JP7343860B2 - 触媒およびジヒドロキシアセトンの製造方法 - Google Patents
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Description
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示の触媒は、第1粒子と、第2粒子と、第3粒子と、を含む混合物である。第1粒子は、白金からなる。第2粒子は、La1-xBixOFの組成式で表され、0<x<0.1を満たす酸化物からなる。第3粒子は、セラミックス材料からなる。第1粒子および第2粒子は、第3粒子に担持されている。第1粒子の少なくとも一部は、第2粒子に接触している。
次に、本開示の触媒の一実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
粉末状のフッ化ランタン(LaF3)0.1841gと、粉末状の酸化ランタン(La2O3)0.2831gと、粉末状の酸化ビスマス(III)(Bi2O3)0.0328gとを混合した原料粉末を準備した。原料粉末に対して空気を流通させると共に、原料を600℃で12時間焼成した。その結果、原料粉末からLa0.95Bi0.05OFの組成式で表される酸化物が得られた。このようにして得られたLa0.95Bi0.05OFの組成式で表される酸化物とメソポーラスシリカ(SBA-16)とをボールミルによりエタノール中で湿式混合し、その後500℃で4時間焼成した。その結果、La0.95Bi0.05OFの組成式で表される酸化物からなる第2粒子22と、メソポーラスシリカからなる第3粒子23とを含む中間粉末が得られた。次に、白金とポリビニルピロリドンとを含むコロイドエタノール溶液と上記中間粉末とをエタノールに添加し、室温(27℃)で6時間撹拌した。このようにして得られた混合物から溶媒を留去し、500℃で4時間焼成した。その結果、白金から第1粒子21と、La0.95Bi0.05OFの組成式で表される酸化物からなる第2粒子22と、メソポーラスシリカ(SBA)からなる第3粒子23と、を含む粉末状の混合物からなるサンプル(実施例1)を作製した。実施例1のサンプルにおいて、第1粒子21の含有率は5質量%であり、第2粒子22の含有率は15質量%であり、第3粒子23の含有率は80質量%である。
第1粒子21の含有率を7質量%、第2粒子22の含有率を15質量%および第3粒子23の含有率を78質量%とした以外は、実施例1と同様にしてサンプル(実施例2)を作製した。第1粒子21の含有率を10質量%、第2粒子22の含有率を14質量%および第3粒子23の含有率を76質量%とした以外は、実施例1と同様にしてサンプル(実施例3)を作製した。第1粒子21の含有率を7質量%、第2粒子22の含有率を9質量%および第3粒子23の含有率を84質量%とした以外は、実施例1と同様にしてサンプル(実施例4)を作製した。第1粒子21の含有率を7質量%、第2粒子22の含有率を19質量%および第3粒子23の含有率を74質量%とした以外は、実施例1と同様にしてサンプル(実施例5)を作製した。
La0.97Bi0.03OFの組成式で表される酸化物からなる第2粒子22を用いた以外は、実施例2と同様にしてサンプル(実施例6)を作製した。La0.93Bi0.07OFの組成式で表される酸化物からなる第2粒子22を用いた以外は、実施例2と同様にしてサンプル(実施例7)を作製した。比較のためにLaOFの組成式で表される酸化物からなる第2粒子22を用いた以外は、実施例2と同様にしてサンプル(比較例3)を作製した。また、La0.9Bi0.1OFの組成式で表される酸化物からなる第2粒子22を用いた以外は、実施例2と同様にしてサンプル(比較例4)を作製した。
実施例1~実施例7および比較例1~比較例4のサンプルを用いてジヒドロキシアセトンを製造した。より具体的には、実施例1~実施例7および比較例1~比較例4のサンプルをグリセリン水溶液に添加すると共に大気中において撹拌する。ジヒドロキシアセトンを製造する際の条件としては、グリセリン水溶液の濃度を1質量%、グリセリン水溶液の量を10ml、触媒量を0.3g、反応温度を30℃、処理時間を4時間に設定した。そして、各サンプルにおいて、グリセリン転化率、DHA収率およびDHA選択率を測定した。ここで、グリセリン転化率は、反応前のグリセリン濃度に対する反応前のグリセリン濃度から反応後のグリセリン濃度を減じた値の割合(%)として算出した。DHA収率は、反応前のグリセリン濃度に対する反応後のジヒドロキシアセトン濃度の割合(%)として算出した。DHA選択率は、上記グリセリン転化率に対する上記DHA収率の割合(%)、すなわち反応前のグリセリン濃度から反応後のグリセリン濃度を減じた値に対する反応後のジヒドロキシアセトン濃度の割合として算出した。反応後のグリセリン濃度や、反応後のジヒドロキシアセトン濃度は、ガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)により算出された。ガスクロマトグラフ質量分析計として島津製作所製「GCMS-QP2010 Plus」を用い、カラムとしてはRestek Corporation製「Rtx-624」を用いた。表1および表2に、実施例1~実施例7および比較例1~比較例4のサンプルのグリセリン転化率、DHA収率およびDHA選択率を示す。
Claims (5)
- 第1粒子と、第2粒子と、第3粒子と、を含む混合物であり、
前記第1粒子は、白金からなり、
前記第2粒子は、La1-xBixOFの組成式で表され、0<x<0.1を満たす酸化物からなり、
前記第3粒子は、セラミックス材料からなり、
前記第1粒子および前記第2粒子は、前記第3粒子に担持されており、
前記第1粒子の少なくとも一部は、前記第2粒子に接触している、グリセリンからジヒドロキシアセトンを得るための触媒。 - 前記第2粒子の含有率は、20質量%以下である、請求項1に記載のグリセリンからジヒドロキシアセトンを得るための触媒。
- 前記第1粒子の含有率は、10質量%以下である、請求項1または請求項2に記載のグリセリンからジヒドロキシアセトンを得るための触媒。
- 前記セラミックス材料は、アルミナ、シリカ、コージェライトおよびムライトからなる群から選択された1種以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のグリセリンからジヒドロキシアセトンを得るための触媒。
- グリセリンを準備する工程と、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の触媒にグリセリンを接触させつつ、20℃以上60℃以下の温度域に保持することによってグリセリンを酸化することにより、ジヒドロキシアセトンを得る工程と、を含む、ジヒドロキシアセトンの製造方法。
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