JP7344138B2 - 状態予測装置 - Google Patents

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Description

本明細書は、電力変換ユニットの冷却性能に関する技術を開示する。
特許文献1に、モータに電力を供給するパワーコントロールユニットに配置される半導体素子を、冷媒を用いて冷却する技術が開示されている。
特開2018-42368号公報
パワーコントロールユニットのような電力変換ユニットの冷却性能は、経時劣化する場合がある。例えば、半導体素子がグリスを介して冷却器に接触されている場合、経時的にグリスが抜けていくと、冷媒への半導体素子からの放熱性能が低下する。上記の技術では、冷却性能が経時劣化することについて、考慮されていない。
本明細書では、電力変換ユニットの冷却性能の経時劣化を予測する技術を提供する。
本明細書に開示される技術は、電力変換ユニットと電力を融通する走行用のモータを備える車両に搭載される状態予測装置に関する。状態予測装置は、車両の走行状態を示す走行状態情報を取得する状態取得部と、取得される前記走行状態情報によって示される前記走行状態における前記電力変換ユニットの温度に関連する温度情報を取得する温度取得部と、取得済みの前記走行状態情報と、取得済みの前記温度情報と、を用いて、前記電力変換ユニットの放熱性能の劣化の状態を予測する予測処理を実行する予測部と、を備えていてもよい。
電力変換ユニットの放熱量は、車両の走行状態、即ち、モータの動作状態によって変化する。例えば、モータの仕事量は大きい走行状態(例えば加速状態)では、モータに電力を供給する電力変換ユニットの半導体素子の発熱量は上昇する。上記の構成によれば、車両の走行状態と、走行状態における電力変換ユニットの温度と、に基づいて、放熱性能の劣化の状態を予測することができる。
状態予測装置は、取得済みの前記走行状態情報を用いて、前記予測処理を実行すべき走行区間を判断する判断部を、さらに備え、前記予測部は、前記予測処理を実行すべき前記走行区間における前記走行状態情報と、前記温度情報と、を用いて、前記予測処理を実行してもよい。この構成によれば、放熱性能の劣化の状態を予測するために適切な走行状態(例えば電力変換ユニットが仕事をしている走行状態)における走行状態情報と温度情報とを用いて、予測処理を実行することができる。
前記予測部は、前記予測処理において、取得済みの前記走行状態情報を用いて、前記モータの仕事量を算出し、取得済みの前記温度情報を用いて、前記電力変換ユニットにおける温度変化量の積分値を算出し、算出済みの前記モータの前記仕事量と、算出済みの前記温度変化量の前記積分値と、を用いて、前記電力変換ユニットの放熱性能の劣化の状態を予測してもよい。この構成によれば、走行状態情報が検出されるタイミングにおける電力変換ユニットの放熱性能を適切に把握することができる。
前記予測部は、前記予測処理において、複数個の算出済みの前記モータの前記仕事量と、算出済みの前記温度変化量の前記積分値と、用いて、算出済みの前記モータの前記仕事量に対する算出済みの前記温度変化量の前記積分値の割合を特定し、特定済みの前記割合を用いて、前記電力変換ユニットの放熱性能の劣化の状態を予測してもよい。さらに、前記予測部は、前記予測処理において、複数のタイミングにおける複数個の前記割合を用いて、将来のタイミングにおける前記割合を予測することによって、前記電力変換ユニットの放熱性能の劣化の状態を予測してもよい。この構成によれば、複数のタイミングにおける複数の割合を用いることによって、割合の経時変化を特定することができる。これにより、将来の割合を予測することができる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の車両の模式的ブロック図である。 実施例のインバータの回路図である。 実施例のECUが実行する判断処理及び予測処理のフローチャートである。 実施例の車両におけるモータのトルク、アクセル開度及び車速の経時変化を表すグラフである。 実施例の評価区間におけるモータのトルクと回転数及びアームの温度の経時変化を表すグラフである。 実施例の評価区間におけるモータの仕事量とアームの温度上昇量の積分値の関係を表すグラフである。 実施例の車両の走行距離と傾きとの関係を表すグラフである。 実施例の車両の車速の経時変化を表すグラフである。 実施例の評価区間におけるモータのトルクと回転数及びアームの温度の経時変化を表すグラフである。 実施例の評価区間におけるモータの仕事量とアームの温度上昇量の積分値の関係を表すグラフである。 変形例の車両の車速とモータの仕事率の経時変化を表すグラフである。 変形例の車両の走行状態を分類する分類処理のフローチャートである。
図1は、車両2の駆動系の一部を模式的に示している。車両2は、図示省略したエンジンと、モータ6、8と、を備える、ハイブリット車である。エンジンの出力トルクとモータ8の出力トルクは、動力分配機構で適宜に分配/合成され、車軸を介して車輪へ伝達される。モータ6は、エンジンの動力の残りを用いて発電し、モータ8を駆動させる。また、モータ6は、エンジンの動力の残りを用いて発電し、メインバッテリ10を充電する。このため、モータ6は、ジェネレータと言うこともできる。また、メインバッテリ10の電力を利用して走行する場合には、メインバッテリ10からの電力でモータ8を駆動する。さらに、モータ8は、エンジンの動力の残りを用いて又は回生ブレーキを利用して発電し、メインバッテリ10を充電する。このため、モータ8は、モータジェネレータと言うことができる。なお、図1は、本明細書で開示する技術の説明に要する部品だけを表しており、説明に関係のない部品は図示を省略している。車両2は、メインバッテリ10と、リレー部20と、電力変換ユニット(以下では「PCU」と呼ぶ)12と、モータ6、8と、電子制御ユニット(以下では「ECU」と呼ぶ)30と、を備える。
メインバッテリ10は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池である。本実施例では、メインバッテリ10の電圧は300V程度である。メインバッテリ10は、複数の電池モジュールが直列に接続されている。複数の電池モジュールのそれぞれは、複数個の電池セルを有する。
メインバッテリ10は、リレー部20に接続されている。リレー部20は、メインバッテリ10と後述するPCU12との通電と非通電とを切り替えるシステムメインリレーを備える。なお、リレー部20は、図示省略したサブバッテリとの間で昇降圧を実行するDCDCコンバータ等、他の構成を備えていてもよい。
PCU12は、メインバッテリ10とモータ6、8の間に設けられている。PCU12は、平滑コンデンサ14と、メインコンバータ16と、インバータ部18と、を備えている。平滑コンデンサ14は、メインバッテリ10とPCU12との間の電圧を平滑化する。メインコンバータ16は、メインバッテリ10から供給される電圧を、必要に応じてモータ8の駆動に適した電圧まで昇圧する。また、メインコンバータ16は、モータ6やモータ8が発電した電圧を、メインバッテリ10への充電に適した電圧まで降圧することもできる。
メインコンバータ16は、昇圧及び降圧が可能なDC-DCコンバータである。一例ではあるが、本実施形態におけるメインコンバータ16は、2個のスイッチング素子42a、42bと、2個のダイオード42c、42dと、を備える。スイッチング素子42aは、ダイオード42cと並列に接続され、スイッチング素子42bは、ダイオード42dと並列に接続されている。メインコンバータ16では、スイッチング素子42aとダイオード42cによって、上アームが構成され、スイッチング素子42bとダイオード42dによって、下アームが構成されている。メインコンバータ16は、下アームのスイッチング素子42bが断続的にオンされることによって、昇圧コンバータとして機能することができる。この場合、メインコンバータ16は、メインバッテリ10から入力される直流電力を昇圧して、インバータ50側へ出力する。メインコンバータ16は、さらに、上アームのスイッチング素子42aが断続的にオンされることによって、昇圧コンバータとしても機能することができる。この場合、メインコンバータ16は、インバータ60又はインバータ50から入力される直流電力を降圧して、メインバッテリ10側へ出力する。
インバータ部18は、メインバッテリ10から供給される直流電力を、モータ8の駆動のための三相交流電力に変換する。また、インバータ部18は、モータ6、8が発電した三相交流電力を、メインバッテリ10へ充電するための直流電力に変換することもできる。平滑コンデンサ14とメインコンバータ16とインバータ部18は、共通するPCUケースにまとめて収容されている。
インバータ部18は、インバータ60とインバータ50と、を備える。インバータ50は、3組の半導体モジュール52、54、56を備える三相インバータである。半導体モジュール52は、2個のスイッチング素子52a、52bと、2個のダイオード52c、52dと、を備える。スイッチング素子52aは、ダイオード52cと並列に接続され、スイッチング素子52bは、ダイオード52dと並列に接続されている。半導体モジュールでは、スイッチング素子52aとダイオード52cによって、上アームが構成され、スイッチング素子52aとダイオード52cによって、上アームが構成され、スイッチング素子52bとダイオード52dによって、下アームが構成されている。
半導体モジュール54、56のそれぞれは、半導体モジュール52と同様の構成を有する。即ち、半導体モジュール54は、2個のスイッチング素子54a、54bと、2個のダイオード54c、54dと、を備え、半導体モジュール56は、2個のスイッチング素子56a、56bと、2個のダイオード56c、56dと、を備える。このため、インバータ50では、3つの上下アームが構成されている。
インバータ50は、複数のスイッチング素子52a、52b、54a、54b、56a、56bが選択的にオン及びオフされることによって、メインバッテリ10からの直流電力を交流電力に変換することができ、モータ8からの交流電力を直流電力に変換することもできる。同様に、インバータ60は、半導体モジュール52、54、56と同様の半導体モジュール62、64、66を備える三相インバータである。インバータ60は、半導体モジュール62、64,66の複数のスイッチング素子を選択的にオン及びオフすることによって、モータ6からの交流電力を直流電力に変換することもできる。ここで、PCU12の各スイッチング素子42a、42b、52a、52b、54a、54b、56a、56bは、特に限定されないが、MOSFET(Metal-oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)といった半導体スイッチング素子である。
ECU30は、PCU12及びリレー部20を制御する。ECU30は、上記の他、車両2の電気系統を構成する各種の構成要素の動作を制御する。ECU30は、車両2の走行状態を検知するセンサ等から、車両の走行状態を示す走行状態情報を取得する。走行状態情報は、車速センサから取得される車速と、モータ6、8から取得されるモータ6、8のトルク及び回転数と、を含む。なお、走行状態情報は、これらに限られず、例えば、アクセル開度等を含んでいてもよい。また、ECU30は、インバータ60及びインバータ50から取得される上アームの温度、下アームの温度、半導体モジュール52、54、56、62、64、66の温度、及び、メインコンバータ16上アームの温度、下アームの温度を含む温度情報を、PCU12から取得する。
(判断処理及び予測処理)
次いで、図3~図7を参照して、判断処理及び予測処理を説明する。本実施例の判断処理及び予測処理では、走行及び発電を選択的に実行するモータ8に接続されるインバータ50及びメインコンバータ16の冷却性能の状態(即ち劣化)が予測される。ECU30は、車両2が始動(例えば、車両2のスタートキーの操作)されると、最初に、判断処理及を開始する。S12では、ECU30は、車両2が作動している間、走行状態情報と温度情報とを継続的に取得する。なお、ECU30は、車両2の作動している間(即ち、車両2のシステムが起動されている間)、車両2が停車中(即ち車速が0km/時)であっても、走行状態情報を取得する。なお、変形例では、ECU30は、車両2が停車中には、車速以外の走行状態情報を取得しなくてもよい。次いで、S14では、ECU30は、S12で取得済みの走行状態情報から、車両2の走行状態を分類する。
図4には、走行状態情報として取得された車両2の車速(km/時)402、アクセル開度(%)404、及び、モータ8のトルク(N・m)406の経時変化が表わされている。なお、図4で表わされる走行状態は、予測処理の理解を容易にするために実験的に実行された走行状態である。
S14では、ECU30は、モータ8のトルク406が正の値である走行状態(即ちモータ8のトルクによって車輪が駆動されている走行状態)を、評価区間に対応する走行状態と分類する。一方、ECU30は、モータ8のトルク406が負の値である走行状態(即ちモータ8が発電している走行状態)を、非評価区間に対応する走行状態と分類する。次いで、S16では、ECU30は、S14において分類済みの走行状態が、評価区間に対応する走行状態であるか否かを判断する。
より具体的には、S14では、ECU30は、S12において、トルク406が負の値が取得されている間、非評価区間に対応する走行状態と分類する。この場合、S16では、評価区間に対応する走行状態でない(S16でNO)と判断され、S12に戻る。一方、S14では、ECU30は、S12において、トルク406が正の値が取得されている間、評価区間に対応する走行状態と分類する。この場合、S16では、評価区間に対応する走行状態である(S16でYES)と判断され、処理がS17に進む。図4では、T52、T54、及び、T56が、評価区間と判断される。
S17以降では、予測処理が実行される。S17では、ECU30は、評価区間に対応する走行状態が終了するまで、即ち、トルク406が正の値で無くなるまで走行状態情報及び温度情報を取得する。次いで、S18では、ECU30は、評価区間におけるモータ8のトルク406及び回転数504(図5参照)を用いて、モータ8の仕事量を算出する。図5に示すように、評価区間T52では、ECU30は、トルク502と回転数504とを用いて、評価区間T52内の任意のタイミングにおけるモータ8の仕事率Pを、数式P=2πNT/60で算出する。なお、Nは回転数504であり、Tはトルク502である。次いで、ECU30は、仕事率Pを、評価区間T52で積分することによって、評価区間T52の仕事量を算出する。
次いで、S20において、ECU30は、評価区間T52におけるインバータ50の上アーム、下アーム及び半導体モジュール52、54、56の温度変化のそれぞれについて、温度上昇量の積分値を算出する。図5には、一例として半導体モジュール52の温度変化のグラフが示されている。S20では、ECU30は、まず、S18で取得済みの温度506を用いて、評価区間T52の始点における始点温度508を特定する。次いで、ECU30は、評価区間T52の温度506と始点温度508との差分を、評価区間T52の期間で積分する。即ち、図5でハッチングされている領域の面積を算出する。
次いで、S22において、ECU30は、S18及びS20の算出値を組み合わせて記録する。図6は、S22で記録された算出値、即ち、S18の評価区間内の仕事量と、S20の温度上昇量の積分値と、の関係の一例を表すグラフを示す。図6の縦軸は評価区間内の仕事量を示し、横軸はS20の温度上昇量の積分値を示す。図6の各点は、1回のS22で記録された算出値を示す。S22では、さらに、ECU30は、算出値を記録する毎に、ECU30に格納されている記録回数を表すカウンタに1を加算する。
次いで、S24において、ECU30は、S22の処理回数がN(例えば300)であるか否かを判断する。処理回数を表すカウンタがN未満である場合、ECU30は、S22の処理回数がNでない(S24でNO)と判断して、S12に戻る。一方、ECU30は、処理回数を表すカウンタがNである場合、S22の処理回数がNである(S24でYES)と判断して、S26に進む。
S26では、ECU30は、N回分のS18の評価区間内の仕事量と、S20の温度上昇量の積分値と、の関係から、S18の評価区間内の仕事量と、S20の温度上昇量の積分値と、の関係を表す傾きを特定する。ECU30は、例えば、最小二乗法を用いて、傾きを特定する。図6に示すように、半導体モジュール52の温度上昇量の積分値では、直線602に示す傾きが特定される。なお、ECU30は、メインコンバータ16の上アーム及び下アームの温度変化に対しても、S17~S26の処理を実行する。図6では、S22で記録された算出値については図示されないが、S26で特定される傾きを表す直線604、606が図示されている。直線604は、メインコンバータ16の下アームの傾きを表し、直線606は、メインコンバータ16の上アームの傾きを表す。
S26が終了すると、続いて、S28において、ECU30は、状態予測を更新する。具体的には、図7に示すように、ECU30には、走行距離と傾きとの相関関係を表すデータが記録されている。ECU30は、点704で表されるように、S26で特定済みの傾きを、現時点での走行距離と組み合わせて記録する。なお、変形例では、ECU30は、S26で特定済みの傾きを、傾きを特定するために記録されたN回の記録のそれぞれの時点での走行距離の平均値と組み合わせて記録してもよい。
この結果、ECU30には、これまでにS26において特定済みの傾きと走行距離の相関関係を表す複数の点706と、今回の予測処理で特定済みの傾きと走行距離の相関関係を表す点704と、が記録される。次いで、ECU30は、複数の点706と、点704とを用いて、最小二乗法によって、傾きと走行距離の相関関係を表す直線710bを特定する。ECU30には、既に、複数の点706を用いた傾きと走行距離の相関関係を表す直線710aが特定され、記録されている。S28では、既に記録されている傾きと走行距離の相関関係を表す直線710aを、直線710bに更新して、予測処理を終了する。なお、S28において、傾きと走行距離の相関関係が記録されていない場合、特定済みの直線710bを新たに記録する。
この構成によれば、ECU30は、特定済みの直線710bを用いて、将来のある走行距離における傾きと走行距離との相関関係702bを特定することができる。特定済みの直線710bを更新することによって、将来の相関関係702aの予測を更新することができる。これにより、現時点での冷却性能に応じて、適切に、将来の冷却性能がどれほど劣化するのか(即ち、モータ8の仕事量に対してどれだけ温度上昇するのか)を予測することができる。ECU30は、将来の相関関係702a及び直線710bを用いて、あとどのぐらいの走行距離で、PCU12の冷却性能を点検すべきか、車両2の表示装置に表示させてもよい。
次いで、図8を用いて、図4の走行状態とは異なる走行状態で走行する車両2における判断処理及び予測処理を説明する。図8は、車両2の車速の経時変化を示す。図8で示される走行状態では、車両は、期間T81において、停車状態から加速し、定常走行で走行された後、期間T82において、さらに加速される。続いて、期間T81の後、いったん減速し、期間T83において、再度加速される。判断処理及び予測処理では、S14において、ECU30は、S12で取得済みの走行状態情報を用いて、加速区間(即ち期間T81、T82、T83)であるか、定常走行区間であるか、減速区間であるかを、分類する。次いで、S16では、ECU30は、S14で分類済みの区間について、加速区間である場合に、評価区間であると判断し(S16でYES)、それ以外の区間である場合に、評価区間でないと判断する(S16でNO)。
以下では、期間T81の場合が説明されているが、期間T82、T83の場合も、同様の処理が実行される。S17では、ECU30は、期間T81における走行状態情報と温度情報とを取得する。図9には、S17で取得される走行状態情報と温度情報とのうち、モータ8のトルク902及び回転数904と、半導体モジュール52、54、56の温度906と、の経時変化が図示されている。
次いで、ECU30は、S18においてモータ8の仕事量を算出し、S20において温度上昇量の積算値を算出する。次いで、ECU30は、S22、S24の処理を実行し、S26において、仕事量と温度上昇量の積分値との相関関係を算出する。図10には、S26において、算出される一例の仕事量と温度上昇量の積分値との相関関係1002、1004を表す。相関関係1004は、冷却性能に経時劣化がない場合の仕事量と温度上昇量の積分値との相関関係を表し、相関関係1002は、冷却性能に経時劣化が生じた後の仕事量と温度上昇量の積分値との相関関係を表す。なお、相関関係1002、1004の近傍に記載される破線で描かれた直線は、相関関係1002、1004のそれぞれを、直線に近似した場合の直線であり、S26では、これらの直線の傾きが特定される。次いで、S28の処理を実行して、判断処理及び予測処理が終了される。
(変形例)
上記した実施例では、モータ8の仕事量を用いて、メインコンバータ16及びインバータ50の冷却性能の状態を予測している。しかしながら、2個のモータ6、8の両者を用いて、メインコンバータ16及びインバータ50、60の冷却性能を予測してもよい。
この場合、ECU30は、図3と同様の判断処理及び予測処理を実行する。図11は、S12において取得済みの走行状態情報に含まれる車両2の車速及びモータ6の仕事率1102、及びモータ8の仕事率1104の経時変化を示す。なお、変形例では、走行状態情報には、モータ6、8の仕事率の経時変化が含まれていなくてもよい。この場合、ECU30は、走行状態情報に含まれるモータ6、8のトルクと回転数の経時変化から、モータ6、8の仕事率の経時変化を算出してもよい。
S14では、ECU30は、S12で取得済みの車速及びモータ6、8の仕事率1102、1104を用いて、走行状態を分類する。具体的には、図12に示すように、ECU30は、分類処理を実行することによって、走行状態を分類する。分類処理では、まず、S42において、ECU30は、走行状態情報に含まれるモータ8のトルク又は仕事率の経時変化を用いて、モータ8が動作中、即ち、正又は負の仕事を実行しているか否かを判断する。モータ8が動作していないと判断される場合(S42でNO)、S43において、ECU30は、「評価区間ではない走行状態」と分類して、分類処理を終了する。一方、モータ8が動作していると判断される場合(S42でYES)、S44において、ECU30は、モータ8が発電中、即ち、モータ8が負のトルクを発生又は負の仕事を実行しているか否かを判断する。モータ8が発電中であると判断される場合(S44でYES)、S46において、ECU30は、走行状態情報に含まれる車速の経時変化を用いて、車両2が減速中であるか否かを判断する。車両2が減速中であると判断される場合(S46でYES)、S48において、ECU30は、「モータ8が発電かつ減速中」と分類して、分類処理を終了する。
一方、S46において、車両2が減速中でないと判断される場合(S46でNO)、S50において、ECU30は、走行状態情報に含まれる車速の経時変化を用いて、車両2が加速中であるか否かを判断する。車両2が加速中であると判断される場合(S50でYES)、S52において、ECU30は、「モータ8が発電かつ加速中」と分類して、分類処理を終了する。一方、車両2が加速中でないと判断される場合(S50でNO)、S54において、ECU30は、「モータ8が発電かつ定常走行」と分類して、分類処理を終了する。
S44において、モータ8が発電中でないと判断される場合(S44でNO)、S56において、S46と同様に、ECU30は、車両2が減速中であるか否かを判断する。車両2が減速中であると判断される場合(S56でYES)、S58において、ECU30は、「モータ8によって車輪が駆動かつ減速中」と分類して、分類処理を終了する。
一方、S56において、車両2が減速中でないと判断される場合(S56でNO)、S60において、S50と同様に、ECU30は、車両2が加速中であるか否かを判断する。車両2が加速中であると判断される場合(S60でYES)、S62において、ECU30は、「モータ8によって車輪が駆動かつ加速中」と分類して、分類処理を終了する。一方、車両2が加速中でないと判断される場合(S60でNO)、S64において、ECU30は、「モータ8によって車輪が駆動かつ定常走行」と分類して、分類処理を終了する。
次いで、図3に戻って、S16では、ECU30は、S14において、走行状態が「評価区間ではない走行状態」及び「モータ8によって車輪が駆動かつ減速中」と分類される場合に、評価区間ではない(S16でNO)と判断し、それら以外の走行状態に分類される場合、評価区間ではある(S16でYES)と判断する。さらに、S16では、ECU30は、S14において走行状態が「モータ8が発電かつ加速中」に分類される場合、モータ8は評価区間ではないと判断して、S18に進む。この場合、S18以降の処理では、モータ8及びインバータ50については、処理を実行しない。
S18以降の処理は、実施例と同様であり、モータ6及びインバータ60と、モータ8及びインバータ50と、のそれぞれついて、処理を実行する。
なお、走行状態による評価区間であるか否かの判断は、モータ6、8がどのような仕事を実行するかによって変更される。例えば、モータ6が発電以外に車輪の駆動にも利用される場合、モータ6のトルクを利用して車両2が走行している走行状態では、モータ6とインバータ60の走行状態情報及び温度情報を用いて、S18以降の処理を実行してもよい。一般的には、ECU30は、PCU12内のスイッチング素子42a等がスイッチングを実行していると判断される車両2の走行状態である場合に、評価区間と判断してもよい。また、ECU30は、車両状態の分類に、走行状態情報及び温度情報を入力情報を用いて、ニューラルネットワーク等の非線形機械学習を用いてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、ECU30は、車両2の走行状態を分類する際に、車速、トルク、回転数等以外に、アクセル開度等の指標を利用してもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:車両、6,8:モータ、10:メインバッテリ、12:電力変換ユニット、16:メインコンバータ、30:ECU、50,60:インバータ、52,54,56,62,64,66:半導体モジュール

Claims (4)

  1. 電力変換ユニットと電力を融通する走行用のモータを備える車両に搭載される状態予測装置であって、
    車両の走行状態を示す走行状態情報を取得する状態取得部と、
    取得される前記走行状態情報によって示される前記走行状態における前記電力変換ユニットの温度に関連する温度情報を取得する温度取得部と、
    取得済みの前記走行状態情報を用いて、予測処理を実行すべき走行区間を判断する判断部と、
    取得済みの前記走行状態情報と、取得済みの前記温度情報と、を用いて、前記電力変換ユニットの放熱性能の劣化の状態を予測する前記予測処理を実行する予測部と、を備えており、
    前記予測部は、前記予測処理において、
    取得済みの前記走行状態情報を用いて、前記予測処理を実行すべき前記走行区間における前記モータの仕事量を算出し、
    取得済みの前記温度情報を用いて、前記電力変換ユニットにおける温度変化量の積分値を算出し、
    算出済みの前記モータの前記仕事量と、算出済みの前記温度変化量の前記積分値と、を用いて、前記電力変換ユニットの放熱性能の劣化の状態を予測する、状態予測装置。
  2. 前記予測部は、前記予測処理を実行すべき前記走行区間における前記走行状態情報と、前記温度情報と、を用いて、前記予測処理を実行する、請求項1に記載の状態予測装置。
  3. 前記予測部は、前記予測処理において、
    複数個の算出済みの前記モータの前記仕事量と、算出済みの前記温度変化量の前記積分値と、用いて、算出済みの前記モータの前記仕事量に対する算出済みの前記温度変化量の前記積分値の割合を特定し、
    特定済みの前記割合を用いて、前記電力変換ユニットの放熱性能の劣化の状態を予測する、請求項に記載の状態予測装置。
  4. 前記予測部は、前記予測処理において、複数のタイミングにおける複数個の前記割合を用いて、将来のタイミングにおける前記割合を予測することによって、前記電力変換ユニットの放熱性能の劣化の状態を予測する、請求項に記載の状態予測装置。
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