JP6090416B2 - 薬液散布作業車両 - Google Patents

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Description

この発明は、薬液タンクに収容された薬液を圃場に散布する薬剤散布作業車両に関する。
従来、センターブーム及びその両側に拡げることができるサイドブームからなる薬液の散布ブームを機体の前部にローリング自在に支持して設け、これらの散布ブームから薬液などを圃場で生育中の散布対象の作物に噴霧する薬剤散布作業車両があり、該薬剤散布作業車両の車速を、GPSを利用して測定する構成も知られている。
特開2004−8187号公報
前記特許文献1記載の発明によれば、GPS受信機を搭載してGPSから得た位置情報と速度情報を検出し、得られた位置情報と速度情報に基づき作業車両の走行開始から散布した薬液の使用量を検出し、薬液タンクへの薬液補充タイミングを予測することができる構成が開示されている。
しかし、上記特許文献1記載の薬剤散布作業車両の左右に拡げたサイドブームから薬液を圃場に散布した後にサイドブームを車両に設けられた所定のブーム収納位置に収納するためにはサイドブームを縮め、閉じて、更にその高さと傾斜角度を変更することが必要であり、この一連の操作は簡単でなかった。
そこで本発明の課題は、サイドブームによる薬液散布作業後に、サイドブームを車両のブーム収納位置に収納する操作を自動的にできる薬剤散布作業車両を提供することである。
上記本発明の課題を解決するために次のような解決手段を採用する。
すなわち、請求項1記載の発明は、薬液を貯留する薬液タンク(18)と、
該薬液タンク(18)からの薬液を圃場に散布するセンターブーム(43)と該センターブーム(43)の左右に配置した一対のサイドブーム(44)と、
左右のサイドブーム(44)の傾斜角度を変更する上下シリンダ(29)と、
左右のサイドブーム(44)の開閉を行う開閉シリンダ(30)と、左右のサイドブーム(44)の伸縮を行うアクチュエータ(46)と、
薬液散布ブーム(43,44)の高さを調節する昇降シリンダ(27)と、
薬液タンク(18)と薬液散布ブーム(43,44)との間の薬液流路に設けた薬液を吐出する防除ポンプ(65)と、
薬液散布ブーム(43,44)を初期状態に収納する動作の開始用のブーム収納スイッチ(144)と、
防除ポンプ(65)を作動させるポンプスイッチ(8)と、
左右のサイドブーム(44)が互いに長さと、開閉角度と、高さが異なっていても、該ブーム収納スイッチ(144)のオンで自動的にサイドブーム(44)を予め設定されている収納位置に収納できるように長さと、開閉角度と、高さを制御する制御構成と、前記ポンプスイッチ(8)のオフにより、自動的にサイドブーム(44)を予め設定されている長さと、開閉角度と、高さに制御する制御構成と、サイドブーム(44)を伸縮するアクチュエータ(46)がオンしてから一定時間経過してもサイドブーム(44)の長さと、開閉角度と、高さが前記設定値にならない場合は異常と判断して知らせる制御構成を有する制御装置(100)
を備え、
前記ポンプスイッチ(8)がオンのときに収納スイッチ(144)がオンになると、制御装置(100)は、サイドブーム(44)を所定の長さまで縮める構成とし、
左サイドブーム(44)に焦電型赤外線センサ(151)を設け、キースイッチ(150)がオフのときに前記焦電型赤外線センサ(151)が人体を感知すると、制御装置(100)は、左サイドブーム(44)を昇降させる構成としたことを特徴とする薬液散布作業車両である。
請求項2記載の発明は、GPSからの情報を受信できるGPS受信機(81)を搭載してGPSから得た位置情報と速度情報を検出し、得られた位置情報と速度情報に基づき作業車両の車両速度検出を算出する車速算出手段(5)と、車軸を駆動させるギヤの回転速度から車速を検出する車速センサ(6)とを設け、
制御装置(100)が、GPS受信機(81)に基づく車両速度検出又は車速センサ(6)による一定の速度検出があるときは、ブーム収納スイッチ(144)の入力を受け付けない制御構成を有することを特徴とする請求項1記載の薬液散布作業車両である。
請求項1記載の発明によれば、ブーム収納スイッチ144を作動させてサイドブーム44を縮め、サイドブーム44を閉じ、サイドブーム44の高さを変更し、さらにサイドブーム44の傾斜角度を変更することを行うときに、左右のサイドブーム44の開閉角度、サイドブーム44の伸縮長さ、サイドブーム44の傾斜角度が異なっていても、それぞれ別々に収納動作を行うので、左右のサイドブーム44の状態にかかわらず、確実サイドブーム44を収納することができる。また、ポンプスイッチ8がオフになったときに自動でサイドブームを縮め、サイドブーム44を閉じ、サイドブーム44の高さを変更し、さらにサイドブーム44の傾斜角度を変更することを行うときに、それぞれの自動による動作を、各スイッチがオンしてから一定時間が経過しても目標値にならないときは異常と判断され、オペレータにその旨をブザーや表示部などで知らせ、その後の対応を促すことができると共に車両の破損を防止することができる。
また、キースイッチ150がオフでも左サイドブーム44を昇降できる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、一定車速以上で走行中はブーム収納スイッチ144の作動を受け付けないので、走行中に誤動作により収納スイッチ144をオンした場合でもサイドブーム44の動作を制限することでサイドブーム44の破損などを防止できる。
本発明の一実施形態による薬剤散布作業車の側面図である。 図1の薬剤散布作業車の平面図である。 図1の薬剤散布作業車のコントローラパネルの平面図である。 図1の薬剤散布作業車の制御ブロック図である。 図1の薬剤散布作業車の本機コントローラと防除機コントローラの構成図である。 図1の薬剤散布作業車の薬剤散布配管系統の構成図である。 図1の薬剤散布作業車の薬剤散布制御のフローチャートである。 図1の薬剤散布作業車の作業時の正面図である。 図1の薬剤散布作業車の旋回時の平面図である。 図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両のサイドブームの昇降制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両のサイドブームの昇降制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両のサイドブームの昇降制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両のサイドブームの昇降制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両のサイドブームの昇降制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両の圃場コーナ部での走行様態を説明する平面図である。 図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両のサイドブームの昇降制御のフローチャート(図19(a))と圃場内に車両がいない状態を示す作業表面(図19(b))である。 図1の薬液散布作業車両のサイドブームの昇降制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両のサイドブームの昇降制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両の圃場コーナ部での走行様態を説明する平面図である。 図1の薬液散布作業車両の薬液散布制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両のサイドブームの作動制御のフローチャートである。 図1の薬液散布作業車両の外部昇降制御ブロック図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施態様について説明する。
図1に薬液散布装置を前部に取り付けた薬液散布作業車の側面図を示し、図2には薬液散布作業装置部分の平面図を示す。なお、本明細書では薬液散布作業車の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右という。
薬液散布作業車の車体1は、前輪12及び後輪13を軸装するアクスルハウジングをローリング自在に支持する。また、ハンドルポスト59により支持されたステアリングハンドル14の回転操作により前輪12を操向すると共にボンネット15下のエンジン(図示せず)によって伝動走行される。この車体1には操縦席17の後部から左右両側にわたって囲うように形成された薬液タンク18を車体に対し着脱自在に搭載し、この薬液タンク18内の薬液を前側に設けられる散布ブーム19へ圧送する防除ポンプ65が車体1の操縦席17の下方に設けられている。
操縦席17の左側下方でフロア54の上方に位置する薬液タンク18の左側部には、オペレータ一人が乗り降りできる程度の凹部Sが設けられ、該凹部Sの底面にタンク側ステップ50が設けられている。タンク側ステップ50の外側下方には、本機側ステップ53が設けられている。この本機側ステップ53は、上面53Aが、フロア54と薬液タンク18の底面とほぼ同一高さとなる位置にある。
本機側ステップ53の下方には、フロア54から吊り下げ式に設置された梯子部材55が設けられている。梯子部材55は任意の段数、例えば2段のステップを有している。これらの梯子部材55、本機側ステップ53及びタンク側ステップ50は所定の間隔で配置されている。このような構成によりオペレータは、梯子部材55のステップ、本機側ステップ53及びタンク側ステップ50を順に登ることにより、安全かつ容易に操縦席17に到達して乗車できる。
本機のフロア54に薬液タンク18を搭載する自走型薬液散布作業車において、薬液タンク18は本機ダッシュパネル56付近まで前方に突出している。一方、薬液タンク18は上面視でオペレータの足元まで完全に覆い囲った略コの字状の構造を有している。このような構造により薬液タンク18の高さを増加させずにタンク容量を増大させるとともに後進時の見通しを確保できる。また、薬液タンク18を前方に長くすることにより、薬液タンク内水量の変位による機体の重心移動を小さく抑え、薬液散布作業時の機体バランスを安定させ、走行性能を高めることができ、機体が後傾して沈没するという事態を回避できる。
なお、図2では薬液タンク18の上面が略コの字形状の略直方体形状のものを図示しているが、これに限定されず、タンクステップを有する形状であれば任意の形状にすることができる。
薬液タンク18の先端部形状は、フロア54のフロントに上方へ浮き上がるように湾曲させた傾斜部51と密着するように形成されている。従って、薬液タンク18を後方から前方へ移動させて傾斜部51で合致させて止めることができる。このような構造により前輪12の横揺れ等によるタイヤと薬液タンク18の干渉を防止でき、薬液タンク18の本機のフロア54上での接地性を高め、タンク18の安定性を高めることができる。
前記車体1の前部には、ボンネット15の左右両側部に支持されたリフトリンク3が取り付けられている。リフトリンク3は、アッパリンク24とロワリンク25を平行状に配置して、この前端部間をヒッチブラケット4で連結し、後端部間を直立した支柱23に軸支して平行リンク形態に構成され、この平行リンクが昇降シリンダ27,27により先端部が昇降移動することで散布ブーム19の薬液散布高さを調節することができる。
ヒッチブラケット4の下端部には機体左右方向に伸びる支持枠21を取り付けている。この支持枠21には散布ブーム19の内のセンターブーム43がその前面に取り付けられており、またその左右端部に上方に突出したシリンダ取付支柱26が設けられ、シリンダ取付支柱26の上端には電気的に作動制御される油圧タンク付ソレノイドバルブ28を介して伸縮するローリングシリンダである上下シリンダ29の上端が取り付けられ、その下端にはサイドブーム44が回動自在に取り付けられている。したがって、上下シリンダ29の伸縮によりサイドブーム44が昇降される。なお、サイドブーム44は機体の両サイドに収納されるときはサイドブーム受け40で機体に支持される。
前記散布ブーム19は、センターブーム43と、このセンターブーム43の外側に折畳み可能に連結されるサイドブーム44とから構成され、各々薬液噴霧用の噴霧ノズル45(45a,45b)が一定間隔で配置されている。
サイドブーム44はシリンダ取付支柱26を介してセンターブーム43に取り付けられているが、サイドブーム44はセンターブーム43に設けられた開閉シリンダ30により開閉される。開閉シリンダ30は電気的に作動するギヤードモータ31によって伸縮される。サイドブーム44の開閉角度は開閉シリンダ30の基部に設けたブーム角度右センサ138aとブーム角度左センサ138b(図4)によって検出される。
また、サイドブーム44は基本ブーム44a(図8)と伸縮ブーム44bとの組合体からなり、基本ブーム44aの基部側に設けた電動モータ46によって長手方向に伸縮可能である。
また、散布条件に基づいて自動的に薬剤を散布する自動薬剤散布モード(以下、自動散布と省略していう場合がある)を設定するための自動スイッチ129が操縦パネル120(図3)に設けられ、この自動スイッチ129を押して自動の散布制御を行うことができる。
図3には、図1の薬剤散布作業車に設ける防除用コントローラパネル120の平面図を示す。図3(a)には、表示部が小さめのコントローラパネル120を示す。
図3(a)に示すように、ボンネット15の上部に設けたコントローラパネル120には、中央上部のディスプレイ(表示部)122の左側に上位から散布設定123、圧力124、流量125、流量累計126等の表示部が表示されていて、複数の異なる散布条件を表示する構成である。ディスプレイ122の左端部に点灯されるインジケータ(三角マーク)122aによって、このディスプレイ122に表示されるデータ内容が指示される。ディスプレイ122の右側には表示切換用の表示切換ボタン128が設けられている。
また、これらの下方には、散布条件に基づいて自動的に薬剤を散布する自動薬剤散布モードを設定するための自動スイッチ129が設けられ、この自動スイッチ129を押して自動の散布制御を行うとき(自動スイッチ129がオンのとき)は、パイロットランプ130が点灯する。自動スイッチ129が入りのときには、後述する車速センサ6の値が所定以上になると防除ポンプ65は自動駆動になる。
また、この状態で、もう一度自動スイッチ129を押すと、パイロットランプ130が消灯して、手動で薬剤を散布する手動薬剤散布モード(以下、手動散布と省略していう場合がある)に切り換わる。手動散布では、防除ポンプ65の入り切りはポンプスイッチ8(図4)の入り切りにより行う。また、手動散布では、停車中でも散布することができる。更に、散布設定スイッチ131、増減ボタンスイッチ132,133、累計リセットスイッチ134等が配置されている。
手動散布では、メモリ102に記憶された散布条件及びそれ以外の散布条件を含めて各種の散布条件の何れを順次手動で表示切換ボタン128、散布設定スイッチ131、増減ボタンスイッチ132,133、累計リセットスイッチ134等により選択、変更して薬剤を散布できる。
停車中や旋回中は各ブーム43,44に繋がる噴霧コック69(図6)の開閉用レバー(図示しないが、各ブーム43,44用にある)を操作することで、任意のブーム43,44の散布を停止させることができる。また、自動散布でも、噴霧コック69の開閉用レバーを操作することで、任意のブーム43,44の散布を停止させることができる。
なお、コントローラパネル120は、図3(b)に示すように、表示部が大きめのものを採用しても良い。図3(a)は一つずつの表示タイプであるが、図3(b)はディスプレイ122に一括表示するタイプであり、図3(a)に示すディスプレイ122とは違って、圃場番号、圃場面積、散布薬剤の種類、設定散布量、散布圧力、累計値が一つの画面に表示されるため、見やすく、分かりやすい。また、散布量スイッチ136を押すと薬剤の散布量を変更でき、圧力スイッチ137を押すと散布圧力を変更できる。コントローラパネル120は図3(a)でも図3(b)でもどちらを用いても良い。
オペレータによって自動スイッチ129が押されて自動制御が選択されると(自動スイッチ129を入りにする)、後述する車速センサ6等からの信号により散布(防除ポンプ65)の入り切りを行う。
また、この薬剤散布作業車は、サイドブーム44,44を自動的に水平に動作させるための自動水平制御機能を有する制御装置100を備えている。ここで自動水平制御動作とは、開閉シリンダ30,30によりサイドブーム44,44をセンターブーム43の延長線上の水平方向(機体の進行方向に向かって左右方向)に開き、更に上下シリンダ29,29であるローリングシリンダを最大限伸ばした際に、サイドブーム44,44が水平状態になるように制御することをいう。ブーム昇降用の上下シリンダ29,29にはストロークセンサ(サイドブーム44の上昇と下降を検出するセンサ)9が設けられ(図4)、ブーム全体は機体側に対して回動可能(左右ローリング)に構成している。すなわち、機体が左右方向に傾斜してもサイドブーム44,44を水平に維持する制御である。
リフトリンク3にはサイドブーム44の傾斜を検出するリンク傾斜センサ82(図4)と、サイドブーム44の傾斜の変化速度を検出するリンク傾斜角速度センサ83が設けられている。なお、リンク傾斜センサ82とリンク傾斜角速度センサ83は一個のセンサで両方の値を検出できるものでも良い。
自動水平制御スイッチ152を入り状態にすることで、ブーム全体を常時水平になるように制御する。自動水平制御スイッチ152を入りにすると、リンク傾斜センサ82とリンク傾斜角速度センサ83が機体の傾斜を検出した場合には、これらの信号が制御装置100に送信されて、ブーム全体が水平になるように開閉シリンダ30,30を作動させるためのブーム水平ソレノイド(バルブ)34,34(図4)を制御する。
また、水平制御は、リンク傾斜センサ82のみによる機体傾斜の検出で可能であるが、リンク傾斜角速度センサ83を用いることで水平制御の精度が向上する。機体がゆっくり傾斜しているのか、又は加速度的に傾斜しているのかを見て、水平制御に反映させることができる。
次に上記構成の薬剤散布作業車の制御部について説明する。図4には、図1の薬剤散布作業車の制御ブロック図を示す。
この制御ブロック図に示すように、制御装置(CPU)100は薬剤散布作業車の車軸を駆動させるギヤ(図示せず)などの回転速度から車速を検出する車速センサ6、ステアリングハンドル14の回転操作に連動する左右の前輪12,12の操舵角θを検出する操舵角センサ(操舵角検出手段)7、薬剤散布の入り・切り用のポンプスイッチ(ポンプスイッチセンサ)8、ブーム昇降シリンダ27,27を作動させるブーム左右昇降ソレノイド35の出力に対応している。ブーム昇降シリンダ27,27は左右のブーム44,45の全体を一様に上げたり、下げたりするブーム左右一体で昇降ソレノイド35に対応している。
ブーム傾斜角度による上下シリンダ29,29のストロークセンサ9、薬液の散布圧力を検出する圧力センサ11、薬液の流量を制御する流量制御弁73の弁開度センサ16、GPSアンテナ(受信機)81からの信号を受信する入力回路などが接続し、操舵装置(ハンドル14や車輪操舵用の油圧シリンダと該シリンダ作動用のソレノイド等からなる)のソレノイド(本実施例の薬剤散布作業車はFWS、4WS、RWSを装備しており、4輪全て油圧シリンダで動く構成である)、ブーム上下ソレノイド32(上下シリンダ29用)、ブーム水平ソレノイド34(開閉シリンダ30用)、ブーム昇降ソレノイド35(昇降シリンダ27用)、ブザー36、ディスプレイ122などへの出力回路等が接続している。操舵角センサ7では旋回方向も検出され、旋回時に左右どちらのサイドブーム44を上昇させるかの判断に使用される。
図5には、図1の薬剤散布作業車の本機コントローラと防除機コントローラの構成図を示す。
図5に示すように、薬剤散布作業車(本機)のコントローラ100と薬液タンク18と薬剤散布用ブーム43,44と薬液ホース61,66などとその流量制御弁73などから構成される防除機B(図6)のコントローラ101から本実施例のコントローラは構成され、本機のコントローラ100にはGPS受信機81が接続される。該GPS受信機81は複数のGPS衛星からの信号を受信し、本機の現在位置データとして記憶すると共に、時計回路で計測する所定時間毎に現在位置データを更新しながら移動距離を算出し、該時計回路による所定時間おきに速度、すなわち車速を本機コントローラ100にある車速算出手段5により算出する構成としている。また、本機コントローラ100には車軸の回転数から車速を検出する車速センサ6からも入力がある。
本実施例の薬剤散布作業車では、該作業車に搭載して車速に連動して薬液を散布する防除機Bにおいて、薬液濃度と車速等により薬剤散布量を決めて防除ポンプ65の薬液吐出量を決める。なお、前記GPS受信機81はGPSからの車両速度情報と位置情報を得ることができる。
図6には、図1の薬剤散布作業車の薬剤散布配管系統の構成図を示す。
また、この薬剤散布作業車は、薬液タンク18からの給水路(ホース)61に給水コック62を設け、該給水コック62より下流の給水路(ホース)61に設けたサクションフィルタ64の出口部に防除ポンプ65を設けている。該防除ポンプ65の出口部には吐水ホース66を接続し、該吐水ホース66の先端は薬液路67を介して噴霧コック69の設置部に接続している。前記吐水ホース66と薬液路67の間に上流側から順に安全弁70とエアチャンバー71と流量制御弁73と流量センサ74が設置されている。
また安全弁70の圧力設定部の吐水ホース66と薬液タンク18との間に余水ホース75が接続されている。前記安全弁70を開いておくと、吐水ホース66内の余分な薬液を薬液タンク18に還流させることができる。また、余水ホース75の設置部より上流側の吐水ホース66から分岐して薬液タンク18に接続した攪拌ホース79も設けられている。なお、流量制御弁73は図4の制御ブロック図に示す流量制御モータ10により開度が制御される。
薬液タンク18内の薬液は噴霧コック69を経由して前記センターブーム43、サイドブーム44に供給される。各ブーム43,44への薬液の単位面積(例えば10アール)当たりの供給量(A)は流量制御弁73で調整できる。
GPS受信機81からの速度データや位置データを本機コントローラ100で受信し、該速度、位置データを演算して車速算出手段5により速度を算出し、得られた値を速度信号に変換した後、防除機コントローラ101にシリアル通信で車速算出手段5による車速(第1車速(VG))として送信する。また、本機には車軸の回転数を車速パルスで計測する車速センサ6が設けられており、該車速センサ6からも車速(第2車速(Vs))を得ることができる。こうしてGPS受信機81から得られる車速算出手段5に基づく第1車速(VG)と本機に設けた車速センサ6から得られる第2車速(Vs)を本機側のコントローラ100で計算し、CAN通信により防除機コントローラ101に速度データを送り、薬剤散布制御に利用する構成(薬剤散布機能)とする。
通常は、車両の発進直後と停止直前は車速センサ6に基づく第2車速(Vs)を車速とし、安定走行時にはGPSによる第1車速(VG)を車速とする場合が多い。
ここで本実施例の薬剤散布の基本手順を説明する。
まず、オペレータが10アール当たりの散布量A(リットル/10アール)を決定し、次いで薬剤散布作業を開始すると、GPSに基づく第1車速(VG)と本機に設けた車速センサ6から得られる第2車速(Vs)がそれぞれ車速V(m/s)を検知する。そして制御装置100,101が前記第1車速(VG)と第2車速(Vs)(以下、単に車速(VG)、車速(Vs)という)の中のどちらかの車速又は両方の車速に基づく10アール当たりの設定薬剤散布量Aに対応した薬液噴霧圧力を計算し、該計算圧力値と実際の吐水ホース66の圧力Pが一致するように流量制御弁73を制御して、ブーム43,44のノズル45a,45bからの薬剤散布量を変化させ、10アール当たりの薬剤散布量Aを設定して作業すれば、車速(VG,Vs)の変動があっても薬液流量が制御され、設定散布量通りに圃場に均一に薬液を散布できる。
防除機コントローラ101に車速測定手段がなくても、防除機(薬剤散布装置)Bが連結される本機側の車速測定手段を用いて防除機Bでも車速(Vs)を測定することができるだけでなく、上記図5に示す構成により、本実施例の防除機Bとは別の粉粒体肥料を散布する可変施肥装置等の薬剤散布装置(図示せず)に設けたコントローラを本機コントローラ100とは別に搭載している場合でも、可変施肥装置等の薬剤散布装置は、そのまま車速を使用することができる。
図7には、図1の薬剤散布作業車の薬剤散布制御のフローチャートを示す。
このとき得られる車速として図7に示すように前記GPSで得られた車速算出手段5に基づく車速(VG)と本機の車速センサ6から得られる車速(Vs)の平均化を行い、その平均化された車速を防除機Bの車速とすることができる。
GPSで得られた車速算出手段5に基づく車速(VG)と本機の車速センサ6から得られる車速(Vs)の平均化を行う理由は、電波の受信が不安定な場合(厚い雨雲、雪雲、地形の影響(谷、山のふもと)など)及びGPSの電波の精度が変更される場合があるため、GPSで得られる車速が不安定となる恐れがある一方で、車輪のスリップ時などを除いて車速センサ6の信頼性が高いので、GPSから得られた車速と車速センサ6で得られた車速(車速パルスを読み込んで車速を計算する)を平均化して求めた車速に基づき、圃場10アール当たりの設定薬剤散布量Aに対応した計算圧力値と実際の吐水ホース66の圧力Pが一致するように流量制御弁73を制御して、ブーム43,44のノズル45a,45bからの薬剤散布量を変化させることで、車速の変動があっても圃場10アール当たりの薬剤散布量Aを安定して散布することが可能となる。
また、車速センサ6から得られた車速(Vs)が一定値(例えば0.3〜0.4m/s)以下のときは、GPSから得られた車速(VG)は防除機Bの薬剤散布量の算出用の制御に使用しないようにする。例えば、走行開始時の車速変化が不安定なときは、車速センサ6から得られた車速(Vs)を圃場10アール当たりの設定薬剤散布量Aに対応した薬剤散布圧力値の計算に利用して、GPSによる車速(VG)は利用しないようにすることで薬剤散布量の変動を抑えることができる。
これは所定車速以下の低速での走行時には、GPSによる車速(VG)は車速センサ6による車速(Vs)よりも精度が悪くなるために、薬剤散布量が過剰になりすぎたり、逆に足りない状況が発生する。そこでGPSによる車速(VG)を用いないで、車速センサ6による車速(Vs)を用いる。
なお、走行開始後に車速センサ6で得られた車速(Vs)が一定値(例えば(0.3〜0.4m/s))を超えると、GPSによる車速(VG)に基づいて薬剤散布量を決めて散布を実行する。
このように、本実施例の薬剤散布作業車は、車速センサ6から得られる車速又はGPS受信機81と車速センサ6から、それぞれ得られる速度情報を車速として設定散布量から設定圧力を計算し、車速と連動させてセンターブーム43とサイドブーム44から圃場に散布する薬液量を流量制御モータ10で駆動する開閉弁73の開度の調整をする構成を備えている。
図8には、薬剤散布作業車の作業時の正面図を示し、図9には、薬剤散布作業車の旋回時の平面図を示す。
薬剤散布作業車は、薬剤の散布作業中にはサイドブーム44を左右に拡げることで、広範囲に薬剤を散布できる。そして、本実施形態の薬剤散布作業車は、旋回開始時に操舵角センサ7により所定角度以上の旋回角度が検出され、すなわち旋回動作に入ったことが検出されると、旋回外側のサイドブーム44を自動的に上下シリンダ29により上昇させるサイドブーム上昇機能を有する制御装置100を備えている。
なお、ここでサイドブーム44を上下シリンダ29により上昇させるとは上下シリンダ29を伸ばしてサイドブーム44の機体水平面に対する傾斜角度を大きくすることであり、またサイドブーム44を上下シリンダ29により下降させるとは上下シリンダ29を縮めてサイドブーム44の機体水平面に対する傾斜角度を小さくすることである。
このサイドブーム上昇機能によって、旋回時に旋回外側のサイドブーム44が畦畔に接触することを防止できる。
サイドブーム44は基部側サイドブーム44aと先端側サイドブーム44bからなり電動モータ46で先端側サイドブーム44bを基部側サイドブーム44aに対して伸縮することでサイドブーム44全体を伸縮することができる。
更に、この制御装置100は、旋回終了時には、操舵角センサ7により所定角度以上の旋回角度が検出され、すなわち操舵角センサ7により再び旋回動作に入ったことが検出されると、旋回外側のサイドブーム44を自動的に上下シリンダ29により下降させるサイドブーム下降機能を有する。このサイドブーム下降機能によって、旋回外側のサイドブーム44が作業位置に戻り、速やかに散布作業を再開できる。これらの機能は自動昇降スイッチ141(図4)をオンにすることで手動散布や自動散布にかかわらず、発揮される。
手動昇降スイッチ142によりサイドブーム44を昇降させることも可能であるが、手動昇降スイッチ142を操作しなくても、上記サイドブーム上昇機能とサイドブーム下降機能による自動昇降制御により、薬剤散布作業車の旋回開始時又は旋回終了時に旋回外側のサイドブーム44を自動的に上昇又は下降させることができるため、サイドブーム44の昇降動作を作業者に負担をかけることなく行える。
また、薬剤の散布作業中は、手動散布では防除ポンプ65の駆動の入り切りを行うためのポンプスイッチ8がオン(入り)の状態である。また、自動散布では、自動スイッチ129が入りになっていて、車速センサ6等からの信号により防除ポンプ65が駆動されている。したがって、このような防除ポンプ65の駆動時に上記サイドブーム上昇機能とサイドブーム下降機能は発揮される。なお、サイドブーム上昇機能による上昇時とサイドブーム下降機能による下降時には、手動散布ではポンプスイッチ8がオン(防除ポンプ65が駆動状態)であるが、前記コック開閉用レバー(図示せず)により散布を停止する。また自動散布では、自動スイッチ129がオンであるが、流量制御モータ10により流量制御弁73の開度が制御されるため、薬液は散布されない。防除ポンプ65の駆動は、手動散布ではポンプスイッチ8の入り切りにより判断され、自動散布では自動スイッチ129の入り切りと車速センサ6からの信号により判断される。
このような薬剤散布作業車において、サイドブーム44の上昇後の走行中にポンプスイッチ8を切りにした場合でも(例えば、防除ポンプ65周辺の状況確認などで走行停止する場合など)、その後の旋回終了時にはサイドブーム44を自動的に下降させることができるようにすると、サイドブーム44を上昇前の元の位置に戻すことが可能となる。
左右のサイドブーム44を伸ばしている状態で、サイドブーム44を収納する場合の制御について説明する。この自動で行われる動作を図10のフローチャートに示す。
まず、ブーム収納スイッチ144を設けて、該スイッチを作動させることで、ブームを縮めて全体を昇降シリンダ27で上昇させ、次いでブーム44がサイドブーム受け40の上方位置に来るようにしてブーム44を閉じて全体を下降させる。この一連の動作を自動で連続して行う制御を以下に示すように行う。
まず、サイドブーム44の収納初期値を読み出し、その初期値をサイドブーム44の位置の目標値としてセットする。次いで左右のサイドブーム44の伸縮出力としてブーム収納スイッチ144をオンして、その収縮値を読み込み、電動モータ46の作動によりサイドブーム44の収縮値が目標値に達すると収縮が自動停止する。
次いで、サイドブーム44の傾斜角度を大きくして上昇させるための手動入力スイッチ142をオンとしてサイドブーム44を左右の上下シリンダ29,29で上昇させ、その上昇度合いの調節はブーム高さセンサ145,145で目標値に達したかどうかで検知する。サイドブーム44の目標値とは、左右のサイドブーム44がサイドブーム受け40に当たらない高さ位置である。
次に左右のサイドブーム44がサイドブーム受け40の上方位置に来るように左右のサイドブーム44を開閉シリンダ30で閉じる。サイドブーム44が目標値通り、サイドブーム受け40の上方位置に達したことをブーム開閉センサ146で検知すると開閉シリンダ30をその位置で停止させる。
次に、ブーム44の傾斜角度を小さくして上下シリンダ29,29で下降させる。このときサイドブーム44の下降度合いの調節はブーム傾斜角度を検知するブーム角度右センサ138aとブーム角度左センサ138bでサイドブーム受け40にサイドブーム44が受け取られるような目標値に達したかどうかでそれぞれ検知し、サイドブーム44が目標値通りの傾斜角度になると、上下シリンダ29,29の作動を停止させる。
ブーム収納スイッチ144を入りとして電動モータ46を作動させてサイドブーム44を縮め、サイドブーム44を閉じ、昇降シリンダ27を作動させてブーム高さを変更し、さらに上下シリンダ29を作動させて、サイドブーム44の傾斜角度を変更することを行うときに、左右のサイドブーム44の開閉角度、サイドブーム44の伸縮長さ、サイドブーム44の傾斜角度が異なっていても、それぞれ別々に収納動作を行う。こうして左右のサイドブーム44の状態にかかわらず、確実のサイドブーム44を確実に収納することができる。
図11に示すフローチャートはサイドブーム44を縮める動作中にブーム収納スイッチ144がオンされた場合を示す。
ブーム収納スイッチ144を作動させてサイドブーム44を縮め、サイドブーム44を閉じ、ブーム44の高さを昇降シリンダ27の作動により変更し、さらに上下シリンダ29を作動させてサイドブーム44の傾斜角度を変更することを行うときに、それぞれの動作中にブーム収納スイッチ144を再びオンしたときにはサイドブーム44の収納動作を中止する。図12に示すフローチャートはサイドブーム44を縮める動作中にブーム収納スイッチ144がオンされた場合を示すが、その他の動作時も同様にブーム収納スイッチ144を再びオンとなるとしたときにはサイドブーム44の収納動作を中止する。そして、収納動作中に動作を中断したいとき、簡単に動作を停止させることができる。
防除ポンプ65の作動開始用のポンプスイッチ8がオフになったときに自動で電動モータ46を作動させてサイドブーム44を縮め、サイドブーム44を閉じ、ブーム44の高さを昇降シリンダ27の作動により変更し、さらに上下シリンダ29を作動させてサイドブーム44の傾斜角度を変更することを行うときに、それぞれの自動による動作中に手動操作レバー(図示せず)などの操作手段の入力があると、その手動操作入力を優先して自動動作処理を中止する。図13にはサイドブーム44伸縮の場合のフローチャートを示す。
こうして何らかの原因でオペレータが手動操作を優先することで、サイドブーム44の条件変更に対応することができる。
ポンプスイッチ8がオフになったときに自動でサイドブーム44を縮め、サイドブーム44を閉じ、サイドブーム44の高さを変更し、さらにサイドブーム44の傾斜角度を変更することを行うときに、それぞれの自動による動作を自動昇降スイッチ141、手動昇降スイッチ142、ブーム収納スイッチ144、自動スイッチ129などのスイッチをオンしてから一定時間が経過しても目標値にならないときは異常と判断する。図14にはサイドブーム44を伸縮する場合のフローチャートを示す。
こうして異常と判断されると、オペレータにその旨をブザー36又は表示装置122で知らせ、その後の対応を促すことができると共に車両の破損を防止することができる。
防除ポンプ65の出力がオンのときはブーム収納スイッチ144の入力を受け付けない。逆に言えば、ブーム収納スイッチ144がオンのときは防除ポンプ出力がオンであるかどうか判断して、防除ポンプ出力がオフであれば一連の収納動作を行い、ポンプ出力がオンであると一連の収納操作を行わない。こうして薬液散布中に収納スイッチ144を誤動作しても支障なく作業を継続できる。図15にはそのフローチャートを示す。
また、ブーム収納スイッチ144がオンのとき、車速センサ6の値を読み込んで車速計算を行い、一定車速以上であるときは一連の収納動作を行わない。こうして走行中に誤動作により収納スイッチ144をオンした場合でもサイドブーム44の動作を制限することでサイドブーム44の破損などを防止できる。図16にはそのフローチャートを示す。
さらに、ブーム収納スイッチ144がオンのときに、ポンプ出力がオンであると左右サイドブーム44の収縮処理だけを行い、ポンプ出力がオフのときは左右サイドブーム44の一連の収納動作を行う。こうして途中までのサイドブーム44の収納動作を簡単に行うことができ、サイドブーム44の操作性が従来より向上する。図17にはそのフローチャートを示す。
ブーム収納スイッチ144がオンのときに車速センサ値を読み込んで、車速計算を行い、一定車速以上であるときは左右サイドブーム44の収縮処理だけを行い、一定車速より小さいときは一連の収納動作を行う。こうして途中までのサイドブーム44の収納動作を簡単に行うことができ、サイドブーム44の操作性が従来より向上する。図18にはそのフローチャートを示す。
ポンプ出力がオンの場合は、GPS位置情報により車両の位置を判定し、圃場内に車両がいないことが分かれば、一連のブーム43,44の駆動処理を行わない。こうして不必要な場所でのブーム43,44の動作を防止することができる。図19(a)にはそのフローチャートを示し、図19(b)には圃場内に車両がいない状態を示す作業表面を示す。
ポンプスイッチ8をオフにすると、サイドブーム44を収縮してブーム43,44の全体の高さを上げ、さらにサイドブーム44の傾斜角度を大きくしてサイドブーム44を閉じる一連の動作を連続して行う。このときの動作は各センサ値が初期設定値になったら出力をオフとする。このようにポンプスイッチ8のワンタッチでサイドブーム44の状態を散布終了状態にすることができ、サイドブーム44の操作性が従来より向上する。図20にはそのフローチャートを示す。
反対にポンプスイッチ8をオンにすると、サイドブーム44を上昇させ、開いて、傾斜角度を下げて、伸ばして、ブーム43,44の全体の高さを調整する一連の動作を連続して行う。このときの動作は各センサ値が予め設定されている初期設定値になったら出力をオフとする。このようにポンプスイッチ8のワンタッチでサイドブーム44の状態を散布終了状態にすることができ、サイドブーム44の操作性が従来より向上する。図21にはそのフローチャートを示す。
ブーム自動スイッチ129を設けておき、該ブーム自動スイッチ129のオンのときだけサイドブーム44の自動開閉等の動作を行う構成とすることもできる。
図22に示すフローチャートはポンプスイッチ8のオンの後でブーム自動スイッチ129がオンのときは、自動でサイドブーム44の開閉と高さ調整等の動作を行い、ポンプスイッチ8のオフの場合は自動動作を行わない制御を示す。また作業後にポンプスイッチ8をオフとしたときも同様の処理を行う。こうしてサイドブーム44の自動動作の切り替えが可能になるため、作業状態や場所に応じた操作性を従来より高めることができる。
ポンプスイッチ8をオンにして自動でサイドブーム44を開き、伸ばし、高さを変更し、傾斜角度を変更するが、サイドブーム44の出力をオンしてから一定時間経過しても規定の値にならないときは異常と判断し、オペレータに異常を知らせてその後の対応を促すことができるとともに、機械の破損を防止することができる。図23にはそのフローチャートを示すが、フローチャートはサイドブーム44の開閉についての制御を示しており、サイドブーム44の上下や伸縮の場合も同様に行う。
ポンプスイッチ8をオンにして自動でサイドブーム44を開き、伸ばし、高さを変更し、傾斜角度を変更するとき、自動でのサイドブーム44の作動中に手動操作入力があったといきは、その手動入力動作を優先する。こうしてオペレータの手動操作を優先させることができ、緊急時の操作やサイドブーム44の条件変更に対応することができる。図24にはそのフローチャートを示す。
キースイッチ150がオフのときに車両の左側(乗車側)のサイドブーム44の上昇を行うときに、左サイドブーム44に焦電型赤外線センサ(人体感知センサ)151を設けておき、サイドブーム44が上昇した状態でサイドブーム44に手等を近づけは、手などの人体を傷つけないようにするために所定位置まで下降させる構成することができる。
図25に制御ブロック図を示すように、バッテリから直接で電源を供給するサイドブーム44の駆動回路を設け、サイドブーム44の上昇状態を記憶回路に記憶させておき、サイドブーム44に設けた人体感知センサ151の入力が変化したらサイドブーム44を一定時間下降させる。
また焦電型赤外線センサ(人体感知センサ)151を設けておいて、サイドブーム44にタッチすれば、所定の位置まで一定時間上昇させる構成とすることもできる。
本発明は、自走型散布機を備えた薬剤散布用の作業車両に限らず、肥料などを散布する作業車両にも利用可能性がある。
1 車体
3 リフトリンク
4 ヒッチブラケット
5 車速算出手段
6 車速センサ
7 操舵角センサ
8 ポンプスイッチ
9 ストロークセンサ
10 流量制御モータ
11 圧力センサ
12 前輪
13 後輪
14 ステアリングハンドル
15 ボンネット
16 弁開度センサ
17 操縦席
18 薬液タンク
19 散布ブーム
21 支持枠
23 支柱
24 アッパリンク
25 ロワリンク
26 シリンダ取付支柱
27 昇降シリンダ
28 油圧タンク付ソレノイドバルブ
29 上下シリンダ(ローリングシリンダ)
30 開閉シリンダ
31 ギヤードモータ
32 ブーム上下ソレノイド
34 ブーム水平ソレノイド
35 ブーム昇降ソレノイド
36 ブザー
40 サイドブーム受け
43 センターブーム
44 サイドブーム
45(45a,45b) 噴霧ノズル
46 電動モータ(アクチュエータ)
50 タンク側ステップ
51 傾斜部
53 本機側ステップ
54 フロア
55 梯子部材
56 本機ダッシュパネル
59 ハンドルポスト
61 給水路(ホース)
62 給水コック
64 サクションフィルタ
65 防除ポンプ
66 吐水ホース
67 薬液路
69 噴霧コック
70 安全弁
71 エアチャンバー
73 流量制御弁
74 流量センサ
75 余水ホース
79 攪拌ホース
81 GPS受信機
82 リンク傾斜センサ
83 リンク傾斜角速度センサ
100 本機コントローラ(制御装置)
101 防除機コントローラ
102 メモリ
120 コントローラパネル
122 ディスプレイ
122a インジケータ
123 散布設定表示
124 圧力表示
125 流量表示
126 流量累計表示
128 表示切換ボタン
129 自動スイッチ
130 パイロットランプ
131 散布設定スイッチ
132,133 増減ボタンスイッチ
134 累計リセットスイッチ
136 散布量スイッチ
137 圧力スイッチ
138a ブーム角度右センサ
138b ブーム角度左センサ
139 上昇時間設定スイッチ
140 下降時間設定スイッチ
141 自動昇降スイッチ
142 手動昇降スイッチ
144 ブーム収納スイッチ
145 ブーム高さセンサ
146 ブーム開閉センサ
150 キースイッチ
151 焦電型赤外線センサ(人体感知センサ)
152 自動水平制御スイッチ

Claims (2)

  1. 薬液を貯留する薬液タンク(18)と、
    該薬液タンク(18)からの薬液を圃場に散布するセンターブーム(43)と該センターブーム(43)の左右に配置した一対のサイドブーム(44)と、
    左右のサイドブーム(44)の傾斜角度を変更する上下シリンダ(29)と、
    左右のサイドブーム(44)の開閉を行う開閉シリンダ(30)と、左右のサイドブーム(44)の伸縮を行うアクチュエータ(46)と、
    薬液散布ブーム(43,44)の高さを調節する昇降シリンダ(27)と、
    薬液タンク(18)と薬液散布ブーム(43,44)との間の薬液流路に設けた薬液を吐出する防除ポンプ(65)と、
    薬液散布ブーム(43,44)を初期状態に収納する動作の開始用のブーム収納スイッチ(144)と、
    防除ポンプ(65)を作動させるポンプスイッチ(8)と、
    左右のサイドブーム(44)が互いに長さと、開閉角度と、高さが異なっていても、該ブーム収納スイッチ(144)のオンで自動的にサイドブーム(44)を予め設定されている収納位置に収納できるように長さと、開閉角度と、高さを制御する制御構成と、前記ポンプスイッチ(8)のオフにより、自動的にサイドブーム(44)を予め設定されている長さと、開閉角度と、高さに制御する制御構成と、サイドブーム(44)を伸縮するアクチュエータ(46)がオンしてから一定時間経過してもサイドブーム(44)の長さと、開閉角度と、高さが前記設定値にならない場合は異常と判断して知らせる制御構成を有する制御装置(100)
    を備え、
    前記ポンプスイッチ(8)がオンのときに収納スイッチ(144)がオンになると、制御装置(100)は、サイドブーム(44)を所定の長さまで縮める構成とし、
    左サイドブーム(44)に焦電型赤外線センサ(151)を設け、キースイッチ(150)がオフのときに前記焦電型赤外線センサ(151)が人体を感知すると、制御装置(100)は、左サイドブーム(44)を昇降させる構成としたことを特徴とする薬液散布作業車両。
  2. GPSからの情報を受信できるGPS受信機(81)を搭載してGPSから得た位置情報と速度情報を検出し、得られた位置情報と速度情報に基づき作業車両の車両速度検出を算出する車速算出手段(5)と、車軸を駆動させるギヤの回転速度から車速を検出する車速センサ(6)とを設け、
    制御装置(100)が、GPS受信機(81)に基づく車両速度検出又は車速センサ(6)による一定の速度検出があるときは、ブーム収納スイッチ(144)の入力を受け付けない制御構成を有することを特徴とする請求項1記載の薬液散布作業車両。
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