JP7341128B2 - マイクロカプセル - Google Patents
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Description
[態様1]
マイクロカプセルの製造方法であって、
酵母細胞を熱水処理し、内容成分が菌体外に放出され、内容成分が分離され残留した酵母細胞を製造する工程、
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞を第1有効成分とし、これに第2有効成分を内包させる工程、
を含む、
ただし、内容成分が分離され残留した酵母細胞に酸処理を施さない、
前記製造方法。
[態様2]
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞にプロテアーゼ及び/又はセルラーゼ添加処理を施す工程を含む、態様1の方法。
[態様3]
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞にプロテアーゼ及び/又はセルラーゼ添加処理を施す工程の前、後、又は同時に乳化剤を添加する工程を含む、態様2に記載の方法。
[態様4]
乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン及びサポニンからなる群より選択される、態様3に記載の方法。
[態様5]
第2有効成分が、香料、香辛料抽出物、香味油、動物性油脂及び植物性油脂からなる群から選択される脂溶性物質である、態様1-4のいずれか1項に記載の方法。
[態様6]
内容成分が分離され残留した酵母細胞が、乾燥された状態のものである、態様1-5のいずれか1項に記載の方法。
[態様7]
内容成分が分離され残留した酵母細胞が、タンパク質成分を45重量%-70重量%の範囲で含有する、態様1-6のいずれか1項に記載の方法。
[態様8]
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞に第2有効成分を内包させる工程が、内容成分が分離され残留した酵母細胞、第2有効成分及び水分を混合して攪拌することを含む、態様1-7のいずれか1項に記載の方法。
[態様9]
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞に第2有効成分を内包させる工程が、内容成分が分離され残留した酵母細胞、第2有効成分及び水分を混合して攪拌し、得られた分散液を乾燥することを含む、態様1-8のいずれか1項に記載の方法。
[態様10]
内容成分が分離され残留した酵母細胞と第2有効成分の混合割合が、4:1-1:1の範囲である、態様8又は9に記載の方法。
[態様11]
攪拌時間が1時間以上8時間以内である、態様8-10のいずれか1項に記載の方法。
[態様12]
攪拌温度が25℃以上50℃未満である、態様8-11のいずれか1項に記載の方法。
[態様13]
第2有効成分の包括効率が少なくとも40%である、態様1-12のいずれか1項に記載の方法。
[態様14]
態様1-13のいずれか1項に記載の方法により製造された、内容成分が分離され残留した酵母細胞及び第2有効成分を含む、マイクロカプセル。
[態様15]
酸処理を施した、内容成分が分離され残留した酵母細胞を用いて得られたマイクロカプセルと比較して、第2有効成分の徐放性が向上している、態様14に記載のマイクロカプセル。
[態様16]
酸処理を施した、内容成分が分離され残留した酵母細胞を用いて得られたマイクロカプセルと比較して、同等の酸化安定性である、態様15に記載のマイクロカプセル。
[態様17]
第2有効成分を5重量%以上含む、態様14-16のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
[態様18]
第2有効成分が香料、香辛料抽出物、動物性油脂、香味油及び植物性油脂からなる群から選択される脂溶性物質である、態様14-17のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
[態様19]
ペースト状である、態様14-18のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
[態様20]
冷蔵保存され得る、態様14-19のいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
[態様21]
態様14-20のいずれか1項に記載のマイクロカプセルを含む、食品又は飲料の風味向上剤。
[態様22]
態様14-20のいずれか1項に記載のマイクロカプセル、あるいは、態様21に記載の風味向上剤を含む、食品又は飲料。
[態様23]
レトルト食品である、態様22に記載の食品。
[態様24]
(1)態様1-13のいずれか1項に記載の方法により製造された、内容成分が分離され残留した酵母細胞及び第2有効成分を含む、マイクロカプセル、及び
(2)植物性タンパク質臭抑制効果を有する物
を含む、植物性タンパク質臭を抑制するための組成物。
[態様25]
(1)態様1-13のいずれか1項に記載の方法により製造された、内容成分が分離され残留した酵母細胞及び第2有効成分を含む、マイクロカプセル、及び
(2)植物性タンパク質臭抑制効果を有する物
を含む、食品又は飲料。
[態様26]
(1)態様1-13のいずれか1項に記載の方法により製造された、内容成分が分離され残留した酵母細胞及び第2有効成分を含む、マイクロカプセル、及び
(2)植物性タンパク質臭抑制効果を有する物
を添加することを含む、植物性タンパク質臭を抑制するための方法。
本発明は、一態様において、マイクロカプセルの製造方法に関する。
酵母細胞を熱水処理し、内容成分が菌体外に放出させ、内容成分が分離され残留した酵母細胞を製造する工程、
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞を第1有効成分とし、これに第2有効成分を内包させる工程、
を含む、
ただし、内容成分が分離され残留した酵母細胞に酸処理を施さない。
本発明において、酵母細胞の種類は特に限定されない。一態様において、酵母細胞としては、トルラ酵母、パン酵母、ビール酵母、清酒酵母等の細胞が挙げられる。また、酵母細胞は、圧搾酵母、乾燥酵母、活性乾燥酵母、死滅酵母、殺菌乾燥酵母等の種々の形態であってもよい。また、酵母細胞は、酵母細胞(菌体)と実質的に同じ組成からなる酵母細胞由来物(例えば、酵母細胞の破砕物、粉末)であってもよい。
本発明の方法は、酵母細胞を熱水処理し、内容成分が菌体外に放出され、内容成分が分離され残留した酵母細胞を製造する工程を含む。内容成分が菌体外に放出させる機能を有する溶液であれば水以外の高温の溶液も使用可能である。例えば、緩衝液、乳化剤を使用してもよい。
「内容成分」とは、酵母菌体を分解抽出した成分のことである。主成分としてアミノ酸や核酸関連物質、ミネラル、ビタミン類を含み、「調味料」、「微生物培養の培地」、「家畜飼料」、「健康補助食品」などに用いられる。発酵機能や発酵産物(代謝物)をパンやアルコール飲料などに利用してもよい。
本発明の製造方法は、内容成分が分離され残留した酵母細胞を第1有効成分とし、これに第2有効成分を内包させる工程を含む。当該工程により、第2有効成分が第1有効成分である内容成分が分離され残留した酵母細胞に内包されたマイクロカプセルが得られる。
ル脂質類及びセラミド類、イソアミルアルコールなどのアルコール類があげられる。また誘導脂質として飽和型と不飽和型で直鎖、モノ枝鎖及びポリ枝鎖の長鎖炭化水素とこれら長鎖炭化水素が酸化されたオクタコサノールなどに代表される長鎖アルコール類、ジヒドロスフィンゴシン、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン等の長鎖アミノアルコール類、シトロネラール、ファルネサールや昆虫フェロモンに多い長鎖アルデヒド類、フィロキノン、ユビキノン等の直鎖ケトン類、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、イソ吉草酸、イソ酪酸、に代表される各種脂肪酸、及び、ヒドロキシ酸、ケト酸、ジカルボン酸等の長鎖酸類とその塩類、ヘミテルペンやリモネン、メントール、シトラール、イオノン等のモノテルペン、ビサボレン、ファルネソール、ネロリドール、シペロン、ヒノキ酸等のセスキテルペン、カンホレン、フィトール、ヒノキオール、スギオール、アビエチン酸、クロロフィル、レチノール、トコフェロール、フィロキノン等のジテルペン及びトリテルペン、テトラテルペンやメナキノン、ユビキノン等のポリテルペン等のテルペノイド類、コレステロール、シトステロール、エルゴステロール、胆汁酸、性ホルモン、副腎脂質ホルモン、心臓毒ゲニン、ステロイドサポゲニン、ソラニジン等のステロイド類、フィトエン、リコピン、カロチン、キサントフィル、シトラウリン、カプサンチン等のカロチノイド類があげられる。また更に、複合脂質として大豆レシチン等のホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン等のグリセロリン脂質、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン等のグリセロホスホノ脂質、プラズマローゲン等のエーテルグリセロリン脂質、セラミドリン酸、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、セラミドシリアチン等のスフィンゴホスホノ脂質等のリン脂質類、その他グリセロ糖脂質やスフィンゴ糖脂質などの糖脂質類、サポニン、ソラニン等のステロイド配糖体、脂肪酸糖、リポ多糖等の糖脂質類、リン糖脂質類、硫脂質類、アミノ酸脂質類などがあげられる。
内容成分が分離され残留した酵母細胞と第2有効成分の混合割合は適宜選択可能である。好ましくは、内容成分が分離され残留した酵母細胞と第2有効成分の混合割合が、重量比で、6:1-1:2の範囲、4:1-1:2の範囲、4:1-1:1の範囲、3:1-1:1の範囲、2:1-1:1の範囲、約2:1の割合である。好ましくは、内容成分が分離され残留した酵母細胞の方が、第2有効成分よりも多い割合で混合する。
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞に第2有効成分を内包させる工程は、特に限定されない。一態様において、前記内容成分が分離され残留した酵母細胞に第2有効成分を内包させる工程は、内容成分が分離され残留した酵母細胞、第2有効成分及び水分を混合して攪拌することを含む。
本発明の方法は、内容成分が分離され残留した酵母細胞に酸処理を施さない。「酸処理」とは、内容成分が分離され残留した酵母細胞を含む酸性水溶液を一定時間、加熱及び撹拌する処理である。酸性水溶液としては、塩酸、燐酸、硫酸、乳酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸等が含まれるが、特に限定はされない。例えば、特開平8-243378は、酵母のマイクロカプセルの製造方法として以下のような酸性水溶液による処理を必須要件として記載している。
本発明は、上記に例示されるような酸処理を施さないことを特徴の一つとする。
本発明の好ましい一態様において、内容成分が分離され残留した酵母細胞に酵素処理を施す工程を含んでもよい。酵素処理は、酵母エキスが抽出された細胞による第2成分の包括をより容易にするような処理、酵母の第1有効成分としての風味改善効果を向上させる処理、酵母の第1有効成分としての食感改良効果を向上させる処理、酵母の第1有効成分としての酸化安定性を向上させる処理、酵母エキスが抽出された細胞による第2成分の香りを放出する処理、等が含まれる。
プロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、金属プロテアーゼ等が挙げられ、例えば、微生物由来のプロテアーゼ、植物由来のパパイン、ブロメライン等、動物由来のトリプシン、ペプシン、カテプシン等が挙げられる。
セルラーゼとしては、セルロース等のβ-1,4-グルカンのグリコシド結合を加水分解するものであれば特に限定されず、例えば、トリコデルマ・リーゼ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)等のトリコデルマ属菌;アスペルギルス・アクレアタス(Aspergillus acleatus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等のアスペルギルス属菌;クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)、クロストリジウム・ジョスイ(Clostridium josui)等のクロストリジウム属菌;セルロモナス・フィミ(Cellulomonas fimi)等のセルロモナス属菌;アクレモニウム・セルロリティクス(Acremonium celluloriticus)等のアクレモニウム属菌;イルペックス・ラクテウス(Irpex lacteus)等のイルペックス属菌;フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)等のフミコーラ属菌;パイロコッカス・ホリコシ(Pyrococcus horikoshii)等のパイロコッカス属菌等の微生物由来のセルラーゼが挙げられる。
本工程では、内容成分が分離され残留した酵母細胞に酵素を添加して反応させる。
酵素の添加量は、酵素の種類に応じて当業者が適宜決定できる。例えば、プロテアーゼの場合、非限定的に、添加量は、酵母細胞(固形分)1gあたり1-5000ユニットであることが好ましく、10-2000ユニットであることがより好ましく、100-300ユニットであることが更に好ましい。例えば、セルラーゼの場合、酵母細胞(固形分)1gあたり0.1-100ユニットであることが好ましく、0.5-50ユニットであることがより好ましく、1-20ユニットであることが更に好ましい。
本発明の一態様において、内容成分が分離され残留した酵母細胞に酵素処理を施す工程の前、後、又は同時に乳化剤を添加する工程を含む
乳化剤を添加する工程は、酵素を反応させる工程の前に行ってもよく、酵素を反応させる工程の後に行っても、あるいは、酵素を反応させる工程と同時に行っても良い。また、2種類以上の酵素を反応させる場合、ある酵素を反応させた後であって、2種類目の酵素を反応させる前、即ち複数の酵素の反応の間に乳化剤を添加してもよい。
本発明は、一態様においてマイクロカプセルに関する。
本発明のマイクロカプセルは、本発明の製造方法により製造された、内容成分が分離され残留した酵母細胞及び第2有効成分を含む。本発明のマイクロカプセルにおける、第2有効成分の定義は、「1.マイクロカプセルの製造方法」の項目で説明した通りである。一態様において、第2有効成分は、香料、香辛料抽出物、動物性油脂及び植物性油脂からなる群から選択される脂溶性物質である。
本発明は、一態様において、上記マイクロカプセルを含む、食品又は飲料の風味向上剤に関する。
マイクロカプセルは、第1有効成分として内容成分が分離され残留した酵母細胞を含む。内容成分が分離され残留した酵母細胞は、酵母細胞に由来する食品又は飲料の風味向上に有用な成分を含む。そして、さらに第2有効成分としても、香料、香辛料抽出物、動物性油脂及び植物性油脂等の食品又は飲料の風味向上に有用な成分を包括することできる。
本発明は、一態様において、上記マイクロカプセルあるいは上記風味向上剤を含む、食品又は飲料に関する。飲料、食品については、「3.風味向上剤」の項目で説明した通りである。
本発明は、一態様において、上記(1)マイクロカプセル、及び、(2)植物性タンパク質臭抑制効果を有する物を含む、植物性タンパク質臭を抑制するための組成物に関する。
本発明は、一態様において、(1)マイクロカプセル、及び、(2)植物性タンパク質臭抑制効果を有する物を含む、食品又は飲料、に関する。
本発明は、(1)マイクロカプセル、及び、(2)植物性タンパク質臭抑制効果を有する物を添加することを含む、植物性タンパク質臭を抑制するための方法、に関する。
[材料]
(1)フレーバー
実施例ではフレーバーとして、以下の構造を有するd-リモネンとカプロン酸エチルを用いた。
特に明記しない限り、実施例で使用した試薬は以下の通りである。
d-リモネン(和光純薬工業株式会社、大阪、日本);
カプロン酸エチル(和光純薬工業株式会社、大阪、日本);
シクロヘキサノン(和光純薬工業株式会社、大阪、日本)
ヘキサン(和光純薬工業株式会社、大阪、日本)
(1)ハロゲン水分計
粉末の含水率測定にはハロゲン水分計(HB43, Mettler Toledo International Inc.,Greifensee,Switzerland)を用いた。測定開始時点の試料の重量を測定し、その後、本体に内蔵されているハロゲン・ヒーティング・モジュールが素早くサンプルを加熱し、水分を蒸発させる。乾燥過程中も継続的にサンプル重量を測定し、測定終了後、水分減少量から含水率を算出するという温度重量原理に基づいて測定した。
フレーバー包括酵母に包括されたフレーバーの定量は、GC-FID(GC-2014,島津製作所,京都、日本)を用いて行った。実施例では、ガスクロマトグラフィーに接続する検出器として、水素炎イオン化型検出器(Flame-Ionization-Detector;FID)を使用した。カラムには、キャピラリーカラム(ULBON HR-1カラム、30m×φ、0.53mm i.d.×5μmフィルム、信和化工株式会社、京都、日本)及びパックドカラム(PEG20M、信和化工株式会社、京都、日本)を使用した。
撹拌機(Bio ShakerBR-13UM,タイテック株式会社、埼玉、日本)を用いて、フレーバー混合液を温めながら、振とう・攪拌し、フレーバー分散液を得た。この攪拌機で温度と撹拌速度が調節することができる。
フレーバー分散液は、噴霧乾燥機(Mini Spray Dryer B290 Buchi)を用いて噴霧乾燥させた。
本実施例では、酵素処理、乳化剤処理を行った酵母細胞(標品1)及びこれらの処理を行わなかった酵母細胞(標品2)を作成した。
定法により、培養したパン酵母(サッカロマイセス・セレビシエ)を熱水抽出によって内容成分を分離させ、残留した酵母細胞を使用した。次に、グリセリン脂肪酸エステルを、酵母細胞(湿潤質量)を基準として0.05質量%添加した。酵母細胞を90℃で30分間処理し滅菌した。続いて、冷却後、pHを7.0に調整した後、エンド型プロテアーゼを酵母細胞に添加し、50℃で6時間反応させた。そして、酵母細胞を80℃で20分間処理し、酵素を失活させた。その後、酵母細胞を冷却、水洗浄し(3回)、噴霧乾燥又はドラムドライにより乾燥させ、粉末の酵母細胞を得た。噴霧乾燥させたものを標品1-S、ドラムドライしたものを標品1-Dとした。
定法により培養したパン酵母(サッカロマイセス・セレビシエ)を、熱水抽出によって内容成分を分離させ、残留した酵母細胞を使用した。次に、酵素及び乳化剤などは特に加えず、酵母細胞を90℃、30分間処理し滅菌した。その後、酵母細胞を冷却、水洗浄し(3回)、噴霧乾燥又はドラムドライにより乾燥させ、粉末の酵母細胞を得た。噴霧乾燥させたものを標品2-S、ドラムドライしたものを標品2-Dとした。
本実施例では酵母細胞をカプセル化し、マイクロカプセルを製造した。さらに、カプセル化のための条件を検討した。
実施例1で得た標品1-Dと香料の固形分25重量%(固形分中の酵母細胞とフレーバーの重量比が2:1)と水75重量%のフレーバー混合液を調製し、撹拌機(Bio ShakerBr-13UM、タイテック株式会社、埼玉、日本)で振とう・撹拌して(250rpm、4時間、40℃)、フレーバー分散液を作成し、酵母細胞をカプセル化することによりマイクロカプセルを得た。
更に、フレーバー分散液を流量10ml/分で噴霧乾燥機に導入し、アトマイザー回転数30,000rpmで噴霧乾燥を行った。噴霧乾燥機の入り口温度は140-200℃、出口温度は64-108℃、気流量は35m3/hであった。噴霧乾燥粉末を回収し、粉末の酵母マイクロカプセルとした(標品1の粉末酵母マイクロカプセル)。
実施例1で得た標品2-Dと香料の固形分30重量%(固形分中の酵母細胞とフレーバーの重量比が2:1)と水70重量%のフレーバー混合液を調製し、撹拌機(Bio ShakerBr-13UM、タイテック株式会社、埼玉、日本)で振とう・撹拌して(250rpm、4時間、40℃)、フレーバー分散液を作成し、酵母細胞をカプセル化することによりマイクロカプセルを得た。
更に、フレーバー分散液を流量10ml/分で噴霧乾燥機に導入し、アトマイザー回転数30,000rpmで噴霧乾燥を行った。噴霧乾燥機の入り口温度は200℃、出口温度は110-118℃、気流量は27m3/hであった。噴霧乾燥粉末を回収し、粉末の酵母マイクロカプセルとした(標品2の粉末酵母マイクロカプセル)。
実施例2(1)と同様の酵母マイクロカプセル作成において、実施例1で得た酵母細胞(標品2)を用いて、固形分濃度を変化させて酵母分散液濃度の検討を行った。
実施例2(1)と同様の酵母マイクロカプセル作成において、実施例1で得た未処理の酵母細胞(標品2)を用いて、混合するカプロン酸エチル(フレーバー)と酵母細胞の比を変化させた場合のカプロン酸エチルの包括率を検討した。フレーバーの包括率の算出は、実施例2(3)と同様に行った。
実施例2と同様の酵母マイクロカプセル作成において、実施例1で得た酵母細胞(標品1-Dおよび標品2-D)を用いて、乾燥入口空気温度がフレーバー(d-リモネン)包括率及び含水率に及ぼす影響について検討した。
以上の実験より噴霧乾燥入口の最適温度は200℃と考えられる。
実施例2(1)と同様の酵母マイクロカプセル作成において、実施例1で得た酵母細胞(標品1及び標品2)を用いて、フレーバー分散液の撹拌時間がフレーバー(d-リモネン又はカプロン酸エチル)の包括率に及ぼす影響を調べた。フレーバーの包括率の算出は、実施例2(3)と同様に行った。
また、酵母細胞については、標品1-Dを用いた時の方が標品2-Dを用いた時よりも高いフレーバーの包括率を示した。
実施例2(1)と同様の酵母マイクロカプセル作成において、実施例1で得た標品1-Dを用いて、フレーバー分散液の撹拌温度がフレーバー(d-リモネン又はカプロン酸エチル)の包括率に及ぼす影響を調べた。フレーバーの包括率の算出は、実施例2(3)と同様に行った。
結果を図6に示す。40℃でd-リモネンおよびカプロン酸エチルの包括率は一番高い値を示した。
実施例2(1)と同様の酵母マイクロカプセル作成において、実施例1で得た酵母細胞(標品2-D)を用いて、フレーバー分散液の撹拌温度がフレーバー(カプロン酸エチル)の包括率に及ぼす影響を調べた。フレーバーの包括率の算出は、実施例2(3)と同様に行った。
結果を図7に示す。40℃でのカプロン酸エチル包括率は一番高かった。以降の実施例では、特に明記しない限り攪拌温度は40℃とした。
本実施例において、酵母マイクロカプセルの形状を調べた。
具体的には、フレーバーとしてカプロン酸エチル又はd-リモネンを各々、噴霧乾燥処理又は加熱乾燥(ドラムドライ)処理した標品2に各々カプセル化して、酵母マイクロカプセルを製造した。また、標品1原体と、標品1をカプセル化した酵母カプセルをそれぞれ製造した。得られた各々の物質構造を、走査型電子顕微鏡(JSM-6060、日本電子株式会社、東京、日本)を用いて観察した。具体的には、酵母マイクロカプセルをφ8mm丸形カーボンテープ(日新EM株式会社、東京、日本)を試料台につけ、スパーテルを用いてテープに少量のせた。それを、マグネトロンスパッタ装置(MPS-1S,(株)真空デバイス、茨城、日本)に設置し、Pt-Pd電子を付着させた。試料ホルダに試料台を入れ、電子顕微鏡に取り付け、観察した。
特開平8-243378の酸処理した酵母細胞に相当するものとして、酵母細胞をリン酸でpH2.0に30分間放置する処理(以下、酸処理)を行ったものを作成し、以下の試験に供した。以下、比較例1とする。
本実施例では、酵母マイクロカプセルのメカニズム解明試験に付随して、標品2-S、標品1-S、及び比較例1の3種類の酵母細胞原体について、栄養成分分析を行った。各成分の含量を以下の方法によって分析した。
水分:常圧加熱乾燥法(105℃、3時間)
粗タンパク質:ケルダール法
脂質:酸分解法
灰分:直接灰化法(550℃、10時間)
炭水化物:全体から上記4成分を差し引いた。
本実施例により、乾燥条件及び湿潤条件下におけるマイクロカプセル徐放挙動を調べた。
本実施例では、酵母マイクロカプセルの酸化安定性試験を行った。
実施例1で得た標品2-Dを用いて実施例2(2)と同様の標品2-Dの粉末酵母マイクロカプセルを作成した。フレーバーは、リモネンを使用し、その酸化物であるリモネン酸化物とカルボンの放出を測定することにより、その酸化の早さを測定した。比較例として、比較例1の方法で標品2-Dを塩酸で処理した後、実施例2(2)と同様の方法で酵母マイクロカプセルを作製した。また、対照として、デキストリンを噴霧乾燥したカプセルを作成した。次いで、105℃乾燥条件下での酸化安定性試験により、それぞれの酵母マイクロカプセルの徐放挙動を観察した。
実施例1で得た標品1-Dと香辛料(ブラックペッパー抽出物)を固形分重量比が2:1の割合で混合後3倍量の水を添加し、さらに撹拌機(Bio ShakerBr-13UM、タイテック株式会社、埼玉、日本)で撹拌することにより(250rpm)40℃で4時間攪拌することにより、ペースト状態の酵母マイクロカプセルを得た(標品1-P)。
本実施例では、酵母マイクロカプセルのリモネンの香りに関する官能評価試験及び臭気センサーによる測定を行った。官能で「香りが強い=包括量が多い」を示すと同時に、臭気センサーで「数値が高い=臭いが強い」が示される。
本実施例は、チリフレーバー包括酵母マイクロカプセルの包括状態目視確認試験である。標品1及び標品2を用いて、チリフレーバー包括酵母マイクロカプセルを製造した。チリフレーバーはチリソースフレーバーOS-64657(コーケンフード&フレーバー社製)を使用した。標品1の酵母マイクロカプセルは、噴霧乾燥した粉末タイプのもの(SD品)と、噴霧乾燥しないペーストタイプ(ペースト品)の2種類を製造した。
本実施例では、実施例9と同様に作成したチリフレーバー包括酵母マイクロカプセルを蒲鉾へ添加し、フレーバー包括状態の官能確認試験を行った。フレーバーの感じ方の違いで、「先味が弱く、後味に強くフレーバーを感じる」場合、「包括されていてカプセル化状態良好」な状況を示す。蒲鉾への配合は以下の表の通りである。
本実施例では、バニラフレーバー包括酵母マイクロカプセル(標品1―Sの酵母マイクロカプセルと標品2―Sの酵母マイクロカプセル)を製造し、クッキーへ添加した場合の、酸化安定性の官能確認試験を行った。酵母マイクロカプセルは、噴霧乾燥したものである。バニラフレーバーは バニラフレーバーMQ-9071(高砂香料工業社製)を使用した。バニラフレーバー包括酵母マイクロカプセル中のバニラフレーバーが0.01%になるように(酵母マイクロカプセルで0.05%添加)クッキーに練りこんで焼成した。
クッキーを45℃で1週間程度保存し、官能評価を行った。官能評価は、専門のパネラー5名で行った。結果は以下の表の通りである。
香辛料としてブラックペッパー抽出物を使用して、実施例7の方法で調製した標品1-Pを含有するウスターソースを、うどんへ添加しその呈味性を評価した。
次に、フレーバー包括酵母マイクロカプセルのレトルト加工時の風味の安定性について検証した。フレーバーおよび酵母マイクロカプセルは、実施例12と同様の、ペースト状態のブラックペッパー抽出物を包括化したものを使用した。
コントロール:ブラックペッパー抽出物0.05%
試験区:実施例12のペースト状酵母マイクロカプセル 0.5%
(辛みの強さ)
5点:レトルト前と全く変化がない
4点:レトルト前よりほぼ変化がない
3点:レトルト前よりやや強さが抑えられた
2点:レトルト前より強さがない
1点:レトルト前より全く強さがない
(辛みの持続)
5点:レトルト前と全く変化なく辛さが長く残る
4点:レトルト前よりほぼ同様に辛さが持続した
3点:レトルト前より辛さが長く残らない
2点:レトルト前より辛さが短い
1点:すぐに辛さがレトルト前より全く強さがない
結果は以下の表の通りである。
本実施例は、フレーバー包括酵母マイクロカプセルをカレーソースに添加したフレーバー包括状態の官能確認試験である。フレーバーおよび酵母マイクロカプセルは、実施例12と同様のものを使用した。
本試験において、実施例7と同様の方法で炭焼きフレーバー包括酵母マイクロカプセル(標品1-Dを使用)を製造し、焼き鳥へ添加した場合の、風味と食感を調べた。炭焼きフレーバーとして、NGスモークフレーバーNO50148-A(コーケンフード&フレーバー社製)を使用した。ピックル液(肉、魚等の塩漬け液)の配合は以下の通りである。
ブランク:1%食塩水
対照:1%食塩水+0.5重量% 炭焼きフレーバー
試験区:1%食塩水+5.0重量%炭焼きフレーバー包括ペースト状の酵母マイクロカプセル(標品1-P)
わさび由来のマスタードオイルを用いて、実施例7と同様の方法で、ペースト状の酵母マイクロカプセルを調製した。その後、以下の配合で試験区を作成した。
対照:わさび由来のマスタードオイル0.2重量%
試験区:わさび由来のマスタードオイル10重量%を包括したペースト状酵母マイクロカプセル2%
次に、実施例16の方法で調製したマスタードオイル(わさび)を包括した酵母マイクロカプセルを唐揚げに添加した場合の、香り・風味について検証した。
ピックル液の配合は以下のとおりである。
フレーバー包括酵母マイクロカプセルとすることによる香気成分の定量分析を行った。本試験では、香気成分として、マスタードやワサビなどの辛味主成分であるアリルイソチオシアネートを使用した。また、酵母マイクロカプセルは実施例7と同様のマイクロカプセル(標品1-P)を使用した。
対照:マスタードオイル0.2%水溶液
試験区:わさび由来のマスタードオイル10重量%を包括したペースト状酵母マイクロカプセル2%水溶液
バイアルに、各サンプルを2ml採取し、固相マイクロ抽出(SPME)により50℃で18時間吸着させた。吸着させたSPMEをGC-MSで測定した。コントロールおよび試験区それぞれのサンプル作成直後と、45℃で3日間保存後のサンプルのアリルイソチオシアネート量を測定し、アリルイソチオシアネートの残存率を測定した。
装置: VarianCP-3800
カラム:Agillent DB-WAX60m×0.25mm,I.D. 0.25μm
昇温:50℃-240℃, 5℃/min
測定結果は以下の通りである。
本実施例では、ペースト状の酵母マイクロカプセルの保存安定性を検証した。
実施例12と同様に、実施例1で得た標品1を用いて実施例2(1)と同様のフレーバー分散液を作成し、酵母細胞をカプセル化して、ペースト状の酵母マイクロカプセル(標品1-P)を調製した。フレーバーは、ブラックペッパー(OLEORESIN BLACK PEPPER:Kalsec社)を使用した。
官能検査の結果は以下の表の通りである。製造直後の酵母マイクロカプセルを用いた場合を基準とする。官能評価は、専門のパネラー3名で行った。
本実施例では、酵母マイクロカプセルによる植物性タンパク質臭成分の抑制効果
を調べた。
本実施例では、ブラックペッパー抽出物包括酵母マイクロカプセルの使用による、植物性タンパク質臭の抑制への影響について官能評価試験を行った。
実施例12と同様に、実施例1で得た標品1を用いて実施例2(1)と同様のフレーバー分散液を作成し、酵母細胞をカプセル化して、ペースト状の酵母マイクロカプセル(標品1-P)を調製した。フレーバーは、ブラックペッパー(OLEORESIN BLACK PEPPER:Kalsec社)を使用した。
・試験区1:植物性タンパク質
・試験区2:CN-2(富士食品工業社製)
CN-2は、豆乳を乳酸菌と酵母により発酵した複合発酵調味料である。
・試験区3:標品1-P
・試験区4:CN-2と標品1-Pの併用
植物性タンパク質の原料としては、アペックス350(不二製油社製)を用いた。
以下の配合で各試験区を作成した。
各試験区について、「臭い」、「風味」について専門パネラー3名でブランク(試験区1)と比較し、官能評価を行った。
試験区2の結果より、試験区1の結果と比較して、植物性タンパク質に発酵液(CN-2)を添加することにより、植物性タンパク質臭が抑えられるが、咀嚼時、植物性タンパク質由来の風味が残ることが示された。
本実施例では、(1)で調製した各試験区の試料についてGC-MS分析を行った。
装置:VarianCP-3800
カラム:Agillent DB-WAX60m×0.25mm,I.D.、0.25μm
昇温:45℃-240℃、5℃/min
GC-MS測定の結果、各試験区のヘキサナールのあたるGCピークの総面積を図13に示す。
発酵液(CN-2)を添加した試験区2では、ヘキサナールの挙動に変化がなかった。
(1)官能評価試験と(2)GC-MS分析の結果より、以下が考察される。
発酵液(CN-2)を添加すると、植物性タンパク質臭の抑制効果がある(試験区2)。
本実施例では、酵母マイクロカプセル(標品1-P)の添加量の検討を行った。
標品1-Pの添加量を対植物性タンパク質に対して、1.6重量%、1.0重量%、0.8重量%で実施した。結果を以下の表に示す。
Claims (11)
- マイクロカプセルの製造方法であって、
酵母細胞を熱水処理し、内容成分が菌体外に放出され、内容成分が分離され残留した酵母細胞を製造する工程、
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞にプロテアーゼ及び/又はセルラーゼ添加処理を施す工程、
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞にプロテアーゼ及び/又はセルラーゼ添加処理を施す工程の前、後、又は同時に乳化剤を添加する工程を含む、
前記内容成分が分離され残留した酵母細胞を第1有効成分とし、これに第2有効成分を内包させる工程、
を含む、
ただし、内容成分が分離され残留した酵母細胞に酸処理を施さない、
前記製造方法。 - 乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン及びサポニンからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 第2有効成分が、香料、香辛料抽出物、香味油、動物性油脂及び植物性油脂からなる群から選択される脂溶性物質である、請求項1又は2に記載の方法。
- 内容成分が分離され残留した酵母細胞が、乾燥された状態のものである、請求項1-3のいずれか1項に記載の方法。
- 内容成分が分離され残留した酵母細胞が、タンパク質成分を45重量%-70重量%の範囲で含有する、請求項1-4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記内容成分が分離され残留した酵母細胞に第2有効成分を内包させる工程が、内容成分が分離され残留した酵母細胞、第2有効成分及び水分を混合して攪拌することを含む、請求項1-5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記内容成分が分離され残留した酵母細胞に第2有効成分を内包させる工程が、内容成分が分離され残留した酵母細胞、第2有効成分及び水分を混合して攪拌し、得られた分散液を乾燥することを含む、請求項1-6のいずれか1項に記載の方法。
- 内容成分が分離され残留した酵母細胞と第2有効成分の混合割合が、4:1-1:1の範囲である、請求項6又は7に記載の方法。
- 攪拌時間が1時間以上8時間以内である、請求項6-8のいずれか1項に記載の方法。
- 攪拌温度が25℃以上50℃未満である、請求項6-9のいずれか1項に記載の方法。
- 第2有効成分の包括効率が少なくとも40%である、請求項1-10のいずれか1項に記載の方法。
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