JP2005137322A - 耐熱性香料製剤を添加したキャンディー類 - Google Patents

耐熱性香料製剤を添加したキャンディー類 Download PDF

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Abstract

【課題】一般に食品に添加する香料は、熱に弱く、製造中の加熱工程により香料成分の揮発等により、添加当初に想定していた香味の発現性や持続性が低減していることが生じている。例えばキャンディーは、製造時に香料を添加して賦香する際に、80℃以上の高温条件下で香料を添加する必要があり、香料の劣化・揮発により、出来上がったキャンディーの賦香がしにくいという問題があった。
【解決手段】 香料として、菌体内に香料を内包させた酵母、いわゆる酵母マイクロカプセル化香料製剤を用いることによって、香味の発現を遅延させることなく、残存性、香味放出の持続性に優れたキャンディー類を得ることができる。

Description

本発明は、耐熱性を有する香料製剤を添加することを特徴とするキャンディー類に関する。より詳細には、本発明は、菌体内に香料を内包し香味の発現性、残存性及び持続性に優れた酵母マイクロカプセル化香料製剤を含むキャンディー類に関する。
食品には、賦香を目的として様々な香料が天然物から抽出され、また合成されて食品に添加されている。一般に食品に添加する香料は、熱に弱く、製造中の加熱工程により香料成分の揮発等により、添加当初に想定していた香味の発現性や持続性が低減していることが生じている。例えばキャンディーは、食品分野においてその味や香りの発現の速さと持続性が要求される食品の一つであるが、その実現は困難で、キャンディー等に香料を添加して賦香する際に、80℃以上の高温条件下で香料を添加する必要があり、香料の劣化・揮発により、出来上がったキャンディーの賦香がしにくいという問題があった。
係る問題を解決すべく、耐熱性を付与すべく様々な香料が開示されている。例えば、金属塩により難溶化したジェランガム乾燥組成物中に香料成分が封じ込められている耐熱徐放性香料粉末(特許文献1)、連続式造粒機を用いて、平均粒径10〜2000ミクロンの粉末乃至顆粒状の芯物質1重量部に対して、常温固体脂質0.05〜3重郎部で該芯物質を被覆してなる耐熱徐放性造硫化組成物(特許文献2)、粒径が1〜500μmの粉末香気成分を1〜50重量%と、30〜100℃の融点を有する食用油脂を含有する組成物をペースト状に加工して得られる耐熱性ペースト状香味料(特許文献3)、シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)を有効成分として含有する、耐熱性、保留性の改善された食品(飲料を除く)用香料製剤(特許文献4)が開示されている。
しかし何れもキャンディー類の香味の発現性、残存性及び持続性の改善に関する記載はなく、各引用文献で得られる香料製剤をキャンディー類に添加した場合の効果も満足できるものではなかった。
特開平11−335691号公報 特開2000−4858号公報 特開2003−9804号公報 特開2003−3191
本発明は、香味の発現性、残存性や持続性が改善された香料を添加することで、香味の発現性、残存性及び持続性が向上したキャンディー類を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねていたところ、香料として、菌体内に香料を内包させた酵母、いわゆる酵母マイクロカプセル化香料製剤を用いることによって、香味の発現を遅延させることなく、残存性、香味放出の持続性に優れたキャンディー類が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、菌体内に香料を内包した酵母マイクロカプセル化香料を添加することを特徴とするキャンディー類である。
本発明によれば、菌体内に香料を内包させた酵母、いわゆる酵母マイクロカプセル化香料製剤を調製し、香料に耐熱性が求められるキャンディー類に添加して賦香することにより、従来の香料製剤には無かった耐熱性を付与することが可能となる。即ち、キャンディー類の製造工程における加熱工程中の香料の劣化・揮発による残存率を改善し、香味の残存性、発現性や持続性を向上させることが可能となる。これにより、香味放出能に優れた香料製剤、及び該香料製剤を添加したキャンディー類を提供することができる。
本発明における香料製剤は、菌体内に香料を内包した酵母、いわゆる酵母マイクロカプセル化香料製剤であり、そして該香料製剤を着香料として含むキャンディー類である。
まず、本発明の酵母マイクロカプセル化香料製剤について説明する。
本発明において用いる酵母マイクロカプセル化香料は、前述するように酵母の菌体内に香料が内包されてなるものである。
ここで、酵母としては、ビール酵母菌、パン酵母菌、トルラ酵母菌等のように人体への投与に適したものを任意に使用することができる。具体的には、サッカロマイセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ルーキシイ(Saccharomyces rouxii)、及びサッカロマイセス・カールスバーゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)などのサッカロマイセス属に属する酵母菌;キャンディタ・ウチリス(Candida utilis)、キャンディタ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディタ・リポリティカ(Candida lipolytica)、及びキャンディタ・フラベリ(Candida flaveri)等のキャンディタ属に属する酵母を例示することができる。これらの酵母は単独で用いても良いし、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。尚、これらの酵母は特に制限されないが、1〜20μm、好ましくは1〜10μmの範囲の粒径を有していることが好ましい。
酵母は、香料を内包させるにあたり、生菌及び死菌の別、また湿潤及び乾燥状態の別、及び内因性の菌体内成分の有無の別等と問うことなく、いずれの状態のものをも使用することができる。好適には、予めアミノ酸成分、ペプチドや蛋白質成分(酵素を含む)、糖質成分、核酸成分、並びに脂質成分等を含む内因性の菌体内成分を菌体外に溶出させた酵母を用いることが好ましい。これにより、より多くの香料成分を酵母の菌体内に入れることができ、さらに内因性の菌体内成分に由来する望ましくない味や臭いの発生や内因性の菌体内成分による外因性物質の分解や変質などが防止できる。
内因性の菌体内成分を菌体外に溶出させる方法としては、特に制限されず公知の方法または将来開発される方法を任意に使用することができる。例えば公知の方法としては、加温処理、pH処理及び細胞壁破砕処理などの物理的処理法、溶出促進剤添加法、菌体内成分溶出酵素や細胞壁溶解酵素などの酵素を用いた酵素処理法、またはこれらの組み合わせ等を挙げることができる(特開平4−4033号公報等)。
ここで加温処理は、酵母懸濁液を通常30〜100℃、好ましくは30〜60℃に加温し、数分から数時間かけて攪拌することによって実施することができる。この際、菌体内成分の溶出をより効果的に行うためには、溶出促進剤を併用することもできる。かかる溶出促進剤としては、例えばエタノールなどの低級アルコール、酢酸エチル及びアセトンなどの極性有機溶剤:無機塩類、糖類、4級アンモニウム塩、各種防菌・抗菌・殺菌剤および水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基類等を挙げることができる。具体的には、酵母の水分散液にアセトンを添加し、攪拌下温度40℃の条件で24時間振盪する方法を例示することができる。
細胞壁破砕処理は、ソニケーターやミル等を用いて細胞壁を破壊することによって実施できる。具体的には、酵母の水分散液をビーズミルで10分間処理する方法を例示することができる。
また、菌体内成分溶出酵素処理法には、酵母が有する自己消化酵素を利用する方法(Babayan, T.L. and Bezrukov,M.G., 1 Acta Biotechnol. 0,5,129-136(1985))、プロテアーゼまたはプロテアーゼとヌクレアーゼ、β−グルカナーゼ、エステラーゼまたはリパーゼのいずれか少なくとも1種の酵素と組み合わせて酵母を処理する方法などが含まれる。具体的には、自己消化酵素を有する酵母の水分散液あるいは上記酵素を添加した酵母の水分散液を30〜60℃の温度範囲で1〜48時間インキュベーションすることによって実施することができる。
細胞壁溶解酵素処理法には、細胞を構成する成分(グルカン、マンナン、これらの多糖類と蛋白質との複合体、キチンなど)を分解する酵素、例えばグルカナーゼ(β−1,3グルカナーゼ)、マンナナーゼまたはキチナーゼのいずれか少なくとも1種の酵素を用いて酵母を処理する方法が含まれる。細胞壁溶解酵素処理は、具体的には上記酵素を添加した酵母の水分散液を通常pH4〜9の条件下、30〜60℃の温度範囲で数分〜10時間程度インキュベーションすることによって実施することができる。
かくして得られる処理物はさらに遠心分離により上清を除去し、さらに必要に応じて洗浄、加熱、pH調整処理を行うことによって、菌体内成分が除去された酵母菌体残渣を得ることができる。
尚、本発明で用いられる酵母には、上記に例示した溶出方法に関わらず、また溶出の程度に関わらず、菌体内成分を溶出させて除去したものが広く包含される。このような酵母として、好ましくは未処理酵母菌の絶対乾燥重量100重量%に対する溶出成分の絶対乾燥重量の割合(溶出率)が10〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%となるように、内因性の菌体内成分を溶出させた酵母を挙げることができる。
尚、係る内因性の菌体内成分(菌体内容成分)を除去してなる酵母としては、簡便には商業的に入手可能なものを使用することもできる。
当該菌体内の内因性成分が除去された酵母(菌体残渣)は、菌体内部にできるだけ多くの香料を封入させるために、さらに酸性処理(特開平8−243378号公報)、アルカリ性処理(特公平7−32871号公報)、アルコール処理(特公平8−29246号公報)などの任意の処理を施しても良い。尚、上記記載の方法はいずれも公知の方法であるが、調製される酵母の細胞壁がマイクロカプセルの皮膜として許容される化学的、物理的性質を有していることを限度として、これらの方法に限定されるものではない。
具体的に、酸性処理としては、酵素処理後の菌体残渣を塩酸、リン酸、硫酸、乳酸、クエン酸、酢酸、またはアスコルビン酸などの酸性水溶液(pH2以下)に懸濁し、所定時間かけて攪拌しながら加熱(50〜100℃)する方法を挙げることができる。
また、アルカリ処理は、対象となる酵母をアルカリ性水溶液、好ましくはpH9〜13、より好ましくはpH10〜12を有する水溶液中で数分から数時間かけて攪拌することによって実施することができる。当該水溶液の温度は特に制限されず、通常20〜100℃の範囲を用いることができるが、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃の加温状態である。尚、アルカリ性水溶液の調整には、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウムなどの無機塩;またはアンモニア、モノエタノールジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン水溶液などの有機窒素系化合物を用いることができる。
アルコール処理としては、酵素処理後の菌体残渣に一価のアルコール類を添加する方法を挙げることができる。
酵母の菌体内部に内包させる香料は、液状物であれば親水性、疎水性および両親媒性の別を問わない。好ましくは疎水性の香料である。
ここで香料としては、食品に適用可能なものを好適に例示することができる。かかるものとして具体的には、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、マンダリン、タンジェリンなどのシトラス系香料;アップル、バナナ、チェリー、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、プラム、ラズベリー、ストロベリーなどのフルーツ系香料;バニラ、コーヒー、ココア、チョコレートなどのビーンズ系フレーバー;ペパーミント、スペアミントなどのミント系香料;オールスパイス、シナモン、ナツメグなどのスパイス系香料;アーモンド、ピーナッツ、ウォルナッツなどのナッツ系香料、カニ、エビ、魚介類などの水産物系香料、その他野菜、穀物、海草などの各種香料を例示することができる。なお本発明で用いる香料は組成物であっても単体であってもよい。例えば単体としてはメントール類、メントン、バニリン、エチルバニリン、桂皮酸、ピペロナール、d−ボルネオール、マルトール、エチルマルトール、カンフル、アントラニル酸メチル、桂皮酸メチル、シンナミックアルコール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、リモネン、リナロール、イソチオシアン酸アリル等を例示することができる。本発明が対象とする香料には、これらの単体を1種または2種以上含有する組成物も包含される。なお、上記に掲げる各種の香料は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
なお、酵母の菌体内部には、上記香料に加えて、さらに着色料(色素)、甘味料(糖類を含む)、酸化防止剤、矯味剤、乳化剤、分散剤などを配合することもできる。
ここで、着色料(色素)には、天然色素として紫サツマイモ色素、赤キャベツ色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブドウ果皮色素、紫トウモロコシ色素、アカダイコン色素、シソ色素、赤米色素、カウベリー色素、グースベリー色素、クランベリー色素、サーモンベリー色素、スィムブルーベリー色素、ストロベリー色素、ダークスィートチェリー色素、チェリー色素、ハイビスカス色素、ハクルベリー色素、ブラックカーラント色素、ブラックベリー色素、ブルーベリー色素、プラム色素、ホワートルベリー色素、ボイセンベリー色素、マルベリー色素、紫ヤマイモ色素、ラズベリー色素、レッドカーラント色素、及びローガンベリー色素等のアントシアニン系色素;コチニール色素、シコン色素、アカネ色素、及びラック色素等のキノン系色素;カカオ色素、クーロー色素、コウリャン色素、シタン色素、タマネギ色素、タマリンド色素、カキ色素、カロブ色素、カンゾウ色素、スオウ色素、ピーナッツ色素、ペカンナッツ色素、ベニバナ赤色素及びベニバナ黄色素等のフラボノイド系色素;ベニコウジ色素、ベニコウジ黄色素、カラメル、ウコン色素、クサギ色素、クチナシ青色素、クチナシ黄色素、クチナシ赤色素、クロロフィン、クロロフィル、スピルリナ青色素等が、また合成系のタール系色素として食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、食用青色2号、及び食用緑色3号等が、天然色素誘導体として、ノルビキシンナトリウム、ノルビキシンカリウム、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム及び鉄クロロフィリンナトリウム等が、合成天然色素としてβ−カロテン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル及びリボフラビン5‘−リン酸エステルナトリウム等が含まれる。このうち、好ましくはβ−カロテン、カロチノイド色素、パプリカ色素、アナトー色素、アカネ色素、オレンジ色素、クチナシ色素、クロロフィル、シコン色素、エリスロシン、タートラジン、タマネギ色素、トマト色素、マリーゴールド色素、ルテイン等を例示することができる。これらの色素は1種単独で使用されても2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
また甘味料(糖類を含む)の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、糖アルコール類、高甘味度甘味料を挙げることができる。具体的には、アラビノース、ガラクトース、キシロース、グルコース、ソルボース、フルクトース、ラムノース、リボース、異性化液糖、N−アセチルグルコサミン等の単糖類;イソトレハロース、スクロース、メリビオース、ラクチュロース、ラクトース等の二糖類;α−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、イソマルトオリゴ糖(イソマルトース、イソマルトトリオース、パノース等)、オリゴ−N−アセチルグルコサミン、ガラクトシルスクロース、ガラクトシルラクトース、ガラクトピラノシル(β1−3)ガラクトピラノシル(β1−4)グルコピラノース、ガラクトピラノシル(β1−3)ガラクトピラノシル(β1−6)グルコピラノース、ガラクトピラノシル(β1−6)ガラクトピラノシル(β1−4)グルコピラノース、ガラクトピラノシル(β1−6)グルコピラノース、キシリオリゴ糖(キシリトリオース、キシロビオース等)、ゲンチオオリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース等)、スタキオース、テアンデオリゴ糖(ニゲロース等)、パラチノースオリゴ糖、パラチノースシロップ、フコース、フラクトオリゴ糖(ケストース、ニストース等)、フラクトフラノシルニストース、ポリデキストロース、マルトシル β−サイクロデキストリン、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、テトラオース、ペンタオース、ヘキサオース、ヘプタオース等)、ラフィノース、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)、大豆オリゴ糖、転化糖、水飴等のオリゴ糖類;イソマルチトール、エリスリトール、キシリトール、グリセロール、ソルビトール、パラチニット、マルチトール、マルトテトライトール、マルトトリイトール、マンニトール、ラクチトール、還元イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元麦芽糖水飴、還元水飴等の糖アルコール;α−グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビア、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、甘草抽出物(グリチルリチン)、グリチルリチン酸三アンモニウム、グリチルリチン酸三カリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、クルクリン、サッカリン、サッカリンナトリウム、シクラメート、スクラロース、ステビア抽出物、ステビア末、ズルチン、タウマチン(ソーマチン)、テンリョウチャ抽出物、ナイゼリアベリー抽出物、ネオテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、フラクトシルトランスフェラーゼ処理ステビア、ブラジルカンゾウ抽出物、ミラクルフルーツ抽出物、ラカンカ抽出物、酵素処理カンゾウ、酵素分解カンゾウ等の高甘味度甘味料;その他蜂蜜、果汁、果汁濃縮物等を例示することができる。これらの甘味料は1種単独で使用されても2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
また酸化防止剤としては、抽出トコフェロール、dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、ヤマモモ抽出物、ルチン抽出物、ルチン酵素分解物、チャ抽出物及びトコトリエノールを例示することができる。これらの酸化防止剤は1種単独で使用されても2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
前述する香料、並びに必要に応じて配合される上記任意成分は、前記酵母菌体(菌体残渣)と混合することによって、酵母の菌体内に内包させることができる。具体的には、前記酵母菌体(菌体残渣)の水分散液に香料を添加し、所望によりpHや温度を調整して、所定時間、攪拌することによって実施することができる。pHは特に制限されないが、通常pH5〜9、好ましくは6〜8の範囲で適宜選択することができる。また温度は、特に制限されないが、通常40〜80℃、好ましくは50〜70℃の範囲で適宜選択することができる。また、攪拌も特に制限されないが、攪拌翼を有するブレンダー、乳化機、ホモジナイザー等の各種の攪拌装置を使用することによって、より効率的に香料を酵母菌体内に内包させることができる。この際、攪拌速度や攪拌回転数等も特に制限されないが、通常1000〜10000rpmの範囲から適宜選択調整することができる。なお、香料と前記酵母菌体(菌体残渣)との混合に際しては、当該混合系に硬膜剤、酸化防止剤、安定剤、分散剤、pH調整剤、防腐剤、または劣化防止剤などを配合しても良い。
本発明で用いる酵母マイクロカプセル化香料は、斯くして得られる、香料内包酵母の菌体表面の少なくとも一部に、マンニトール等の糖類を任意で付着させても良い。ここで、上記酵母マイクロカプセル(香料内包酵母)と糖類との割合は、例えば糖類にマンニトールを使用した場合、乾燥固形分の重量比で、マイクロカプセル100重量部に対するマンニトールの割合として1〜90重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは20〜40重量部の範囲を挙げることができる。
また、上記方法において、マイクロカプセル(香料内包酵母)を溶液に懸濁した状態で使用する場合、該懸濁液中のマイクロカプセルの配合割合として5〜80重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは20〜40重量部を挙げることができ、またマンニトールを水溶液または懸濁液の状態で使用する場合、該水溶液または懸濁液中のマンニトールの配合割合として1〜60重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは30〜40重量部を挙げることができる。
本発明の菓子は、上記の酵母マイクロカプセル化香料を着香料として含むものである。以下、本発明のキャンディー類について説明する。
本発明におけるキャンディー類とは、ハードキャンディー、ソフトキャンディー及びグミキャンディーのいずれをも含むものである。ハードキャンディーとは、高温(140〜160℃)でハードクラックの状態まで煮詰めた固いキャンディー(ドロップ、ブリットル等)をいい、また、ソフトキャンディーとは、低温(110〜140℃)で煮詰めた軟らかいキャンディー(キャラメル、ヌガー等)をいう。
本発明のキャンディー類は、着香料として上記酵母マイクロカプセル化香料製剤を含む以外は、従来公知の成分を含有し、また従来公知の製造方法に従って調整することができる。
キャンディー類に配合される上記酵母マイクロカプセル化香料製剤の配合割合は、添加するキャンディー類の種類やその所望の香味の程度によって種々異なり、特に制限はされない。例えば、キャンディー100重量部中に、通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜1重量部の範囲で酵母マイクロカプセル化香料製剤が含まれるような割合を挙げることができる。また、グミキャンディーであれば0.02〜0.5の範囲が例示できる。なお、これらのキャンディー類には、上記香料製剤に加えて他の香料を含むことを何等制限するものではない。
キャンディー類には、必要に応じ他の成分を適宜添加することができる。キャンディーに配合される他の成分の例としては、甘味料、油脂類、練乳、酸味料、色素、起泡剤、乳化剤の他、ナッツ類やフルーツ類など多くの素材が利用される。
甘味料としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、糖アルコール類、高甘味度甘味料を挙げることができる。なお、これらの具体例は、菌体内に内包する任意成分に関連して記述する糖を同様に例示することができる。好ましくはショ糖、果糖、液糖、オリゴ糖、ブドウ糖等の糖類、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ソーマチン、ステビア、アリテーム、ネオテーム、キシリトール、サッカリン塩、グリチルリチン等の高甘味度甘味料を挙げることができる。
上記酵母マイクロカプセル香料を着香料として含む本発明のキャンディー類は、後述する実施例で示すように、優れた香味発現性と香味持続性を発揮することができ、嗜好性の高い菓子を提供することができる。
以下、本発明の内容を以下の試験例を用いて具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記に記載する処方の単位は特に言及しない限り、部は重量部を意味するものとする。
実験例1 試料調製
1.酵母マイクロカプセル化香料の調製
ビール酵母(Saccharomyces cerevisiae)40gを含む水分散液(乾燥固形分10%)400gを70℃に加温し、これにオレンジオイル20gを添加して5000rpmで2時間攪拌して、当該酵母の菌体内にオレンジオイルを入れた(香料内包酵母)。
調製した香料内包酵母を含む水溶液475gを、50%デキストリン含有水溶液80gを含有する水溶液100gを添加して混合した。次いで、これらの混合溶液をスプレードライヤーにかけて、インレット温度150℃、アウトレット温度90℃の条件で噴霧乾燥して、粉末状の酵母マイクロカプセル化香料製剤90g得た。
得られた酵母マイクロカプセル化香料製剤0.12gを水0.24g加えて均一に分散混合し試料溶液1を調製した。
2.マイクロカプセル化香料(非微生物)の調製
アラビアガム30g及びデキストリン50gを水に溶解して調製した溶液(乾燥固形分30%)250gを50℃に加温し、これにオレンジオイル20gを添加して5000rpmで2時間攪拌した。この溶液をスプレードライヤーにかけて、上記1と同条件で噴霧乾燥して、粉末状のマイクロカプセル化香料90gを得た。
実験例1と同様に、上記マイクロカプセル香料(非微生物)香料0.12gを水0.24g加えて均一に分散混合し試料溶液2を調製した。
実験例2
<キャンディーの調製>
砂糖66g、75%水飴45gを水30gに添加混合し155℃まで煮詰めた後、120℃まで冷却した。これに試料溶液1と10%クエン酸水溶液10gを添加混合し成型し室温まで冷却し、本発明に係るキャンディー(発明品1)を調製した。
同様に、試料溶液1に代わり試料溶液2を使用する以外は実施例1と同様の方法によりキャンディー(比較品1)を調製した。
さらに、砂糖66g、75%水飴45gを水30gに添加混合し155℃まで煮詰めた後、120℃まで冷却した。これに試料調製に使用したオレンジオイル0.024gと10%クエン酸水溶液10gを添加混合し成型し室温まで冷却しキャンディーを調製した(比較品2)。
<評価結果>
専門パネラー10名により、調製した試作品キャンディーを試食し、最もオレンジの賦香されたものを選択してもらった。結果を下記表1に示す。
Figure 2005137322
酵母マイクロカプセル化香料製剤を添加した発明品1のキャンディーは、他2種のキャンディーより、有意にオレンジ賦香がされていた。
次に、キャンディー中に残存したオレンジオイルをガスクロマトグラフィーにより定量し、理論値に対する残存率を求めた。結果を下記表2に示す。
Figure 2005137322
酵母マイクロカプセル化香料製剤を添加した発明品1のキャンディーは、他2種のキャンディーより、オレンジオイルの残存率が高かった。
また、何れの比較試験においても、酵母マイクロカプセル化香料製剤を添加した実施例1のキャンディーは、同じ製造条件下においてもオレンジオイルの香味の発現性、残存性について有意に優れたものであることがわかった。
実験例3
<キャンディーの調製>
酵母マイクロカプセル化香料製剤0.12gを水0.24g加えて均一に分散混合し試料溶液1を調製した。
別に、砂糖66g、75%水飴45gを水30gに添加混合し180℃まで煮詰めた後、160℃まで冷却した。これに試料溶液1と10%クエン酸水溶液10gを添加混合し成型し室温まで冷却しキャンディーを調製した(発明品2)。
また、酵母マイクロカプセル化香料製剤(試料溶液1)をマイクロカプセル化香料(非微生物)(試料溶液2)に変更し、同様にキャンディーを調製した(比較品3)。
さらに、砂糖66g、75%水飴45gを水30gに添加混合し180℃まで煮詰めた後、160℃まで冷却した。これに試料調製に使用したオレンジオイル0.024gと10%クエン酸水溶液10gを添加混合し成型し室温まで冷却しキャンディーを調製した(比較品4)。
次に、試料溶液1と10%クエン酸水溶液10gを添加混合する温度を140℃まで冷却した以外、発明品2と同様に調製した(発明品3)。
また、酵母マイクロカプセル化香料製剤(試料溶液1)をマイクロカプセル化香料(非微生物)(試料溶液2)に変更した以外は同様の方法でキャンディーを調製した(比較品5)。
さらに、オレンジオイルと10%クエン酸水溶液10gを添加混合する温度を140℃まで冷却した以外、試作品4と同様に調製した(比較品6)。
<残存性試験>
各発明品、各比較品のキャンディー中に残存したオレンジオイルを、ガスクロマトグラフィーにより定量し、理論値に対する残存率を求めた。結果を下記表2に示す。
Figure 2005137322
酵母マイクロカプセル化香料製剤を添加した発明品2及び3のキャンディーは、他のキャンディーより、添加混合する温度が高温度下であっても、残存率が高かった。


Claims (1)

  1. 菌体内に香料を内包した酵母マイクロカプセル化香料を添加することを特徴とするキャンディー類。
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