JP7333541B2 - 発泡成形型及び発泡成型装置 - Google Patents
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Description
以上、本発明に係る発泡成形型の一実施形態を説明したが、その他の態様でも種々構成することができる。以下の実施例において、上記実施例と共通するところは図面に同一の符号を付して説明を省略することがある。
上述の実施例では図1(b)に示すように、開口部28の両側にコアベント式の第2の蒸気孔30を設けていたため凸条24の幅が広くなっていたが、同図(c)に示すように、開口部28の片側にのみ第2の蒸気孔30を設け、第2の蒸気孔30の配置を交互に反対側になるように設けても良い。第2の蒸気孔30を開口部28の片側に設けることにより、他の片側の開口部28の側に凸条24の側面を寄せることができる。その結果、開口部28は凸条24に対してジグザグ状に配置されることになるが、凸条24の幅を狭くすることができる。
図2(a)に示すように、第2成形型14の成形面16に設けられる凸条34にはスリット状の蒸気孔(第2の蒸気孔)36が形成されるのも好ましい。第2の蒸気孔36は、幅0.5mmから1.8mmで、直線状にメタルソーなどによって切削加工されたり、レーザー加工されたりしたものである。第2の蒸気孔36の幅は、予備発泡された発泡性樹脂ビーズの粒径よりも狭く設定される。第2の蒸気孔36は、凸条34にほぼ等間隔で突出方向に形成された開口部28に通じるように形成されている。第2の蒸気孔36が開口部28に通じる深さは約1mm程度あれば良く、第2の蒸気孔36の幅が維持できれば良い。また、第2の蒸気孔36は、突出方向に対して1本であっても良く、あるいは間欠的に複数本で形成されてもよく、長さは限定されない。第2の蒸気孔36をスリット状とすることにより、凸条34の幅を狭くすることができる。
また、図2(c)に示すように、前述の図1(c)と同様に、開口部28の片側にのみ第2の蒸気孔36を設け、第2の蒸気孔36の配置を交互に反対側になるように設けても良い。第2の蒸気孔36を開口部28の片側に設けることにより、他の片側の開口部28の側に凸条34の側面を寄せることができる。その結果、開口部28は凸条34に対してジグザグ状に配置されることになるが、更に凸条34の幅を狭くすることができる。
図3及び図4(a)(b)に示すように、凸条38は、2枚の平板40,40が隙間42を開けて重ねられて構成され、その隙間42の一端は第2成形型14の裏面18に開放されて開口部44とされ、他端45及び両側面は閉塞され、更に平板40,40の両平面には第2の蒸気孔36が形成されている。2枚の平板40,40の間には適宜箇所に図示しない補強材を設け、キャビティ20内で発泡させられた発泡性樹脂ビーズの圧力で平板40,40が変形させられないようにするのが好ましい。補強材を設けるまでもなく、平板40,40の厚みを十分に厚く設定することも好ましい。隙間42の一端である開口部44側は第2成形型14の金型の一部を構成するように固定され、第2成形型14の裏面18側に開放され、蒸気が流入し又は流出し得るようにされる。開口部44は、第2成形型14の開放端だけでなく、隙間42も開口部44として機能させられる。平板40,40の他端45及び両側面はスポット溶接などにより接合されているのが好ましい。平板40,40の両平面に形成される第2の蒸気孔36は、凸条38を構成した後に切削などによって形成しても良いが、平板40,40の状態で予め打ち抜き加工、レーザー加工、あるいは切削加工などによって形成しておき、プレス加工などによって凸条38を構成しても良い。
次に、図5(a)(b)に示すように、凸条46に形成される第2の蒸気孔36は、互いに対向しない位置に設けても良い。第2の蒸気孔36から噴出した蒸気によって発泡させられた発泡性樹脂ビーズは、第2の蒸気孔36の形状に沿って食い込むように盛り上がって形成される。このため、発泡成型品である断熱板100の深溝102に第2の蒸気孔36の形状が突出した形状で残ることになり、断熱板100の設置時に深溝102が狭められたとき、第2の蒸気孔36の盛り上がり形状が互いに干渉することがない。また、開口部44として機能する隙間42を介して第2の蒸気孔36から噴出する蒸気が内部に溜まって噴出することが期待され、全ての第2の蒸気孔36からバランス良く蒸気がでる。本実施例においても、前述と同様の効果が得られる。
次に図6に示すように、キャビティ20内を間隔26を開けて分断する凸条24に形成される蒸気孔は、狭い空間32側にはスリット式蒸気孔(第2の蒸気孔)36、広い空間33側にはキリ穴式蒸気孔(第2の蒸気孔)37を設けるのが好ましい。すなわち、狭い空間32は図10に示す断熱板100の辺部近傍部101を形成し、広い空間33は断熱板100の中央部を形成する。キリ穴式蒸気孔37は内径約1.0mm前後の貫通孔であり、発泡性樹脂ビーズが通過し得ない穴で、1又は複数個形成される。キリ穴式蒸気孔37の長さは特に限定されないが、長いと空気抵抗が大きい。したがって、キリ穴式蒸気孔37は長さによっても空気の流れが抑制される。一方、スリット式蒸気孔36は、幅が約0.8mmから1.5mm程度の線状スリットであり、連続形態でも、断続形態でも良い。スリット式蒸気孔36は、空気の流れが非常に良く、コアベント式の蒸気孔22よりも空気の流れが良い。
次に図7(a)(b)(c)に示すように、凸条48は櫛歯状に形成することも可能である。凸条48は、複数の短冊状のプレート50を、隙間52を開けてベース54に並設して櫛歯状にしたものである。プレート50とプレート50とが隙間52を開けて形成された箇所のベース54には開口部56が設けられ、開口部56と隙間52とは連通させられている。開口部56は、隙間52を除いてプレート50の端部で塞がれているのが好ましいが、発泡性樹脂ビーズが通過し得ない程度の孔が開いていても良い。
上記実施例では、短冊状のプレート50の隙間52が形成される側の端部は、直角に形成していたが、図8に示すように、凸条58を構成するプレート60の両端に角度を付けて隙間62を形成しても良い。隙間62に角度をつけても蒸気の流れに障害はない。一方、凸条58によって形成された図9に示す深溝102の壁面に形成される蒸気孔の跡である凸部は互い違いになっており、干渉することがない。前記実施例と同様に、隙間62が開口部として、あるいは第2の蒸気孔として機能する。
次に図9に示すように、凸条64を短冊状のプレート50によって構成するだけでも良い。第1成形型12の第1の蒸気孔22からキャビティ20内に噴出された蒸気は、凸条64の隙間66を通って第2成形型14の第1の蒸気孔22から外部に排出される。逆に、第2成形型12の第1の蒸気孔22からキャビティ20内に噴出された蒸気は、凸条64の隙間66を通って第1成形型14の第1の蒸気孔22から外部に排出される。キャビティ20内の蒸気の流れを良くするために、凸条64を構成するプレート50の幅を細くし、プレート50の本数を増やして、隙間66の数を増やすのが好ましい。
断熱板などの発泡成型体に深溝を形成するための凸条の実施形態を種々説明したが、かかる実施形態に限定されるものではない。以下図示を省略するが、たとえば、凸条の側面形状は、両平面が平行をなしていても良いが、片面又は両面に抜き勾配を形成するのが好ましい。勾配の角度は限定されない。
12:第1成形型
14:第2成形型
16:成形面
18:裏面
20:キャビティ
22:第1の蒸気孔
24、34、38、46,48、58、64:凸条
26:間隔
28、44:開口部
30、36:第2の蒸気孔
40:平板
42:隙間
50、60:プレート
52、62、66:隙間(開口部、第2の蒸気孔)
56:開口部(開口部)
Claims (8)
- 成形面と裏面を有し、該成形面と裏面とを貫通する第1の蒸気孔が形成された第1成形型及び第2成形型を備え、前記第1成形型の成形面及び第2成形型の成形面から成るキャビティに充填された発泡性樹脂ビーズを加熱発泡させて発泡成型品を製造する発泡成形型において、
前記第1成形型及び第2成形型のいずれか一方の成形面から他方の成形面に向かって、その他方の成形面との間に間隔を開けて突出し、前記キャビディを狭い空間と広い空間とに仕切る凸条をさらに備え、
前記凸条には、その内部に前記裏面から突出方向に蒸気を流通させる開口部が形成されているとともに、その両側面に前記開口部を前記狭い空間又は前記広い空間と連通させる第2の蒸気孔が開口しており、
前記第2の蒸気孔は、前記キャビリティに発泡性樹脂を充填する場合に、前記狭い空間に開口する前記第2の蒸気孔の方が前記広い空間に開口する前記第2の蒸気孔よりも排気量が多くなるように構成されている発泡成形型。 - 前記キャビティは前記凸条により間隔を開けて狭い空間と広い空間とに分断され、該凸条の表面に形成される蒸気孔は、前記狭い空間側にはスリット式の蒸気孔が形成され、前記広い空間側にはキリ穴式の蒸気孔が形成されている前記請求項1に記載の発泡成形型。
- 前記凸条の片面又は両面に抜き勾配が形成されている前記請求項1又は2のいずれかに記載の発泡成形型。
- 前記凸条の先端部が半円柱形状又は多角形状である前記請求項1乃至3のいずれかに記載の発泡成形型。
- 成形面と裏面を有し、該成形面と裏面とを貫通する第1の蒸気孔が形成された第1成形型及び第2成形型を備え、前記第1成形型の成形面及び第2成形型の成形面から成るキャビティに充填された発泡性樹脂ビーズを加熱発泡させて発泡成型品を製造する発泡成形型において、
前記第1成形型及び第2成形型のいずれか一方の成形面から他方の成形面に向かって間隔を開けて突出する凸条を構成する複数のプレートを隙間を開けて設け、該隙間が蒸気のみを通過させる第2の蒸気孔として機能し得る発泡成形型。 - 前記複数の凸条の間に形成された隙間が設けられた成形面と該成形面に対応する裏面とを貫通する開口部を設けた前記請求項5に記載の発泡成形型。
- 前記複数のプレートの隣接する端部が傾斜している前記請求項5又は6のいずれかに記載の発泡成形型。
- 前記請求項1乃至7のいずれかに記載の発泡成形型を備えた発泡成形装置。
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JP2019145256A JP7333541B2 (ja) | 2019-08-07 | 2019-08-07 | 発泡成形型及び発泡成型装置 |
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