JP2015054944A - 有機溶剤型塗料組成物およびそれを用いる塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
アクリル樹脂とエポキシ樹脂とを含有し、かつ特定の一次粒子の個数平均粒子径および比表面積を有する粉末シリカを配合するアルミホイールの防食塗料の貯蔵安定性を改善する。
【解決手段】
塗膜形成性樹脂および二酸化ケイ素粒子を含む有機溶剤型塗料組成物において、上記二酸化ケイ素粒子が、疎水性で炭素含有量0.5〜5.0質量%を有し、かつ一次粒子の個数平均粒子径3〜25nmを有し、更に二酸化ケイ素粒子が塗膜形成性樹脂の固形分に対して5〜15質量%の量で塗料組成物中に存在することを特徴とする、有機溶剤型塗料組成物およびそれを用いる塗膜形成方法。
【選択図】なし
アクリル樹脂とエポキシ樹脂とを含有し、かつ特定の一次粒子の個数平均粒子径および比表面積を有する粉末シリカを配合するアルミホイールの防食塗料の貯蔵安定性を改善する。
【解決手段】
塗膜形成性樹脂および二酸化ケイ素粒子を含む有機溶剤型塗料組成物において、上記二酸化ケイ素粒子が、疎水性で炭素含有量0.5〜5.0質量%を有し、かつ一次粒子の個数平均粒子径3〜25nmを有し、更に二酸化ケイ素粒子が塗膜形成性樹脂の固形分に対して5〜15質量%の量で塗料組成物中に存在することを特徴とする、有機溶剤型塗料組成物およびそれを用いる塗膜形成方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、溶剤型塗料組成物、特にアルミホイールの防食塗料に有用な有機溶剤型塗料組成物およびそれを用いる塗膜形成方法に関する。
一般に、アルミホイールは鋳造、鍛造等の手段によって成形されたアルミニウム系合金に対して、ステンレス合金等の金属小片を打ちつけるショット工程を行い、その後必要部分を切削加工することによって得られている。
このような加工を施されたアルミホイールは、一般に化成処理を施した後で、その全面又は一部に防食塗料を塗装し、更にクリヤー塗料を塗装して、防食性、美粧性、耐候性を維持する。アルミホイールは、高いレベルでの美粧性及び過酷な使用条件下での防食性が要求されるものであるから、このような塗装について、優れた外観、高い防食性能を得るための種々の検討が行われてきた。
特許文献1(特開平06−57178号公報)には、特定の物性を有するアクリル樹脂、エポキシ樹脂、粉末シリカ及び架橋性重合体粒子を含有する防食塗料組成物が記載されている。更に、アクリル樹脂、ブロックイソシアネート化合物、粉末シリカ及び架橋性重合体粒子を含有する厚膜塗料組成物も記載されている。更には、これらの防食塗料組成物と厚膜塗料組成物を使用した塗膜の形成方法も記載されている。
特許文献2(特開2002−241674号公報)には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物、有機ベントナイト、アマイド系湿潤分散剤を含有する防錆用プライマー塗料組成物が記載されている。
特許文献3(特開2002−239455号公報)には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物、有機ベントナイト、アマイド系湿潤分散剤を含有する防錆用プライマー塗料組成物を使用した塗膜形成方法が記載されている。
しかし、上記特許文献1〜3に記載された塗料組成物を使用した塗膜の形成方法によっても、過酷な使用条件下での防食性を満たすものはなかった。
特許文献4(WO2012/096331号公報)には、上記特許文献1〜3の問題を解決する手段として、特定のアクリル樹脂とエポキシ樹脂とを含有し、かつ特定の一次粒子の個数平均径および比表面積を有する粉末シリカを配合するアルミホイールの防食塗料が開示されている。しかしながら、引用文献4の塗料は、貯蔵安定性が悪く、保管場所が高温多湿であった場合、塗料保管中にゲル化を起こすことがあった。
本発明は、特許文献4の塗料の貯蔵安定性を高めることを目的とする。
即ち、本発明は、塗膜形成性樹脂および二酸化ケイ素粒子を含む有機溶剤型塗料組成物において、上記二酸化ケイ素粒子が、疎水性で炭素含有量0.5〜5.0質量%を有し、かつ一次粒子の個数平均粒子径3〜25nmを有し、更に二酸化ケイ素粒子が塗膜形成性樹脂の固形分に対して5〜15質量%の量で塗料組成物中に存在することを特徴とする、有機溶剤型塗料組成物を提供する。
また、本発明は上記二酸化ケイ素粒子を4質量%に調製した水分散液がpHが4〜10であり、塗料組成物のTI値(チキソトロピックインデックス)が3〜4である有機溶剤型塗料組成物である。さらに、基材上に上記有機溶剤型塗料組成物を塗布して、塗膜を形成する塗膜形成方法を提供する。
本発明によれば、二酸化ケイ素粒子が、疎水性であり、炭素含有量0.5〜5.0質量%を有し、かつ一次粒子の個数平均粒子径3〜25nmを有し、さらにその塗料中での存在量が5〜15質量%であると、貯蔵安定性が格段に良くなり、しかもアルミホイールに塗装した場合にエッジカバー性がよく、防錆効果が高くなり、しかも平滑性が向上する。
本発明の有機溶剤型塗料は、塗膜形成性樹脂および二酸化ケイ素粒子を含む。二酸化ケイ素粒子は通常粉末シリカと呼ばれ、SiO2が主成分である。二酸化ケイ素粒子は、塗料の粘性を制御し、加熱硬化時の塗料の流動性も制御し、それによりエッジカバー性を高める。
(二酸化ケイ素粒子)
二酸化ケイ素粒子は、疎水性でなければならない。二酸化ケイ素粒子を疎水性にするには、二酸化ケイ素粒子を表面処理剤、例えばジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチルシラン等で処理をする。二酸化ケイ素粒子の疎水度はメタノール水溶液濡れ性試験で確認できる。親水度が高い二酸化ケイ素粒子は水に湿潤し沈降するが、疎水度の高い二酸化ケイ素粒子はメタノールに湿潤し沈降する。メタノール水溶液濡れ性試験はメタノール濃度を変化させた水溶液に二酸化ケイ素粒子を湿潤させ、沈降した体積を測定する手法である。二酸化ケイ素粒子の60体積(%)が沈降するメタノールの体積濃度を二酸化ケイ素粒子の疎水度として数値化した。メタノールの体積濃度が30%以上であると疎水度は高く、メタノールの体積濃度が60%以上であると疎水度は非常に高いと判断した。メタノール水溶液に沈降した二酸化ケイ素粒子の体積(%)は次式より求める。
沈降体積(%)=各溶液の沈降体積/全沈した時の沈降体積×100
二酸化ケイ素粒子は、疎水性でなければならない。二酸化ケイ素粒子を疎水性にするには、二酸化ケイ素粒子を表面処理剤、例えばジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチルシラン等で処理をする。二酸化ケイ素粒子の疎水度はメタノール水溶液濡れ性試験で確認できる。親水度が高い二酸化ケイ素粒子は水に湿潤し沈降するが、疎水度の高い二酸化ケイ素粒子はメタノールに湿潤し沈降する。メタノール水溶液濡れ性試験はメタノール濃度を変化させた水溶液に二酸化ケイ素粒子を湿潤させ、沈降した体積を測定する手法である。二酸化ケイ素粒子の60体積(%)が沈降するメタノールの体積濃度を二酸化ケイ素粒子の疎水度として数値化した。メタノールの体積濃度が30%以上であると疎水度は高く、メタノールの体積濃度が60%以上であると疎水度は非常に高いと判断した。メタノール水溶液に沈降した二酸化ケイ素粒子の体積(%)は次式より求める。
沈降体積(%)=各溶液の沈降体積/全沈した時の沈降体積×100
図1に上記二酸化ケイ素粒子の疎水度を模式的に示したグラフを示す。三種類の二酸化ケイ素粒子の沈降体積(体積濃度:Vol%)とメタノール溶液濃度(体積濃度:Vol%)の関係を示すグラフであり、図中◆は疎水度の低い二酸化ケイ素粒子が示すグラフで、■は疎水度の高い二酸化ケイ素粒子が示すグラフであり、△は疎水度が非常に高い二酸化ケイ素粒子が示すグラフである。図1に示す二酸化ケイ素粒子の中で、60体積%の二酸化ケイ素が沈降するメタノール溶液の体積濃度を★で表しているが、それが30Vol%を超える、■と▲の二酸化ケイ素粒子が本発明の疎水性の二酸化ケイ素粒子であり、◆は本発明の疎水性の二酸化ケイ素粒子に該当しない。
本発明で使用する二酸化ケイ素粒子は、一次粒子の個数平均粒子径3〜25nm、好ましくは5〜20nm、より好ましくは10〜20nmを有するのが好ましい。一次粒子の個数平均粒子径が3nmを下回ると塗膜の平滑性が低下し、逆に25nmを上回るとエッジカバー性が低下する。一次粒子の個数平均粒子径が好ましい範囲内では、エッジカバー性と塗膜の平滑性とが高位で両立する。尚、一次粒子の個数平均粒子径は、電子顕微鏡観察によって計測した3000〜5000個の粒子の直径の平均値である。
本発明で使用する二酸化ケイ素粒子は、好ましくは炭素含有量0.5〜5.0質量%、より好ましくは1.0〜3.0質量%を有する。二酸化ケイ素粒子の表面を処理し炭素化合物を付着させることにより、樹脂との相溶性が向上する。炭素化合物の含有量が0.5質量%を下回ると塗料の貯蔵安定性が低下し、逆に5.0質量%を上回ると得られる塗膜の平滑性が低下する。炭素含有量が好ましい範囲内では塗料の貯蔵安定性と塗膜の平滑性とが高位で両立する。尚、炭素含有量は、二酸化ケイ素粒子を高周波誘導加熱炉にて酸素を流しながら加熱、燃焼し、得られたガスからH2Oを除去し、残存したガス中のCO2量を赤外線吸収法により測定し、炭素量に換算して炭素含有量を求める。
本発明の二酸化ケイ素粒子は、二酸化ケイ素粒子の量を4質量%に調製した水分散液のpHが4〜10、好ましくはpH4〜7を有する。pHが4を下回ると塗料の貯蔵安定性が低下し、逆にpHが10を上回ると塗膜の平滑性が低下する。pHが好ましい範囲内では貯蔵安定性と平滑性とが高位で両立する。pHの測定方法は、水とエタノールとを質量比1:1とした溶媒に、4質量%となるよう二酸化ケイ素粒子を配合して得られた分散液のpHをpHメータで測定することにより得られる。
本発明で使用する二酸化ケイ素粒子は、一次粒子の個数平均粒子径3〜25nmおよびBET法(気体吸着を用いた窒素ガスによる定圧・容量方法)による比表面積80〜380m2/gの粉末シリカであることが好ましい。このような粉末シリカは、市販のものを使用することができる。具体的には、ミズカシルシリーズ(水澤化学工業株式会社製)、サイリシアシリーズ(富士シリシア株式会社製)、疎水性AEROSILシリーズ(日本アエロジル株式会社製)、ニプシールシリーズ(東ソーシリカ株式会社製)が挙げられる。特に好ましい二酸化ケイ素は、日本アエロジルから市販の疎水性フュームドシリカ、アエロジル・R972(60%の二酸化ケイ素が沈降するメタノール濃度44体積%)である。
二酸化ケイ素粒子は、本発明の有機溶剤型塗料組成物中の塗膜形成性樹脂固形分に対して、5〜15質量%、好ましくは8〜12質量%の量で配合するのが一般的である。配合量が5質量%を下回るとエッジカバー性が低下し、逆に15質量%を上回ると平滑性が低下する。
(塗膜形成性樹脂)
本発明の溶剤型塗料組成物に配合する塗膜形成性樹脂は、アクリル樹脂(1)およびエポキシ樹脂(2)とを含有するものであり、それらの詳細は以下に記載するものである。
本発明の溶剤型塗料組成物に配合する塗膜形成性樹脂は、アクリル樹脂(1)およびエポキシ樹脂(2)とを含有するものであり、それらの詳細は以下に記載するものである。
(アクリル樹脂(1))
アクリル樹脂(1)は、質量平均分子量(以下、Mwと略す)が50,000〜140,000、ガラス転移点(以下、Tgと略す)20〜50℃、水酸基価10〜50mgKOH/g及び酸価10〜40mgKOH/gのアクリル樹脂である。
アクリル樹脂(1)は、質量平均分子量(以下、Mwと略す)が50,000〜140,000、ガラス転移点(以下、Tgと略す)20〜50℃、水酸基価10〜50mgKOH/g及び酸価10〜40mgKOH/gのアクリル樹脂である。
上記アクリル樹脂(1)において、Mwは50,000〜140,000であり、好ましくは50,000〜100,000である。Mwが50,000〜140,000の範囲にあることで良好な密着性、防食性が得られる。Mwが50,000を下回ると、塗膜の防食性が低下し、140,000を超えると密着性が低下する。尚、Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を使用してポリスチレン標準を用いて換算して得られた値である。なお、本明細書におけるMwは、更に詳細にはGPC用カラム(TSKgelsuperHZM−M、4.6mmIDx15cm、カラム温度40℃)を用い、THF(テトラヒドロフラン)を溶離液とし流速0.35ml/分という条件下で測定された値である。
上記アクリル樹脂(1)は、Tgが20〜50℃である。20℃未満であると防食性が低下し、50℃を超えると耐チッピング性が低下するという問題を生じる。Tgは、25〜35℃であることが好ましい。なお、本明細書におけるTgは、各モノマーの単独重合体のガラス転移温度から各モノマーの加重平均より理論的に計算されるガラス転移温度である。
上記アクリル樹脂(1)は、水酸基価が10〜50mgKOH/gである。水酸基価が10mgKOH/g未満であるとクリヤー塗料組成物によって形成される塗膜との密着性が不十分となり、所望の効果を得ることができない。水酸基価が50mgKOH/gを超えると、耐水性が低下するために、十分な防食性が得られない。水酸基価は、10〜30mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価はJIS K1557−1に準拠した方法により求めることができる。
上記アクリル樹脂(1)は、酸価が10〜40mgKOH/gである。酸価が10mgKOH/g未満であると、密着性が低下したり塗膜架橋密度が不足して耐食性が低下するため好ましくない。酸価が40mgKOH/gを超えると、低温でのチッピング性が低下するため好ましくない。酸価は、15〜30mgKOH/gであることがより好ましい。酸価はJIS K1557−5に準拠した方法により求めることができる。
上記アクリル樹脂(1)は上述した物性を満たすものであれば、その化学構造を特に限定されるものではなく、分子内にラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体からなる組成物の重合によって得られるもの等を挙げることができる。
上記分子内にラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルブチル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシル基を有するエチレン性モノマー;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等のカルボキシル基を有するエチレン性モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のモノマー;(メタ)アクリロニトリル、スチレン等の上述したモノマーと共重合可能なエチレン性モノマーからなる単量体組成物を使用して、通常の方法により重合することができるものを挙げることができる。
上記アクリル樹脂(1)は、上記エチレン性不飽和基を有する化合物を原料として使用した乳化重合、溶液重合、懸濁重合等の周知の重合方法によって得ることができる。アクリル樹脂は、合成時に成分の使用量および合成条件を調整することにより、分子量、酸価、水酸基価を調節することができる。アクリル樹脂の合成方法、アクリル樹脂の分子量、ガラス転移点、酸価、水酸基価を調整する具体的な方法は周知である。
本発明におけるアクリル樹脂(1)としては、市販のものを使用することもできる。上記アクリル樹脂(1)として使用することができる市販のアクリル樹脂としては、ダイヤナールHR−2079、ダイヤナールHR−2085(三菱レイヨン社製)等を挙げることができる。
(エポキシ樹脂(2))
上記エポキシ樹脂(2)は、エポキシ当量が210〜1,000g/eqのエポキシ樹脂である。上記エポキシ樹脂(2)は1分子中に2個又はそれ以上のエポキシ基を含有する化合物からなる汎用のエポキシ樹脂である。上記エポキシ樹脂(2)を配合することによって、塗膜の密着性が良好なものとなり、これによって防食性等の物性を良好なものとすることができる。上記エポキシ当量が 210g/eq未満であると、低温での耐チッピング性が低下したり塗膜架橋密度が不足して耐食性が低下するおそれがあり、1,000g/eqを超えると耐水性が低下するおそれがある。上記エポキシ当量は、好ましくは270〜1,000g/eqである。エポキシ当量は、JIS K7236:2001に準拠した方法により求めることができる。
上記エポキシ樹脂(2)は、エポキシ当量が210〜1,000g/eqのエポキシ樹脂である。上記エポキシ樹脂(2)は1分子中に2個又はそれ以上のエポキシ基を含有する化合物からなる汎用のエポキシ樹脂である。上記エポキシ樹脂(2)を配合することによって、塗膜の密着性が良好なものとなり、これによって防食性等の物性を良好なものとすることができる。上記エポキシ当量が 210g/eq未満であると、低温での耐チッピング性が低下したり塗膜架橋密度が不足して耐食性が低下するおそれがあり、1,000g/eqを超えると耐水性が低下するおそれがある。上記エポキシ当量は、好ましくは270〜1,000g/eqである。エポキシ当量は、JIS K7236:2001に準拠した方法により求めることができる。
上記エポキシ樹脂(2)として、具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、1,1,2,2−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、フロログルシン等の多価フェノール類のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;エチレングリコール、ブタンジオール、グリセロール、エリスリトール、ポリオキシアルキレングリコール等の多価アルコール類のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド等の環状脂肪族系エポキシ樹脂;フタル酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸等のポリカルボン酸のエステル縮合物のポリグリシジルエステル系エポキシ樹脂;ポリグリシジルアミン系エポキシ樹脂等があげられる。なかでも、エポキシ当量210〜1,000g/eqのグリシジルエーテル系エポキシ樹脂又は環状脂肪族系エポキシ樹脂が好ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂(2)としては、市販のものを使用することもできる。上記エポキシ樹脂(2)として使用することもできる市販のエポキシ樹脂としては、たとえばEP−0150(新日化エポキシ製造社製)等を挙げることができる。
上記アクリル樹脂(1)とエポキシ樹脂(2)との固形分の配合比率(質量部)は(1)/(2)として100/5〜100/20であり、好ましくは100/5〜100/15である。成分(1)の配合比率が100/5より低いと、耐水密着性が低下し、100/20を超えると、低温での耐チッピング性が低下する。
(有機溶剤)
本発明の溶剤型塗料組成物に配合する有機溶剤は、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系の溶剤が高粘性を発現し、エッジカバー性が向上するので、好ましい。エステル系溶剤の割合が40%以上であれば、芳香族系、ケトン系、エーテル系、アルコール系の溶剤と混合しても良い。
本発明の溶剤型塗料組成物に配合する有機溶剤は、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系の溶剤が高粘性を発現し、エッジカバー性が向上するので、好ましい。エステル系溶剤の割合が40%以上であれば、芳香族系、ケトン系、エーテル系、アルコール系の溶剤と混合しても良い。
(その他の成分)
本発明の溶剤型塗料組成物は、上記塗膜形成性樹脂および二酸化ケイ素粒子以外に、架橋性重合粒子および硬化剤を含んでもよい。架橋性重合粒子は、塗料の粘性を制御することができ、被塗物のエッジ部分の防食性を向上することができる。
本発明の溶剤型塗料組成物は、上記塗膜形成性樹脂および二酸化ケイ素粒子以外に、架橋性重合粒子および硬化剤を含んでもよい。架橋性重合粒子は、塗料の粘性を制御することができ、被塗物のエッジ部分の防食性を向上することができる。
架橋性重合粒子は、個数平均粒子径50〜80nmを有するものが好ましい。架橋性重合粒子の個数平均粒子径は、動的光散乱法を用いた粒子径、粒度分布測定方法(ELS−800、大塚電子社製)によって測定された値である。
上記架橋性重合体粒子として使用できる具体的なものとしては、例えば分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーを全配合中に0.1質量%又はそれ以上使用して乳化重合又は溶液重合させることにより得られるアクリル樹脂粒子等を挙げることができる。具体的には特開昭62−79873号公報等に記載の架橋性重合体微粒子(ミクロゲル)の製法によって得られた架橋性重合体粒子等を挙げることができる。
上記架橋性重合粒子は、本発明の有機溶剤型塗料組成物中の塗膜形成性樹脂固形分に対して、1〜10質量%の量、好ましくは1〜5質量%の量で配合することが好ましい。上記範囲内とすることで、塗装後、熱硬化時における樹脂の流動性が適切となり、エッジカバー性に優れるという効果が得られる点で好ましい。
上記有機溶剤型塗料組成物は、塗料組成物としての性能に影響を与えない範囲であれば、通常の添加剤、例えば、シランカップリング剤、硬化剤、ポリエチレンワックス等のワックス類、可塑剤、レべリング剤、分散剤、増粘剤、表面調整剤等を挙げることができる。
なかでも、シランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤を配合することによって、防食塗料組成物と基材との密着性が向上し、防食性能が改善される点で好ましい。
上記シランカップリング剤は、有機ポリマー(硬化樹脂等)に対して反応性及び/又は親和性を示す有機官能基と、無機系材料(防食塗料組成物に含有される顔料等)に対して反応性及び/又は親和性を示す無機官能基とを併せ持つ化合物である。かかるシランカップリング剤を用いることにより、有機ポリマーと無機系材料とが接する界面の密着性等を向上させることが可能となり、塗膜の防食性及び耐電気防食性を高めることができる。有機ポリマーに対して反応性及び/又は親和性を示す有機官能基としては、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられる。また、無機系材料に対して反応性及び/又は親和性を示す有機官能基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の加水分解可能なアルコキシ基を挙げることができる。
本発明において好ましく用いられるシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロポキシトリメトキシシラン等のγ−グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリプロポキシシラン等のγ−アミノアルキルトリアルコキシシラン;N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリプロポキシシラン等のN−フェニル−γ−アミノアルキルトリアルコキシシラン等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、有機ポリマーに対する反応性に優れるという観点からみてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
シランカップリング剤は、本発明の有機溶剤型塗料組成物中の塗膜形成性樹脂固形分に対して、0.5〜10質量%で用いられることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。かかる割合でシランカップリング剤を用いることにより、得られる塗膜と基材との密着性や塗膜の耐膨れ性をより優れたものとすることができ、性能により優れた有機溶剤型塗料組成物を得ることができる。
また、本発明の有機溶剤型塗料組成物は、更に硬化剤を含んでも良い。硬化剤としてはブロックポリイソシアネートやメラミン樹脂等を挙げることができる。ブロックポリイソシアネートは、特に限定されるものでは無く、ヘキサメチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの各種ジイソシアネートなどを挙げることができる。また、メラミン樹脂は特に限定されるものではなく、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル・ブチル混合型メラミン樹脂等を挙げることができる。
(有機溶剤型塗料組成物の特性)
本発明の有機溶剤型塗料組成物は、チクソトロピック・インデックス(TI値:塗料の流動性を表す値)3〜4、好ましくは3〜3.5を有するのが好適である。TI値は1に近いほど塗料がニュートン性流体に近い。TI値が、3を下回るとエッジカバー性が低下し、逆に4を超えると平滑性(肌感)が低下する。TI値は、25℃において回転粘度計での粘度の、(6rpmの時の粘度)/(60rpmの時の粘度)で計算する。回転粘度計はB型粘度計と呼ばれる単一円筒型回転粘度計である。
本発明の有機溶剤型塗料組成物は、チクソトロピック・インデックス(TI値:塗料の流動性を表す値)3〜4、好ましくは3〜3.5を有するのが好適である。TI値は1に近いほど塗料がニュートン性流体に近い。TI値が、3を下回るとエッジカバー性が低下し、逆に4を超えると平滑性(肌感)が低下する。TI値は、25℃において回転粘度計での粘度の、(6rpmの時の粘度)/(60rpmの時の粘度)で計算する。回転粘度計はB型粘度計と呼ばれる単一円筒型回転粘度計である。
本発明の有機溶剤型塗料組成物のTI値は、粉末シリカ以外では、架橋性重合微粒子(ミクロゲル)、有機アマイド、有機ベントナイト、ポリエチレンワックス等の増粘剤を配合することにより調整することができる。
本発明の有機溶剤型塗料組成物の製造方法は、特に限定されず、塗膜形成性樹脂と二酸化ケイ素粒子、および、必要に応じその他の成分や増粘剤を混合、分散して得ることができる。
本発明の溶剤型塗料組成物を塗装する基材は、鉄、鋼、アルミ等の金属基材、特にアルミホイールである。金属基材は、表面処理していてもよい。アルミホイールは、例えば、Al−Si−Mg系合金に分類されるAC4C合金やAC4CH合金といったアルミニウム合金基材が主として用いられる。
一般にアルミホイールはアルミニウム系合金を鋳造、鍛造等の手段によりホイール形状に成形する。その後表面に残る離形剤や酸化皮膜の除去及び表面粗さの均一化を目的として、ステンレス合金等の金属小片を成形したアルミニウム系合金に打ちつける。その後車軸への装着、タイヤの装着及び意匠を目的として必要部分を切削加工する。
切削工程を経たアルミホイールを塗装するにあたっては、塗料の密着性の向上及び塗装面の防食性を強化するためにジルコニウム系の化成処理を行なうことが好ましい。ジルコニウム系の化成処理の方法としては特に限定されず、公知の方法を適用することができる。より具体的には例えば、特開2008−80286号公報に記載された方法等を挙げることができる。
本発明のアルミホイールの塗装方法は、上述した成形を行ったアルミホイール上に本発明の溶剤型塗料組成物を塗布した後、クリヤー塗料組成物を塗布して透明複層塗膜を形成する。
本発明の溶剤型塗料組成物は、エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装等、当業者によく知られた方法で被塗物上に塗装する。塗布膜厚は乾燥膜厚として10〜30μmが好ましい。塗膜は、室温から160℃の温度で、1〜30分加熱乾燥する。
本発明のアルミホイールの塗装方法においては、本発明の溶剤型塗料組成物の塗装後に、クリヤー塗料組成物を塗装する工程を有する。上記クリヤー塗料組成物としては、アクリル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、紫外線吸収剤(c)及び光安定剤(d)を所定量配合する塗料組成物を使用することが好ましい。
このようなクリヤー塗料組成物を使用することによって、防食塗膜との密着性が良好となり、化成処理皮膜、防食塗膜、クリヤー塗膜からなる複層塗膜として、塩害を受けやすい地域での使用においても、腐食を防ぐことができるような防食性、密着性を実現することができるという点で好ましい効果が得られる。
上記アクリル樹脂(a)は、Mw7,000〜20,000、Tg0〜40℃、水酸基価50〜100mgKOH/gのアクリル樹脂であることが好ましい。
上記アクリル樹脂(a)は、質量平均分子量を7,000〜20,000とすることで、得られる塗膜表面の平滑性と防食塗膜に対する密着性という点で好ましい効果が得られる。上記アクリル樹脂(a)は、Tgを0〜40℃とすることで、耐チッピング性の点で好ましい効果が得られる。上記アクリル樹脂(a)は、水酸基価50〜100mgKOH/gとすることで、防食塗膜に対する密着性という点で好ましい効果が得られる。このようなアクリル樹脂(a)は、上述したアクリル樹脂(1)と同様の原料を使用して、同様の重合方法によって得ることができる。
上記アクリル樹脂(a)は、塗料樹脂固形分質量の合計に対して60〜80質量%含まれることが好ましい。含有量が下限を下回るとチッピング性が不十分となるおそれがあり、上限を上回ると耐候性が不十分となるおそれがある。
上記メラミン樹脂(b)は、特に限定されるものではなく、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル・ブチル混合型メラミン樹脂等を用いることができる。市販のものとしては例えば、日本サイテック株式会社から市販されている「サイメル303」、「サイメル254」、三井化学株式会社から市販されている「ユーバン128」、「ユーバン20N60」、住友化学工業株式会社から市販されている「スミマールシリーズ」等を挙げることができる。
上記メラミン樹脂(b)は、塗料樹脂固形分質量の合計に対して10〜30質量%含まれることが好ましい。含有量が下限を下回ると硬化性が不十分となるおそれがあり、上限を上回ると硬化塗膜が堅くなりすぎ脆くなるおそれがある。メラミン樹脂(b)の含有量は、より好ましくは15〜25質量%である。
上記紫外線吸収剤(c)としては、特に限定されず、例えば、以下のものを挙げることができる。フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシルベンゾエート、4−t−オクチルフェニルサリシレート等のサリシレート系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2− (2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2、2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記紫外線吸収剤の含有量は、上記アクリル樹脂(a)と上記メラミン樹脂(b)の固形分合計100質量部に対して、固形分として1〜5質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、耐候性試験時にクラックが発生するおそれがあり、5質量部を超えると、硬化性が低下するおそれがある。
上記光安定剤(d)としては、特に限定されず、例えば、フェニル−4−ピペリジニルカーボネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2− (3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート等のヒンダードアミン系光安定剤;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート系光安定剤等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、少量でより大きな効果を有するヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。上記光安定剤の含有量は、上記アクリル樹脂(a)と上記メラミン樹脂(b)の固形分合計100質量部に対して、固形分として1〜5質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、耐候性試験時にクラックが発生するおそれがあり、5質量部を超えると、硬化性が低下するおそれがある。
上述したアクリル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、紫外線吸収剤(c)及び光安定剤(d)を所定量配合する塗料組成物は、公知の方法によって製造することができ、水性塗料であっても溶剤系塗料であってもよい。
上記クリヤー塗料組成物は、塗料組成物としての性能に影響を与えない範囲であれば、上記成分(a)〜(d)以外の成分を配合してもよい。配合することができる成分としては例えば、シランカップリング剤、ポリエチレンワックス等のワックス類、可塑剤、レべリング剤、分散剤、増粘剤等を挙げることができる。
上記クリヤー塗料組成物は、水系、溶剤系等の任意の形態の塗料組成物とすることができるが、溶剤系塗料とすることが好ましい。クリヤー塗料組成物の塗装は、通常の方法によって行うことができる。本発明のアルミホイールの塗装方法においては、上記防食塗料組成物を塗装後焼き付けし、クリヤー塗料組成物を塗装する場合と、防食塗料組成物を塗装後焼き付け無しで、クリヤー塗料組成物を塗装する場合があり、どちらでも良い。また、防食塗料組成物を数回重ね塗り後、クリヤー塗料組成物を塗装しても良い。焼き付けは、焼き付け温度80〜160℃、焼き付け時間5〜30分間の条件において行うことが好ましい。クリヤー塗料組成物の焼き付け後の切削面での膜厚は25〜60μmが好ましい。
上述したようなアルミホイールの塗装方法によって塗装されたアルミホイールは、特に優れた防食性を有するものであることから、塩害による問題を生じやすい地域における使用においても十分な防食性を得ることができるものである。
本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものと解してはならない。
アクリル樹脂1の合成
アクリル樹脂1の合成(Mw62,000、Tg30℃、OHV20mgKOH/g、AV22mgKOH/g、固形分濃度50%)
アクリル樹脂1の合成(Mw62,000、Tg30℃、OHV20mgKOH/g、AV22mgKOH/g、固形分濃度50%)
実施例1(有機溶剤型塗料組成物1の製造)
上記で合成したアクリル樹脂82部、エポキシ樹脂(日本ペイント社製EXS−1003:エポキシ当量480g/eq)4部、二酸化ケイ素粒子(日本アエロジル株式会社製疎水性フュームドシリカAEROSIL R972:一次粒子の個数平均粒子径16nm、炭素含有量1.9質量%、4質量%調製時のpH4.3、BET比表面積120m2/gおよび疎水度44体積%)10部を混合撹拌して有機溶剤型塗料組成物1を得た。
上記で合成したアクリル樹脂82部、エポキシ樹脂(日本ペイント社製EXS−1003:エポキシ当量480g/eq)4部、二酸化ケイ素粒子(日本アエロジル株式会社製疎水性フュームドシリカAEROSIL R972:一次粒子の個数平均粒子径16nm、炭素含有量1.9質量%、4質量%調製時のpH4.3、BET比表面積120m2/gおよび疎水度44体積%)10部を混合撹拌して有機溶剤型塗料組成物1を得た。
脱脂、水洗、酸洗処理、水洗を行った後、アルサーフ501(日本ペイント社製ジルコニウム系化成処理剤)にて化成処理を行い、水洗、乾燥を行ったアルミニウム板に対して、溶剤型塗料組成物1を乾燥膜厚が20μmになるようスプレー塗布し、140℃で20分間の加熱時間を保持して、試験片を作成した。
尚、二酸化ケイ素粒子の疎水度は、メタノールの体積濃度が異なるメタノールと水の混合溶液100mlに二酸化ケイ素粒子の粉末を10mlを加え、5分間振とうして二酸化ケイ素粒子の沈降量(容積)を測定し、60体積%の二酸化ケイ素粒子(即ち、10ml×0.6=6ml)が沈降したメタノール水溶液のメタノール体積%を疎水度(体積%)とした。
実施例2〜5および比較例1〜5(有機溶剤型塗料組成物2〜10の製造)
下記の表1に従い、AEROSIL R972の配合量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、有機溶剤型塗料組成物2〜10を得た。その後、実施例1と同様にして、試験片を作成した。
下記の表1に従い、AEROSIL R972の配合量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、有機溶剤型塗料組成物2〜10を得た。その後、実施例1と同様にして、試験片を作成した。
評価
得られた溶剤型塗料組成物の貯蔵安定性と、上記試験片について、塗膜の平滑性、エッジカバー性の評価を行った。評価は以下のように行った。評価結果を表1に記載する。
得られた溶剤型塗料組成物の貯蔵安定性と、上記試験片について、塗膜の平滑性、エッジカバー性の評価を行った。評価は以下のように行った。評価結果を表1に記載する。
塗料組成物の貯蔵安定性
溶剤型塗料組成物100質量部に対してイオン交換水1質量部を加えて充分に攪拌、混合し、50℃の恒温室にて240時間静置した後の状態を目視にて評価した。
◎:液状である。
○:一部固形化しかけている。
×:固形化している。
溶剤型塗料組成物100質量部に対してイオン交換水1質量部を加えて充分に攪拌、混合し、50℃の恒温室にて240時間静置した後の状態を目視にて評価した。
◎:液状である。
○:一部固形化しかけている。
×:固形化している。
塗膜の平滑性
作成した試験片の平滑性を目視にて評価した。
◎:凹凸が見えない。
○:やや凹凸が見える。
×:凹凸が見える。
CASSエッジカバー性
JISZ2371に定められたCASS試験機にて、JISZ2371−2000
調整されたCASS試験液を50±2℃で240時間の噴霧試験を行い、
切削エッジ部の腐食性の度合いを評価した。
◎:錆が全く発生していない。
○:錆が1〜3点、発生している。
×:錆が4点以上発生している。
作成した試験片の平滑性を目視にて評価した。
◎:凹凸が見えない。
○:やや凹凸が見える。
×:凹凸が見える。
CASSエッジカバー性
JISZ2371に定められたCASS試験機にて、JISZ2371−2000
調整されたCASS試験液を50±2℃で240時間の噴霧試験を行い、
切削エッジ部の腐食性の度合いを評価した。
◎:錆が全く発生していない。
○:錆が1〜3点、発生している。
×:錆が4点以上発生している。
本発明は、有機溶剤型塗料組成物に関する。本発明は、特にアルミホイールの防食塗料に有用な溶剤型塗料組成物に関する。本発明の有機溶剤型塗料組成物は、貯蔵安定性が格段に良くなり、しかもアルミホイールに塗装した場合にエッジカバー性がよく、防錆効果が高くなり、平滑性も向上する。
Claims (4)
- 塗膜形成性樹脂および二酸化ケイ素粒子を含む有機溶剤型塗料組成物において、上記二酸化ケイ素粒子が、疎水性で炭素含有量0.5〜5.0質量%を有し、かつ一次粒子の個数平均粒子径3〜25nmを有し、更に二酸化ケイ素粒子が塗膜形成性樹脂の固形分に対して5〜15質量%の量で塗料組成物中に存在することを特徴とする、有機溶剤型塗料組成物。
- 上記二酸化ケイ素粒子を4質量%に調製した水分散液のpHが4〜10である請求項1記載の有機溶剤型塗料組成物。
- 上記塗料組成物のTI値(チキソトロピックインデックス)が3〜4である請求項1または2記載の有機溶剤型塗料組成物。
- 基材上に請求項1〜3のいずれか1つに記載の有機溶剤型塗料組成物を塗布して、塗膜を形成する塗膜形成方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106479252A (zh) * | 2016-11-04 | 2017-03-08 | 海信(广东)空调有限公司 | 一种疏水铝箔的制备方法 |
CN109604127A (zh) * | 2018-12-17 | 2019-04-12 | 北京航空航天大学 | 一种工业化抗剥离大面积超疏水表面的喷涂制备方法 |
-
2013
- 2013-09-13 JP JP2013190240A patent/JP2015054944A/ja active Pending
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CN109604127A (zh) * | 2018-12-17 | 2019-04-12 | 北京航空航天大学 | 一种工业化抗剥离大面积超疏水表面的喷涂制备方法 |
CN109604127B (zh) * | 2018-12-17 | 2020-07-03 | 北京航空航天大学 | 一种工业化抗剥离大面积超疏水表面的喷涂制备方法 |
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