JP7347973B2 - 椅子式マッサージ機 - Google Patents

Description

本発明は、腕施療部を備える椅子式マッサージ機に関する。

特許第６４７５２９７号公報は、肘掛部を備えた椅子式マッサージ機を開示している。この肘掛部は、内側に膨縮袋を備えている。防縮袋は、膨張および収縮の作用によって肘掛部の内部に配置された被施療者の前腕等をもみほぐす（施療する）ことができる。

特許第６４７５２９７号公報

特許第６４７５２９７号公報に記載の椅子式マッサージ機は、上方に設けられた開口から被施療者の前腕等が挿入される構成であり、被施療者の前腕等を上方から施療することが困難である。また、膨縮袋は、肘掛部の内側面に配置されているため、前腕等を開口から挿入するまたは開口から抜き出すときに、膨縮袋が邪魔になる虞がある。

本発明は、腕等を施療する腕施療部への腕等の抜差しが容易であるとともに、腕等へ効果的な施療が可能な椅子式マッサージ機を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明は、腕を施療する腕施療部を有する椅子式マッサージ機であって、前記腕施療部は、前記腕が収容可能であるとともに上方が開口した腕収容凹部と、前記腕収容凹部内に配置されて空気による膨張および収縮を反復可能な１つまたは複数の膨縮部と、を有し、前記腕収容凹部は、前記腕が載置される載置面と、前記載置面の上方に配置され前記載置面に載置された前記腕を挟んで相対する一対の内側面と、一方の前記内側面の上端と連続して配置されて上方に向かうにつれて他方の前記内側面側に近づくように傾斜した傾斜側面と、を有し、少なくとも１つの前記膨縮部は少なくとも一部が前記傾斜側面に沿って配置される。

上記構成において、前記膨縮部は、空気によって膨張および収縮を反復可能な袋体を複数枚重ねてもよい。

上記構成において、前記傾斜側面に沿って配置される膨縮部は、前記一方の内側面にも沿って配置され、前記膨縮部の前記傾斜側面に沿って配置される部分は、前記内側面に沿って配置される部分よりも大きく膨らむ構成であってもよい。

上記構成において、少なくとも１つの前記膨縮部の少なくとも一部が、前記一方の内側面に沿って配置されてもよい。

上記構成において、少なくとも１つの前記膨縮部の少なくとも一部が、前記他方の内側面に沿って配置されてもよい。

上記構成において、少なくとも一つの前記膨縮部の少なくとも一部が、前記載置面に沿って配置されもよい。

上記構成において、前記膨縮部は、少なくとも下端部が腕収容凹部に固定されていてもよい。

上記構成において、前記他方の内側面は、上下方向の中間部が前記腕収容凹部から見て外側に膨らんでいてもよい。

本発明によると、腕等の腕施療部への抜差しが容易であるとともに、腕等へ効果的な施療が可能な椅子式マッサージ機を提供することができる。

本発明にかかる椅子式マッサージ機の斜視図である。 腕施療部の斜視図である。 図２に示す腕施療部の断面図である。 膨縮部が収縮した状態の腕施療部の断面図である。 第１変形例の腕施療部の断面図である。 第２変形例の腕施療部の断面図である。 第３変形例の腕施療部の断面図である。 第４変形例の腕施療部の断面図である。

以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図１は、本発明にかかる椅子式マッサージ機１００の斜視図である。なお、以下の説明において椅子式マッサージ機１００および構成部材の位置及び方向を「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」で示す場合があるが、これらは図１に示す椅子式マッサージ機１００を基準としている。さらに言うと、椅子式マッサージ機１００に着座する被施療者から見た方向と一致する。

＜椅子式マッサージ機１００＞
椅子式マッサージ機１００は、着座した被施療者の全身を揉みほぐす（以下、施療と称する）。図１に示すように、椅子式マッサージ機１００は、座部１０と、背もたれ部２０と、足施療部３０と、腕施療部４０と、を有する。なお、椅子式マッサージ機１００には、不図示のカバーが取り付けられる。

座部１０は、被施療者が座る部位である。座部１０は、臀部または腿部を施療する膨縮部を備えていてもよい。膨縮部は、例えば、空気を充填、排出することで、膨張および収縮を反復可能な袋体（いわゆるエアバッグ）を有する。なお、以下の説明において、用いられる膨縮部は、同様の構成を有する。背もたれ部２０は、座部１０の後方に配置され、座部１０よりも上方に立設される。背もたれ部２０は、座部１０に対して上部が後方に傾倒する機能、いわゆる、リクライニング機能を有する。

背もたれ部２０は、長手方向に移動しつつ、被施療者の背中を施療するマッサージ機構（不図示）を備える。また、背もたれ部２０は、背もたれ部２０に支えられた被施療者の肩部および上腕側部を施療する膨縮部を備えてもよい。

足施療部３０は、座部１０の前方に配置され、座部１０よりも下方に垂設される。足施療部３０は、足施療部３０の上端を支点として、足施療部３０の下端側の部分が回動可能に構成されている。足施療部３０は、左右両方のふくらはぎおよび足部を挿入できる凹部を有し、凹部の内部は、ふくらはぎおよび足部を施療する膨縮部を備える。また、足裏に接触しつつ回転して、足裏を施療する施療部（不図示）を備えてもよい。なお、足施療部３０は、背もたれ部２０のリクライニング機能と連動して下端側の部分が上方に回動してもよい。

＜腕施療部４０＞
腕施療部４０は、被施療者が座部に着座したときに被施療者の腕を施療する。左右の腕それぞれを施療するため、腕施療部４０は座部１０の左右に対をなして配置される。左右の腕施療部４０は、左右反転している以外は、同じ構成を有する。そのため、代表して右側の腕施療部４０を参照して説明する。図２は、腕施療部４０の斜視図である。図３は、図２に示す腕施療部４０の断面図である。なお、図３では、座部１０に着座した被施療者２００を一点鎖線にて表記している。以下の説明に用いる図面において、便宜上、腕Ａｍを円形で示しているが、実際の形状と異なる場合がある。また、腕施療部において、膨縮部が膨張することで腕Ａｍを押圧するが、このときの膨縮部の形状も円形の腕Ａｍに合わせた形状で示しており、実際の形状と異なる場合がある。

図２、図３に示すように、腕施療部４０は、底板部４０１と、一対の側板部４０２、４０３とを有する。底板部４０１は上面が略水平である。一対の側板部４０２、４０３は、底板部４０１の左右方向の両端部に立設される。着座した被施療者２００から見て、側板部４０２が、側板部４０３よりも外側に配置される。

底板部４０１は、被施療者２００の腕、すなわち、前腕、手首および手指を載置可能な長さである。底板部４０１の長手方向が椅子式マッサージ機１００の前後方向に沿う方向である。また、側板部４０２、４０３は、底板部４０１に沿って前後方向に延びており、側板部４０２の前端は、底板部４０１の前端に沿って側板部４０３の前端と接触するように曲げられている。底板部４０１および一対の側板部４０２、４０３で囲まれる部分は、上部に開口を有する凹形状であり、着座した被施療者２００の腕Ａｍが収容される腕収容凹部４００である。

腕施療部４０は、腕収容凹部４００と、４つの膨縮部５１、５２、５３、５４とを有する。なお、以下の説明において、４つの膨縮部５１、５２、５３、５４を、第１膨縮部５１、第２膨縮部５２、第３膨縮部５３および第４膨縮部５４と称する場合がある。図３に示すように、腕収容凹部４００は、載置面４１と、一対の内側面４２、４３と、傾斜側面４４とを有する。

載置面４１は、底板部４０１の上面であり、腕収容凹部４００に収容された腕Ａｍが載置される。載置面４１は、略水平である。内側面４２は、側板部４０２の被施療者２００側の面である。内側面４２は、載置面４１の外側と連続しており、載置面４１より上方に延びる。また、内側面４３は、側板部４０３の被施療者２００と反対側の面である。内側面４３は、載置面４１の内側と連続しており、載置面４１より上方に延びる。図３に示すように、内側面４２と内側面４３とは、載置面４１を挟んで対向して配置される。

傾斜側面４４は、内側面４２の上部と連続して配されて内側面４２よりも上方に延びる。傾斜側面４４は、上方に向かうにつれて被施療者２００側に傾斜している。つまり、腕収容凹部４００は、腕Ａｍが載置される載置面４１と、載置面４１に配置された腕Ａｍを挟んで相対して配置される一対の内側面４２、４３と、一方の内側面４２の上端と連続して配置されて上方に向かうにつれて他方の内側面４３に接近する傾斜側面４４とを有する。

図３に示すように、傾斜側面４４の上端部は、内側面４３よりも外側に位置する。そのため、腕収容凹部４００は、上方に開口した凹形状である。

第１膨縮部５１は、傾斜側面４４に沿って配置される。第１膨縮部５１は、全体が傾斜側面４４に固定されてもよいし、一部が傾斜側面４４に固定されてもよい。なお、図３に示す腕施療部４０において、第１膨縮部５１の下端部５１０が傾斜側面４４に固定されている。下端部５１０を固定することで、第１膨縮部５１の上部が変形しやすくなる。結果として、腕Ａｍを施療するための圧力を高めることができ、施療効果を高めることが可能である。しかしながら、この構成に限定されない。例えば、第１膨縮部５１の複数の箇所、例えば、下端、中央、上端が傾斜側面４４に固定されてもよい。また、第１膨縮部５１が膨縮する袋体を保持する基材（例えば、板状）を有し、基材が傾斜側面４４に固定されてもよい。基材を含む構成については、第２膨縮部５２～第４膨縮部５４も同様の構成を有してもよい。

第１膨縮部５１は、不図示の空気圧縮機より圧縮空気が供給されることで膨張し、空気を除くことで収縮する。つまり、第１膨縮部５１は、空気によって膨張および収縮を反復可能である。第１膨縮部５１は、膨張するとき、傾斜側面４４と接触して傾斜側面４４から反力を受ける。そのため、第１膨縮部５１は、下方に膨張する。これにより、第１膨縮部５１は、膨張時に、腕収容凹部４００に収容された腕Ａｍの上部を揉みほぐす（施療する）。

第２膨縮部５２は、内側面４２に沿って配置される。第２膨縮部５２は、全体が内側面４２に固定されてもよいし、一部が内側面４２に固定されてもよい。図３に示す腕施療部４０において、第２膨縮部５２の下端部５２０が内側面４２の載置面４１と交差する部分に固定されているが、これに限定されず、第２膨縮部５２の複数の箇所、例えば、下端、中央、上端が内側面４２に固定されてもよい。第２膨縮部５２は、第１膨縮部５１と同様、圧縮空気の出し入れによって、膨張および収縮を反復する。第２膨縮部５２は、膨張するとき、内側面４２と接触して内側面４２から反力を受ける。そのため、第２膨縮部５２は、膨張時に腕収容凹部４００に収容された腕Ａｍの外側を揉みほぐす（施療する）。

第３膨縮部５３は、内側面４３に沿って配置される。第３膨縮部５３は、全体が内側面４３に固定されてもよいし、一部が内側面４３に固定されてもよい。図３に示す腕施療部４０において、第３膨縮部５３の下端部５３０が内側面４３の載置面４１と交差する部分に固定されているが、これに限定されず、第３膨縮部５３の複数の箇所、例えば、下端、中央、上端が内側面４３に固定されてもよい。第３膨縮部５３は、第２膨縮部５２と同様、圧縮空気の出し入れによって、膨張および収縮を反復する。第３膨縮部５３は、膨張するとき、内側面４３と接触して内側面４３から反力を受ける。そのため、第３膨縮部５３は、膨張時に腕収容凹部４００の収容された腕Ａｍの内側を揉みほぐす（施療する）。

第４膨縮部５４は、載置面４１に沿って配置される。第４膨縮部５４は、全体が載置面４１に固定されてもよいし、一部が載置面４１に固定されてもよい。第４膨縮部５４は、第１膨縮部５１と同様、圧縮空気の出し入れによって、膨張および収縮を反復する。第４膨縮部５４は、膨張するとき、載置面４１と接触して載置面４１から反力を受ける。そのため、第４膨縮部５４は、膨張時に腕収容凹部４００に収容された腕Ａｍの下側を揉みほぐす（施療する）。

本発明にかかる椅子式マッサージ機１００は、以上示した構成を有する。次に、腕施療部４０の動作について図面を参照して説明する。図４は、膨縮部が収縮した状態の腕施療部４０の断面図である。

椅子式マッサージ機１００は施療していないとき、第１膨縮部５１～第４膨縮部５４の空気は抜かれており、収縮した状態となっている（図４参照）。このとき、第１膨縮部５１は、傾斜側面４４に沿って収縮する。同様に、第２膨縮部５２は内側面４２に、第３膨縮部５３は内側面４３に、第４膨縮部５４は載置面４１に沿って収縮する。これにより、腕収容凹部４００の内部空間は広くなる。

被施療者２００が腕Ａｍを腕収容凹部４００に収容するとき、腕Ａｍは上方の開口から腕収容凹部４００に挿入される。同様に腕Ａｍへの施療が終了した後、腕Ａｍは上方の開口から腕収容凹部４００から外に引き出される。すなわち、腕Ａｍは、腕収容凹部４００の上方に形成された開口を介して腕収容凹部４００に対して抜差しされる。

図４には、腕Ａｍを腕収容凹部４００の内部に収容する軌跡Ｔｒ１を示している。図４に示すように、軌跡Ｔｒ１は、鉛直上下方向に延びる。第１膨縮部５１が傾斜側面４４に沿って収縮されるとともに、第３膨縮部５３が内側面４３に沿って収縮される。そのため、腕Ａｍを腕収容凹部４００に鉛直上下方向に抜差しする場合であっても、第１膨縮部５１および第３膨縮部５３が、軌跡Ｔｒ１と重なりにくく、邪魔になりにくい。すなわち、椅子式マッサージ機１００では、腕収容凹部４００に対して腕Ａｍを鉛直上下方向に容易に抜差しできる。また、腕Ａｍが腕収容凹部４００内において左右にずれた場合であっても、第１膨縮部５１および第３膨縮部５３が邪魔になりにくく、抜差しが容易である。

腕施療部４０において、腕収容凹部４００に腕Ａｍが挿入された状態で、第１膨縮部５１、第２膨縮部５２、第３膨縮部５３および第４膨縮部５４の膨張および収縮を反復させることで、腕Ａｍの上下および内外を揉みほぐす（施療する）。このとき、第１膨縮部５１、第２膨縮部５２、第３膨縮部５３および第４膨縮部５４を同時に、膨張および収縮させてもよいし、予め決められた順序で、膨張および収縮を行うようにしてもよい。以上示したように、腕施療部４０では、傾斜側面４４に沿って配置された第１膨縮部５１を有するため、腕を上下方向に挿入可能であるとともに、腕Ａｍを上から押圧することが可能である。

椅子式マッサージ機１００は、腕施療部４０を有することで、上部に設けられた開口から腕収容凹部４００に対して腕Ａｍを鉛直方向に移動させて容易に抜差し可能あるとともに、腕Ａｍの上方からの施療が可能である。そのため、被施療者は、着座とともに、腕Ａｍを腕施療部４０に容易に収容することが可能である。これにより、被施療者の利便性が高い。また、腕Ａｍを開口が形成される上方からも揉みほぐす（施療する）ことが可能であるため、施療効果を高めることができる。

なお、本実施形態において、第１膨縮部５１以外に、第２膨縮部５２、第３膨縮部５３および第４膨縮部５４を備えている。しかしながら、これに限定されない。第１膨縮部５１の膨張によって十分なマッサージ効果を得ることができる場合、第２膨縮部５２、第３膨縮部５３および第４膨縮部５４を省略してもよい。また、マッサージ効果を高めるため、一部の膨縮部のみ省略してもよい。このとき、内側面４２、４３および載置面４１の少なくとも一つは、内側に膨らむ形状、蛇腹状等、マッサージ効果が高くなるような形状であってもよい。

＜第１変形例＞
本発明にかかる椅子式マッサージ機の腕施療部の変形例について図面を参照して説明する。図５は、第１変形例の腕施療部４０ａの断面図である。図５に示す腕施療部４０ａは、第１膨縮部５１ａが、腕施療部４０の第１膨縮部５１と異なる。腕施療部４０ａのこれ以外の部分は、腕施療部４０の各部と同じ構成を有する。そのため、腕施療部４０ａの腕施療部４０と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。

図５に示すように、腕施療部４０ａの第１膨縮部５１ａは、側面接触袋５１１と、腕接触袋５１２とを備える。側面接触袋５１１および腕接触袋５１２は、空気によって膨張および収縮を反復可能な袋体である。側面接触袋５１１は、傾斜側面４４に沿って配置され少なくとも下端部５１１０が傾斜側面４４に固定される。腕接触袋５１２は、側面接触袋５１１に固定される。側面接触袋５１１および腕接触袋５１２が膨張することで、腕接触袋５１２が腕Ａｍの上面部と接触する。このとき、側面接触袋５１１が傾斜側面４４から反力を受けて、腕Ａｍの上面を施療する。

第１膨縮部５１ａのように、膨張する方向に２個の膨縮部を重ねて配置することで、全体として１つの膨縮部を用いるものに比べて大きく膨らませることが可能である。これにより、より強い力で腕Ａｍの上面を施療することが可能である。

図示は省略するが、側面接触袋５１１および腕接触袋５１２が収縮したとき、側面接触袋５１１および腕接触袋５１２は、傾斜側面４４に沿って配置される。また、側面接触袋５１１および腕接触袋５１２は、それぞれ、変形量が小さいため、重なった状態で傾斜側面４４に沿って収縮したときに、傾斜側面４４に隠れる。そのため、腕Ａｍの腕収容凹部４００への抜差しの邪魔になりにくく、腕Ａｍの抜差しが容易である。

なお、本変形例において、第１膨縮部５１ａは２個の袋体を重ねて配置した構成としているが、３個以上の袋体を重ねて配置してもよい。また、一部が重なる構成であってもよい。さらに、本変形例では、複数の袋体を重ねた構成の第１膨縮部５１ａを開示しているが、これに限定されず、第２膨縮部～第４膨縮部の少なくとも一つを同様の構成としてもよい。

＜第２変形例＞
本発明にかかる椅子式マッサージ機の腕施療部の変形例について図面を参照して説明する。図６は、第２変形例の腕施療部４０ｂの断面図である。図６に示す腕施療部４０ｂは、第１膨縮部５１ｂが、腕施療部４０の第１膨縮部５１と異なるとともに、第２膨縮部５２を省略している。腕施療部４０ｂのこれ以外の部分は、腕施療部４０の各部と同じ構成を有する。そのため、腕施療部４０ｂの腕施療部４０と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。

図６に示すように、腕施療部４０ｂの第１膨縮部５１ｂは、傾斜側面４４と内側面４２との両方にわたって沿って配置される。腕施療部４０ｂにおいて、第１膨縮部５１ｂの下端部５１０ｂが、内側面４２の載置面４１と交差する部分に固定されている。

第１膨縮部５１ｂは、膨張したときに腕Ａｍの外側および上側から押圧して、腕Ａｍを施療する。第１膨縮部５１ｂは上下方向下部に比べて上部が膨張しやすい構造となっている。これにより、腕Ａｍの内側面４２から近い外側と、傾斜側面４４から遠い上側とを、略同じ圧力で施療できる。

腕施療部４０ｂでは、第１膨縮部５１ｂが、第２膨縮部を兼ねる構成を有する。このような構成とすることで、圧縮空気を供給する配管を減らすことができ、椅子式マッサージ機１００の構成を簡略化することが可能である。また、第１膨縮部５１ｂが、内側面４２および傾斜側面４４に沿って収縮されるため、腕Ａｍの抜差しの邪魔になりにくい。なお、第１膨縮部５１ｂは、下端が内側面４２の載置面４１と交差する部分に固定されているが、これに限定されず、第１膨縮部５１ｂの内側面４２に沿って配置される部分の少なくとも一部が、内側面４２に固定されてもよい。

＜第３変形例＞
本発明にかかる椅子式マッサージ機の腕施療部の変形例について図面を参照して説明する。図７は、第３変形例の腕施療部４０ｃの断面図である。図７に示す腕施療部４０ｃは、傾斜側面４５が、被施療者２００に近い側の側板部４０４に設けられているとともに、被施療者２００から遠い側の側板部４０２の傾斜側面４５が省略されている。つまり、腕施療部４０ｃは、被施療者２００に近い側に傾斜側面４５が設けられる。これら以外の部分は、腕施療部４０と同じ構成を有する。そのため、腕施療部４０ｃの腕施療部４０と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。

図７に示すように、腕施療部４０ｃは被施療者２００に近い側の側板部４０４の腕収容凹部４００の内側上方に、傾斜側面４５を有する。すなわち、腕施療部４０ｃは、被施療者２００から遠い側（外側）の上方が開口している。腕Ａｍの鉛直上下方向の移動による腕収容凹部４００に対する腕Ａｍの抜差しは、例えば、腕施療部４０ｃの座部１０に対する高さによって、被施療者２００から遠い側（外側）の方が近い側（内側）よりもやりやすい場合がある。腕施療部４０ｃと同様の構成とすることで、被施療者２００から遠い側（外側）で腕Ａｍを鉛直上下方向に移動させて抜差ししやすい。これにより、被施療者２００の利便性を高めることが可能である。

＜第４変形例＞
本発明にかかる椅子式マッサージ機の腕施療部の変形例について図面を参照して説明する。図８は、第４変形例の腕施療部４０ｄの断面図である。図８に示す腕施療部４０ｄは側板部４０５および４０６が、腕施療部４０の側板部４０２および４０３と異なる。腕施療部４０ｄのこれ以外の部分は、腕施療部４０と同じ構成を有する。そのため、腕施療部４０ｄの腕施療部４０と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。

図８に示すように、腕施療部４０ｄの被施療者２００から遠い側板部４０５は、底板部４０１の被施療者２００から遠い側の端部から鉛直上方に延びるとともに、上部が上方に向かうにつれて側板部４０６側に近づくように湾曲している。これにより、側板部４０５の腕収容凹部４００における内側の面は、載置面４１から鉛直上方に延びる内側面４２と、内側面４２の上端と連結して上方に向かうにつれて側板部４０６側に近づく傾斜側面４７とを有する。つまり、傾斜側面４７は、上下方向中間部が、腕収容凹部４００内部から見て外側に湾曲している。

また、腕施療部４０ｄの被施療者２００に近い側板部４０６は、底板部４０１の被施療者２００に近い側の端部から上方に延びる。そして、側板部４０６は、上下方向の中間部が、腕収容凹部４００の内部から見て外側に膨らむように湾曲している。これにより、側板部４０６の腕収容凹部４００における内側である内側面４６は、上下方向中間部が、腕収容凹部４００内部から見て外側に湾曲している。

腕施療部４０ｄの腕収容凹部４００において、傾斜側面４７および内側面４６が外側に凹んでいる。そのため、傾斜側面４７に取り付けられる第１膨縮部５１が収縮したときに傾斜側面４７の凹んだ部分に収容される。同様に、内側面４６に取り付けられる第３膨縮部５３が収縮したときに内側面４６の凹んだ部分に収容される。

腕Ａｍの鉛直上下方向の移動により上方の開口から腕収容凹部４００内に抜差しするときの腕Ａｍの軌跡Ｔｒ２に第１膨縮部５１および第３膨縮部５３が重なりにくい。このため、腕Ａｍを鉛直上下方向に移動させて腕収容凹部４００に対して抜差しするときに、第１膨縮部５１および第３膨縮部５３が邪魔になりにくく、腕Ａｍの腕収容凹部４００に抜差ししやすい。これにより、被施療者２００の利便性が高い。

なお、本実施形態では、内側面４２が平面状であるものとしているが、これに限定されず、傾斜側面４７と同様に、湾曲していてもよい。このとき、内側面４２の曲率は傾斜側面４７と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、載置面４１も同様に湾曲していてもよい。

上述した腕施療部４０、４０ａ～４０ｄでは、３つの板部で下面および左右端面を囲む腕収容凹部４００を備える構成としているがこれに限定されない。例えば、椅子に着座したときに肘を置く肘掛部の上面に、腕が挿入可能な凹部として形成されるものであっても、同様の構成とすることが可能である。この場合、肘掛部の上面をずらして、傾斜側面を形成してもよいし、肘掛部の上面から傾斜側面を有する側板部を上方に突出させてもよい。

また、上述した腕施療部４０、４０ａ～４０ｄでは、一対の内側面のそれぞれが載置面と連続して配置されている。しかしながら、これに限定されず、少なくとも一つの内側面は、載置面と連続していなくてもよい。例えば、内側面と載置面とが別部材で形成されて、内側面と載置面との間に隙間が形成されていてもよい。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。

本発明は、被施療者の身体を揉みほぐす椅子式のマッサージ機に利用することができる。

１００ 椅子式マッサージ機
２００ 被施療者
４００ 腕収容凹部
４０１ 底板部
４０２ 側板部
４０３ 側板部
４０４ 側板部
４０５ 側板部
４０６ 側板部
１０ 座部
２０ 背もたれ部
３０ 足施療部
４０ 腕施療部
４１ 載置面
４２ 内側面
４３ 内側面
４４ 傾斜側面
４０ａ 腕施療部
４０ｂ 腕施療部
４０ｃ 腕施療部
４５ 傾斜側面
４０ｄ 腕施療部
４６ 内側面
４７ 傾斜側面
５１ 第１膨縮部
５１０ 下端部
５１ａ 第１膨縮部
５１ｂ 第１膨縮部
５１０ｂ 下端部
５１１ 側面接触袋
５１１０ 下端部
５１２ 腕接触袋
５２ 第２膨縮部
５２０ 下端部
５３ 第３膨縮部
５３０ 下端部
５４ 第４膨縮部
Ａｍ 腕
Ｔｒ１ 軌跡
Ｔｒ２ 軌跡

Claims (7)

1. 腕を施療する腕施療部を有する椅子式マッサージ機であって、
   前記腕施療部は、
   前記腕が収容可能であるとともに上方が開口した腕収容凹部と、
   前記腕収容凹部内に配置されて空気による膨張および収縮を反復可能な１つまたは複数の膨縮部と、を有し、
   前記腕収容凹部は、
   前記腕が載置される載置面と、
   前記載置面の上方に配置されて前記載置面に載置された前記腕を挟んで相対する一対の内側面と、
   一方の前記内側面の上端と連続して配置されて上方に向かうにつれて他方の前記内側面に近づくように傾斜した傾斜側面と、を有し、
   少なくとも１つの前記膨縮部は少なくとも一部が前記傾斜側面に沿って配置され、
   前記他方の内側面の上端が前記一方の内側面の上端よりも上方に位置し、
   前記傾斜側面の上端が前記他方の内側面の上端よりも上方に位置し、
   前記他方の内側面の上端が前記傾斜側面に沿って配置された少なくとも一つの前記膨縮部の下端よりも上方に位置し、
   前記一方の内側面は上下方向に延びる平面を有し、前記傾斜側面の下端は前記一方の内側面の平面と連続して配置されている椅子式マッサージ機。
2. 前記膨縮部は、空気によって膨張および収縮を反復可能な袋体を複数枚重ねた請求項１に記載の椅子式マッサージ機。
3. 前記傾斜側面に沿って配置される膨縮部は、前記傾斜側面及び前記一方の内側面のみにわたって配置され、前記膨縮部の前記傾斜側面に沿って配置される部分は、前記内側面に沿って配置される部分よりも大きく膨らむ請求項１また請求項２に記載の椅子式マッサージ機。
4. 少なくとも１つの前記膨縮部の少なくとも一部が、前記一方の内側面に沿って配置される請求項１または請求項２に記載の椅子式マッサージ機。
5. 少なくとも１つの前記膨縮部の少なくとも一部が、前記他方の内側面に沿って配置される請求項１から請求項４のいずれか記載の椅子式マッサージ機。
6. 少なくとも一つの前記膨縮部の少なくとも一部が、前記載置面に沿って配置される請求項１から請求項５のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
7. 前記他方の内側面は、上下方向の中間部が前記腕収容凹部から見て外側に膨らんでいる請求項１から請求項６のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。

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