JP4644232B2 - 徐放性乾燥物 - Google Patents

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本発明は被分散物質および粉状シェラックの混合物をシェラックエタノール溶液と共に乾燥した徐放性乾燥物に関する。
シェラックはセラックとも呼ばれ、マメ科・クワ科の樹木に寄生するラックカイガラムシ(Laccifer lacca KERR.)が樹液を吸い、体外に分泌した通常スチックラックと呼ばれる樹脂状物質より製造される。このスチックラックを粉砕し、篩い分け、水洗し、虫殻、木質、水溶性色素などを除去したものはシードラックと呼ばれ、水溶性色素はラック色素として利用され、シードラックをさらにろ過などを行い精製したものがシェラックである。シェラックは水に不溶の樹脂であるがアルコールに90%程度溶解するほか、アンモニアなどアルカリ水溶液に溶解することが知られている。また、加熱することにより容易に溶融するが一度、熱硬化した場合には熱や溶剤により侵されないという性質がある。硬化した後は光沢があり、耐油性、耐摩擦性を有するため、コーティング剤として医薬品の錠剤、食品であるチョコレート、砂糖製品、カカオ製品、焙焼コーヒー、糖衣菓子、キャンディー、錠菓、ソフトカプセル、果実などのコーティング又は光沢付与剤として利用されている。
通常、シェラックはメチルアルコール、エチルアルコールなどに溶解したアルコール溶液、あるいはアンモニアなどアルカリ水溶液に溶解した形で使用されることがほとんどであり、被コーティング物質である医薬品の錠剤、種々の食品に対し噴霧コーティング、浸漬法、手掛け法、ハケ塗りなどのコーティング方法が用いられている。
これまで被膜剤としてシェラックを用いる数多くのコーティングの提案がある。すなわち、甘味料をシェラックなどの水不溶性、膜生成能を有し、甘味料に適合しうる食用の疎水性物質で被覆化し、カプセル化した遅延放出甘味料組成物(特許文献1参照)、液体又は粉末の生薬エキス類を2〜4倍量のシェラック溶液に分散混合させて乾燥することによるマスキング組成物(特許文献2参照);あるいはシェラックを溶剤などに分散させる際に添加剤を併用し被覆の改善を行う提案である、アルコールなどの溶剤にシェラックを溶かしたコーティング剤に植物油脂、ワックス類、又はその他の脂肪酸エステル類を添加することにより、溶媒成分の除去が進む際に被コーティング物質同士が粘着する現象、いわゆる糸曳きの防止を目的とした提案(特許文献3参照)、シェラックの溶解にアルコールなど有機溶媒に代え、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性リン酸塩を使用し、増粘剤及び/又は糖を含有してなる油性菓子の艶付用組成物(特許文献4参照)、シェラックの溶解にアルコール、水酸化ナトリウムおよびアンモニアに代え、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性リン酸塩を使用した水性セラック被膜剤の提案(特許文献5参照);あるいは、複数の被膜をすることにより溶解特性を改善する提案として、薬物活性成分をpH依存溶解性放出制御被膜の1種であるシェラックでコーティングし、さらにゲル形成性ポリマーで被覆したカプセル剤(特許文献6参照)、腸内有用細菌を耐酸性および耐水性を有する硬化油又はシェラックでコーティングし、さらに腸溶性の寒天またはゼラチンとペクチンの混合物からなる外皮膜で覆ったカプセルおよびこれを含有するヨーグルト(特許文献7参照);あるいは被担持物質をシェラックなどの透過性物質でコーティングし二酸化ケイ素などの多孔質微粒子に担持させた徐放性多孔質微粒子(特許文献8参照);さらには油をベースとするフレーバー、水、デキストリンなどの多糖類カプセル化物質を噴霧乾燥などでカプセル化し、シェラックによるコーティングを行う提案(特許文献9参照)などがある。しかしながら、これまでの被膜剤としてシェラックの使用はシェラックをアルコール溶液、あるいはアルカリ溶液に溶解して食品、医薬品等の表面に薄い被膜を形成し、該被膜が耐水性、耐酸性を有することを利用して内容物を保護するか、あるいは光沢剤として使用することが目的であり、咀嚼、あるいは周囲のpH変化等により、容易に物理的、化学的に被膜が壊れ、内部の食品の飲食あるいは医薬品の摂取を可能にするものであった。したがって、一度、膜が壊れると短時間のうちに急激に内容成分が外部に流出するために、香気、香味、その他の効果の持続性に欠け、長期間、安定にそれらの効果が持続する徐放性コーティング粉末の開発が望まれていた。
特開昭63−167747号公報 特許第3143433号公報 特開平8−311405号公報 特許第3634339号公報 特許第3634340号公報 特開2004−292427号公報 特開平8−242763号公報 特開2003−286196号公報 特開平10−179046号公報
本発明の目的は被分散物質を粉状シェラックおよびシェラックアルコール溶液と混合して乾燥することにより、熱安定性が高く、長期間にわたって内容物を放出する優れた徐放性の粉末の製造方法を提供することである。
本発明者らはシェラックの新たなる応用検討の一環として、シェラックアルコール溶液で被分散物質をコーティングするのではなく、被分散物質を粉状シェラックそのものと共にシェラックアルコール溶液に混合し、乾燥する方法を思いついた。そこで鋭意研究を重ねた結果、今回驚くべきことに、可食性物質の乳化物、粉末香料、酸味料、調味料、甘味料などの平均粒径が1〜2000μの被分散物質を粉状シェラックともにシェラックアルコール溶液に混合し、乾燥することにより、熱安定性が高く、長期間にわたって内容物を放出する優れた徐放性乾燥物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明は(A)被分散物質、(B)粉状シェラックおよび(C)シェラックアルコール溶液の混合物を成型・乾燥してなる徐放性乾燥物の製造方法を提供するものである。
本発明は、また、(A)成分の平均粒径が1〜2000μである前記の徐放性乾燥物の製造方法を提供するものである。
本発明は、また、(A):{(B)+(C)の固形分}が重量比で1:0.01〜1:6の範囲内である前記の徐放性乾燥物の製造方法を提供するものである。
本発明は、また、(A)成分が可食性物質の乳化物、粉末香料、酸味料、調味料、甘味料、苦味剤、強化剤および着色料から選択される1種または2種以上の混合物である前記の徐放性乾燥物の製造方法を提供するものである。
本発明は、また、前記の製造方法で得られた徐放性乾燥物を添加してなる飲食品を提供するものである。
本発明は、また、(A)被分散物質と(B)粉状シェラックをあらかじめ混合し、該混合物に(C)シェラックアルコール溶液を混合した後、成型・乾燥することを特徴とする徐放性乾燥物の製造方法を提供するものである。
本発明は、また、(A)成分が可食性物質の乳化物、粉末香料、酸味料、調味料、甘味料、苦味剤、強化剤および着色料から選択される1種または2種以上の混合物である前記の徐放性乾燥物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、これまでにはない、熱安定性が高く、長期間にわたって内容物を放出する優れた徐放性の乾燥物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明において使用するシェラックは、市販の粉末あるいは板状のシェラックおよびこれを粉砕して得た粉末などが使用でき、一般には食品、食品添加物、医薬品向けに種々のグレードのものがあるが、どんなものでもよく特に限定されない。
本発明において使用するシェラックアルコール溶液に使用するシェラックも、市販の粉末あるいは板状のシェラックなどどんなものでもよく特に限定されず、アルコールはシェラックが溶解するアルコールであれば特に限定はないが、好ましくはエチルアルコール、例えば、99%、95%の醗酵エチルアルコールまたは合成エチルアルコールを使用することができる。シェラックはエチルアルコールに添加し、攪拌することにより容易に溶解させることができる。必要ならば、加温して溶解しても良い。あるいは別の原料として市販のシェラックアルコール溶液を使用してもよい。シェラックアルコール溶液中のシェラックの濃度は特に限定しないが、例えば、5〜70重量%の範囲内を挙げることができる。
本発明において、被分散物質の重量と、粉状シェラックおよびシェラックアルコール溶液中の固形分の合計重量の比率は1:0.01〜1:6の範囲内、好ましくは1:0.5〜1:2.5の範囲内を挙げることができる。
本発明において被分散物質とは粉状シェラックと共にシェラックアルコール溶液に分散、乾燥して得られる乾燥物の有効成分であり、その性状は固体、液体を問わないが、乾燥後の乾燥物においてシェラックにより形成されるマトリクス中に分散するものなら何でもよい。より具体的な例としては、食品、食品添加物、医薬品などの粉末、乳化物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
また、被分散物質の平均粒径は1〜2000μ、好ましくは10〜1000μの範囲を挙げることができる。平均粒径の測定法は、一般に使用される方法、例えば、HORIBA LA−920レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製)を用いてその平均粒径を測定する。
本発明で使用する乳化物としては、油溶性成分を種々の界面活性剤で乳化し、水中油型の乳化物としたものであれば何でもよい。油溶性成分としては例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘類精油、花精油、ペパーミント油、スペアミント油、スパイス油などの植物精油;コーラナッツエキストラクト、コーヒーエキストラクト、ワニラエキストラクト、ココアエキストラクト、紅茶エキストラクト、スパイス類エキストラクトなどの油性エキストラクト及びこれらのオレオレジン類;合成香料化合物、油性調合香料組成物及びこれらの任意の混合物のごとき油性の着香料;及びβ−カロチン、パブリカ色素、アナトー色素及びクロロフィルなどの油溶性天然色素類;肝油、ビタミンA、ビタミンA油、ビタミンB2、酪酸エステル、天然ビタミンE混合物などの脂溶性ビタミン類;大豆油、ナタネ油、コーン油、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマワリ油、米油、牛脂、豚油、魚油などの動植物油脂類;ロジン、コーパル、ダンマル、エレミ、エステルガムなどの植物性樹脂類;炭素原子数6〜12の中鎖飽和脂肪酸トリグリセライドなどの加工食用油脂及びこれら可食性油性材料の任意の混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。所望によりその他の成分を添加しても良い。
本発明で使用する粉末香料としては、水溶性香料、油溶性香料あるいは乳化香料をデキストリン、乳糖などの賦形剤と共に乾燥して得た粉末状の香料であれば何でもよい。
本発明で使用する酸味料として、クエン酸、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなどの食品に使用可能な酸味料を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明で使用する調味料として、L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、グリシン、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、L−テアニン、5’−リボヌクレオチド二ナトリウム、5’−リボヌクレオチド二カルシウムなどの食品に使用可能な調味料を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明で使用する甘味料として、グルコース、ショ糖、フラクトース、ガラクトース、乳糖、エリスリトール、トレハロース、マルチトース、甘草抽出物、ステビア抽出物、羅漢果抽出物、カンゾウ抽出物、アスパルテーム、アセスルファムK、キシリトール、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリンナトリウム、スクラロースなどの食品に使用可能な甘味料を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明で使用する苦味剤として、香辛料抽出物、カフェイン、キナ抽出物、ゲンチアナ抽出物、テオブロミン、ナリンジン、ニガヨモギ抽出物、タンニンなどの食品に使用可能な苦味料を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明で使用する着色料として、β−カロテン、食用赤色2号、食用黄色5号、水溶性アナトー、リボフラビン、アナトー色素、カカオ色素、クチナシ青色素、クチナシ黄色素、コチニール色素、クロロフィル、ビートレッド、ブドウ果皮色素、ベニバナ黄色素、マリーゴールド色素、ベニコウジ色素、ムラサキイモ色素、ラック色素、ルチンなどの食品に使用可能な着色料を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
次に製造方法であるが、被分散物質と粉状シェラックをまず、混合し、これにシェラックアルコール溶液を添加混合し、これを乾燥する。乾燥方法としては噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥、通風乾燥などの乾燥法を用いることができる。乾燥後は必要があれば適当な方法で粉砕を行い、徐放性乾燥物を得る。
本発明の徐放性乾燥物を添加することのできる飲食品は特に限定されないが、例えば、粉末香料、酸味料、甘味料などを被分散物質としてコーティングした場合にはチューインガム、キャンディー、その他の菓子類に添加することにより被分散物質が製造時及び保存時に受ける酸化、その他の劣化を防止又は低減し、かつ飲食時に長期間その香気、香味を楽しむことができる。
さらに、徐放性乾燥物に使用される他の素材としては、中鎖脂肪酸グリセリンエステル、グリセリン、抗酸化剤、香辛料抽出物、乳糖、デキストリンなど食品に使用可能な成分を挙げることが出来る。
本発明の一実施態様を例示すれば次の通りである。粉末香料100gに粉状シェラック50gを混合し、次いでシェラックを95%エタノールに重量換算で等量混合・溶解したシェラックエタノール溶液50gを混合する。混合品を押出造粒法により造粒し、真空乾燥後、整粒篩別し、乾燥物160gを得る。得られた乾燥物は被分散物質の保存安定性が極めて良好であり、かつ加熱に対して安定であり、該粉末を含有する食品等を摂食する際に咀嚼による被分散物質の放出の持続性が高く、長時間にわたって放出が続く。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。
実施例1
レモン精油20g、ピュリティガムBE(日本エヌエスシー社製)20g及び市販デキストリンであるパインデックスNo.1(松谷化学工業社製、登録商標)の60gを水1200gに添加、混合し、TKロボミックス(プライミクス社製、登録商標)で乳化する。次いでこの乳化液をスプレードライヤーL−8i(大川原化工機社製)で噴霧乾燥し、乾燥品を得た。得られた乾燥物をメッシュで篩別し、レモンフレーバーパウダー(比較品1)100gを得た。このレモンフレーバーパウダー100gに粉状シェラック25gをあらかじめ混合し、次いでシェラックを95%エタノールに重量換算で等量混合・溶解したシェラックエタノール溶液25gを混合する。混合品を押出造粒機バスケットリューザー(不二パウダル社製)を用い、スクリーン0.7mmφで押出し、真空乾燥機で1Pa、60℃、15時間乾燥した。得られた乾燥物を16メッシュで篩別し、乾燥物124g(本発明品1)を得た。
また、シェラック50g、シェラックエタノール溶液50gを用いるほかは、実施例1と同様の方法で乾燥物158を得た(本発明品2)。さらに、シェラック75g、シェラックエタノール溶液75gを用いるほかは、実施例1と同様の方法で乾燥物191を得た(本発明品3)。
溶出試験
レモンフレーバーパウダー(比較品1)をガムベースに0.6%添加し、混錬してチューインガムを調製した。また、比較品1とレモンフレーバーの添加量が同じになるように本発明品1〜3をガムベースにそれぞれ添加し、混錬してそれぞれチューインガムを調製した。得られたチューインガムは専門パネルにより官能評価を実施し、香気、香味を比較した。すなわち、チューインガムを噛んだときフレーバーが持続する時間とその強さを官能的に評価した。
Figure 0004644232
表1に示したように比較品1が1分後に強い香気、香味のピークが認められたが、3分後にはかなり弱いものとなり、5分後にはほとんど感じなくなったのに対し、本発明品1〜3は1分後の香気、香味は比較品1と比べると弱く、香気、香味のピークも比較品に比べて5〜13分後と遅くなると共に、本発明品1では10分後、本発明品2、3では15分経過後もレモンフレーバーの香気、香味が感じられ、十分な持続性が確認された。
保存安定性試験
本発明品1を0.8g計り取り、20mlガラス製バイアル瓶に入れ、50℃、2週間保存した。対照区として実施例1で用いたレモンフレーバーパウダー(比較品1)0.6gを計り取り、同様に50℃、2週間保存した。また、全く何も入れない空の20mlバイアル瓶についても、同様に50℃、2週間保存した(ブランク)。本発明品1、比較品1の酸素濃度、香味の評価を表2に示した。
Figure 0004644232
ブランクの酸素濃度は20.1%であった。また、本発明品1は香気、香味の変化がほとんどなく、良好なレモンフレーバーが残存しており、酸素濃度も19.3%とほとんど酸素消費がなかった。これに対し比較品1は香気、香味の変化が著しく、レモンフレーバーの著しい劣化、減少が認められるとともに酸素濃度は7.8%と著しい酸素消費が認められた。上記結果より、本発明品1の熱安定性、保存安定性が確認された。
溶出試験および保存安定性試験の結果から、本発明品は、熱安定性、保存安定性に優れ、食品に添加した場合にその香気、香味の発現に十分な持続性があることが確認された。
実施例2
アスパルテーム(味の素社製)100gと粉状シェラック30gをあらかじめ混合し、次いでシェラックを95%エタノールに重量換算で等量混合・溶解したシェラックエタノール溶液10gを混合した。混合液をローラーコンパクタ(ターボ工業社製)で1t/cm2の圧力で加圧固化物を形成し、粗粉砕後、真空乾燥機で1Pa、70℃、15時間の乾燥を行った。乾燥物をパワーミル(ダルトン社製)で粉砕し、20メッシュで篩別し、コーティング品120g(本発明品4)を得た。
また、シェラック60g、シェラックエタノール溶液20gを用いるほかは、実施例1と同様な方法で乾燥物151を得た(本発明品5)。さらに、シェラック90g、シェラックエタノール溶液30gを用いるほかは、実施例1と同様な方法で乾燥物182を得た(本発明品6)。
香味溶出試験
本発明品4〜6をそれぞれ1.01%、1.28%、1.54%、対照区としてアスパルテーム(比較品2)を0.75%ガムベースに添加し、混錬してチューインガムを調製した。得られたチューインガムは10名のよく訓練された専門パネルにより官能評価を行い、甘味の溶出を比較した。専門パネルによる香味溶出の評価を表3に示した。
Figure 0004644232
表3に示したように、比較品2が1分で甘味のピークに達し、5分後はほとんど甘味を感じなくなったのに対し、本発明品4〜6は咀嚼開始直後の甘味のピークは低いが、咀嚼後15分経過後も程度の差はあるが甘味の持続が見られ、香味の持続性の高い乾燥物であることが確認された。

Claims (7)

  1. 下記の(A)、(B)および(C)成分の混合物を成型・乾燥して得られることを特徴とする徐放性乾燥物の製造方法
    (A)被分散物質
    (B)粉状シェラック
    (C)シェラックアルコール溶液
  2. (A)成分の平均粒径が1〜2000μである請求項1に記載の徐放性乾燥物の製造方法
  3. (A):{(B)+(C)の固形分}が重量比で1:0.01〜1:6の範囲内である請求項1または2のいずれかに記載の徐放性乾燥物の製造方法
  4. (A)成分が可食性物質の乳化物、粉末香料、酸味料、調味料、甘味料、苦味剤、強化剤および着色料から選択される1種または2種以上の混合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の徐放性乾燥物の製造方法
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で得られた徐放性乾燥物を添加してなる飲食品。
  6. (A)被分散物質と(B)粉状シェラックをあらかじめ混合し、該混合物に(C)シェラックアルコール溶液を混合した後、成型・乾燥することを特徴とする徐放性乾燥物の製造方法。
  7. (A)成分が可食性物質の乳化物、粉末香料、酸味料、調味料、甘味料、苦味剤、強化剤および着色料から選択される1種または2種以上の混合物である請求項6に記載の徐放性乾燥物の製造方法。
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