JP6776499B2 - 水性メタリック塗料組成物、及び塗装体 - Google Patents

水性メタリック塗料組成物、及び塗装体 Download PDF

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Description

本発明は、環境への負荷が少なく、乾燥性に優れ、耐熱性に優れた塗膜を形成可能な水性メタリック塗料組成物、及びこれを利用した塗装体に関する。
世界的にVOC(揮発性有機化合物)削減や、省石油資源化が地球環境問題として論議されている現在、石油製品でありかつVOC源としての有機溶剤を削減することは塗料・塗装業界に課せられた大きな課題である。従来、塗料業界は、VOC削減や省石油資源化のため、技術的に可能なものから順次、水性塗料や、粉体塗料等の非有機溶剤型塗料への転換を進めており、建築、自動車、弱電、一般工業品関係などでは非有機溶剤型塗料への転換率が比較的高くなっている。このように、塗料分野においては、近年、有機溶剤を使用しなかったり、有機溶剤の使用量を低減させて溶媒の一部として水を用いた水性塗料を使用したりされているが、一般に、水性塗料については、有機溶剤型塗料に比較して、塗膜性能に優れないことが多く、水性塗料の塗膜性能の向上が課題となっている。
高輝度で高意匠の塗膜を形成できるメタリック塗料は、建築物や構築物といった構造物等に幅広く利用されている。メタリック塗料には、一般的にアルミニウム等の鱗片状金属顔料が配合されているが、この鱗片状金属顔料が基材に対して平行に配向された状態で塗膜中に存在していると、高輝度な塗膜となることが知られている。鱗片状金属顔料を平行に配列させる最も一般的な方法は、スプレー塗装により鱗片状金属顔料の配向を制御する方法である。
ここで、一般に、有機溶剤型のメタリック塗料は乾燥性がよいため、成膜時に鱗片状金属顔料が、基材に対して平行に配向されやすく、優れた光輝感が得やすい傾向にあるものの、少なくとも溶媒の一部として水を用いた、水性のメタリック塗料は、有機溶剤型のメタリック塗料に比べて乾燥が遅いため、鱗片状金属顔料が、基材に対して平行に配向しづらく、高輝度な塗膜を得づらいという問題があった。鱗片状金属顔料によっては、水との反応性を有するものもあるため、これらの鱗片状金属顔料を用いて水性のメタリック塗料を調製するためには、鱗片状金属顔料を樹脂等でコーティングする必要がある。鱗片状金属顔料を樹脂等でコーティングした場合、その配向は、更に悪化する傾向にあった。
塗膜については、高温になることもある基材に形成される場合には、耐熱性を有していることが要求される。耐熱性を有する塗膜を短時間の乾燥によって形成可能な水性メタリック塗料組成物としては、例えば、特許文献1に、複数の水性ポリオルガノシロキサン樹脂を含み、これら水性ポリオルガノシロキサン樹脂のうち少なくとも1つが水分の蒸発によりシリコーンゴム皮膜を形成する水性シリコーンエマルション樹脂である水性耐熱塗料組成物が開示されている。
特開2009−013379号公報
しかしながら、特許文献1の水性耐熱塗料組成物(水性メタリック塗料組成物)については、塗膜形成時に加熱を行う必要があり、塗装作業性に劣るという問題があった。したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、乾燥性に優れ、耐熱性に優れた塗膜を形成可能な水性メタリック塗料組成物、及びこれを使用して形成された塗装体を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、アクリル系樹脂と、無機酸化物で被覆された、所定の平均粒子径を有する鱗片状金属顔料を含む水性メタリック塗料組成物、及びこれを用いて製造された塗装体によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) (A)アクリル系樹脂、(B)無機酸化物で被覆された、50%体積平均粒子径が8μm以上40μm以下の鱗片状金属顔料、及び(C)水を少なくとも含む、水性メタリック塗料組成物。
(2) 前記アクリル系樹脂のガラス転移点が、30℃以上である、(1)に記載の水性メタリック塗料組成物。
(3) 前記アクリル系樹脂が、脂環式構造を有する、(1)又は(2)に記載の水性メタリック塗料組成物。
(4) 有機溶剤の含有量が、20質量%以下である、(1)から(3)のいずれかに記載の水性メタリック塗料組成物。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の水性メタリック塗料組成物を基材の表面上に直接、又は基材上に形成された他の層の表面上に、塗布し、乾燥させてメタリック塗膜を形成する工程を有する、塗装体の製造方法。
(6) 基材の上に、メタリック塗膜を少なくとも有する塗装体であって、
前記メタリック塗膜が、(A)アクリル系樹脂、及び(B)無機酸化物で被覆された、50%体積平均粒子径が8μm以上40μm以下の鱗片状金属顔料を含む、塗装体。
(7) 前記基材と前記メタリック塗膜との間に、防錆顔料を含むプライマー層を有する、(6)に記載の塗装体。
(8) 前記基材が金属性バルブである、(6)又は(7)に記載の塗装体。
本発明によれば、乾燥性に優れ、耐熱性に優れた塗膜を形成可能な水性メタリック塗料組成物、及びこれを使用して形成された塗装体を提供することができる。アクリル系樹脂と、無機酸化物で被覆された、所定の平均粒子径を有する鱗片状金属顔料を含むメタリック塗膜は、水性メタリック塗料で塗膜を形成した場合であっても、乾燥性に優れ、耐熱性に優れた塗膜とすることができる。さらに、本発明により形成されるメタリック塗膜は、通常、耐水性にも優れている。
以下、本発明について、詳細に説明する。
<水性メタリック塗料組成物>
本発明の水性メタリック塗料組成物は、(A)アクリル系樹脂、(B)鱗片状金属顔料、及び(C)水を含み、さらに、(D)有機溶剤を含むものであってもよい。
[(A)アクリル系樹脂]
本発明の水性メタリック塗料組成物に含有されるアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマー1種以上を構成単位とする樹脂であればよく、本発明の効果を損なわない範囲で(メタ)アクリル系モノマー以外のモノマーを構成単位として含有してもよい。(メタ)アクリル系モノマーとは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを意味し、例えば、本発明において使用するアクリル系樹脂の構成モノマーとして、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルであることが好ましく、このエステルにおけるアルキル基は炭素数1から10が好ましく、1から8が特に好ましく、このアルキル基に官能基が導入されていてもよく、このアルキル基が環式基であってもよい。このような構成モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
このアクリル系樹脂は水への分散性に優れる点でアクリルエマルジョン(より好ましくは水性エマルジョン)を使用することが好ましい。ここで、炭素数9以上のアルキルエステルモノマーは乳化重合時にゲル化物が発生したり、エマルジョン粒子の疎水性が高くなり溶解性・分散性が劣ったりするので、炭素数8以下のアルキルエステルモノマーを使用することが好ましい。
これらアクリル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、5万以上200万以下であることが好ましく、10万以上150万以下のものがより好ましい。
本発明において使用するアクリル系樹脂のガラス転移点は、30℃以上であることが好ましい。このようなアクリル系樹脂を使用することにより、本発明の水性メタリック塗料組成物により形成される塗膜の耐熱性が優れたものとなる。アクリル系樹脂のガラス転移点の上限値は、特に限定されないが、通常、例えば90℃以下であり、ある実施態様においては、50℃以下、より好ましくは40℃以下であることが好ましいこともある。
本発明においては、アクリル系樹脂として、脂環式(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーの一つとして含む、脂環式構造を有するアクリル系樹脂を使用することが好ましい。上述したアクリル系樹脂の構成モノマー((メタ)アクリル系モノマー)の中では、脂環式のモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル及び(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを挙げることができるが、アクリル系樹脂としては、脂環式の(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸直鎖又は分岐鎖アルキルエステルの共重合体を使用することが好ましい。
なお、本発明においては、上記の脂環式構造を有するアクリル系樹脂と、脂環式ではないアクリル系樹脂を併用してもよく、その場合、脂環式ではないアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸直鎖若しくは分岐鎖アルキルエステルの単独重合体又は共重合体であることが好ましい。
[(B)鱗片状金属顔料]
鱗片状金属顔料は、箔のような薄く平らな形状をした金属顔料であり、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、錫、銅、銀、白金、金等の金属顔料が挙げられ、ステンレス等の合金の顔料も含まれる。本発明において使用する金属顔料の種類は用途等に応じて適宜選択することができるが、通常、これらの中でも、アルミニウム顔料を使用することが好ましい。なお、これら金属顔料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において使用する鱗片状金属顔料は、50%体積平均粒子径が8μm以上40μm以下であるものであり、50%体積平均粒子径が10μm以上20μm以下であることが更に好ましい。鱗片状金属顔料の50%体積平均粒子径が上記の範囲内であることにより、配向性が良好で、金属光沢に優れた、意匠性の高い、しかも耐熱性に優れたメタリック塗膜を形成することができる。
鱗片状金属顔料の50%体積平均粒子径は、体積基準粒度分布の50%粒子径(D50)を指し、粒度分布測定装置(例えばレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置)を用いて測定される粒度分布から求めることができる。本発明における粒子径は、レーザ回折・散乱法による球相当径で表される。
本発明において使用する鱗片状金属顔料は、アスペクト比が2以上、より好ましくは10以上であるものが好ましく、アスペクト比が20以上であることがより好ましく、30以上であることが更に好ましい。鱗片状金属顔料のアスペクト比を上記のものとすることにより、塗膜の金属光沢を更に向上させることができる。鱗片状金属顔料のアスペクト比の上限値は、特に限定されないが、通常、例えば2000以下であることが好ましい。
なお、ここで、鱗片状金属顔料のアスペクト比とは、50%体積平均粒子径(D)と平均厚み(T)との比(D/T)である。本発明においては、SEM(走査電子顕微鏡)を用いて鱗片状金属顔料の厚みを測定し、100個以上の粒子を対象にして平均厚み(T)を求めるものとする。
本発明の水性メタリック塗料組成物に用いられる鱗片状金属顔料は、無機酸化物により、被覆されているものである。本発明において使用する鱗片状金属顔料は、全表面が無機酸化物で被覆されているものに限られず、表面の少なくとも一部が無機酸化物で被覆されていればよい。
鱗片状金属顔料を被覆するための無機酸化物としては、特に限定されるものではないが、好ましくはシリカ(二酸化珪素)を挙げることができる。鱗片状金属顔料の表面処理に用いることができるシリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカのいずれを用いてもかまわないが、密着性向上効果の大きいシリカ微粒子、特に乾式シリカを用いることが好ましい。
シリカで被覆された鱗片状のアルミニウム顔料等の金属顔料は市販されており、市販品を用いることもできる。
本発明の水性メタリック塗料組成物における、鱗片状金属顔料の含有量は、通常、2質量%以上10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上7質量%以下であることがより好ましい。また、アクリル系樹脂と鱗片状金属顔料の質量比は、通常、10:1から5:1であることが好ましい。鱗片状金属顔料の含有量、及び、アクリル系樹脂と鱗片状金属顔料の質量比を上記の範囲内のものとすることにより、鱗片状金属顔料の配向性が改善し、メタリック塗膜の金属光沢が良好なものとなって、意匠性に優れたものとなることがある。
[(C)水及び(D)有機溶剤(水性メタリック塗料組成物の溶媒)]
本発明の水性メタリック塗料組成物は、溶媒として水を含み、溶媒としては、水を主とするものであることが好ましい。ここで、「水を主とする」とは、全溶媒中の水の割合が50質量%以上であることを意味し、全溶媒中の水の割合が70質量%以上であることがより好ましい。
本発明の水性メタリック塗料組成物は、有機溶媒を含有していてもよい。本発明の水性メタリック塗料組成物における、有機溶剤の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、18質量%以下であることがより好ましい。VOC削減の観点からは、有機溶剤の含有量は少ないことが好ましいが、少量の有機溶剤を使用することで、鱗片状金属顔料の分散性、及び水性メタリック塗料組成物の成膜性を良好に維持できることもある。
ここで、使用できる有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、各種の水性有機溶媒を挙げることができるが、より具体的には、アルコール系溶媒やグリコールエーテル系溶媒を使用することが好ましい。アルコール系溶媒としては、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソアミルアルコール、n−アミルアルコール、ヘキシルアルコール、2−エチルブチルアルコール、メチルアミルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール等を挙げることができ、グリコールエーテル系溶媒としては、エチレングリコールモノブチルエーテルや、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
本発明の水性メタリック塗料組成物の固形分含量は、通常、30質量%以上45質量%以下であることが好ましい。水性メタリック塗料組成物の固形分含量を調整することにより、メタリック塗膜の乾燥性を良好なものとすることができる。
[その他の成分]
本発明の水性メタリック塗料組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、乳化剤、界面活性剤、シランカップリング剤、pH調整剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤等の、塗料分野において慣用される、各種添加剤を添加してもよい。
なお、増粘剤としては、アルカリ増粘タイプやウレタン会合タイプの増粘剤を使用することができるが、特に、アルカリ増粘タイプの増粘剤が好ましく、アルカリ増粘タイプの増粘剤の中でも、ヘクトライト系の増粘剤が好ましい。本発明の水性メタリック塗料組成物における増粘剤の含有量は特に限定されないが、通常、0.5質量%以上2.5質量%以下であることが好ましい。増粘剤の種類及び含有量を調整することにより、鱗片状金属顔料の配向を良好なものとすることができる場合がある。
<塗装体>
本発明の塗装体は、基材の上に、メタリック塗膜を少なくとも有するものであり、このメタリック塗膜が、(A)アクリル系樹脂、及び(B)無機酸化物で被覆された、50%体積平均粒子径が8μm以上40μm以下の鱗片状金属顔料を含むものである。そして、このメタリック塗膜は、被塗物に、上記のような本発明の水性メタリック塗料を塗布することにより形成することができる。なお、本発明の塗装体は、メタリック塗膜が基材の上に直接形成されていてもよく、基材との間に他の層を介して形成されていてもよい。
[メタリック塗膜]
メタリック塗膜の膜厚は、用途等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、通常、20μm以上50μm以下であることが好ましい。メタリック塗膜の膜厚を上記の範囲内のものとすることにより、メタリック塗膜が被塗物全体を効果的に被覆するとともに、メタリック塗膜の意匠性、耐久性も良好なものとなる。
[プライマー層]
本発明の塗装体は、基材とメタリック塗膜との間に、防錆顔料を含有するプライマー層を含有していてもよい。このプライマー層としては、後述する水性プライマー塗料組成物により形成されることが好ましく、その膜厚は、特に限定されないが、通常、20μm以上30μm以下であることが好ましい。塗装体が、防錆顔料を含有するプライマー層を有することにより、基材の隠蔽性が良好なものとなるとともに、基材における錆の発生が好適に抑制され、塗装体の耐久性が良好なものとなる。
プライマー層中の防錆顔料の含有量は、特に限定されないが、通常、10質量%以上20質量%以下であることが好ましい。プライマー層が含有する防錆顔料の含有量が、上記の範囲内であることにより、塗装体の耐久性が良好なものとなるとともに、メタリック塗料との密着性も好適に維持される。
[基材]
本発明の塗装体を形成するための基材としては、各種金属材料からなる構造物を挙げることができる。そのような金属材料としては、例えば、鉄、チタン、ニッケル、錫、アルミニウム、銅、銀、金等のほか、ステンレス等の合金も挙げることができる。
これらの金属材料からなる構造物としては、例えば、金属製バルブを挙げることができる。金属製バルブは、通常、配管の接続部等に用いられ、内部を流体が通過するが、この流体が高温の流体である場合もある。本発明においては、メタリック塗膜や、プライマー層が、十分な耐熱性を有するものであるため、金属バルブを基材とする場合においても、耐久性に優れ、意匠性の良好な塗装体を提供することができる。
<塗装体の製造方法>
本発明の塗装体は、基材の表面上に、又は、基材上にプライマー層等の他の層を形成した場合は、その表面上に、本発明の水性メタリック塗料組成物を塗布し、乾燥させてメタリック塗膜を形成することで、製造することができる。プライマー層は、プライマー塗料組成物、好ましくは後述する水性プライマー塗料組成物を基材の表面上に塗布し、乾燥させることで、形成することができる。
本発明の塗装体を形成するに当たって、塗料組成物(本発明の水性メタリック塗料組成物、及びプライマー塗料組成物等)を塗布する方法としては、特に制限されず、公知の塗布方法、例えば、ディッピング法、スピンコート法、フローコート法、ロールコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、及びエアーナイフコート法等が挙げられる。これらの中でも、膜厚の制御を容易に行うことができるという観点から、スプレーコート法、及びロールコート法が好ましい。
塗料組成物を塗布するに当たっては、本発明の水性メタリック塗料組成物や、プライマー塗料組成物等の塗布量は、基材の種類や用途に応じて適宜、変更することができるが、通常、50g/m以上200g/m以下であることが好ましく、50g/m以上150g/m以下であることがより好ましい。なお、基材表面に形成される塗膜の膜厚は、塗料組成物の塗布量に依存する。
<水性プライマー塗料組成物>
本発明の塗装体を形成するために用いられる水性プライマー塗料組成物としては、金属製の構造物を塗装するために従来用いられているプライマー塗料をいずれも用いることができるが、基材及びメタリック塗膜との接着性に優れた水性プライマー塗料組成物を用いることが好ましい。
[防錆顔料]
本発明において好適に使用される水性プライマー塗料組成物は、少なくとも防錆顔料を含有するものである。防錆顔料としては、例えば、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン・ケイ酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アルミニウム亜鉛、リン酸カルシウム亜鉛、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、シアナミド亜鉛カルシウム、亜鉛処理されたポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、モリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウム等を挙げることができる。これら防錆顔料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。水性プライマー塗料組成物における防錆顔料の含有量は、通常、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。
[バインダー樹脂]
水性プライマー塗料組成物に用いることができるバインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂等を挙げることができ、これらのバインダー樹脂は、エマルジョン樹脂の形態であってもよい。本発明においては、これらのバインダー樹脂の中でも、アクリル系樹脂及びアルキド樹脂が好ましい。アクリル系樹脂としては、水性メタリック塗料組成物において用いたアクリル系樹脂と同様のアクリル系樹脂を用いることができる。アルキッド樹脂としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽和多塩基酸、又はマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和多塩基酸から任意に選択される多塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ペンタエリスリトール等から任意に選択されるポリオールとの反応生成物を挙げることができる。
[溶媒及びその他の成分]
本発明の塗装体の形成に好適に用いられる水性プライマー塗料組成物の溶媒は、水を主とするものであることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶媒を含有していてもよい。ここで、有機溶剤としては、水性メタリック塗料組成物に用いられる有機溶剤と同様の有機溶剤を用いることができる。
さらに、本発明において用いられる水性プライマー塗料組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、乳化剤、界面活性剤、シランカップリング剤、pH調整剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤等の、塗料分野において慣用される、各種添加剤を添加してもよい。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<アクリル系樹脂1の調製>
反応容器に水26質量部、炭酸水素ナトリウム0.1質量部、反応性乳化剤としてSE1025A(ADEKA製)0.5質量部及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.06質量部を加え、水21質量部、SE1025A 3.0質量部、メタクリル酸ブチル8.6質量部、アクリル酸ブチル10.2質量部、メタクリル酸シクロヘキシル13.0質量部、メタクリル酸メチル9.8質量部、メタクリル酸1.4質量部を共に乳化させた乳化組成物を滴下して、80℃で240分間反応液を攪拌した。
反応後、70%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液0.03質量部、エリソルビン酸ナトリウム0.03質量部、N,N−ジメチルアミノエタノール0.4質量部、防腐剤としてPROXEL AM(ロンザジャパン製)0.03質量部、消泡剤としてSNデフォーマー777(サンノプコ製)0.02質量部、水5.83質量部を添加して、脂環式基を有するアクリル系エマルジョン樹脂(アクリル系樹脂1)を得た。このアクリル系エマルジョンの固形分濃度(アクリル系樹脂の含有量)は45質量%であり、このアクリル系樹脂1のガラス転移点は32℃、重量平均分子量は100万であった。
<アクリル系樹脂(市販品)>
市販品のアクリル系樹脂としては、以下に示すアクリル系樹脂(アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の水性エマルジョン)を使用した。
(アクリル系樹脂2)ポリデュレックスH7650(シリコーン変性アクリルエマルジョン樹脂、脂環式基あり、旭化成ケミカルズ株式会社製、アクリル系樹脂のガラス転移点35℃、固形分濃度(アクリル系樹脂の含有量)40質量%)
(アクリル系樹脂3)ヨドゾールAD93(アクリル酸エステルエマルジョン、ヘンケルジャパン株式会社製、アクリル系樹脂のガラス転移点−10℃、固形分濃度(アクリル系樹脂の含有量)45質量%)
<アクリル系以外の樹脂(市販品)>
市販品のアクリル系以外の樹脂としては、以下に示す樹脂を使用した。
(アクリル系以外の樹脂1)ウォーターゾールBCD−3090(水性アルキドディスパージョン、DIC株式会社製、固形分濃度(アルキド樹脂の含有量)42質量%)
(アクリル系以外の樹脂2)ウォーターゾールEFD−5530(水性エポキシエステルディスパージョン、DIC株式会社製、固形分濃度(エポキシエステル樹脂の含有量)36質量%)
<鱗片状金属顔料(市販品)>
鱗片状金属顔料としては、以下に示す市販品のアルミニウムペーストを使用した。
(鱗片状金属顔料1)EMR−D7670(50%体積平均粒子径16μm、シリカ処理(シリカコーティング)アルミニウム顔料、東洋アルニウム株式会社製、固形分量60質量%、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル40質量%含有)
(鱗片状金属顔料2)EMR−D6340(50%体積平均粒子径12μm、シリカ処理(シリカコーティング)アルミニウム顔料、東洋アルニウム株式会社製、固形分量60質量%、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル40質量%含有)
(鱗片状金属顔料3)SW120PM(50%体積平均粒子径14μm、リン酸処理アルミニウム顔料、旭化成株式会社製、固形分量52質量%、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル45質量%、ミネラルスピリット2質量%、ソルベントナフサ1質量%含有)
(鱗片状金属顔料4)FW620(50%体積平均粒子径17μm、アクリル処理アルミニウム顔料、旭化成株式会社製、固形分量68質量%、溶剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル9質量%、ミネラルスピリット17質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル6質量%含有)
(鱗片状金属顔料5)EMR−D6390(50%体積平均粒子径7μm、シリカ処理(シリカコーティング)アルミニウム顔料、東洋アルニウム株式会社製、固形分量55質量%、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル45質量%含有)
<<その他の成分>>
<界面活性剤>
以下に示す市販の界面活性剤を使用した。
SURFYNOL 104BC(Evonik Industries社製)
<増粘剤>
以下に示す市販の増粘剤を使用した。
(増粘剤1)Rheovis AS1125AY(BASF社製、アクリル系共重合体の水性分散液)
(増粘剤2)プライマルRM−8W(Dow Corning社製、ウレタン会合タイプ増粘剤)
<pH調整剤>
N,N−ジメチルアミノエタノール
<消泡剤>
以下に示す市販の消泡剤を使用した。
BYK−011(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
<プライマー塗料>
プライマー塗料としては、以下のものを使用した。
(プライマー塗料1)防錆顔料として、5.2質量%のリン酸亜鉛系無機顔料を含有する水系プライマー塗料
(プライマー塗料2)防錆顔料として、7.8質量%のリン酸亜鉛系無機顔料を含有する水系プライマー塗料
<実施例1>
イオン交換水17.5質量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル11.5質量部、エチレングリコールモノブチルエーテル1.0質量部の混合溶媒に、アクリル系樹脂1 58.6質量部、鱗片状金属顔料1 7.8質量部、増粘剤1 1.0質量部、増粘剤2 0.5質量部を添加し、これに界面活性剤1.5質量部、pH調整剤0.1質量部、消泡剤0.5質量部を添加して、ディスパーで、均一になるまで60分間撹拌して、水性メタリック塗料組成物を得た。
<実施例2から6、比較例1から5>
各成分の種類及び量を、表1に示したとおりに変更した点以外は、実施例1と同様にして、それぞれ水性メタリック塗料組成物を調製した。なお、表1中の数値は質量部である。
ただし、実施例4は参考例である。
<評価>
[乾燥性]
基材上に、乾燥膜厚が約25μmとなるように、プライマー塗料1又はプライマー塗料2をエアスプレーにて塗装し、塗膜を23℃にて15分間乾燥させ、プライマー層を形成した。但し、実施例1〜6の水性メタリック塗料組成物の場合にはプライマー塗料1を塗装し、比較例1〜5の水性メタリック塗料組成物の場合にはプライマー塗料2を塗装した。乾燥後のプライマー層中の防錆顔料の含有量は、プライマー塗料1は14質量%、プライマー塗料2は17質量%であった。
次いで、基材上に形成したプライマー層の上に、乾燥膜厚が約25μmとなるように、実施例1から6、及び比較例1から5の水性メタリック塗料組成物を、それぞれエアスプレーにて塗装し、塗膜を23℃温度にて15分間乾燥させ、メタリック塗膜を形成した。そして、下記評価基準に従って乾燥性を評価した。
○:塗膜を指先で軽く触れた際、指先に塗料が付着しなかった。
△:塗膜を指先で軽く触れた際、指先にごく少量の塗料が付着した。
×:塗膜を指先で軽く触れた際、指先に多量の塗料が付着した。
[耐熱性]
塗装体を250℃で72時間保持した。測色計で加熱後と加熱前の塗装体のb*値を測定し、b*値の差(Δb*値)を求めることにより黄変を評価すると共に、鏡面光沢度(20°光沢値及び60°光沢値)を測定し、加熱前の20°光沢値及び加熱前の60°光沢値と比較した光沢保持率を求めて評価した。
◎:Δb*値が16以下、光沢保持率80%以上
〇:Δb*値が16以下、光沢保持率80%未満
△:Δb*値が16超、光沢保持率80%以上
×:Δb*値が16超、光沢保持率80%未満
[耐水性]
塗装体を40℃で240時間水中に浸漬した後の、塗膜に見出されるブリスターの大きさを測定すると共に、ブリスターの量をJIS K 5600−8−2に準拠して判定した。
○:ブリスターの密度が等級0又は1
△:ブリスターの密度が等級2又は3
×:ブリスターの密度が等級4又は5
以上の結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2から明らかなように、実施例1から6の水性メタリック塗料組成物を使用して形成した塗膜では、有機溶剤の使用量が比較的低いにも拘わらず、塗膜の乾燥性が概ね良好なものとなるとともに、比較例1から5の水性メタリック塗料組成物で形成した塗膜と比較して、耐熱性が良好なものとなった。耐熱性については、アクリル系樹脂のガラス転移点を調整したことに伴い、特に、実施例1から3及び実施例6で極めて良好なものとなった。さらに、耐水性に関して、実施例1から6の水性メタリック塗料組成物で形成した塗膜では、比較例1から4の水性メタリック塗料組成物で形成した塗膜と比較して、耐水性も特に良好なものとなった。
以上の結果は、水性メタリック塗料組成物において、所定のアクリル系樹脂及び所定の鱗片状金属顔料を組み合わせて使用することにより、乾燥性及び耐熱性、並びに耐水性に優れた塗膜を形成することができることを示している。

Claims (6)

  1. (A)アクリル系樹脂、(B)無機酸化物で被覆された、50%体積平均粒子径が8μm以上40μm以下の鱗片状金属顔料、及び(C)水を少なくとも含み、
    前記(A)アクリル系樹脂が、脂環式構造を有し、かつ、
    前記(A)アクリル系樹脂のガラス転移点が、30℃以上90℃以下であり、
    前記(B)無機酸化物で被覆された、50%体積平均粒子径が8μm以上40μm以下の鱗片状金属顔料の含有量が、2質量%以上10質量%以下であり、
    前記(A)アクリル系樹脂と前記(B)無機酸化物で被覆された、50%体積平均粒子径が8μm以上40μm以下の鱗片状金属顔料の質量比が、10:1から5:1である、水性メタリック塗料組成物。
  2. 有機溶剤の含有量が、20質量%以下である、請求項に記載の水性メタリック塗料組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の水性メタリック塗料組成物を基材の表面上に直接、又は基材上に形成された他の層の表面上に、塗布し、乾燥させてメタリック塗膜を形成する工程を有する、塗装体の製造方法。
  4. 基材の上に、メタリック塗膜を少なくとも有する塗装体であって、
    前記メタリック塗膜が、(A)アクリル系樹脂、及び(B)無機酸化物で被覆された、50%体積平均粒子径が8μm以上40μm以下の鱗片状金属顔料を含み、
    前記(A)アクリル系樹脂が、脂環式構造を有し、かつ、
    前記(A)アクリル系樹脂のガラス転移点が、30℃以上90℃以下であり、
    前記(A)アクリル系樹脂と前記(B)無機酸化物で被覆された、50%体積平均粒子径が8μm以上40μm以下の鱗片状金属顔料の質量比が、10:1から5:1である、塗装体。
  5. 前記基材と前記メタリック塗膜との間に、防錆顔料を含むプライマー層を有する、請求項に記載の塗装体。
  6. 前記基材が金属性バルブである、請求項4又は5に記載の塗装体。
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