JP2003245734A - スクラップカッターを備えたトリミングプレス加工装置 - Google Patents

スクラップカッターを備えたトリミングプレス加工装置

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JP2003245734A
JP2003245734A JP2002044128A JP2002044128A JP2003245734A JP 2003245734 A JP2003245734 A JP 2003245734A JP 2002044128 A JP2002044128 A JP 2002044128A JP 2002044128 A JP2002044128 A JP 2002044128A JP 2003245734 A JP2003245734 A JP 2003245734A
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cutting
trimming
scrap
cutting edge
scrap cutter
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JP2002044128A
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Susumu Okamoto
進 岡本
Tetsuya Shirakawa
哲也 白川
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品形状部領域での歪み、ばり、あるいは切
り屑等の二次的不具合の発生のないスクラップ処理構造
を提供する。 【解決手段】 トリムラインTLの全域での切断と、ス
クラップカットラインSLのうちトリムラインTLに近
接した部分以外での切断を先行して行い、それより遅れ
てスクラップカットラインSLのうちトリムラインTL
に近接した部分での切断を行う。スクラップたる非製品
部領域Sの細分化を、製品形状部Fから枠状の非製品部
領域Sが完全に切断,分離された後に行うことにより、
スクラップカット処理に伴い製品形状部Fに歪みが発生
することもなければ、せん断面でのばりや微細な切り屑
の発生を未然に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクラップカッタ
ーを備えたトリミングプレス加工装置に関し、特に絞り
成形後のパネル状ワークについてその製品形状部の周囲
に枠状に付帯している非製品部領域をスクラップとして
トリミング(切断除去)する際に、同時にスクラップを
効率良く回収するべくそのスクラップを複数の短尺状の
スクラップ細片に分断するためのスクラップカッターを
備えたトリミングプレス加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図11,12に示すように、所定のブラ
ンク材をもって自動車のフードアウターパネルの如き形
態に絞り成形されたパネル状ワークWは、その製品形状
部Fの周囲に非製品部領域Sが枠状に付帯していること
から、絞り成形工程に続くトリミング工程では上下型の
せん断作用によりトリムライン(トリミング切断線)T
Lをもって製品形状部Fから非製品部領域Sを切断して
切り離し、これとほぼ同時に上型側の切れ刃の一部と下
型に予め付帯させてあるスクラップカッターCとのせん
断作用をもって上記非製品部領域Sをスクラップカット
ライン(スクラップ切断線)SLから切断して、実質的
に枠状の非製品部領域Sを複数のスクラップ細片Smに
分断することが行われる。
【0003】そして、この種のスクラップカッターを備
えたプレス型として例えば実用新案登録第253957
2号公報に記載のものが知られている。より詳しくは、
図13,14に示すように、下型100の切れ刃101
と近接配置されるスクラップカッター102の切れ刃1
03先端部には凹部104が形成されていて、そのスク
ラップカッター102の切れ刃103は上型105側の
カット刃106と噛み合うようになっている一方、下型
100の切れ刃101と噛み合うことになる上型105
側の切れ刃107はスクラップカッター102と対向す
る部分で段付き凹部形状(段付き凹部108を符号で示
す)となっている。そして、トリミング加工の際には、
図14に示すように、段付き凹部108に相当する部分
を除き上下型105,100の切れ刃107,101同
士の噛み合いに基づくトリムラインTLに沿った切断
と、上型105側のカット刃106とスクラップカッタ
ー102の切れ刃103との噛み合いに基づくスクラッ
プカットラインSLに沿った切断とがほぼ同時に行われ
て、それより遅れて上記段付き凹部108に相当する不
連続部110での切断が行われることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
では、上型105側の切れ刃107の段付き凹部108
に相当する部分での切断がタイミング的に遅れることか
ら、図14に示すように製品形状部Fから完全には切
断,分離されていない非製品部領域Sの一部を上型10
5にて強制的に変形させてしまうことになる。そのた
め、遅れて切断されることになる不連続部110の近傍
に無用な引張力が作用し、それによって非製品部領域S
だけでなく製品形状部領域F側にまでも歪みQが発生
し、製品形状部Fの表面品質の低下を招くこととなって
好ましくない。
【0005】その上、上型105側のカット刃106と
スクラップカッター102の切れ刃103との噛み合い
によって切断されるスクラップカットラインSLのうち
トリムラインTLとの交点Mに近い部分111では、凹
部104が形成されていることによってスクラップカッ
ター102の切れ刃103の一部が存在しないために、
上型105側のカット刃106の引張力だけによるいわ
ゆるちぎれ破断のかたちとなり、そのちぎれ破断が交点
Mまで波及することによって上記と同様に歪みの発生を
助長することになるほか、トリムラインTLである製品
形状部F側の切断端面(せん断面)にばりが発生しやす
く、また不連続部110が最後に切断される際に交点M
近くで上記のばり相当部が削り取られて微細な切り屑が
発生することがある。
【0006】そして、ばりの発生は、特にその製品形状
部Fが自動車用の外板パネルである場合には後工程であ
る塗装工程での塗膜の付着を困難なものにするほか、切
り屑の発生は、その切り屑が付着したままの製品形状部
Fに次工程以降で別のプレス加工が施されたり、あるい
は切り屑が付着したままのプレス型にてトリミング加工
が継続されると、製品形状部Fに切り屑による圧痕が発
生し表面品質の低下を招くことになる。
【0007】さらに、従来の構造では、下型100側の
切れ刃101の一般部が実質的に直刃形状となっている
のに対して、これと噛み合うことになる上型105側の
切れ刃107が部分的に段付き凹部形状(段付き凹部1
08)となっているため、特に上型105の製作工数の
増加に伴いコストアップが余儀なくされる。
【0008】本発明はこのような課題に着目してなされ
たもので、少なくともトリミング切断線に相当する部分
では切断タイミングに先後がないようにして、もって製
品形状部領域にまで及ぶような歪みの発生を防止しつつ
ばりや切り屑の発生をも確実に防止し、さらには上型側
のトリミング切れ刃についても段付き凹部形状とするこ
となく単純な直刃状のもので済むようにした構造を提供
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、パネル状ワークのうち中央部の製品形状部を残して
その周囲の枠状の非製品部領域を上型および下型のトリ
ミング切れ刃同士のせん断作用によってトリミングする
とともに、その非製品部領域を上型側のカット刃と下型
側に配置したスクラップカッターとのせん断作用により
複数のスクラップ細片に切断するようにしたトリミング
プレス加工装置であって、上記トリミング切れ刃同士に
よるトリミング切断線と、上型側のカット刃とスクラッ
プカッターとによるスクラップ切断線とが、平面視にて
略T字状をなしながら互いに交差するように設定されて
いて、上記スクラップ切断線のうちトリミング切断線に
近接した部分以外での切断が、トリミング切断線での切
断とともに先行して行われる一方、それより遅れて上記
スクラップ切断線のうちトリミング切断線に近接した部
分の切断が行われるようになっていることを特徴とす
る。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1を記載
のより構造的に特定したものであって、上記スクラップ
カッターの切れ刃のうち下型に最も近接することになる
切れ刃先端が下型側のトリミング切れ刃に対し所定距離
隔てて対向するようにスクラップカッターを配置して、
そのスクラップカッターの切れ刃先端と下型側のトリミ
ング切れ刃との間に、上下型のトリミング切れ刃同士の
噛み合いの際にその上型側のトリミング切れ刃を受容す
る切れ刃受容空間を設定したことを特徴とする。
【0011】この場合において、請求項3に記載のよう
に、上記上型側のトリミング切れ刃は下型側のトリミン
グ切れ刃と同様に直刃状のものであって、その上型側の
トリミング切れ刃の背面側には、上型側のカット刃とス
クラップカッターとの噛み合いの際にそのスクラップカ
ッターの一部を受容するカッター受容凹部を形成するこ
とが、切れ刃形状の簡素化を図りつつ金型要素の相互干
渉を防止する上で望ましい。
【0012】同様に、請求項4に記載のように、上記ス
クラップカッターの切れ刃のうち下型に最も近接するこ
とになる切れ刃先端と下型側のトリミング切れ刃とが互
いに同一平面上に位置するように設定することが、トリ
ミング切断線側とスラップ切断線の一部との切断タイミ
ングを同一にする上で望ましい。
【0013】さらに、請求項5に記載のように、上記ス
クラップカッターの切れ刃のうち下型に最も近接するこ
とになる切れ刃先端と、この切れ刃先端と噛み合うこと
になる上型側のトリミング切れ刃背面部に、それぞれア
ール面取り部を形成することが、トリミング切断線やス
クラップ切断線以外の部分での無用なせん断や破断を防
止する上で望ましい。
【0014】したがって、請求項1〜5に記載の発明で
は、トリミング切断線での切断と、それに交差するスク
ラップ切断線のうちトリミング切断線に近接した部分以
外での切断が先行して同時に行われ、それより遅れて残
りの部位すなわちスクラップ切断線のうちトリミング切
断線に近接した部分の切断が行われる。これは、最初に
製品形状部領域と枠状の非製品部領域とが切断によって
完全に分離されてしまうことにほかならず、それより遅
れて非製品部領域についてスクラップ切断線での切断が
どのような形態で行われてもそれによる二次的不具合が
製品形状部領域側には全く波及しないことを意味する。
【0015】すなわち、スクラップ切断線のうちトリミ
ング切断線に近接した部分の切断は、トリミング切断線
での切断よりもタイミング的に遅れることになり、しか
もその切断は強制変形を受けながらの上型側のカット刃
のみによるいわゆるちぎれ破断の形態となるが、非製品
部領域そのものは既に製品形状部領域から完全に切断,
分離されているから、その切断をもって製品形状部領域
側に歪みやばりが発生することもなければ、製品形状部
領域から完全に切断,分離されている非製品部領域をさ
らに細分割する際に切り屑が発生することもない。
【0016】特に請求項5に記載の発明では、スクラッ
プカッターの切れ刃のうち下型に最も近接することにな
る切れ刃先端と、この切れ刃先端と噛み合うことになる
上型側のトリミング切れ刃背面部との間に、非製品部領
域の一部が強制変形されながら拘束されることになる
が、それぞれの部位に予めアール面取り部が形成されて
いることにより、本来のスクラップ切断線以外の部位で
の無用なせん断や破断を未然に防止できるようになる。
【0017】
【発明の効果】請求項1,2に記載の発明によれば、ト
リミング切断線をもって製品形状部領域と非製品部領域
とが完全に切断,分離された後に、その非製品部領域を
複数のスクラップ細片に切断するべく非製品部領域での
強制変形やちぎれ破断を伴う切断が行われることから、
その非製品部領域での切断がどのような形態で行われた
としても製品形状部領域側に二次的不具合が発生するこ
とがない。すなわち、従来のような歪みやばりの発生も
なければ切り屑の発生もなく、パネルの品質特に表面品
質が飛躍的に向上する。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、上型側の
トリミング切れ刃は下型側のトリミング切れ刃と同様に
直刃状のものであることから、請求項2に記載の発明と
同様の効果に加えて、上型の製作工数が少なくて済み、
そのコストダウンに貢献できる利点がある。
【0019】請求項4に記載の発明によれば、請求項2
または3に記載の発明と同様の効果に加えて、スクラッ
プ切断線のうちトリミング切断線に近接した部分以外で
の切断が、トリミング切断線での切断と同時に、より安
定して行われる利点がある。
【0020】請求項5に記載の発明によれば、スクラッ
プカッターの切れ刃のうち下型に最も近接することにな
る切れ刃先端と、これと噛み合うことになる上型側のト
リミング切れ刃背面部に、それぞれアール面取り部が形
成したことにより、請求項2〜4のいずれかに記載の発
明と同様の効果に加えて、上記切れ刃先端や切れ刃背面
部に非製品部領域が当接したとしても、本来のスクラッ
プ切断線以外の部位での無用なせん断や破断を未然に防
止でき、そのスクラップ切断線でのちぎれ破断を伴う切
断がより安定して行われる利点がある。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜5は本発明の好ましい実施
の形態を示す図で、図1はスクラップカッターを中心と
したトリミングプレス型の要部斜視図を、図2は図1の
D方向矢視図を、図3は図2のa−a線に沿う断面図
を、図4は同じく図2のb−b線に沿う断面図を、図5
はスクラップカッターと噛み合うことになるセクショナ
ルダイを含むダイの要部斜視図をそれぞれ示している。
なお、先に例示した従来技術と共通する部分には同一符
号を付してある。
【0022】トリミングプレス型は、図1および図3,
4に示すように、トリミング対象となるパネル状ワーク
(以下、単にワークという)Wが位置決め載置される下
型として機能するポンチ1と、ポンチ1の周囲に複数個
隣接配置されるスクラップカッター2と、ポンチ1と対
向するように配置されてそのワークWを加圧拘束するパ
ッド3と、パッド3を弾性的に支持しつつこのパッド3
とともに上型として機能することになる略枠状のダイ4
と、ダイ4の複数箇所に設けられてスクラップカッター
2と噛み合うことになるセクショナルダイ5とから構成
される(図5参照)。ポンチ1の全周にはコーナー部を
除く一般部ではほぼ直刃状をなすトリミング切れ刃1a
が、ダイ4の全内周には同じく一般部ではほぼ直刃状を
なすトリミング切れ刃4aがそれぞれ形成されている一
方、スクラップカッター2およびセクショナルダイ5に
もまた互いに噛み合うことになる切れ刃2aまたはカッ
ト刃5aがそれぞれ形成されている。
【0023】そして、ポンチ1とダイ4との相対移動に
伴い、上下のトリミング切れ刃4a,1aの噛み合いに
基づくせん断作用により図12のトリムライン(トリミ
ング切断線)TLに沿った切断が行われる。すなわち、
トリムラインTLをもって製品形状部Fからその周囲の
枠状の非製品部領域がスクラップSとして切断される。
さらに、トリムラインTLに沿った切断とほぼ同時に、
上下のカット刃5aと切れ刃2aとの噛み合いに基づく
せん断作用によってスクラップカットライン(スクラッ
プ切断線)SLに沿った切断が行われる。つまり、スク
ラップカットラインSLをもって枠状の非製品部領域S
が複数のスクラップ細片Smに分断される。なお、図1
2にも示すようにトリムラインTLとスクラップカット
ラインSLとは平面視にてT字状をなすように相互に交
差することになる。
【0024】本実施の形態では、図1,2のほか図3,
4に示すように、ポンチ1のトリミング切れ刃1aに隣
接して配置されるスクラップカッター2について、その
最大高さ位置となる上端面6をポンチ1側のワーク支持
面と面一状態となるように設定する一方、上端面6に隣
接することになる鉛直な先端面7をポンチ1の外周面に
対し所定距離eだけ隔てて対向させて、図3に示すよう
に実質的にポンチ1とスクラップカッター2との間にダ
イ4側の切れ刃4aを受容するための切れ刃受容空間8
を予め設定してある。すなわち、スクラップカッター2
においては、鉛直な刃側面9と上面(上端面6を含む)
となす稜線部にそのスクラップカッター2の切れ刃2a
が形成されていることから、その切れ刃2a先端とポン
チ1側のトリミング切れ刃1aとの間に、上下のトリミ
ング切れ刃4a,1a同士の噛み合いの際にダイ4側の
トリミング切れ刃4aを受容するための切れ刃受容空間
8を設定し、同時にポンチ1のトリミング切れ刃1aと
スクラップカッター2の切れ刃2aとが同一平面上に位
置するように設定してある。なお、スクラップカッター
2のうちその最大高さ位置の上端面6を含む上面部は、
トリミング対象となるワークWを位置決め支持するため
のワーク支持面の一部として機能する。
【0025】ここで、例えば0.6mm程度の鋼板をト
リミング対象のワークWとした場合、切れ刃受容空間8
の距離eは1〜5mm、上下のトリミング切れ刃4a,
1a同士の最大噛み合い量mは6mm(図2参照)にそ
れぞれ設定してあるとともに、スクラップカッター2の
切れ刃2aのうちポンチ1に最も近接するすることにな
る切れ刃先端すなわちスクラップカッター2の上端面6
と鉛直な先端面7とのなす稜線部にはR1〜R5程度の
アール面取り部10を形成してある。
【0026】一方、ダイ4については、図3,4のほか
図5に示すように、スクラップカッター2と対向する部
分について直刃状のトリミング切れ刃4aとしての連続
性を確保しつつ、そのトリミング切れ刃4aの背面側
に、カッター受容凹部11を形成してある。すなわち、
図4にも示すようにセクショナルダイ5側のカット刃5
aとスクラップカッター2の切れ刃2aとの噛み合いの
際にそのスクラップカッター2の一部を受容するカッタ
ー受容凹部11を形成してある。そして、そのカッター
受容凹部11の開口縁すなわちダイ4におけるトリミン
グ切れ刃4aの背面部の稜線部にR1〜R5程度のアー
ル面取り部12を形成してある。なお、そのカッター受
容凹部11の内壁面とスクラップカッター2の先端面7
とのなす隙間gはワークWの板厚と同程度もしくはそれ
よりも大きく設定してある。
【0027】したがって、本実施の形態によれば、ワー
クWの板厚が0.6mmで且つ上下のトリミング切れ刃
4a,1a同士の最大噛み合い量m(図2参照)が6m
mに設定されていると仮定した場合に、例えばダイ4が
下降して図2〜4に示すように上下のトリミング切れ刃
4a,1a同士が1mm噛み合ったとすると、図6に示
すようにトリムラインTLの全周においてトリミング切
れ刃4a,1a同士のせん断に基づく綺麗な切断面(せ
ん断面)20が生じており、既に製品形状部領域Fと非
製品部領域SとはトリムラインTLをもって完全に切
断,分離されていることになる。
【0028】そして、ポンチ1のトリミング切れ刃1a
とスクラップカッター2の切れ刃2aの一部が同一平面
上に位置するように予め設定してあることから、上下の
トリミング切れ刃4a,1a同士が噛み合っていること
は、同時にスクラップカッター2の切れ刃2aとダイ4
側のセクショナルダイ5のカット刃5aもまた同量だけ
相互に噛み合っていることにほかならず、図6に示すよ
うにスクラップカットラインSLに相当する部分のうち
トリムラインTLに近接した部分(切れ刃受容空間8に
相当する部分)以外での切断が上記と同様に綺麗な切断
面(せん断面)30をもって進行している。なお、図6
では切断進行状況をわかりやすくするために誇張して描
いてあり、そのためにスクラップカッター2の形状およ
び非製品部領域Sの断面形状は図3,4のものとは異な
っている(図8,10も同じ)。
【0029】この時、図3から明らかなようにポンチ1
とスクラップカッター2との間に設定された切れ刃受容
空間8はトリミング切れ刃4aの一部を含むダイ4自体
の一部の進入を許容する一方、ダイ4側のカッター受容
凹部11もまたスクラップカッター2の上端面6を含む
その一部の進入を許容して、金型要素同士の干渉を回避
している。
【0030】したがって、トリムラインTLに沿ったそ
の全域での切断とスクラップカットラインSLに沿った
一部の切断とが同じタイミングで行われることから、製
品形状部領域F側に歪み等の不具合は一切発生しないこ
とになる。
【0031】なおもトリミング加工が進行して図7,8
に示すように上下のトリミング切れ刃4a,1a同士が
3mmの噛み合い量となった場合には、トリムラインT
Lでの切断は既にその全域で完了していることからスク
ラップカットラインSLでの切断が進行するだけとな
り、そのスクラップカットラインSLに沿う部分のうち
トリムラインTLに近接した部分すなわちスクラップカ
ットラインSLのうち切れ刃受容空間8に相当する部分
では、実質的にスクラップカッター2側の切れ刃2aが
存在せずにセクショナルダイ5側のカット刃5aが存在
しているだけであるから、図6での切断終了位置21か
らトリムラインTLに向かっていわゆる引きちぎられる
ようにしてちぎれ破断22が発生することになる。
【0032】この時点では、先にも述べたように非製品
部領域SはトリムラインTLをもって製品形状部領域F
から完全に分離されているので、セクショナルダイ5に
より非製品部領域Sが強制変形させられたり、あるいは
上記のようなちぎれ破断22が進行したとしても製品形
状部領域F側に歪みの発生やばりの発生等のような二次
的不具合を何ら及ぼすことはなく、しかもちぎれ破断2
2であるが故に微細な切り屑が発生することもない。ま
た、上記ちぎれ破断22による切断面(せん断面)は、
鋭利な切れ刃での切断ではなく材料自体が引きちぎられ
たことによって生じる粗い破断面であって、その破断面
には著しい凹凸が生じていることになるが、そもそもス
クラップとして回収され部位であるために何ら問題は生
じない。
【0033】さらに、図3,4の状態から図7の状態に
至る過程において、カッター受容凹部11ではそのアー
ル面取り部12が非製品部領域SのうちトリムラインT
Lに近い部分を押し下げつつスクラップカッター2側の
アール面取り部10に巻き付けるように強制変形させる
ことになるが、双方ともにアール面取り形状となってい
るためにスクラップカットラインSLと直交する方向の
せん断や破断発生の契機となることはない。
【0034】この後、ダイ4が下死点に達して図9,1
0に示すように上下のトリミング切れ刃4a,1a同士
の噛み合いが最大噛み合い量mになると、スクラップカ
ットラインSLに沿ったちぎれ破断22がさらに進行す
ることによってそのスクラップカットラインSLの全域
での切断もしくは破断が完了し、非製品部領域Sは相互
に完全分離した複数のスクラップ細片Smと化すること
になる。
【0035】このように本実施の形態によれば、少なく
ともトリムラインTLをもって製品形状部領域Fと非製
品部領域Sとが完全に切断,分離された後に、非製品部
領域S側でのスクラップカットラインSLをもってちぎ
れ破断等による細分割化が行われるので、製品形状部領
域F側での歪みの発生やばりの発生等を未然に且つ確実
に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図で、下型であるポ
ンチとスクラップカッターの関係を示す要部斜視図。
【図2】図1のD方向矢視図。
【図3】図2のa−a線に沿う拡大断面図。
【図4】図2のb−b線に沿う拡大断面図。
【図5】上型であるダイの要部斜視図。
【図6】トリムラインおよびスクラップカットラインに
沿った切断進行状況を示す要部斜視図。
【図7】図3,4の状態からさらにダイが下降したとき
の同等部位での断面図。
【図8】図6の状態からさらに切断が進行したときの状
況を示す要部斜視図。
【図9】図7の状態からさらにダイが下降したときの同
等部位での断面図。
【図10】図8の状態からさらに切断が進行したときの
状況を示す要部斜視図。
【図11】トリミング加工の対象となるパネル状ワーク
の一例として自動車のフードアウターパネルとスクラッ
プカッターとの関係を示す平面説明図。
【図12】パネル状ワークに付帯している非製品部領域
(スクラップ)の切断線であるトリムラインとスクラッ
プカットラインを示す説明図。
【図13】従来の代表的なスクラップカッターの一例を
示す要部斜視図。
【図14】図13のスクラップカッターでの切断状況を
示すワークの要部斜視図。
【符号の説明】
1…ポンチ(下型) 1a…トリミング切れ刃 2…スクラップカッター 2a…切れ刃 4…ダイ(上型) 4a…トリミング切れ刃 5…セクショナルダイ 5a…カット刃 8…切れ刃受容空間 10…アール面取り部 11…カッター受容凹部 12…アール面取り部 F…製品形状部 S…非製品部領域(スクラップ) Sm…スクラップ細片 SL…スクラップカットライン(スクラップ切断線) TL…トリムライン(トリミング切断線) W…パネル状ワーク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル状ワークのうち中央部の製品形状
    部を残してその周囲の枠状の非製品部領域を上型および
    下型のトリミング切れ刃同士のせん断作用によってトリ
    ミングするとともに、その非製品部領域を上型側のカッ
    ト刃と下型側に配置したスクラップカッターとのせん断
    作用により複数のスクラップ細片に切断するようにした
    トリミングプレス加工装置であって、 上記トリミング切れ刃同士によるトリミング切断線と、
    上型側のカット刃とスクラップカッターとによるスクラ
    ップ切断線とが、平面視にて略T字状をなしながら互い
    に交差するように設定されていて、 上記スクラップ切断線のうちトリミング切断線に近接し
    た部分以外での切断が、トリミング切断線での切断とと
    もに先行して行われる一方、 それより遅れて上記スクラップ切断線のうちトリミング
    切断線に近接した部分の切断が行われるようになってい
    ることを特徴とするスクラップカッターを備えたトリミ
    ングプレス加工装置。
  2. 【請求項2】 上記スクラップカッターの切れ刃のうち
    下型に最も近接することになる切れ刃先端が下型側のト
    リミング切れ刃に対し所定距離隔てて対向するようにス
    クラップカッターを配置して、 そのスクラップカッターの切れ刃先端と下型側のトリミ
    ング切れ刃との間に、上下型のトリミング切れ刃同士の
    噛み合いの際にその上型側のトリミング切れ刃を受容す
    る切れ刃受容空間を設定したことを特徴とする請求項1
    に記載のスクラップカッターを備えたトリミングプレス
    加工装置。
  3. 【請求項3】 上記上型側のトリミング切れ刃は下型側
    のトリミング切れ刃と同様に直刃状のものであって、 その上型側のトリミング切れ刃の背面側には、上型側の
    カット刃とスクラップカッターとの噛み合いの際にその
    スクラップカッターの一部を受容するカッター受容凹部
    を形成したことを特徴とする請求項2に記載のスクラッ
    プカッターを備えたトリミングプレス加工装置。
  4. 【請求項4】 上記スクラップカッターの切れ刃のうち
    下型に最も近接することになる切れ刃先端と下型側のト
    リミング切れ刃とが互いに同一平面上に位置するように
    設定したことを特徴とする請求項2または3に記載のス
    クラップカッターを備えたトリミングプレス加工装置。
  5. 【請求項5】 上記スクラップカッターの切れ刃のうち
    下型に最も近接することになる切れ刃先端と、この切れ
    刃先端と噛み合うことになる上型側のトリミング切れ刃
    背面部に、それぞれアール面取り部を形成したことを特
    徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のスクラップカ
    ッターを備えたトリミングプレス加工装置。
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