以下、本実施形態に係るマッサージ機(以下、「本マッサージ機」ということもある)について、図面を参照しながら説明する。本マッサージ機は、椅子型のマッサージ機であり、図1〜図4に示すように、座部11と、この座部11の後部に枢軸2を介してリクライニング自在に設けられた背もたれ部12とを備えるとともに、座部11の前側に、上下回動自在に取付けられた、所謂「オットマン」と呼ばれる脚載部14とを備えている。
また、本マッサージ機は、座部11の左右側に肘掛部13,13が設けられ、肘掛部13,13の上方位置には、背もたれ部12の高さ方向の略中央位置に体側施療部15,15が配設されている。
左右の体側施療部15,15を備える背もたれ部12は、その中央部に縦長孔12aが形成されており、この縦長孔12aに揉み玉51,51を臨ませた状態で機械式マッサージユニット5を上下昇降自在に配設している。また、背もたれ部12をはじめとする各所には、以下に詳述する複数のエアバッグ3を配設しており、座した状態の被施療者に対して揉み玉51やエアバッグ3を用いた各種形態のマッサージを実行可能としている。
本マッサージ機が備える複数のエアバッグ3の一つとして、被施療者をその背部側から押圧する第1のエアバッグ31が背もたれ部12に配設されている。
この第1のエアバッグ31は、左右1対の上段第1エアバッグ31aL,31aRと、中段第1エアバッグ31bL,31bRと、下段第1エアバッグ31cL,31cRとから構成されており、背もたれ部12の前側面に3段に配設されている。そして、上段第1エアバッグ31aL,31aRと中段第1エアバッグ31bL,31bRとにより被施療者の背中を押圧可能とし、下段第1エアバッグ31cL,31cRによって腰から臀部にかけた位置を押圧可能としている。したがって、この下段第1エアバッグ31cL,31cRを用いれば、骨盤のマッサージも行うことが可能である。
また、座部11側には、肘掛部13,13の内側に配設されて前記被施療者を左右側から押圧する第2のエアバッグ32と、被施療者の臀部を下方から押圧できるように、座部11の表面の背もたれ部12側に配置された第3のエアバッグ33と、被施療者の大腿部を押圧できるように脚載部14側に配置された第4のエアバッグ34とが配設されている。
第2のエアバッグ32は左右第2エアバッグ32L,32Rから構成され、第3のエアバッグ33及び第4のエアバッグ34は、それぞれ、左右一対の左右第3エアバッグ33L,33R及び左右第4エアバッグ34L,34Rから構成されている。
なお、図2に示すように、左右第2エアバッグ32L,32Rは、それぞれ、二重のエアバッグ構造としている。すなわち、左第2エアバッグ32Lは、左内側第2エアバッグ32Laと左外側第2エアバッグ32Lbとを重合させた構成であり、右第2エアバッグ32Rは、右内側第2エアバッグ32Raと右外側第2エアバッグ32Rbとを重合させた構成となっている。また、背もたれ部12に設けられた左右の体側施療部15,15についても、それぞれ、第5のエアバッグ38が重ねられて配設され(図1参照)、被施療者の体側を必要十分に押圧可能となっており、優しく、かつ十分な体側マッサージが可能となっている。
さらに、本実施形態に係るマッサージ機では、背もたれ部12の略中央位置に、縦長孔12aを横断するように背当て板16を架け渡しており、この背当て板16に第6のエアバッグ39を配設している。この第6のエアバッグ39により、これまではエアバッグを当接させることもできなかった被施療者の背骨近傍を押圧してエアマッサージすることが可能となっている。なお、第6のエアバッグ39を備えた構成としているため、本マッサージ機は、機械式マッサージユニット5の昇降範囲の最下点位置が第6のエアバッグ39の直上方位置となっている。
脚載部14には、被施療者の脚を収容できるようにそれぞれ半割円筒状に形成された左右一対の脚受部14a,14aが形成されている。そして、各脚受部14aには、それぞれ脚用エアバッグ30を具備する4組のエア施療部を備え、被施療者の脚を四方から押圧可能としている。
本実施形態では、エア施療部は、各脚受部14aの開放面側に配置されて被施療者の脚を前方から押圧可能とした左右一対の第1のエア施療部と、各脚受部14aの奥部壁141側に配置されて被施療者の脚を後方から押圧可能とした左右一対の第2のエア施療部とから構成されている。
そして、前記左右一対の第1のエア施療部のうち、一方の第1のエア施療部の脚用エアバッグ30は膨張状態が維持できるように構成され、他方の第1のエア施療部の脚用エアバッグ30及び前記第2のエア施療部の脚用エアバッグ30は膨張収縮を繰り返すように構成されている。このように、脚を平面視で4方向から押圧可能とした4つのエア施療部のうち、左右一対の第1のエア施療部のうち一方のエア施療部では脚用エアバッグ30の膨張状態を維持可能として脚を押圧固定可能とし、他の3つのエア施療部では脚用エアバッグ30の膨張収縮を繰り返すようにしている。したがって、ふくらはぎの筋肉部分をはじめとする脚全体を十分に揉みほぐすことができ、心地よい脚マッサージを実現することができる。
なお、ここで、本実施形態において膨張状態を維持できるように構成された脚用エアバッグ30のという概念は、膨張収縮を繰り返す脚用エアバッグ30よりも、膨張から収縮するまでのインターバルが極めて長いものを指し、脚用エアバッグ30そのものの物理的構成が異なるものではない。つまり、同一構成の脚用エアバッグ30であるが、左右一対の第1のエア施療部のうち一方は膨張した状態を長く維持してから収縮し、他の3つのエア施療部は、その間に複数回の膨張・収縮を繰り返すのである。
ここで、本実施形態に係る脚用エアバッグ30について、脚載部14の構成とともに、図5を参照しながらより具体的に説明する。
図5に示すように、脚載部14は、脚を収容可能とした左右一対の脚受部14a,14aが半割円筒状に形成されている。すなわち、図5(a)に示すように、脚載部14は、座部11側をなす奥部壁141の両側から側壁142,142を立設するともに、これらの中間部、すなわち、奥部壁141の幅方向の中央に中央立壁143を立設している。
そして、左の側壁142と中央立壁143との間、及び右の側壁142と中央立壁143との間に、それぞれ脚受部14aが形成されており、各脚受部14aの奥部面141aは湾曲面となっている。
また、脚受部14aにおいて、脚を出入可能とした前方開放面側には左右第1脚用エアバッグ36,37が設けられている。すなわち、被施療者がマッサージ機に座した状態で左側の脚受部14aであれば、左の側壁142の開放部側に第1のエア施療部としての左第1脚用エアバッグ36が設けられ、中央立壁143の前方開放面側に、やはり第1のエア施療部である右第1脚用エアバッグ37を設けられている。一方、右側の脚受部14aであれば、右の側壁142の前方開放面側に第1のエア施療部としての右第1脚用エアバッグ37が設けられ、中央立壁143の前方開放面側に、これも第1のエア施療部である左第1脚用エアバッグ36が設けられる。このように、膨張状態を維持可能な第1のエア施療部は、少なくとも、左右の脚受部14aを区画する中央立壁143の前方開放面側に配置されることになる。
そして、本実施形態では、左右第1脚用エアバッグ36,37のうち、膨張状態を維持可能な脚用エアバッグ30として、被施療者の脛の内側部分を押圧可能な個所に配置している。すなわち、被施療者がマッサージ機に座した状態で左側の脚受部14aであれば、中央立壁143の前方開放面側に設けられた右第1脚用エアバッグ37であり、右側の脚受部14aであれば、これも中央立壁143の前方開放面側に設けられた左第1脚用エアバッグ36がこれに相当する。
つまり、本実施形態では、膨張状態が維持できるように構成された脚用エアバッグ30を、各脚受部14aの中央立壁143の前方開放面側に位置するように設けている。したがって、特には筋肉がついていない、脛の内側部分を押圧して脚をしっかりと保持しながら、他の3つの膨縮を繰り返す脚用エアバッグ30により、脚全体を十分にマッサージすることが可能となる。
なお、上述したように、本実施形態では、膨張状態が維持できるように構成された脚用エアバッグ30を各脚受部14aの中央立壁143の前方開放面側に位置するように設け、特には筋肉がついていない、脛の内側部分を押圧して保持するようにしたが、それとは反対に、膨張状態が維持できるように構成された脚用エアバッグ30を左右の側壁142の開放部側に設け、当該脚用エアバッグ30の膨縮を繰り返すことにより、脛の内側部分を積極的にマッサージを実行するようにしてもよい。
また、被施療者のふくらはぎ側となる各脚受部14aの奥部面141aには第2のエア施療部としての左右第2脚用エアバッグ35L,35Rが配設されている。ここでは、各脚受部14aの奥部面141aの中央部分を境として、被施療者がマッサージ機に座した状態で左側に左第2脚用エアバッグ35Lを、右側には右第2脚用エアバッグ35Rを配設している。すなわち、第2のエア施療部は、少なくともふくらはぎを押圧可能な個所を含む複数個所に配置されることになる。このように、脚の中でも筋肉の多いふくらはぎ部分については、2つのエアバッグにより十分なマッサージが可能になっている。
また、図示するように、左第1脚用エアバッグ36は、左内外エアバッグ36a,36bから構成され、右第1脚用エアバッグ37は右内外エアバッグ37a,37bから構成されている。
中央立壁143に取付けられる右脚用の左第1脚用エアバッグ36の左内エアバッグ36aと左外エアバッグ36bとは、それぞれ基端部分が略同一個所で中央立壁143の内側面に連結されており、側壁142に取付けられる右脚用の右第1脚用エアバッグ37の右内エアバッグ37aと右外エアバッグ37bとは、これらもそれぞれ基端部分が略同一個所で側壁142の内側面に連結されている。したがって、給気されて膨張するときは、左内外エアバッグ36a,36b及び右内外エアバッグ37a,37bは、それぞれ先端側が拡開した平面視ハの字状の状態となる(図7〜図15参照。)。
左右第1脚用エアバッグ36,37において、少なくとも被施療者の脚に対して最外側に位置する脚用エアバッグ30、すなわち、各外エアバッグ36b,37bは、その膨張状態を維持して、内エアバッグ36a,37aの脚受部14a内の奥行き方向(奥部面141aの方向)における膨縮開始位置を規定可能としている。つまり、外エアバッグ36b,37bは膨張と収縮を繰り返すのではなく、一旦、膨張すれば、その状態を所定時間維持して、その間はあたかも壁体のように作用するのである。
なお、本実施形態では、第1のエア施療部である左右第1脚用エアバッグ36,37は、重合する2つの内外エアバッグ36a,36b(37a,37b)から構成したが、3つ以上のエアバッグを備えた構成とすることもできる。その場合、少なくとも、施療者の脚に対して最外側に位置するエアバッグは、その膨張状態を維持して、脚受部14a内の奥行方向(奥部面141aの方向)における他のエアバッグの膨縮開始位置を規定可能とすればよい。
なお、本実施形態では、第1のエア施療部である左右第1脚用エアバッグ36,37のみを複数のエアバッグを重合した構成としているが、第2のエア施療部である左右第2脚用エアバッグ35L,35Rについても複数のエアバッグを重合して構成することができる。そのように構成すれば、重合したエアバッグの膨張度合を調整することにより、被施療者によってそれぞれ異なる脚の太さに対しても細やかに対応することができ、誰もが満足のいく脚マッサージが可能となる。
ところで、図5(b)に示すように、本実施形態における左右第1脚用エアバッグ36,37及び左右第2脚用エアバッグ35L,35Rは、縦長に形成されており、被施療者の足首から膝下に至る脛及びふくらはぎを全体的に押圧可能となっている。
また、図示するように、脚載部14は、被施療者の足裏を受ける足裏受部144をさらに備えている。そして、脚受部14aは、足裏受部144に載置された被施療者の足の甲部を、斜め上方側から押圧する第3のエア施療部備えている。ここでは、第3のエア施療部として、左右一対の内外第3甲用エアバッグ145a,145bが配設されており、被施療者の足の移動を規制可能としている。すなわち、内外第3甲用エアバッグ145a,145bの膨張量によって、少なくとも足の上下方向への移動を規制することができる。そして、膨張量を増大させると、内外第3甲用エアバッグ145a,145bが足の甲を上方からも強く押圧できるため、さらに足の水平方向への移動も規制することができ、足を固定することも可能となる。
内第3甲用エアバッグ145aは、その基端が中央立壁143の基部側に支持され、外第3甲用エアバッグ145bは、その基端が側壁142の基部側に支持されており、内外第3甲用エアバッグ145a,145bの先端同士は、足の甲の上方で向かい合うように配置されている。
また、図5(a)に示すように、足裏受部144の上面略中央位置には、凸部146が設けられている。この凸部146は、例えば、金属製、樹脂製、若しくは木製の半球状に形成された施療子であり、足裏のツボを刺激可能に構成されている。
上述した構成のマッサージ機は、図6に示すように、複数のアクチュエータと、これらの動作を制御する制御部4とを備えている。
アクチュエータとしては、機械式マッサージユニット5を前後駆動させたり、揉み玉51を揺動させたりしてマッサージ駆動を実現するための機械式マッサージユニット用モータM1と、機械式マッサージユニット5を上下昇降させるための機械式マッサージユニット昇降用モータM2と、背もたれ部12をリクライニング動作させるためのリクライニング用モータM3と、上述した脚用エアバッグ30を含む複数のエアバッグ3をそれぞれ膨縮動作させるためのエアポンプPなどがある。
また、制御部4は、図示するように、CPU40と、ROM41及びRAM42などの記憶装置とを備えたコンピュータが搭載されており、CPU40は、図示しないリモートコントローラなどからなる操作部からの指令信号にしたがって前述の各種アクチュエータを制御して、各種マッサージを実行可能としている。
また、本マッサージ機は、自動マッサージコースなどのコースマッサージも実行することができる。前記操作部からコースマッサージの指令信号が入力されると、CPU40は、ROM41に格納された各種マッサージ制御プログラムにしたがって、前述の各種アクチュエータを制御して、予め所定の順番で設定された各種マッサージを自動的に連続して実行することができる。
特に、本マッサージ機では、制御部4が脚載部14に配設した4組の脚用エアバッグ30の膨縮動作を制御して、脚を四方から押圧することができる。特に、脚のふくらはぎを十分に揉みほぐし、被施療者が満足いく脚マッサージを実行可能としている。また、そのときに、脚用エアバッグ30のうち、左右第1脚用エアバッグ36,37のうちの一方を、直接脚のマッサージに用いるのではなく、脚の脛部分をしっかりと保持するために膨張状態を所定時間維持させる制御も行う。
すなわち、本実施形態では、制御部4は、左右第1脚用エアバッグ36,37における外エアバッグ36b,37bを、その膨張状態を維持するようにエアポンプPや電磁弁などの開閉を制御して、内エアバッグ36a,37aの脚受部14a内の奥行き方向(奥部面141aの方向)における膨縮開始位置を規定しているため、脚の太さなどの違いにも対応可能であり、誰でもが心地よい脚マッサージを体感可能となっている。
また、制御部4は、左右第1脚用エアバッグ36,37の膨張及び収縮について、一方のエアバッグと他方エアバッグとで独立して制御可能としており、例えば、被施療者の好みに応じて、脛のどの個所の押圧状態を維持して脚を保持するかを選択的に決定することができる。
例えば、左右第1脚用エアバッグ36,37のうち、左側の脚受部14aであれば右第1脚用エアバッグ37を、右側の脚受部14aであれば左第1脚用エアバッグ36を脚保持用とすれば、比較的に筋肉のついていない脛の内側部分を押圧して脚を保持し、脛の外側部分までマッサージすることが可能となり、反対に、左側の脚受部14aであれば左第1脚用エアバッグ36を、右側の脚受部14aであれば右第1脚用エアバッグ36を脚保持用とすれば、比較的に筋肉のついていない脛の内側部分を積極的にマッサージすることが可能となる。
以下、本実施形態に係るマッサージ機を用いて、実際に脚マッサージを行う場合について、図7〜図14を参照しながら具体的に説明する。
以下に説明する脚マッサージにおける脚用エアバッグ30の給気排気については、前述したように制御部4によって制御されており、制御部4は、脚マッサージを実行する際に、左右第1脚用エアバッグ36,37及び左右第2脚用エアバッグ35L,35Rの膨縮動作をそれぞれ制御している。特に、左右第1脚用エアバッグ36,37における外エアバッグ36b,37bについては、脚マッサージが開始されると、所定時間給気して所定量膨張させた状態を、当該脚マッサージが終わるまで維持されるようになっている。
ところで、本マッサージ機で行うことができる脚マッサージとして、以下の種類が設定されている。下記の各脚マッサージは、基本的には左右第1脚用エアバッグ36,37と左右第2脚用エアバッグ35L,35Rが主として動作するが、適宜、内外第3甲用エアバッグ145a,145bを動作させて甲を保持した状態で脚マッサージをおこなうことができる。
(イ)脚を四方から包むようにマッサージする全締めマッサージ。
(ロ)脚を前後斜め方向から押圧するクロスプレスマッサージ。
(ハ)脚を前からと後ろから交互に押圧する前後プレスマッサージ。
(ニ)脚を周方向に順次押圧していく回転マッサージ。
(ホ)脚を左右から交互に押圧する左右揺らしマッサージ。
(ヘ)締めつけ時間が全締めマッサージよりもはるかに短い全体パルスマッサージ。
(ト)複数のエアバッグのうち、順次1つずつパルス動作する部分パルスマッサージ。
なお、図7〜図14において、理解を容易にするために、右第1脚用エアバッグ37をNO.1、右第2脚用エアバッグ35RをNO.2、左第2脚用エアバッグ35LをNO.3、左第1脚用エアバッグ36をNO.4と番号を付し、作動順などをその番号で表わしている。また、本実施形態においては、NO.1及びNO.4の給気及び排気の繰り返しによる膨縮動作については、右第1脚用エアバッグ37の内エアバッグ37aと、左第1脚用エアバッグ36の内エアバッグ36aのみが動作し、外エアバッグ37b,36bは、マッサージが終了するまで所定の膨張量が維持されることになる。
(イ)の全締めマッサージは、図7に示すように、制御部4は、NO.1〜NO.4の全てを給気して膨張させ、脚を四方から締めつける(図7(a))。その後、制御部4は、NO.1〜NO.4の全てから排気させて収縮させて脚の締めつけを開放する(図7(b))というサイクルを繰り返す。このとき、給気には7秒、排気には5秒かけるようにしている。すなわち、全締めマッサージは、NO.1〜NO.4の7秒給気→NO.1〜NO.4の5秒排気のサイクルの繰り返しとなり、ゆったりとしながら、十分な押圧力を感じながらの脚マッサージとなる。
(ロ)のクロスプレスマッサージは、図8に示すように、制御部4は、NO.1及びNO.3に同時に給気して膨張させ、脚を右前から左後にかけて前後斜め方向から挟むように押圧し(図8(a))、その後、NO.1及びNO.3から排気して脚の押圧を解除する(図8(b))。次いで、制御部4は、NO.2及びNO.4に同時に給気して膨張させ、脚を左前から右後にかけて前後斜め方向から挟むように押圧し(図8(c))、その後、NO.2及びNO.4から排気して脚の押圧を解除する(図8(d))。このとき、給気には7秒、排気には5秒かけるようにしている。つまり、このクロスプレスマッサージは、NO.1及びNO.3の7秒給気→NO.1及びNO.3の5秒排気→NO.2及びNO.4の7秒給気→NO.2及びNO.4の5秒排気のサイクルの繰り返しとなる。
なお、NO.1とNO.3を同時に膨張させるのではなく、一方の膨張に時間差を設けることもできる。例えば、図示しないが、制御部4は、先ず、NO.1に7秒かけて給気して膨張させながら3秒遅れてNO.3に給気してこれを膨張させる。次いで、5秒かけてNO.1及びNO.3から排気して収縮させ、次に、NO.4に7秒かけて給気して膨張させながら3秒遅れてNO.3に給気してこれを膨張させる。次いで、5秒かけてNO.4及びNO.2から排気して収縮させるのである。つまり、NO.1の7秒給気(3秒後NO.3に給気)→5秒排気→NO.4の7秒給気(3秒後NO.2に給気)→5秒排気のサイクルの繰り返しである。
また、この場合、給気の順序を逆にしてもよい。すなわち、NO.3の7秒給気(3秒後NO.1に給気)→5秒排気→NO.2の7秒給気(3秒後NO.4に給気)→5秒排気のサイクルを繰り返すのである。
(ハ)の前後プレスマッサージは、図示しないが、制御部4は、先ず、内外第3甲用エアバッグ145a,145bに給気して膨張させ、足の甲を保持した状態に維持しておく。そして、制御部4は、図9に示すように、NO.1及びNO.4に同時に給気して膨張させ(図9(a))、脚をNO.1及びNO.4の膨張により前方から押圧する。次いで、NO.1及びNO.4から排気して収縮させ、脚の前方からの押圧を解除する(図9(b))。その後、制御部4は、NO.2及びNO.3に同時に給気して膨張させ(図9(c))、脚を後方から押圧し、次いで、NO.2及びNO.3から排気して収縮させ、脚の後方からの押圧を解除する(図9(d))というサイクルを繰り返す。そして、前後プレスマッサージを終える際に内外第3甲用エアバッグ145a,145bから排気して収縮させる。つまり、NO.1及びNO.4の7秒給気→3秒排気→NO.2及びNO.3の7秒給気→3秒排気のサイクルを繰り返す。このように、本マッサージ機は、制御部4によって、第1のエア施療部(NO.1:右第1脚用エアバッグ37、NO.4:左第1脚用エアバッグ36)と第2のエア施療部(NO.2:右第2脚用エアバッグ35R、NO.3:左第2脚用エアバッグ35L)における各エアバッグの膨縮を行わせて、被施療者の脚を前方から、あるいは後方から押圧するエアマッサージを実行することができる。したがって、脚全体を十分にマッサージすることができる。
なお、前後プレスマッサージの中途に全締めマッサージを組み合わせることもできる。すなわち、NO.1及びNO.4に同時に給気して膨張させた後、排気するのではなく、引き続きNO.2及びNO.3に同時に給気して膨張させ、脚を四方から押圧する行程を設け、その後、NO.1〜NO.4を全て排気するとともに、今度は、NO.2及びNO.3に同時に給気して膨張させ、引き続きNO.1及びNO.4に同時に給気して膨張させ、その後、NO.1〜NO.4を全て排気するサイクルを繰り返すのである。なお、給気時間は7秒、排気時間は3秒というのは変わらない。つまり、NO.1及びNO.4の7秒給気(3秒後にNO.2及びNO.3給気)→3秒排気→NO.2及びNO.3の7秒給気(3秒後NO.1及びNO.4給気)→3秒排気のサイクルを繰り返す。
ところで、この前後プレスマッサージでは内外第3甲用エアバッグ145a,145bを作動させたが、内外第3甲用エアバッグ145a,145bを膨張させない場合、あるいは膨張による甲部の押圧力を弱くすると、図10に示すように、足の上下への移動を規制しながら脚の前後方向、すなわち水平方向への移動は行うことができる。そしてこのときに、足裏受部144に設けた凸部146により、疲れを癒すツボが多いとされる足裏のマッサージを効果的に行うことができる。しかも、内外第3甲用エアバッグ145a,145bの押圧力を適宜調整すれば、足への下向きの力が変化するため足裏と凸部146との相対的な押圧力が変化して、結果的に凸部146による足裏への刺激量を変化させることもできる。
すなわち、図10(a)に示すように、右第1脚用エアバッグ37(NO.1)及び左第1脚用エアバッグ36(NO.4)に同時に給気して膨張させると、脚は後方(矢印方向)に押されて移動する。その後、逆に右第1脚用エアバッグ37(NO.1)及び左第1脚用エアバッグ36(NO.4)から排気して、右第2脚用エアバッグ35R(NO.2)及び左第2脚用エアバッグ35L(NO.3)に同時に給気して膨張させると、図10(a)に示すように、脚は前方(矢印方向)に押されて移動する。このように、足を強制的に前後移動させることができるため、足裏受部144に設けた凸部146によって、自動的に足裏マッサージが行えることになる。なお、図10中、符号Mは、被施療者の脚位置を示しており、脚を断面視で示したものである。このように、本マッサージ機では、制御部4によって、第1のエア施療部(NO.1:右第1脚用エアバッグ37、NO.4:左第1脚用エアバッグ36)と第2のエア施療部(NO.2:右第2脚用エアバッグ35R、NO.3:左第2脚用エアバッグ35L)における各エアバッグの膨縮を交互に行わせて被施療者の脚を前後方向にスライドさせ、凸部146による足裏マッサージを実行することができる。
さらに、本マッサージ機では、制御部4によって、第1のエア施療部(NO.1:右第1脚用エアバッグ37、NO.4:左第1脚用エアバッグ36)と第2のエア施療部(NO.2:右第2脚用エアバッグ35R、NO.3:左第2脚用エアバッグ35L)によるエアマッサージを実行中に、内外第3甲用エアバッグ145a,145bの押圧力を変更して、被施療者の足の移動方向及び/又は移動規制力を選択的に変更することができる。したがって、被施療者は自分の好みに応じた脚マッサージあるいは足裏マッサージを行うことができる。
ところで、脚を脚受部14a内で強制的に前後移動させて足裏マッサージを行う場合は、右第1脚用エアバッグ37(NO.1)及び左第1脚用エアバッグ36(NO.4)を排気する場合は、外エアバッグ37b,36bまで排気してもよい。
また、本実施形態では、凸部146は固定された突起であるが、これを上下に出没自在に構成することもできる。その場合、凸部146を上下移動させるアクチュエータについても当然ながら制御部4によって管理されることになる。そして、凸部146の突出量を制御することで、足裏への刺激量を変化させることができる。
(ニ)の回転マッサージは、図11に示すように、制御部4は、先ず、NO.1に給気して膨張させ、脚を右前方から押圧する(図11(a))。そして、2秒後にNO.2に給気して膨張させ、脚への右後方からの押圧を加える(図11(b))。次いで、2秒後にNO.3に給気して膨張させ、脚への左後方からの押圧をさらに加える(図11(c))。また、2秒後にNO.4に給気して膨張させ、脚への左前方からの押圧をさらに加える一方、同時にNO.1から排気して収縮させる(図11(d))。その後、図11(e)、図11(f)に示すように、順次、NO.2、NO.3から排気して収縮させ、最後にNO.4から排気して収縮させ、脚への押圧を解除する(図11(g))。かかるサイクルを繰り返す回転マッサージは、図示したように、脚への押圧は平面視で右回りであるが、左回りにしてもよいし、左右の脚受部14a内で、回転方向を違えても構わない。また、この回転マッサージでも、内外第3甲用エアバッグ145a,145bを作動させて足の甲部を保持して足(脚)が逃げないようにすれば、より効果的なマッサージが実現される。
すなわち、この回転マッサージでは、NO.1の給気→2秒後にNO.2の給気→2秒後にNO.3の給気→2秒後にNO.4の給気(同時にNO.1の排気)→2秒後にNO.2の排気→2秒後にNO.3の排気→2秒後にNO.4の排気というサイクルが繰り返される。
また、この回転マッサージの一形態として、予めNO.4とNO.1に給気しておき、1.5秒後にNO.4の排気→0.5秒後にNO.2の給気→2秒後にNO.3の給気(同時にNO.1の排気)→2秒後にNO.4の給気→0.5秒後にNO.1の給気、そしてまたNO.4の排気というサイクルを繰り返すようにすることもできる。
(ホ)の左右揺らしマッサージは、図12に示すように、制御部4は、先ず、NO..1及びNO.2を5秒かけて同時に給気して膨張させ、脚を左方向へ押す(図12(a))。次いで、3秒かけてNO..1及びNO.2を排気して収縮させる(図12(b))。次に、制御部4は、NO..3及びNO.4を5秒かけて同時に給気して膨張させ、今度は脚を右方向へ押す(図12(c))。次いで、3秒かけてNO..3及びNO.4を排気して収縮させる(図12(d))。すなわち、左右揺らしマッサージはでは、NO..1及びNO.2の5秒給気→3秒排気→NO..3及びNO.4の5秒給気→3秒排気というサイクルを繰り返すのである。
また、左右揺らししながら、短時間の間は全締めマッサージを組み合わせることもできる。すなわち、制御部4は、NO..1及びNO.2を5秒かけて同時に給気して膨張させ、脚を左方向へ押し、その3秒後にNO..3及びNO.4を5秒かけて同時に給気して膨張させ、2秒間脚を四方から押圧する。そして、NO..1及びNO.2を排気して収縮させるとともに、その3秒後にはNO..3及びNO.4を排気して収縮させるというサイクルを繰り返すのである。つまり、NO..1及びNO.2の5秒給気→3秒後にNO..3及びNO.4の5秒給気→2秒後にNO..1及びNO.2の排気→3秒後にNO..3及びNO.4の排気というサイクルを繰り返す。
(ヘ)の全体パルスマッサージは、図13に示すように、制御部4は全締めマッサージの場合と略同様な動作をさせるが、給気時間、排気時間が全締めマッサージよりもかなり短くなっている。すなわち、NO.1〜NO.4の全てを2秒で給気して膨張させ、脚を四方から締めつけ(図13(a))、その後、制御部4は、NO.1〜NO.4の全てを1秒で排気させて収縮させて脚の締めつけを即座に開放する(図13(b))というサイクルを繰り返すのである。つまり、締めマッサージは、NO.1〜NO.4の2秒給気→NO.1〜NO.4の1秒排気のサイクルの繰り返しであり、適度な締めつけ力がパルスのように連続して発生する脚マッサージとなる。
(ト)の部分パルスマッサージは、NO.1〜NO.4の4つのエアバッグの中の1つが、短時間膨張して脚を押圧するパルス動作を、順次行うものである。例えば、制御部4は、先ず、NO.2〜NO.4に給気して膨張させるとともに、NO.1については1秒間給気して膨張させ即座に排気して収縮させるパルス動作を行う(図14(a))。そして、このパルス動作を10回行うと、3秒かけて全て排気して収縮させる(図14(b))。そして、制御部4は、NO.2、NO.3、NO.4の順にパルス動作させるのである。このように、部分パルスマッサージでは、パルス動作するエアバッグが周方向に順次移動することになる。
また、図示しないが、パルスマッサージの一例として、NO.1及びNO.4に給気して脚を前方から押圧保持した状態とし、かかる状態で、NO.2とNO.3とに1秒間給気して膨張させるとともに1秒間で排気して即座に収縮させるパルス動作を行うのである。あるいは、やはりNO.1及びNO.4に給気して脚を前方から押圧保持した状態とした中で、NO.2とNO.3とを、1秒間給気して膨張させるとともに1秒間で排気して即座に収縮させるパルス動作を交互に行うこともできる。なお、パルス動作における1秒給気1秒排気を2秒給気2秒排気としても構わない。
以上、脚用マッサージの具体例について説明したが、本実施形態では、各脚受部14aに左右第1脚用エアバッグ36,37及び左右第2脚用エアバッグ35L,35Rの4組のエア施療部を設け、被施療者の脚を四方から押圧可能としているため、通常はマッサージできなかった脚の前側である脛部分までマッサージが可能となり、脚の疲れなどを癒す効果的なマッサージが実現できる。しかも、左右第1脚用エアバッグ36,37のうちのいずれかを脚の保持用として使用することができるため、脚の前側である脛部分までもマッサージしながら、脚はしっかりと保持した状態を維持することが可能となり、ふくらはぎ部分のマッサージ効果もより向上する。
ところで、本実施形態では、膨張させた状態を維持するエアバッグを、左右第1脚用エアバッグ36,37のうち、脛の中でも比較的に筋肉がついていない方とした。つまり、左脚用であれば右第1脚用エアバッグ37(NO.1)、右脚用であれば左第1脚用エアバッグ36(NO.4)の膨張状態を維持するように制御した。そして、他の脚用エアバッグ30については、その膨縮動作を任意に制御できるようにしている。したがって、脚の保持をする際に、膨縮によるマッサージを実行しない第1のエア施療部は、比較的に筋肉のついていない脛の内側部分を押圧することになるため、良好なマッサージ感を損なうおそれがない。
また、このとき、左脚用であれば左第1脚用エアバッグ36(NO.4)、右脚用であれば右第1脚用エアバッグ37(NO.1)は、膨縮を繰り返して脛の外側部分をマッサージするが、左脚用の左第1脚用エアバッグ36の外エアバッグ36b及び右脚用の右第1脚用エアバッグ37の外エアバッグ37bは、それぞれその膨張状態を維持することにより、左脚用であれば内エアバッグ36aの、右脚用であれば内エアバッグ37aの膨縮開始位置を規定することになる。つまり、各内エアバッグ36a,37aは、脚受部14a内の奥行き方向(奥部面141aの方向)において適宜位置に規定されることになる。
また、本マッサージ機は、脚載部14における脚受部14aの半割筒体状の空間を、脚用エアバッグ30により埋めてしまうことができる。すなわち、被施療者は脚を脚受部14aの中に収容させるのではなく、自然な状態で脚受部14aの外に脚を位置させることができる。
すなわち、左右第1脚用エアバッグ36,37及び左右第2脚用エアバッグ35L,35Rの全てに略マックスで給気すると、図15(a)に示すように、左右第1脚用エアバッグ36,37の内エアバッグ36a,37aの先端同士が付き当たる状態となる。被施療者は、左右第1脚用エアバッグ36,37の内エアバッグ36a,37aの上に脚を載置することが可能となる。また、このとき、脚は、左右第1脚用エアバッグ36,37の外エアバッグ36b,37bによって左右から保持される状態となる。
また、左右第2脚用エアバッグ35L,35Rと、左右第1脚用エアバッグ36,37の外エアバッグ36b,37bには略マックスで給気する一方、左右第1脚用エアバッグ36,37の内エアバッグ36a,37aには給気を行わないか、あるいは少量の給気とすれば、図15(b)に示すように、左右第1脚用エアバッグ36,37の外エアバッグ36b,37bの先端同士が付き当たる状態となる。よって、被施療者は、左右第1脚用エアバッグ36,37の外エアバッグ36b,37bの上に脚を載置することが可能となる。この場合、図15(a)で示した例よりも脚載置面が広くとれる。
このように、脚受部14aの半割筒体状の空間を、脚用エアバッグ30により埋めてしまうと、例えば、脚載部14を上方へ回動させると、通常であれば、脚は脚受部14aの奥部面141aに載置された状態となるが、図15に示した例では、脚をより上側位置に載置できるようになり、脚のだるさを解消する場合などに有効となる。
また、脚載部14が通常の位置、すなわち、脚受部14aが略鉛直方向に位置している場合、脚の一部は脚受部14a内にあるため、脚が大きく前方にはみ出す不自然な姿勢となることもない。
ところで、本実施形態においては、中央立壁143に取付けられる左第1脚用エアバッグ36の左内エアバッグ36aと左外エアバッグ36bとは、それぞれ基端部分が略同一個所で中央立壁143に連結されており、側壁142に取付けられる右第1脚用エアバッグ37の右内エアバッグ37aと右外エアバッグ37bとは、これらもそれぞれ基端部分が略同一個所で側壁142に連結されていた。そこで、左内エアバッグ36aと左外エアバッグ36bとの連結位置、及び、右内エアバッグ37aと右外エアバッグ37bとの連結位置をそれぞれ離隔させ、全ての脚用エアバッグ30に略マックスで給気すると、図16に示すように、脚受部14a全体を埋め尽くすことが可能となる。この場合、前方開放面があたかも閉蓋されたようになる。したがって、脚載部14を上方へ回動させた場合、被施療者は、上体よりもかなり上方位置に脚を載置することが可能となる。
上述してきた実施形態から、以下のマッサージ機が実現する。
(1)座部11と、この座部11の前部に連結した脚載部14と、を具備するマッサージ機において、脚載部14は、被施療者の脚を収容できるようにそれぞれ半割円筒状に形成された左右一対の脚受部14a,14aを備え、各脚受部14aは、それぞれ脚用エアバッグ30を具備する4組のエア施療部(例えば、左右第1脚用エアバッグ36,37及び左右第2脚用エアバッグ35L,35R)を備え、被施療者の脚を四方から押圧可能としたマッサージ機。
かかる構成によれば、ふくらはぎの筋肉部分をはじめとする脚全体を十分に揉みほぐすことができ、心地よい脚マッサージを実現することができる。
(2)上記(1)の構成において、前記エア施療部は、各脚受部14aの開放面側に配置されて被施療者の脚を前方から押圧可能とした左右一対の第1のエア施療部(例えば、左右第1脚用エアバッグ36,37)と、各脚受部14aの奥部壁141側に配置されて被施療者の脚を後方から押圧可能とした左右一対の第2のエア施療部(例えば、左右第2脚用エアバッグ35L,35R)とからなり、左右一対の第1のエア施療部のうち、一方の第1のエア施療部のエアバッグ(例えば、左側の脚受部14aであれば右第1脚用エアバッグ37、右側の脚受部14aであれば左第1脚用エアバッグ36)は膨張状態が維持できるように構成され、他方の第1のエア施療部のエアバッグ及び前記第2のエア施療部のエアバッグは膨張収縮を繰り返すように構成されているマッサージ機。
かかる構成によれば、複数個所に配置された第1のエア施療部のうち、1つのみが膨縮によるマッサージを実行せずに脚の保持用に用いられ、他の全てのエア施療部により脚のマッサージを行うため、脚全体のより良好なマッサージが可能となる。
(3)上記(2)の構成において、前記一方の第1のエア施療部のエアバッグ(例えば、左側の脚受部14aであれば右第1脚用エアバッグ37、右側の脚受部14aであれば左第1脚用エアバッグ36)は、被施療者の脛の内側部分を押圧可能な個所に配置されているマッサージ機。
かかる構成によれば、脚の保持をする際に、膨縮によるマッサージを実行しない第1のエア施療部は、比較的に筋肉のついていない脛の内側部分を押圧することになるため、良好なマッサージ感を損なうおそれがない。
(4)上記(2)又は(3)の構成において、前記第2のエア施療部(例えば、左右第2脚用エアバッグ35L,35R)は、少なくともふくらはぎを押圧可能な個所に配置されているマッサージ機。
かかる構成によれば、脚の中で筋肉の多いふくらはぎ部分については十分なマッサージが期待できる。
(5)上記(1)〜(4)の構成において、各エア施療部(例えば、左右第1脚用エアバッグ36,37、左右第2脚用エアバッグ35L,35R)は、それぞれ複数のエアバッグ(例えば、左第1脚用エアバッグ36の左内外エアバッグ36a,36b及び右第1脚用エアバッグ37の右内外エアバッグ37a,37b)が重合されて構成されているマッサージ機。
かかる構成によれば、脚の太さなどの違いにも対応しながら多様なエアマッサージが可能となり、誰もが心地よい脚マッサージを体感可することができる。
(6)上記(5)の構成において、前記一方の第1のエア施療部(例えば、左右第1脚用エアバッグ36,37)における重合状態に配置された複数のエアバッグ(例えば、左第1脚用エアバッグ36の左内外エアバッグ36a,36b及び右第1脚用エアバッグ37の右内外エアバッグ37a,37b)のうち、少なくとも被施療者の脚に対して最外側に位置するエアバッグ(例えば、左第1脚用エアバッグ36の左外エアバッグ36b及び右第1脚用エアバッグ37の右外エアバッグ37b)は、その膨張状態を維持して、重合する他のエアバッグ(例えば、左第1脚用エアバッグ36の左内エアバッグ36a及び右第1脚用エアバッグ37の右内エアバッグ37a)の脚受部14a内の奥行方向における膨縮開始位置を規定可能としたマッサージ機。
かかる構成によれば、脚の太さなどの違いにも対応して脚をしっかり保持することが可能であり、(5)の効果をより高めることができる。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかの構成において、脚載部14は、被施療者の足裏を受ける足裏受部144をさらに備えており、脚受部14aは、足裏受部144に載置された被施療者の足をエアバッグ(例えば、内外第3甲用エアバッグ145a,145b)により押圧して、被施療者の足の上下方向への移動を規制する第3のエア施療部を備えるマッサージ機。
かかる構成によれば、足の甲を保持して上下への移動を規制した状態で脚マッサージが行え、マッサージ効果を高めることができる。
(8)上記(7)の構成において、前記第3のエア施療部(例えば、内外第3甲用エアバッグ145a,145b)は、さらに、被施療者の足の水平方向への移動を規制して当該足を固定可能としたマッサージ機。
かかる構成によれば、足をしっかりと固定することが可能となり、例えば足首のストレッチなどが可能となって、マッサージ効果を高めることができる。
(9)上記(7)又は(8)の構成において、足裏受部144の上面に凸部146を設けたマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、疲れを癒すツボが多いとされる足裏のマッサージを効果的に行えるようになる。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかの構成において、前記各エアバッグの膨張及び収縮を制御する制御手段(例えば、制御部4)を備え、前記制御手段は、前記第1のエア施療部と前記第2のエア施療部におけるエアバッグ(例えば、左右第1脚用エアバッグ36,37、左右第2脚用エアバッグ35L,35R)の膨縮を行わせて、被施療者の脚を前方から、あるいは後方から押圧するエアマッサージを実行可能としたマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、脛やふくらはぎなど、すなわち脚全体を十分にマッサージすることができる。
(11)上記(10)の構成において、前記制御手段(例えば、制御部4)は、前記第1のエア施療部と前記第2のエア施療部におけるエアバッグ(例えば、左右第1脚用エアバッグ36,37、左右第2脚用エアバッグ35L,35R)の膨縮を交互に行わせて被施療者の脚を前後方向にスライドさせ、凸部146による足裏マッサージを実行可能としたマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、被施療者は意識して足を動かしたりすることなく、疲れを癒すツボが多いとされる足裏のマッサージを効果的に行うことができる。
(12)本発明は、上記(10)又は(11)の構成において、前記制御手段(例えば、制御部4)は、前記第1のエア施療部におけるエアバッグ(例えば、左右第1脚用エアバッグ36,37)の膨張及び収縮を、一方のエアバッグと他方エアバッグとで独立して制御可能であるマッサージ機。
かかる構成により、脛のどの個所の押圧状態を維持して脚を保持するかを複数の第1のエア施療部の中から選択して決定することができ、被施療者の好みに応じたマッサージが実現できる。
(13)上記(10)〜(12)のいずれかの構成において、前記制御手段(例えば、制御部4)は、前記第1のエア施療部(例えば、左右第1脚用エアバッグ36,37)と前記第2のエア施療部(例えば、左右第2脚用エアバッグ35L,35R)によるエアマッサージを実行中に、前記第3のエアバッグ(例えば、内外第3甲用エアバッグ145a,145b)の押圧力を変更しし、被施療者の足を固定するか、あるいは前記押圧力に応じた度合いで足の移動を規制するかを変更可能としたマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、被施療者は自分の好みに応じた脚マッサージあるいは足裏マッサージを行うことができる。
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
例えば、エアバッグ3のサイズ、形状、材料などは適宜設計することができる。また、配置数も適宜設定してよく、例えば、脚載部14の脚用エアバッグ30を、脚受部14aの長手方向に2段に分けて配設するなど、エアバッグ数を変更してもよい。
また、本実施形態では、左右第1脚用エアバッグ36,37及び左右第2脚用エアバッグ35L,35Rを縦長に形成したが、これらを縦方向に複数に並設してもよい。
また、本実施形態では、背もたれ部12の略中央位置に第6のエアバッグ39を配設した構成としていた。そのため、機械式マッサージユニット5の昇降範囲の最下点位置が第6のエアバッグ39の直上方位置に規制されていたが、例えば、機械式マッサージユニット5を、第6のエアバッグ39を取付た背当て板16を後方に潜てって跨いで昇降できるような構成として、機械式マッサージユニット5の昇降範囲を可及的に広くすることもできる。あるいは、背当て板16を挟んで、その上下に機械式マッサージユニット5をそれぞれ昇降自在に配置する構成としてもよい。