JP5384266B2 - 開放角度規制装置および建具 - Google Patents
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Description
本発明の開放角度規制装置は、枠体に開閉自在に支持される面材の開放角度を規制する開放角度規制装置であって、前記枠体および面材のうちの一方に一端側が回動自在に支持される角度規制アームと、前記枠体および面材のうちの他方に設けられて前記角度規制アームの他端側に係合可能な規制受け部と、前記規制受け部による前記角度規制アームの他端側の係合状態と非係合状態とを切り替え可能な規制切替手段と、前記角度規制アームの回動時において前記係合状態から非係合状態への切り替わりを規制する係合維持手段とを備え、前記規制切替手段は、前記枠体および面材のうちの一方に移動不能に設けられる支持部材と、この支持部材にスライド自在に支持されるスライド部材とを有し、前記スライド部材に前記角度規制アームの一端側が回動自在に連結されるとともに、当該スライド部材の係合側へのスライドにより前記角度規制アームの他端側を前記係合状態とし、当該スライド部材の非係合側へのスライドにより前記角度規制アームの他端側を前記非係合状態に切り替え可能に構成され、前記係合維持手段は、前記角度規制アームの一端側および前記支持部材の一方に設けられる第1係止部と、他方に設けられて当該角度規制アームの回動時に前記第1係止部に当接可能な第2係止部とを有して構成され、前記第1係止部と第2係止部との当接によって前記スライド部材の非係合側へのスライドが規制され、前記第1係止部は、前記角度規制アームの中間部に設けられる係止段部で構成され、前記第2係止部は、前記支持部材から前記係止段部に向かって突出して形成された係止突部で構成されることを特徴とする。
このような構成によれば、係止突起と係止溝部との当接により、あるいは係止段部と係止突部との当接によって、スライド部材の非係合側へのスライドを規制することで、角度規制アームと支持部材とを加工するだけで係合維持手段を構成することができ、別体の部品を用いる場合と比較して開放角度規制装置の構造を簡単化することができる。
このような構成によれば、スライド部材が非係合側へスライドされた際に、一対の係止突部で角度規制アームを案内することで、面材の全開時における角度規制アームの回動を規制することができる。従って、面材を全開した状態で角度規制アームが想定外の位置に回動してしまって面材を閉じる際の邪魔になったり、面材を閉じた際に規制受け部に係合できなくなったりなどの不具合を防止することができる。
このような構成によれば、操作部に連動する連動部を介してスライド部材をスライドさせることで、係合状態と非係合状態とを切り替えることができる。この際、操作部としては、錠装置を施解錠するとともに面材を開閉操作するための屋内ハンドル等が利用でき、錠装置の施解錠操作と、開放角度規制装置の全半開切り替え操作との両方の操作を屋内ハンドルによって行うことで、部品の兼用による部品点数の削減と意匠性の向上とを図ることができる。そして、連動突起と連動長孔との係合によってスライド部材がスライドするように構成したことで、錠装置の屋内ハンドルを操作部として用いた場合でも、施解錠操作時には連動長孔内部を連動突起が移動するだけで互いに係合しないようにしておき、施解錠操作よりも大きく操作部を操作した場合のみ、連動突起が連動長孔に係合するようにできる。従って、連動突起および連動長孔によって連動部とスライド部材とを連動させる構成を採用したことで、部品点数の増加を招くことなく、かつ操作部の一連の操作によって施解錠および面材の全半開を切り替えることができ、操作性を向上させることができる。
このような構成によれば、前記開放角度規制装置と同様に、半開状態に開放角度を規制した面材が意図せずに全開状態になることが防止できる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である外開き窓1を示す外観姿図である。図2は、外開き窓1の要部を示す展開斜視図である。図3は、外開き窓1における錠装置および開放角度規制装置を示す分解斜視図である。
図1〜図3において、外開き窓1は、建物開口部に設けられる枠体としての方立2および無目3と、これらの方立2および無目3で囲まれた内部に開閉自在に支持される面材としての障子4とを有して構成されている。障子4は、上框5、下框6および左右の縦框7を四周框組みした内部に、ガラスパネル8を嵌め込んで構成されている。この障子4は、一方側(図1の右側)の縦框7が図示しないヒンジ装置などを介して方立2に支持され、他方側(図1の左側)の縦框7が屋外側に開放可能に構成されている。そして、外開き窓1には、方立2および無目3に対して障子4を施解錠する錠装置であるグレモン錠10と、障子4の開放角度を規制する開放角度規制装置としての全半開装置20とが設けられている。
先ず、障子4が閉鎖されてグレモン錠10が施錠された状態において、全半開装置20の操作つまみ28を上方にスライドさせれば、図2に示すように、スライド部材24に軸支された角度規制アーム25の被係合ピン253が受け部材22の案内溝221の下端部に挿通された係合状態となる。この係合状態において、グレモン錠10の操作ハンドル14を開操作することで、図4に示すように、リンケージバー16が下降して解錠されるものの、リンケージバー16は、ベース部材23と縦框7との間でスライドするのみで、スライド部材24が移動することはない。このようにグレモン錠10を解錠してから障子4を屋外側に開放すれば、角度規制アーム25の被係合ピン253が受け部材22の案内溝221内を上方に移動し、この案内溝221と被係合ピン253との係合によって、角度規制アーム25を介して障子4の開放角度が規制されるようになっている。
(1)すなわち、障子4の半開状態において、角度規制アーム25の回動に応じて係止段部257と係止突部232とが当接可能となり、また係止突起255と係止溝部264とが当接可能となることで、角度規制アーム25と受け部材22との係合状態が維持され、意図せずに障子4が全開状態になることが防止できる。
次に、図13〜図16に基づいて本発明の第2実施形態を説明する。
図13は、第2実施形態の錠装置および開放角度規制装置を示す側面図および断面図である。図14は、開放角度規制装置を示す斜視図である。図15および図16は、錠装置および開放角度規制装置の動作を示す側面図および断面図である。
本実施形態の錠装置であるグレモン錠10Aおよび開放角度規制装置である全半開装置20Aでは、全半開装置20Aを非係合状態に切り替える規制切替手段の構成が前記第1実施形態と相違している。以下、相違点を詳しく説明する。
(3)すなわち、グレモン錠10Aの操作ハンドル14を全開位置まで回動操作することにより全半開装置20Aを非係合状態として障子4が全開できるので、操作ハンドル14とは別体の操作つまみを設ける必要がなくなり、部品点数の削減を図ることができるとともに、一連の操作で施錠、半開、全開を切り替えることができ、利便性を向上させることができる。
次に、図17に基づいて本発明の第3実施形態を説明する。
図17は、第3実施形態の開放角度規制装置の一部を示す分解斜視図である。
本実施形態の開放角度規制装置である全半開装置20Bは、第1実施形態の全半開装置20と角度規制アームおよび規制受け部の構成が相違している。以下、相違点を詳しく説明する。
(4)すなわち、方立2に固定した受け部材22Cは規制ピン223を備えるだけの簡単な構造であるため、障子4を開放した際に屋内側から見える方立2の見込み面に複雑な構造の部材を設ける必要がなくなり、外開き窓1の意匠性が良好にできる。
次に、図18に基づいて本発明の第4実施形態を説明する。
図18は、第4実施形態の開放角度規制装置の一部を示す分解斜視図である。
本実施形態の開放角度規制装置である全半開装置20Cは、第1実施形態の全半開装置20と全半開装置本体21Cの構成が相違している。以下、相違点を詳しく説明する。
全半開装置本体21Cは、第1実施形態と略同様のベース部材23、スライド部材24、角度規制アーム25、案内部材26およびコイルばね27を備えるとともに、角度規制アーム25と案内部材26との間に介挿される樹脂製の樹脂部材29をさらに備えて構成されている。
(5)すなわち、角度規制アーム25と案内部材26との間に樹脂部材29を介挿することで、スライド部材24の上下スライドが円滑にできる。さらに、全開状態にスライドした際に樹脂部材29が角度規制アーム25を押さえ付けて移動を規制できるので、全開した障子4を閉じる際に、角度規制アーム25が方立2や受け部材22などに衝突することが防止でき、受け部材22に対して所定位置に戻すことで、スライド部材24を上方にスライドさせた際に、角度規制アーム25の被係合ピン253を受け部材22に適切に係合させて半開状態とすることができる。
例えば、前記実施形態においては、外開き窓1について説明したが、本発明の開放角度規制装置は、縦辷り出し窓などにも利用することが可能である。また、方立2および無目3からなる枠体に面材である障子4が支持されるものに限らず、枠体としては、枠材を四周枠組みした窓枠であってもよく、面材としては、単体のパネル材等から構成されるものであってもよい。
また、前記実施形態では、錠装置本体11や全半開装置本体21を面材である障子4に設け、錠受け部12や受け部材22,22Cを枠体である方立2に設けたが、これに限らず、枠体側に錠装置本体や全半開装置本体を設け、面材側に錠受け部や規制受け部を設けてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 枠体に開閉自在に支持される面材の開放角度を規制する開放角度規制装置であって、
前記枠体および面材のうちの一方に一端側が回動自在に支持される角度規制アームと、
前記枠体および面材のうちの他方に設けられて前記角度規制アームの他端側に係合可能な規制受け部と、
前記規制受け部による前記角度規制アームの他端側の係合状態と非係合状態とを切り替え可能な規制切替手段と、
前記角度規制アームの回動時において前記係合状態から非係合状態への切り替わりを規制する係合維持手段とを備え、
前記規制切替手段は、前記枠体および面材のうちの一方に移動不能に設けられる支持部材と、この支持部材にスライド自在に支持されるスライド部材とを有し、前記スライド部材に前記角度規制アームの一端側が回動自在に連結されるとともに、当該スライド部材の係合側へのスライドにより前記角度規制アームの他端側を前記係合状態とし、当該スライド部材の非係合側へのスライドにより前記角度規制アームの他端側を前記非係合状態に切り替え可能に構成され、
前記係合維持手段は、前記角度規制アームの一端側および前記支持部材の一方に設けられる第1係止部と、他方に設けられて当該角度規制アームの回動時に前記第1係止部に当接可能な第2係止部とを有して構成され、前記第1係止部と第2係止部との当接によって前記スライド部材の非係合側へのスライドが規制され、
前記規制切替手段には、前記スライド部材を係合側に付勢する付勢手段が設けられている開放角度規制装置。 - 前記第1係止部は、前記角度規制アームの一端側に設けられる係止突起で構成され、前記第2係止部は、前記支持部材に形成されて前記係止突起を受け入れ可能な係止溝部で構成される請求項1に記載の開放角度規制装置。
- 枠体に開閉自在に支持される面材の開放角度を規制する開放角度規制装置であって、
前記枠体および面材のうちの一方に一端側が回動自在に支持される角度規制アームと、
前記枠体および面材のうちの他方に設けられて前記角度規制アームの他端側に係合可能な規制受け部と、
前記規制受け部による前記角度規制アームの他端側の係合状態と非係合状態とを切り替え可能な規制切替手段と、
前記角度規制アームの回動時において前記係合状態から非係合状態への切り替わりを規制する係合維持手段とを備え、
前記規制切替手段は、前記枠体および面材のうちの一方に移動不能に設けられる支持部材と、この支持部材にスライド自在に支持されるスライド部材とを有し、前記スライド部材に前記角度規制アームの一端側が回動自在に連結されるとともに、当該スライド部材の係合側へのスライドにより前記角度規制アームの他端側を前記係合状態とし、当該スライド部材の非係合側へのスライドにより前記角度規制アームの他端側を前記非係合状態に切り替え可能に構成され、
前記係合維持手段は、前記角度規制アームの一端側および前記支持部材の一方に設けられる第1係止部と、他方に設けられて当該角度規制アームの回動時に前記第1係止部に当接可能な第2係止部とを有して構成され、前記第1係止部と第2係止部との当接によって前記スライド部材の非係合側へのスライドが規制され、
前記第1係止部は、前記角度規制アームの中間部に設けられる係止段部で構成され、前記第2係止部は、前記支持部材から前記係止段部に向かって突出して形成された係止突部で構成される開放角度規制装置。 - 前記係止突部は、左右一対で構成され、前記スライド部材が非係合側へスライドされた際に前記角度規制アームが前記一対の係止突部間に案内される請求項3に記載の開放角度規制装置。
- 枠体に開閉自在に支持される面材の開放角度を規制する開放角度規制装置であって、
前記枠体および面材のうちの一方に一端側が回動自在に支持される角度規制アームと、
前記枠体および面材のうちの他方に設けられて前記角度規制アームの他端側に係合可能な規制受け部と、
前記規制受け部による前記角度規制アームの他端側の係合状態と非係合状態とを切り替え可能な規制切替手段と、
前記角度規制アームの回動時において前記係合状態から非係合状態への切り替わりを規制する係合維持手段とを備え、
前記規制切替手段は、前記枠体および面材のうちの一方に移動不能に設けられる支持部材と、この支持部材にスライド自在に支持されるスライド部材とを有し、前記スライド部材に前記角度規制アームの一端側が回動自在に連結されるとともに、当該スライド部材の係合側へのスライドにより前記角度規制アームの他端側を前記係合状態とし、当該スライド部材の非係合側へのスライドにより前記角度規制アームの他端側を前記非係合状態に切り替え可能に構成され、
前記係合維持手段は、前記角度規制アームの一端側および前記支持部材の一方に設けられる第1係止部と、他方に設けられて当該角度規制アームの回動時に前記第1係止部に当接可能な第2係止部とを有して構成され、前記第1係止部と第2係止部との当接によって前記スライド部材の非係合側へのスライドが規制され、
前記枠体および面材のうちの一方には、室内側から操作可能な操作部と、この操作部に連動して前記スライド部材のスライド方向と平行に移動自在な連動部とが設けられ、
前記スライド部材と前記連動部とのいずれか一方には、他方に向かって突出する連動突起が設けられ、他方には、前記連動突起を挿通可能でかつ前記スライド方向に長く形成された連動長孔が設けられ、前記操作部の全開側への操作により前記連動突起と連動長孔とが係合して前記スライド部材がスライドし、前記角度規制アームの他端側が非係合状態に切り替えられる開放角度規制装置。 - 建物開口部に設けられる枠体と、この枠体に開閉自在に支持される面材と、前記枠体に対して前記面材の開放角度を規制する請求項1から請求項5のいずれかに記載の開放角度規制装置とを備える建具。
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