JP7403740B2 - 薬剤散布車両 - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤の散布を行う薬剤散布車両に関するものである。
従来、走行車体(以下、単に「車体」ともいう。)の前部に取り付けられた左右一対のサイドブームから薬剤を散布しつつ、圃場上を走行する薬剤散布車両が知られている。
このような薬剤散布車両においては、左右の各サイドブームは細長い形状を有しており、通常、車体の前部から車体の側面に沿って後方に延びる姿勢をなした状態で車体の両側方に配置(収納)されており、薬剤を散布するときに、車体の前部に設けられた略上下軸周りに45°ないし90°ほど車体幅方向外側に回動され、展開される。以下、サイドブームが車体の前部から車体の側面に沿って略後方に延びる姿勢を「収納姿勢」といい、サイドブームが車体幅方向外側に回動され、展開された姿勢を「展開姿勢」という。
しかしながら、左右一対のサイドブームは細長いため、車体の振動や風、慣性などによって振れやすく、左右一対のサイドブームが後方に延びる収納姿勢をなす状態で、後部が左右方向(車体幅方向)内側に振れた場合には、車体の側面に接触し、左右方向外側に振れた場合には、壁や電柱などに接触することがあった。
このような状況に照らして、特許文献1には、車体の左右後部にそれぞれ、正面から見て略U字状(二股状)をなすブーム受けを設け、左右一対のサイドブームをそれぞれ、収納姿勢をとる状態で、ブーム受けの内側(U字の内側)に上方から下降させて収容することによって、一対のサイドブームの後部が左右に振れて、車体や壁などに接触することを防止することが可能な薬剤散布車両が開示されている(図2参照)。正面から見て略U字状をなすブーム受けに収容されると、各サイドブームは、ブーム受けの内側を略前後方向に通された状態となる。
特開2019-115305
しかしながら、特許文献1に記載された薬剤散布車両においては、ブーム受けに収容されたサイドブームを、収納姿勢から展開姿勢に切り換える際に、略上下軸まわりに左右方向外側へ回動させ、展開する前に、略U字状をなすブーム受けの車体幅方向外側の部分を回避すべく、一旦、サイドブームを、ブーム受けの車体幅方向外側部分の上端部よりも上方の位置まで上昇(上方に回動)させる必要があった。したがって、各サイドブームが展開され、展開姿勢をとるまでに時間を要し、作業能率が悪かった。
また、展開姿勢にあるサイドブームを回動させ、収納姿勢に切り換える際にも、一旦、サイドブームを、ブーム受けの車体幅方向外側部分の上端部よりも上方の位置まで上昇させてから、回動させて収納姿勢に切り換えた後に、その下方に位置するブーム受けの内側(U字の内側)へ下降させる必要があり、各サイドブームが収納姿勢をとるまでに時間を要し、作業能率が悪かった。
さらに、各サイドブームを下降させるときに、高い速度のままで、略U字状をなすブーム受けの底部に接触させると、サイドブームが破損してしまうという問題もあった。
したがって、本発明は、圃場に薬剤を散布するための左右一対の各サイドブームを、収納姿勢と展開姿勢との間で短時間に切り換えることができ、かつ、姿勢を切換える際に、各サイドブームが破損することを防止することができる薬剤散布車両を提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、
走行車体と、
薬剤を散布する左右一対のサイドブームであって、上から見たときに、前記走行車体から車体幅方向外側に展開された展開姿勢と、上から見たときに、前記走行車体の側面に沿って後方に延びる収納姿勢との間で回動可能な左右一対の前記サイドブームと、
各前記サイドブームを回動させる第一のアクチュエータと、
収納姿勢にある前記サイドブームを収容する左右一対のブーム受けとを備えた薬剤散布車両において、
左右一対の各前記ブーム受けにおける車体幅方向外側の部分であって、少なくとも前記サイドブームの回動軌跡と重なる部分を、第二のアクチュエータによって回動軌跡上から退避可能な退避部材として構成し、
各前記サイドブームが回動されて姿勢が切換えられる際に、前記退避部材が前記サイドブームの回動軌跡上から退避されることを特徴とする薬剤散布車両によって達成される。
本発明によれば、左右一対のサイドブームが回動され、姿勢が切換えられる際に、ブーム受けの退避部材が、サイドブームの回動軌跡(回動跡)上から退避されるように構成されているから、サイドブームをブーム受けから取り出し、またはブーム受けに収容する際に、各サイドブームをブーム受けの車体幅方向外側部分の上端部よりも上方の位置まで上昇させる工程が不要となり、各サイドブームを、収納姿勢と展開姿勢との間で短時間に切り換えることができる。
さらに、本発明によれば、展開姿勢にある各サイドブームを回動させてブーム受けに収容する際に、各サイドブームを下降させる必要がないため、誤操作によって、各サイドブームを強い勢いでブーム受けに接触させ、破損させてしまう事態を防止することができる。
本発明の好ましい実施態様においては、
前記第一のアクチュエータを作動させ、収納姿勢にある前記サイドブームを車体幅方向外側に回動させて展開する際には、前記第二のアクチュエータによって前記退避部材が前記サイドブームの回動軌跡上から退避され、
展開姿勢にある前記サイドブームが回動されて収納姿勢に切り換えられると、前記第二のアクチュエータによって、前記退避部材が、前記サイドブームの回動軌跡と重なる位置に戻される。
本発明のこの好ましい実施態様によれば、収納姿勢にあるサイドブームを回動させ、展開させる際には、ブーム受けの退避部材が、第二のアクチュエータによって、自動的にサイドブームの回動軌跡上から退避されるから、別途退避部材を退避させる操作を省くことができ、作業能率が向上する。
さらに、本発明のこの好ましい実施態様によれば、展開姿勢にあるサイドブームが回動され、収納姿勢に切り換えられた際には、ブーム受けの退避部材が、第二のアクチュエータによって、サイドブームの回動軌跡と重なる位置に自動的に戻されるから、退避されている退避部材を元の位置(サイドブームの回動軌跡と重なる位置)に戻す操作を省くことができ、作業能率が向上する。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、
各前記サイドブームの回動角度を検知する回動角度検知手段を備え、
前記第一のアクチュエータを作動させ、収納姿勢にある前記サイドブームを回動させて展開する際には、前記第二のアクチュエータによって、前記退避部材が前記サイドブームの回動軌跡上から退避され、その後に、前記サイドブームが所定の角度まで車体幅方向外側に回動されると、前記退避部材が、前記サイドブームの回動軌跡と重なる位置に戻され、
前記第一のアクチュエータを作動させ、展開姿勢にある前記サイドブームを車体幅方向内側に回動させる際には、前記第二のアクチュエータによって前記退避部材が前記サイドブームの回動軌跡上から退避され、前記サイドブームが収納姿勢に切り換えられると、前記第二のアクチュエータによって前記退避部材が、前記サイドブームの回動軌跡と重なる位置に戻される。
本発明のこの好ましい実施態様によれば、サイドブームが第一のアクチュエータによって回動され、姿勢が切り換えられる際には、ブーム受けの退避部材が、第二のアクチュエータによって、自動的にサイドブームの回動軌跡上から退避されるので、別途退避部材を退避させる操作を省くことができ、作業能率が向上する。
さらに、本発明のこの好ましい実施態様によれば、収納姿勢にあるサイドブームが展開姿勢に切り換えられる際に、所定の角度まで回動された時点で、ブーム受けの退避部材が、自動的にサイドブームの回動軌跡と重なる位置に戻されるように構成されているため、退避部材を退避させる第二のアクチュエータに負荷がかかり続けることを防止することができる。
また、本発明のこの好ましい実施態様によれば、展開姿勢にあったサイドブームが収納姿勢に切り換えられると、ブーム受けの退避部材が、自動的にサイドブームの回動軌跡と重なる元の位置に戻されるので、別途退避部材を元の位置に戻す操作を省くことができ、作業能率が向上する。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、
左右一対の各前記ブーム受けの底部を補強する補強部材を備え、
前記補強部材と前記退避部材とが、付勢部材および前記第二のアクチュエータによって連結され、
前記付勢部材が、前記退避部材を、前記サイドブームの回動軌跡と重なる位置に付勢するように構成されている。
本発明のこの好ましい実施態様によれば、付勢部材によって、退避部材を、サイドブームの回動軌跡と重なる位置に付勢するように構成されているから、退避部材を退避させる第二のアクチュエータにかかる負担を軽減させることができる。
さらに、本発明のこの好ましい実施態様によれば、補強部材が設けられているから、付勢部材によって付勢される力を原因として、ブーム受けの底部が破損することを防止することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、
前記走行車体に、操縦者が搭乗するキャビンを備え、
前記キャビンの側面には、後ろ上がりに斜めの姿勢で手摺りステーが取り付けられており、
前記手摺りステーの後上部にはウインカーが固定され、
前記ウインカーは、前記キャビンの側面の後部に位置するサイドガラスの後端部の近傍に位置し、
前記手摺りステーおよび前記ウインカーは、車体幅方向において、収納姿勢をなす前記サイドブームとキャビンの側面との間の間隙に収まるように配置されている。
本発明のこの好ましい実施態様によれば、車体幅方向において、キャビンの側面と、収納姿勢をなすサイドブームとの間に収まるように手摺りステーが後ろ上がりに斜めの姿勢で設けられているから、手摺りとして使用可能な範囲を広げることができるとともに、サイドブームが車体幅方向内側に振れた際に、キャビンの上下方向に広い範囲を、手摺りステーによって保護することができる。
さらに、本発明のこの好ましい実施態様によれば、手摺りステーをウインカーの取り付けにも用いるため、部品点数を削減し、構成を簡潔にすることができる。
また、本発明のこの好ましい実施態様によれば、手摺りステーの後上部に取り付けられたウインカーが、キャビンの側面の後部に位置するサイドガラスの後端部の近傍に位置するから、操縦者の視界から離れた位置でウインカーを作動させることができ、眩しさを感じさせない。
さらに、本発明のこの好ましい実施態様によれば、ウインカーが、キャビンの側面と、収納姿勢をなすサイドブームとの間に配置されているから、サイドブームとの干渉を防止することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、
前記キャビンの後部に、車体幅方向外側に突出して前記サイドブームの接触を防止する保護部材を設け、
前記保護部材と前記キャビンとによって形成される空間内に、後方を照らす照明が角度調節自在に設けられている。
本発明のこの好ましい実施態様によれば、キャビンにサイドブームが接触することを防止する保護部材と、キャビンとによって形成される空間内に、後方を照らす照明が設けられているから、照明の破損を防止することができる。
また、本発明のこの好ましい実施態様によれば、後方を照らす照明が角度調節自在に設けられているから、必要な位置を照らすことができ、作業の確実性や、後進する際の進路の確認を容易に行うことができる。
本発明によれば、圃場に薬剤を散布するための左右一対の各ブームを、収納姿勢と展開姿勢との間で短時間に切り換えることができ、かつ、姿勢の切換える際に、各ブームが破損することを防止することができる薬剤散布車両を提供することが可能になる。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる薬剤散布車両の略左側面図である。 図2は、図1に示された薬剤散布車両の要部平面図である。 図3は、図1に示された薬剤散布車両の制御系、検出系、入力系および駆動系のブロックダイアグラムである。 図4は、図1に示された薬剤散布車両のサイドブームが車体幅方向に回動される様子を示す部分拡大平面図である。 図5は、左右一対のサイドブームがいずれも車体幅方向外側に回動された状態を示す薬剤散布車両の前部の部分拡大平面図である。 図6は、図1に示される薬剤散布車両の左側のサイドブームの自由端が上方に回動された状態を示す要部正面図である。 図7は、図1に示された実施態様にかかる左側のブーム受けの近傍の部分背面拡大図である。 図8は、左側のサイドブームが、図7に示された左側のブーム受けに収容される動作を示す模式的説明図である。 図9は、ブーム受けに収容された左側のサイドブームが展開され、さらに、水平姿勢に切り換えられる動作を示す模式的説明図である。 図10は、図1に示された薬剤散布車両の背面図である。 図11は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる薬剤散布車両の左側の前輪の左側面拡大図である。 図12は、図11に示された実施態様にかかる右側の開閉扉の近傍を、キャビンの内側左方から見た模式図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる薬剤散布車両1の略左側面図であり、図2は、図1に示された薬剤散布車両1の要部平面図である。
本明細書においては、図1または図2に矢印で示されるように、薬剤散布車両1の進行方向となる側を「前」方とし、特に断りがない限り、薬剤散布車両1の進行方向に向かって左側を「左」といい、その反対側を「右」という。
薬剤散布車両1は、図1または図2に示されるように、走行車体2(図1参照)と、走行車体2の後部に取り付けられた薬剤タンク30と、走行車体2の前部に設けられたセンターブーム50と、センターブーム50の左右に回動可能に設けられた左右一対のサイドブーム51,52を備えている。
図1に示されるように、走行車体2は、車体の骨格を構成するメインフレーム8と、メインフレーム8の上部に取付けられたキャビン20と、前輪6および後輪7と、内部にエンジン3が設けられたボンネット12を備えている。
作業者(操縦者)が搭乗するキャビン20内には、前輪6を操舵するステアリングハンドル5(図1参照)と、運転席4(図1参照)と、薬剤散布車両1を制御するコントローラ60(図2参照)と、種々の操作スイッチを有する操作部9が設けられており、本実施態様にかかる薬剤散布車両1は、運転席4に着座した作業者の操作に基づき、圃場上を走行しつつ、薬剤タンク30内に貯留された薬剤を、センターブーム50および左右一対のサイドブーム51,52から圃場に散布するものである。
エンジン3から出力された動力は、トランスミッションケース内(図示せず)で変速された後に、前輪6および後輪7に伝達される。その結果、走行車体2が前進し、または後進する。
薬剤タンク30は、農薬などが溶解した液体を貯留する容器として機能し、運転席4を囲うように上面視略C字状をなしている。
図1および図2に示されるように、センターブーム50および左右一対のサイドブーム51,52はそれぞれ、薬剤タンク30から供給される薬剤を散布するための多数のノズル42を備え、昇降リンク装置13を介して、走行車体2の前部に連結されている。
昇降リンク装置13は、互いに平行に配置された上部リンクアーム14および下部リンクアーム15(図1参照)と、それらの前部に取り付けられたヒッチブラケット16(図2参照)と、左右一対のリフトシリンダ17(図2参照)を備え、上部リンクアーム14および下部リンクアーム15の後端部は走行車体2の前部に設けられた支柱40(図1参照)に連結されている。
ヒッチブラケット16の前部には、センターブーム50が固定された支持フレーム41(図2参照)が取り付けられており、図2に示される左右一対のリフトシリンダ17によって、上部リンクアーム14および下部リンクアーム15の前部が上下に回動されると、ヒッチブラケット16、支持フレーム41、センターブーム50および左右一対のサイドブーム51,52が一体的に上下に昇降(回動)される。
図3は、図1に示された薬剤散布車両1の制御系、検出系、入力系および駆動系のブロックダイアグラムである。
図3に示されるように、苗移植機1の制御系は、薬剤散布車両1全体の動作を制御するコントローラ60を備えている。
コントローラ60は、CPU(Central Processing Unit)を有する処理部89と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を有する記憶部62を備え、記憶部62には、苗移植機1を制御する種々のプログラムおよびデータが格納されている。
図3に示されるように、薬剤散布車両1の検出系は、ステアリングハンドル56の舵角を検出するエンコーダを有するステアリングセンサ58と、回動支点19(図4参照)の近傍に設けられ、回動支点19(図4参照)を中心とした各サイドブーム51,52の回動角度を検出する角度センサ53を備えている。角度センサ53は、本発明にかかる「回動角度検知手段」に相当するものである。
図3に示されるように、薬剤散布車両1は入力系として機能する操作部9(図2参照)を備えている。
操作部9は、リフトシリンダ17(図1参照)の伸縮操作を行う上下スイッチ90と、開閉シリンダ18(図2および図4参照)を伸縮させ、左右一対の各サイドブーム51,52を展開姿勢と収納姿勢との間で切換えるための左開閉スイッチ91および右開閉スイッチ92と、各上下動シリンダ44,45(図2参照)を伸縮させ、左右一対の各サイドブーム51,52の自由端(図2における後側の端部)を上下方向に回動させるための左昇降スイッチ93および右昇降スイッチ94を備えている。
図3に示されるように、薬剤散布車両1の駆動系は、図2に示された各リフトシリンダ17を伸縮させるモータ96と、図1に示された左右一対の各サイドブーム51,52を展開姿勢と収納姿勢との間で切換える左右の各開閉シリンダ18(図2参照)を伸縮させる左右のギヤードモータ27(図2および図4参照)と、左右の上下動シリンダ44,45(図2参照)を伸縮させる左右の電磁弁46と、ブーム受け80の外側受け部82(図1および図2参照)の姿勢を切換えるソレノイド86を備えている。
なお、ソレノイド86は、プッシュソレノイドによって構成されている。
図4は、図1に示された薬剤散布車両1のサイドブーム51,52が車体幅方向に回動される様子を示す部分拡大平面図であり、図5は、左右一対のサイドブーム51,52がいずれも車体幅方向外側に回動された状態を示す薬剤散布車両1の前部の部分拡大平面図である。
左右一対のサイドブーム51,52はそれぞれ、以下のようにして、走行車体2の側面に沿って後方に延びる収納姿勢(図2参照)と、走行車体2から車体幅方向外側に延びる展開姿勢(図5参照)との間で、左右独立して回動させ、切り換えることができる。
図4に示されるように、支持フレーム41の左右上面にはそれぞれ、ギヤードモータ27を有する開閉シリンダ18が取り付けられている。開閉シリンダ18は、本発明にかかる「第一のアクチュエータ」に相当するものである。
各開閉シリンダ18の先端部は、支持フレーム41の左右両端部に設けられた取付アーム23または24に連結されており、左右の各開閉シリンダ18が伸縮すると、左右の各取付アーム23,24が略上下方向に延びる回動軸19を中心に回動されるように構成されている。
ここに、左側の取付アーム23の後部は、左側のサイドブーム51の一方の端部が取り付けられた左側の支柱43に固定されており、右側の取付アーム24の後部は、右側のサイドブーム52の一方の端部が取り付けられた右側の支柱43に固定されている。しかして、各開閉シリンダ18が、図4に矢印Xとして示される方向と平行な方向に伸長した場合には、取付アーム23,24が回動されるのに伴って、各サイドブーム51,52が、回動軸19を中心に、支柱43と一体的に左右方向外側に回動される。
その結果、図5に示されるように、各サイドブーム51,52が左右方向外側に展開された展開姿勢をなすため、圃場上を走行しつつ、センターブーム50および左右一対のサイドブーム51,52を用いて、車体幅方向に広く薬剤を散布することができる。
これに対して、左右の各開閉シリンダ18が収縮すると、取付アーム23,24が回動されるのに伴って、各サイドブーム51,52が回動軸19を中心に、左右方向内側に回動される。
その結果、図2に示されるように、各サイドブーム51,52が走行車体2の側面に沿って後方に延びる収納姿勢をなすため、薬剤を散布しないときに、左右一対のサイドブーム51,52が車体幅方向外側に嵩張ることを防止することができる。
さらに、収納姿勢をとる場合と展開姿勢をとる場合のいずれにおいても、以下のようにして、各サイドブーム51,52の自由端(支柱43に取り付けられた端部とは反対側の端部であり、図2に示される収納姿勢における後ろ側の端部)を左右独立して上下に回動させることができる。
図6は、図1に示される薬剤散布車両1の左側のサイドブーム51の自由端が上方に回動された状態を示す要部正面図である。なお、図6においては、キャビン20などが省略されている。
図1および図6に示されるように、左右の各支柱43の上部と各サイドブーム51,52とを結ぶように左右一対の上下動シリンダ44,45が設けられている。しかして、各上下動シリンダ44,45が伸縮すると、各サイドブーム51,52の自由端(図2に示される収納姿勢における後ろ側の端部)が下方または上方に回動される。
本実施態様においては、各上下動シリンダ44,45が伸長し、各サイドブーム51,52の自由端が限界まで下方に回動された場合には、各サイドブーム51,52は、自由端と、取付アーム23に固定された固定端とが略同一の高さ位置に位置する略水平な姿勢をなすように構成されている(図6に示された右側のサイドブーム52参照)。以下、各サイドブーム51,52の自由端と固定端とが略同一の高さ位置に位置する姿勢を「水平姿勢」という。
一方、各上下動シリンダ44,45が収縮し、各サイドブーム51,52の自由端が上昇された場合には、各サイドブーム51,52は、その自由端側が、固定端側よりも上方に位置するように斜めの姿勢をとる(図6に示された左側のサイドブーム51参照)。
なお、本実施態様においては、図2に示された左右の各開閉シリンダ18が伸縮されたときには、その伸縮の前後で、各サイドブーム51,52の固定端を通る水平な線と各サイドブーム51,52との間の仰角θ1(図6参照)が保持される。
したがって、たとえば、左側のサイドブーム51が車体幅方向外側に延びる展開姿勢で、かつ、その自由端が上方に回動されて正面視斜めの姿勢をとる状態(図6参照)で、図4に示された左側の開閉シリンダ18が収縮し、車体幅方向内側に引き寄せられた場合には、左側のサイドブーム51は、図1に示されるように、収納姿勢で、かつ、後ろ上がりに斜めの姿勢をなす。
同様に、右側のサイドブーム52が展開姿勢で、かつ、その自由端と固定端とが略同一の高さ位置に位置する水平な姿勢をとる状態(図6参照)で、図4に示された右側の開閉シリンダ18が収縮し、車体幅方向内側に引き寄せられた場合には、右側のサイドブーム52は、収納姿勢で、かつ、水平姿勢をなす。
一方、図1および図2に示されるように、走行車体2の左右後部にはそれぞれ、収納姿勢(走行車体2の側面に沿って略後方に延びる姿勢)にあるサイドブーム51または52を収容するブーム受け80を有する振れ防止部10が設けられている。
本実施態様においては、展開姿勢にある各サイドブーム51,52を、収納姿勢に切り換える際に、以下のようにして、図1および図2に示されるように、各ブーム受け80に収容することによって、細長く形成された各サイドブーム51,52の後部が、走行車体2の振動や強風を原因として、車体幅方向に過度に振れることを防止することができる。
図7は、図1に示された実施態様にかかる左側のブーム受け80の近傍の部分背面拡大図であり、図7(a)は、左側のブーム受け80の車体幅方向外側の部分が閉じられた状態を示す部分背面拡大図であり、図7(b)は、左側のブーム受け80の車体幅方向外側の部分が開かれた状態を示す部分背面拡大図である。
また、図8は、左側のサイドブーム51が、図7に示された左側のブーム受け80に収容される動作を示す模式的説明図である。なお、図8には、本発明にかかる左側のサイドブーム51の回動動作が矢印付きの二点鎖線で示され、従来の薬剤散布車両に設けられた左側のサイドブームの回動動作が参考までに矢印付きの一点鎖線で示されている。
図7(a)および図7(b)に示されるように、左右一対の振れ防止部10のうちの左側の振れ防止部10は、走行車体2の後部に取り付けられた支持フレーム81(図1も参照)と、支持フレーム81の上部を補強する略L字状のステー85と、支持フレーム81の車体幅方向外側(左側)の端部に回動支点84(ヒンジ)を中心に回動可能に取り付けられた外側受け部82と、支持フレーム81における外側受け部82よりも車体幅方向内側(右側)の部分に回動不能に取り付けられた内側受け部83と、外側受け部82を回動させるソレノイド86(図1には図示せず)と、外側受け部82を付勢するスプリング89(図1には図示せず)を備えている。
本実施態様においては、図7(a)に示されるように、支持フレーム81の上端部と外側受け部82と内側受け部83によって、左側のサイドブーム51を収容する左側のブーム受け80が構成されている。具体的には、左側のブーム受け80の車体幅方向外側の部分が外側受け部82によって、左側のブーム受け80の車体幅方向内側の部分が内側受け部83によって、左側のブーム受け80の底部が支持フレーム81の上端部によってそれぞれ構成されている。
支持フレーム81の上部は略L字状をなしており、補強部材として機能するステー85が、支持フレーム81の上部における車体幅方向に延びる部分と上下方向に延びる部分とにわたって架け渡されている。
外側受け部82は、互いに延びる方向を異にする長足部87および短足部88を備え、短足部88の端部とステー85には、ソレノイド86およびスプリング89がそれぞれ架け渡されている。換言すれば、短足部88の端部とステー85とは、ソレノイド86およびスプリング89によって連結されている。なお、外側受け部82は、本発明にかかる「退避部材」に対応(相当)するものである。
外側受け部82は、通常、スプリング89によって、長足部87が略上下方向に延びる姿勢(図7(a)参照)に付勢されているが、コントローラ60の出力信号に基づき、ソレノイド86が伸長された場合には、外側受け部82が回動され、長足部87が略車体幅方向に延びる姿勢(図7(b)参照)に切り換えられるように構成されている。
長足部87が略上下方向に延びる姿勢をなす場合(図7(a)参照)には、図8に示されるように、外側受け部82は、図4に示された左側の開閉シリンダ18が伸縮されて回動される左側のサイドブーム51の回動軌跡(図8において二点鎖線で図示)上に位置するように構成されている。
これに対し、ソレノイド86が伸長され、長足部87が略車体幅方向に延びる姿勢に切り換えられた場合(図7(b)参照)には、図8に示されるように、外側受け部82は、左側のサイドブーム51の回動軌跡(回動跡)と重ならない(回動軌跡上にない)位置に退避されるように構成されている。
ここに、本実施態様においては、短足部88が長足部87よりも短く構成されており、このように構成することによって、伸び幅が比較的短いソレノイド86であっても、外側受け部82を素早く効率的に回動させることができる。
一方、図7(a)に示されるように、左側のサイドブーム51が左側のブーム受け80に収容されたときには、左側のサイドブーム51は、外側受け部82と内側受け部83と左右方向に延びる支持フレーム81の上端部とによって画定される収容空間95の内側を後方に貫通するように構成されている。
このとき、左側のサイドブーム51は、図1に示されるように、後ろ上がりに斜めの姿勢をなすため、展開姿勢で、かつ、水平姿勢にある左側のサイドブーム51が左側のブーム受け80に収容される際には、まず、作業者による操作部9の左昇降スイッチ93の操作に基づき、上下動シリンダ44が駆動されて、左側のブーム受け80の自由端が上方に回動される。
その結果、図6に示されるように、左側のサイドブーム51が、左上がりに斜めの姿勢(自由端側が上がった状態)をとる(図8の(i)も参照)。なお、このときの左側のサイドブーム51の左上がりに斜めの角度(仰角θ1)は、図1に示された左側のサイドブーム51の後ろ上がりに斜めの角度(仰角θ2)と略同一である。
次いで、作業者による操作部9の左開閉スイッチ91の操作に基づき、図2および図4に示された左側の開閉シリンダ18が収縮され、左側のサイドブーム51が収納姿勢に切り換えられる(図8の(ii)も参照)。
ここに、本実施態様においては、左開閉スイッチ91が操作されて、左側のギヤードモータ27を駆動させ、展開姿勢にある左側のサイドブーム51を左側の開閉シリンダ18によって車体幅方向内側に回動させる際には、コントローラ60は、左開閉スイッチ91の操作に基づき、ソレノイド86を伸長させ、図7(b)および図8に示されるように、外側受け部82を、長足部87が略車体幅方向に延びる姿勢に切り換えるように構成されている。
このように構成することによって、左側のサイドブーム51が回動され、左側のブーム受け80の近傍に到達するのに先立って、外側受け部82が、図8に示されるように、二点鎖線で示された左側のサイドブーム51の回動軌跡上から自動的に退避されるため、左側のサイドブーム51を車体幅方向内側に回動させる際に、作業者が外側受け部82を左側のサイドブーム51の回動軌跡上から退避させる手間を省くことができる。
こうして、左側のサイドブーム51が収納姿勢に切り換えられると、コントローラ60は、角度センサ53の検知信号に基づき、それを検知し、ソレノイド86を収縮させて、外側受け部82を、長足部87が略上下方向に延びる姿勢(図7(a)参照)に切り換えることによって、左側のブーム受け80への左側のサイドブーム51の収容が完了する。なお、外側受け部82を、長足部87が略上下方向に延びる姿勢に切り換えるタイミングを、左側のサイドブーム51が収納姿勢に完全に切り換えられた後として構成することは必ずしも必要でなく、図9において、左側のサイドブーム51が破線で示された外側受け部82よりも車体幅方向内側に回動された後である限りにおいて、左側のサイドブーム51が収納姿勢に完全に切り換えられるより前に、外側受け部82を、長足部87が略上下方向に延びる姿勢に切り換えるように構成してもよい。
収容された左側のサイドブーム51は、図7(a)および図8に示されるように、外側受け部82と内側受け部83の間に位置するため、走行車体2の振動や強風、慣性を原因として、車体幅方向に過度に振れることを防止することができる。
さらに、本実施態様においては、上述のように、展開姿勢にある左側のサイドブーム51が車体幅方向内側に回動される際に、外側受け部82が回動支点84を中心に回動され、左側のサイドブーム51の回動軌跡上から退避されるように構成されているから、図8に従来の回動軌跡として示されるように、左側のサイドブーム51の後部を、一旦、外側受け部82の上端部よりも上方の位置まで上方に回動させる必要がなく、さらに、収納姿勢に切り換えた後に、収容空間95まで下方に回動させる必要もないから、展開姿勢にある左側のサイドブーム51を、短時間に左側のブーム受け80に収容することができる。
以上のようにして、ブーム受け80に収容可能に構成された左側のサイドブーム51は、さらに、以下のようにして、展開され、さらに、水平姿勢をとる状態に切り換えることができる。
図9は、ブーム受け80に収容された左側のサイドブーム51が展開され、さらに、水平姿勢に切り換えられる動作を示す模式的説明図である。なお、図9には、本発明にかかる左側のサイドブーム51の回動動作が矢印付きの二点鎖線で示され、従来の薬剤散布車両に設けられた左側のサイドブームの回動動作が参考までに矢印付きの一点鎖線で示されている。
ブーム受け80に収容された左側のサイドブーム51が展開姿勢され、さらに、水平姿勢に切り換えられるには、まず、作業者による操作部9の左開閉スイッチ91の操作に基づき、図2および図4に示された左側の開閉シリンダ18が伸長され、左側のサイドブーム51が展開姿勢に切り換えられる(図9の(i)参照)。
ここに、左開閉スイッチ91が操作されて、左側のギヤードモータ27を駆動させ、ブーム受け80に収容された左側のサイドブーム51を左側の開閉シリンダ18によって車体幅方向外側に回動させる際には、コントローラ60は、左開閉スイッチ91の操作に基づき、ソレノイド86を伸長させ、図7(b)および図9に示されるように、外側受け部82を、長足部87が略車体幅方向外側に延びる姿勢に切り換えるように構成されている。
このように構成することによって、左側のサイドブーム51がブーム受け80の外側受け部82に衝突する前に、外側受け部82が、図9に示されるように、二点鎖線で示された左側のサイドブーム51の回動軌跡(図9の(i)参照)から自動的に退避されるから、左側のブーム受け80を展開させるのに先立って、作業者が外側受け部82を左側のサイドブーム51の回動軌跡上から退避させる手間を省くことができる。
加えて、本実施態様においては、ブーム受け80に収容された左側のサイドブーム51が車体幅方向外側に回動される際に、外側受け部82が二点鎖線で示された左側のサイドブーム51の回動軌跡上から退避されるから、図9に従来の回動軌跡として示されるように、左側のサイドブームの後部を、外側受け部82の上端部よりも上方の位置まで上方に回動させる必要がないから、ブーム受け80に収容された左側のサイドブーム51を、短時間に展開姿勢に切り換えることができる。
こうして、収容空間95を離れた左側のサイドブーム51が、さらに、図4に示される所定の角度θ3まで車体幅方向外側に回動されると、コントローラ60は、角度センサ53の検出信号に基づき、それを検知し、ソレノイド86を縮小させ、図7(b)に示されるように、外側受け部82を、長足部87が略上下方向に延びる姿勢に切り換えるように構成されている。
このように構成することによって、ソレノイド86に負荷がかかり続けることを防止することができる。
作業者による左開閉スイッチ91の操作に基づき、左側のサイドブーム51が展開姿勢をとるまで回動されると、最後に、作業者による左昇降スイッチ93の操作に基づき、コントローラ60によって、左側の上下動シリンダ44が伸長され、左側のサイドブーム51が水平姿勢をとるまで、その自由端が下方に回動される(図9の(ii)参照)。
なお、図8においては、左側の開閉シリンダ18の収縮による左側のサイドブーム51の回動軌跡が、便宜上、矢印付きの細い二点鎖線(図中において車体幅方向に延びる(ii)の部分参照)で示されており、また、図9においては、左側の開閉シリンダ18の伸長による左側のサイドブーム51の回動軌跡が矢印付きの細い二点鎖線(図中において車幅方向に延びる(i)の部分参照)で示されているが、左側の開閉シリンダ18の伸縮による左側のサイドブーム51の実際の回動軌跡は、当然ながら、実際には二本の三点鎖線で示されるだけの上下幅を有した状態で、背面視において車体幅方向に延びるものである。
したがって、ブーム受けの車体幅方向外側部分のうち、図8および図9において少なくとも二本の三点鎖線によって挟まれたグレー色(灰色)の部分(左側のサイドブーム51の実際の回動軌跡上に位置する部分)については、二本の三点鎖線によって挟まれない場所に退避される必要がある。
なお、このときの三点鎖線で示される上下幅とは、図8および図9に模式的に示された収納姿勢をなす左側のサイドブーム51を、鉛直な面で切断した縦断面の上下方向の幅である。
以上、左側の振れ防止部10と、左側のサイドブーム51が回動されることによるブーム受け80への収容動作とブーム受け80からの展開動作、ならびにコントローラ60による外側受け部82の自動的な退避について詳細に説明を加えたが、本実施態様においては、左右の各振れ防止部10は互いに左右対称に構成されており、左側のサイドブーム51の場合と同様にして、右側のサイドブーム52を、車体幅方向および上下方向に回動させて右側のブーム受け80から出し入れすることができる。また、右側のブーム受け80から右側のサイドブーム52を出し入れする際にも、左側のブーム受け80の場合と同様にして、コントローラ60によって自動的に右側のブーム受け80の外側受け部82を退避させ、または元の位置(姿勢)に戻すことができる。
一方、図1に示されるように、キャビン20は、左右一対の開閉扉25(右側については図12参照)と、開閉扉25の後方に配置された扉後方フレーム26と、扉後方フレーム26の後方に配置されたサイドガラス39と、サイドガラス39の後方に位置するキャビン後部フレーム28と、リヤガラス(図1ないし図9には図示せず)を備えている。
キャビン20の左側面の後部には、扉後方フレーム26とキャビン後部フレーム28とに跨るように手摺りステー22が取り付けられており、手摺りステー22がキャビン20の補強部材として機能している。
また、手摺りステー22は、略コの字状(略C字状)をなし、作業者(操縦者)が開閉扉25を開けてキャビン20に乗り降りする際に、把手としても機能するように構成されている。
さらに、手摺りステー22は、図2に示されるように、車体幅方向において、収納姿勢をなす左側のサイドブーム51とキャビン20の左側面との間の隙間に収まるように配置されており、左側のサイドブーム51が左側のブーム受け80(図1参照)に収容されていないときに、左側のサイドブーム51が振れて、キャビン20の左側面に接触することを防止することができる。
ここに、手摺りステー22は、サイドガラス39の下端部と略平行に、後ろ上がりに斜めに配置されており(図1参照)、このように構成することによって、キャビン20の上下方向に広い範囲を、車体幅方向に振れる左側のサイドブーム51から保護することができる。
一方、手摺りステー22の後上部にはウインカー21が取り付けられており、手摺りステー22とともに、ウインカー21も、車体幅方向において、収納姿勢をなす左側のサイドブーム51とキャビン20の左側面との間の間隙に収まるように配置されており、左側のサイドブーム51によって、ウインカー21が隠れてしまうことがない。
また、ウインカー21は、サイドガラス39の後端部の近傍で、かつ、リヤガラスよりも下方の位置に設けられており、作業者(操縦者)の視界から離間した位置でウインカー21が作動するため、リヤガラスを通じて、視界の左右の端に眩しさを感じてしまう事態が防止される。
さらに、ウインカー21は、後輪7と車体幅方向の位置が略同一となるように配置されており、ウインカー21を作業灯として用いることによって、早朝や夜間の時間帯に、後輪7の近傍を明るく照らすことができる。
以上、走行車体2の左側に設けられた手摺りステー22およびウインカー21について説明を加えたが、図2に示されるように、走行車体2の右側においても、同様に、手摺りステー22およびウインカー21が、右側のサイドブーム52とキャビン20の右側面との間の間隙に収まるように配置されている。
一方、図示はされていないが、本実施態様においては、手摺りステー22の下方に、後方に向けられたリヤカメラが設けられており、後輪7の近傍や後方の散布状態を確認することができるとともに、後方に向けられていることによって、薬剤がリヤカメラに付着することの防止が図られている。
図10は、図1に示された薬剤散布車両1の背面図である。
図1および図10に示されるように、キャビン後部フレーム28の左右の側面にはそれぞれ、略C字状または略逆C字状をなすブームガード29が車体幅方向外側に突出するように取り付けられている。
左右一対のブームガード29はそれぞれ、図1および図2に示された手摺りステー22(図10には図示せず)よりも上方に位置しており、各サイドブーム51,52が、図1に示された状態よりも急激な角度で後ろ上がりに斜めの姿勢をとる場合に、各サイドブーム51,52が車体幅方向に振れ、キャビン20の側面上部に接触する事態を防止することを目的として設けられている。すなわち、左右一対のブームガード29はそれぞれ、本発明にかかる「保護部材」に相当するものである。
図10に示されるように、略C字状または略逆C字状をなす左右の各ブームガード29の内側(ブームガード29の車体幅方向外側の端部とキャビン20との間の部分)には、空間31がそれぞれ形成されている。すなわち、空間31は、キャビン20とブームガード29とによって形成された空間である。
図10に示されるように、右側のキャビン後部フレーム28の側面には、右側のブームガード29の空間31内に位置するように、作業灯32が取り付けられている。
このように、作業灯32を右側のブームガード29の内側に配置することによって、サイドブーム51,52が車体幅方向内側に振れた場合に、作業灯32へ接触することを防止することができる。加えて、作業灯32がキャビン後部フレーム28の側面に取り付けられているため、図10に示されるリヤガラス33の開閉を阻害することがない。なお、作業灯32は、本発明にかかる「後方を照らす照明」に対応(相当)するものである。
本実施態様においては、作業灯32は一点止めで、左右(車体幅方向)に首振り可能にキャビン後部フレーム28の側面に取り付けられており、照らす角度を変更し、必要な位置を照らすことができ、作業の確実性や、後進する際の進路の確認を容易に行うことができるから、利便性が良い。
なお、本実施態様においては、作業灯32は左右(車体幅方向)に首振り可能(角度調節自在)に構成されているが、作業灯32の首振り可能な方向は、縦方向(上下方向)であってもよく、上下左右それぞれに首振り可能に構成されてもよい。
また、作業灯32は、上下に反転させることによって、図1および図10に示された左側のブームガード29の内側の空間31内に設けることも可能である。
ここに、図示はされていないが、作業灯32のハーネスは右側のブームガード29を這わせて、キャビン20の背面に配索されており、このように構成することによって、作業灯32を、左側のブームガード29の内側に設ける場合にも、ハーネスの長さを変更せずに配策することができる。
本実施態様によれば、左右一対のサイドブーム51,52が回動され、姿勢が切換えられる際に、図8および図9に示されるように、ブーム受け80の退避部材として機能する外側受け部82がソレノイド86の伸長によって車体幅方向外側に回動されて、開閉シリンダ18の伸縮によって回動されるサイドブーム51,52の回動軌跡上から退避されるように構成されているから、サイドブーム51,52をブーム受け80から取り出し(図9参照)、またはブーム受け80に収容する(図8参照)際に、各サイドブーム51,52をブーム受け80の上端部よりも上方の位置まで上昇させる工程が不要となり、各サイドブーム51,52を、収納姿勢と展開姿勢との間で短時間に切り換えることができる。
さらに、本実施態様によれば、図8に示されるように、展開姿勢にあるサイドブーム51,52を回動させてブーム受け80に収容する際に、サイドブーム51,52を下降させる必要がないため、誤操作によって、サイドブーム51,52を強い勢いでブーム受け80に接触させ、破損させてしまう事態を防止することができる。
また、本実施態様によれば、収納姿勢にあるサイドブーム51,52を回動させ、展開姿勢に切り換える際には、ブーム受け80の外側受け部82が、本発明にかかる「第二のアクチュエータ」として機能するソレノイド86によって、自動的にサイドブーム51,52の回動軌跡上から退避されるから、別途外側受け部82を退避させる操作を省くことができ、作業能率が向上する。
さらに、本実施態様によれば、展開姿勢にあるサイドブーム51,52が回動され、収納姿勢に切り換えられた際には、ブーム受け80の外側受け部82が、ソレノイド86によって、サイドブーム51,52の回動軌跡と重なる位置(回動軌跡上にある位置)に自動的に戻されるから、退避されている外側受け部82を元の位置(回動軌跡と重なる位置)に戻す操作または作業を省くことができ、作業能率が向上する。
また、本実施態様によれば、収納姿勢にあるサイドブーム51,52が展開姿勢に切り換えられる際に、所定の角度θ3(図4参照)まで回動された時点で、自動的にソレノイド86が収縮され、ブーム受け80の外側受け部82がサイドブーム51,52の回動軌跡と重なる位置に戻されるように構成されているため、外側受け部82を退避させるソレノイド86に負荷がかかり続けることを防止することができる。
さらに、本実施態様によれば、展開姿勢にあったサイドブーム51,52が収納姿勢に切り換えられると、ブーム受け80の外側受け部82が、自動的にサイドブーム51,52の回動軌跡と重なる元の位置に戻されるので、別途外側受け部82を元の位置に戻す操作または作業を省くことができ、作業能率が向上する。
また、本実施態様によれば、付勢部材として機能するスプリング89(図7(a)参照)によって、外側受け部82を、サイドブーム51,52の回動軌跡と重なる位置(姿勢)に付勢するように構成されているから、外側受け部82を退避させるソレノイド86にかかる負担を軽減させることができる。
さらに、本実施態様によれば、支持フレーム81を補強する補強部材としてステー85が設けられているから、スプリング89によって付勢される力を原因として、ブーム受け80の底部が破損することを防止することができる。
また、本実施態様によれば、車体幅方向において、キャビン20の側面と、収納姿勢をなす左側のサイドブーム51との間に手摺りステー22が後ろ上がりに斜めの姿勢で設けられているから、手摺りとして使用可能な範囲を広げることができるとともに、左側のサイドブーム51が車体幅方向内側に振れた際に、手摺りステー22によって、キャビン20の左側面の上下方向に広い範囲を保護することができる。
さらに、本実施態様によれば、手摺りステー22をウインカー21の取り付けにも用いるため、部品点数を削減し、薬剤散布車両1の構成を簡潔にすることができる。
また、本実施態様によれば、図1に示されるように、手摺りステー22の後上部に取り付けられたウインカー21が、キャビン20の側面の後部に位置するサイドガラス39の後端部の近傍に位置するから、操縦者の視界から離れた位置でウインカー21を作動させることができ、眩しさを感じさせない。
また、本実施態様によれば、ウインカー21が、図2に示されるように、キャビン20の側面と、収納姿勢をなすサイドブーム51,52との間に配置されているから、サイドブーム51,52との干渉を防止することができる。
さらに、本実施態様によれば、図10に示されるように、キャビン20にサイドブーム51,52が接触することを防止する保護部材として機能するブームガード29とキャビン20とによって形成される空間31内に、後方を照らす作業灯32(本発明にかかる「照明」に相当)が設けられているから、作業灯32の破損を防止することができる。
また、本実施態様によれば、後方を照らす作業灯32が角度調節自在(首振り可能)に設けられているから、必要な位置を照らすことができ、作業の確実性や、後進する際の進路の確認を容易に行うことができる。
一方、図11は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる薬剤散布車両1の左側の前輪6の左側面拡大図である。
図11に示されるように、前輪6は、車体幅方向外側の面に、ホイルカバー34を備え、ホイルカバー34は、複数のナット38を用いて、前輪6のリム(図示せず)をすべて覆うように取り付けられている。
ここに、前輪6の空気入れがある箇所に対応するホイルカバー34の部分には、開口部(穴)36が形成されており、この開口部36を車体幅方向外側から塞ぐように、プレート37が蝶ナット(図示せず)を用いてホイルカバー34に取り付けられている。
前輪6に空気を注入する際には、作業者は、工具を用いることなく、蝶ナットを手で回して取り外した後に、プレート37をホイルカバー34から取り外すことによって、前輪6の空気入れがある箇所に容易にアクセスすることができるから、空気を注入する際に、複数のナット38を回してホイルカバー34を取り外す必要がなく、利便性が良い。
加えて、プレート37をホイルカバー34から取り外すことによって、ホイルカバー34を取り外すことなく、その内部を洗浄することができる。
図12は、図11に示された実施態様にかかる右側の開閉扉25の近傍を、キャビン20の内側左方から見た模式図である。
図12に示されるように、本実施態様においては、右側の開閉扉25の外枠として機能する取っ手フレーム65の上下方向略中央部から、右側の開閉扉25を開閉するコック64へと延びるフレーム66が設けられている。
右側の開閉扉25のガラスとフレーム66との間には車体幅方向に僅かに間隙が設けられており、フレーム66にホルダー67が上方から引っ掛けられている。
ホルダー67は、小物入れ、ドリンクホルダー、または取扱説明書の収容場所などとして用いられ、通常操縦者が乗り降りを行わない右側の開閉扉25の内側に引っ掛けられているが、上方に持ち上げることによって、右側の開閉扉25から取り外し、左側の開閉扉25の内側に移動させることも可能である。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、図1ないし図10に示された実施態様においては、ブーム受け80の外側受け部82を、各サイドブーム51,52の回動軌跡から退避させ、または回動軌跡上に復帰させる(回動軌跡と重なる位置に戻す)方法として、ソレノイド86を用いて外側受け部82を車体幅方向に回動させるように構成されているが、ブーム受けの外側受け部を、車体幅方向に回動させることによって回動軌跡から退避させ、または回動軌跡上に復帰させることは必ずしも必要でなく、たとえば、外側受け部を前後方向に回動させるように構成してもよく、また、外側受け部を上方または下方へスライドさせることによって、各サイドブームの回動軌跡から退避させ、または回動軌跡上に復帰させるように構成してもよい。
さらに、図1ないし図10に示された実施態様においては、左右一対の各サイドブーム51,52の回動角度を検知する回動角度検知手段として機能する角度センサ53は、略上下方向に延びる回動軸19を中心として開閉シリンダ18によって回動可能な各サイドブーム51,52の絶対的な角度を検出するように構成されているが、角度センサによって、略上下方向に延びる回動軸19を中心とした開閉シリンダ18による各サイドブーム51,52の回動角度の変化量を検出するように構成してもよく、この場合には、検出された各サイドブーム51,52の回動角度の変化量に基づき、コントローラ60によって、各サイドブーム51,52の絶対的な角度を算出し、姿勢の切換えおよび外側受け部82の回動のタイミングの制御に利用するように構成してもよい。
また、図1ないし図10に示された実施態様においては、収納姿勢にある各サイドブーム51,52が車体幅方向外側に展開される際に、外側受け部82が退避され、さらにその後に、図Bに示される所定の角度θ3まで車体幅方向外側に回動された時点で、退避されている外側受け部82が元の位置に戻され、また、展開姿勢にある各サイドブーム51,52が収納姿勢に切り換えられる際に、外側受け部82が退避され、その後に、各サイドブーム51,52が収納姿勢をとると、外側受け部82が元の位置に戻されるように構成されているが、
収納姿勢にある各サイドブーム51,52が車体幅方向外側に展開される(展開姿勢に切り換えられる)際に外側受け部82を退避させた状態で保持し、その後に、各サイドブーム51,52が収納姿勢に切り換えられる際に、外側受け部82を元の位置に戻すように構成してもよい。換言すれば、展開された各サイドブーム51,52が収納姿勢に切り換えられるまで、外側受け部82を退避させたままで保持するように構成してもよい。この場合には、スプリング89を用いて外側受け部82を付勢することは必ずしも必要でない。
加えて、図1ないし図10に示された実施態様においては、上述のように、左右の開閉スイッチ91,92が操作されて、展開姿勢にあるサイドブーム51,52が車体幅方向内側に回動される際には、コントローラ60は、左右の開閉スイッチ91,92の操作に基づき、ソレノイド86を伸長させ、外側受け部82の姿勢を切換え、その後に、サイドブーム51,52が収納姿勢に切り換えられると、コントローラ60は、角度センサ53の検知信号に基づき、それを検知し、ソレノイド86を収縮させて、外側受け部82を、長足部87が略上下方向に延びる姿勢に切り換えるように構成されており、また、左右の開閉スイッチ91,92が操作されて、ブーム受け80に収容された収納姿勢をなすサイドブーム51,52が車体幅方向外側に回動される際には、コントローラ60は、左右の開閉スイッチ91,92の操作に基づき、ソレノイド86を伸長させ、外側受け部82を退避させるように構成されているが、展開姿勢にあるサイドブーム51,52が車体幅方向内側に回動される際と、ブーム受け80に収容された収納姿勢をなすサイドブーム51,52が車体幅方向外側に回動される際にはそれぞれ、コントローラ60は、角度センサ53の検出信号に基づき、それを検知し、ソレノイド86を伸長させ、外側受け部82を退避させるように構成してもよい。さらに、コントローラ60は、サイドブーム51,52の回動軌跡上からの外側受け部82の退避と回動軌跡上への復帰の制御について、角度センサ53の検出信号または操作部9の操作に基づいて行われるように構成されているが、コントローラ60によるサイドブーム51,52の回動軌跡上からの外側受け部82の退避と復帰の制御についてのトリガー信号はそれぞれ、角度センサ53の検出信号または操作部9の操作(左右の開閉スイッチ91,92の操作)に限定されるものではない。
また、図1ないし図10に示された実施態様においては、図8または図9に示されるように、サイドブーム51,52の姿勢が切り換えられる際に、コントローラ60は、それを検知し、ブーム受け80の外側受け部82の姿勢を切り換え、退避させるように構成されており、一方、図4および図5には、展開姿勢として、サイドブーム51,52が収納姿勢にある場合から略90°回動された姿勢が示されているが、展開姿勢をとる場合の各サイドブーム51,52の角度はこれに限定されるものではなく、各サイドブーム51,52の後部が、最低限、ブーム受けよりも車体幅方向外側(左右方向外側)に位置する程度に車体幅方向外側へ展開されていれば、コントローラ60によって展開姿勢にあると判定される各サイドブーム51,52の回動角度は、自由に設定することができる。
さらに、図1ないし図10に示された実施態様においては、展開姿勢かつ水平姿勢にある各サイドブーム51,52を、ブーム受け80に収容する際には、一旦、各サイドブーム51,52の自由端を、上下動シリンダ44,45を用いて上方に回動させた後に、開閉シリンダ18を用いて車体幅方向内側に回動させる(引き込む)ように構成されているが、このようにブーム受け80に収容する操作および動作を2段階に構成することは必ずしも必要でなく、たとえば、図4に示される回動軸19を、上下方向に延びる軸を僅かに前方に倒したような角度に設計することによって、開閉シリンダ18を収縮させ、車体幅方向内側に回動させる(引き込む)につれて、各サイドブームの自由端の高さ位置が高くなるように構成すれば、上下動シリンダ44,45を用いることなく、開閉シリンダ18のみを用いて、展開姿勢かつ水平姿勢にある各サイドブームをブーム受け80に収容することが可能になる。
また、図1ないし図10に示された実施態様において、展開姿勢にある各サイドブーム51,52をブーム受け80に収容する際には、図8に示されるように、左右の開閉スイッチ91,92を用いて各開閉シリンダ18を収縮させ、サイドブーム51,52を、ブーム受け80に収容されるまで回動させるように構成されているが、さらに、左昇降スイッチ93または右昇降スイッチ94の操作に基づき、サイドブーム51,52が支持フレーム81の上面に当接するまで、左右の上下動シリンダ44,45を収縮させるように構成してもよい。
さらに、図1ないし図10に示された実施態様においては、コントローラ60は、作業者による操作部9の操作に基づき、図8および図9に示されるように、サイドブーム51,52をブーム受け80から出し入れし、また、その際に外側受け部82を自動的に回動させるように構成されているが、薬剤散布車両1を、コントローラによって自動運転可能に構成し、その上で、散布作業を開始または終了した時点で、サイドブーム51,52を自動的に、図8および図9に二点鎖線で示された回動軌跡でブーム受け80から出し入れし、その際に外側受け部82を自動的にサイドブームの回動軌跡上から退避させるように構成してもよい。
また、図1ないし図10に示された実施態様においては、コントローラ60は、作業者の操作部9の操作に基づき、展開姿勢にある各サイドブーム51,52を車体幅方向内側に回動させ、収納姿勢に切り換える際に、ブーム受け80の外側受け部82を、長足部87が略車体幅方向に延びる姿勢に切り換えてサイドブーム51または52の回動軌跡から退避させるように構成されているが、外側受け部82を退避させる厳密なタイミングは、左右の開閉スイッチ91,92の操作に基づき、各サイドブーム51,52の回動を開始させるタイミングと略同時か、展開を開始させる前か、または展開を開始させた後のいずれであってもよい。
さらに、図1ないし図10に示された実施態様においては、コントローラ60は、作業者の左右の開閉スイッチ91,92の操作に基づき、ブーム受け80に収容されている各サイドブーム51,52を車体幅方向外側に回動させて展開する際に、外側受け部82を、長足部87が略車体幅方向に延びる姿勢に切り換えて、サイドブーム51,52の回動軌跡から退避させるように構成されているが、外側受け部82を退避させる厳密なタイミングは、左右の開閉スイッチ91,92の操作に基づき、各サイドブーム51,52の展開(回動)を開始させるタイミングと略同時か、展開を開始させる直前か、または展開を開始させた直後のいずれであってもよい。なお、外側受け部82を退避させるのに先立って、各サイドブーム51,52の展開を開始させた場合には、各サイドブーム51,52が外側受け部82に当接するより前に、外側受け部82を、各サイドブーム51,52の回動軌跡から退避させる必要がある。
1 薬剤散布車両
2 走行車体
3 エンジン
4 運転席
5 ステアリングハンドル
6 前輪
7 後輪
8 メインフレーム
9 操作部
10 振れ防止部
12 ボンネット
13 昇降リンク装置
14 上部リンクアーム
15 下部リンクアーム
16 ヒッチブラケット
17 リフトシリンダ
18 開閉シリンダ
19 回動支点
20 キャビン
21 ウインカー
22 手摺りステー
23 取付アーム
24 取付アーム
25 開閉扉
26 扉後方フレーム
27 ギヤードモータ
28 キャビン後部フレーム
29 ブームガード
30 薬剤タンク
31 空間
32 作業灯
33 リヤガラス
34 ホイルカバー
35 ハブ
36 開口部
37 プレート
38 ナット
39 サイドガラス
40 支柱
41 支持フレーム
42 ノズル
43 支柱
44 左側の上下動シリンダ
45 右側の上下動シリンダ
46 電磁弁
47 電磁弁
50 センターブーム
51 左側のサイドブーム
52 右側のサイドブーム
53 角度センサ
58 ステアリングセンサ
60 コントローラ
61 処理部
62 記憶部
64 コック
65 取っ手フレーム
66 フレーム
67 ホルダー
80 ブーム受け
81 支持フレーム
82 外側受け部(退避部材)
83 内側受け部
84 外側受け部の回動支点
85 ステー
86 ソレノイド
87 長足部
88 短足部
89 スプリング
90 上下スイッチ
91 左開閉スイッチ
92 右開閉スイッチ
93 左昇降スイッチ
94 右昇降スイッチ
95 収容空間
96 モータ

Claims (3)

  1. 走行車体と、
    薬剤を散布する左右一対のサイドブームであって、上から見たときに、前記走行車体から車体幅方向外側に展開された展開姿勢と、上から見たときに、前記走行車体の側面に沿って後方に延びる収納姿勢との間で回動可能な左右一対の前記サイドブームと、
    各前記サイドブームを回動させる第一のアクチュエータと、
    収納姿勢にある前記サイドブームを収容する左右一対のブーム受けとを備えた薬剤散布車両において、
    左右一対の各前記ブーム受けにおける車体幅方向外側の部分であって、少なくとも前記サイドブームの回動軌跡と重なる部分を、第二のアクチュエータによって回動軌跡上から退避可能な退避部材として構成し、
    各前記サイドブームが回動されて姿勢が切換えられる際に、前記退避部材が前記サイドブームの回動軌跡上から退避されるように構成され、
    左右一対の各前記ブーム受けの底部を補強する補強部材を備え、
    前記補強部材と前記退避部材とが、付勢部材および前記第二のアクチュエータによって連結され、
    前記付勢部材が、前記退避部材を、前記サイドブームの回動軌跡と重なる位置に付勢するように構成されたことを特徴とする薬剤散布車両。
  2. 前記走行車体に、操縦者が搭乗するキャビンを備え、
    前記キャビンの側面には、後ろ上がりに斜めの姿勢で手摺りステーが取り付けられており、
    前記手摺りステーの後上部にはウインカーが固定され、
    前記ウインカーは、前記キャビンの側面の後部に位置するサイドガラスの後端部の近傍に位置し、
    前記手摺りステーおよび前記ウインカーは、車体幅方向において、収納姿勢をなす前記サイドブームとキャビンの側面との間の間隙に収まるように配置されたことを特徴とする請求項に記載の薬剤散布車両。
  3. 前記キャビンの後部に、車体幅方向外側に突出して前記サイドブームの接触を防止する保護部材を設け、
    前記保護部材と前記キャビンとによって形成される空間内に、後方を照らす照明が角度調節自在に設けられたことを特徴とする請求項に記載の薬剤散布車両。
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