JP6857879B2 - 非水性二次電池負極用活物質の製造方法、および非水性二次電池用負極の製造方法 - Google Patents

非水性二次電池負極用活物質の製造方法、および非水性二次電池用負極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水性二次電池の負極の構成材料として用いられる非水性二次電池負極用活物質の製造方法、非水性二次電池負極用活物質、および非水性二次電池用負極の製造方法に関する。
近年、携帯型電子機器の小型化、高性能化に伴い、搭載されているリチウムイオン二次電池(LIB)の高容量化が強く求められている。LIBの高容量化策として、現在負極用活物質として使用されている黒鉛よりも高容量なケイ素、ゲルマニウム、錫およびそれらの金属酸化物、合金化物、金属オキシカーバイドを活物質に使用する検討がなされている。中でも、ケイ素および酸化ケイ素(SiO)は高容量を有することから、次世代の負極用活物質として注目されている。しかしながら、ケイ素およびSiOはLi吸蔵時の体積膨張率が高いために充放電による負極の劣化に与える影響が大きく、サイクル特性が不十分である。
そこで、サイクル特性と高容量を兼ね備えた活物質が求められており、この条件をみたし得る物として、シリコンオキシカーバイド(SiOC)が着目されている(特許文献2)。SiOCは、ケイ素およびSiOと比較してLi吸蔵による体積膨張率が低く抑えられ、安定したサイクル特性を示すとされている(特許文献1)。
特開2006−62949号公報 国際公開第2012/105672号
しかしながら、負極用活物質にSiOCを用いて製造された電池は、ケイ素やSiOを用いて製造された電池と比較して電池容量が小さいという傾向にあり、実用化に向けて改善検討の余地がある。
また、電池特性を示す指標として、電池の初回の充電容量に対する初回の放電容量の割合を示す「初回クーロン効率」が知られる。初回クーロン効率は電池容量の値が増大したときに低下する場合があり、効率の低下が問題となっている。
上記のような技術背景に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮させる、非水性二次電池負極用活物質の製造方法、非水性二次電池負極用活物質、および非水性二次電池用負極の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、骨格内にケイ素を含有する樹脂等の含ケイ素材料を、水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成することにより、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮させる、非水性二次電池負極用活物質を製造可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物、又は骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物を、水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成し、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素を含む非水性二次電池負極用活物質を得る工程(1)を含む非水性二次電池負極用活物質の製造方法を提供するものである。
また本発明は、本発明の製造方法で得られる非水性二次電池負極用活物質を提供するものである。
また本発明は、本発明の製造方法で得られた非水性二次電池負極用活物質と有機結着剤と溶剤とを混練して、負極材スラリーを調製する工程(2)と、前記工程(2)で得られた負極材スラリーを集電体上に設けて負極を形成し、非水性二次電池用負極を得る工程(3)と、を有する非水性二次電池用負極の製造方法を提供するものである。
本発明の非水性二次電池負極用活物質の製造方法は、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物、又は骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物を、水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成することにより、同原料を不活性ガス中で焼成した場合と比較して、初回クーロン効率を維持しつつ電池容量を増大させた、非水性二次電池負極用活物質を得ることができる。
本発明の非水性二次電池負極用活物質は、電池に使用されることで、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮できる。
本発明の非水性二次電池用負極の製造方法によれば、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮させる、非水性二次電池用負極を得ることができる。
以下、本発明の非水性二次電池負極用活物質の製造方法、非水性二次電池負極用活物質および非水性二次電池用負極の製造方法について、実施形態を示して説明する。
≪非水性二次電池負極用活物質の製造方法≫
<工程(1)>
実施形態の非水性二次電池負極用活物質の製造方法(「実施形態の製造方法」と省略することがある。)は、
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)、
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)、
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物、又は
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物を、
水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成し、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素を含む非水性二次電池負極用活物質を得る工程(1)を含む。
本明細書中において、焼成の対象物である、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)、骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物、及び骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物のことを、「含ケイ素材料」ということがある。加熱処理物は、後述する[加熱処理物]の段で説明する加熱処理により得ることができる。
<含ケイ素材料>
まず、工程(1)における焼成の対象物である、含ケイ素材料について説明する。
{樹脂(R)}
実施形態に係る骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)(「樹脂(R)」と省略することがある。)は、骨格内にケイ素を含有する高分子化合物である。樹脂(R)は骨格内にケイ素(Si)、炭素(C)、及び酸素(O)を含有する高分子化合物であることが好ましい。
樹脂(R)はシリコーン樹脂であることが好ましい。シリコーン樹脂とは、分子内にシロキサン結合を有する樹脂のことをいい、主鎖にシロキサン結合を有する樹脂であってよい。
樹脂(R)は骨格内にケイ素(Si)、炭素(C)、及び酸素(O)を含有するシリコーン樹脂であることがより好ましい。このような樹脂(R)を含ケイ素材料として用いることにより、実施形態の製造方法により生成されるケイ素化合物として、SiO(0<x,0<y)で表される化合物(シリコンオキシカーバイド)が得られやすい。
樹脂(R)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ウレタン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、芳香族系ポリカーボネート樹脂、芳香族系ポリエステル樹脂、コールタール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂などの樹脂や、その混合物を含んでもよい。
(樹脂A)
樹脂(R)は、ポリシロキサンセグメント(a1)を含む樹脂が好ましく、ポリシロキサンセグメント(a1)と該ポリシロキサンセグメント(a1)以外の重合体セグメント(a2)とを含む樹脂がより好ましい。ポリシロキサンセグメント(a1)を含む樹脂を樹脂(A)とする。
樹脂(A)としては、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖に化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂、前記重合体セグメント(a2)の末端に前記ポリシロキサンセグメント(a1)が化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
前記樹脂(A)が有するポリシロキサンセグメント(a1)は、該ポリシロキサンセグメント(a1)中に重合性二重結合など加熱により反応が可能な官能基を有していてもよい。焼成前に樹脂(A)を加熱処理することにより、架橋反応が進行し、固体状とすることにより、焼成処理を容易に行うことができる。
前記重合性二重結合としては、例えば、ビニル基や(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。重合性二重結合は、ポリシロキサンセグメント(a1)中に2つ以上存在することが好ましく3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましい。また、樹脂(A)として重合性二重結合が2個以上存在する複合樹脂を使用することによって、架橋反応が容易に進行させることができる。
前記ポリシロキサンセグメント(a1)は、シラノール基および/または加水分解性シリル基を有していてもよい。前記熱硬化反応と並行して、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行することで、得られる塗膜のポリシロキサン構造の架橋反応が進行し、固体状の樹脂(A)を得ることができる。
本発明で言うシラノール基とはケイ素原子に直接結合した水酸基を有するケイ素含有基である。本発明で言う加水分解性シリル基とはケイ素原子に直接結合した加水分解性基を有するケイ素含有基であり、具体的には、例えば、下記の一般式で表される基が挙げられる。
Figure 0006857879
(式中、Rはアルキル基、アリール基又はアラルキル基等の1価の有機基を、Rはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基又はアルケニルオキシ基である。またbは0〜2の整数である。)
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基等が挙げられる。
前記アシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、フェニルアセトキシ基、アセトアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基等が挙げられる。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
前記アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
前記ポリシロキサンセグメント(a1)が有する加水分解性シリル基中の加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基、アルケニルオキシ基等が挙げられ、これらの基が加水分解されることにより加水分解性シリル基はシラノール基となる。そして、このシラノール基の水酸基が脱水縮合に用いられ、ポリシロキサンセグメント(a1)部分の架橋反応が進行する。
前記ポリシロキサンセグメント(a1)は、下記一般式(S−2)および/または下記一般式(S−3)で示される構造単位を有するポリシロキサンセグメントが好ましい。下記一般式(S−2)および/または下記一般式(S−3)で示される構造単位を有するポリシロキサンセグメントは三次元網目状のポリシロキサン構造を有する。従って、複合樹脂としてこのようなポリシロキサンセグメントを有する複合樹脂を用い、焼成することにより電池容量が良好なシリコンオキシカーバイドを得ることが可能となる。
Figure 0006857879
Figure 0006857879
(前記一般式(S−2)及び(S−3)中、R、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を示す。)
前記炭素原子数が1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
前記炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
下記一般式(S−7)で示される構造単位を有さないポリシロキサンセグメントは、負極活物質として好ましくないSiOが、シリコンオキシカーバイド中に多く形成され難いため、良好な電池特性を示す傾向にある。従って、ポリシロキサンセグメント(a1)は、下記一般式(S−7)で示される構造単位を有さないことが好ましい。
Figure 0006857879
前記一般式(S−2)および/または下記一般式(S−3)で示される構造単位を有するポリシロキサンセグメントとしては、例えば以下の式(1)〜(9)で表される構造を有するもの等が挙げられる。
Figure 0006857879
Figure 0006857879
Figure 0006857879
前記樹脂(A)が有するポリシロキサンセグメント(a1)以外の重合体セグメント(a2)としては、例えば、アクリル重合体、フルオロオレフィン重合体、ビニルエステル重合体、芳香族系ビニル重合体、ポリオレフィン重合体等のビニル重合体セグメントや、ポリウレタン重合体セグメント、ポリエステル重合体セグメント、ポリエーテル重合体セグメント等の重合体セグメント等が挙げられる。中でも、ビニル重合体セグメントが好ましい。
前記重合体セグメント(a2)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて各種官能基を有していても良い。かかる官能基としては、例えばカルボキシル基、ブロックされたカルボキシル基、カルボン酸無水基、3級アミノ基、水酸基、ブロックされた水酸基、シクロカーボネート基、エポキシ基、カルボニル基、1級アミド基、2級アミド、カーバメート基、下記の構造式(S−4)で表される官能基等を使用することができる。
Figure 0006857879
また、前記重合体セグメント(a2)は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等の重合性二重結合を有していても良い。
本発明で用いられ得る樹脂(A)としては、ポリシロキサンセグメント(a1)と重合体セグメント(a2)とが下記構造式(S−5)で表される構造で結合した複合樹脂や下記構造式(S−6)で表される構造で結合した複合樹脂等が挙げられる。
Figure 0006857879
(構造式(S−5)中、炭素原子は重合体セグメント(a2)を構成する炭素原子であり、2個のケイ素原子はポリシロキサンセグメント(a1)を構成するケイ素原子である。)
Figure 0006857879
構造式(S−6)中、炭素原子は重合体セグメント(a2)を構成する炭素原子であり、ケイ素原子はポリシロキサンセグメント(a1)を構成するケイ素原子である)。
ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率は、樹脂(A)に対して10質量%以上であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることがさらに好ましい。
樹脂(A)に含まれるポリシロキサンセグメント(a1)の割合が上記下限値以上であると、得られるシリコンオキシカーバイドの収率が高く、シリコンオキシカーバイドを製造する上で好ましい。さらにポリシロキサンセグメント(a1)の割合が上記上限値以下であると、得られるシリコンオキシカーバイドは良好な電池特性を示すのでより好ましい。
本発明で用いられ得る樹脂(A)のより好ましい態様の一例としては、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が、前記一般式(S−2)および/または前記一般式(S−3)で表される構造単位を有するポリシロキサンセグメントであり、前記重合体セグメント(a2)が、ビニル重合体セグメントであり、該ポリシロキサンセグメント(a1)と該重合体セグメント(a2)とが前記構造式(S−5)で示される構造で結合する複合樹脂であり、該ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が、樹脂(A)に対して10〜95質量%であるものなどが挙げられる。
本発明で用いられ得る樹脂(A)は、種々の方法で製造できるが、なかでも下記(1)〜(3)に示す方法で製造することが好ましい。
(1)前記重合体セグメント(a2)の原料として、シラノール基および/または加水分解性シリル基を含有する重合体セグメント(a2−1)を予め調製しておき、この重合体セグメント(a2−1)と、シラノール基および/または加水分解性シリル基、並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物を含有するシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応を行う方法。
(2)前記重合体セグメント(a2)の原料として、シラノール基および/または加水分解性シリル基を含有する重合体セグメント(a2−1)を予め調製する。また、シラノール基および/または加水分解性シリル基、並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物を含有するシラン化合物を加水分解縮合反応してポリシロキサン(a1−1)も予め調製しておく。そして、重合体セグメント(a2−1)とポリシロキサン(a1−1)とを混合し、加水分解縮合反応を行う方法。
(3)前記重合体セグメント(a2−1)と、シラノール基および/または加水分解性シリル基、並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物を含有するシラン化合物と、ポリシロキサン(a1−1)とを混合し、加水分解縮合反応を行う方法。
{混合物(B)}
実施形態に係る骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)(「混合物(B)」と省略することがある。)は、上記実施形態の樹脂(R)とケイ素との混合物である。
混合物(B)は、樹脂(R)およびケイ素の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の任意成分を含有していてもよい。任意成分としては、水、有機溶剤、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素材料等が挙げられる。
混合物(B)中、ケイ素は、以下に示すシリコン粒子として存在していてもよい。
(シリコン粒子)
シリコン粒子はケイ素を含有するが、不可避的に混入する他の原子を本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。シリコン粒子の純度としては特に制限されないが、電池容量の観点から、80質量%以上であることが好ましい。
シリコン粒子の体積平均粒子径(50%D,メディアン径)は特に制限されないが、粒子径が小さいほど微細化が抑制され、サイクル性が向上することから、0.01μm〜1μmであることが好ましく、0.01μm〜0.6μmであることがより好ましく、0.01μm〜0.4μmがさらに好ましい。
シリコン粒子は上述の粒子径に粉砕して用いることができる。
粉砕機としては、ボールミル、ビーズミル、ジェットミルなどが挙げられ、中でもビーズミルは、粉砕性に優れ、目的粒径までの到達時間が早く好ましい。湿式粉砕に用いる有機溶剤は特に限定はされないが、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、イソプロパノール、トルエンなどの樹脂(R)が溶解または分散する溶剤が好ましい。
(金属ケイ素)
前記シリコン粒子は、金属ケイ素であってもよい。実施形態の製造方法で使用される金属ケイ素は特に限定されるものではなく、金属ケイ素としては、単結晶、多結晶、アモルファス等が挙げられる。
(溶剤)
混合物(B)は、水、有機溶剤などの液媒体を含んでもよい。有機溶剤は特に限定されないが、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、イソプロパノール、トルエンなど、樹脂(R)が溶解または分散する溶剤が好ましい。
(黒鉛性粒子)
混合物(B)は、黒鉛性粒子を含んでも良い。黒鉛性粒子(黒鉛性物質)は、人造黒鉛および天然黒鉛に大別されるが、電池容量と高純度の観点から人造黒鉛であることが好ましい。
形状については特に制限はなく、鱗片状、球状などが挙げられる。
{加熱処理物}
実施形態に係る骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物(「樹脂(R)の加熱処理物」と省略することがある。)は、上記実施形態の樹脂(R)を加熱処理することで得られるものである。
骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物「混合物(B)の加熱処理物」と省略することがある。)は、上記実施形態の混合物(B)を加熱処理することで得られるものである。
(加熱処理)
含ケイ素材料として加熱処理物を用いる場合、実施形態の製造方法は、樹脂(R)及び/又は混合物(B)を加熱処理し、樹脂(R)の加熱処理物及び/又は混合物(B)の加熱処理物を得る加熱処理工程を含んでもよい。
以下、加熱処理について説明する。
樹脂(R)又は混合物(B)を加熱処理する方法は、加熱処理によって得られた加熱処理物を焼成に供することにより、実施形態の非水性二次電池負極用活物質が得られるものである限り、特に制限されない。加熱処理は、公知慣用の方法で行うことができる。
含ケイ素材料として加熱処理物を用いる場合、当該加熱処理は、工程(1)における焼成より前に行われる予備焼成ともいえるものである。
加熱処理温度は、例えば、100〜800℃であってもよい。
用いる樹脂の種類等にも依るが、樹脂(R)又は混合物(B)を加熱又は焼成すると、樹脂(R)又は混合物(B)から、様々な種類の有機成分のガスが発生することがある。工程(1)では、水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成を行うので、有機成分のガスの種類によっては、爆発的な反応が生じることもあり得る。そこで、加熱処理を行うことにより、樹脂(R)又は混合物(B)から有機成分のガスを予め排出させることができるので、後の焼成工程にて含ケイ素材料から発生する有機成分のガスが低減され、予期せぬ反応が生じることを防止できる。
したがって、当該加熱処理は、不活性ガス中で行われることが好ましい。不活性ガスは、含ケイ素材料と反応しない又は反応し難いものであり、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガス属元素や、窒素等のガスが挙げられ、窒素ガスが好ましい。不活性ガスは、発明の効果を損なわない範囲で、その他のガス成分を含んでいてもよい。不活性ガスに対するその他のガス成分の含有量は、10体積%未満であることが好ましく、5体積%未満であることがより好ましく、4体積%未満であることがさらに好ましい。不活性ガスは水素を10体積%未満含んでもよく、5体積%未満含んでもよい。
不活性ガス中で加熱処理を行うことにより、発生した有機成分のガスによる予期せぬ反応を防止できる。
加熱処理により、樹脂(R)又は混合物(B)から、効率よく有機成分のガスを排出させるという観点からは、加熱処理温度は、200℃〜650℃であることが好ましく、400℃〜600℃であることがより好ましく、500℃〜580℃であることがさらに好ましい。
加熱処理は、樹脂(R)又は混合物(B)を不活性ガス中で200℃〜650℃の温度で加熱処理することが好ましく、400℃〜600℃加熱処理することがより好ましく、500℃〜580℃加熱処理することがさらに好ましい。
加熱処理時間は、樹脂(R)又は混合物(B)から有機成分のガスを排出させるのに効果的な時間を目安として適宜定めればよく、一例として、10分〜16時間が好ましく、1〜10時間がより好ましく、2〜5時間がさらに好ましい。
加熱処理に用いることのできる装置としては、後述の工程(1)の焼成に用いることのできる装置と同様のものが挙げられ、加えて噴霧熱分解装置も用いる事が可能である。
なお、予期せぬ反応に対処するその他の手段として、防爆構造を有する装置を使用して加熱処理を行うなどの方法が挙げられる。また、使用する樹脂の種類によっては、予期せぬ反応が生じないこともある。実施形態の製造方法において、含ケイ素材料として加熱処理物を用いることは必須ではない。
<焼成>
次に、前記工程(1)における焼成について説明する。
工程(1)は、含ケイ素材料を、水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成し、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素を含む非水性二次電池負極用活物質を得る工程である。
含ケイ素材料を、水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で焼成することにより、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮させる、非水性二次電池負極用活物質を得ることができる。
工程(1)において生成される、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素が、非水性二次電池負極用活物質としての作用を発揮する。
フリー炭素を含む含ケイ素材料の表面には樹脂成分由来の−OH基、−COOH基、またはケイ素由来の−OH基が存在していると考えられる。リチウムイオン二次電池を例に挙げると、これらの表面官能基が含ケイ素材料内へのLiの挿入を抑制し、電池容量の低下の要因となっている可能性がある。実施形態の製造方法によれば、水素ガスによる還元性雰囲気中で含ケイ素材料を焼成することで、これらの表面官能基の存在を低減させ、含ケイ素材料内へのLiの挿入量が増加し、電池容量が向上するものと考えられる。
或いは、水素ガスによる還元性雰囲気中で含ケイ素材料を焼成することで、含ケイ素材料を構成する元素同士の結合様式が変化し、含ケイ素材料内に収容できるLi容量が増加し、電池容量が向上するものとも考えられる。
上記の観点により、焼成に用いるガスが不活性ガスを含む場合には、当該ガスに含まれる水素の体積%は、当該ガスで含ケイ素材料を焼成することにより、得られた非水性二次電池負極用活物質を備える非水性二次電池の電池容量を向上させる効果を有する程度であればよく、本実施形態においては水素を10体積%以上含む不活性ガスであり、水素を15体積%以上含む不活性ガスであってもよく、水素を20体積%以上含む不活性ガスであってもよく、水素を30体積%以上含む不活性ガスであってもよく、水素を40体積%以上含む不活性ガスであってもよく、水素を50体積%以上含む不活性ガスであってもよく、水素を60体積%以上含む不活性ガスであってもよく、水素を70体積%以上含む不活性ガスであってもよく、水素を80体積%以上含む不活性ガスであってもよく、水素を90体積%以上含む不活性ガスであってもよく、水素を95体積%以上含む不活性ガスであってもよく、実質的に水素からなるガスであってもよい。
所定の量で水素を含む不活性ガスAが、当該ガスで含ケイ素材料を焼成することにより、得られた非水性二次電池負極用活物質を備える非水性二次電池の電池容量を向上させる効果を有するかどうかは、所定の量で水素を含む不活性ガスAで含ケイ素材料を焼成して得られた物質Aと、水素を含まない又は所定の量未満で水素を含む不活性ガスBで含ケイ素材料を焼成して得られた物質Bとで、同条件による比較の結果、物質Aを備える非水性二次電池のほうが、物質Bを備える非水性二次電池よりも電池容量が向上していた場合、所定の量で水素を含む不活性ガスAが、非水性二次電池の電池容量を向上させる効果を有すると判断できる。
不活性ガスとしては、既述の加熱処理で例示した不活性ガスが挙げられる。
不活性ガスは、発明の効果を損なわない範囲で、水素及び不活性ガスに該当しないガス成分を含んでいてもよい。この場合の、水素を10体積%以上含む不活性ガスとは、焼成に用いるガス全体に対して水素が10体積%以上含まれるガスである。
焼成に用いるガスが不活性ガスを含む場合、焼成に用いるガスに占める不活性ガスと水素ガスとの合計は、80体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましく、95体積%以上であることがさらに好ましく、100体積%であることが特に好ましい。
焼成温度は、700〜1400℃が好ましく、800〜1300℃がより好ましく、900〜1250℃がさらに好ましく、1000〜1200℃が特に好ましい。
上記の下限値以上、上限値以下の温度で焼成を行うことで、活物質としての特性に優れる非水性二次電池負極用活物質を、効率よく生成させることができる。
焼成時間は、活物質としての特性に優れる非水性二次電池負極用活物質を得るのに効果的な時間を目安として適宜定めればよく、一例として、5分〜16時間が好ましく、10分〜10時間がより好ましく、30分〜3時間がさらに好ましい。
焼成は一度に行われてもよく、複数回に分けて行われてもよい。
焼成は、常圧焼成であってよい。
焼成は、例えば、固定床又は流動床方式の炭化炉で行うことができ、所定温度へ昇温できる機能を有する炉であれば、炭化炉の加熱方式及び種類は特に限定されない。炭化炉としては、例えば、リードハンマー炉、トンネル炉、単独炉等が挙げられる。
焼成の対象となる含ケイ素材料が溶媒等の揮発成分を含む場合、実施形態の製造方法は、焼成処理に先立ち含ケイ素材料を乾燥させる乾燥工程を有していてもよい。乾燥工程により、含ケイ素材料に含まれる一部又は全部の揮発成分を除くことができ、好ましい焼成条件を管理しやすい。
乾燥後の含ケイ素材料の含水率(揮発成分/含ケイ素材料×100)は、特に限定されないが、例えば、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0質量%であってもよい。
乾燥の手法は限定されず、含ケイ素材料に含まれる揮発成分の量や種類に応じて適宜実施することができ、自然乾燥、温風乾燥、減圧乾燥等の方法が挙げられる。乾燥温度は100℃以下であることが好ましい。乾燥時間は、例えば1〜24時間程度であってよい。
焼成の対象となる含ケイ素材料の形状は、特に限定されるものではないが、水素との反応がより効率的に進行するとの観点から、粒子状であることが好ましい。粒子の体積平均粒径(50%D,メディアン径)は、0.1〜500μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましく、3〜30μmであることがさらに好ましい。
実施形態の製造方法によれば、上記工程(1)を行うことにより、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮させる非水性二次電池負極用活物質を製造できる。
従来の非水性二次電池負極用活物質の製造方法においては、樹脂と反応しないよう不活性ガス中で樹脂を焼成することが行われていた。したがって、従来の焼成方法では、ガスの作用によって非水性二次電池負極用活物質の特性に、積極的な変化を与えることは行われていなかった。
対して、実施形態の非水性二次電池負極用活物質の製造方法によれば、従来よりも高い割合で水素を含むガス中、又は水素ガス中、で樹脂を焼成することにより、水素ガスの作用により非水性二次電池負極用活物質の特性に変化を与えることができる。酸素を含む官能基はLiと反応することも予想され、これを水素ガスで処理することは初回クーロン効率を向上させるものと予想されるかもしれない。しかしながら、実施形態の非水性二次電池負極用活物質の製造方法によれば、優れた電池容量を発揮させるという、予想外の効果を発揮する非水性二次電池負極用活物質を製造できる。
≪非水性二次電池負極用活物質≫
実施形態の非水性二次電池負極用活物質は、実施形態の製造方法で得られる。非水性二次電池負極用活物質は、非水性二次電池の負極に配合されたとき活物質として機能する。実施形態の非水性二次電池負極用活物質は、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素を含むものである。ここでのケイ素は、混合物(B)におけるケイ素に由来するものであってよい。
ケイ素化合物は、無機化合物であってよく、SiOで表される化合物(0<x,0<y)(シリコンオキシカーバイド)であることが好ましく、SiOで表される化合物(0<x<2,0<y<10)であることがより好ましく、SiOで表される化合物(1<x<2,1<y<10)であることがさらに好ましい。
シリコンオキシカーバイドにおける上記xおよびyの数値は、元素分析により解析した結果から求めることができる。
シリコンオキシカーバイドにおける上記xおよびyの数値は、使用する樹脂(R)の種類により、適宜調製することができる。
シリコンオキシカーバイドは、非水性二次電池負極用活物質として優れた特性を発揮する。
含ケイ素材料として混合物(B)を用いる場合など、非水性二次電池負極用活物質は、ケイ素化合物およびケイ素を含む場合がある。当該非水性二次電池負極用活物質におけるケイ素化合物とケイ素との質量比率は、97/3〜60/40が好ましく、95/5〜65/35がより好ましく、90/10〜70/30がさらに好ましい。ケイ素化合物とケイ素との質量比率は、樹脂(R)から得られたケイ素化合物とケイ素との重量比率(樹脂(R)×焼成率(PY)/ケイ素)で表すこともできる。ここでいう焼成率(PY)は既述の工程(1)の処理により樹脂(R)から得られるケイ素化合物の割合をさし、(ケイ素化合物の質量/樹脂(R)の質量)と定義される。
非水性二次電池負極用活物質における上記ケイ素化合物とケイ素との質量比率の数値は、使用する混合物(B)における樹脂(R)とケイ素との比率により、適宜調製することができる。
非水性二次電池負極用活物質は、リチウムイオン二次電池の負極用活物質、及びリチウムイオンキャパシタの負極用活物質として使用することができる。
なお、実施形態の非水性二次電池負極用活物質は、実施形態の製造方法で得られるものであるが、得られた非水性二次電池負極用活物質の化学構造を解析することは、現状では困難であった。
特に、非水性二次電池負極用活物質が、ケイ素化合物としてシリコンオキシカーバイドを含む場合、酸素を含む構造の表面について、その酸化状態の変化を解析することは著しく困難であった。実施例で得られたシリコンオキシカーバイド粒子と、比較例で得られたシリコンオキシカーバイド粒子とを、X線吸収微細構造解析、及びラマン分光法で分析したが、両者の違いは検出されなかった。
≪非水性二次電池用負極材≫
実施形態に係る非水性二次電池用負極材は、実施形態の非水性二次電池負極用活物質を含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
実施形態に係る非水性二次電池用負極材としては、後述の負極材スラリー又はその成形物が挙げられる。
実施形態の非水性二次電池負極用活物質を含むことで、初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮するリチウムイオン二次電池用負極を構成することができる。
前記その他の成分としては、例えば、バインダー樹脂、導電助剤等を挙げることができる。
≪非水性二次電池用負極≫
実施形態に係る非水性二次電池用負極は、既述の実施形態に係る非水性二次電池用負極材を有する。実施形態に係る非水性二次電池用負極材を有することにより初回クーロン効率を維持しつつ優れた電池容量を発揮する非水性二次電池を構成することが可能になる。
実施形態の非水性二次電池用負極は、実施形態の非水性二次電池用負極の製造方法により得ることができる。
非水性二次電池用負極における非水性二次電池負極用活物質の含有割合は、50〜99.9質量%であることが好ましく、60〜98質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。
非水性二次電池負極用活物質の含有割合が上記範囲内であることで、電極において優れた効果を発揮できる。
≪非水性二次電池用負極の製造方法≫
次に、本発明の非水性二次電池用負極の製造方法について、実施形態の非水性二次電池負極用活物質を用いて、リチウムイオン二次電池を製造する実施形態について説明する。実施形態の非水性二次電池用負極の製造方法は、以下の工程(2)及び工程(3)を有する。
<工程(2)>
実施形態の非水性二次電池用負極の製造方法は、実施形態の製造方法で得られた非水性二次電池負極用活物質と有機結着剤と溶剤とを混練して、負極材スラリーを調製する工程(2)を有する。
負極材スラリーは、例えば、実施形態の非水性二次電池負極用活物質及び有機結着剤を溶剤とともに撹拌機、ボールミル、スーパーサンドミル、加圧ニーダ等の分散装置により混練して調製することができる。
非水性二次電池負極用活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を組合せて用いてもよい。
上記有機結着剤(以下、「バインダー」ともいう)としては、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体;エチレン性不飽和カルボン酸エステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、およびヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)、およびエチレン性不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等)からなる(メタ)アクリル共重合体;ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロヒドリン、ポリホスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミドイミド、カルボキシメチルセルロースなどの高分子化合物が挙げられる。
これらの有機結着剤は、それぞれの物性によって、水に分散、あるいは溶解したもの、また、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)などの有機溶剤に溶解したものがある。非水性二次電池用負極の負極層中の有機結着剤の含有比率は、1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、3〜15質量%であることがさらに好ましい。
有機結着剤の含有比率が1質量%以上であることで密着性が良好で、充放電時の膨張・収縮によって負極が破壊されることが抑制される。一方、30質量%以下であることで、電極抵抗が大きくなることを抑制できる。
また、上記負極材スラリーには、必要に応じて、導電助剤を混合してもよい。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、あるいは導電性を示す酸化物や窒化物等が挙げられる。導電助剤の使用量は、実施形態の非水性二次電池用負極材に対して1〜15質量%程度とすればよい。
<工程(3)>
実施形態の非水性二次電池用負極の製造方法は、前記工程(2)で得られた負極材スラリーを集電体上に設けて負極を形成し、非水性二次電池用負極を得る工程(3)を有する。
また前記集電体の材質および形状については、特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にした帯状のものを用いればよい。また、多孔性材料、たとえばポーラスメタル(発泡メタル)やカーボンペーパーなども使用可能である。
負極材スラリーを集電体に塗布することで、負極材スラリーを集電体上に設けて負極を形成してもよい。
上記負極材スラリーを集電体に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。塗布後は、必要に応じて平板プレス、カレンダーロール等による圧延処理を行うことが好ましい。
或いは、負極材スラリーを成形し、これを集電体と一体化することで、負極材スラリーを集電体上に設けて負極を形成してもよい。
負極材スラリーは、シート状、ペレット状等の形状に成形することができる。成形された負極材スラリーと集電体との一体化は、例えば、ロール、プレス、もしくはこれらの組み合わせ等、公知の方法により行うことができる。
前記集電体上に形成された負極層および集電体と一体化した負極層は、用いた有機結着剤に応じて熱処理することが好ましい。例えば、ポリイミド、ポリアミドイミドを主骨格とした有機結着剤を用いた場合には150〜450℃で熱処理することが好ましい。
この熱処理により溶媒の除去、バインダーの硬化による高強度化が進み、粒子間及び粒子と集電体間の密着性が向上できる。尚、これらの熱処理は、処理中の集電体の酸化を防ぐため、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気、真空雰囲気で行うことが好ましい。
また、熱処理する前に、負極はプレス(加圧処理)しておくことが好ましい。本発明のリチウムイオン二次電池用負極材では、電極密度が1.1〜1.7g/cmであることが好ましく、1.2〜1.7g/cmであることがより好ましく、1.3〜1.7g/cmであることがさらに好ましい。電極密度については、高いほど密着性が向上し、サイクル性も向上する傾向がある。
≪非水性二次電池≫
実施形態の非水性二次電池は、電解液が収容された容器内に、前記工程(3)で得られた非水性二次電池用負極と、正極とが、セパレータを介して対向して配置されたものである。
実施形態の非水性二次電池は、実施形態の非水性二次電池の製造方法により得ることができる。
本発明の非水性二次電池について、リチウムイオン二次電池である場合の実施形態について説明する。実施形態のリチウムイオン二次電池の構造は、特に限定されないが、通常、正極および負極と、必要に応じて設けられるセパレータとを、扁平渦巻状に巻回して巻回式極板群としたり、これらを平板状として積層して積層式極板群としたりし、これら極板群を外装体中に封入した構造とするのが一般的である。
実施形態のリチウムイオン二次電池は、特に限定されないが、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池、角型電池などとして使用される。
なお、上述した実施形態のリチウムイオン二次電池用負極材は、リチウムイオン二次電池用と記載したが、リチウムイオンを挿入脱離することを充放電機構とする電気化学装置全般、例えば、ハイブリッドキャパシタなどにも適用することが可能である。
≪非水性二次電池の製造方法≫
次に、非水性二次電池の製造方法について、実施形態の非水性二次電池用負極を用いて、リチウムイオン二次電池を製造する実施形態について説明する。実施形態の非水性二次電池の製造方法は、以下の工程(4)を有する。
<工程(4)>
実施形態の非水性二次電池の製造方法は、容器内に、前記工程(3)で得られた非水性二次電池用負極と、正極とを、セパレータを介して対向して配置し、前記容器内に電解液を収容し、非水性二次電池を得る工程(4)を有する。例えば、上記のリチウムイオン二次電池用負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、電解液を注入することにより構成することができる。
前記正極は、前記負極と同様にして、集電体表面上に正極層を形成することで得ることができる。この場合の集電体はアルミニウム、チタン、ステンレス鋼等の金属や合金を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にした帯状のものを用いることができる。
前記正極層に用いる正極材料としては、特に制限はなく、例えば、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属化合物、金属酸化物、金属硫化物、または導電性高分子材料を用いればよく、特に限定されない。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、およびこれらの複酸化物(LiCoxNiyMnzO、x+y+z=1)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、リチウムバナジウム化合物、V、V13、VO、MnO、TiO、MoV、TiS、V、VS、MoS、MoS、Cr、Cr、オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe)、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン等の導電性ポリマー、多孔質炭素等などを単独或いは混合して使用することができる。
前記セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルム又はそれらを組み合わせたものを使用することができる。なお、作製するリチウムイオン二次電池の正極と負極が直接接触しない構造にした場合は、セパレータを使用する必要はない。
前記電解液としては、例えば、LiClO、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSOCF等のリチウム塩を、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、シクロペンタノン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル等の単体もしくは2成分以上の混合物の非水系溶剤に溶解した、いわゆる有機電解液を使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断わりがない限り「部」、「%」は質量基準である。
実施例及び比較例における各元素分析及び電池特性の評価を以下に示す。
<元素分析>
本発明の各元素の含有量は以下の分析により評価した。
C分析:高周波燃焼−赤外線吸収法により、分析を行った。
装置:LECO製 CS 844型
O分析:不活性ガス融解−赤外線吸収法により、分析を行った。
装置:LECO製 TCH600型
Si分析:試料を水酸化ナトリウムと過酸化ナトリウムで溶解分解後、溶融物を塩酸で溶解した後、ICP検出を行った。
装置:島津製作所製 ICPE−9820型
<電池特性評価>
本発明に係るシリコンオキシカーバイド粒子の電池特性は次のようにして測定した。
測定の際に設定した電流値は、シリコンオキシカーバイド粒子あたりの理論容量を700mAh(1.0C)とし、シリコンオキシカーバイド粒子重量あたり70mA(0.1C)となるようにした。
二次電池充放電試験装置(北斗電工製 HJ1001SD8)を用いて電池特性を測定し、充電は電池電圧が0.005Vに達するまで0.1Cの電流値でおこない、0.005Vに達した後は、セル電圧を0.005Vに保つように電流を減少させて行った。そして、電流値が10分の1の電流値を下回った時点で充電を終了した。このときの容量を充電容量とした。放電は0.1Cの電流値で行い、電圧が1.5Vを上回った時点で終了した。このときの容量を放電容量とした。各充放電時の切り替え時には、30分間、開回路で放置した。クーロン効率は以下のようにして求めた。
クーロン効率(%)=放電容量(mAh/g)/充電容量(mAh/g)×100
(ケイ素含有樹脂(A1)の製造)
本発明に係るケイ素含有樹脂(A1)を、下記のとおり製造した。
[合成例1]
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)164gを仕込んで、120℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA)226g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)14g、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH)24gからなる混合物を、前記反応容器中へ4時間かけて滴下した。その後、同温度で16時間撹拌し、トリメトキシシリル基を有するビニル重合体を調製した。
次いで、前記反応容器の温度を80℃に調整し、メチルトリメトキシシラン(MTMS)113g、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(APTS)194g、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS)99gを、前記反応容器中へ添加した。
その後、Phoslex A−3〔堺化学(株)製、イソプロピルアシッドホスフェイト〕5.4gと脱イオン水83gとの混合物を、5分間かけて滴下し、同温度で2時間撹拌することにより、加水分解縮合反応させ、反応生成物を得た。反応生成物を、1H−NMRを用いて分析したところ、前記ビニル重合体が有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。その後、前記反応生成物を、10〜300mmHgの減圧下に、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、酢酸ブチル(BuAc)400gを添加することで、不揮発分が59.8質量%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなるケイ素含有樹脂(A1)の溶液1000gを得た。
Figure 0006857879
(非水性二次電池負極用活物質の製造)
本発明に係る非水性二次電池負極用活物質を、下記のとおり製造した。
[実施例1]
合成例1で得られたケイ素含有樹脂(A1)の溶液200gを、減圧下100℃で12時間乾燥させた。乾燥物を550℃3時間窒素雰囲気中で加熱し、加熱処理物を得た。得られた加熱処理物をペイントコンディショナーで粉砕し、平均粒径10μmの粒子とした。この粒子を1100℃1時間水素雰囲気中で焼成し、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiO(x=1.53,y=1.52)であった。
[実施例2]
実施例1において、加熱処理後の粒子を1000℃1時間水素雰囲気中で焼成した以外は、上記の実施例1と同様にして、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiO(x=1.50,y=1.51)であった。
[実施例3]
実施例1において、加熱処理後の粒子を、1000℃1時間20体積%水素を含むアルゴン混合ガス雰囲気中で焼成した以外は、上記の実施例1と同様にして、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiO(x=1.51,y=1.53)であった。
[比較例1]
合成例1で得られたケイ素含有樹脂(A1)の溶液200gを、減圧下100℃で12時間乾燥させた。乾燥物を550℃1時間窒素雰囲気中で加熱し、加熱処理物を得た。得られた加熱処理物をペイントコンディショナーで粉砕し、平均粒径10μmの粒子とした。この粒子を1000℃1時間窒素雰囲気中で焼成し、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiO(x=1.53,y=1.54)であった。
[比較例2]
比較例1において、加熱処理後の粒子を、1000℃1時間5体積%水素を含むアルゴン混合ガス雰囲気中で焼成した以外は、上記の比較例1と同様にして、黒色のシリコンオキシカーバイド粒子(非水性二次電池負極用活物質)を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子の組成を、元素分析により解析したところ、組成式は、SiOxCy(x=1.54,y=1.50)であった。
前記の実施例および比較例で得られたシリコンオキシカーバイド粒子に関する電池特性評価を以下の方法により行った。
(評価用リチウムイオン二次電池の製造)
前記で得られたシリコンオキシカーバイド粒子80部に対して、アセチレンブラック10部、カルボキシメチルセルロースナトリウム2.5部、スチレンブタジエンゴム7.5部、水150部を加えてスラリーを作製した。次いで、スラリーを厚さ18μmの銅箔に塗布し、120℃で1時間乾燥後、プレスにより電極を加圧成形し、最終的には1.54cm2に打ち抜き、負極とした。得られた負極と対極にリチウム箔を使用し、非水電解質として、六フッ化リンリチウムをエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1/1(体積比)混合液に1mol/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレータに厚さ30μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いた評価用リチウムイオン二次電池ハーフセルを作製した。
得られたハーフセルを12時間室温で放置した後、二次電池充放電試験装置(北斗電工製 HJ1001SD8)を用いて、初回充電容量および初回放電量、初回クーロン効率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006857879
ケイ素含有樹脂(A1)を窒素ガス中又は水素を5体積%含むアルゴン混合ガス中で焼成して得られた比較例1〜2のシリコンオキシカーバイド粒子と比較して、ケイ素含有樹脂(A1)を水素ガス中又は水素を20体積%含むアルゴン混合ガス中で焼成して得られた実施例1〜3のシリコンオキシカーバイド粒子では、製造されたリチウムイオン二次電池における初回クーロン効率の低下は確認されず、初回充電容量、および初回放電容量が格段に向上されていた。
焼成温度が1000℃の実施例2のシリコンオキシカーバイド粒子と比較して、焼成温度が1100℃の実施例1のシリコンオキシカーバイド粒子では、初回充電容量、および初回放電容量ともに向上が見られた。

Claims (11)

  1. 骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)、
    骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)、
    骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)の加熱処理物、又は
    骨格内にケイ素を含有する樹脂(R)とケイ素との混合物(B)の加熱処理物を、
    水素または水素を10体積%以上含む不活性ガス中で700℃〜1400℃の温度で焼成し、ケイ素化合物、またはケイ素化合物およびケイ素を含む非水性二次電池負極用活物質を得る工程(1)を含むことを特徴とする非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
  2. 前記ケイ素化合物がSiO(0<x<2,0<y<10)で表される化合物である請求項1に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
  3. 前記樹脂(R)が、ポリシロキサンセグメント(a1)を含む樹脂(A)である請求項1又は2に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
  4. 前記ポリシロキサンセグメント(a1)がシラノール基および/または加水分解性シリル基を有する請求項3に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
  5. 前記ポリシロキサンセグメント(a1)が、下記一般式(S−2)および/または下記一般式(S−3)で表される構造単位を有するポリシロキサンセグメントである請求項3又は4に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
    Figure 0006857879
    Figure 0006857879
    (前記一般式(S−2)及び(S−3)中、R 、R 及びR は、それぞれ独立して炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を示す。)
  6. 前記ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が、前記樹脂(A)に対して10質量%以上である、請求項3〜5の何れか一項に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
  7. 前記樹脂(A)が、ポリシロキサンセグメント(a1)と、該ポリシロキサンセグメント(a1)以外の重合体セグメント(a2)とを有する樹脂である請求項3〜6の何れか一項に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
  8. 前記重合体セグメント(a2)が、ビニル重合体セグメントである請求項7に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
  9. 前記樹脂(A)が、ポリシロキサンセグメント(a1)と重合体セグメント(a2)とが下記の構造式(S−5)で示される構造で結合する複合樹脂である請求項7又は8に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
    Figure 0006857879
    (式中、炭素原子は重合体セグメント(a2)を構成する炭素原子であり、2個のケイ素原子はポリシロキサンセグメント(a1)を構成するケイ素原子である)
  10. 前記工程(1)は、前記樹脂(R)の加熱処理物、または前記混合物(B)の加熱処理物を用い、
    前記樹脂(R)の加熱処理物、または前記混合物(B)の加熱処理物は、前記樹脂(R)または前記混合物(B)を不活性ガス中で100℃〜800℃の温度で加熱処理する事で得られる物である請求項1〜9の何れか一項に記載の非水性二次電池負極用活物質の製造方法。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の製造方法で得られた非水性二次電池負極用活物質と有機結着剤と溶剤とを混練して、負極材スラリーを調製する工程(2)と、
    前記工程(2)で得られた負極材スラリーを集電体上に設けて負極を形成し、非水性二次電池用負極を得る工程(3)と、
    を有する非水性二次電池用負極の製造方法。
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