JP7336940B2 - 開き窓の開口部装置 - Google Patents

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Description

本発明は、窓枠の面外方向に障子が動いて開く開き窓においてアームによって換気用に小開口(半開口)で障子の開口が止まり、その小開口状態でロックを可能にした開き窓の開口部装置に関する。
従来より窓枠の面外方向に障子が動いて開くようにした開き窓においては、全開だけでなく、換気用に開口制限ストッパーのアーム等を利用して小開口で障子の開口が止まり、その小開口状態でロックする構造のものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)
特許文献1の開き窓の開口部装置では、連繋溝が形成された牽制アーム先端に弾性変形可能な係合爪を有するプラスチック成形品からなるロック体を取り付け、換気用の半開時にそのロック体が弾性変形して窓枠側の掛止ピンに掛止することによって小開口状態をロックするように構成している(特許文献1の[0029]等参照。)。
また、特許文献2の開き窓の開口部装置では、案内溝が形成された旋回プレート(アーム)先端に係合ピンが弾性的に乗り越え可能な戻り止め用の突起を設け、換気用の半開時に係合ピンが突起を乗り越えることによって小開口状態をロックするように構成している(特許文献2の[0023]等参照。)。
特開2000-38866号公報 特開2004-132102号公報
しかしながら、上述の特許文献1、2の開き窓の開口部装置では、窓枠側に設けた係合ピンがアームに形成した長穴形状のピン係合溝(特許文献1では連繋溝、特許文献2では案内溝)に係合し、係合ピンがアームのピン係合溝をスライドすることによって障子の開口を制限する構成であるため、換気用に小開口(半開口)状態でロックした際に、ピン係合溝を形成したアームの強度に不安があるという問題がある。
また、上述の特許文献1、2の開き窓の開口部装置では、アーム先端側に設けた弾性変形可能な樹脂製のロック体または戻り止め用突起によって小開口状態でロックする構造であるため、強風時に障子やアームが揺れたり振動した場合、小開口状態のロックが外れるおそれがあった。
特に、最近は高断熱サッシの普及により障子の框の見付け面が狭小化し、また複層ガラスの採用によって障子の重量が重くなる傾向にあるため、障子の開口をアームによって制限した小開口状態のロック時に強風を受けた場合、アームに大きな負荷がかかると共に、障子やアームが振動し易くなっている。
そこで、本発明はこのような問題点を解決するためなされたもので、障子の開口を制限するアームの強度劣化を防止できると共に、その小開口状態のアームを確実にロックすることができる開き窓の開口部装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る開き窓の開口部装置は、先端側には係合ピンが設けられ、基端側には回動軸が設けられたアームと、開き窓の障子を構成する框または窓枠を構成する枠の一方側に設けられ、前記係合ピンが出入りするピン出入口と、そのピン出入口から入った前記係合ピンと係合して窓枠に対し障子が半開口する際の角度に応じた長さのピン係合溝が設けられたレール部と、前記框または枠の他方側に設けられ、前記回動軸を介し前記アームを回動可能にすると共に、框または枠の長手方向にスライド可能なスライドプレートと、前記レール部が設けられた框または枠に固定され、付勢手段により起立状態に付勢されたロック体が設けられており、前記アーム先端の前記係合ピンが前記レール部のピン係合溝に係合した状態でスライドして障子が窓枠に対し半開口する際に、前記係合ピンが前記ロック体に当接し押圧して前記ロック体を乗り越えると、前記付勢手段により前記ロック体が起立状態に戻ることによって前記ピン出入口方向への前記係合ピンのスライドを防止するロック機構部とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る開き窓の開口部装置では、前記ロック機構部には、さらに、起立状態の前記ロック体を倒伏状態にして前記ピン出入口方向への前記係合ピンのスライドを許容するロック解除スイッチと、前記ロック解除スイッチによって前記ロック体が倒伏状態になって前記係合ピンが前記ピン出入口方向へスライドした際、前記係合ピンが当接して倒伏状態にある前記ロック体を起立状態に戻すロック体起立戻し片とが設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る開き窓の開口部装置では、さらに、前記スライドプレートに連結された切替スイッチを備え、ユーザがその切替スイッチを框または枠の長手方向にスライドさせることにより前記スライドプレートを介して前記アームを框または枠の長手方向にスライドさせて、前記アーム先端の係合ピンを前記レール部のピン出入口から出入りさせ、当該係合ピンを前記レール部のピン係合溝に対し離脱状態または係合状態のいずれかの状態に切替える切替え機構部を有することも特徴とする。
また、本発明に係る開き窓の開口部装置では、前記切替え機構部は、框または枠の見込み面に設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る開き窓の開口部装置では、前記レール部が設けられた框または枠には、さらに、室外側に設けられた室外側操作ハンドルと、前記室外側操作ハンドルと前記レール部とを連結した連動プレートとを備えており、前記アームの係合ピンが係合状態にあり、かつ、障子が窓枠に閉められている場合に、前記室外側操作ハンドルを作動して連動プレートを框または枠の長手方向にスライドさせることによって、前記アームの係合ピンを前記レール部のピン出入口から出して前記ピン係合溝に対し離脱状態にするように構成されていることも特徴とする。
本発明に係る開き窓の開口部装置では、障子の框または窓枠の一方に基端側の回動軸を介し回動可能に取り付けたアームの先端側に係合ピンを設け、障子の框または窓枠の他方に設けるレール部にはアーム先端の係合ピンが出入りするピン出入口と、そのピン出入口から入った係合ピンと係合して障子の開口角度を所定の小開口(半開口)までに制限するピン係合溝を設け、アーム側にはピン係合溝を形成しないので、アームの強度劣化を防止できる。
また、レール部が設けられた框または枠に固定され、付勢手段により起立状態に付勢されたロック体を備え、アーム先端の係合ピンがレール部のピン係合溝に係合した状態でスライドして障子が窓枠に対し所定の小開口(半開口)まで開く際に、係合ピンがロック体に当接し倒伏させて乗り越えた後、付勢手段によりロック体が起立状態に戻ることによってピン出入口方向への係合ピンのスライドを防止するロック機構部を設けたため、小開口状態のアームを確実にロックすることができる。
本発明に係る実施形態1の開き窓の開口部装置が設けられた縦すべり出し窓を室内側から見た状態(内観)を示す正面図である。 図1におけるA部分の一部切欠要部拡大図である。 図1におけるB-B線断面図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明に係る実施形態1の開き窓の開口部装置が設けられた縦すべり出し窓を開け小開口状態でロックした状態における開口部装置等を室内側から見た要部斜視図、室外側から見た要部斜視図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明に係る実施形態1の開き窓の開口部装置が設けられた縦枠の見込み面に装着されたロック機構部等の設置状況を示す断面図、その見込め面に装着されたロック機構部等の設置状況を示す正面図(レール部は図示を省略し、中間連動プレートは図示を一部省略。)である。 (a),(b)は、それぞれ本発明に係る実施形態1の開き窓の開口部装置を構成するロック機構部の側面図、正面図である。 図6(b)におけるC-C線断面図である。 (a)~(c)は、それぞれ本発明に係る実施形態1の開き窓の開口部装置を構成する切替え機構部の平面図、図8(a)におけるD-D線断面図、E-E線断面図である。 (a)~(c)は、それぞれ本発明に係る実施形態1の開き窓の開口部装置を構成する室外側操作ハンドルと上側連動プレートとの連結状態を示す縦枠の断面図、拡大正面図、図9(b)におけるF-F線断面図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明に係る実施形態1の開き窓の開口部装置を構成する連動プレートの平面図、側面図である。 (a),(b)は、それぞれアーム先端の係合ピンがロック体に当接してロック体を回動させている状態、係合ピンがロック体を乗り越えロック体によってロックされた状態を示す図6(b)におけるC-C線断面図である。 (a),(b)は、それぞれロック機構部のロック解除スイッチを操作してロック体を倒伏させてアーム先端の係合ピンのロック状態を解除した状態、ロック状態を解除されたアーム先端の係合ピンがロック体起立戻し片に当接して回動させている状態を示す図6(b)におけるC-C線断面図である。 (a),(b)は、それぞれ、障子を閉めアーム先端の係合ピンがレール部のピン係合溝に係合している状態を主にアームやレール部、台座、スライドプレート等により示す平面図、図13(a)におけるG-G線断面図である。 (a),(b)は、それぞれ、障子を閉めアーム先端の係合ピンがレール部のピン係合溝に係合している状態を主にアームやレール部、台座、スライドプレート等により示す底面図、アーム先端の係合ピンがレール部のピン入出口から出てピン係合溝に係合しなくなった状態を主にアームやレール部、台座、スライドプレート等により示す平面図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明に係る実施形態2の開き窓の開口部装置を構成するロック機構部の側面図、正面図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明に係る実施形態2の開き窓の開口部装置を構成するロック機構部の底面図、図15(b)におけるH-H線断面図である。 (a),(b)は、それぞれアーム先端の係合ピンがロック体起立戻し片に当接して回動させている状態、さらにその係合ピンがロック体に当接して回動させている状態を示す図15(b)におけるH-H断面図である。 (a),(b)は、それぞれアーム先端の係合ピンがロック体を乗り越えロック体によってロックされた状態を示す図15(b)におけるH-H線断面図、ロック機構部のロック解除スイッチを操作してロック体を倒伏させ、アーム先端の係合ピンのロック状態を解除した状態示す図15(b)におけるH-H断面図である。 (a),(b)は、それぞれロック状態を解除されたアーム先端の係合ピンがロック体起立戻し片に当接してロック体起立戻し片およびロック解除制御体を回動させた状態、ロック解除制御体とロック解除維持ピンとのロック状態が解除され、係合ピンのロックが解除された状態を示す図15(b)におけるH-H断面図である。
以下、本発明に係る実施形態1,2の開き窓の開口部装置について、縦すべり出し窓1の開口部装置2を一例として図面を参照して説明する。尚、実施形態1,2の開き窓は、戸先框が内観左側の場合を説明しているので、戸先框が内観右側の場合は、後述する回転方向(α方向、β方向)は反対になる。また、以下に説明する実施の形態はあくまで本発明の一例であり、本発明が下記に説明する実施形態1,2に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
<縦すべり出し窓1>
縦すべり出し窓1は、周知のもので、例えば、図1に示すように窓枠11を構成する上枠11aと下枠11bと、障子12を構成する上框12aと下框12bとの間にそれぞれ設けた上下1対のステー(図示せず。)により、障子12を室外側(屋外側)にすべり出して開けるように構成されている。尚、図1において11cは戸尻側の縦枠、11dは戸先側の縦枠、12cは戸尻側の縦框、12dは戸先側の縦框、24は戸先側の縦枠11dの見込み面に設けた後述するロック機構部、25は戸先側の縦框12dの室内側(屋内側)の見込み面に設けた後述する切替え機構部、26は戸先側の縦框12dの室内側の見込み面に設けた後述する室内側操作ハンドル、27は戸先側の縦枠11dの室外側に設けた後述する室外側操作ハンドルである。また、障子12は、図3に示すように2枚のガラス(室内側は低放射ガラス)を有する断熱複層ガラス12eで構成されている。
このような縦すべり出し窓1では、通常、障子12の全開時に障子12が開き過ぎず、かつ、その全開状態で風を受けても障子12を安定させるように、例えば、窓枠11の下枠11bおよび障子12の下框12bとの間に周知のあおり止め(図示せず。)を設けると共に、この実施形態1では、さらに換気を図る点等から障子12を小開口(半開口)状態で安定させる開口制限ストッパー機能を備えた開口部装置2を設けている。
<実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2>
実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2は、例えば図2に示すように、下枠11bおよび下框12bとの間に設けたあおり止め(図示せず。)等と干渉しないよう戸先側の縦枠11dおよび縦框12dに、アーム21と、レール部であるブラケット22と、スライドプレート23aを有する台座23と、ロック機構部24と、切替え機構部25と、室外側操作ハンドル27と、連動プレート28a,28b等を備えて構成される。尚、室内側操作ハンドル26は、実施形態1の開口部装置2の機能とは関係しない。また、図2に示す状態は、後述するようにアーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合せず、係合ピン21aがピン出入口22aから外部へ出ている状態で、障子12が開口制限されていない状態である。
(アーム21)
アーム21は、図2等に示すように、先端側にはブラケット22のピン係合溝22b(図14(a)等参照。)に係合する係合ピン21aが設けられる一方、基端側にはスライドプレート23aに回動可能に連結される回動軸21bが設けられており、係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合した状態でロック機構部24によってロックされることにより障子12を小開口(半開口)状態で安定させると共に、開口を制限する部材である。尚、スライドプレート23aは、後述するように障子12の戸先側の縦框12dに固定される台座23に上下方向にスライド可能に設けられる部材である。
(ブラケット22)
ブラケット22は、本発明のレール部として機能するもので、図2に示すようにその上端部と下端部がそれぞれ上側連動プレート28aと下側連動プレート28cとに連結された中間連動プレート28b(図10参照。)にネジ等で固定される部材で、縦枠11dの室外側に上下方向スライド可能に設けられた室外側操作ハンドル27(図9参照。)を上下方向にスライドさせることによって、ブラケット22自体も上下方向にスライドするように取付けられている。
ブラケット22は、後述する図13や図14等に示すように、アーム21先端の係合ピン21aが出入りするピン出入口22aと、そのピン出入口22aから入った係合ピン21aと係合して窓枠11に対し障子12が小開口(半開口)する際の角度に応じた長さのピン係合溝22bが設けられている。
そのため、アーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合状態にあり、かつ、障子12が窓枠11に閉められている場合に、室外側操作ハンドル27を上方へスライドさせることによって、ブラケット22のピン出入口22a近傍のピン係合溝22bに係合していたアーム21先端の係合ピン21aをピン出入口22aから出してピン係合溝22bに対し離脱させることができる。
(台座23)
台座23は、図2や図4(b)に示すように戸先側の縦框12d側にネジ等によって固定されるもので、アーム21基端側の回動軸21bが回動可能に取り付けられたスライドプレート23aを上下方向にスライド可能に支持する部材である。
スライドプレート23aは、後述する図13や図14等に示すように、その中央で上述したようにアーム21基端側の回動軸21bを回動可能に支持すると共に、その上下2箇所に切替え機構部25の切替スイッチ25bにそれぞれ連結される連結ピン23b,23bを備えている。
そのため、後述するように障子12が窓枠11に閉められている場合に、切替え機構部25の切替スイッチ25bを上下方向にスライドさせることにより連結ピン23b,23bを介しスライドプレート23aが上下方向にスライドするので、アーム21も上下方向にスライドして、アーム21先端の係合ピン21aをピン出入口22aから出してピン係合溝22bに対し出入、すなわち離脱状態または係合状態にすることができる。
(ロック機構部24)
ロック機構部24は、図5(a),(b)に示すように、縦枠11dに設けられるもので、図6や図7等に示すように、縦枠11dに固定されるロック機構ケース部24aと、ロック機構ケース部24a内にスライド可能に設けられたスライド体24bと、スライド体24bの下方に連結されロック機構ケース部24aから突出し、スライドすることによって起立状態のロック体24eを倒伏状態にしてピン出入口22a方向へのアーム21先端の係合ピン21aのスライドを許容するロック解除スイッチ24cと、ロック機構ケース部24aに設けられたケース側スプリング押え部24a21とスライド体24b下方のスライド体側スプリング押え部24b3との間に設けられた圧縮スプリング24dと、回動可能に構成され起立することによりアーム21先端の係合ピン21aに当接して障子12を小開口(半開口)状態でロックするロック体24eや倒伏状態のロック体24eを起立状態に戻すロック体起立戻し片24f等を備えている。
尚、図5(b)では、ロック機構部24の構成が露出するようにブラケット22やブラケット22が固定されている中間連動プレート28bの一部の図示を省略して示している。
(ロック機構ケース部24a)
ロック機構ケース部24aには、図6や図7等に示すように一対の側板部24a1,24a1と、一対の側板部24a1,24a1を連結する底板部24a2と、底板部24a2の上下両端をそれぞれL字形状に折り曲げて形成され、縦枠11dに固定される固定片24a3,24a3とを有する。
一対の側板部24a1,24a1間には、図6や図7等に示すようにロック体24eを回動可能に支持する第1支軸24a4と、ロック体24eが起立状態から回動した際に当接してロック体24eの回動し過ぎ(倒れ過ぎ)を防止するロック体回動制限ピン24a5と、ロック解除スイッチ24cによってロック体24eが倒伏状態になって係合ピン21aがピン出入口22a方向へスライドした際、アーム21先端の係合ピン21aが当接して倒伏状態のロック体24eを起立状態に戻すロック体起立戻し片24fを回動可能に支持する第2支軸24a6と、スライド体24bの後述する第2ガイド溝24b12に係合してスライド体24bのスライド動作を案内する第3支軸24a7等が設けられている。尚、ロック体24eおよびロック体起立戻し片24fには、それぞれ、付勢手段としての板バネ24e1,24f1が設けられている。
底板部24a2には、その一部を切り起こしてスライド体24b下方の後述するスライド体側スプリング押え部24b3との間で圧縮スプリング24dを挟むケース側スプリング押え部24a21と、ロック体起立戻し片24fの板バネ24f1先端を逃す板バネ先端逃し孔部24a22と、起立戻し片押圧体24b25先端の係合部24b26が係合すると共にロック体起立戻し片24fが起立状態から回動した際に当接してロック体起立戻し片24fの倒れ過ぎを防止する係合・倒れ防止ピン24a23を有する起立戻し片回動制限部24a24等が設けられている。
(スライド体24b)
スライド体24bは、図6や図7等に示すようにロック解除スイッチ24cがロック機構ケース部24aから突出するように固定され、ロック解除スイッチ24cをユーザが操作することによってロック機構ケース部24a内でスライドしてロック体24eを起立させたり倒伏させる部材で、一対の側板部24b1,24b1と、一対の側板部24b1,24b1を連結しロック体24eを制御するロック体制御板部24b2と、スライド体側スプリング押え部24b3等を有している。
一対の側板部24b1,24b1には、それぞれ、ロック機構ケース部24aの一対の側板部24a1,24a1間に設けられた第2支軸24a6と第3支軸24a7とをそれぞれ通す長穴形状の第1ガイド溝24b11と第2ガイド溝24b12が設けられている。
ロック体制御板部24b2は、図6や図7等に示すように一対の側板部24b1,24b1よりも長く形成されており、底板部24a2に対向しているロック体底部24e2とロック機構ケース部24aの底板部24a2との間に挿入した際にはロック体24eが起立状態でβ方向(図7では反時計回り)には回転するがα方向(図7では時計回り)には回転せず、アーム21先端の係合ピン21aがピン出入口22a方向へスライドすることを防止する一方、ロック体24eの板バネ24e1を押圧した際にはα方向(時計回り)に回転させる先端折返し部24b21と、先端折返し部24b21の下方に設けられロック体24eが倒伏した際にロック体24eの一部や板バネ24e1先端を逃がすロック体逃し孔部24b22と、ロック機構ケース部24aの底板部24a2に設けられた起立戻し片回動制限部24a24を通すと共にロック体起立戻し片24fの板バネ24f1先端を逃す起立戻し片回動制限部通し孔部24b23が設けられている。
また、ロック体制御板部24b2には、図6や図7等に示すように先端側の係合部24b26によってロック体起立戻し片24fの起立用山部24f2を押圧して起立させたり、係合・倒れ防止ピン24a23に係合してロック体起立戻し片24fの起立状態を維持し、さらにはロック体起立戻し片24fに係合部24b26が押圧されて弾性変形して係合・倒れ防止ピン24a23に対し非係合状態となりロック体起立戻し片24fを倒伏させる樹脂製の起立戻し片押圧体24b25が固定ネジ24b24で取り付けられている。
(切替え機構部25)
切替え機構部25は、図1や図4(a)等に示すように障子12の戸先側の縦框12dの見込み面に取付けられるもので、図8に示すように縦框12dの見込み面に固定される切替え機構部本体25aと、切替え機構部本体25aに形成されたスライド溝25a1内でスライドする切替スイッチ25b等を備えている。
切替スイッチ25bは、図8に示すように鍵(図示せず。)が挿入される鍵穴を有するキーシリンダ25b1と、ユーザが切替スイッチ25bをスライドさせる際に指等を入れる凹部25b2と、スライドプレート23aに設けられた連結ピン23b,23b先端それぞれが挿入される連結ピン挿入部25b3,25b3等が設けられており、鍵穴への鍵(図示せず。)の挿入および回転によってユーザが切替スイッチ25bを上下方向、すなわち戸先側の縦框12dの長手方向にスライドさせることによりスライドプレート23aおよびアーム21を同方向にスライドさせ、アーム21先端の係合ピン21aをブラケット22のピン出入口22aから出入りさせ、当該係合ピン21aをブラケット22のピン係合溝22bに対し離脱状態または係合状態のいずれかの状態に切替えることができる。
また、図8(c)に示すようにキーシリンダ25b1の先端には、偏心して回転するロック爪25b4が設けられている一方、切替え機構部本体25aのスライド溝25a1の内壁にはロック爪25b4が嵌る凹部等が設けられており、図8(a)に示すようにキーシリンダ25b1の鍵穴が縦方向の場合には、ロック爪25b4が図8(c)に示すように凹部に嵌り、切替スイッチ25bはスライドせず、切替え機構部本体25aに対して上がった状態でロックされる。尚、ロック爪25b4がロックされる機構は公知であるため、ここでは説明を省略する。
そのため、図8(a)に示すようにキーシリンダ25b1の鍵穴が縦方向の場合には、スライドプレート23aおよびアーム21基端側の回動軸21bも縦框12dや縦枠11dに対し上がった状態でロックされており、アーム21先端の係合ピン21aはブラケット22のピン係合溝22bに係合状態にあって障子12を小開口(半開口)状態で開口を制限することができる。
これに対し、キーシリンダ25b1の鍵穴に鍵(図示せず。)を挿入して例えば90度回転させて鍵穴を横方向にすると、キーシリンダ25b1先端に設けられたロック爪25b4も90度回転して切替え機構部本体25aのスライド溝25a1の内壁の凹部(図示せず。)から外れ、切替スイッチ25bがスライドロック状態からスライド可能状態になる。尚、切替スイッチ25bがスライドロック状態からスライド可能状態になる機構等も公知であるため、ここでは説明を省略する。
そのため、切替スイッチ25bを下げることにより、アーム21先端の係合ピン21aは、図2等に示すようにブラケット22のピン係合溝22b下端のピン出入口22aから出てピン係合溝22bに対し非係合状態にできるので、障子12を全開口することができる。
また、図8(a)に示す切替スイッチ25bのスライドがロックされた状態では、キーシリンダ25b1に対し鍵(図示せず。)の取外し及び挿入が可能に構成されている一方、キーシリンダ25b1に鍵(図示せず。)を挿入して90度回転させて切替スイッチ25bをスライド可能状態にし、切替スイッチ25bを下げた場合、キーシリンダ25b1から鍵(図示せず。)が取外せないように構成されている。
そのため、図8(a)に示すようにキーシリンダ25b1に鍵(図示せず。)が挿入されていない場合は、切替スイッチ25bが上にあげられたままのスライドロック状態で、障子12が小開口(半開口)状態で開口制限されている状態であるため、ユーザーはキーシリンダ25b1に鍵(図示せず。)が挿入されていないことを確認することにより、障子12が小開口(半開口)状態で開口制限されている状態であると判断することができる。
これに対し、切替スイッチ25bが下げられ、障子12が全開口可能な場合は、キーシリンダ25b1の鍵穴に鍵(図示せず。)が必ず挿入されていて抜けない状態にあるため、ユーザーは切替スイッチ25bが下げられており、かつ、キーシリンダ25b1の鍵穴に鍵(図示せず。)が挿入されている状態を確認することにより障子12の全開口可能状態にあることを判断することができる。
(室内側操作ハンドル26)
室内側操作ハンドル26は、例えば図3に示すようにハンドル操作に連動して上下にスライドする縦框側連動プレート12d1に固定した係合部26aを、縦枠11d側の上側連動プレート28aと下側連動プレート28cに固定した被係合部26dに係合して、障子12を縦枠11dにロックする操作ハンドル本体26bと、回動して係合部26aをスライドさせるハンドル部26c等を備えており、公知のものである。
(室外側操作ハンドル27)
室外側操作ハンドル27は、火災等が発生した際にアーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合し、かつ、障子12が窓枠11に閉められている場合でも、室外側からの操作によって障子12の全開口可能状態にするためのハンドルで、図9(a)~(c)に示すように、金属板から構成されており、縦枠11dの見込み面に固定されたT字形状の室外側操作ハンドル支持金具11d2に上下方向スライド可能に設けられている。
室外側操作ハンドル27は、図9(a)~(c)に示すように、スライド用係合部27aと、凸部27bとを有し、ネジやリベット等によって縦枠11dの上下方向に延びるスライド溝11d1に沿って上下方向にスライドする上側連動プレート28aに連結されている。
室外側操作ハンドル支持金具11d2には、図9(b)に示すように室外側操作ハンドル27のスライド用係合部27aが係合して上下方向のスライドを案内する長穴形状のガイド孔11d21と、凸部27bが嵌るロック孔11d22とが設けられている。
そのため、室外側操作ハンドル27をスライドする場合は、室外側操作ハンドル27を縦枠11d側に向かって押すと、室外側操作ハンドル27が曲がるので、室外側操作ハンドル支持金具11d2のロック孔11d22に嵌っていた凸部27bが外れて、室外側操作ハンドル27を上下方向にスライドすることができる。尚、図9(b)に示す状態は、室外側操作ハンドル支持金具11d2のロック孔11d22に凸部27bが嵌っている状態で室外側操作ハンドル27が下げられている状態、すなわち上側連動プレート28aを介して室外側操作ハンドル27に連結されたブラケット22が所定の位置にあり、アーム21先端の係合ピン21aがピン係合溝22bに係合している開口制限状態である。
これに対し、室外側操作ハンドル支持金具11d2のロック孔11d22に嵌っていた凸部27bが外れると、室外側操作ハンドル27を上方向にスライドすることによって後述するようにブラケット22を上げ、ブラケット22下端のピン出入口22aからアーム21先端の係合ピン21aを出して開口制限状態を解除することができる。
(連動プレート28a,28b,28c)
連動プレート28a,28b,28cは、図2等に示すようにロック機構部24やブラケット22等が設けられた縦枠11dの内部に設けられ、室外側操作ハンドル27と連結され、ロック機構部24近辺まで延びる上側連動プレート28aと、上面にはブラケット22がネジで固定されると共に、ロック機構部24の回動するロック体24eやロック体起立戻し片24fを切り溝28b1(図10(a)参照。)から突出させながら室外側操作ハンドル27の上下スライドに連動する中間連動プレート28bと、中間連動プレート28bに連結され、室外側操作ハンドル27の上下スライドをロック機構部24下方の機能部品に伝達する下側連動プレート28c等を有する。尚、室外側操作ハンドル27を上方向にスライドすると、上側連動プレート28aと下側連動プレート28cに固定した被係合部26dも上方向にスライドして、室内側操作ハンドル26の係合部26aとの係合を解除するので、障子の開放が可能になる。
<実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2の動作>
次に、以上のように構成された実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2の動作について、ロック機構部24による障子12の小開口(半開口)角度までの開閉動作や小開口(半開口)角度でのロック動作等の開口制限動作と、その開口制限動作状態の解除動作(以下、開口制限解除動作)等を中心に説明する。
尚、実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2では、開口制限解除動作は、切替え機構部25と室外側操作ハンドル27の操作によって独立して実行可能であるため、
(1)ロック機構部24による開口制限動作
(2)切替え機構部25による開口制限解除動作
(3)室外側操作ハンドル27による開口制限解除動作
に分けて実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2の動作を説明する。
(1)ロック機構部24による開口制限動作
ロック機構部24による開口制限動作には、アーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合しながらスライドする際に実行する動作で、主に、
(i) 係合ピン21aがロック体24eを乗り越えロックされるまでの動作
(ii)ロック体24eを乗り越えた係合ピン21aをロックする動作
(iii)ロック体24eによりロックされた係合ピン21aを解除する解除動作
を実行する。
(i) 係合ピン21aがロック体24eを乗り越えロックされるまでの動作
係合ピン21aが起立状態のロック体24eを乗越えるまでは、図7等に示すようにロック解除スイッチ24cは最下方位置にあり、ロック体24eは起立状態にある一方、ロック体起立戻し片24fは倒伏状態にあって、アーム21先端の係合ピン21aはロック体起立戻し片24fを通過できるものの起立状態のロック体24eには当接する状態である。
ここで、起立状態のロック体24eはβ方向(反時計回り)には回動可能にあるため、図11(a)に示すようにアーム21先端の係合ピン21aがロック体24eに当接すると、ロック体24eをβ方向に回転させて乗り越え可能であるが、ロック体底部24e2とロック機構ケース部24aの底板部24a2との間に密に挿入されているロック体制御板部24b2の先端折返し部24b21によって、α方向(時計回り)には回動不可である。
そのため、係合ピン21aがロック体24eを乗り越えるまでは、アーム21先端の係合ピン21aはブラケット22のピン係合溝22bに係合して開口(開口角度)が制限されていてもスライドフリー状態にあり、ロック体24eによってロックされないので、障子12を所定の小開口(半開口)角度まで自由に開閉させることができる。
(ii)ロック体24eを乗り越えた係合ピン21aをロックする動作
ロック機構部24のロック解除スイッチ24cが最下方位置のまま障子12を所定の小開口(半開口)角度に開くと、図11(a)に示すようにアーム21先端の係合ピン21aは倒伏状態のロック体起立戻し片24fには当接せずに起立状態のロック体24eに当接してロック体24eをβ方向(反時計回り)に回転させ、図11(b)に示すように乗り越えると、ロック体24eは付勢手段である板バネ24e1の弾性力によって起立状態に戻る。
すると、図11(b)に示すようにロック体底部24e2とロック機構ケース部24aの底板部24a2との間にロック体制御板部24b2の先端折返し部24b21が密に挿入されているため、ロック体24eは起立状態でα方向(時計回り)には回転せず、アーム21先端の係合ピン21aがピン出入口22a方向へスライドすることを防止する。また、この時、アーム21先端の係合ピン21aはブラケット22のピン係合溝22b(図14(a)等参照。)の上端近傍に到達している。
そのため、アーム21先端の係合ピン21aが起立状態のロック体24eを乗り越えると、係合ピン21aは起立状態のロック体24eによってピン出入口22a方向への戻りを防止されると共に、ブラケット22のピン係合溝22bによって障子12が開く方向へのスライドも制限されるので、図4(a),(b)に示すように障子12の所定の小開口(半開口)角度での開き状態をロックすることができる。
(iii)ロック体24eによりロックされた係合ピン21aを解除する解除動作
図11(b)に示すように障子12を所定の小開口(半開口)角度でロックした後、解除する場合、ユーザが図11(b)に示す状態から図12(a)に示すようにロック解除スイッチ24cをγ方向(図12では上方向)にスライドさせる。
すると、図12(a)に示すようにロック体制御板部24b2の先端折返し部24b21がロック体24eの板バネ24e1をγ方向に押圧してロック体24eをα方向(時計周り)に回転させて倒伏させる一方、倒伏状態にあったロック体起立戻し片24fはγ方向にスライドする樹脂製の起立戻し片押圧体24b25先端によってロック体起立戻し片24fの起立用山部24f2が押圧されてβ方向(反時計回り)に回転し、アーム21先端の係合ピン21aがスライドした際、当接するよう起立状態になる。
ここで、ロック解除スイッチ24cをγ方向にスライドさせる際は、ケース側スプリング押え部24a21とスライド体側スプリング押え部24b3との間に設けられた圧縮スプリング24dが圧縮されるため、ロック解除スイッチ24cおよびスライド体24bは、γ方向とは反対方向のη方向(図12では下方向)に戻ろうとする。
しかし、図12(a)に示すように起立戻し片押圧体24b25先端がロック体起立戻し片24fの起立用山部24f2を押圧して起立状態にすると、起立戻し片押圧体24b25先端の係合部24b26が係合・倒れ防止ピン24a23に係合するため、ロック体起立戻し片24fの起立状態が維持されると同時に、ロック解除スイッチ24cおよびスライド体24bがη方向に戻ることを防止できる。
またこの状態では、アーム21先端の係合ピン21aが倒伏状態になったロック体24eを超えてη方向に戻ることが可能となるので、所定の小開口(半開口)角度での小開口ロック状態が解除され、障子12を閉めることが可能となる。
そして障子の12の閉め動作に応じてアーム21先端の係合ピン21aがη方向にスライドし、起立状態のロック体起立戻し片24fに当接すると、図12(b)に示すようにロック体起立戻し片24fをα方向(時計回り)に回転させて倒伏させようと押圧する。
すると、ロック体起立戻し片24fに当接している起立戻し片押圧体24b25は弾性変形可能な合成樹脂から形成されているため、図12(b)に示すようにロック体起立戻し片24fが起立戻し片押圧体24b25先端の係合部24b26をβ方向(反時計回り)に押圧しつつ押し下げ、係合・倒れ防止ピン24a23に係合状態にあった係合部24b26を非係合状態にするので、圧縮状態の圧縮スプリング24dによってロック解除スイッチ24cやスライド体24bがη方向にスライドする。
ロック解除スイッチ24cやスライド体24bがη方向にスライドすると、ロック体制御板部24b2の先端折返し部24b21後端がロック体24eの板バネ24e1に当接し、ロック体24eをβ方向(反時計回り)に回転させて起立状態にすると共に、その先端折返し部24b21がロック体底部24e2とロック機構ケース部24aの底板部24a2との間に密状態で挿入するので、ロック体24eは図7等に示す起立状態で、かつ、β方向にのみ回転し、α方向(時計回り)に回転しない状態に戻る。
以上説明したようにユーザがロック解除スイッチ24cをγ方向にスライドさせることによって、ロック機構部24は、図7に示す状態に戻るため、上述したようにアーム21先端の係合ピン21aが起立状態のロック体24eを乗り越えるまでは、係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合して障子を所定の小開口(半開口)角度まで自由に開閉操作できる一方、係合ピン21aが起立状態のロック体24eを乗り越えた場合は、障子12の所定の小開口(半開口)角度での開き状態をロックすることができ、そのロック状態はロック解除スイッチ24cをγ方向にスライドさせてロック体24eを倒伏状態にしない限り解除できない。
尚、上述したロック機構部24による開口制限状態では、アーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合している状態であるため、切替え機構部25の切替スイッチ25bは図8(a),(b)に示すように上げられた状態にある。
(2)切替え機構部25による開口制限解除動作
(1)で説明したロック機構部24による開口制限状態は、アーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合している状態で、障子12を開けていくと、図4(a),(b)等に示すように障子12が小開口(半開口)状態でロックされた状態である。
図13(a),(b)および図14(a)は、それぞれ、アーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合している(1)で説明したロック機構部24による開口制限状態で、かつ、障子12を閉めた状態を主にアーム21やブラケット22、台座23、スライドプレート23a等により示す平面図、図13(a)におけるG-G線断面図、底面図である。尚、図13(a),(b)および図14(a)では、切替え機構部25は図示していないが、図8(a),(b)に示すように切替スイッチ25bが上昇している状態である。
障子12を全開口するためには、障子12を閉じ、その後、ロック機構部24による開口制限状態を解除して、アーム21先端の係合ピン21aをブラケット22のピン係合溝22bから解放する必要がある。
そのため、まずユーザは障子12を窓枠11に対し閉めて図13(a),(b)および図14(a)に示すようなアーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合している状態にし、次いで室内側から切替え機構部25のキーシリンダ25b1(図8参照)の鍵穴に鍵(図示せず。)を挿入して90度回転して、切替スイッチ25bを下降させる。
切替スイッチ25bは、連結ピン挿入部25b3,25b3に挿入された2本の連結ピン23b,23bを介しスライドプレート23aに連結されており、スライドプレート23aは障子12の縦框12dに固定された台座23に縦框12dの長手方向である上手方向にスライド可能に設けられ、スライドプレート23aにはアーム21基端側の回動軸21bが回動可能に連結されているため、切替スイッチ25bの下降によってアーム21も下降する。
すると、ブラケット22のピン係合溝22bに係合していたアーム21先端の係合ピン21aも下降し、図14(b)に示すように係合ピン21をピン係合溝22b下端のピン出入口22aから出すことによって、係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに対し離脱状態に切替わり、障子12の全開口が可能になる
(3)室外側操作ハンドル27による開口制限解除動作
次に、障子12を窓枠11に対し閉めた状態で、ユーザがロック機構部24を使用せずに室外側から室外側操作ハンドル27を使用して開口制限状態を解除する動作について説明する。
障子12が窓枠11に閉められ、かつ、障子12が小開口(半開口)状態で開口制限されている状態、すなわち図13(a),(b)および図14(a)に示すようにアーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合している状態では、室内側の切替え機構部25の操作だけでなく、室外側から室外側操作ハンドル27を操作することによっても開口制限状態を解除することができる。
具体的には、ユーザが図9(a)~(c)に示すように構成されている室外側操作ハンドル27を上昇させると、室外側操作ハンドル27に連結された上側連動プレート28aも縦枠11dのスライド溝11d1に沿って上方向にスライドし、上側連動プレート28a下端部に連結されたブラケット22も上昇する。
ブラケット22には、上述したようにアーム21先端の係合ピン21aが係合するピン係合溝22bと、ピン係合溝22b下端にピン出入口22aが形成されているため、図13(a),(b)および図14(a)に示すように障子12が窓枠11に閉められアーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合している状態でブラケット22が上昇すると、ピン係合溝22bに係合していたアーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン出入口22aから抜け出してピン係合溝22bに対し離脱状態になり、障子12の全開口が可能になる。
このようにアーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合している障子12の開口制限状態で、かつ、障子12が窓枠11に閉められている場合には、室内側に設けた切替え機構部25を操作しアーム21を下降させることによって開口制限状態を解除するだけでなく、室外側から室外側操作ハンドル27を操作しブラケット22を上昇させることによっても開口制限状態を解除することができる。
<実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2の主な効果>
以上説明したように、本発明に係る実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2では、障子12の縦框12dに基端側の回動軸21bを回動可能に取り付けたアーム21先端側には係合ピン21aを設け、窓枠11の縦枠11d側に設けるブラケット22にはアーム21先端の係合ピン21aが出入りするピン出入口22aと、そのピン出入口22aから入った係合ピン21aと係合して障子12の開口角度を所定の小開口(半開口)までに制限するピン係合溝22bを設け、アーム21側にはピン係合溝22bを設けないので、アーム21の強度劣化を防止できる。
また、この開口部装置2では、縦枠11d側に固定され、板バネ24e1により起立状態に付勢されたロック体24eを備え、アーム21先端の係合ピン21aがブラケット22のピン係合溝22bに係合した開口制限状態でスライドして障子12が窓枠11に対し所定の小開口(半開口)まで開く際に、係合ピン21aがロック体24eに当接し倒伏させて乗り越えた後、付勢手段としての板バネ24e1によってロック体24eが起立状態に戻ることによりピン出入口22a方向への係合ピン21aのスライドを防止するロック機構部24を設けたため、小開口(半開口)状態のアーム21を確実にロックすることができる。
また、本発明に係る実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2では、ロック機構部24には、さらに、起立状態のロック体24eを倒伏状態にしてピン出入口22a方向への係合ピン21aのスライドを許容するロック解除スイッチ24cと、ロック解除スイッチ24cによってロック体24eが倒伏状態になって係合ピン21aがピン出入口22a方向へスライドした際、アーム21先端の係合ピン21aが当接して倒伏状態にあるロック体24eを起立状態に戻すロック体起立戻し片24f等を設けている。
そのため、ロック解除スイッチ24cによってロック体24eを倒伏状態にしてロック体24eによるアーム21先端の係合ピン21aのロック状態を簡単に解除できると共に、その係合ピン21aが起立状態のロック体起立戻し片24fに当接してロック体起立戻し片24fが倒伏状態になることによってロック体24eを起立状態に簡単かつ自動的に戻すこともできる。
また、本発明に係る実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2では、さらに、スライドプレート23aに連結された切替スイッチ25bを有する切替え機構部25を設け、ユーザがその切替スイッチ25bを縦枠11dまたは縦框12dの長手方向にスライドさせることによりスライドプレート23aを介しアーム21を縦枠11dまたは縦框12dの長手方向にスライドさせて、アーム21先端の係合ピン21aをブラケット22のピン出入口22aから出入りさせ、当該係合ピン21aをブラケット22のピン係合溝22bに対し離脱状態または係合状態のいずれかの状態に切替え可能に構成している。
そのため、本発明に係る実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2によれば、アーム21やブラケット22、台座23、スライドプレート23a、ロック機構部24等による障子12の所定の小開口(半開口)角度までの開閉動作や小開口(半開口)角度でのロック動作等の開口制限動作を、切替え機構部25の切替スイッチ25bのスライド操作によって簡単に解除したり、解除後に簡単に開口制限動作に戻すことが可能となり、縦すべり出し窓1の開口部装置2の使用勝手を向上させることができる。
また、本発明に係る実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2では、切替え機構部25は、障子12の縦框12dの室内側の見込み面に設けている。
そのため、本発明に係る実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2によれば、障子12の縦框12dの見付け面の幅を狭くすることが可能となるので、障子12の断熱複層ガラス面積を増大させることができ、縦すべり出し窓1の断熱性能を向上させることができる。
また、本発明に係る実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2では、縦枠11dの室外側には室外側操作ハンドル27を設ける一方、縦枠11d内に室外側操作ハンドル27とブラケット22とを連結する上側連動プレート28aおよび中間連動プレート28bを設け、アーム21先端の係合ピン21aが係合状態にあり、かつ、障子12が窓枠11に閉められている場合に、室外側操作ハンドル27を操作して上側連動プレート28aおよび中間連動プレート28b等を縦枠12の長手方向にスライドさせることによって、アーム21先端の係合ピン21aをブラケット22のピン出入口22aから脱出させてピン係合溝22bに対し離脱状態にするように構成している。
そのため、本発明に係る実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2によれば、縦框12dの室内側に設けた切替え機構部25だけでなく、縦框12dの室外側に設けた室外側操作ハンドル27の操作によってもアーム21やロック機構部24等による障子12の開口制限動作を簡単に解除したり、解除後に簡単かつ自動で開口制限動作に戻すことが可能となるので、縦すべり出し窓1の開口部装置2の使用勝手を向上させることができる。
実施形態2.
次に、本発明に係る実施形態2の縦すべり出し窓1の開口部装置2について説明する。実施形態2の縦すべり出し窓1の開口部装置2は、実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2に対し、ロック機構部の構成が異なるだけでそれ以外の構成は同じであるため、ここでは、実施形態2のロック機構部34の構成および動作についてのみ説明する。
図15(a),(b)は、それぞれ本発明に係る実施形態2の開き窓1の開口部装置2を構成するロック機構部34の側面図、正面図、図16(a),(b)は、それぞれロック機構部34の底面図、図15(b)におけるH-H線断面図である。
である。
実施形態2のロック機構部34は、実施形態1のロック機構部24と同様に縦枠11dに設けられるもので、図15および図16に示すように、縦枠11dに固定されるロック機構ケース部34aと、ロック機構ケース部34a内にスライド可能に設けられたスライド体34bと、スライド体34bの下方に連結されロック機構ケース部34aから突出し、スライドすることによって起立状態のロック体34eを倒伏状態にしてピン出入口22a方向へのアーム21先端の係合ピン21aのスライドを許容するロック解除スイッチ34cと、ロック機構ケース部34aに設けられたケース側スプリング押え部34a21とスライド体34b下方のスライド体側スプリング押え部34b3との間に設けられた圧縮スプリング34dと、回動可能に構成され起立することによりアーム21先端の係合ピン21aに当接して障子12を小開口(半開口)状態でロックするロック体34eや倒伏状態のロック体34eを起立状態に戻すロック体起立戻し片34f、ロック解除制御体34g等を備えている。
尚、図15(b)では、図6(b)と同様にロック機構部34の構成が露出するようにレール部であるブラケット22やブラケット22が固定されている中間連動プレート28bの一部の図示を省略して示している。
(ロック機構ケース部34a)
ロック機構ケース部34aは、図15や図16等に示すように一対の側板部34a1,34a1と、一対の側板部34a1,34a1を連結する底板部34a2と、底板部34a2の上下両端をそれぞれL字形状に折り曲げて形成され、縦枠11dに固定される固定片34a3,34a3とを有する。
一対の側板部34a1,34a1間には、図15(a)や図16(b)等に示すようにロック体34eを回動可能に支持する第1支軸34a4と、ロック体34eが起立状態から回動した際に当接してロック体34eの回動し過ぎ(倒れ過ぎ)を防止するロック体回動制限ピン34a5と、後述するロック解除制御体34g先端の係合部34g1が係合してロック解除状態を維持するロック解除維持ピン34a6と、スライド体34bの後述するガイド溝34b12に係合してスライド体34bのスライド動作を案内するガイドピン34a7等が設けられている。
ここで、図15(b)等に示すように、ロック体34eの両側には付勢手段としてネジリコイルバネ34e1,34e1が設けられており、ロック体34eはα方向(図16(b)において時計回り)に常時付勢されている。また、ロック体起立戻し片34fには付勢手段としてのネジリコイルバネ34f1が設けられており、ロック体起立戻し片34fもα方向(図16(b)において時計回り)に常時付勢されている。
これに対し、ロック解除制御体34gには、付勢手段としてのネジリコイルバネ34g3が設けられており、ロック解除制御体34gはβ方向(図16(b)において反時計回り)に常時付勢されている。そして、ロック解除制御体34gのネジリコイルバネ34g3は、ロック体起立戻し片34fのネジリコイルバネ34f1よりも弾性力が強く、かつ、ロック体起立戻し片34f基部上側の制御体当接部34f2がロック解除制御体34g基部下側の起立戻し片当接部34g2に当接しているため、平常状態では、図15(a)や図16(b)等に示すようにロック体起立戻し片34fが直立した状態となる。
底板部34a2には、その一部を切り起こしてスライド体34b下方の後述するスライド体側スプリング押え部34b3との間で圧縮スプリング34dを挟むケース側スプリング押え部34a21等が設けられている。
(スライド体34b)
スライド体34bは、図15や図16等に示すようにロック解除スイッチ34cがロック機構ケース部34aから突出するように固定され、ロック解除スイッチ34cをユーザが操作することによってロック機構ケース部34a内でスライドしてロック体34eによりアーム21先端の係合ピン21aをロックしたりロックを解除する部材で、一対の側板部34b1,34b1と、一対の側板部34b1,34b1を連結しロック体34eを制御するロック体制御板部34b2と、スライド体側スプリング押え部34b3等を有している。
一対の側板部34b1,34b1間には、ロック体起立戻し片34fおよびロック解除制御体34gが上下方向にスライド動作して、ロック体起立戻し片34fおよびロック解除制御体34gがと共に回動できるようにロック体起立戻し片34fおよびロック解除制御体34gを回動可能に支持する起立戻し片・解除制御体支持部34b11が設けられている。
そして、ロック体起立戻し片34f基部上側の制御体当接部34f2がロック解除制御体34g基部下側の起立戻し片当接部34g2に当接しており、しかもロック解除制御体34gをβ方向(図16(b)において反時計回り)に常時付勢するネジリコイルバネ34g3はロック体起立戻し片34fをα方向(図16(b)において時計回り)に常時付勢するネジリコイルバネ34f1よりも弾性力が強いため、ロック解除制御体34gは、平常状態では図15(a)や図16(b)等に示すようにロック体起立戻し片34fを直立した状態に維持し、ロック体起立戻し片34fに上方からアーム21先端の係合ピン21aが当接した場合は、ロック体起立戻し片34fと共にα方向(図16(b)では時計回り)に回動する。
これに対し、ロック体起立戻し片34f基部上側の制御体当接部34f2における図16(b)において右側が湾曲しているため、ロック体起立戻し片34fに下方からアーム21先端の係合ピン21aが当接した場合、ロック体起立戻し片34fは後述する図17(a)に示すようにβ方向(図16(b)では反時計回り)に単独で回動する。
また、一対の側板部34b1,34b1には、それぞれ、ロック機構ケース部34aの一対の側板部34a1,34a1間に設けられたガイドピン34a7をそれぞれ通す長穴形状のガイド溝34b12が設けられている。
ロック体制御板部34b2は、図16(b)等に示すように一対の側板部34b1,34b1よりも長く形成されており、その上端には底板部34a2に対向するロック体底部34e2とロック機構ケース部34aの底板部34a2との間に挿入した際にはロック体34eが起立状態でβ方向(図16(b)では反時計回り)には回転するがα方向(図16(b)では時計回り)には回転せずにアーム21先端の係合ピン21aがピン出入口22a方向へスライドすることを防止してロックする先端増厚部34b21を設けている。
また、先端増厚部34b21の下方には、ロック体制御板部34b2が上方へスライドしてロック体34eのロック体底部34e2が対向した際、ロック体底部34e2下方の角部34e3等を逃がしてロック体34eをα方向(図16(b)では時計回り)に回転させるロック体逃し孔部34b22と、後述する図17(a)に示すようにロック体起立戻し片34fがα方向(図16(b)では時計回り)回動して傾斜した際、ロック体起立戻し片34fの角部34f3等を逃す起立戻し片逃し孔部34b23が設けられている。
<実施形態2のロック機構部34の動作>
次に、以上のように構成された実施形態2のロック機構部34の動作について説明する。
(i) アーム先端21先端の係合ピン21aがロック体34eを乗り越えロックされるまでの動作
アーム先端21先端の係合ピン21aが起立状態のロック体34eを乗越えるまでは、図16(b)等に示すようにロック解除スイッチ34cは最下方位置にあり、ロック体34eおよびロック体起立戻し片34fは起立状態にあるものの、ロック体34eおよびロック体起立戻し片34fはアーム21先端の係合ピン21aが当接した際には、それぞれ、β方向(図16(b)において反時計回り)には回動可能に構成されている。
しかし、起立状態のロック体34eは、ロック体底部34e2とロック機構ケース部34aの底板部34a2との間に密に挿入されているロック体制御板部34b2の先端増厚部34b21によってα方向(時計回り)には回動不可である。また、ロック体起立戻し片34fは、上述したようにα方向(時計回り)およびβ方向(反時計回り)の双方に回動可能であるが、上述したようにβ方向(反時計回り)に回動する場合は単独で回動し、α方向(時計回り)に回動する場合はロック解除制御体34gと共に回動する。
そのため、アーム21先端の係合ピン21aがここでは図示を省略しているブラケット22のピン係合溝22b(図14(a)等参照。)に案内されながら下方から上昇すると、まずは図17(a)に示すように起立状態のロック体起立戻し片34f先端に下方から当接してロック体起立戻し片34fをβ方向(反時計回り)に回動させアーム21先端の係合ピン21aを上方へ通過させる。またロック体起立戻し片34f先端に上方から当接した場合には、後述する図19(a)に示すようにロック体起立戻し片34fをロック解除制御体34gと共にα方向(時計回り)に回動させてアーム21先端の係合ピン21aを下方へ通過させる。
その結果、アーム21先端の係合ピン21aがロック体34eを乗り越えてロックされるまで、係合ピン21aはブラケット22のピン係合溝22bに係合しスライド可能なので、ロック体起立戻し片34fはα方向(時計回り)およびβ方向(反時計回り)のいずれの方向にも回動可能状態にあり、係合ピン21aを上下方向に通過させるので、障子12を所定の小開口(半開口)角度まで自由に開閉させることができる。
(ii)ロック体34eを乗り越えた係合ピン21aをロックする動作
ロック機構部34のロック解除スイッチ34cが最下方位置のまま障子12を所定の小開口(半開口)角度に開くと、ロック体起立戻し片34fを通過したアーム21先端の係合ピン21aが起立状態のロック体34eに当接して、図17(b)に示すようにロック体34eをβ方向(反時計回り)に回転させる。
ここで、アーム21先端の係合ピン21aがロック体起立戻し片34fを通過すると、ロック体起立戻し片34fにはα方向(時計回り)に付勢するネジリコイルバネ34f1が設けられているため、ロック体起立戻し片34fはα方向(時計回り)に回動して起立状態に戻る。
そして、図17(b)に示すようにアーム21先端の係合ピン21aがロック体34eに当接してロック体34eをβ方向(反時計回り)に回転させて、図18(a)に示すようにロック体34eの上方へ移動すると、ロック体底部34e2とロック機構ケース部34aの底板部34a2との間にはロック体制御板部34b2の先端増厚部34b21が密に挿入されているため、ロック体34eは起立状態でα方向(時計回り)には回転しない。尚、この時、アーム21先端の係合ピン21aは、ブラケット22のピン係合溝22b(図14(a)等参照。)の上端近傍に到達している。
そのため、アーム21先端の係合ピン21aはロック体34eによってピン出入口22a方向への戻りを防止されると共に、ブラケット22のピン係合溝22bによって障子12が開く方向へのスライドも制限されるので、図4(a),(b)に示すように障子12の所定の小開口(半開口)角度での開き状態をロックされる。
(iii)ロック体34eによりロックされた係合ピン21aを解除する解除動作
図18(a)に示すように障子12を所定の小開口(半開口)角度でロックした後、解除する場合、実施形態1のロック機構部24の場合と同様にユーザは、図18(a)に示す状態から図18(b)に示すようにロック解除スイッチ34cをγ方向(図18では上方向)にスライドさせる。
すると、ロック体34eは、付勢手段としてネジリコイルバネ34e1,34e1によって常時α方向(時計回り)に付勢され、かつ、図18(b)に示すようにロック解除スイッチ34cのγ方向(図18では上方向)へのスライドによってロック体34eのロック体底部34e2に接触していたロック体制御板部34b2の先端増厚部34b21が上方へスライドして離れ、ロック体底部34e2がロック体逃し孔部34b22に対向するため、図18(b)に示すようにロック体34eはα方向(時計回り)に回転して倒伏する。
図18(b)に示すようにロック体34eがα方向(時計回り)に回転して倒伏すると、アーム21先端の係合ピン21aはロック体34eに防止されずに下方へ通過可能となる。つまり、ロック体34eによるアーム21先端の係合ピン21aのロック状態は解除され、障子12を所定の小開口(半開口)角度から閉めることが可能となる。
また、ロック解除スイッチ34cのγ方向(図18では上方向)へのスライドによってロック解除制御体34g先端の係合部34g1がロック解除維持ピン34a6に当接し、係合部34g1上側の傾斜面34g11(図18(a)参照。)によりロック解除制御体34gが若干α方向(時計回り)に回動し、図18(b)に示すようにロック解除制御体34g先端の係合部34g1がロック解除維持ピン34a6に係合する。
そのため、この状態ではケース側スプリング押え部34a21とスライド体側スプリング押え部34b3とによって圧縮スプリング34dが圧縮されてロック解除スイッチ34cおよびスライド体34bをη方向(図18では下方向)へ押圧するが、ロック解除維持ピン34a6にロック解除制御体34g先端の係合部34g1が係合しているので、ロック解除スイッチ34cおよびスライド体34bはη方向(図18では下方向)に戻ることを防止できる。
そして、障子12の閉める動作に応じてアーム21先端の係合ピン21aがη方向(図18では下方向)へ移動した場合、係合ピン21aは図18(b)に示すように起立状態のロック体起立戻し片34fに上方から当接する。
ロック体起立戻し片34fは基部上側の制御体当接部34f2がロック解除制御体34g基部下側の起立戻し片当接部34g2に当接しているため、上方から係合ピン21aが図18(b)に示すように当接すると、図19(a)に示すようにロック解除制御体34gと共にα方向(時計回り)に回動する。
すると、図19(a)に示すようにロック解除維持ピン34a6に係合していたロック解除制御体34g先端の係合部34g1がロック解除維持ピン34a6から外れ、ケース側スプリング押え部34a21とスライド体側スプリング押え部34b3とで圧縮していた圧縮スプリング34dが伸張し、ロック解除スイッチ34cおよびスライド体34bをη方向(図19では下方向)へスライドさせ、図19(b)に示すようにロック解除スイッチ34cは最下方位置に戻る。
また、ロック解除制御体34gのネジリコイルバネ34g3がロック体起立戻し片34fのネジリコイルバネ34f1よりも弾性力が強いため、ロック解除制御体34gおよびロック体起立戻し片34fが共にβ方向(反時計回り)に回動し、ロック体起立戻し片34fは図19(b)に示すように直立した状態に戻る。
そしてロック解除制御体34g先端の係合部34g1がロック解除維持ピン34a6から外れると、上述したように、ロック体起立戻し片34fはβ方向(反時計回り)へは単独で回転可能となる一方、α方向(時計回り)へはロック解除制御体34gと共に回動可能な状態に戻るため、アーム21先端の係合ピン21aがロック体起立戻し片34fに上方から当接した場合には、ロック体起立戻し片34fをロック解除制御体34gと共にα方向(時計回り)に回動させてアーム21先端の係合ピン21aを下方へ通過させる一方、ロック体起立戻し片34fに下方から上昇すると、図17(a)に示すようにロック体起立戻し片34fをβ方向(反時計回り)に回動してアーム21先端の係合ピン21aを上方へ通過させることが可能となり、障子12を所定の小開口(半開口)角度まで自由に開閉させる状態に戻ることになる。
従って、本発明に係る実施形態2の縦すべり出し窓1の開口部装置2では、ロック機構部34が実施形態1のロック機構部24と同様に動作するので、実施形態1の縦すべり出し窓1の開口部装置2と同様の効果を得ることができる。
また、本発明に係る実施形態2の縦すべり出し窓1の開口部装置2では、ロック機構部34のロック解除制御体34gは弾性変形せずに回動してロック解除維持ピン34a6に係合したり非係合状態となるため、起立戻し片押圧体24b25が弾性変形して係合・倒れ防止ピン24a23に係合したり非係合状態となる実施形態1のロック機構部24よりも耐久性等を向上させることができる。
尚、上記実施形態1,2の説明では、戸先側の縦枠11dにロック機構部24,34やブラケット22等を設ける一方、縦枠11dに対向する縦框12dにアーム21や台座23、切替え機構部25等を設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、縦框12d側にロック機構部24,34やブラケット22等を設ける一方、縦枠11d側にアーム21や台座23、切替え機構部25等を設けても勿論良いし、さらには、上枠11aまたは下枠11b側にロック機構部24,34やブラケット22等を設ける一方、上枠11aまたは下枠11bに対向する上框12aまたは下框12b側にアーム21や台座23、切替え機構部25等を設けても勿論良いし、上枠11aまたは下枠11b側にアーム21や台座23、切替え機構部25等を設ける一方、上框12aまたは下框12b側にロック機構部24,34やブラケット22等を設けるようにしても勿論良い。
また、上記実施形態1,2の説明では、レール部をロック機構部24,34とは別体のブラッケト22として説明したが、本発明ではこれに限らず、例えば、室外側操作ハンドル27を設けない場合には、レール部をロック機構部24,34と一体に設けてもよい。
また、上記実施形態1,2の説明では、本発明に係る開き窓の開口部装置2を縦すべり出し窓1に適用して説明したが、本発明に係る開口部装置は縦すべり出し窓に限定されるものではなく、開き窓であれば、横すべり出し窓や縦軸回転窓、横軸回転窓、外倒し窓等の他の開き窓に対しても適用可能である。
1 縦すべり出し窓
11 窓枠
11a 上枠
11b 下枠
11c 戸尻側の縦枠
11d 戸先側の縦枠
11d1 スライド溝
11d2 室外側操作ハンドル支持金具
11d21 ガイド孔
11d22 ロック孔
12 障子
12a 上框
12b 下框
12c 戸尻側の縦框
12d 戸先側の縦框
12e 断熱複層ガラス
2 開口部装置
21 アーム
21a 係合ピン
21b 回動軸
22 ブラケット(レール部)
22a ピン出入口
22b ピン係合溝
23 台座
23a スライドプレート
23b 連結ピン
24 ロック機構部
24a ロック機構ケース部
24a1 側板部
24a2 底板部
24a21 ケース側スプリング押え部
24a22 板バネ先端逃し孔部
24a23 係合・倒れ防止ピン
24a24 起立戻し片回動制限部
24a3 固定片
24a4 第1支軸
24a5 ロック体回動制限ピン
24a6 第2支軸
24a7 第3支軸
24b スライド体
24b1 側板部
24b11 第1ガイド溝
24b12 第2ガイド溝
24b2 ロック体制御板部
24b21 先端折返し部
24b22 ロック体逃し孔部
24b23 起立戻し片回動制限部通し孔部
24b24 固定ネジ
24b25 起立戻し片押圧体
24b26 係合部
24b3 スライド体側スプリング押え部
24c ロック解除スイッチ
24d 圧縮スプリング
24e ロック体
24e1 板バネ(付勢手段)
24e2 ロック体底部
24f ロック体起立戻し片
24f1 板バネ
24f2 起立用山部
25 切替え機構部
25a 切替え機構部本体
25b 切替スイッチ
25b1 キーシリンダ
25b2 凹部
25b3 連結ピン挿入部
25b4 ロック爪
26 室内側操作ハンドル
26a 係合部
26b 操作ハンドル本体
26c ハンドル部
26d 被係合部
27 室外側操作ハンドル
27a スライド用係合部
27b 凸部
28a 上側連動プレート
28b 中間連動プレート
28c 下側連動プレート
34 ロック機構部
34a ロック機構ケース部
34a1 側板部
34a2 底板部
34a3 固定片
34a4 第1支軸
34a5 ロック体回動制限ピン
34a6 ロック解除維持ピン
34a7 ガイドピン
34b スライド体
34b1 側板部
34b11 起立戻し片・解除制御体支持部
34b12 ガイド溝
34b2 ロック体制御板部
34b21 先端増厚部
34b22 ロック体逃し孔部
34b23 起立戻し片逃し孔部
34b3 スライド体側スプリング押え部
34c ロック解除スイッチ
34d 圧縮スプリング
34e ロック体
34e1 ネジリコイルバネ(付勢手段)
34e2 ロック体底部
34f ロック体起立戻し片
34f1 ネジリコイルバネ(付勢手段)
34f2 制御体当接部
34g ロック解除制御体
34g1 係合部
34g2 起立戻し片当接部
34g3 ネジリコイルバネ(付勢手段)

Claims (5)

  1. 先端側には係合ピンが設けられ、基端側には回動軸が設けられたアームと、
    開き窓の障子を構成する框または窓枠を構成する枠の一方側に設けられ、前記係合ピンが出入りするピン出入口と、そのピン出入口から入った前記係合ピンと係合して窓枠に対し障子が半開口する際の角度に応じた長さのピン係合溝が設けられたレール部と、
    前記框または枠の他方側に設けられ、前記回動軸を介し前記アームを回動可能にすると共に、框または枠の長手方向にスライド可能なスライドプレートと、
    前記レール部が設けられた框または枠に固定され、付勢手段により起立状態に付勢されたロック体が設けられており、前記アーム先端の前記係合ピンが前記レール部のピン係合溝に係合した状態でスライドして障子が窓枠に対し半開口する際に、前記係合ピンが前記ロック体に当接し押圧して前記ロック体を乗り越えると、前記付勢手段により前記ロック体が起立状態に戻ることによって前記ピン出入口方向への前記係合ピンのスライドを防止するロック機構部とを有することを特徴とする開き窓の開口部装置。
  2. 請求項1記載の開き窓の開口部装置において、
    前記ロック機構部には、さらに、
    起立状態の前記ロック体を倒伏状態にして前記ピン出入口方向への前記係合ピンのスライドを許容するロック解除スイッチと、
    前記ロック解除スイッチによって前記ロック体が倒伏状態になって前記係合ピンが前記ピン出入口方向へスライドした際、前記係合ピンが当接して倒伏状態にある前記ロック体を起立状態に戻すロック体起立戻し片とが設けられていることを特徴とする開き窓の開口部装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の開き窓の開口部装置において、
    さらに、
    前記スライドプレートに連結された切替スイッチを備え、ユーザがその切替スイッチを框または枠の長手方向にスライドさせることにより前記スライドプレートを介して前記アームを框または枠の長手方向にスライドさせて、前記アーム先端の係合ピンを前記レール部のピン出入口から出入りさせ、当該係合ピンを前記レール部のピン係合溝に対し離脱状態または係合状態のいずれかの状態に切替える切替え機構部を有することを特徴とする開き窓の開口部装置。
  4. 請求項3に記載の開き窓の開口部装置において、
    前記切替え機構部は、框または枠の見込み面に設けられていることを特徴とする開き窓の開口部装置。
  5. 請求項1~請求項4のいずれか一の請求項に記載の開き窓の開口部装置において、
    前記レール部が設けられた框または枠には、さらに、
    室外側に設けられた室外側操作ハンドルと、
    前記室外側操作ハンドルと前記レール部とを連結した連動プレートとを備えており、
    前記アームの係合ピンが係合状態にあり、かつ、障子が窓枠に閉められている場合に、前記室外側操作ハンドルを作動して連動プレートを框または枠の長手方向にスライドさせることによって、前記アームの係合ピンを前記レール部のピン出入口から出して前記ピン係合溝に対し離脱状態にするように構成されていることを特徴とする開き窓の開口部装置。
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