、図7を参照して本発明の基本的な
考え方について説明する。 図において、符号11は柱部
10a内に収納された断面正方形状の一般住宅用の柱で
あり、M−Mは相隣る柱部10a,10a各々の中心軸
を結ぶモジュール芯である。 例えば、戸建て住宅の住戸
ユニットでは、柱部10aの断面の大きさは一定に設定
されていて、柱部10aの内法寸法La、Lbに対応し
て、予め、家具等の寸法を定めて部材の共通化をなすこ
とができる。 一方、中高層以上の多層階の建築物では、
同一形状の住戸ユニットを積み重ねていくのであるが、
建築物全体の高さが高くなればなるほど、各住戸ユニッ
トの柱部10aに掛かる応力が増加するため、住戸ユニ
ットの柱部10aの断面形状を大きくして柱部を補強す
る必要がある。この場合、建築物毎に、柱部10aの断
面積及び柱部10a,10a間の内法寸法La、Lbを
変えた住戸ユニットを用意することになり、柱部10
a,10a間に予め定められた大きさの家具を組み付け
ようとすると、建築物によっては家具の大きさが合わず
組み付けることができない場合が生じる。
【0034】そこで、実施例では、建築物毎に、柱部1
0aの断面積及び柱部10a,10a間の内法寸法L
a、Lbを一定にした同一形状の住戸ユニットを複数個
用意し、これら同一形状の住戸ユニットを積み重ねてい
く。前記住戸ユニットは、図7に示すように、柱部10
aの断面を大きくする場合には、ユニットの外方に向か
って拡張するように柱の断面積を大きくする。 例えば、
10階建て以上の高層建築物に用いる住戸ユニットは、
4〜5階建ての中層建築物に用いるものと比べて柱部1
0a,10a間の内法寸法La、Lbは一定であるが、
柱部10aの断面積が大きくなっているために、その分
ユニット全体が大きくなっている。すなわち、実施例で
は、中層建築物と高層建築物では、用いられる住戸ユニ
ットの外形寸法は異なるが、柱部10a,10a間の内
法寸法La、Lbはいずれの住戸ユニットにおいても常
に一定であることに特徴があるものである。
【0035】なお、この考え方は、梁部10b、10c
の断面を大きくする場合においても同様に適用されるこ
とは言うまでもない。
【0036】また、住戸ユニット10、10Aの補強技
術としては柱、梁の断面増だけでなく、肉厚、耐力壁等
の補強による方法も適用されることは勿論である。
【0037】一方、住戸ユニット同士の連結手段として
は、例えばボルト接合等による方法が適用されるが、住
戸ユニットどうしを一体化することができるものであれ
ば、他の手段であっても良い。
【0038】また、図示例では、住戸ユニットは、いわ
ゆる骨組みだけで構成された形態とされているが、住戸
ユニット内部に、バスユニット、サニタリーユニット、
間仕切り家具など内装部材を予め組み付けるような構成
としても良いことは言うまでもない。
【0039】さらに、住戸ユニットは、工場から現場ま
で運搬するためのトラックの制限内において長さ、幅、
高さ等の寸法が設定されるものである。
【0040】次ぎに、以上のように構成された中高層建
築物の構造の作用について説明する。
【0041】図1に示すように、この中高層建築物を施
工するには、強化住戸ユニット10Aおよび住戸ユニッ
ト10をそれぞれ工場等において製造しておき、これら
をトラック等により現場まで運搬し、1階より住戸ユニ
ット10A、10を縦横に4つづつ配列する。
【0042】これら住戸ユニット10A、10の配列
は、強化住戸ユニット10Aを建築物の4隅に位置する
ように設置し、これら強化住戸ユニット10Aの間に住
戸ユニット10が並ぶように配置する。
【0043】次いで、クレーンにより、強化住戸ユニッ
ト10A並びに住戸ユニット10の上にそれぞれ強化住
戸ユニット10A、住戸ユニット10をそれぞれ連続し
て積み重ねながら、前後左右に隣接するユニット同士を
締結すると、図1に示すような中高層建築物が完成す
る。
【0044】なお、住戸ユニット10の吊り上げは、例
えば、図8に示すように、強化住戸ユニット10Aを台
として、この上にタワークレーン20を設置し、このタ
ワークレーン20を利用して行なうようにする。
【0045】この施工は、工場で製作した住戸ユニット
10A、10をそれぞれ、現場まで搬入し、タワークレ
ーン20を利用して、これらを順次上に積み上げていく
施工方法であるため、現場での作業性を向上することが
できる。
【0046】しかして、このように施工された中高層建
築物の構造においては、最も剛性が強化された住戸ユニ
ット(強化住戸ユニット)10Aが建築物の四隅にそれ
ぞれ積み重ねられて柱状の剛性の大きな架構が構築され
るので、これら架構により、水平力に対して建築物の剛
性を増した骨組み構造とすることができる。
【0047】従って、建築物にかかる水平力は、最も剛
性が強化された四隅の架構に伝達されて、この部分で
負担されるが、強化住戸ユニット10Aの列同士は通
常の住戸ユニット10で連結されているため、水平力の
一部は住戸ユニット10が負担することになる。ただ
し、その負担は少ないため、住戸ユニット10を構成す
る部材に要求される強度は小さくて済むことになる。こ
のように、建築物にかかる水平力は、強化住戸ユニット
10Aだけでなく、住戸ユニット10と協働させて負担
されるものであり、これにより住戸ユニット10の強度
を有効に利用して少ない数の強度住戸ユニット10Aを
用いつつ、建築物全体の強度を効率よく向上させ、構造
全体として安価な建築物を構築することができる。
【0048】また、実施例では、図7に示すように、柱
間の内法寸法La、Lbを一定とし、柱部10aの断面
を大きくする場合には、ユニットの外方に柱の幅を大き
くしていくようにしているので、住戸ユニット内部に組
み込まれるユニット化された家具の取り付けが不便にな
ることがないといった利点もある。
【0049】なお、実施例において示した各構成部材の
諸形状や寸法等は一例であって、適用する建築物の設計
要求等に基づき種々変更可能である
【0050】また、図1ないし図8に示す実施例では、
建築物の架構だけを模式的に示したが、各住戸ユニット
には、耐火被覆等の施工がされることは勿論である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
建築物を構成する住戸ユニットの中で、最も剛性が強化
された住戸ユニット(強化住戸ユニット)が積み重ねら
れた住戸ユニットの列を造ることにより、水平力に対し
て建築物の剛性を増した骨組み構造を構築することがで
きるので、建築物にかかる水平力は、最も剛性が強化さ
れた四隅の架構に伝達されて、この部分で主に水平力を
負担し得て、建築物にかかる水平力が他の住戸ユニット
に構造設計上大きな負担となるようなことがなく、住戸
ユニットを構成する部材に要求される強度が小さくて済
み、しかも、建築物にかかる水平力は強化住戸ユニット
だけでなく他の住戸ユニットと協働して負担するため、
より少ない数の強化住戸ユニットを用いて建築物全体の
強度を効率よく向上させることができ、したがって構造
全体として安価な建築物を構築することができるといっ
た優れた効果を奏する。また、その施工も住戸ユニット
の積み重ねによる基本工程によって建築物を構築するこ
とができるので、現場での作業性も向上することができ
るといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例を適用した中高層建築物の概略を示す
斜視図である。
【図2】強化住戸ユニットを示す斜視図である。
【図3】強化住戸ユニットの他の例を示す斜視図であ
る。
【図4】強化住戸ユニットの別の例を示す斜視図であ
る。
【図5】強化住戸ユニットのさらに別の例を示す斜視図
である。
【図6】住戸ユニットを示す斜視図である。
【図7】住戸ユニットの柱部の構成を模式的に示した平
面図である。
【図8】中高層建築物の施工状態を示す斜視図である。
【図9】従来技術の中高層建築物のユニット化工法を説
明するために示した斜視図である。
【図10】別の従来技術にかかる中高層建築物のユニッ
ト化工法を説明するために示した斜視図である。
【符号の説明】
10A 強化住戸ユニット 10 住戸ユニット 10a 柱部 10b 上梁部 10c 下梁部 10d 壁体部 10f 小梁部 20 タワークレーン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の1階に、1階の住戸を構成する住
    戸ユニットを前後左右に複数列配設し、各住戸ユニット
    の上に建物の各階を構成する住戸ユニットを積み重ねて
    前後左右上下に隣接する各住戸ユニットを相互に一体化
    してなる中高層建築物であって、 前記住戸ユニットのうち他の住戸ユニットよりも剛性が
    強化された強化住戸ユニットを各階の四隅に配設してそ
    れぞれの上下方向に強化住戸ユニットの列を構成させ、 これら強化住戸ユニットの列同士の間に、それぞれ前記
    他の住戸ユニットを少なくとも上下方向に1列以上介在
    させる ことを特徴とする中高層建築物の構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の中高層建築物の構造にお
    いて、前記住戸ユニットは、4本の柱部と、これら柱部
    の上端並びに下端をそれぞれ連結する上梁部並びに下梁
    部とによりボックス型に組まれてなり、かつ、住戸ユニ
    ットのうち剛性が強化された住戸ユニットは、前後左右
    上下の各六面のうち少なくとも隣接する2面に、ブレー
    ス、耐力壁等の剛性強化部材が組み込まれていることを
    特徴とする中高層建築物の構造。
  3. 【請求項3】 建物の1階に、1階の住戸を構成する住
    戸ユニットを前後左右に複数列配設し、各住戸ユニット
    の上に建物の各階を構成する住戸ユニットを積み重ねて
    前後左右上下に隣接する各住戸ユニットを相互に一体化
    してなる中高層建築物の施工方法であって、 予め通常の住戸ユニットより躯体の剛性を強化した強化
    住戸ユニットを構成しておき、1階より上階に向けて住
    戸ユニットを配設する際に、各階の四隅に強化住戸ユニ
    ットが配置されるようにこの強化住戸ユニットを上下方
    向に連続して積み重ねていくとともに、これら強化住戸
    ユニットの列同士の間には通常の住戸ユニットを介在さ
    せることを特徴とする中高層建築物の施工方法。
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