JP7348052B2 - 草刈機 - Google Patents
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Description
山間地や自動車道の法面のように、草刈機を傾斜地で使用するときに、転倒の危険があった。また、公園、河川の堤防、空き地、公園やゴルフ場においても、常に平坦とは限らず、場所によっては傾斜地があり、転倒の危険が無いとは言えなかった。
図1は、草刈機Aの斜視図である。また、図2は草刈機Aの(A)平面図および(B)背面図である。実施例では、詳述しないが無線誘導タイプの草刈機Aである。
エンジン4はバッテリー1、燃料タンク2、油圧タンク3の前に配置されており、エンジン4と燃料タンク2の間にはHST8が配置されている。
草刈ユニット7は、草刈機Aの前方に配置されており、草刈ユニット昇降アクチュエータ71により昇降できるように構成されている。
接地体6は、実施例ではクローラーである。
さらに、車体機台5の姿勢(傾斜状態など)を検出する角度センサやジャイロなどの姿勢検知センサ51(図2(A)参照)が設けられ、特に草刈機Aが危険な傾斜状態になっているかを監視している。
バッテリー1、燃料タンク2、油圧タンク3が草刈機Aの車体機台5上の左右方向に並んで配置されている。車体機台5は、図2(B)に示されているように上部ある様々な部材を支えている。
バッテリー1、燃料タンク2、油圧タンク3は車体機台5の上に左右方向に並んで配置されていればよく、車体機台5の前後方向の位置は問わない。
草刈機Aが傾斜地で草刈りを行う場合、通例等高線に沿って走行する等高線走行により草刈作業が行われるため、左右バランスが非常に重要なところ、バッテリー1、燃料タンク2、油圧タンク3は車体機台5の上に左右方向に並んで配置されているので、燃料タンク2の燃料が消費されて軽くなったとしても、左右バランスに大きな影響を与えることはない。
燃料タンク2は、車体機台5の上に設けられており、図4は、燃料タンク2のバリエーションを示す説明図である。図4(A)の燃料タンク2は、燃料タンク底面22に、車体機台5の左右方向いずれか一方側に偏って配置された突出部23を有している。図4(B)の燃料タンク2は、燃料タンク底面22に、車体機台5の左右方向いずれか一方側に偏って配置され、かつ、車体機台5の前後方向のいずれか一方にも偏って配置された突出部23を有している。
等高線走行をして草刈り作業するに際して、往路と復路で草刈機Aの左右バランスが異なることで、転倒の危険性があったところ、草刈機Aの左右バランスが軽くなる側の燃料タンク底面22に、車体機台5に偏って配置された突出部23を有する燃料タンク2を採用することにより、草刈機Aの左右バランスを改善できるようになる。
例えば、バッテリー1と油圧タンク3を比較すると、バッテリー1の方が軽い場合がある。そこで、バッテリー1側が重くなるように、燃料タンク2を図4(A)や図4(B)のような形状とし、バッテリー1側に偏って配置された突出部23を備えることで、左右バランスの改善を図っている。
なお、草刈機Aの左右バランスは、他部材の配置などによっても変わるので、必ずしもバッテリー1側に、突出部23が来るものではないことは言うまでもない。車体機台5上の全体の左右方向のバランスを考慮して、突出部23の位置を車体機台5の左右方向いずれの方向にするか決めることができる。
図3に記載の燃料タンク2は、燃料センサ21が設けられ、燃料の量を常に監視している。草刈機Aが、傾斜地で燃料切れを起こすと、危険な傾斜地を、燃料を持って歩いて安定しない傾斜地の足場で燃料を補給しなければならない。燃料切れになる前に草刈機Aを平坦地まで走行させ燃料を補給するには、正確な燃料の残量を把握することが重要である。また、図3に記載のような燃料タンク2は、底面の中央に燃料取出口25が設けられており、急な傾斜地では、燃料の残量が減ってくると安定して燃料が供給できないこともあり得る。
図4(A)および図4(B)のいずれの燃料タンク2においても、燃料取出口25からの燃料供給が傾斜に影響されにくくなっている。
図6は、エンジン4の支持構造を示す説明図である。図6(A)は、エンジン4の側面図である。図6(A)に示されるように、エンジン4は、図示されていない車体機台5に設置された前側エンジン支持部46と後側エンジン支持部47とで、動力軸42を軸として揺動できるようにエンジン機台41上に設けられている。
図6(B)はエンジン4が常に水平を保たれることを示す説明図であり、傾斜地の傾斜角度が変化しても、常にエンジン4は、水平を保つ。図6(C)は、エンジン4が傾斜に合わせて水平に保たれる状態を示す説明図であり、どちらの方向に傾斜していてもエンジン4は水平を保つ。
エンジン機台41の制御は、図2(A)に図示されている姿勢検知センサ51の出力により、エンジン機台傾斜アクチュエータ45が常にエンジン機台41を水平に保つように制御することで達成される。
さらに、姿勢検知センサ51が草刈機Aの作業許容傾斜角度を超えるような傾斜を検知した場合に、横転の危険を避けるためにエンジン機台41を山側に極端に傾けるようにエンジン機台傾斜アクチュエータ45を制御することもできる。
草刈ユニット7は、草刈り作業時、地表面から若干持ち上げられて草刈が行われる。図7は、草刈機Aの側面図であって、図7(A)は作業時に草刈ユニット7を持ち上げた状態を示す説明図である。地表面から距離S(なお、説明のため距離Sは大きく強調して描かれている。)だけ草刈ユニット7が持ち上げられた状態が示されている。
図7(B)は、姿勢検知センサ51が許容範囲を超える傾斜を検知した場合に、草刈ユニット7を接地させた状態を示す説明図である。等高線走行をしながら草刈り作業を行っている最中に、姿勢検知センサ51が、許容傾斜角度を超える危険な傾斜を検知すると、前記したように作業者に報知すると同時に、草刈ユニット7を持ち上げた状態から接地する状態に草刈ユニット昇降アクチュエータ71を制御する。
他方、s1で姿勢検知センサ51が、許容値を超える傾斜を検出(すなわち、横転の危険のある状態を検出)すると、制御部は、s2で草刈ユニット7の動力をOFFにするよう指令を出す。そして、制御部は、s3で草刈ユニット7を下降接地させるべく草刈ユニット昇降アクチュエータ71を作動させる指令を出す。草刈作業時には、草刈ユニット7が持ち上げられて作業が行われることは前記したとおりである。その場合、草刈ユニット7の重量がすべて草刈機Aの前側にかかることなる。作業時に地表面から持ち上げられるわずかな距離S(図7(A)参照)だけ草刈ユニット7下げて接地させるだけで、草刈機Aの重心が下がるとともに、接地面積が増え横転を防ぐことができる。また、接地面積が増えることで傾斜地の低地側に草刈機Aが、ずり下がりにくくなる。
また、燃料補給のため傾斜面を上り下りするなど、草刈り作業時以外の場合であっても、上記制御がなされるようにしてもよい。なお、等高線走行をする時の許容値と傾斜面を上り下りする時の許容値が異なってよいことは言うまでもない。
草刈ユニット7は、実施例では草刈機Aの前方に配置されているが、車体機台5の中央でもよいし、後方でもよく、草刈ユニット7の位置は任意である。
実施例では、無線誘導タイプの草刈機Aであるが、AIや作業マップに従い走行する自律走行タイプでもよいし、人が搭乗するタイプの乗用型草刈機Aでもよい。
接地体6は、実施例ではクローラーであるが、車輪でもよく、草刈機Aを動かすことができるものであればどのようなものであってもかまわない。
実施例では、フロート式の燃料センサ21を用いたが、油面を検出することができるならどのような形式の燃料センサ21であってもよい。
実施例では、姿勢検知センサ51を油圧タンク3の上に配置したが、姿勢検知センサ51の位置は車体機台51の姿勢を検知できればどこでもよいし、ジャイロや角度センサ等どのような形式のものであってもよい。
1 バッテリー
2 燃料タンク
21 燃料センサ
22 燃料タンク底面
23 突出部
25 燃料取出口
3 油圧タンク
4 エンジン
41 エンジン機台
42 動力軸
45 エンジン機台傾斜アクチュエータ
46 前側エンジン支持部
47 後側エンジン支持部
5 車体機台
51 姿勢検知センサ
6 接地体
7 草刈ユニット
71 草刈ユニット昇降アクチュエータ
8 HST
Claims (1)
- 草刈ユニット、車体機台、姿勢検知センサと制御部を備え、
前記草刈ユニットは、草刈ユニット昇降アクチュエータにより、前記車体機台に対して昇降自在に設けられており、
前記姿勢検知センサは、前記車体機台の傾斜を検知し、
前記制御部は、前記姿勢検知センサが許容値を超える傾斜を検出すると前記草刈ユニットの動力をOFFにすると共に、前記草刈ユニットを下降接地させるべく前記草刈ユニット昇降アクチュエータを制御することを特徴とする
草刈機。
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