JP7345412B2 - クリヤ塗装ステンレス鋼板 - Google Patents
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Description
電化製品に使用されるステンレス鋼板は、非塗装で使用されるものと、表面に塗装を施して使用されるものとに大別される。特に、電化製品の外装材として使用されるステンレス鋼板は、意匠性を付与したり、耐食性や耐汚染性等を高めたりする目的からステンレス鋼板の表面(品質保証面)を塗装して使用される場合が多い。
クリヤ塗装ステンレス鋼板は、クリヤ樹脂層の透明性により金属表面が透けて見えることで高い意匠性を維持しているが、クリヤ樹脂層の色調が濃くなるにつれて、クリヤ樹脂層中の顔料の含有量が増えていくため、必然的にクリヤ樹脂層の透明性は低下する傾向にある。
そこで、クリヤ樹脂層中の顔料の粒子径等を規定することで、クリヤ樹脂層の透明性と濃い色調とを両立させたクリヤ塗装ステンレス鋼板が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、消臭剤を配合した塗料をステンレス鋼板に塗装すると、クリヤ樹脂層の透明性が十分に得られず、クリヤ塗装ステンレス鋼板の意匠性が低下することがある。そのため、消臭効果を有するクリヤ塗装ステンレス鋼板は、未だ見出されていないのが現状である。
そこで、クリヤ樹脂層に含まれる顔料および消臭剤の粒子径を規定しつつ、特定の分散剤を併用することで、意匠性と消臭効果を両立できるとの着想に基づき、本発明を完成するに至った。
[1] ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面に形成されたクリヤ樹脂層とを具備し、前記クリヤ樹脂層は、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物と、平均粒子径が10~1100nmであり、かつ顔料分散粒度が5~20μmである顔料と、平均粒子径が5~300nmである消臭剤と、前記顔料用の分散剤(α)と、前記消臭剤用の分散剤(β)とを含み、前記クリヤ樹脂層の顔料容積濃度が0.8~2.5%であり、前記分散剤(β)がリン酸基を含む分散剤である、クリヤ塗装ステンレス鋼板。
[2] 前記顔料と前記分散剤(α)の組み合わせが、下記(A)~(C)のいずれかである、前記[1]のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
(A):前記顔料が酸性顔料であり、前記分散剤(α)が塩基性分散剤である組み合わせ。
(B):前記顔料が塩基性顔料であり、前記分散剤(α)が酸性分散剤である組み合わせ。
(C):前記顔料が両性顔料であり、前記分散剤(α)が両性分散剤である組み合わせ。
図1は、本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板の一実施形態例を模式的に示す断面図である。
本実施形態例のクリヤ塗装ステンレス鋼板10は、ステンレス鋼板11と、該ステンレス鋼板11の一方の面に形成されたクリヤ樹脂層12とを具備して構成されている。
なお、図1においては、説明の便宜上、寸法比は実際のものと異なったものである。
クリヤ樹脂層12の可視光領域の光線透過率が30%未満であると、可視光は僅かに透過しているものの、目視ではステンレス鋼板11を殆ど見ることはできない。そのため、ステンレスの持つ美麗な外観を活かした意匠は得られない。
特に、クリヤ樹脂層12の可視光透過率は40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
ステンレス鋼板11としては、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系(二相系)など、一般に使用される公知のステンレス鋼板を用いることができる。
研磨処理としては、No.4研磨、ヘアライン(HL)研磨、2B研磨など、一般に使用される研磨方法が挙げられる。
化成処理塗膜としては、アミノシラン系シランカップリング剤およびエポキシシラン系シランカップリング剤の一方または両方を含有する塗膜が好ましい。ステンレス鋼板11とクリヤ樹脂層12との間に、これらシランカップリング剤を含有する化成処理塗膜を有していれば、無公害なクロメートフリーにでき、さらにステンレス鋼板11とクリヤ樹脂層12との密着性を高くできる。
ここで、アミノシラン系カップリング剤としては、例えば、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
エポキシ系シランカップリング剤としては、例えば、2-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
化成処理塗膜の付着量は、蛍光X線分析にてSiO2量を測定することによって求めることができる。
本実施例のクリヤ樹脂層12は、ステンレス鋼板11の一方の面に形成された塗膜であり、熱硬化性樹脂組成物と、顔料と、消臭剤と、顔料用の分散剤(α)と、消臭剤用の分散剤(β)とを含む。クリヤ樹脂層12は、ポリオレフィン系ワックスをさらに含むことが好ましい。クリヤ樹脂層12は、熱硬化性樹脂組成物、顔料、消臭剤、分散剤(α)、分散剤(β)およびポリオレフィン系ワックス以外の成分(任意成分)を含んでいてもよい。
熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む。
熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を硬化させる架橋樹脂をさらに含むことが好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物は、硬化触媒をさらに含んでいてもよい。
熱硬化性樹脂としては特に制限されないが、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、クリヤ樹脂層12に高硬度および透明性を付与する観点で、アクリル樹脂が好ましい。
架橋性官能基を有するアクリル樹脂はステンレス鋼板11に対する密着性に優れるので、クリヤ樹脂層12が該アクリル樹脂を含むことで、ステンレス鋼板11とクリヤ樹脂層12とが良好に密着する。
ここで、「架橋性官能基」とは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシシラン基などから選ばれる1種または2種以上の官能基である。アクリル樹脂は架橋性官能基を1分子あたり、2つ以上有することが好ましい。
非官能性アクリル単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸ラウリル等の脂肪族または環式アクリートなどが挙げられる。
これら非官能性アクリル単量体は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシ基を有する単量体は、1分子中にヒドロキシ基と重合性不飽和二重結合をそれぞれ1つ以上含有する単量体である。このような単量体としては、例えばアクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキルエステル;ラクトン変性水酸基含有ビニル重合モノマー(例えば、プラクセルFM1、2、3、4、5、FA-1、2、3、4、5(以上、株式会社ダイセル製)等)などが挙げられる。
カルボキシ基を有する単量体は、1分子中にカルボキシ基と重合性不飽和二重結合をそれぞれ1つ以上含有する単量体である。このような単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
アルコキシシラン基を有する単量体は、1分子中にアルコキシシラン基と重合性不飽和二重結合をそれぞれ1つ以上含有する単量体である。このような単量体としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
これら架橋性官能基を有する重合性単量体は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
他の単量体としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類;アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミドなどが挙げられる。
これら他の単量体は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル樹脂のガラス転移温度を前記範囲にするためには、アクリル樹脂の組成を適宜選択すればよい。
アクリル樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)の測定により求めた値である。
アクリル樹脂の数平均分子量は、アクリル樹脂を製造する際の条件(例えば、重合温度、重合開始剤の種類や量等)によって調整することができる。
アクリル樹脂の数平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)により測定される、標準ポリスチレン換算の値である。
架橋樹脂は、熱硬化性樹脂を硬化させる樹脂である。
熱硬化性樹脂組成物が架橋樹脂を含むことで、熱硬化性樹脂が架橋構造となる。すなわち、熱硬化性樹脂組成物は、架橋樹脂で架橋された熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂が架橋樹脂で架橋されることで、クリヤ樹脂層12の強度が高まるとともに、ステンレス鋼板11に対するクリヤ樹脂層12の密着性が向上する。
架橋樹脂としてイソシアネート樹脂を用いる場合、加工性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られる。一方、架橋樹脂としてアミノ樹脂を用いる場合、クリヤ樹脂層12の表面硬度が高まる。
これら架橋樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート樹脂としては、ノンブロックタイプおよびブロックタイプのいずれも使用可能であるが、プレコート型塗装による生産を行う場合は、連続生産時の作業性に優れる点で、ブロックタイプが好ましい。
これらブロックタイプのイソシアネート樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
メラミン樹脂は、変性するアルコールの種類によってメチル化メラミン樹脂、n-ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、混合アルキル化メラミン樹脂などに分類される。これらの中でも、反応性に優れ、かつ可とう性とのバランスに優れる点で、メチル化メラミン樹脂が特に好ましい。
n-ブチル化メラミン樹脂としては、マイコート506、508、ユーバン20SB、20SE、21R、22R、122、125、128、220、225、228、28-60、20HS、2020、2021、2028、120(以上、三井化学株式会社製)、PLASTOPAL EBS 100A、100B、400B、600B、CB(以上、BASFジャパン株式会社製)、アミディアJ-820、L-109、L-117、L-127、L-164(以上、DIC株式会社製)、メラン21A、22、220、2000、8000(以上、日立化成株式会社製)等が挙げられる。
イソブチル化メラミン樹脂としては、ユーバン60R、62、62E、360、361、165、166-60、169、2061(以上、三井化学株式会社製)、アミディアG-821、L-145、L-110、L-125(以上、DIC株式会社製)、PLASTOPAL EBS 4001、FIB、H731B、LR8824(以上、BASFジャパン株式会社製)、メラン27、28、28D、245、265、269、289(以上、日立化成株式会社製)等が挙げられる。
混合アルキル化メラミン樹脂としては、サイメル267、285、232、235、236、238、211、254、204、212、202、207(以上、三井化学株式会社製)等が挙げられる。
これらアミノ樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化触媒は、熱硬化性樹脂と架橋樹脂との架橋反応を促進させるものである。
硬化触媒は、熱硬化性樹脂組成物に含まれる架橋樹脂の種類に応じて決定される。例えば、熱硬化性樹脂組成物が架橋樹脂としてイソシアネート樹脂を含有する場合、硬化触媒としては有機錫触媒が好ましい。
有機錫触媒としては、例えばジ-n-ブチル錫オキサイド、n-ジブチル錫クロライド、ジ-n-ブチル錫ジラウレート、ジ-n-ブチル錫ジアセテート、ジ-n-オクチル錫オキサイド、ジ-n-オクチル錫ジラウリレート、テトラ-n-ブチル錫などが挙げられる。
これら有機錫触媒は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
顔料としては、無機顔料、カーボン顔料、有機顔料のいずれであってもよい。
無機顔料としては、例えば酸化鉄等が挙げられる。
カーボン系顔料としては、例えばカーボンブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば溶性アゾ、縮合アゾ、モノアゾ、ジアゾ等のアゾ系顔料;フタロシアニン、アントラキノン、インジゴ、ペリレン、ペリノン、ジオキサジン、キナクリドン、イソインドリノン、ジケトピロロピロール、フラバンスロン、アンスラピリミジン、アシルアミン、キノフタロン、ピロコリン、フルオロピン等の多環系顔料;ニッケルアゾ等の金属錯体系顔料等が挙げられる。
ここで、顔料が酸性であるか、塩基性であるか、両性であるかは、pHの異なる水性媒体中で顔料のゼータ電位を測定し、顔料の等電点を求めることで判断する。pHの異なる水性媒体中で測定したゼータ電位の測定点を結ぶ線が、電位ゼロの線と交わった点が等電点であり、等電点における水性媒体のpHを顔料の酸塩基性の指標とする。等電点における水性媒体のpHが6.0未満となる顔料を酸性顔料とし、等電点における水性媒体のpHが6.0以上、8.0未満となる顔料を両性顔料とし、等電点における水性媒体のpHが8.0以上となる顔料を塩基性顔料とする。
ゼータ電位の測定に用いる水性媒体としては、水、リン酸塩水溶液、ホウ酸塩水溶液、フタル酸塩水溶液などが挙げられる。
塩基性顔料としては、例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化鉄(レッド)、酸化鉄(イエロー)、酸化鉄(ブラック)等が挙げられる。
両性顔料としては、例えば酸化鉄(ブラウン)、アソレッド、イソインドリノンイエロー等が挙げられる。
これら顔料は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、顔料が無機顔料である場合、平均粒子径は100~200nmが好ましく、100~180nmがより好ましく、100~150nmがさらに好ましい。
顔料がカーボン系顔料である場合、平均粒子径は10~80nmが好ましく、10~50nmがより好ましい。
顔料が有機顔料である場合、平均粒子径は50~1100nmが好ましく、50~800nmがより好ましく、50~500nmがさらに好ましい。
顔料の平均粒子径が上記下限値以上であれば、入手が容易であるとともに、クリヤ樹脂層12が十分に着色する。顔料の平均粒子径が上記上限値以下であれば、クリヤ樹脂層12の透明性および鮮映性が低下しにくく、クリヤ塗装ステンレス鋼板10の意匠性を良好に維持できる。
顔料の平均粒子径は、レーザー回折散乱法の測定により求めた値である。
顔料の顔料分散粒度は、既知の傾きで傾斜した溝が形成された分散粒度測定器を用いて測定する。具体的には、分散粒度測定器の傾斜した溝に、測定対象となる顔料を充填し、溝が形成された表面から顔料が突出し始める箇所を調べる。そして、顔料が突出し始める箇所の溝の深さを分散粒度とする。
クリヤ樹脂層12の顔料容積濃度は、下記式で求められる値である。また、顔料容積濃度はPVCと称されることもある。
顔料容積濃度=[(顔料の容積)/(顔料の容積+樹脂の容積)]×100(%)
上述した範囲の相対透過率となる顔料容積濃度は、ペリレンレッドでは0.8~2.4%であり、フタロシアニンブルーでは0.8~2.1%であり、コロファインブラウンでは1.5~2.5%である。
消臭剤は、一般に分解型の消臭剤と、吸着型の消臭剤とに大別される。
分解型の消臭剤は、臭いの原因となる物質(臭い物質)に化学的な作用を及ぼすことで臭い物質を分解して消臭効果を発揮する、化学的消臭法に基づく消臭剤である。
一方、吸着型の消臭剤は、表面に微細な細孔を有し、該細孔に臭い物質を吸着して無効化することで消臭効果を発揮する、物理的方法に基づく消臭剤である。
吸着型の消臭剤は、細孔が臭い物質で飽和するとそれ以上の消臭効果は得られにくいが、分解型の消臭剤は自身が変化することなく臭い物質を分解するので、消臭効果の持続性に優れる。また、吸着型の消臭剤の場合、消臭機能を高めるために一粒子当たりの細孔の数を増やすことで臭い物質をより多く吸着させようとすると、粒子径が大きくなる傾向にある。粒子径の大きい消臭剤を用いると、十分な透明性が得られにくくなるため、意匠性と消臭効果の両立が困難となる。
消臭効果の持続性、および意匠性と消臭効果の両立の観点から、消臭剤としては分解型の消臭剤が好ましい。
これら消臭剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
結晶分散型の消臭剤は、上述した消臭剤成分を任意の溶媒に分散させたものである。
一方、粉体型の消臭剤は、上述した消臭剤成分が凝集したものや、消臭剤成分を任意の樹脂または金属等の担体に担持させたものである。
クリヤ樹脂層12の透明性に影響しにくく、低コストであり、塗装作業性にも優れる観点から、粉体型の消臭剤が好ましい。
粉体型の消臭剤としては、SSP-20、SSP-25、SSP-M、LCH-C、LCH-A(以上、堺化学工業株式会社製)、AMT-100、AMt-600、JA-1、TKP-101、TKP-102(以上、テイカ株式会社製)、MPT-623、ST-01、ST-21、ST-31、ST-41(以上、石原産業株式会社製)、PHOTHAP(以上、太平化学産業株式会社製)等が挙げられる。
なお、クリヤ樹脂層12に含まれる消臭剤は、平均粒子径が300nm以下と小さいため、顔料としての機能(着色性)を有していない。また、クリヤ樹脂層12に含まれる顔料の機能を妨げる恐れもない。
消臭剤の平均粒子径は、X線小角散乱法の測定により求めた値である。
分散剤(α)は、顔料用の分散剤である。
クリヤ樹脂層12が分散剤(α)を含むことで、クリヤ樹脂層12中での顔料の分散性が高まり、透明性および鮮映性がより向上する。
分散剤(α)は、リン酸基を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。後述するクリヤ塗料の安定性が高まる観点から、リン酸基を含まないことが好ましい。
ここで、分散剤が酸性であるか、塩基性であるか、両性であるかは、分散剤を濃度が10質量%になるように水に分散させた分散液を調製し、JIS K 5101-17-2に準拠して分散液のpHを測定することで判断する。分散液のpHが6.0未満となる分散剤を酸性分散剤とし、分散液のpHが6.0以上、8.0未満となる分散剤を両性分散剤とし、分散液のpHが8.0以上となる分散剤を塩基性分散剤とする。
(A):顔料が酸性顔料であり、分散剤(α)が塩基性分散剤である組み合わせ。
(B):顔料が塩基性顔料であり、分散剤(α)が酸性分散剤である組み合わせ。
(C):顔料が両性顔料であり、分散剤(α)が両性分散剤である組み合わせ。
塩基性分散剤はリン酸基を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。塩基性分散剤としては、例えばヒドロキシ基を含む界面活性剤や、顔料に対して親和性を有するブロック共重合体等が挙げられ、具体的には、DisperBYK-108、109、162、163(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
両性分散剤はリン酸基を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。両性分散剤としては、例えばカルボキシ基等の酸性基を含む共重合体のアミン塩等が挙げられ、具体的には、DisperBYK-106、140、180(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
分散剤(β)は、消臭剤用であり、リン酸基を含む分散剤である。
クリヤ樹脂層12が分散剤(β)を含むことで、クリヤ樹脂層12中での消臭剤の分散性が高まり、消臭剤の平均粒子径が300nm以下と小さくても十分な消臭効果が得られる。
リン酸基を含む酸性分散剤としては、例えばカルボキシ基等の酸性基とリン酸基を含む界面活性剤や、カルボキシ基等の酸性基とリン酸基を含む共重合体等が挙げられ、具体的には、DisperBYK-110、111(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
リン酸基を含む塩基性分散剤としては、例えばヒドロキシ基とリン酸基を含む界面活性剤や、ヒドロキシ基とリン酸基を含むカルボン酸エステル等が挙げられ、具体的には、DisperBYK-108、184(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
リン酸基を含む両性分散剤としては、例えばカルボキシ基等の酸性基とリン酸基を含む共重合体のアミン塩等が挙げられ、具体的には、DisperBYK-142(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
ポリオレフィン系ワックスは潤滑剤である。
クリヤ樹脂層12がポリオレフィン系ワックスを含有すれば、油性潤滑剤等を塗布した場合に比べて潤滑性が高くなり、加工性に優れたクリヤ塗装ステンレス鋼板10が得られる。
これらポリオレフィン系ワックスは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
クリヤ樹脂層12は、硬度、耐疵付き性がより高くなり、また、耐指紋汚染性が高くなることから、シリカゾルを含有してもよい。
シリカゾルは、ナノメートルサイズの粒子から構成されたシリカ粒子である。
シリカゾルとしては、オルガノシリカゾルを用いることができる。オルガノシリカゾルとは、有機溶媒にナノメートルサイズのコロイダルシリカを安定に分散させたコロイド溶液である。
これらオルガノシリカゾルは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
クリヤ樹脂層12の膜厚は1~10μmが好ましく、1.5~5μmがより好ましい。クリヤ樹脂層12の膜厚が1μm以上であれば、加工性を良好に維持できる。加えて、着色効果が十分に得られるので、クリヤ塗装ステンレス鋼板10の意匠性がより高まる。クリヤ樹脂層12の膜厚が10μm以下であれば、透明性を良好に維持できるので、ステンレス鋼板11の素地が見えやすく、意匠性に優れる。加えて、消臭剤がより均一に分散しやすくなる。
次に、上述したクリヤ塗装ステンレス鋼板10の製造方法の一例について説明する。なお、クリヤ塗装ステンレス鋼板10の製造方法は以下の例に限定されるものではない。
この例の製造方法では、まず、ステンレス鋼板11をアルカリ脱脂や酸、アルカリによるエッチング等の公知の前処理を施す。
前記化成処理液としては、例えばアミノシラン系カップリング剤およびエポキシシラン系カップリング剤の一方または両方を含むものが好ましい。また、化成処理液としては、市販品を用いることができる。市販の化成処理液としては、例えばパルコートE305、3750、3751、3753、3756、3757、3970(日本パーカライジング株式会社製)、アルサーフ440(日本ペイント・サーフケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
化成処理液の塗布方法としては、例えば、スプレー、ロールコート、バーコート、カーテンフローコート、静電塗布等を採用できる。
化成処理液の乾燥温度(表面温度)は60~140℃とすることが好ましい。
前記クリヤ塗料は、上述した熱硬化性樹脂組成物と、顔料と、消臭剤と、分散剤(α)と、分散剤(β)と、溶媒と、必要に応じてポリオレフィン系ワックスおよび任意成分の1つ以上とを含むものが好ましい。
クリヤ塗料に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合物;ジエチルエーテル等のエーテル化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒などが挙げられる。これら有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
クリヤ塗料を塗装した後の硬化条件(乾燥温度)は、ステンレス鋼板11の素材最高到達温度(PMT)にして200~270℃となるように加熱することが好ましく、より好ましくは210~250℃である。素材最高到達温度が200℃未満であると、硬化反応が十分に進まず、クリヤ樹脂層12の表面硬度が低下するだけでなく、ステンレス鋼板11とクリヤ樹脂層12との密着性が低下することがある。一方、素材最高到達温度が270℃を超えると、クリヤ樹脂層12の柔軟性が低下しやすくなる。加えて、クリヤ塗装ステンレス鋼板10が黄変して意匠性を低下させることがある。
なお、熱硬化性樹脂組成物が架橋樹脂を含む場合、前記乾燥の際に、熱硬化性樹脂が架橋樹脂によって架橋する。
以上説明したクリヤ塗装ステンレス鋼板は、平均粒子径が10~1100nmであり、かつ顔料分散粒度が5~20μmである顔料と、顔料用の分散剤(α)とを含むクリヤ樹脂層を備え、クリヤ樹脂層の顔料容積濃度が0.8~2.5%である。そのため、クリヤ樹脂層は透明性および鮮映性に優れ、濃く着色されてもステンレス鋼板の視認性に優れるので、クリヤ塗装ステンレス鋼板は高い意匠性を有する。
しかも、クリヤ樹脂層は平均粒子径が5~300nmである消臭剤と、リン酸基を含む消臭剤用の分散剤(β)とを含む。クリヤ樹脂層に含まれる消臭剤の粒子径は小さいため、クリヤ樹脂層の透明性は影響されにくい。加えて、分散剤(β)により消臭剤がクリヤ樹脂層中で均一に分散するため、十分な消臭効果が得られる。
よって、本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、意匠性を損なうことなく、消臭効果に優れる。
本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、家庭用や業務用の電化製品、電子機器製品の筐体や内装材、表装材として好適に使用される。
本発明のクリヤ塗装ステンレス鋼板は、上述したものに限定されない。例えば、上述した実施形態例では、ステンレス鋼板の片面のみにクリヤ樹脂層が形成されているが、ステンレス鋼板の両面にクリヤ樹脂層が形成されていてもよい。また、ステンレス鋼板はクリヤ樹脂層を形成する前に化成処理を施さなくてもよい。
アクリル樹脂として、以下のようにして製造したアクリル樹脂の溶液を用いた。
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合量で、トルエン、酢酸ブチルを入れ、110℃まで昇温し、窒素ガスを吹き込みながら攪拌し、メタクリル酸メチル、スチレン、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸メチル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらにAIBNを追加して同温度でさらに3時間反応させて、不揮発分50%のアクリル樹脂の溶液を得た。
得られたアクリル樹脂のガラス転移温度および数平均分子量を表1に示す。
アクリル樹脂の溶液200質量部(固形分換算で100質量部)に、イソシアネート樹脂としてブロックイソシアネート(住化コベストロウレタン株式会社製、商品名「デスモジュールBL3575/1 MPA/SN」、NCO含有率10.5質量%)20質量部を配合し、熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、アクリル樹脂のヒドロキシル基(OH基)1モルに対する、イソシアネート樹脂のイソシアネート基(NCO基)の割合(NCO/OH)は1モルであった。
得られた熱硬化性樹脂組成物に、顔料として透明の酸化鉄(ブラウン)(DIC株式会社製、商品名「Colrtex Brown J1007」、平均粒子径40nm、顔料分散粒度10μm、両性顔料)を、顔料容積濃度が2.5%となるように添加した。さらに、熱硬化性樹脂組成物100質量部に対して、消臭剤として二酸化チタン(テイカ株式会社製、商品名「AMT-100」、平均粒子径6nm、分散型かつ粉体型)2質量部と、分散剤(α)として酸性基を含む共重合体のアミン塩(ビックケミー社製、商品名「DisPerBYK-180」、リン酸基を含まない両性分散剤)と、分散剤(β)として酸性基とリン酸基を含む共重合体(ビックケミー社製、商品名「DispreBYK-110」、リン酸基を含む酸性分散剤)と、ポリオレフィン系ワックスとしてポリエチレンワックス(株式会社岐阜セラツク製造所製、商品名「ハイフラットX15P-2」、平均粒子径2μm、融点120℃)2質量部とを添加し、クリヤ塗料を得た。
次いで、厚さ1.3mmのガラス板(マツナミガラス製)の片面に、先に得られたクリヤ塗料を塗布し、180℃で20分焼き付けて、厚さ3μmのクリヤ樹脂層をガラス板上に成膜し、試験片(1)を得た。
(1)相対透過率の測定
まず、熱硬化性樹脂組成物100質量部に対して、ポリオレフィン系ワックスとしてポリエチレンワックス(株式会社岐阜セラツク製造所製、商品名「ハイフラットX15P-2」、平均粒子径2μm、融点120℃)2質量部を添加し、評価用のクリヤ塗料を得た。この評価用のクリヤ塗料を厚さ1.3mmのガラス板(マツナミガラス製)の片面に塗布し、180℃で20分焼き付けて、厚さ3μmのクリヤ樹脂層をガラス板上に成膜し、試験片(2)を得た。
次いで、ガラス板自体の可視光領域の光線透過率(可視光透過率)を分光光度計(株式会社島津製作所製、商品名「UV2500PC」)を用いて測定して、ベースラインを作成した。引き続き、試験片(1)および試験片(2)の可視光透過率をそれぞれ測定した。
そして、試験片(2)の可視光透過率を100%としたときの試験片(2)の可視光透過率の割合、すなわち相対透過率を求めた。
この相対透過率はクリヤ樹脂層の透明性の指標であり、相対透過率が高いほど透明性が高い、すなわち意匠性に優れることを示す。結果を表2に示す。
蓋付きのガラス容器に、濃度0.3質量%のアンモニア水溶液を充填し、そこへ試験片(1)を半分が浸漬するように入れ、蓋を閉めてガラス容器を密閉した。紫外線ランプを用い、ガラス容器に紫外線を240時間照射した後、ガラス容器内の臭いを下記評価基準に基づいて、専門パネラー3名が官能評価した。専門パネラーの評価結果の平均値を求め、4点以上を合格とした。結果を表2に示す。
5:臭いを感じない(無臭)。
4:僅かに臭い感じるが、何の臭いかは判別できない。
3:何の臭いか判別できる程度に臭いを感じる。
2:楽に臭いを判別できる。
1:強い臭いを感じる。
表2~6に示す顔料、消臭剤、分散剤(α)および分散剤(β)を用いた以外は、実施例1と同様にしてクリヤ塗料を調製した。得られたクリヤ塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片(1)等を作製し、相対透過率を測定し、消臭効果を評価した。結果を表2~6に示す。
なお、実施例4~6で用いた消臭剤は、二酸化チタン(テイカ株式会社製、商品名「TKP-101」、平均粒子径15nm、分散型かつ粉体型)である。
実施例7~9で用いた消臭剤は、二酸化チタン(テイカ株式会社製、商品名「AMT-600」、平均粒子径30nm、分散型かつ粉体型)である。
実施例10~12で用いた消臭剤は、二酸化チタン(テイカ株式会社製、商品名「JA-1」、平均粒子径180nm、分散型かつ粉体型)である。
実施例13、19、22で用いた分散剤(β)は、ヒドロキシ基とリン酸基を含むカルボン酸エステル(ビックケミー社製、商品名「DisperBYK-108」、リン酸基を含む塩基性分散剤)である。
実施例14、20、23で用いた分散剤(β)は、酸性基とリン酸基を含む共重合体のアミン塩(ビックケミー社製、商品名「DisperBYK-142」、リン酸基を含む両性分散剤)である。
実施例15、18~20で用いた分散剤(α)は、顔料に対して親和性を有するブロック共重合体(ビックケミー社製、商品名「DisperBYK-163」、リン酸基を含まない塩基性分散剤)である。
実施例16、21~23で用いた分散剤(α)は、酸性基を含む共重合体(ビックケミー社製、商品名「DisperBYK-102」、リン酸基を含まない酸性分散剤)である。
実施例17で用いた消臭剤は、二酸化チタン(テイカ株式会社製、商品名「TKD-701」、平均粒子径6nm、分散型かつ結晶分散型)である。
実施例18~20で用いた顔料は、ペリレンレッド(BASF社製、商品名「パリオゲンレッドL3885」、平均粒子径10nm、顔料分散粒度10μm、酸性顔料)である。
実施例21~23で用いた顔料は、フタロシアニンブルー(東洋インキ株式会社製、商品名「リオノールブルーESP」、平均粒子径10nm、顔料分散粒度10μm、塩基性顔料)である。
比較例1で用いた分散剤(β)は、酸性基を含む共重合体(ビックケミー社製、商品名「DisperBYK-102」、リン酸基を含まない酸性分散剤)である。
比較例2で用いた分散剤(β)は、顔料に対して親和性を有するブロック共重合体(ビックケミー社製、商品名「DisperBYK-163」、リン酸基を含まない塩基性分散剤)である。
比較例3で用いた分散剤(β)は、酸性基を含む共重合体のアミン塩(ビックケミー社製、商品名「DisperBYK-180」、リン酸基を含まない両性分散剤)である。
クリヤ樹脂層の顔料容積濃度が7.5%になるように変更した以外は、実施例1と同様にしてクリヤ塗料を調製した。得られたクリヤ塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片(1)等を作製し、相対透過率を測定し、消臭効果を評価した。結果を表6に示す。
分散剤(α)を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてクリヤ塗料を調製した。得られたクリヤ塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片(1)等を作製し、相対透過率を測定し、消臭効果を評価した。結果を表6に示す。
分散剤(β)を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてクリヤ塗料を調製した。得られたクリヤ塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片(1)等を作製し、相対透過率を測定し、消臭効果を評価した。結果を表6に示す。
一方、消臭剤用の分散剤(β)としてリン酸基を含まない分散剤を用いた比較例1~3の場合、相対透過率が低く、透明性に劣っていた。
クリヤ樹脂層の顔料容積濃度が7.5%である比較例4の場合、相対透過率が低く、透明性に劣っていた。
分散剤(α)を用いなかった比較例5の場合、相対透過率が低く、透明性に劣っていた。
分散剤(β)を用いなかった比較例6の場合、相対透過率が低く、透明性に劣っていた。また、十分な消臭効果が得られなかった。
11 ステンレス鋼板
12 クリヤ樹脂層
Claims (2)
- ステンレス鋼板と、該ステンレス鋼板の少なくとも一方の面に形成されたクリヤ樹脂層とを具備し、
前記クリヤ樹脂層は、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物と、平均粒子径が10~1100nmであり、かつ顔料分散粒度が5~20μmである顔料と、平均粒子径が5~300nmである消臭剤と、前記顔料用の分散剤(α)と、前記消臭剤用の分散剤(β)とを含み、
前記クリヤ樹脂層の顔料容積濃度が0.8~2.5%であり、
前記分散剤(β)がリン酸基を含む分散剤である、クリヤ塗装ステンレス鋼板。 - 前記顔料と前記分散剤(α)の組み合わせが、下記(A)~(C)のいずれかである、請求項1に記載のクリヤ塗装ステンレス鋼板。
(A):前記顔料が酸性顔料であり、前記分散剤(α)が塩基性分散剤である組み合わせ。
(B):前記顔料が塩基性顔料であり、前記分散剤(α)が酸性分散剤である組み合わせ。
(C):前記顔料が両性顔料であり、前記分散剤(α)が両性分散剤である組み合わせ。
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