JP2002295026A - 三世代対応建築物の施工方法及び三世代対応建築物 - Google Patents

三世代対応建築物の施工方法及び三世代対応建築物

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JP2002295026A JP2001095106A JP2001095106A JP2002295026A JP 2002295026 A JP2002295026 A JP 2002295026A JP 2001095106 A JP2001095106 A JP 2001095106A JP 2001095106 A JP2001095106 A JP 2001095106A JP 2002295026 A JP2002295026 A JP 2002295026A
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generation building
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Norifumi Konakawa
憲史 粉川
Yuri Konakawa
友里 粉川
Junya Sakai
順也 酒井
Masao Komori
正夫 小森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三世代約100年間にわたる居住者のニー
ズに対応した建築物の増改築を従来に比べて格段に低コ
ストで且つ短い工期で行なうことが可能な建築物の施工
方法を提供すること。 【解決手段】 建築物の外側に該建築物の基礎とは別に
増築用基礎を設けてなる第一世代建築物を構築し、該増
築用基礎上に支持部材を立設して該支持部材の上端に新
たな屋根を形成した後に既存の屋根を除去し、該除去部
分に前記支持部材を利用して床を設けて新たな屋根との
間に居住空間を形成するとともに前記第一世代建築物の
側壁の外側に新たな側壁を形成することにより第二世代
建築物を構築し、該第二世代建築物の内部にある第一世
代建築物を解体除去して前記新たな側壁にて囲われる居
住空間を形成することにより第三世代建築物を構築する
ことを特徴とする三世代対応建築物の施工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は三世代対応建築物の
施工方法及び三世代対応建築物に関し、より詳しくは、
三世代約100年間にわたる居住者のニーズに対応した
建築物の増改築を従来に比べて格段に低コストで且つ短
い工期で行なうことが可能な建築物の施工方法及びこの
方法により構築された建築物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、我が国においては一貫して小家族
化がすすんでおり、同じ住宅で生活する家族の人数は減
少の一途を辿っている。この原因は一様ではないが、都
市部等においては既存住宅の居住空間が狭いこともその
一因であると考えられる。例えば、子供が結婚して孫が
生まれて家族が増えても、既存の住宅が手狭であるため
に親と同居することができず、新たな住宅を購入して別
居するというケースも少なくない。しかし、近年の建築
基準法等の改正や規制緩和によって、従来は2階建ての
建築物しか認可されていない地域等においても3階建て
の建築物の構築が許容されるようになってきたため、最
近になって二世代、三世代の家族が同居するのに適した
3階建ての住居建築物が各住宅メーカーから数多く提案
されており、それに伴って既存の例えば2階建ての住居
をこのような3階建ての住居に改築したいと希望する人
が増えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
2階建ての建築物を3階建てにするには、先ず既存の2
階建ての建築物を全て撤去し、その跡地に3階建ての建
築物を構築するしかなく、そのために必然的に工期は長
くなり、施工コストも高くなっていた。しかも、新しい
建築物が完成するまで居住者は数ヶ月間の転居を強いら
れるため、生活が不便になるばかりでなく、引越しや家
賃等のための出費もばかにならなかった。また、既存の
建築物が未だ新しい場合でも全てを解体撤去することか
ら、建築材料の無駄が多くなり、近年特に問題視されて
いる産業廃棄物の増大を招く結果となっていた。
【0004】このような問題点に鑑みて、本願発明者は
特開平2000−282696号において、既存の住宅
を壊すことなく上方に新たな居住空間を増築することが
できる建築方法を提案している。この方法によれば、例
えば既存の2階建ての住宅を壊すことなく3階建ての住
宅とすることができるため、上記した従来技術の問題点
を解決することができる極めて優れた技術であったが、
次に述べるような問題点があった。すなわち、新たな建
築物が既存の建築物を内部に収めるような形態で構築さ
れることによって既存の住宅の寿命を延ばすことができ
るものの、既存の住宅は通常は木造であるから寿命が延
びたとしても耐用年数はせいぜい約60〜65年程度で
しかなく、全面的な建て替えを行なうことなく例えば三
世代約100年にわたってその住宅に住み続けることは
難しかった。そこで本願発明者は、先の発明がもつ優れ
た特長をそのまま活かしつつ三世代約100年にわたっ
て住み続けることを可能とする建築物を提供すべく更に
鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために以下の手段を採用した。請求項1
に係る発明では、建築物の外側に該建築物の基礎とは別
に増築用基礎を設けてなる第一世代建築物を構築し、該
増築用基礎上に支持部材を立設して該支持部材の上端に
新たな屋根を形成した後に既存の屋根を除去し、該除去
部分に前記支持部材を利用して床を設けて新たな屋根と
の間に居住空間を形成するとともに前記第一世代建築物
の側壁の外側に新たな側壁を形成することにより第二世
代建築物を構築し、該第二世代建築物の内部にある第一
世代建築物を解体除去して前記新たな側壁にて囲われる
居住空間を形成することにより第三世代建築物を構築す
ることを特徴とする三世代対応建築物の施工方法とし
た。
【0006】請求項2に係る発明では、第一世代建築物
の構築の際に同時に前記増築用基礎を設けることを特徴
とする請求項1記載の三世代対応建築物の施工方法とし
た。請求項3に係る発明では、第一世代建築物として既
存の建築物を使用し、第二世代建築物の構築の際に前記
増築用基礎を設けることを特徴とする請求項1記載の三
世代対応建築物の施工方法とした。
【0007】請求項4に係る発明では、第一世代建築物
が少なくとも二階建て以上の建築物であって、第三世代
建築物の構築に際して第一世代建築物の解体除去後に形
成された空間に前記支持部材を利用して床を設けること
により該空間に第一世代建築物と同じ階数の居住空間を
形成することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記
載の三世代対応建築物の施工方法とした。請求項5に係
る発明では、請求項1乃至4いずれかの施工方法により
構築されてなることを特徴とする三世代対応建築物とし
た。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る三世代対応建
築物の施工方法及び三世代対応建築物の好適な実施形態
について図面を参照しつつ説明する。本発明における三
世代対応建築物とは、三世代約100年間にわたって対
応することができる建築物であり、本明細書において、
最初の世代に対応する建築物を第一世代建築物、次の世
代に対応する建築物を第二世代建築物、最後の世代に対
応する建築物を第三世代建築物と称す。尚、各世代はそ
れぞれ約30〜35年の期間が想定される。
【0009】図1は本発明において最初に構築される第
一世代建築物を概略的に示す平面視断面図であり、図2
は本発明における第一世代建築物を概略的に示す正面視
断面図である。第一世代建築物(1)は通常の一般的な
施工方法によって構築され、例えばコンクリート製の布
基礎(2)上に構築された、1階部分(3)と2階部分
(4)を有する木造の2階建て住宅から構成される。
尚、本発明において、第一世代建築物(1)は通常木造
とされる。これは、第一世代建築物は低層建築物である
ために強度上木造で充分であることと、後述する第三世
代建築物の構築の際に第一世代建築物(1)を容易に解
体除去することを可能とするためである。この第一世代
建築物(1)には、該建築物の基礎(2)とは別の増築
用基礎(5)が設けられる。この増築用基礎(5)は、
将来の第二世代建築物への生まれ変わりのための増改築
に備えて設けられるものである。
【0010】本発明においては、この増築用基礎(5)
を第一世代建築物(1)の構築の際に同時に設けること
が好ましいが、後述する第二世代建築物の構築の際に設
けることも可能である。これは、居住者が第一世代建築
物(1)を新築で購入する場合には増築用基礎(5)を
第一世代建築物(1)の構築の際に同時に設ける施工方
法を採用すればよいが、居住者が第一世代建築物(1)
として中古住宅を購入した場合には既に第一世代建築物
(1)の構築は完了しているため、この場合には増築用
基礎(5)を第二世代建築物の構築の際に設ければよい
ということであり、即ち第一世代建築物の種類に応じて
増築用基礎(5)の設置時期が決定される。但し、第一
世代建築物の構築の際に同時に増築用基礎を設けると、
将来の第二世代建築物の構築の際にその施工期間を短縮
することができるという利点がある。
【0011】増築用基礎(5)は、図1及び図2に示す
如く第一世代建築物(1)の外側に第一世代建築物
(1)の基礎(2)とは切り離した状態にて設けられ
る。これは、本発明においては、後述する第三世代建築
物の構築の際に第一世代建築物(1)を解体除去するの
で、その際に増築用基礎(5)に何ら影響を与えること
なく基礎(2)のみの除去を可能とするためである。
尚、図示例においては、増築用基礎(5)として独立基
礎を設けた様子が描かれているが、本発明において増築
用基礎(5)の種類はこれに限定されるものではなく、
べた基礎、布基礎等の公知の基礎の中から将来構築され
る第二、第三世代建築物の大きさ等を考慮した構造計算
によって使用する基礎の種類を決定すればよい。
【0012】上記した第一世代建築物(1)は、例えば
両親と小さい子供からなる3〜4人程度の核家族用の住
宅として好適に使用され、約30年程度はこの第一世代
建築物において特別不自由を感じることなく居住するこ
とができる。しかし約30年の年月が経過すると、幼か
った子供は成長して結婚し孫が生まれることで家族が増
え、既存の第一世代建築物(1)では手狭になってくる
場合があり、例えばこのような場合に第二世代建築物へ
と生まれ変わるための増改築が行なわれる。
【0013】図3は本発明において第一世代建築物に次
いで構築される第二世代建築物を概略的に示す平面視断
面図であり、図4は本発明における第二世代建築物を概
略的に示す正面視断面図である。第二世代建築物(6)
は、上記した増築用基礎(5)を利用して構築されるも
のであり、図示例では3階建ての建築物とされている。
【0014】第二世代建築物(6)の構築に際しては、
先ず第一世代建築物(1)の基礎(2)の外側に設けら
れた増築用基礎(5)の上に、1階部分(3)の高さに
対応する長さのH型鋼からなる鉄骨柱(7)をアンカー
ボルト(8)にて立設固定する(図5参照)。次いで、
鉄骨柱(7)の上端に、該鉄骨柱と同様のH型鋼からな
る鉄骨梁(9)をボルト等の固定手段(図示せず)によ
って水平方向に架設する。そして、該鉄骨梁(9)の上
部に、2階部分(4)の高さに対応する長さのH型鋼か
らなる鉄骨柱(10)をボルト等の固定手段(図示せ
ず)によって鉛直方向に立設固定し、前述したのと同様
にして、3階部分の鉄骨梁(11)と鉄骨柱(12)を
構築することによって3階部分(13)を増築する(図
6参照)。その後、新たな屋根(14)を鉄骨梁(1
1)の上に構築し、該屋根(14)の上面にカラーベス
ト(商品名)等の瓦部材(15)を装着することで、図
7に示した状態となる。ここまでの施工期間中、既存の
第一世代建築物(1)には何ら手が加えられることはな
いから、居住者は1階部分(3)と2階部分(4)に今
までと全く同様にそのまま居住し続けることができる。
【0015】それから、図8に斜線を施した既存の第一
世代建築物(1)の屋根(16)を除去した後、図9に
示すように3階部分(13)の床部を構成する鉄骨梁
(17)を架設し、最後に図10に示すように鉄骨梁
(17)の上部に床部材(18)を設けて新たな屋根
(14)との間に居住空間を形成するとともに鉄骨柱
(7)の外側に新たな側壁となる壁部材(19)を装着
する。このとき、新たに設けられる床と既存の第一世代
建築物(1)の天井とは切り離された形態とする。これ
は、後述する第三世代建築物の構築の際に第一世代建築
物(1)の解体作業を容易に行なわせることを可能とす
るためである。
【0016】上記した壁部材(19)の装着によって、
第一世代建築物(1)の既存の側壁(20)の外側に新
たな側壁(19)が形成される。この新たな側壁(1
9)は既存の側壁(20)との間に隙間をもって設けら
れ、結果として1階部分(3)と2階部分(4)は二重
壁構造となり、断熱効果や遮音効果に優れたものとな
り、また火災発生時には隣家から或いは隣家への類焼を
食い止める防火壁としての機能も果たし得るようにな
る。
【0017】上記した施工において、第一世代建築物
(1)の屋根(16)が除去されたときには既に新たな
屋根(14)が構築されているため、2階部分(4)に
雨等が侵入することはなく、居住者はそのまま継続して
居住することができる。尚、既存の屋根(16)を除去
して3階部分の床部材(18)を設ける際には2階部分
の居住者は1階部分に退避する必要があるが、その期間
はせいぜい3〜4日程度であり、しかも床部材(18)
の構築前に板材等によって屋根(16)の除去部分に蓋
をすることでその期間を更に短縮することができる。
【0018】上記した施工手順によって、図3及び図4
に示した構造を有する第二世代建築物(6)が構築され
る。この第二世代建築物(5)の構築によって、第一世
代建築物であった1階部分及び2階部分は新たな側壁
(19)によって囲われるために風化が停止し、また既
設の屋根(16)が除去されることで頭部荷重が軽量化
されて水平耐力が向上し、その結果、1階部分及び2階
部分の寿命を大幅に延ばすことが可能となる。さらに本
発明においては、この第二世代建築物(6)の構築の際
に、第一世代建築物(1)であった既存部分の1階部分
(3)及び2階部分(4)の内装がリニューアルされ
る。このとき、例えば床面のバリアフリー対策、石油製
品の排除、高気密に対応した換気対策がなされること
で、外装の美化のみならず内部の居住空間についての物
理的性能の向上が図られる。
【0019】上記した第二世代建築物(6)は、例えば
祖父母と両親と子供(孫)からなる三世代の家族が同居
するに充分な居住空間を有する住宅となり、家族はこの
第二世代住宅において満足できる生活を送ることがこと
ができる。しかし、第二世代建築物(6)の構築から約
30〜35年程度の年月が経過すると、木造建築である
第一世代建築物(1)が寿命を迎える。そこで、第三世
代建築物へと生まれ変わるための更なる増改築が行なわ
れる。
【0020】図11は本発明において第二世代建築物に
次いで構築される第三世代建築物を概略的に示す平面視
断面図であり、図12は本発明における第三世代建築物
を概略的に示す正面視断面図である。第三世代建築物
(21)は、第二世代建築物(6)の外組みをそのまま
利用して構築されるものである。
【0021】第三世代建築物(21)の構築に際して
は、先ず第二世代建築物(6)の内部にある第一世代建
築物(1)を解体除去する(図13参照)。すると、こ
の第一世代建築物(1)の解体除去によって、1階から
2階にかけて吹き抜けの空間が形成される。次いで、前
記した鉄骨柱(7)の上端に、該鉄骨柱と同様のH型鋼
からなる鉄骨梁(22)をボルト等の固定手段(図示せ
ず)によって水平方向に架設することにより、1階から
2階にかけて形成された吹き抜けの空間の略中間高さ位
置に鉄骨梁(22)を架橋する。
【0022】そして、架橋された鉄骨梁(22)の上部
に前述したのと同様に床部材を設けることによって、第
二世代建築物(6)の構築の際に形成された新たな側壁
(19)により囲われた1階及び2階部分の居住空間を
有する第三世代建築物(21)が構築される(図12参
照)。
【0023】上記した施工手順によって第三世代建築物
(21)が構築されるが、本発明においては、この第三
世代建築物(21)の構築の際に、1階部分の床組のチ
ェックや補修を行ない、さらに3階部分(13)の内
装、屋根(14)、側壁(19)のリニューアルを行な
うことが好ましい。このような補修やリニューアルを第
三世代建築物(21)の構築の際に同時に行なうこと
で、第三世代建築物(21)の外装及び内装の双方につ
いての美化と物理的性能の向上が図られ、更なる長寿命
化を達成することができる。
【0024】尚、第三世代建築物(21)の施工中にお
いて、居住者は3階部分に退避する必要があるため、や
や不自由を強いられるものの、施工に際しては既存の第
二世代建築物の枠組みをそのまま利用できるから施工期
間は大幅に短縮され、不自由を感じる期間は短くてす
む。
【0025】この第三世代建築物(21)の構築の際に
は、第一世代建築物の構築時点から既に60〜65年程
度の年月が経過しているため、建築技術に飛躍的な技術
的進歩が期待できる。従って、第三世代建築物(21)
の構築の際には進歩した最先端の技術を取り入れること
ができ、これによって更なる長寿命化が達成できると考
えられる。
【0026】上記した第三世代建築物(21)の構築に
よって、居住者は更に30〜35年間程度そのまま居住
し続けることが可能となり、第一世代建築物(1)の構
築から計算すると、居住者は三世代約100年間にわた
って同じ住居に住み続けることができるようになる。
【0027】尚、上述の説明においては第一世代建築物
(1)が2階建ての住宅である場合を例に挙げて説明し
たが、本発明は第一世代建築物(1)が1階建て或いは
3階建て以上の場合でも適用可能である。つまり、第一
世代建築物(1)が1階建ての場合には第二世代建築物
(6)及び第三世代建築物(21)を2階建て以上とす
ればよく、第一世代建築物(1)が3階建ての場合には
第二世代建築物(6)及び第三世代建築物(21)を4
階建て以上とすればよい。
【0028】更に本発明は、一般住宅に限らず、集合住
宅や倉庫・事務所等の建築物に適用することも可能であ
る。図14は本発明を長屋建ての集合住宅に適用した場
合の例を示す図であり、図15は本発明を倉庫・事務所
に適用した場合を示す図である。尚、これらの図では第
一世代建築物から第二世代建築物への増改築の施工前と
施工後の外観のみが示されて第三世代建築物の図示は省
略されているが、第二世代建築物の内部に存在している
第一世代建築物を解体除去した後に新たな居住空間を形
成することで第三世代建築物を構築することができるこ
とは先の例にて述べた通りである。
【0029】集合住宅においては、家主がリニューアル
をしたくても居住者の事情(居住権申し建てや仮転居不
能など)で先送りを余儀なくされるケースが多いが、本
発明を適用することでこのような問題を解決することが
できる。図示の例を基に説明すると、第二世代建築物の
構築の際においては、1階と2階に住む居住者には3階
と4階が完成次第、3階と4階に移ってもらい、その間
に1階と2階をリニューアルし、リニューアル完了後に
再び元の部屋に戻ってもらえばよい。尚、第三世代建築
物の構築の際には、既に3階と4階に新たな居住者がい
ると考えられるため、その場合には1階と2階の居住者
には仮転居をしてもらう必要が生じるが、上述のように
そのための期間は比較的短くて済む。
【0030】本発明を倉庫・事務所に適用した場合に
は、従来のような仮事務所、仮倉庫への引越しが不要と
なる。従って、引越し費用を含めての施工費用、工期を
ともに従来より大幅に削減することが可能となる。ま
た、第三世代建築物の構築に要する施工期間は短くて済
むから、その際に要する費用を抑えることが可能とな
る。
【0031】本発明は上記した例の他にも、容積率の余
っている低層建築物に対してであればどのような用途の
建築物に対しても建設関連法の範囲内において適用可能
であり、その適用範囲は極めて広いものである。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、三世代約100年にわたって住み続けるこ
とが可能な建築物を、居住者が転居することなく増改築
を行なうことで得ることができ、しかも施工費用及び工
期を従来に比べて大幅に(約60%程度)削減すること
が可能となり、さらには産業廃棄物の発生を極力抑える
ことができるという極めて優れた効果を奏する。
【0033】請求項2に係る発明によれば、第一世代建
築物の構築の際に同時に増築用基礎を設けることで、将
来の第二世代建築物の構築の際にその施工期間を短縮す
ることができる。請求項3に係る発明によれば、第一世
代建築物として既存の建築物を使用し、第二世代建築物
の構築の際に増築用基礎を設けるようにしたので、例え
ば中古住宅を購入した居住者に対しても適用することが
可能となる。
【0034】請求項4に係る発明によれば、第一世代建
築物が少なくとも二階建て以上の建築物である場合に、
同じ階数の居住空間を有する第三世代建築物を容易に構
築することができる。請求項5に係る発明によれば、上
記したような優れた効果を奏することができる三世代約
100年にわたって住み続けることが可能な建築物とな
るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第一世代建築物の概略平面視断
面図である。
【図2】本発明における第一世代建築物の概略正面視断
面図である。
【図3】本発明における第二世代建築物の概略平面視断
面図である。
【図4】本発明における第二世代建築物の概略正面視断
面図である。
【図5】第二世代建築物の施工工程を示す斜視図であ
る。
【図6】第二世代建築物の施工工程を示す概略正面図で
ある。
【図7】第二世代建築物の施工工程を示す概略正面図で
ある。
【図8】第二世代建築物の施工工程を示す概略正面図で
ある。
【図9】第二世代建築物の施工工程を示す概略正面図で
ある。
【図10】第二世代建築物の施工工程を示す概略正面図
である。
【図11】本発明における第三世代建築物の概略平面視
断面図である。
【図12】本発明における第三世代建築物の概略正面視
断面図である。
【図13】第三世代建築物の施工工程を示す概略正面視
断面図である。
【図14】本発明を長屋建ての集合住宅に適用した場合
の例を示す外観正面図である。
【図15】本発明を倉庫・事務所に適用した場合を示す
外観正面図である。
【符号の説明】
1 第一世代建築物 2 布基礎(第一世代建築物の基礎) 5 増築用基礎 6 第二世代建築物 7 鉄骨柱(支持部材) 10 鉄骨柱(支持部材) 12 鉄骨柱(支持部材) 14 新たな屋根 18 床部材 19 壁部材(新たな側壁) 21 第三世代建築物 23 床部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小森 正夫 大阪市東淀川区東中島4丁目11番3号 朝 日プラザ新大阪第213号 Fターム(参考) 2E176 AA09 BB27 BB31 DD61

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の外側に該建築物の基礎とは別に
    増築用基礎を設けてなる第一世代建築物を構築し、該増
    築用基礎上に支持部材を立設して該支持部材の上端に新
    たな屋根を形成した後に既存の屋根を除去し、該除去部
    分に前記支持部材を利用して床を設けて新たな屋根との
    間に居住空間を形成するとともに前記第一世代建築物の
    側壁の外側に新たな側壁を形成することにより第二世代
    建築物を構築し、該第二世代建築物の内部にある第一世
    代建築物を解体除去して前記新たな側壁にて囲われる居
    住空間を形成することにより第三世代建築物を構築する
    ことを特徴とする三世代対応建築物の施工方法。
  2. 【請求項2】 第一世代建築物の構築の際に同時に前記
    増築用基礎を設けることを特徴とする請求項1記載の三
    世代対応建築物の施工方法。
  3. 【請求項3】 第一世代建築物として既存の建築物を使
    用し、第二世代建築物の構築の際に前記増築用基礎を設
    けることを特徴とする請求項1記載の三世代対応建築物
    の施工方法。
  4. 【請求項4】 第一世代建築物が少なくとも二階建て以
    上の建築物であって、第三世代建築物の構築に際して第
    一世代建築物の解体除去後に形成された空間に前記支持
    部材を利用して床を設けることにより該空間に第一世代
    建築物と同じ階数の居住空間を形成することを特徴とす
    る請求項1乃至3いずれかに記載の三世代対応建築物の
    施工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれかの施工方法によ
    り構築されてなることを特徴とする三世代対応建築物。
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