JP7338573B2 - せん断刃、せん断金型、金属板のせん断加工方法、及びプレス部品の製造方法 - Google Patents

せん断刃、せん断金型、金属板のせん断加工方法、及びプレス部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7338573B2
JP7338573B2 JP2020116612A JP2020116612A JP7338573B2 JP 7338573 B2 JP7338573 B2 JP 7338573B2 JP 2020116612 A JP2020116612 A JP 2020116612A JP 2020116612 A JP2020116612 A JP 2020116612A JP 7338573 B2 JP7338573 B2 JP 7338573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
cutting
metal plate
shearing
blade portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020116612A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022022779A (ja
Inventor
優一 松木
豊久 新宮
欣哉 中川
雄司 山▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2020116612A priority Critical patent/JP7338573B2/ja
Publication of JP2022022779A publication Critical patent/JP2022022779A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7338573B2 publication Critical patent/JP7338573B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、金属板を切断するせん断加工を実行するための技術、及びその技術を用いたプレス部品を製造する技術に関する。
現在、自動車には軽量化による燃費向上と衝突安全性の向上が求められている。そして、車体の軽量化と衝突時の搭乗者保護を両立する目的で、自動車両部品、特に構造部品には、高強度鋼板が使用される傾向にある。特に近年では、高強度鋼板として、特に引張強度980MPa以上の超高強度鋼板が車体に適用されることもある。
超高強度鋼板の車体適用時における課題の一つに、プレス部品製造後の遅れ破壊がある。特に、引張強度980MPa以上の鋼板では、せん断加工後の端面(以下、せん断端面とも呼ぶ)から発生する、伸びフランジ割れ及び遅れ破壊への対策が重要な課題となっている。
ここで、せん断端面には、大きな引張応力が残留することが知られている。この引張応力の残留によって、せん断端面では伸びフランジ割れ、並びに遅れ破壊の発生が懸念されている。せん断端面において、これらの破壊を抑制するためには、せん断端面の引張り残留応力や加工硬化層を低減させる必要がある。
せん断工程を施した端面の引張り残留応力と加工硬化層を低減する簡易な方法としては、例えば穴抜き加工時に段付き上刃を用いて、張力下でせん断する方法(特許文献1、非特許文献1)、せん断工程を2回に分け2回目の切り代を小さくする方法(非特許文献2、特許文献2)がある。後者の2回目の切り代を小さくする方法は、切り代が十分小さい場合、シェービングや削りぬきと呼称される場合もある。なお、本明細書では、切代の大きさに関わらず、同じ端部に対し、せん断加工を2回行う場合を、「2度抜き」と呼称するものとする。
高橋雄三ら:突起付きパンチを用いた張力下の打ち抜きによる高強度薄鋼板の打ち抜き穴広げ性の改善、塑性と加工、54-627(2013)、343-347 中川威雄、吉田清太:削り抜き法 -せん断面の伸び変形能の向上策―、塑性と加工、10-104(1969)、665-671
特願2015-547763号公報 特開2006-116590号公報
上述の通り、高強度鋼板のせん断端面より発生する伸びフランジ割れと遅れ破壊が懸念されている。
しかし、上記の「2度抜き」によるせん断加工方法は、製造装置への実際の適用を考えた場合、2回目の切り代に合わせてmm単位の位置精度が要求されるという課題や、少なくとも2工程以上のせん断工程を必要とするという課題などがあった。
一方で、上記穴加工における段付き上刃を用いたせん断方法では、2度抜きによる加工方法に比べ、ブランクの位置調整の問題は発生せず、せん断工程も一度で済むため、より経済的であるという利点がある。
しかしながら、上記従来の段付き上刃を用いたせん断方法は、穴抜き加工に用いる技術であって、金属板の端部の切断など、金属板を切断するせん断加工への適用について何ら記載も示唆も無い。
本発明は、上記のような点に着目してなされたものであり、段付き上刃を用いたせん断加工を金属板の切断に適用した際における、金属板のせん断端面の引張り残留応力並びに加工領域を低減するせん断加工、及びそのせん断加工を適用したプレス部品の製造の実現を目的としている。
発明者は、段付き上刃を用いたせん断加工方法を、従来技術のような穴抜き加工時のみならず、実際の自動車部品でみられるようなブランク外形部や平切り部の切断処理にも適用できないか検討した。ここで、ブランク外形部は、一般に、丸穴とは異なって、せん断時に曲げモーメントの相殺が生じないような、例えば回転に対して対称性を持たない閉曲線の輪郭形状となっている。を意図している。また、平切り部とは、丸穴とは異なって、せん断時に曲げモーメントの相殺が生じないような、閉曲線ではない板の領域の部分を指す。
刃部全体が板状の段付き刃を上刃に適用して、高強度鋼板からなる金属板を、直線状の切断位置に沿って切断した場合、上刃3の一段目(下段)の刃先が金属板に接触した際に、図1に示すように、金属板10に過大な曲げモーメントMが生じ、それによる種々の不具合が生じるとの知見を得、金属板10の切断に対し単純に板状の段付き刃を用いることが出来ないとの知見を得た。その不具合は、具体的には、上記の曲げモーメントMによる、板押さえ2の変形と損傷、上刃3の変形と損傷、金属板が上刃3側に引き込まれることによりせん断加工後の形状が狙いからずれてしまう、といった問題である。図1中、符号1は下刃である。
ここで、穴抜き加工においては、段付き刃を採用しても、穴の周全体で同等の曲げモーメントが発生するため、せん断金型の変形や金属板の引き込まれが相殺していた。このため、上記のような問題は発生していなかった。
上記のような問題は、ブランク外形部の端部や平切り部の切断の際に顕著に発生する。また、上記のような問題は、特に引張強度が高くせん断加工に要する荷重の高い、引張強度980MPa以上の鋼板において顕著にみられた。このような曲げモーメントを低減するせん断加工方法を開発することは、せん断金型の型寿命の向上の観点からも重要である。また金属板の上刃側への引き込まれを抑制することは、部品を設計通りに加工するために必要な課題である。
そして、発明者は、上記のような課題を見出し、その課題を解消する技術を鋭意検討して、本発明をなした。
すなわち、課題解決のために、本発明の一態様は、金属板を切断するせん断金型に用いられるせん断刃であって、刃部として、2つの刃先が切断方向へ段状に配置された第1の刃部と、刃先が1つの第2の刃部と、を有し、上記第1の刃部の2つの刃先のうち切断方向において上記金属板に対し遠位に配置される刃先と、上記第2の刃部の刃先とが、目的とする切断形状に金属板を切断する刃先を構成し、上記第1の刃部の2つの刃先のうち切断方向において上記金属板に対し近位に配置される刃先は、上記第2の刃部の刃先と同時若しくは当該第2の刃部の刃先よりも後に金属板に接触するように構成されている、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、上刃と下刃とで金属板を板厚方向に切断するせん断金型であって、上記上刃は、本発明の一態様に記載のせん断刃であり、上記第1の刃部の2つ刃先のうち、上記近位に配置される刃先は、上記遠位に配置される刃先に比べ、上記下刃とのクリアランスが大きく設定され、上記第2の刃部の刃先は、上記第1の刃部の2つ刃先のうちの上記近位に配置される刃先に比べ、上記下刃とのクリアランスが小さく設定されている、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、高強度鋼板からなる金属板をせん断加工する方法であって、2つの刃先が切断方向へ段状に配置された第1の刃部と刃先が1つの第2の刃部とが、切断形状の輪郭に沿って並んで配置されたせん断刃を用いて、上記金属板を切断する、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、金属板を、1又は2以上のプレス成形の工程を経てプレス部品とするプレス部品の製造方法において、上記1又は2以上のプレス成形のうちの最終のプレス成形の工程前に、本発明の態様に記載のせん断加工方法で金属板を切断するせん断工程を行う、ことを要旨とする。
本発明の態様によれば、せん断端面全体での曲げモーメントの発生を小さく抑制しつつ、第1の刃部で切断したせん断端面の、引張り残留応力並びに加工領域を低減することが可能となる。
すなわち、本発明の態様によれば、金属板を切断するせん断工程において、量産適用の際に問題となる過大な曲げモーメントの発生を抑制し、且つ、金属板の上刃側への引き込まれを抑制可能となる。この結果、耐伸びフランジ割れ特性並びに耐遅れ破壊特性が良好である高強度鋼板のせん断加工技術を提供することが可能となる。
段付き刃を用いた際に発生する過大な曲げモーメントMによる型損傷と金属板の引き込みを示す図である。 本発明に基づく実施形態に係るプレス部品の製造工程例を示す図である。 せん断金型の構成を説明する図である。 第1のせん断刃を説明する図であって、(a)は切断面側(下刃と対向する面側)の正面図、(b)は第1の刃部での断面図、(c)第2の刃部での断面図である。 第1のせん断刃をせん断金型に組み込んだ状態を説明する模式図である。 第2のせん断刃を説明する図であって、(a)は切断面側(下刃と対向する面側)の正面図、(b)は第1の刃部での断面図、(c)第2の刃部での断面図である。 第2のせん断刃を用いた際の作用を説明する図であって、(a)は、第1の刃部で切断時の第2の刃部での切断状態の例を示す図であり、(b)は、第1刃部の第1刃先での切断時の状態を示す図である。 実施例の第1の例における、せん断加工に供した金属板、下刃、板押さえ、上刃の位置関係の説明図である。 実施例の第1の例における上刃を示す図であって、(a)は正面図、(b)は断面図である。 実施例の第2の例における上刃を示す図であって、(a)は正面図、(b)は第1の刃部での断面図である。 実施例の第2の例における上刃を示す図であって、(a)は正面図、(b)は第1の刃部位置での断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、せん断加工する金属板として、プレス部品にプレス成形するブランク用の金属板を例に挙げて説明する。
本実施形態が対象とする金属板は、せん断加工時に発生する鋼板のせん断端面での引張り残留応力や加工硬化によって、端部で伸びフランジ割れや遅れ破壊が起こる可能性のある高強度鋼板からなる。本発明は、引張強度が590MPa以上の高強度鋼板であれば適用可能であるが、伸びフランジ割れや遅れ破壊が特に懸念される980MPa以上を有する高強度鋼板に効果的であり、1180MPa以上を有する高強度鋼板により効果的な技術である。
本実施形態では、図2に示すように、プレス成形の前工程としてのトリム工程21と、プレス成形工程22とを有する。本実施形態で製造した金属板10は、せん断端面に引張り残留応力が発生するようなせん断面が形成されたプレス成形用の金属板10として好適である。
(トリム工程21)
トリム工程21では、金属板10を、プレス部品の部品形状に応じた切断形状の輪郭に切断する。
この切断の際に、金属板10の全周における少なくとも一部の端部に対し、本発明に基づく本実施形態のせん断加工を施すせん断工程21Aを有する。
<せん断工程21A>
せん断工程に使用するせん断金型20は、図3に示すように、下刃1と、板押さえ2と、上刃3とを備える。
せん断金型20を使用したせん断加工は、金属板10の切断位置に合わせて、下刃1の刃先の位置が設定されるようにして、下刃1と板押さえ2で、金属板10の本体側(端部から離れた側)を拘束(固定)する。また、せん断加工は、上刃3と下刃1のクリアランスΔCを所定クリアランスに設定する。そして、下刃1に対して相対的に、上刃3を金属板10の板厚方向(図3では下方)である切断方向に移動することで、せん断加工を実行する。
ここで、以下の説明では、説明を簡易にするために、直線状に切断する場合を例に説明する。切断位置(切断形状)が曲線状であっても、本発明は適用可能である。
通常の上刃3は、図3のように、刃部(上刃3の下部)が切断の輪郭形状に沿って延在した厚板形状になっており、その切断面側(下刃1側)の角部で、上刃3の刃先が形成されている。すなわち、1つの刃先が、切断位置の形状に沿った方向へ延在している。本実施形態では、上述のように、刃先が直線状(図3では紙面方向)に延在している場合である。
これに対し、本実施形態のせん断加工を施す際に使用する上刃(以下、せん断刃23と記載する)の刃部は、図4及び図5に示すような構成となっている。
図4(a)は、図5の左方向から見た刃先側の正面図、すなわち、下刃1と対向可能な面側からみた図である。
せん断刃23は、金属板10を切断するせん断金型20に用いられる。せん断刃23は、刃部として、図4及び図5に示すように、2つの刃先23Aa、23Abが切断方向へ段状に配置された第1の刃部23Aと、刃先23Baが1つの第2の刃部23Bと、を有する。
ここで、図4に示すせん断刃23では、下端面が水平な面となっている場合が例示されて、第2の刃部23Bの刃先23Baの角度が90度の場合を例示しているが、刃先23Baの角度は、90度以外の角度であってもよい。第1の刃部23Aの2つの刃先23Aa、23Abの角度についても同様である。また、例えば、刃先23Baと刃先23Aaとが平行な関係でなくても良い。
せん断刃23の刃部は、厚板状である。第1の刃部23Aと第2の刃部23Bは、刃先の延在方向に並ぶように配置され、切断位置の形状(切断ライン)に沿って並んで配置されている。
図4に例示するせん断刃23は、刃部が、切断形状の輪郭に沿って延在し且つ板形状となっており、1つの刃先からなる刃部の一部に、板厚方向に切り欠かれた切欠き部が形成されることで、その切欠き部位置が、2つの刃先23Aa、23Abが切断方向へ段状に配置された上記第1の刃部23Aを構成し、その他の刃部が、第2の刃部23Bを構成する。
ここで、第1の刃部23Aの2つの刃先23Aa、23Abのうち、切断方向において金属板10に対し近位に配置される刃先23Aa(つまり相対的に先に金属板10に接触する刃先)を第1刃先23Aaとも記載し、切断方向において金属板10に対し遠位に配置される刃先23Ab(つまり相対的に後に金属板10に接触する刃先)を第2刃先23Abとも記載する。
第1の刃部23Aは、断面図である図5に示すように、第1刃先23Aaが、下刃1側である第2刃先23Abより、段深さD分(板幅方向の寸法)だけ下刃1から離れる方向に位置している。また、第2刃先23Abは、段高さH分だけ、第1刃先23Aaよりも上方(金属板10から離れる方向)に位置している。なお、図4、図5では、第1の刃部23Aの第1刃先23Aaと、第2の刃部23Bの刃先23Baの高さが等しい場合を例示しているが異なっていてもよい。
そして、第1の刃部23Aの2つの刃先23Aa、23Abのうち切断方向において金属板10に対し遠位に配置される第2刃先23Abと、第2の刃部23Bの刃先23Baとが、目的とする切断形状に金属板10を切断する刃先を構成する。
また、第1の刃部23Aの2つの刃先23Aa、23Abのうち切断方向において金属板10に対し近位に配置される第1刃先23Aaは、第2の刃部23Bの刃先23Baと同時若しくは当該第2の刃部23Bの刃先23Baよりも後に金属板10に接触するように構成されている。図4に例示するせん断刃23では、第1刃先23Aaと第2の刃部23Bの刃先23Baとは同じ高さに設定されているため、第1刃先23Aaは、第2の刃部23Bの刃先23Baと同時に金属板10に接触するように構成されている。
図4に例示するせん断刃23では、第1の刃部23Aを1箇所だけ設けた場合であるが、第1の刃部23Aが複数箇所に形成されていてもよい。第1の刃部23Aの左右両側に第2の刃部23Bが形成されていることが好ましい。
そして、図5に示すように、第1の刃部23Aの2つ刃先のうち、近位に配置される第1刃先23Aaは、遠位に配置される第2刃先23Abに比べ、下刃1とのクリアランスΔC2が大きく設定された状態となる。また、第2の刃部23Bの刃先23Baは、第1の刃部23Aの2つ刃先のうちの近位に配置される第1刃先23Aaに比べ、下刃1とのクリアランスΔC1が小さく設定された状態となっている。
本実施形態では、第2の刃部23Bの刃先23Baと第2刃先23Abは、下刃1とのクリアランスは同じ値ΔC1となっている。
そして、本実施形態では、上刃3として、上記のせん断刃23を採用したせん断金型20によって金属板10の端部の切断を実行する。
このせん断刃23を用いたせん断工程では、最初に、第2の刃部23Bの刃先23Baと第1の刃部23Aの第1刃先23Aaによる切断が実行されて、最終的な切断形状の輪郭に対し、第2刃先23Abに対する第1刃先23Aaのオフセット分(段深さD分)の張出部が一時的に形成され、続いた第1の刃部23Aの第2刃先23Abによる切断によって、上記の張出部が切断されて、目的の輪郭形状に金属板10が切断される。
このように、第1の刃部23Aでの切断領域においては、2度の切断が行われる。
<第2のせん断刃23>
本発明に基づく、せん断刃23の別の例(第2のせん断刃23)を、図6を参照して説明する。
図6は、第2のせん断刃23を刃先側からみた正面図である。
第2のせん断刃23は、図6のように、切断方向において、第1の刃部23Aの刃先を、金属板10に対し、第2の刃部23Bの刃先23Baよりも遠位に配置した例である。
ただし、切断方向からみた、第1の刃部23Aの2つの刃先23Aa、23Abの関係は、図4に例示したせん断刃23(第1のせん断刃23とも記載する)と同じである。
第1のせん断刃23を使用した切断では、第2の刃部23Bでの切断と、第1の刃部23Aの第1刃先23Aaでの切断が同時に実行される。
これに対し、第2のせん断刃23を使用した切断では、最初に第2の刃部23Bでの切断が実行される。次に、第1の刃部23Aの第1刃先23Aaで金属板10の切断が実行されて、上述の張出部が一時的に形成され、その後に、第2刃先23Abでその張出部が切断されて、目的の切断形状となる。
ここで、図6示す第2のせん断刃23においては、第1の刃部23Aと第2の刃部23Bとの間に第3の刃部23Cを形成した場合を例示している。
第3の刃部23Cは、第2の刃部23Bと同様に1つの刃先を有する刃部であって、第2の刃部とみなすこともできる。第3の刃部23Cは、刃先の延在方向に沿って、第2の刃部23Bから第1の刃部23Aへの移行用の刃部である。すなわち、第3の刃部23Cは、第2の刃部23Bから第1の刃部23Aに向けて刃先が、切断方向に対し傾斜した状態となっている。
<第1の刃部23Aの段状について>
上述の通り、第1の刃部23Aの段状を形成する段深さDと段高さHは、図5のように、通常の1つの刃先からなる上刃3に対して、切り欠かれた領域の幅と高さとして定義する。この領域は、図中では矩形(立方体形状)だが、実際には多角形や曲線で囲まれた領域であってもよい。段深さDと段高さHは、切欠き形状に関係無く、2つの刃先23Aaと23Abとの位置関係だけで決定される。
金属板10の板厚に対する段深さDの割合は、0.25以上3.00未満が好ましい。また、金属板10の板厚に対する段高さHの割合は、0.25以上3.00未満が好ましい。
後述の実施例に示すように、段深さDの割合が0.25以上且つ段高さHの割合が0.25以上の場合に、第1の刃部23Aによる遅れ破壊改善の効果が認められる。また、金属板10の板厚に対する段深さDの割合が3.00以上、段高さHの割合が3.00以上である場合は、曲げのモーメントが大きくなりすぎるため、本実施形態に基づく上刃3を用いたとしても、せん断金型20の損傷の危険があると考えられるため、好ましくはこれ以下の段形状を用いることが望ましい。
また、第1の刃部の幅(切断する金属板端部の長さ)については、幅の範囲が小さいほど曲げモーメントを低減できる。せん断時に発生する曲げモーメントは、ほとんどが第1の刃部によるものであるから、第1の刃部の幅を総せん断幅の半分以下にとれば、せん断時の曲げモーメントも半減し、顕著な効果を期待できる。
<第1の刃部23Aの形成する位置>
第1の刃部23Aを形成する位置は、第1の刃部23Aで切断された金属板10におけるせん断面位置が、プレス成形で引張り残留応力が所定以上発生すると推定される端部となるような位置に設定する。例えば、プレス成形で引張り残留応力が所定以上発生する端部をCAE解析によって推定し、所定以上の引張り残留応力が発生すると推定される部分を切断で形成する位置に対応する刃部に、第1の刃部23Aを形成することが好ましい。
<プレス成形工程22>
プレス成形工程22では、上記トリム工程21後の金属板10を、プレス金型を使用してプレス成形を行い、目的のプレス部品とする。プレス成形は、例えば、フォーム成形やドロー成形である。
ここで、上記説明では、金属板10の全周の一部に、本発明に基づくせん断工程21Aでの加工を施す場合を例示した。しかし、本発明は、それに限定されない。例えば、金属板10の全周に、本発明に基づくせん断加工を施しても良い。
また、本発明に基づくせん断加工を施す場合、金属板10の外周に対し、同時期に全部の端部に対し、せん断加工を施す必要はない。例えば、第1の辺に対して本発明に基づくせん断加工を施した後に、第2の辺に対して本発明に基づくせん断加工を別途、施しても良い。
また、プレス部品の形状が複雑化するほど、多段階のプレス成形でプレス部品が製造される。この場合、本発明に基づくせん断加工を、必ずしも最初のプレス成形の前に実施する必要はない。例えば、本発明に基づくせん断加工を、最後のプレス方法を除く任意のプレス成形後に実施しても良い。
なお、上記説明では、本発明に基づくせん断加工を施した金属板10をプレス成形して目的の製品にする場合を例示しているが、プレス成形を行わずに用いられる金属板10であっても、本発明のせん断加工方法は適用可能である。
また、本発明に基づくせん断加工の前に、他のせん断加工が施されていても良い。
(動作その他)
本実施形態では、上刃3として上記のせん断刃23を採用することで、上刃3で同時期に切断するせん断箇所において、一部を第1の刃部23Aで切断し、他の部分を第2の刃部23Bで切断する。
本実施形態のせん断刃23を用いたせん断工程では、第2の刃部23Bの刃先23Baと第1の刃部23Aの第2刃先23Abによる切断によって最終的な切断形状の輪郭に切断する。その際に、先ず、第2の刃部23Bの刃先23Baと第1の刃部23Aの第1刃先23Aaによる切断によって、上記の最終的な切断形状の輪郭に対し、第1刃先23Aaのオフセット分の小さな張出部が一時的に形成された切断形状に切断された後に、上記の張出部が、第1の刃部23Aの第2刃先23Abによって切断されて、目的の輪郭形状となる。
ここで、第1刃先23Aaと下刃1とのクリアランスΔC2は、段深さD分だけ大きいことから、第1刃先23Aaによる切断によるせん断部での曲げモーメントは、相対的に大きい。一方、第2の刃部23Bの刃先23Baと下刃1とのクリアランスΔC1は、第1刃先23Aaと下刃1とのクリアランスΔC
2よりも小さいため、第1刃先23Aaによる切断に比べ、第2の刃部23B及び第2刃先23Abによる切断によるせん断部での曲げモーメントは小さい。
そして、本実施形態では、上刃3の刃部全体を段付きの第1の刃部23Aとすることなく、一部の刃部だけに第1の刃部23Aを採用することで、上刃3の刃部全体を第1の刃部23Aとする場合に比べ、上刃3での切断の際にせん断部で発生する曲げモーメントを小さくすることが可能となる。また、第1の刃部23Aで切断する切断部分は、2度抜きの効果と同様に、耐伸びフランジ割れ特性並びに耐遅れ破壊特性の向上が得られる。
このように、本実施形態では、段部を有する第1の刃部23Aで切断された領域では耐伸びフランジ割れ特性並びに耐遅れ破壊特性の向上が得られる一方で、段部を有しない第2の刃部23Bによるせん断部では曲げモーメントがほとんど発生しない。このため、1つの上刃3によって切断するせん断端面全体において、第1の刃部23Aで切断する領域が抑えられることで、曲げモーメントの発生を小さく抑制することができる。
すなわち、図4のような形状のせん断刃23を上刃3として用いてせん断加工を行うことで、段付き刃(第1の刃部23A)による過大なモーメントが発生する領域を、耐伸びフランジ割れ特性並びに遅れ破壊特性を向上したい領域のみに制限することができる。結果として、型全体に生じるモーメントによる荷重は著しく低減される。
更に、図6のような、第2のせん断刃23を上刃3として使用した場合には、第1の刃部23Aの第1刃先23Aaによる金属板10の切断の開始に先立って、第2の刃部23Bによる金属板10の切断が実行される。このため、図7に示すように、第1の刃部23Aの第1刃先23Aaによる切断(図7(b)参照)の際には、その左右両側の切断部分については、第2の刃部23Bでの切断の実行によって、既に上刃3で引き込まれないよう拘束された状態(図7(a)参照)になっているため、金属板10の上刃3側への引き込まれを、より抑制することができる。
すなわち、第2のせん断刃23を上刃3として用いてせん断加工を行うことで、第1の刃部23Aにより金属板10が引き込まれるタイミングで、その両側に位置する第2の刃部23Bでせん断された部分若しくはせん断中の部分は既に上刃3で引き込まれないよう拘束された状態になるため、金属板10の上刃3側への引き込まれを、より抑制することができる。
なお、第2の刃部23Bの刃先23Baと第1刃先23Aaとの切断方向(上下方向)のオフセット量は、金属板10の板厚以上が好ましいが、金属板10の板厚未満であっても構わない。上記のオフセット量は、例えば、金属板10の厚さの三分の一以上に設定する。
以上のように、本実施形態では、平切り部の第1の刃部23Aでのせん断による曲げモーメントの発生と金属板10の上刃3側への引き込まれによる問題が解消される。この結果、量産への適用が容易となる。また、第1の刃部23A(段付き刃)を用いた領域では耐遅れ破壊特性の向上が得られる。このことは、第1の刃部23Aによる残留応力や加工硬化層の低減による効果と考えられる。すなわち、本実施形態を用いることで、第1の刃部23Aで切断する箇所においては伸びフランジ割れと遅れ破壊の発生を抑制し、なおかつ、量産適用性の高い金属板10のせん断加工方法を提供可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、せん断加工時に発生する鋼板のせん断端面の引張り残留応力と加工硬化層を低減することができるので、自動車のパネル部品、構造・骨格部品等の各種部品に高強度鋼板を適用する際に耐伸びフランジ割れ特性並びに遅れ破壊特性を向上することができる。更に、段付きせん断による曲げモーメントの発生と金属板10の上刃3側への引き込まれによる問題が解消され量産への適用が容易になる。
(効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)本実施形態は、金属板10を切断するせん断金型20に用いられるせん断刃23であって、刃部として、2つの刃先23Aa、23Abが切断方向へ段状に配置された第1の刃部23Aと、刃先が1つの第2の刃部23Bと、を有し、上記第1の刃部23Aの2つの刃先23Aa、23Abのうち切断方向において上記金属板10に対し遠位に配置される刃先と、上記第2の刃部23Bの刃先23Baとが、目的とする切断形状に金属板10を切断する刃先を構成し、上記第1の刃部23Aの2つの刃先23Aa、23Abのうち切断方向において上記金属板10に対し近位に配置される刃先は、上記第2の刃部23Bの刃先23Baと同時若しくは当該第2の刃部23Bの刃先23Baよりも後に金属板10に接触するように構成されている。
例えば、上記第1の刃部及び上記第2の刃部を有する上記刃部は、切断形状の輪郭に沿って延在し且つ板形状となっており、1つの刃先からなる刃部の一部に板厚方向に切り欠かれた切欠き部を有し、その切欠き部位置が、2つの刃先23Aa、23Abが切断方向へ段状に配置された上記第1の刃部23Aを構成する。
また、せん断金型20として、例えば、上刃3と下刃1とで金属板10を板厚方向に切断するせん断金型20であって、上記上刃3は、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のせん断刃23であり、上記第1の刃部23Aの2つ刃先のうち、上記近位に配置される刃先は、上記遠位に配置される刃先に比べ、上記下刃1とのクリアランスが大きく設定され、上記第2の刃部23Bの刃先23Baは、上記第1の刃部23Aの2つ刃先のうちの上記近位に配置される刃先に比べ、上記下刃1とのクリアランス小さく設定されている、せん断金型20を用いる。
そして、本実施形態では、高強度鋼板からなる金属板10をせん断加工する方法であって、2つの刃先23Aa、23Abが切断方向へ段状に配置された第1の刃部23Aと刃先が1つの第2の刃部23Bとが、切断形状の輪郭に沿って並んで配置されたせん断刃23を用いて、上記金属板10を切断する。
この構成によれば、第1の刃部23Aで切断されたせん断面において、伸びフランジ割れと遅れ破壊の発生を抑制可能になると共に、せん断刃23による切断の際に発生する曲げモーメントを小さく抑えることができて、切断精度の低下も抑えることが可能となる。
(2)本実施形態では、切断方向において、上記金属板10に対し、上記第1の刃部23Aの2つの刃先23Aa、23Abがともに、上記第2の刃部23Bの刃先23Baよりも遠位に配置されている、ように構成してもよい。
例えば、本実施形態では、上記金属板10の切断の際に、上記第1の刃部23Aが金属板10の接触する前に、上記第2の刃部23Bが金属板10に接触するように、第1の刃部23Aと上記第2の刃部23Bとを設定する。
この構成によれば、第1の刃部23Aによる切断に先立って、第2の刃部23Bによる切断が開始若しくは終了していることで、第1の刃部23Aにより金属板10が引き込まれるタイミングで、第2の刃部23Bでせん断された部分若しくはせん断中の部分は既に上刃3で引き込まれないよう拘束された状態になるため、金属板10の上刃3側への引き込まれを、より有効に抑制することができる。この結果、第1の刃部23Aを用いることよる切断精度の低下をより有効に防止できる。
(3)本実施形態は、金属板10を、1又は2以上のプレス成形の工程を経てプレス部品とするプレス部品の製造方法において、上記1又は2以上のプレス成形のうちの最終のプレス成形の工程前に、上記実施形態に記載のせん断加工方法で金属板10を切断するせん断工程を行う、構成とする。
この構成によれば、プレス成形で加工される金属板10を切断するせん断工程において、量産適用の際に問題となる過大な曲げモーメントの発生を抑制し、且つ、金属板10の上刃3側への引き込まれを抑制可能となる。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
以下の実施例では、2種類の鋼種A、Bを用いた、板厚1.4mmの供試材を対象に説明する。
<第1の例>
本例における、金属板10、下刃1、板押さえ2、上刃の位置関係を図8に示す。
この第1の例では、上刃の刃先として、左右方向全体に同一の刃先形状を採用して実行した。そして、上刃として、上刃の刃先全体が1つの刃先に場合(第2の刃部23Bのみからなる場合)、及び、図9のように段状の2つの刃先23Aa、23Abからなる場合(第1の刃部23Aのみからなる場合)を用い、更に、段状の2つの刃先23Aa、23Abからなる場合については、その段状の図5において定義される段高さH、段深さDを変化させて、せん断加工を実行した。
表1では、段高さH及び段深さDは、供試材の板厚に対する割合によって示した。
また、下刃1と第1の刃部23Aの第1刃先23AaとのクリアランスΔCは、((12.5 +段深さ/1.4mm)×100)%とした。下刃1と第1の刃部23Aの第2刃先23Ab及び第2の刃部23BとのクリアランスΔCは、12.5%とした。
また、遅れ破壊の評価については、切断後のサンプルについて、引張強度の曲げ応力を負荷してpHが3の塩酸に96時間浸漬し、サンプルの割れの有無を確認することで実行した。割れが発生した場合は、遅れ破壊「有り」、そうでない場合は遅れ破壊「無し」とした。
せん断加工による曲げモーメントによる型の損傷を調べるため、型の板押さえ2を固定する支持部である、ストリッパーボルトの変形による表面傷の発生有無を調べた。損傷のあったものは「型損傷」について「有り」、そうでない場合は「無し」とした。
更に、切断の際における、金属板10の上刃3側への引き込まれ量も測定した。
表1に、遅れ破壊と型損傷の有無、金属板10の上刃3側への引き込まれ量を示した。
その結果を表1に示す。
Figure 0007338573000001
表1から分かるように、この例では、遅れ破壊抑制の効果が生じる場合では、いずれも曲げモーメントによる型の損傷と金属板10の上刃3側への引き込まれが生じた。
<第2の例>
第2の例では、上記の第1の例において、曲げモーメントの発生が最も顕著と推測される、板厚に対する段高さHの割合が1.5、段深さDの割合が1.5であるような段部を有する上刃を用いて、切断加工を行った。
この際、比較のため図9のような本発明を用いない場合の、刃部全部を第1の刃部23Aとした上刃を用いた場合を実施例1とした。また、図10のような本発明に基づく上刃を用いた場合を実施例2とした。更に、図11のような本発明に基づく上刃を用いた場合を実施例3とした。
そして、各上刃を用いて上記第1の例と同様の条件でせん断工程を実行して、試験片を得た。そして各試験片に対して、引張強度の曲げ応力を負荷してpHが3の塩酸に96時間浸漬し、サンプルの割れの有無を確認した。このとき、割れが発生した場合は、遅れ破壊「有り」、そうでない場合は遅れ破壊「無し」とした。また、せん断加工による曲げモーメントによる型の損傷を調べるため、せん断金型20の板押さえ2支持部である、ストリッパーボルトの変形による表面傷の発生有無を調べた。損傷のあったものは「型損傷」を「有り」、そうでない場合は「無し」とした。更に、金属板10の上刃側への引き込まれ量も測定した。
その遅れ破壊と型損傷の有無、金属板10の上刃側への引き込まれ量を、表2に示した。
Figure 0007338573000002
表2に示したように、いずれの場合でも遅れ破壊の抑制効果が得られた。
このとき、実施例1では、鋼種A、Bとも型損傷が生じたのに対し、実施例2、3では、鋼種A、Bとも曲げモーメントの低減により型損傷は生じなかった。
また、実施例1に比べ、実施例2、3では、金属板10の上刃3側への引き込まれ量が抑制され、特に実施例3ではその効果が顕著であった。
1 下刃
2 板押さえ
3 上刃
10 金属板
20 せん断金型
21 トリム工程
21A せん断工程
22 プレス成形工程
23 せん断刃
23A 第1の刃部
23Aa 第1刃先
23Ab 第2刃先
23B 第2の刃部
23Ba 刃先
23C 第3の刃部

Claims (6)

  1. 金属板を切断するせん断金型に用いられるせん断刃であって、
    刃部として、2つの刃先が切断方向へ段状に配置された第1の刃部と、刃先が1つの第2の刃部と、を有し、
    上記第1の刃部の2つの刃先のうち切断方向において上記金属板に対し遠位に配置される刃先と、上記第2の刃部の刃先とが、目的とする切断形状に金属板を切断する刃先を構成し、
    上記第1の刃部の2つの刃先のうち切断方向において上記金属板に対し近位に配置される刃先は、上記第2の刃部の刃先と同時若しくは当該第2の刃部の刃先よりも後に金属板に接触するように構成され、
    上記第1の刃部及び上記第2の刃部を有する上記刃部は、板形状となっており、1つの刃先からなる刃部の一部に板厚方向に切り欠かれた切欠き部を有し、その切欠き部位置が、2つの刃先が切断方向へ段状に配置された上記第1の刃部を構成する、
    ことを特徴とするせん断刃。
  2. 切断方向において、上記金属板に対し、上記第1の刃部の2つの刃先がともに、上記第2の刃部の刃先よりも遠位に配置されていることを特徴とする請求項1に記載したせん断刃。
  3. 上刃と下刃とで金属板を板厚方向に切断するせん断金型であって、
    上記上刃は、請求項1又は請求項に記載のせん断刃であり、
    上記第1の刃部の2つ刃先のうち、上記近位に配置される刃先は、上記遠位に配置される刃先に比べ、上記下刃とのクリアランスが大きく設定され、
    上記第2の刃部の刃先は、上記第1の刃部の2つ刃先のうちの上記近位に配置される刃先に比べ、上記下刃とのクリアランスが小さく設定されている、
    ことを特徴とするせん断金型。
  4. 金属板をせん断加工する方法であって、
    2つの刃先が切断方向へ段状に配置された第1の刃部と刃先が1つの第2の刃部とが、切断形状の輪郭に沿って並んで配置されたせん断刃を用いて、上記金属板を切断し、
    上記金属板の切断の際に、上記第1の刃部が金属板の接触する前に、上記第2の刃部が金属板に接触するように、第1の刃部と上記第2の刃部とを設定する、
    ことを特徴とする金属板のせん断加工方法。
  5. 上記金属板は、引張強度が980MPa以上の高強度鋼板であることを特徴とする請求項4に記載した金属板のせん断加工方法。
  6. 金属板を、1又は2以上のプレス成形の工程を経てプレス部品とするプレス部品の製造方法において、
    上記1又は2以上のプレス成形のうちの最終のプレス成形の工程前に、請求項4又は請求項に記載のせん断加工方法で金属板を切断するせん断工程を行う、
    ことを特徴とするプレス部品の製造方法。
JP2020116612A 2020-07-06 2020-07-06 せん断刃、せん断金型、金属板のせん断加工方法、及びプレス部品の製造方法 Active JP7338573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020116612A JP7338573B2 (ja) 2020-07-06 2020-07-06 せん断刃、せん断金型、金属板のせん断加工方法、及びプレス部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020116612A JP7338573B2 (ja) 2020-07-06 2020-07-06 せん断刃、せん断金型、金属板のせん断加工方法、及びプレス部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022022779A JP2022022779A (ja) 2022-02-07
JP7338573B2 true JP7338573B2 (ja) 2023-09-05

Family

ID=80224960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020116612A Active JP7338573B2 (ja) 2020-07-06 2020-07-06 せん断刃、せん断金型、金属板のせん断加工方法、及びプレス部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7338573B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003245734A (ja) 2002-02-21 2003-09-02 Nissan Motor Co Ltd スクラップカッターを備えたトリミングプレス加工装置
DE102005021027A1 (de) 2004-08-05 2006-02-23 Schuler Pressen Gmbh & Co. Kg Verfahren und Vorrichtung zum Schneiden von hochfesten Blechen
JP2006130519A (ja) 2004-11-04 2006-05-25 Nippon Steel Corp 残留応力の低いホットプレス高強度鋼製部材の製造方法
JP2010280024A (ja) 2009-06-03 2010-12-16 Nippon Steel Corp 熱延鋼板切断方法及び熱延鋼板切断装置
CN107000025B (zh) 2014-12-10 2019-11-26 日本制铁株式会社 坯料、成形品、模具以及坯料的制造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5135784U (ja) * 1974-09-07 1976-03-17

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003245734A (ja) 2002-02-21 2003-09-02 Nissan Motor Co Ltd スクラップカッターを備えたトリミングプレス加工装置
DE102005021027A1 (de) 2004-08-05 2006-02-23 Schuler Pressen Gmbh & Co. Kg Verfahren und Vorrichtung zum Schneiden von hochfesten Blechen
JP2006130519A (ja) 2004-11-04 2006-05-25 Nippon Steel Corp 残留応力の低いホットプレス高強度鋼製部材の製造方法
JP2010280024A (ja) 2009-06-03 2010-12-16 Nippon Steel Corp 熱延鋼板切断方法及び熱延鋼板切断装置
CN107000025B (zh) 2014-12-10 2019-11-26 日本制铁株式会社 坯料、成形品、模具以及坯料的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022022779A (ja) 2022-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6562070B2 (ja) せん断加工方法
JP4711396B2 (ja) 高強度鋼板の打ち抜き加工方法
CN105636718A (zh) 钢板的冲裁用工具和冲裁方法
JP2006224121A (ja) 鋼板打ち抜き用工具及びそれを用いた打ち抜き方法
JP6747631B1 (ja) プレス部品の製造方法及びブランク材の製造方法
Golovashchenko et al. Trimming and sheared edge stretchability of light weight sheet metal blanks
JP7188457B2 (ja) 金属板のせん断加工方法及びプレス部品の製造方法
JP7338573B2 (ja) せん断刃、せん断金型、金属板のせん断加工方法、及びプレス部品の製造方法
EP3254779B1 (en) Cutting and machining device and cutting and machining method
JP2006289491A (ja) 耐割れ特性に優れた高強度鋼薄板の加工方法及び切断加工用切断刃
JP6977913B1 (ja) プレス部品の製造方法、及びブランク材の製造方法
JP4705348B2 (ja) 鋼板の打ち抜き用工具およびそれを用いた打ち抜き方法
JP6319383B2 (ja) 伸びフランジ成形部品の製造方法
JP7176549B2 (ja) 金属板のせん断加工方法、プレス部品の製造方法、金属板、及び金属板のせん断金型
JP6784346B1 (ja) プレス部品の製造方法
JP2007307616A (ja) 金属板の剪断方法及び剪断工具及び剪断により得られた金属板加工品
JP5145689B2 (ja) ハット型金属製部品のプレス成形用ブランク
JP4638746B2 (ja) 切断面割れを低減するシャーせん断刃、せん断加工方法およびせん断加工装置
WO2023037961A1 (ja) 金属板の遅れ破壊特性改善方法、ブランク材の製造方法、プレス成形品の製造方法、及びプレス成形品
JP2006224123A (ja) 鋼板打ち抜き方法
JPH10118725A (ja) 疲労特性に優れた厚手鋼板の打抜方法
KR20240046543A (ko) 금속판의 지연 파괴 특성 개선 방법, 블랭크재의 제조 방법, 프레스 성형품의 제조 방법 및, 프레스 성형품
JP2023056679A (ja) プレス部品の製造方法、プレス部品、及びブランク材の製造方法
JP2006224122A (ja) 打ち抜き端面の成形性及び疲労特性に優れた、薄鋼板のブランク板
JP2019030899A (ja) 剪断加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230807

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7338573

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150