JP2003340858A - 型内発泡成形装置及び成形方法 - Google Patents

型内発泡成形装置及び成形方法

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JP2003340858A
JP2003340858A JP2002150653A JP2002150653A JP2003340858A JP 2003340858 A JP2003340858 A JP 2003340858A JP 2002150653 A JP2002150653 A JP 2002150653A JP 2002150653 A JP2002150653 A JP 2002150653A JP 2003340858 A JP2003340858 A JP 2003340858A
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Japan
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mold
sound absorbing
hole
molding
molded product
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JP2002150653A
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English (en)
Inventor
Izumi Ibata
泉 伊場田
Masahiko Samejima
昌彦 鮫島
Kenji Yamaguchi
健二 山口
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸音材に対して吸音孔を成形するための複数
の吸音孔成形部を活用して、成形品の離型性を向上した
り、生産性を向上したり、内部融着率を向上可能な型内
発泡成形装置及び成形方法を提供する。 【解決手段】 複数の吸音孔を有する吸音材を成形する
ための型内発泡成形装置10であって、1組の金型1
1,12のうちの少なくとも、エジェクタピン15を備
えたキャビティ型11に、吸音孔を成形するための吸音
孔成形部30を形成し、キャビティ型11に対する吸音
材の離型抵抗をエジェクタピン15を備えていないコア
型12の離型抵抗よりも大きく設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有底孔や貫通孔を
有する吸音材を製作するのに好適な型内発泡成形装置及
び成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】型内発泡成形方法で成形した吸音材とし
て、特開平4−266942号公報には、熱可塑性合成
樹脂材料からなる予備発泡ビーズを成形空間内に充填
し、この予備発泡ビーズをビーズ間に空隙が形成される
ように加熱融着させて成形し、空隙部分により吸音効果
が得られるようになした吸音材が記載されている。
【0003】一方、吸音材として、例えば特開2000
−46283号公報には、壁面を覆うように装着される
ポリウレタン発泡体を用いた板状の防音材であって、防
音材のうちの壁面側に複数の空洞部を所定の配列で形成
したものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記型内発
泡成形方法においては、成形品の離型時に、コア型とキ
ャビティ型とを型開きした状態で、エジェクタピンを有
する金型側に成形品を残す必要があるが、成形品形状に
よっては、エジェクタピンを有する金型側に安定的に成
形品を残すことが困難になることがある。特に、ポリオ
レフィン系合成樹脂からなる予備発泡ビーズを用いた場
合は、ポリスチレン系合成樹脂からなる予備発泡ビーズ
を用いた場合よりも、素材自体が軟質で柔軟性に富むこ
とから、成形品が金型に密着し、離型不良の問題が発生
し易い。
【0005】また、予備発泡ビーズを加熱融着させる際
には、金型の背面側のチャンバーから成形空間内へ蒸気
を供給することになるが、成形品が厚肉になると、成形
空間の厚さ方向の中央部側へ行くにしたがって予備発泡
ビーズが加熱され難くなり、予備発泡粒子間の融着率の
低下を引き起こしやすく、成形品強度の低下による製品
不良率が増加しやすくなる。一方、成形品強度を充分に
確保するため、加熱時間を長く設定するなどして、成形
品の厚さ方向の中央部を充分に加熱すると、加熱時間及
び冷却時間が長くなり、生産性が低下するという問題が
ある。つまり、成形品強度と生産性の両立を図ることが
困難であった。
【0006】本発明の目的は、吸音材に対して複数の吸
音孔を成形するための吸音孔成形部を活用して、成形品
の離型性を向上したり、生産性を向上したり、内部融着
率を向上可能な型内発泡成形装置及び成形方法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明に係
る型内発泡成形装置は、複数の吸音孔を有する成形品を
成形するための型内発泡成形装置であって、1組の金型
のうちの少なくとも、エジェクタピンを備えた第1金型
に、吸音孔を成形するための吸音孔成形部を形成し、第
1金型に対する成形品の離型抵抗をエジェクタピンを備
えていない第2金型の離型抵抗よりも大きく設定したも
のである。
【0008】この成形装置では、エジェクタピンを備え
た第1金型に、吸音孔を成形するための吸音孔成形部を
設け、第1金型に対する成形品の離型抵抗を第2金型に
対する成形品の離型抵抗よりも大きく設定しているの
で、型開きしたときに第1金型側に確実に成形品を残す
ことが可能となり、成形品の離型作業の安定性を格段に
向上できる。
【0009】ここで、前記両金型に吸音孔を成形するた
めの吸音孔成形部をそれぞれ形成し、第1金型の吸音孔
成形部に対する成形品の離型抵抗を、第2金型の吸音孔
成形部に対する成形品の離型抵抗よりも大きく設定して
もよい。この場合には、前記と同様に成形品の離型作業
の安定性を向上できるとともに、吸音孔の形状や配置に
対する多様性を拡大できる。
【0010】前記成形品に形成する複数の吸音孔として
有底孔又は貫通孔を設けるか、或いは有底孔と貫通孔と
を混在させてもよい。
【0011】前記吸音孔の断面形状が奧部側へ行くにし
たがって連続的或いは段階的に変化させてもよい。吸音
孔の断面形状が連続的或いは段階的に変化すると、幅広
い周波数帯域の騒音を減衰することが可能となる。ま
た、吸音孔の断面形状や深さによっても、吸音可能な周
波数特性を調整することが可能となる。さらには、前記
吸音孔の断面形状を奧部側へ行くにしたがって連続的或
いは段階的に縮径させることにより、第1金型からの離
型性を向上させることができる。また、第2金型の離型
抵抗が大きい場合には、第1金型の吸音孔成形部により
形成される前記吸音孔の断面形状を開口部側へ行くにし
たがって連続的或いは段階的に縮径させたり、第2金型
の吸音孔成形部により形成される前記吸音孔の断面形状
を奧部側へ行くにしたがって連続的或いは段階的に縮径
させたり、両者を組み合わせたりすることにより、第1
金型の離型抵抗が第2金型よりも大きくなるように調整
することができ、離型性を向上できる。但し、貫通孔か
らなる吸音孔における奧部側とは、吸音孔成形部の先端
側で成形される部分側を意味するものとする。
【0012】前記吸音孔成形部に、両金型を型閉じして
形成される成形空間と、金型の背面側に形成されるチャ
ンバとを連通する通気孔を形成してもよい。この場合に
は、成形空間の厚さ方向の中央部付近に吸音孔成形部の
通気孔が開口することになるので、成形品の厚さ方向の
中央部を効率的に加熱したり冷却することが可能とな
り、成形品内部におけるビーズの融着率を高めて、成形
品強度を向上しつつ生産性を向上できる。
【0013】前記吸音孔成形部を金型に対して交換可能
に取り付けてもよい。この場合には、吸音材の使用条件
などに応じて吸音孔の形状を調整することで、吸音可能
な周波数特性を容易に変更することが可能となる。
【0014】本発明に係る型内発泡成形方法は、前記請
求項1〜6のいずれか1項記載の型内発泡成形装置を用
い、先ず1組の金型を型閉じした状態で、成形空間内に
予備発泡ビーズを充填し、次に金型内において予備発泡
ビーズを加熱融着し、次に金型内において成形品を冷却
し、次に型開きして成形品を第1金型に残してエジェク
タピンで成形品を離型するものである。
【0015】この成形方法では、前記成形装置を用いて
いるので、離型時に第1金型に成形品を残すことが可能
となり、エジェクタピンで成形品を離型出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。先ず、吸音材1の構成
について説明する。図1〜図3に示すように、吸音材1
は、後述する型内発泡成形装置10で製作され、その表
面から内部側へ向けて形成した複数の吸音孔2により外
部の騒音を減衰して吸音するもので、外観形状や各部の
サイズは適用部位の構成に応じて適宜に設定されてい
る。
【0017】吸音材1に形成する吸音孔2の断面形状や
各部のサイズや配列も、減衰させる騒音の周波数などに
応じて適宜に設定され、例えば、図1(a)に示す吸音
材1Aのように、有底孔からなる吸音孔2Aを形成して
もよいし、図1(b)に示す吸音材1Bのように、貫通
孔からなる吸音孔2Bを形成してもよいし、図1(c)
に示す吸音材1Cのように、有底孔からなる吸音孔2A
と貫通孔からなる吸音孔2Bとを混在させてもよい。
【0018】また、図2(a)に示す吸音材1Dのよう
に、奧部側へ向けて縮径するテーパー孔からなる吸音孔
2Dを形成してもよいし、開口部側へ向けて縮径するテ
ーパー孔に形成してもよいし、図2(b)に示す吸音材
1Eのように、奧部側へ向けて縮径するように、途中部
に1乃至複数の段部3を設けた段付き孔からなる吸音孔
2Eを形成してもよいし、開口部側へ向けて縮径するよ
うに、途中部に1乃至複数の段部3を設けた段付き孔か
らなる吸音孔を形成してもよいし、段付き孔とテーパー
孔とを組み合わせても良い。
【0019】更に、吸音孔2として有底孔を用いる場合
には、例えば図3に示す吸音材1Fのように、上面側を
開口させた吸音孔2Aと下面側を開口させた吸音孔2A
とを混在させてもよい。
【0020】吸音孔2の横断面形状は、円形でもよいし
楕円形でもよいし、4角形や6角形などの多角形状でも
よいし、異形の吸音孔2を混在させてもよい。吸音孔2
の配列は、行方向と列方向とに一定間隔おきのマトリッ
クス状に配置しても良いし、吸音特性等を考慮して、マ
トリックス状以外の任意の配列、例えば隣接する行又は
列のピッチをずらした千鳥状に配置させてもよい。
【0021】吸音孔2の具体的サイズは、吸音性能を確
保するため直径1mm〜15mmに設定することが好ま
しい。但し、直径15mm以上に構成することも可能で
ある。また、後述するように吸音孔成形部30内にチャ
ンバに連通する空間を形成する場合には、直径5mm以
上に設定することになる。また、隣接する吸音孔2の間
隔は、予備発泡ビーズの直径が約3mm程度であること
から、予備発泡ビーズの充填性を考慮して5mm以上に
設定することが好ましい。更に、吸音孔2として有底孔
を形成する場合には、予備発泡ビーズが通過する流路を
確保するため、吸音孔2の底面の板厚を10mm以上に
設定することになる。
【0022】このような吸音材1は、建築物の壁や床や
天井などにおける吸音材として活用できるし、自動車や
電車などの車両の内装材として用いることも可能である
し、騒音発生源を有する各種装置等の外装材や内装材と
して用いることも可能である。
【0023】次に、吸音材1を成形するための型内発泡
成形装置10について説明する。図4に示すように、型
内発泡成形装置10は、対向配置した1組の金型として
のキャビティ型(第1金型)11及びコア型(第2金
型)12と、キャビティ型11とコア型12とを型閉じ
して形成される成形空間13内に空気の流れに乗せて予
備発泡ビーズを充填するための充填器14と、成形空間
13内を減圧する減圧手段と、成形空間13内へ圧縮空
気を供給する圧縮空気供給手段と、成形空間13内に充
填された予備発泡ビーズを蒸気により加熱し、発泡融着
させる蒸気供給手段と、成形した吸音材1を離型するた
めのエジェクタピン15とを備えている。
【0024】キャビティ型11及びコア型12は、枠状
フレーム20と裏板21とを有するハウジング22にそ
れぞれ取り付けられ、キャビティ型11の背面側には第
1チャンバ23が形成され、コア型12の背面側には及
び第2チャンバ24がそれぞれ形成されている。キャビ
ティ型11及びコア型12には、成形空間13と第1チ
ャンバ23及び第2チャンバ24を連通するコアベント
やコアベントホールなどからなる通気孔25が形成され
ている。
【0025】第1チャンバ23及び第2チャンバ24は
用役弁SV1、SV2を介して図示外の蒸気供給手段及
び空気供給手段にそれぞれ接続されるとともに、ドレン
弁DV1、DV2を介してドレン管及び減圧手段にそれ
ぞれ接続されている。また、第1及び第2チャンバ2
3、24にはキャビティ型11とコア型12の背面に対
して冷却水を噴霧する図示外のノズルユニットがそれぞ
れ設けられている。
【0026】エジェクタピン15を備えたキャビティ型
11には吸音材1の吸音孔2を成形するための吸音孔成
形部30が成形空間13内に突出状に形成され、吸音孔
2を成形するための吸音孔成形部30を活用することで
金型を複雑化することなく、キャビティ型11に対する
吸音材1の離型抵抗がエジェクタピン15を備えていな
いコア型12の離型抵抗よりも大きくなるように構成さ
れている。そして、このようにキャビティ型11の離型
抵抗をコア型の離型抵抗よりも大きく設定することで、
吸音材1の成形後、型開きしたときに、エジェクタピン
15を有するキャビティ型11に吸音材1を安定的に残
すことが可能となり、吸音材1の離型性を向上できる。
尚、離型抵抗の調整は吸音孔成形部30の個数や形状や
深さ、即ち吸音孔2の個数や形状や深さなどによって調
整することになる。
【0027】例えば、吸音材1として、図1(a)に示
す吸音材1Aを成形する場合には、図4,図5(a)に
示すように、吸音孔成形部30として、吸音孔2Aに適
合するように、コア型12付近まで延びる有底な円筒状
の吸音孔成形部30Aをキャビティ型11に設けること
になり、また図1(b)に示す吸音材1Bを成形する場
合には、図5(b)に示すように、吸音孔成形部30と
して、吸音孔2Bに適合するように、コア型12まで延
びる有底な円筒状の吸音孔成形部30Bをキャビティ型
11に設けることになり、図1(c)に示す吸音材1C
を成形する場合には、図5(c)に示すように、吸音孔
成形部30として、吸音孔2A、2Bに適合するように
吸音孔成形部30A、30Bを設けることになる。尚、
吸音孔2として貫通孔を形成する場合には、キャビティ
型11の離型抵抗がコア型12の離型抵抗よりも大きく
なるように設定されていれば、キャビティ型11からコ
ア型12側へ向けて延びる吸音孔成形部30Bの一部を
省略して、コア型12からキャビティ型11側へ延びる
吸音孔成形部に置き換えてもよいし、吸音孔2の形成位
置に対応させて両金型11,12に吸音孔成形部をそれ
ぞれ形成し、両成形空間13の厚さ方向の途中部で、両
吸音孔成形部を突き合わせてもよい。
【0028】また、吸音材1として、図2(a)に示す
吸音材1Dを成形する場合には、図6(a)に示すよう
に、吸音孔成形部30として、吸音孔2Dに適合するよ
うに、コア型12側へ行くにしたがって縮径する円錐台
状の吸音孔成形部30Bをキャビティ型11に設けるこ
とになり、図2(b)に示す吸音材1Eを成形する場合
には、図6(b)に示すように、吸音孔成形部30とし
て、吸音孔2Bに適合するように、コア型12側へ行く
にしたがって段階的に縮径する吸音孔成形部30Eをキ
ャビティ型11に設けることになる。このように吸音孔
2をテーパー孔や段付き孔で構成する場合には、キャビ
ティ型11からの吸音材1の離型性を向上させることが
できる。また、コア型12に対する離型抵抗が大きい場
合には、キャビティ型11の吸音孔成形部30により形
成される吸音孔2の断面形状を開口部側へ行くにしたが
って連続的或いは段階的に縮径させたり、コア型12の
吸音孔成形部30により形成される吸音孔2の断面形状
を奧部側へ行くにしたがって連続的或いは段階的に縮径
させたり、両者を組み合わせることにより、キャビティ
型11の離型抵抗をコア型12よりも大きくなるように
調整して、キャビティ型11に成形品が残るように構成
してもよい。
【0029】更に、吸音材1として、図3に示す吸音材
1Fを成形する場合には、図7に示すように、吸音孔成
形部30として、吸音孔2Aに適合するように、キャビ
ティ型11及びコア型12に吸音孔成形部30Aを形成
することになる。この場合にはキャビティ型11の吸音
孔成形部30に対する吸音材1の離型抵抗を、コア型1
2の吸音孔成形部30に対する吸音材1の離型抵抗より
も大きく設定することになる。
【0030】尚、図1〜図3に示していない吸音材に関
しても、吸音孔に適合するように、対応する金型に吸音
孔成形部を形成することで該吸音材を成形可能な型内発
泡成形装置を構成できる。また、本実施例では、キャビ
ティ型11にエジェクタピン15を設けた場合について
説明したが、コア型12にエジェクタピン15を設ける
場合には、吸音孔成形部30をコア型12に設けて、コ
ア型12の離型抵抗をキャビティ型11の離型抵抗より
も大きく設定することになる。
【0031】吸音孔成形部30は中実に構成してもよい
が、図4に示すように中空に構成すると、吸音孔成形部
30の内面側に冷却水を吹き付けることが可能となり、
冷却時間を短縮して生産性を高めることが可能となる。
また、吸音孔成形部30に成形空間13とキャビティ型
11の背面側の第1チャンバ23とを連通する、通気孔
25と同様の構成の通気孔25Aを形成し、この通気孔
25Aから成形空間13に対して蒸気等を供給したり、
吸音孔成形部30の内面側に冷却水を吹き付けることが
出来るように構成して、吸音材1の厚さ方向の中央部に
おける予備発泡ビーズの融着率を高めてもよい。更に、
この吸音孔成形部30をキャビティ型11に対してネジ
等により着脱自在に取り付けて、吸音孔2の形状を容易
に変更できるように構成してもよい。
【0032】成形空間13内に充填する予備発泡ビーズ
の素材としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン
系樹脂などのポリオレフィン系合成樹脂材料や、これら
の合成樹脂材料の共重合体などを採用できる。具体的に
は、エチレンプロピレンランダムポリプロピレン樹脂、
エチレンプロピレンブロックポリプロピレン樹脂、ホモ
ポリプロピレンエチレンプロピレンブテンランダムター
ポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、
架橋低密度ポリエチレン(架橋LDPE)などを好適に
利用できる。このようなポリオレフィン系樹脂の予備発
泡ビーズは、素材自体が軟らかく、しかもガス透過性が
高いことから、同一発泡倍率のポリスチレン系樹脂から
なる予備発泡ビーズよりも格段に粒子形状が変形しやす
いので、離型不良が発生し易く、本発明を適用するのに
好適である。
【0033】次に、型内発泡成形装置10を用いた吸音
材1の成形方法について説明する。この成形方法は、成
形空間13に予備発泡ビーズを充填する充填工程と、成
形空間13に充填された予備発泡ビーズを加熱、発泡融
着させる加熱工程と、成形された吸音材1を冷却する冷
却工程と、吸音材1を金型11,12から離型する離型
工程の4つの工程に分かれている。
【0034】先ず、予備発泡ビーズの充填工程について
説明する。この充填工程では、キャビティ型11とコア
型12とを型閉めするとともに、充填器14から成形空
間13に対して予備発泡ビーズを空気の流れに乗せて供
給しながら、成形空間13内に供給される空気を通気孔
25、25Aから成形空間13外へ排出し、成形空間1
3内に予備発泡ビーズを充填する。尚、予備発泡ビーズ
として、成形前にビーズに対して大気圧以上の空気を圧
入し、発泡力を付加したビーズ、所謂成含ビーズを用い
ることも可能である。
【0035】具体的な充填方法としては、次に示すよう
な、クラッキング充填法、加圧充填法、圧縮充填法など
を採用できる。[1]クラッキング充填法では、充填時
に、キャビティ型11とコア型12とを完全に型閉めせ
ず(クラッキング)、例えば吸音材1の底肉厚の10%
だけ開けておき、両金型11、12間の隙間から充填時
に使用する空気を排出しながら予備発泡ビーズを充填す
ることになる。[2]加圧充填法では、予備発泡ビーズを
収容した原料タンク内を0.02〜0.15MPa程度
に加圧し、成形空間13内を大気圧に開放した状態で、
原料タンクと成形空間13との差圧を利用して、成形空
間13内に予備発泡ビーズを搬送して充填することにな
る。[3]圧縮充填法では、原料タンク内の圧力pを加圧
充填法よりも高めの0.01〜0.5MPa程度に加圧
し、成形空間13の内圧p1との差圧(p−p1)を維
持しながら、予備発泡ビーズを搬送して充填することに
なる。
【0036】次に、成形空間13に充填された予備発泡
ビーズの蒸気による加熱工程について説明する。先ず、
ドレン弁DV1、DV2を開放した状態で、蒸気供給手
段から両チャンバ23,24に対して蒸気を供給するこ
とで、2つのチャンバ23,24内の空気を排出する。
次に、一方のチャンバに蒸気を供給して、他方のチャン
バから排出することで、成形空間13内に蒸気を通し
て、成形空間13内の空気を排出するとともに、予備発
泡ビーズ及び金型11,12を予熱する。次に、ドレン
弁DV1、DV2を閉鎖した状態で、両チャンバ23,
24に蒸気を供給して、予備発泡ビーズを加熱、発泡融
着する。
【0037】次の冷却工程では、キャビティ型11及び
コア型12に向けて図示外のノズルユニットから冷却水
を噴霧し、キャビティ型11及びコア型12を介して成
形空間13内の吸音材1を冷却する。尚、吸音孔成形部
30の内側にも冷却水を噴霧することで、吸音孔成形部
30を介して吸音材1の厚さ方向の中央部を円滑に冷却
することが可能となり、冷却時間を短縮して生産性を向
上できる。
【0038】離型工程では、キャビティ型11とコア型
とを型開きするが、エジェクタピン15を有するキャビ
ティ型11には吸音孔成形部30が形成されて、その分
離型抵抗がコア型12よりも大きくなっているので、吸
音材1はキャビティ型11側に残ることになる。但し、
コア型12の背面側の第2チャンバ24に対して圧縮空
気を供給して、吸音材1がコア型12から離れ易くなる
ように構成したり、キャビティ型11側の第1チャンバ
23を減圧して、キャビティ型11側に吸音材1を吸着
させながら型開きしてもよい。このように、エジェクタ
ピン15を設けたキャビティ型11側に吸音材1を残す
ことが可能となるので、吸音材1の離型不良を効果的に
防止できる。こうして、キャビティ型11側に吸音材1
を残した状態で、エジェクタピン15で吸音材1を突き
出して金型11から吸音材1を離型することになる。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る型内発泡成形装置によれ
ば、第1金型に設けられた吸音孔を成形するための吸音
孔成形部を活用して、第1金型に対する成形品の離型抵
抗を第2金型に対する成形品の離型抵抗よりも大きく設
定でき、金型構造を調整したり別途に部材を設けたりす
るなど、金型を複雑化することなく、成形品の離型作業
の安定性を向上できる。
【0040】両金型に吸音孔を成形するための吸音孔成
形部をそれぞれ形成し、第1金型の吸音孔成形部に対す
る成形品の離型抵抗を、第2金型の吸音孔成形部に対す
る成形品の離型抵抗よりも大きく設定すると、成形品の
離型作業の安定性を向上できるとともに、吸音孔の形状
や配置に対する多様性を拡大できる。
【0041】吸音孔の断面形状を奧部側へ行くにしたが
って連続的或いは段階的に変化させると、幅広い周波数
帯域の騒音を減衰することが可能となる。また、吸音孔
の断面形状を奧部側へ行くにしたがって連続的或いは段
階的に縮径させることにより、第1金型からの離型性を
向上させることができる。また、第1金型の吸音孔成形
部により形成される吸音孔の断面形状を開口部側へ行く
にしたがって連続的或いは段階的に縮径させたり、第2
金型の吸音孔成形部により形成される吸音孔の断面形状
を奧部側へ行くにしたがって連続的或いは段階的に縮径
させたりすることにより、第1金型の離型抵抗を第2金
型よりも大きく設定して、成形品を第1金型に残すこと
が可能となり、成形品の離型性を向上できる。
【0042】吸音孔成形部に、両金型を型閉じして形成
される成形空間と、金型の背面側に形成されるチャンバ
とを連通する通気孔を形成すると、成形品内部における
ビーズの融着率を高めて、成形品強度を向上しつつ、さ
らには成形時の冷却性をも向上し、生産性を向上でき
る。
【0043】吸音孔成形部を金型に対して交換可能に取
り付けると、吸音材の使用条件などに応じて吸音孔の形
状を調整することで、吸音可能な周波数特性を容易に変
更することが可能となる。
【0044】本発明に係る型内発泡成形方法によれば、
前記成形装置を用いているので、離型時に第1金型に成
形品を残すことが可能となり、エジェクタピンで成形品
を離型出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 吸音孔の形状を変更した各種吸音材の縦断面
【図2】 吸音孔の形状を変更した各種吸音材の縦断面
【図3】 吸音孔の形状を変更した吸音材の縦断面図
【図4】 型内発泡成形装置の全体構成図
【図5】 図1に示す各種吸音材をそれぞれ成形する金
型の縦断面図
【図6】 図2に示す各種吸音材をそれぞれ成形する金
型の縦断面図
【図7】 図3に示す吸音材を成形する金型の縦断面図
【符号の説明】
1 吸音材 1A 吸音材 1B 吸音材 1C 吸音材 1D 吸音材 1E 吸音材 1F 吸音材 2 吸音孔 2A 吸音孔 2B 吸音孔 2D 吸音孔 3 段部 10 型内発泡成形装置 11 キャビティ型 12 コア型 13 成形空間 14 充填器 15 エジェクタピン 20 枠状フレーム 21 裏板 22 ハウジング 23 第1チャンバ 24 第2チャンバ 25 通気孔 25A 通気孔 30 吸音孔成形部 30A 吸音孔成形部 30B 吸音孔成形部 30C 吸音孔成形部 30D 吸音孔成形部 30E 吸音孔成形部 30F 吸音孔成形部 DV1 ドレン弁 DV2 ドレン弁 SV1 用役弁 SV2 用役弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AB02 AE06 AG20 CA24 CK13 CK25 CL42 CM02 4F212 AE06 AG20 UA01 UB01 UK06 UL06 UL07 UL09 UM01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吸音孔を有する成形品を成形する
    ための型内発泡成形装置であって、1組の金型のうちの
    少なくとも、エジェクタピンを備えた第1金型に、吸音
    孔を成形するための吸音孔成形部を形成し、第1金型に
    対する成形品の離型抵抗をエジェクタピンを備えていな
    い第2金型の離型抵抗よりも大きく設定した型内発泡成
    形装置。
  2. 【請求項2】 前記両金型に吸音孔を成形するための吸
    音孔成形部をそれぞれ形成し、第1金型の吸音孔成形部
    に対する成形品の離型抵抗を、第2金型の吸音孔成形部
    に対する成形品の離型抵抗よりも大きく設定した請求項
    1記載の型内発泡成形装置。
  3. 【請求項3】 前記成形品に形成する複数の吸音孔とし
    て有底孔又は貫通孔を設けるか、或いは有底孔と貫通孔
    とを混在させた請求項1又は2記載の型内発泡成形装
    置。
  4. 【請求項4】 前記吸音孔の断面形状が奧部側へ行くに
    したがって連続的或いは段階的に変化する請求項1〜3
    のいずれか1項記載の型内発泡成形装置。
  5. 【請求項5】 前記吸音孔成形部に、両金型を型閉じし
    て形成される成形空間と、金型の背面側に形成されるチ
    ャンバとを連通する通気孔を形成した請求項1〜4のい
    ずれか1項記載の型内発泡成形装置。
  6. 【請求項6】 前記吸音孔成形部を金型に対して交換可
    能に取り付けた請求項1〜5のいずれか1項記載の型内
    発泡成形装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜6のいずれか1項記載の
    型内発泡成形装置を用い、先ず1組の金型を型閉じした
    状態で、成形空間内に予備発泡ビーズを充填し、次に金
    型内において予備発泡ビーズを加熱融着し、次に金型内
    において成形品を冷却し、次に型開きして成形品を第1
    金型に残してエジェクタピンで成形品を離型する型内発
    泡成形方法。
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