JPH10118725A - 疲労特性に優れた厚手鋼板の打抜方法 - Google Patents

疲労特性に優れた厚手鋼板の打抜方法

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JPH10118725A
JPH10118725A JP27665196A JP27665196A JPH10118725A JP H10118725 A JPH10118725 A JP H10118725A JP 27665196 A JP27665196 A JP 27665196A JP 27665196 A JP27665196 A JP 27665196A JP H10118725 A JPH10118725 A JP H10118725A
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JP
Japan
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punch
punching
clearance
plate
worked
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JP27665196A
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English (en)
Inventor
Takamasa Suzuki
隆昌 鈴木
Koji Sakuma
康治 佐久間
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板の打抜加工について、特別な装置を必
要とせず、従来法とほぼ同様に製作できる金型を用い
て、打抜クリアランスを適切な値に調整することで良好
な打抜端面が得られ、それにより優れた疲労耐久性を得
ることができる打抜方法を提供すること。 【解決手段】 ポンチとダイを用いた板厚2mm以上、
15mm以下の鋼板の打抜において、ポンチ先端部に切
刃からの高さがポンチ径の5%以上、20%以下でポン
チ径より小さな形状の凸部を有するポンチを用いて、打
抜クリアランスを6%以上、15%以下の範囲で打抜く
ことを特徴とする、疲労耐久性に優れた厚手鋼板の打抜
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、打抜加工を伴う製
品に優れた疲労耐久性を付与する打抜加工方法を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車部品などの金属板加工で
は、プレス機械による打抜加工工程が必ず含まれる。自
動車の足廻り部品や構造部材では、優れた疲労耐久性が
要求されており、例えばホイール用鋼板では、ボルト穴
部や空冷のための飾り穴を打抜場合に、打抜後の端面部
に割れや微小な亀裂が生じて、疲労耐久性を著しく劣化
させ、製品として使用できない。
【0003】また、他の自動車の強度部品においても、
打抜端面の割れや微小亀裂は、疲労耐久性を損なうばか
りか塗装時の塗料の乗りを悪くして耐食性を損なうなど
の悪影響をおよぼす。微小亀裂や割れに対しては、材料
の延性を高めることにより改善が見込まれるが、延性を
高めることは材料強度の低下をまねき、疲労特性が劣化
し問題である。さらに、昨今の自動車会社の軽量化、あ
るいは衝突安全性確保へのニーズから材料の高強度化が
進められており、ますます打抜後の端面性状が劣化し、
製品の疲労耐久性が問題となる。
【0004】このため従来から、鋼板の打抜加工では、
打抜時のクリアランスを狭くしたり、打抜後に端面をト
リミングするなどの対策が行われているがクリアランス
調整では完全に防ぐことはできないし、トリミングを行
うことはコストアップになるため好ましくない。さら
に、クリアランスを小さくすると刃先の摩耗が問題とな
ることからクリアランス調整には限界がある。
【0005】また、最近めざましく発展した精密打抜法
(ファインブランキング技術)を用いることで良好な打
抜端面が得られるが、そのためには特殊な金型および打
抜能力の大きい設備を導入する必要がある。一方、これ
までの簡易的な鋼板の打抜加工における発明は、例え
ば、特開平5−23755号公報にあるようにバリの発
生の抑制を目的としたものであって、端面の微小亀裂等
の端面性状を改善させることによる疲労耐久性の改善法
に関してはなんら知見を与えていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点である打抜端面性状の劣化による疲労耐
久性の低下を特別な装置を必要とせず、在来の型製作と
ほぼ同様に製作できる金型を用いて、打抜クリアランス
を適切な値に調整することで防止する方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポンチと
ダイを用いた、板厚2mm以上、15mm以下の鋼板の
打抜加工において、ポンチ先端部に切刃からの高さがポ
ンチ径の5%以上、20%以下でポンチ径より小さな形
状の凸部を有するポンチを用いて、打抜クリアランスを
6%以上、15%以下に調節することで、打抜後に良好
な端面性状が得られ、優れた疲労耐久性を有することを
見いだした。
【0008】以下に、本発明を詳細に説明する。鋼板の
打抜加工についてはこれまで多くの研究がなされてい
る。図1に示すように打抜時のクラックは、ポンチとダ
イの両切刃から発生し、クラックの成長により両者が会
合する場合と、片側工具から生じたクラックが反対側の
工具切刃まで成長する場合に分かれることが知られてい
る。クリアランスの十分小さい場合には、クラックは剪
断力に沿って伝播し、打抜ける。しかし、クリアランス
が大きい場合には、伝播がうまくいかずに製品側にクラ
ックが進展して、端面亀裂や割れが発生し易くなる。
【0009】このような端面の亀裂・割れ発生機構から
わかるように、良好な打抜端面性状を得るためには、ク
ラックの伝播をうまく調整することが重要であるが、ク
リアランスを十分小さくすることによるクラック伝播の
調整方法は、打抜力の増大や2次剪断による刃先の摩耗
が起こるため好ましくない。そこで本発明者らは、剪断
の開始前に面取りを施したポンチ先端部により、クラッ
ク発生部位に加工硬化を与え、ポンチ肩部からのクラッ
クの発生およびクラックの伝播をし易くし、かつクリア
ランスを適切な範囲に調節することでクラックの成長を
調整し、端面亀裂や割れのない良好な打抜端面が得ら
れ、かつ優れた疲労耐久性が得られる打抜方法を見い出
した。
【0010】本発明の打抜ポンチを用いた打抜加工法を
図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施例に用い
た打抜ポンチおよびダイによる、鋼板の打抜加工の概要
説明図である。本発明の金型は、径10φの先端部に1
5%の面取りを施したポンチ1と、ストッパー2、ダイ
3を備えた一般的な打抜用金型である。被加工板4に
は、鋼板はもちろん、アルミニウム板、銅板、チタン板
等およびそれらの合金などの一般金属板が適用可能であ
り、被加工板4は、ダイの上に置かれ打抜加工を受け
る。
【0011】まず、図2(a)で、被加工板はストッパ
ー2により保持され、その後ポンチを下降させ、図2
(b)に至る。さらにポンチが下降すると図2(c)の
ように、設定クリアランスよりやや大きい、面取りを施
したポンチ先端部が被加工板を押し込み、剪断加工を受
ける部分が図2(c)中の矢印の方向に引張加工を受け
加工硬化する。図2(d)に至ると、ポンチ先端の面取
り部がすべて被加工板に接触し、その後直ちに設定クリ
アランス部より剪断、クラックが起こり、剪断力に沿っ
て伝播して、ダイ肩部より発生するクラックと会合し、
図2(e)のように、良好に打ち抜くことが可能にな
る。
【0012】次に本発明の限定条件について述べる。ま
ず被加工板の板厚を2mm以上としたのは、2mm未満
の金属板の打抜加工の場合、クラックの伝播距離が短い
ため、クラック伝播の調整を厳しく行わなくとも良好な
打抜性が得られるからである。さらに被加工板の板厚を
15mm以下としたのは、15mmより厚い材料を打抜
とポンチの刃先の摩耗が増大し、ポンチの耐久性を損な
うためである。
【0013】ポンチ先端部の凸部高さを切刃から5%以
上、20%以下の範囲としたのは、ポンチ径の5%未満
の高さでは、材料のクラック発生部に与える加工硬化量
が不十分でクラック発生・伝播を助長する効果が得られ
ないためである。ポンチ先端部の凸部高さをポンチ径の
20%以下としたのは、凸部高さがポンチ径の20%よ
り大きいとクラック発生に至るまでの引張りによる変形
が大きく、図3に示す打抜後の製品断面形状で、ダレ部
が大きくなり、製品形状を損なうためである。
【0014】打抜時のクリアランスを被加工板の6%以
上、15%以下としたのは、6%未満ではポンチの摩耗
が増大するためであり、15%より大きいとクラックの
伝播が剪断力の方向に進行せず、良好な端面性状が得ら
れないためである。打抜速度については、クラック伝播
・会合を即座に行う必要性、および生産性や現在用いら
れている機械プレスの能力から100mm/sec以上
が好ましい。以上の限定条件に基ずく本発明を用いるこ
とにより、比較的板厚の厚い鋼板を打抜際に良好な打抜
端面が得られ、それにより優れた疲労耐久性を得ること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を説明す
る。供試鋼には、表1に示す3種類の鋼板を用いた。打
抜工具は、図2(a)に示したものを用い、ポンチにつ
いては、10mmφのもので通常の切刃(平底円筒)と
1.5mm(15%)の先端部凸部高さを有した切刃
(図2−(a))の2種類を揃えた。さらに比較例とし
て、ポンチ径10mmφで4%の凸部高さを有したもの
を用いた結果も示した。打抜速度は150mm/sec
で、潤滑条件は防錆油塗布ままとした。詳細な打抜条件
を表2に示す。疲労試験の試験片は、打抜後に切り出し
作成した。疲労試験は、電気油圧サーボ式疲労試験機を
用いて、試験部ができるだけ均等にひずむように四点曲
げ法で行った。試験条件と試験片形状を表3に示す。疲
労耐久性評価では、各供試材で打抜をせずに疲労試験を
行った結果も比較とした。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】図4は表3における試験片形状を示す図で
ある。また、図5,6,7に各供試材の疲労耐久試験結
果を示す。各供試材とも本発明を用いることで打抜を行
わない場合の疲労耐久性とほぼ同等か若干低い程度で、
従来の平底円筒形状による打抜より優れた疲労耐久性を
有することが判る。
【0020】
【発明の効果】このように、本発明は打抜後に良好な端
面が得られ、それにより優れた疲労耐久性が得られる。
本発明は、従来得られ難かった、打抜後の優れた疲労耐
久性を得るのに大変有効で、かつ特別な型を必要とせず
に行えるため工業的価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属板の打抜加工における端面不良発生機構の
説明図である。
【図2】本発明の打抜工具および打抜加工法の概要説明
図である。
【図3】打抜加工後の製品の断面図である。
【図4】表3における試験片形状を示す図である。
【図5】供試材Aにおける疲労耐久試験結果である。
【図6】供試材Bにおける疲労耐久試験結果である。
【図7】供試材Cにおける疲労耐久試験結果である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンチとダイを用いた板厚2mm以上、
    15mm以下の鋼板の打抜において、ポンチ先端部に切
    刃からの高さがポンチ径の5%以上、20%以下でポン
    チ径より小さな形状の凸部を有するポンチを用いて、打
    抜クリアランスを6%以上、15%以下の範囲で打抜く
    ことを特徴とする、疲労耐久性に優れた厚手鋼板の打抜
    方法。
JP27665196A 1996-10-18 1996-10-18 疲労特性に優れた厚手鋼板の打抜方法 Withdrawn JPH10118725A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094121A (ja) * 2001-09-25 2003-04-02 Toyo Kohan Co Ltd ブランキングポンチおよびブランキングダイスならびにそれらを用いたブランキング方法
JP2006088191A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Nippon Steel Corp 疲労特性に優れた成形後打ち抜き端面を有する自動車用部品およびその製造方法
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Effective date: 20040106