JP7343081B2 - 二次電池用材料、負極活物質および二次電池 - Google Patents
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Description
このような二次電池としては、主に、リチウムイオンを層間から放出するリチウムインターカレーション化合物を負極物質に用いられている。例えば充放電時にリチウムイオンを結晶面間の層間に吸蔵放出できる黒鉛等の炭素質材料を負極活物質に用いた、各種リチウムイオン電池の開発が進み、実用化もされている。
さらに、近年、各種電子機器・通信機器の小型化およびハイブリッド自動車等の急速な普及に伴い、これら機器等の駆動電源として、より高容量であり、かつサイクル特性や放電レート特性等の各種電池特性が更に向上した二次電池の開発が強く求められている。
特許文献4には一般式SiOxCyで表される化合物の特定の原料を用いる製造方法が開示されており、特許文献5にはケイ素と酸素と炭素とからなるケイ素系無機化合物であり、ケイ素系無機化合物に存在するケイ素の化学結合状態に特徴がある化合物が開示されている。
例えば特許文献6には特定の比表面積と圧縮抵抗率を有する炭素被膜をケイ素化合物の少なくとも表面の一部に有する負極活物質粒子が記載されている。
特許文献8には、ケイ素材料領域と、前記ケイ素材料領域の周囲に少なくとも一部において空隙を隔てて形成される、炭素材料による炭素材料領域とを含み、Cu-Ka線を用いた粉末X線回折法により求められる前記炭素材料領域の(002)平均層面間隔d002が0.365nm以上0.390nm以下である電池用負極材料が記載されている。
しかしながら、シリコン含有活物質は容量維持率および電池としての寿命のさらなる改良が求められている。またSiOC複合体では、ケイ素の含有量を多くすると維持率が低下する傾向にあった。したがって、二次電池に用いられる負極活物質のさらなる高性能化が求められている。
しかしながら特許文献6のように負極活物質粒子が炭素被膜により被覆する方法では、充放電によるケイ素化合物の大きな体積変化を抑制するには不十分であり、初回クーロン効率の改良は十分ではなかった。
特許文献7および8のようにケイ素材料と炭素材料の間に空隙を設けることで、充放電によるケイ素化合物の大きな体積変化に対して、炭素材料が割れることを抑制しようと試みている。しかしながら空隙を設けるだけでは初回クーロン効率の改良効果はまだ十分ではなかった。
即ち本発明は、リチウムイオン電池に用いられる二次電池用材料、および前記二次電池用材料を含む負極活物質、前記負極活物質を含む二次電池に関し、得られる二次電池の充放電容量、初期効率および容量維持率が全体的に高く、またこれら特性のバランスに優れた二次電池を与える二次電池用材料を提供することを目的とする。
さらに本発明は前記二次電池用材料を含み、得られる二次電池の充放電容量、初期効率および容量維持率が全体的に高く、またこれら特性のバランスに優れた二次電池を与える負極活物質を提供する。
[1]
Si(ケイ素)、O(酸素)、C(炭素)を含有し、Siに対するOの含有比xが0.1≦x≦2、およびSiに対するCの含有比yが0.3≦y≦11である二次電池用材料。
[2]
0.1≦x≦1.5、および0.3≦y≦11である前記[1]に記載の二次電池用材料。
[3]
0.1≦x≦1、および0.3≦y≦11である前記[1]に記載の二次電池用材料。
[4]
0.1≦x≦0.7、および0.3≦y≦11である前記[1]に記載の二次電池用材料。
[5]
x+yが1.2以上である前記[1]から[4]のいずれかに記載の二次電池用材料。
[6]
x+yが2.3以上である前記[1]から[4]のいずれかに記載の二次電池用材料。
[7]
29Si-NMRスペクトルから得られるケミカルシフト値として、Si(0価)に帰属される-70ppmから-90ppmの範囲内のピークの面積強度A、SiO4の結合に帰属される-90ppmから-130ppmの範囲内のピークの面積強度Bが、下記の式を満たす前記[1]から[6]のいずれかに記載の二次電池用材料。
式:0.2<A/B<5
[8]
体積平均粒子径(D50)が、0.5μmから10μmである前記[1]から[7]のいずれかに記載の二次電池用材料。
[9]
比表面積(BET)が、1m2/gから20m2/gである前記[1]から[8]のいずれかに記載の二次電池用材料。
[10]
赤外線解析において、2000cm-1から2200cm-1におけるSi-H伸縮振動由来である吸収スペクトルが存在しない前記[1]から[9]のいずれかに記載の二次電池用材料。
[11]
前記[1]から[10]のいずれかに記載の二次電池用材料を含有し、表面の少なくとも一部に炭素被膜を有し、真密度が1.6g/cm3以上2.0g/cm3以下、下記式(1)により定義される空隙率が7%以上20%以下である負極活物質。
[12]
炭素質相を含むマトリクスが内部に存在する前記[11]に記載の負極活物質。
[13]
Siナノ粒子を含む前記[11]または[12]に記載の負極活物質。
[14]
前記炭素被膜の量が6質量%以上30質量%以下である前記[11]から[13]のいずれかに記載の負極活物質。
[15]
前記マトリクスがシリコンオキシカーバイドと、フェノール樹脂の焼成物を含有する前記[12]に記載の負極活物質。
[16]
前記Siナノ粒子の体積平均粒子径(D50)が100nm以下である前記[13]に記載の負極活物質。
[17]
Siナノ粒子、炭素質相、および前記[1]から[10]のいずれかに記載の二次電池用材料を含有し、
前記炭素質相は前記Siナノ粒子を包埋し、
前記炭素質相がXRD測定より求められる炭素002面の面間隔が0.34nmから0.38nmであり、
比表面積が0.01m2/gから20m2/gである負極活物質。
[18]
真密度が1.8から2.5 g/cm3である前記[17]に記載の負極活物質。
[19]
乾燥空気流通下でのTG分析による100から700℃での質量減少率が10から70%である前記[17]または[18]に記載の負極活物質。
[20]
N(窒素)を含み、Si、O、CおよびNの合計質量を100質量%として、Nの含有量が0.2質量%以上2.5質量%以下である前記[17]から[19]のいずれかに記載の負極活物質。
[21]
前記二次電池用材料の割合が0.1重量%から19重量%である前記[17]から[20]のいずれかに記載の負極活物質。
[22]
29Si-NMRスペクトルから得られるケミカルシフト値として、Si(0価)に帰属される-70ppmから-90ppmの範囲内のピークの面積強度A、SiO4の結合に由来する-90ppmから-130ppmの範囲内のピークの面積強度Bが、下記の式(2)を満たす前記[17]から[21]のいずれかに記載の負極活物質。
0.2<A/B<5 (2)
[23]
平均粒子径(D50)が、0.5μmから10μmである前記[17]から[22]のいずれかに記載の負極活物質。
[24]
比表面積(BET)が、1m2/gから20m2/gである前記[17]から[23]のいずれかに記載の負極活物質。
[25]
赤外線解析において、2000cm-1から2200cm-1におけるSi-H伸縮振動由来である吸収スペクトルが存在しない前記[17]から[24]のいずれかに記載の負極活物質。
[26]
前記[11]から[25]のいずれかに記載の負極活物質を含む二次電池。
なお、前記モル比の測定は前記の方法によって実施することが好ましいが、二次電池用材料の局所的な分析を行い、それにより得られた含有比データの測定点数を多く取得して、二次電池用材料全体の含有比を類推することでも可能である。局所的な分析としては、例えばエネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)や電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA)が挙げられる。
またマトリクスは後述するようにシリコンオキシカーバイドと、炭素源樹脂の焼成物を含有するのが好ましく、シリコンオキシカーバイドと、フェノール樹脂の焼成物を含有するのが好ましい。
300nmを超える大サイズのSi粒子は、大きな塊となり、負極活物質とした時、充放電時に微粉化現象が起きやすいため、負極活物質の容量維持率が低下する傾向が想定される。一方、10nm未満の小サイズのSi粒子は細かすぎるため、Si粒子同士が凝集しやすくなる。そのため、負極活物質中へのSi粒子の分散性が低下する可能性がある。また、Si粒子が細かすぎると、その表面活性エネルギーが高くなり、負極活物質の高温焼成でSi粒子の表面上に副生成物などが多くなる傾向もある。これらが充放電性能の低下に繋がるおそれがある。
Si塊をナノ粒子とするための粉砕に用いる粉砕機としては、ボールミル、ビーズミル、ジェットミルなどの粉砕機が例示できる。また、粉砕は有機溶剤を用いた湿式粉砕であってもよく、有機溶剤としては、例えば、アルコール類、ケトン類などを好適に用いることができるが、トルエン、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素系溶剤も用いることができる。
Si粒子の形態は、動的光散乱法で平均粒径の測定が可能であるが、透過型電子顕微鏡(TEM)や電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)の解析手段を用いることで、前記アスペクト比のサンプルをより容易かつ精密に同定することができる。本二次電池用材料を含有する負極活物質の場合は、サンプルを集束イオンビーム(FIB)で切断して断面をFE-SEM観察することができ、またはサンプルをスライス加工してTEM観察によりSi粒子の状態を同定することができる。
なお前記Si粒子のアスペクト比は、TEM画像に映る視野内のサンプルの主要部分50粒子をベースにした計算結果である。
また、本二次電池用材料に含まれるSiに対するCの含有比yは二次電池とした時の充放電性能と初回クーロン効率のバランスとの観点から、0.3≦y≦8が好ましい。
本二次電池用材料がNを含む場合、Nの含有量は、充放電性能や容量維持率の観点から、前記Si、O、CおよびNの合計質量を100質量%として、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。
また、充放電性能や容量維持率の観点から5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。
0.2<A/B<5
ただし、前記式中、AはSi(0価)に帰属される-70ppmから-90ppmの範囲内のピークの面積強度、BはSiO4の結合に帰属される-90ppmから-130ppmの範囲内のピークの面積強度を表す。
また本二次電池用材料の分級前の粒径範囲は0.1μmから30μmが好ましく、微粉粒子を排除後の粒径範囲は0.5μmから30μmが好ましい。
なお、Si-H伸縮振動由来である吸収スペクトルが存在しないとは、900cm-1から1200cm-1の範囲の吸収スペクトルの吸収強度に対して2000cm-1から2200cm-1におけるSi-H伸縮振動由来である吸収スペクトルの吸収強度が0.1%以下であり、0.05%以下がより好ましい。
また本二次電池用材料とは異なる物質(以下、「被覆材」とも記す。)により表面が被覆された本二次電池用材料を負極活物質が含んでもよい。被覆材は、電子伝導性、リチウムイオン伝導性、電解液の分解抑制効果が期待出来る物質が好ましい。
また本二次電池用材料の表面が前記被覆材により被覆されている場合、負極活物質の化学安定性や熱安定性の改善の観点から、被覆材の含有量は前記二次電池用材料の全量を100質量%として、1から30質量%が好ましく、3から25質量%がより好ましい。なお本二次電池用材料の全量とは、本二次電池用材料を構成するSi、O、Cおよび前記被覆材の合計量である。本二次電池用材料がNを含む場合は、Nも含む合計量である。
被覆材が低結晶性炭素の場合、被覆層の平均厚みは10nm以上300nm以下、または、低結晶性炭素の含有量は前記二次電池用材料の全量を100質量%として、1から30質量%が好ましい。
低結晶性炭素で被覆した場合、本二次電池用材料の前記ラマンスペクトルの散乱ピーク強度比I(Gバンド/Dバンド)は、0.9から1.1の範囲であるのが好ましい。比表面積(BET)は3.5m2/g以下、真密度は1.9g/cm3以上が好ましい。
0.2<A/B<5
ただし、前記式中、AおよびBは前記と同じである。
負極活物質において、29Si-NMRスペクトルから得られるケミカルシフト値が前記式を満たすということは、負極活物質における0価であるSi粒子とシリコンオキシカーバイドに存在するSiO4との比率が、Si粒子が性能発現しやすい比率となっており、二次電池としたときの充放電性能、特に容量維持率に優れる。前記A/Bは、0.8≦A/B≦2.9の範囲がより好ましく、0.9≦A/B≦2.8の範囲がさらに好ましい。
なお、Si-H伸縮振動由来である吸収スペクトルが存在しないとは、前記と同じである。
また空隙率と同時に負極活物質の組成を適切に制御する必要があると考えられる。
本発明者らはケイ素系化合物として前記本二次電池用材料を用い、本二次電池用材料の空隙の状況を反映する空隙率と負極活物質の組成との関係を検討し、前記式(1)で定義される空隙率が本二次電池用材料と炭素被膜の間の空隙の状況を適切に反映することを見出した。さらに前記式(1)で定義される空隙率と真密度が特定の範囲にある負極活物質を二次電池に用いることで、SEIの生成が抑制され、初期のクーロン効率が改良された二次電池が得られることを見出した。
本負極活物質1は、前記本二次電池用材料の好ましい形態を含むのがより好ましい。
本負極活物質1が含む本二次電池用材料の好ましい形態とは、ケイ素元素、酸素元素および炭素元素を含むSiOCと炭素質相との複合体が挙げられる。
SiOCは前記のとおりであり、SiOCと炭素質相との複合体はケイ素-酸素-炭素骨格の三次元ネットワーク構造と炭素質相としてフリー炭素を含む構造が好ましい。ここでフリー炭素とは、前記のとおりである。
また、SiOC中のSiに対するCのモル比、y、は本二次電池用材料を本負極活物質1に用いた場合、充放電性能と初回クーロン効率のバランスとの観点から、1≦y≦20が好ましく、1.2≦y≦15がより好ましい。
SiOCがNを含む場合、本負極活物質1を二次電池に用いた際の充放電性能や容量維持率の観点から、Siに対するOのモル比、a、Siに対するCのモル比、b、およびSiに対するNのモル比、c、はそれぞれ、1≦a≦2、1≦b≦20、0<c≦0.5が好ましく、1≦a≦1.9、1.2≦b≦15、0<c≦0.4がより好ましい。
前記xおよびyと同様、a、bおよびcの測定は前記記載方法によって実施することが好ましいが、本負極活物質1の局所的な分析を行い、それにより得られた含有比データの測定点数を多く取得して、本負極活物質1全体の含有比を類推することでも可能である。局所的な分析としては、例えばエネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)や電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA)が挙げられる。
またマトリクスは後述するようにシリコンオキシカーバイドと、フェノール樹脂樹脂の焼成物を含有するのが好ましい。
炭素被膜の量は、本負極活物質1の化学安定性や熱安定性の改善の観点から、本負極活物質1の質量を100質量%として、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上25質量%以下がより好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。また本活物質の化学安定性や熱安定性の改善の観点から、炭素被膜の平均厚みは10nm以上300nm以下が好ましい。
本負極活物質1は炭素被膜を表面の一部に有しており、本負極活物質1の化学安定性や熱安定性の改善の観点から、本負極活物質1の表面の1%以上に有しているのが好ましく、10%以上に有しているのがより好ましい。本負極活物質1は炭素被膜をその表面に連続的に有しても断続的に有してもよい。
炭素被膜は化学気相成長法により本負極活物質1の表面に作成するのが好ましい。
また、本負極活物質1の真密度は空隙率との関係から、1.95g/cm3以下が好ましく、1.90g/cm3以下がより好ましい。
前記真密度は真密度測定装置を用いて測定された値である。
負極活物質全体の密度とは、前記炭素被膜を含めた負極活物質の真密度であり、活物質内部の密度とは負極活物質から前記炭素被膜を除いた粒子の真密度である。炭素被膜の密度は負極活物質が有する炭素被膜の真密度である。
炭素被膜の密度は本負極活物質1から炭素被膜を剥離し、直接、真密度を測定してもよいが、計算等により求めてもよい。例えば、炭素被膜の含有率(質量%)と本負極活物質1の密度とのプロットを数点作成し、線形近似で炭素被膜の含有率が100質量%となる点の外挿を行い、炭素被膜のみの密度を算出してもよい。
また本負極活物質1からシリコン成分を溶解し、不溶部の真密度を直接測定してもよい。
空隙率(%)=(1-見かけ密度/真密度)×100
前記式中、見かけ密度は内部空隙を含めた密度であり、前記式で定義される空隙率は粒子の内部空隙を除いた空隙となっている。前記のとおり、炭素被膜を有する活物質粒子の破壊を抑制するためには、炭素被膜とその内部との間隙が重要であり、その部分の空隙率を評価する必要がある。空隙率の定義は前記特許文献7および8で定義されるような空隙率も含めて様々な定義が提案されているが、従来から定義されている空隙率では密度との相関性が十分でない可能性がある。
また電子顕微鏡等により粒子断面を観察し、空隙部分を視認して空隙率を算出する方法もあるが、この方法では粒子断面積への依存性が大きく、炭素被膜とその内部との間隙を正確に求めることは困難である。
前記空隙率、V、は、リチウムイオンの挿入による膨張の影響を抑制する観点から、9%以上が好ましく、11%以上がより好ましい。また前記空隙率、V、は、得られる二次電池のエネルギー密度を向上させる観点から、18%以下が好ましく、17%以下がより好ましい。
本負極活物質1がSiナノ粒子を含む場合、Siナノ粒子を含む本二次電池用材料を用いてもよいし、Siナノ粒子を含まない本二次電池用材料を用い、Siナノ粒子を別途添加して本負極活物質1としてもよいし、Siナノ粒子を含む本二次電池用材料を用い、さらにSiナノ粒子を別途添加して本負極活物質1としてもよい。Siナノ粒子の分散性の観点から、Siナノ粒子を含む本二次電池用材料を用いるのが好ましい。
本負極活物質1を負極活物質とした時の充放電性能と容量維持の観点から、Siナノ粒子の体積平均粒子径は10nmから300nmが好ましく、20nmから250nmがより好ましく、30nmから200nmがさら好ましい。
体積平均粒子径については前記のとおりである。
前記比表面積はBET法により求めた値であり、測定方法は前記のとおりである。
Siナノ粒子の比表面積は、電気容量と初期のクーロン効率の観点から、100m2/gから300m2/gがより好ましく、100m2/gから230m2/gがさらに好ましい。
Siナノ粒子の形態は、動的光散乱法で平均粒径の測定が可能であるが、透過型電子顕微鏡(TEM)や電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)の解析手段を用いることで、前記アスペクト比のサンプルをより容易かつ精密に同定することができる。本発明の二次電池用材料を含有する負極活物質の場合は、サンプルを集束イオンビーム(FIB)で切断して断面をFE-SEM観察することができ、またはサンプルをスライス加工してTEM観察によりSiナノ粒子の状態を同定することができる。
なお前記Siナノ粒子のアスペクト比は、TEM画像に映る視野内のサンプルの主要部分50粒子をベースにした計算結果である。
Siナノ粒子が酸化ケイ素を有する場合、Siナノ粒子の表面がシリコンの酸化膜である二酸化ケイ素膜で被覆されているのが好ましい。
粉砕に用いる粉砕機としては、前記のとおりであり、粉砕は有機溶剤を用いた湿式粉砕であってもよい。有機溶剤としては、例えば、アルコール類、ケトン類などを好適に用いることができるが、トルエン、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素系溶剤も用いることができる。
得られたシリコン粒子を、ビーズ粒径、配合率、回転数または粉砕時間などのビーズミルの条件を制御し、分級等することでSiナノ粒子とすることができる。
マトリクス相は前記本二次電池用材料を含むマトリクスか好ましく、マトリクス相は前記炭素質相と本二次電池用材料を含むのが好ましい。
したがって本負極活物質1の体積平均粒径は2μm以上15μm以下が好ましい。本負極活物質1の体積平均粒径は2.5μm以上がより好ましく、3.0μm以上が特に好ましい。また、本負極活物質1の体積平均粒径は12μm以下がより好ましく、10μm以下が特に好ましい。体積平均粒径は前記のとおりである。
第三成分としては、Li、K、Na、Ca、MgおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属のシリケート化合物(以下、「本シリケート化合物」とも記す。)が挙げられる。
シリケート化合物は一般に1個または数個のケイ素原子を中心とし、電気陰性な配位子がこれを取り囲んだ構造を持つアニオンを含む化合物であるが、本シリケート化合物はLi、K、Na、Ca、MgおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と前記アニオンを含む化合物との塩である。
前記アニオンを含む化合物としてはオルトケイ酸イオン(SiO4 4-)、メタケイ酸イオン(SiO3 2-)、ピロケイ酸イオン(Si2O7 6-)、環状ケイ酸イオン(Si3O9 6-またはSi6O18 12-)等のケイ酸イオンが知られている。本シリケート化合物はメタケイ酸イオンとLi、K、Na、Ca、MgおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属との塩であるシリケート化合物が好ましい。前記金属の中ではLiまたはMgが好ましい。
本シリケート化合物はリチウムシリケート化合物またはマグネシウムシリケート化合物が好ましく、メタケイ酸リチウム(Li2SiO3)またはメタケイ酸マグネシウム(MgSiO3)がより好ましく、メタケイ酸マグネシウム(MgSiO3)が特に好ましい。
前記炭素質相は前記Siナノ粒子を包埋し、
前記炭素質相がXRD測定より求められる炭素002面の面間隔が0.34nmから0.37nmであり、
比表面積が0.01m2/gから20m2/gである負極活物質(以下、「本負極活物質2」とも記す。)が挙げられる。
本負極活物質2の前記炭素002面の面間隔は次のように測定することが出来る。すなわち、炭素質相を含む負極活物質を試料フォルダーに充填し、CuKα線を線源とし、X線回折図形を得る。X線回折図形のピーク位置は2θ値でピーク位置を求め、CuKα線の波長を0.15418nmとして、以下に記すBraggの公式により炭素相002面間隔を計算する。
d002=λ/2・sinθ
また本負極活物質2の前記比表面積は次のように測定することが出来る。すなわち、液体窒素温度の相対圧0.5以下における窒素吸着量を複数点求め、BETプロットより、吸着熱C値が正でかつ、直線性の高い範囲で比表面積を計算する。
本負極活物質2において、炭素質相はSiナノ粒子を包埋しているとは、Siナノ粒子が炭素質相に分散した状態をいい、SEM(走査型電子顕微鏡)のEDS(エネルギー分散型X線分光法)を用いて粒子断面を観察すること、電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA)により確認することができる。
本負極活物質2は炭素質相が層状構造を有しており、XRD測定より求められる炭素002面の面間隔が0.34nmから0.37nmである。
また炭素質相が負極活物質粒子の被覆材にもなり得ることから、負極活物質粒子間の電子伝導性を向上し、充電時の膨潤による負極活物質粒子の孤立を抑制し、二次電池とした時の容量維持率が向上する。
XRD測定より求められる炭素002面の面間隔は、クーロン効率の観点から0.34nmから0.38nmが好ましく、0.345nmから0.375nmがより好ましく、0.35nmから0.37nmがさらに好ましい。
本負極活物質2が前記本負極活物質1と同様、マトリクスを含有する場合、マトリクスは後述するようにシリコンオキシカーバイドと、炭素源樹脂の焼成物を含有するのが好ましく、シリコンオキシカーバイドと、フェノール樹脂の焼成物を含有するのが好ましい。
また、本負極活物質2の真密度は空隙率との関係から、2.3g/cm3以下が好ましく、2.1g/cm3以下がより好ましい。
前記真密度は真密度測定装置を用いて測定された値であり、ヘリウムガスによって、サンプルの入った試料室を加圧した後、バルブを開けて膨張室にガスを拡散させたときに生じる圧力変化からサンプルの体積を求め、そのサンプルの体積をサンプル重量で割ることによって求めることができる。
前記質量分析減少率は前記のとおり、乾燥空気流通の条件で、100℃から700℃の条件下でTG-DTA測定を行うことで求めることができる
本負極活物質2は乾燥空気流通下でのTG分析による100から700℃での質量分析減少率が15%から65%であるのがより好ましく、20%から60%であるのがさらに好ましい。
本負極活物質2がNを含む場合、Nの含有量は、充放電性能や容量維持率の観点から、本負極活物質2が含むSi、O、CおよびNの合計質量を100質量%として、0.2質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましい。
また、充放電性能や容量維持率の観点から2.5質量%以下が好ましく、2.3質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下がさらに好ましい。
本負極活物質2中のSi、O、CおよびNの各質量は前記本二次電池用材料と同じ方法で求めることができる。
なお、本負極活物質2が本二次電池用材料とSiナノ粒子を含む場合は、本負極活物質2の質量は本二次電池用材料とSiナノ粒子の合計質量である。本負極活物質2が本二次電池用材料、Siナノ粒子および炭素被膜を含む場合は、本負極活物質2の質量は本二次電池用材料、Siナノ粒子および炭素被膜の合計質量である。
0.2<A/B<5 (2)
ただし、前記式中、AはSi(0価)に帰属される-70ppmから-90ppmの範囲内のピークの面積強度、BはSiO4の結合に帰属される-90ppmから-130ppmの範囲内のピークの面積強度を表す。
本負極活物質2において、29Si-NMRスペクトルから得られるケミカルシフト値が前記式(2)を満たすということは、負極活物質における0価であるSi粒子とシリコンオキシカーバイドに存在するSiO4との比率が、Si粒子が性能発現しやすい比率となっており、二次電池としたときの充放電性能、特に容量維持率に優れる。前記A/Bは、0.8≦A/B≦2.9の範囲がより好ましく、0.9≦A/B≦2.8の範囲がさらに好ましい。
なお、Si-H伸縮振動由来である吸収スペクトルが存在しないとは前記と同じく、900cm-1から1200cm-1の範囲の吸収スペクトルの吸収強度に対してSi-H伸縮振動由来である吸収スペクトルの吸収強度が0.1%以下であり、0.05%以下がより好ましい。
シリケート化合物および炭素被膜は前記本負極活物質1と同じであり、好ましい態様も同じである。
具体的には、本負極活物質と有機結着剤と、必要に応じてその他の導電助剤などの成分を含んで構成されるスラリーを集電体銅箔上へ薄膜のようにして負極として用いることができる。また、前記のスラリーに黒鉛など炭素材料を加えて負極を作製することもできる。
炭素材料としては、天然黒鉛、人工黒鉛、ハードカーボンまたはソフトカーボンのような非晶質炭素などが挙げられる。
かかる範囲において、本発明の負極活物質は、化学安定性が高く、水性バインダーも採用することができる点で、実用化面においても取り扱い容易である。
工程1: 湿式法粉砕したSi(0価)スラリーを、ポリシロキサン化合物と炭素源樹脂を含む集合体と混合させ、撹拌・乾燥して前駆体を得る。
工程2: 前記工程1で得られた前駆体を不活性雰囲気中、最高到達温度1000℃から1180℃の温度範囲内で焼成して焼成物を得る。
工程3: 前記工程2で得られた焼成物を粉砕して二次電池用材料を得る。
<工程1>
(Si(0価)スラリー)
工程1で用いる湿式法粉砕したSi(0価)スラリーの調製は、有機溶媒を用いシリコン粒子を湿式粉末粉砕装置にて粉砕しながら行うことができる。有機溶媒においてシリコン粒子の粉砕を促進させるために分散剤を使っても良い。湿式粉砕装置としては、特に限定されるものでなく、ローラーミル、高速回転粉砕機、容器駆動型ミル、ビーズミルなどが挙げられる。
湿式粉砕ではシリコン粒子がSiナノ粒子となるまで分散するのが好ましい。
工程1で用いるポリシロキサン化合物としては、ポリカルボシラン構造、ポリシラザン構造、ポリシラン構造およびポリシロキサン構造を少なくとも1つ含む樹脂である。これらの構造のみを含む樹脂であっても良く、これら構造の少なくとも一つをセグメントとして有し、他の重合体セグメントと化学的に結合した複合型樹脂でも良い。複合化の形態はグラフト共重合、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などがある。例えば、ポリシロキサンセグメントと重合体セグメントの側鎖に化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂があり、重合体セグメントの末端にポリシロキサンセグメントが化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
上述方法によりポリシロキサン化合物が得られる。
ポリシロキサン化合物としては、例えば、セラネート(登録商標)シリーズ(有機・無機ハイブリッド型コーティング樹脂;DIC株式会社製)やコンポセランSQシリーズ(シルセスキオキサン型ハイブリッド;荒川化学工業株式会社製)が挙げられる。
前記工程1で用いる炭素源樹脂は、前駆体作製時にポリシロキサン化合物との混和性が良く、また、不活性雰囲気中・高温焼成により炭化され、芳香族官能基を有する合成樹脂類や天然化学原料を用いることが好ましい。
フェノール樹脂としては、例えばスミライトレジンシリーズ(レゾール型フェノール樹脂,住友ベークライト株式会社製)が挙げられる。
前記ポリシロキサン化合物と前記炭素源樹脂を含む集合体と前記Siスラリーとを均一に混合させ、攪拌した後、脱溶媒と乾燥を経て二次電池用材料前駆体(以下、「前駆体」とも記す。)が得られる。ポリシロキサン化合物と炭素源樹脂を含む集合体は、ポリシロキサン化合物と炭素源樹脂とが均一に混合した状態であることが好ましい。前記混合は分散・混合の機能を有する装置を用いて行われる。例えば、攪拌機、超音波ミキサー、プリミックス分散機などが挙げられる。有機溶媒を溜去することを目的とする脱溶剤と乾燥の作業では、乾燥機、減圧乾燥機、噴霧乾燥機などを用いることができる。
また前駆体は炭素源樹脂としてフェノール樹脂を含むのが好ましく、シリコンオキシカーバイドとフェノール樹脂を含有する前駆体が好ましい。
工程2は、上記工程1で得られた前駆体を不活性雰囲気中、最高到達温度1000℃から1180℃の温度範囲内で焼成することで、熱分解可能な有機成分を完全分解させ、その他の主成分を焼成条件の精密制御により本発明の二次電池用材料に適した焼成物とする工程である。具体的にいうと、原料のポリシロキサン化合物および炭素源樹脂が高温処理のエネルギーによってSiOC骨格とフリー炭素に転化される。すなわち、焼成によりシリコンオキシカーバイドと、炭素源樹脂の焼成物を含有するマトリクスが得られる。ここでいう焼成物とは、炭素源樹脂などの有機化合物が高温で分解や転化されることにより、その組成や構造の一部または全部が変化したものであり、ポリシロキサン化合物などの炭素含有基を持つ無機化合物と共に焼成することによって得られるものを含む。
炭素源樹脂の焼成物は前記炭素源樹脂の全てが炭素に転化されていてもよいし、一部が炭素に転化され残りは前記炭素源樹脂の構造を維持していてもよい。得られるマトリクスはシリコンオキシカーバイドと、フェノール樹脂の焼成物を含有するのが好ましい。フェノール樹脂の焼成物はフェノール樹脂の焼成物はフェノール樹脂の全てが炭素に転化されていてもよいし、フェノール樹脂の一部が炭素に転化され残りはフェノール樹脂の構造を維持していてもよい。
工程3は、上記工程2で得られた焼成物を粉砕し、必要に応じて分級することで本発明の二次電池用材料を得る工程である。粉砕は、目的とする粒径まで一段で行っても良いし、数段に分けて行っても良い。例えば焼成物が10mm以上の塊または凝集粒子となっていて、10μmの活物質を作製する場合はジョークラッシャー、ロールクラッシャー等で粗粉砕を行い1mm程度の粒子にした後、グローミル、ボールミル等で100μmとし、ビーズミル、ジェットミル等で10μmまで粉砕する。粉砕で作製した粒子には粗大粒子が含まれる場合がありそれを取り除くため、また、微粉を取り除いて粒度分布を調整する場合は分級を行う。使用する分級機は風力分級機、湿式分級機等目的に応じて使い分けるが、粗大粒子を取り除く場合、篩を通す分級方式が確実に目的を達成できるために好ましい。尚、焼成前に前駆体混合物を噴霧乾燥等により目標粒子径付近の形状に制御し、その形状で本焼成を行った場合は、もちろん粉砕工程を省くことも可能である。
Li、K、Na、Ca、MgおよびAlからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の塩としては、これら金属のフッ化物、塩化物、臭化物等のハロゲン化物、水酸化物、炭酸塩等が挙げられる。
前記金属の塩を懸濁液に添加する際の金属の塩の添加量は、Siナノ粒子のモル数に対してモル比で0.01から0.4までが好ましい。
前記金属の塩が有機溶媒に可溶の場合、前記金属の塩を有機溶媒に溶かして前記ポリシロキサン化合物と炭素源樹脂との混合物の懸濁液または、Siナノ粒子を本活物質粒子が含む場合はSiナノ粒子の懸濁液に加えて混合すればよい。前記金属の塩が有機溶媒に不溶の場合、金属の塩の粒子を有機溶媒に分散してからポリシロキサン化合物と炭素源樹脂との混合物の懸濁液または、Siナノ粒子を本活物質粒子が含む場合はSiナノ粒子の懸濁液に加えて混合すればよい。前記金属の塩は、分散効果向上の観点から平均粒径が100nm以下のナノ粒子が好ましい。前記有機溶媒は、アルコール類、ケトン類などを好適に用いることができるが、トルエン、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素系溶剤も用いることができる。
熱分解性炭素源ガスはアセチレン、エチレン、アセトン、アルコール、プロパン、メタン、エタンなどが挙げられる。
不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられ、通常、窒素が用いられる。
特に前記本負極活物質1および2は充放電容量、初期効率および容量維持率が全体的に高く、またこれら特性のバランスに優れた二次電池を与える観点から好ましい。
本二次電池用材料、本二次電池用材料を有する本負極活物質1および本負極活物質2、本負極活物質を有する二次電池は前記実施形態の構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてもよい。
また前記本二次電池用材料の製造方法は、前記実施形態の構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてもよい。
なお以下実施例の記載においては、Siは「シリコン」と同一物質を表している。
尚、本発明の実施例で用いるハーフセルは、負極に本二次電池用材料である珪素含有活物質を主体とする構成とし、対極に金属リチウムを用いた簡易評価を行っているが、これはより活物質自体のサイクル特性を明確に比較するためである。かかる構成とすることで、容量約340mAh/g前後の黒鉛系活物質を主体とした合剤に本二次電池用材料を少量添加することで、既存の負極容量を大きく上回る400から700mAh/g程度の負極容量に抑えながら、サイクル特性を向上させることが可能である。
(合成例1:メチルトリメトキシシランの縮合物(a1)の合成)
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、1,421質量部のメチルトリメトキシシラン(以下、「MTMS」とも記す。)を投入し、60℃まで昇温した。次いで、前記反応容器中に0.17質量部のiso-プロピルアシッドホスフェート(SC有機化学株式会社製「Phoslex A-3」)と207質量部の脱イオン水との混合物を5分間で滴下した後、80℃の温度で4時間撹拌して加水分解縮合反応させた。
有効成分=シランモノマーのメトキシ基が全て縮合反応した場合の理論収量(質量部)/縮合反応後の実収量(質量部)
で表される。
撹拌機、温度計、滴下ロート、冷却管および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、150質量部のノルマルブタノール(以下、「n-BuOH」とも記す。)、105質量部のフェニルトリメトキシシラン(以下、「PTMS」とも記す。)、277質量部のジメチルジメトキシシラン(以下、「DMDMS」とも記す。)を投入し80℃まで昇温した。
同温度で21質量部のメチルメタアクリレート(以下、「MMA」とも記す。)、4質量部のブチルメタアクリレート(以下、「BMA」とも記す。)、3質量部の酪酸(以下、「BA」とも記す。)、2質量部のメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下、「MPTS」とも記す。)、3質量部のn-BuOHおよび0.6質量部のブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート(以下、「TBPEH」とも記す。)を含有する混合物を、前記反応容器中へ6時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で20時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が10,000のビニル重合体(a2-1)の有機溶剤溶液を得た。
この液に472質量部の合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1)、80質量部の脱イオン水を添加し、同温度で10時間撹拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノールおよび水を除去し、次いで、250質量部のn-BuOHを添加し、不揮発分が60.1質量%の硬化性樹脂組成物(1)を1,000質量部得た。
撹拌機、温度計、滴下ロート、冷却管および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、150質量部のn-BuOH、249質量部のPTMS、263質量部のDMDMSを投入し、80℃まで昇温した。
次いで、同温度で18質量部のMMA、14質量部のBMA、7質量部のBA、1質量部のアクリル酸(以下、「AA」とも記す。)、2質量部のMPTS、6質量部のn-BuOHおよび0.9質量部のTBPEHを含有する混合物を、前記反応容器中へ5時間で滴下し、滴下終了後、更に同温度で10時間反応させて加水分解性シリル基を有する数平均分子量が20,100のビニル重合体(a2-2)の有機溶剤溶液を得た。
次いで、この液に76質量部の3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、231質量部の合成例1で得られたMTMSの縮合物(a1)、56質量部の脱イオン水を添加し、同温度で15時間撹拌して加水分解縮合反応させたものを、合成例1と同様の条件で蒸留することによって生成したメタノールおよび水を除去し、次いで、250質量部のn-BuOHを添加し、不揮発分が60.0質量%の硬化性樹脂組成物(2)を1,000質量部得た。
本発明の負極活物質を以下の様にして製造した。
小型ビーズミル装置(ウルトラアペックスミルUAM-015,株式会社広島メタル&マシナリー製)の容器中(150ml)にジルコニアビーズ(粒径範囲:0.1mmから0.2mm)および400mlのメチルエチルケトン溶媒(MEK)を加え、Si粉体(和光製薬社製、平均粒径3から5μm)70gとカチオン性分散剤液(ビックケミー・ジャパン株式会社:BYK145)を所定量入れ、ビーズミル湿式粉砕を5時間行った後、色濃い褐色液体状であるSiスラリーを得た。光散乱測定法およびTEM観察でSi粉砕粒子の平均粒径(D50)が60nmであった。
活物質粉末(80部)と導電助剤(アセチレンブラック、10部)およびバインダー(CMC+SBR、10部)との混合スラリーを調製して銅箔上に製膜した。その後、110℃で減圧乾燥し、Li金属箔を対極してハーフセルを作製した。このハーフセルについて、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、充放電特性の評価を行った(カットオフ電圧範囲:0.005から1.5v)。充放電の測定結果は、初回放電容量が1030mAh/g;初回(クーロン)効率が79.0%であった。
また、正極材料としてLiCoO2を正極活物質、集電体としてアルミ箔を用いた単層シートを用いて、正極膜を作製した。さらに、450mAh/g放電容量設計値にて黒鉛粉体や活物質粉末とバインダーを混合して負極膜を作製した。非水電解質には六フッ化リン酸リチウムをエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1/1(体積比)混合液に1mol/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレータに厚さ30μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いたフルセルのコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。このリチウムイオン二次電池を室温下、テストセルの電圧が4.2Vに達するまで1.2mA(正極基準で0.25c)の定電流で充電を行い、4.2Vに達した後は、セル電圧を4.2Vに保つように電流を減少させて充電を行い、放電容量を求めた。室温下100サイクルの容量維持率が97%であった。
実施例1において、硬化性樹脂組成物(合成例1から3)、フェノール樹脂(スミライトレジンPR-53416)およびSiスラリーを表1に示したように変えた。また実施例30および31はSi粉末の湿式粉砕の時間を3時間、比較例4はSi粉末の湿式粉砕の時間を1時間に、実施例25と26は粒径約2mmのジルコニアビーズを使用した以外は同様にして負極活物質を得た。実施例1、実施例16および実施例26で得られた二次電池用材料のFT―IR測定を後述する条件で測定した。得られたスペクトル図を図1から図3に示した。
実施例1と同様にして得られた黒色固形物20gをCVD装置(デスクトップロータリキルン:高砂工業株式会社製)に投入し、エチレンガス0.3L/分および窒素ガス0.7L/分の混合ガスを導入しながら、850℃で実施例42では1時間、実施例45では3時間加温処理して、化学的気相成長法により、黒色固形物表面への炭素被覆処理を行った。処理後の炭素被覆量を熱分析装置によって測定したところ、処理前重量よりも実施例42では5%、実施例45では20%増加したことがわかった。
実施例1において、硬化性樹脂組成物(合成例1から3)、フェノール樹脂(スミライトレジンPR-53416)およびSiスラリーを表1に示したように変え、実施例42と同様にして黒色固形物表面への炭素被覆処理を行った。処理後の炭素被覆量を熱分析装置によって測定したところ、処理前重量よりも実施例43では6%、実施例44では7%増加したことがわかった。
評価結果を表2から表3に示した。
Si粒子径:体積平均粒子径(D50)であり、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン・パナリティカル社製、マスターサイザー3000)を用いて測定した。
比表面積(BET):比表面積測定装置(BELJAPAN社製、BELSORP-mini)を用いて窒素吸着測定より測定した。
29Si-NMR:JEOL RESONANCE社製、JNM-ECA600を用いた。
電池特性評価: 二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用いて電池特性を測定し、室温25℃、カットオフ電圧範囲が0.005から1.5Vに、充放電レートが0.1C(1から3回)と0.2C(4サイクル以後)にし、定電流・定電圧式充電/定電流式放電の設定条件下で充放電特性の評価試験を行った。各充放電時の切り替え時には、30分間、開回路で放置した。初回クーロン効率とサイクル特性(本願では100サイクル時の容量維持率を指す)は以下のようにして求めた。
初回(クーロン)効率(%)=初回放電容量(mAh/g)/初回充電容量(mAh/g)
また初回放電容量については、
◎:初回放電容量2000mAh/g以上
〇:初回放電容量1000mAh/g以上2000mAh/g未満
▲:初回放電容量1000mAh/g未満
初回効率については、
◎:初回効率80%以上
〇:初回効率75%以上85%未満
▲:容量維持率75%未満
とした。
容量維持率(%@100回目)=100回目の放電容量(mAh/g)/初回放電容量(mAh/g)
◎:容量維持率95%以上
〇:容量維持率85%以上95%未満
▲:容量維持率85%未満
150mlの小型ビーズミル装置の容器中に粒径範囲が0.1mmから0.2mmのジルコニアビーズおよび100mlのメチルエチルケトン(以下、「MEK」とも記す。)溶媒を加え、平均粒径が3から5μmのシリコン粉体(和光製薬社製)とカチオン性分散剤液(ビックケミー・ジャパン株式会社:BYK145)を入れ、ビーズミル湿式粉砕を行った後、色濃い褐色液体状であるシリコンスラリーを得た。
80質量部の前記で得られた活物質粒子と導電助剤として10質量部のアセチレンブラックおよびバインダーとして10質量部のCMCとSBRとの混合物とを混合してスラリーを調製した。得られたスラリーを銅箔上に製膜した。110℃で減圧乾燥後、Li金属箔を対極としてハーフセルを作製した。このハーフセルについて、二次電池充放電試験装置(北斗(株)社製)を用い、カットオフ電圧範囲を0.005から1.5vとして充放電特性の評価を行った。充放電の測定結果から、初回クーロン効率が84.6%であった。結果を表4に示した。
シリコンスラリーを用いず、炭素被膜量を表4に示したように変更した以外は実施例46と同様にして表1に示したような負極活物質を得た。
実施例46と同様にして充放電特性の評価を行った結果を表4に示した。
炭素被膜を表4に示したように変更した以外は実施例46と同様にして表4に示したような負極活物質を得た。
実施例46と同様にして充放電特性の評価を行った結果を表4に示した。
シリコン、シリコンオキシカーバイドおよび炭素質相の質量比および炭素被膜を表4に示したように変更した以外は実施例46と同様にして表4に示したような負極活物質を得た。
実施例46と同様にして充放電特性の評価を行った結果を表4に示した。
熱CVDの反応時間を20分とした以外は実施例46と同様な条件にて負極活物質を得た。得られた負極活物質の炭素被膜の量はTG-DTAから0.8%、真密度は2.09g/cm3、そこから計算される空隙率は2.5%であった。ハーフセルの充放電測定結果から、初回クーロン効率が81.1%であった。結果を表4に示した。
熱CVD実施しなかった以外は実施例と同様な条件にて負極活物質を得た。得られた負極活物質の炭素被膜の量は0%、真密度は2.32g/cm3で空隙率は0%であった。ハーフセルの充放電測定結果から初回クーロン効率が80.8%であった。結果を表4に示した。
炭素被膜量の測定:熱分析装置(リガク社製、Thermo Plus EVO2)を用いて大気中にて重量損失を測って計算した。
真密度:真密度測定装置(アントンパール社製、Ultrapyc 5000 micro)を用いて、使用ガスはヘリウムで、温度25℃、測定圧力115kPaにて測定した。
空隙率:前記式(1)の基づき算出した。なおρ’’=1.6(g/cm3)として算出した。
電池特性評価:二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用いて電池特性を測定し、室温25℃、カットオフ電圧範囲が0.005から1.5Vで初回クーロン効率を以下のようにして求めた。
活物質の初期クーロン効率(%)=初期放電容量(mAh/g)/初期充電容量(mAh/g)
本発明の負極活物質を以下の様にして調製した。
湿式粉砕法(ビーズミル)でシリコンナノ粒子を得た。
このシリコンナノ粒子の懸濁液をポリシロキサン珪素系有機化合物と市販フェノール樹脂(住友ベークライト社製 スミライトレジン、PR-53416)と一定な構成比で(焼成後の組成で計算した仕込み構成:SiOC/C/Si=0.05/0.45/0.5)均一に混合後、減圧乾燥で得られた前駆体を窒素雰囲気中、1100℃・6時間にて高温焼成することで、SiOC/C/Siを含む黒色固形物を得た。
黒色粉末を遊星型ボールミルで粉砕し、得られた黒色粉体に熱CVD(化学蒸着法)を行うことでカーボンコートを付与した負極活物質を得た。このとき、熱CVDにはロータリーキルンタイプの反応炉を用い、炭素源としてLPG(液体プロパンガス)を炉内の温度を900℃、圧力を1atm、CVD時間を3時間とした。得られた負極活物質は4.7μmの平均粒径(D50)と13.2m2/gの比表面積(BET)を有した。前記条件を表5に、評価結果を表6に示した。
湿式粉砕法(ビーズミル)でシリコンナノ粒子を得た。
このシリコンナノ粒子の懸濁液をポリシロキサン珪素系有機化合物と市販フェノール樹脂(住友ベークライト社製 スミライトレジン、PR-53416)と一定な構成比で( 焼成後の組成で計算した仕込み構成:SiOC/C/Si=0.075/0.425/0.5)均一に混合後、減圧乾燥で得られた前駆体を窒素雰囲気中、1100℃・6時間にて高温焼成することで、SiOC/C/Siを含む黒色固形物を得た。
遊星型ボールミルで粉砕した黒色粉末が、7μmの平均粒径(D50)と21.3m2/gの比表面積(BET)を有した。これを負極活物質とした。前記条件を表5に、評価結果を表6に示した。
実施例57から64および比較例8から9は実施例57において下記表5に記載のとおり樹脂1、樹脂2および条件を変更した以外は実施例57と同様にして行った。評価結果を表6に示した。
体積平均粒径:前記と同じである。
比表面積:前記と同じである。
放電容量:負極活物質粉末に導電助剤及びバインダーを添加し、銅箔上に成膜後、リチウム金属箔を対極とするハーフセルを作製する。このハーフセルを二次電池充放電測定装置に取り付け、カットオフ電圧範囲を0.005Vから1.5Vとして容量を測定した。
初期クーロン効率:前記と同じである。
Claims (20)
- Si(ケイ素)、O(酸素)、C(炭素)を含有し、Siに対するOの含有比xが0.1≦x≦2、およびSiに対するCの含有比yが0.3≦y≦11である二次電池用材料であって、29Si-NMRスペクトルから得られるケミカルシフト値として、Si(0価)に帰属される-70ppmから-90ppmの範囲内のピークの面積強度A、SiO4の結合に帰属される-90ppmから-130ppmの範囲内のピークの面積強度Bが、下記の式を満たす二次電池用材料。
式:0.2<A/B<5 - Si(ケイ素)、O(酸素)、C(炭素)を含有し、Siに対するOの含有比xが0.1≦x≦2、およびSiに対するCの含有比yが0.3≦y≦11である二次電池用材料であって、赤外線解析において、2000cm-1から2200cm-1におけるSi-H伸縮振動由来である吸収スペクトルが存在しない二次電池用材料。
- 体積平均粒子径(D50)が、0.5μmから10μmである請求項2に記載の二次電池用材料。
- 比表面積(BET)が、1m2/gから20m2/gである請求項2に記載の二次電池用材料。
- 炭素質相を含むマトリクスが内部に存在する請求項5に記載の負極活物質。
- Siナノ粒子を含む請求項5に記載の負極活物質。
- 前記炭素被膜の量が6質量%以上30質量%以下である請求項5に記載の負極活物質。
- 前記マトリクスがシリコンオキシカーバイドと、フェノール樹脂の焼成物を含有する請求項6に記載の負極活物質。
- 前記Siナノ粒子の体積平均粒子径(D50)が100nm以下である請求項7に記載の負極活物質。
- Siナノ粒子、炭素質相、およびSi(ケイ素)、O(酸素)、C(炭素)を含有し、Siに対するOの含有比xが0.1≦x≦2、およびSiに対するCの含有比yが0.3≦y≦11である二次電池用材料を含有し、
前記炭素質相は前記Siナノ粒子を包埋し、
前記炭素質相がXRD測定より求められる炭素002面の面間隔が0.34nmから0.38nmであり、
比表面積が0.01m2/gから20m2/gである負極活物質。 - 真密度が1.8から2.5g/cm3である請求項11に記載の負極活物質。
- 乾燥空気流通下でのTG分析による100から700℃での質量減少率が10から70%である請求項11に記載の負極活物質。
- N(窒素)を含み、Si、O、CおよびNの合計質量を100質量%として、Nの含有量が0.2質量%以上2.5質量%以下である請求項11に記載の負極活物質。
- 前記二次電池用材料の割合が0.1重量%から19重量%である請求項11に記載の負極活物質。
- 29Si-NMRスペクトルから得られるケミカルシフト値として、Si(0価)に帰属される-70ppmから-90ppmの範囲内のピークの面積強度A、SiO4の結合に由来する-90ppmから-130ppmの範囲内のピークの面積強度Bが、下記の式(2)を満たす請求項11に記載の負極活物質。
0.2<A/B<5 (2) - 平均粒子径(D50)が、0.5μmから10μmである請求項11に記載の負極活物質。
- 比表面積(BET)が、1m2/gから20m2/gである請求項11に記載の負極活物質。
- 赤外線解析において、2000cm-1から2200cm-1におけるSi-H伸縮振動由来である吸収スペクトルが存在しない請求項11に記載の負極活物質。
- 請求項5から19のいずれか1項に記載の負極活物質を含む二次電池。
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