JP7329826B2 - 釣針および釣り用仕掛け - Google Patents

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本願発明は、釣針および釣り用仕掛けに関する。
釣針は、チモトと、チモトから伸びた針軸と、針軸の先端に設けられた針先とを有している。ハリス付きの釣針は、針軸にハリスが結ばれている。ハリス付きの釣針を含む釣り仕掛けに関しては、例えば、特開平9-140306号公報に開示されている。釣針には、針先から餌が取り付けられる。魚が餌を補食したとき、針に魚が掛かるようになっている。
特開平9-140306号公報
ところで、釣針は、対象魚や使用する餌に合わせて所要の大きさのものが選択される。例えば、ワカサギ釣りでは、さしと称されるハエの幼虫や、赤虫などが餌として用いられる。ワカサギ釣りは、繊細である。釣り餌に対する魚の反応が渋い場合など、餌の動きに工夫を与えたい場合がある。
ここで提案される釣針は、チモトと、チモトから伸びた針軸と、針軸の先端に設けられた針先と、針軸に刺さった状態で固定された発泡材とを備えている。ここで、発泡材は、チモトに巻かれたハリスによって針軸に固定されていてもよい。例えば、チモトに巻かれたハリスは、発泡材の両側において、発泡材を貫通した針軸にそれぞれ巻付けられていてもよい。また、ここで提案される釣り用仕掛けは、上述した釣針を少なくとも1つ備えているとよい。
ここで提案される釣針によれば、釣針に刺された釣り餌が水中で浮きやすくなる。釣り餌に対する魚の反応が渋い場合などにおいて、釣果が改善される場合がある。
例えば、ハリスは、発泡材を貫通した針軸に対し、発泡材のチモト側において針軸に巻かれた部分と、発泡材の外側面に沿って渡された部分と、発泡材のチモト側とは反対側において針軸に巻かれた部分とを有していてもよい。また、ハリスが発泡材の外側面を渡された部分は、針軸周りの周方向において少なくとも3箇所以上の位置で渡されていてもよい。発泡材は、塗料が塗られていてもよい。塗料は、蛍光塗料または蓄光塗料であってもよい。
図1は、ここで提案される釣針10の側面図である。 図2は、他の実施形態に係る釣針10Aの平面図である。 図3は、チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する手順を示す平面図である。 図4は、チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する手順を示す平面図である。 図5は、チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する手順を示す平面図である。 図6は、チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する手順を示す平面図である。 図7は、チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する手順を示す平面図である。 図8は、チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する手順を示す平面図である。
以下、ここで提案される釣針の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。
図1は、ここで提案される釣針10の側面図である。
ここで提案される釣針10は、チモト11と、チモト11から伸びた針軸12と、針軸12の先端に設けられた針先13と、針軸12に刺された状態で固定された発泡材14とを備えている。この実施形態では、釣針10は、ワカサギ釣り用の針である。なお、ここで提案される釣針は、ワカサギ釣り用の釣針に限定されず、種々の用途の釣針に適用される。このため、針の大きさや、針軸の太さや、断面形状などは、種々の変更が可能である。また、発泡材14の大きさや形状なども種々変更が可能である。
ここで、チモト11は、釣針10に糸が結ばれる部分である。この実施形態では、チモト11は、針軸12の一端に設けられており、針軸12がプレスされている。
針軸12は、チモト11から針先13に向けて予め定められた形状に沿って湾曲している。かかる湾曲した部位は、腰あるいは腰曲がりと称される。針軸12は、断面が円形の丸軸でもよいし、銅部分が横からプレスされていてもよい。この実施形態では、針軸12は、丸軸である。
針先13は、針軸12の他端に設けられており、先端が尖った部位であり、針の内側に返しが設けられている。
発泡材14は、例えば、ポリスチレンの発泡材が用いられる。この実施形態では、発泡材14は、球状である。発泡材14は、針軸12の直径に対して2.5倍以上4倍以下程度の直径を有している。発泡材14の比重は、発泡倍率にもよるが、大凡0.2g/cm~0.01g/cmである。なお、ここでは、発泡材14の形状は、球形が例示されているが、特段言及されない限りにおいて発泡材14の形状は球形に限定されない。また、発泡材14の比重や発泡倍率なども適宜に変更されうる。
図2は、他の実施形態に係る釣針10Aの平面図である。図2では、針先13(図1参照)が針軸12の下方に位置している。以後、図3から図8において同様に針先13(図1参照)が針軸12の下方に位置している。
図2に示されているように、この実施形態では、発泡材14は、チモト11に巻かれたハリス15によって針軸12に固定されている。チモト11に巻かれたハリス15は、発泡材14の両側において、発泡材14を貫通した針軸12にそれぞれ巻付けられている。針軸12に対してハリス15を巻付ける方法は、ハリスを針軸に結びつける種々の結び方を採用することができる。針軸にハリスを結び付ける方法には、いわゆる内掛け結びや外掛け結びなどがある。この実施形態では、いわゆる内掛け結びが採用されており、内掛け結びで針軸に巻付ける糸の間に発泡材14が挟まれるように取り付けられている。ハリス15には、いわゆるナイロンライン、PEライン、ポリエステルライン、フロロカーボンラインなどが採用されうる。
発泡スチロールのようなポリスチレンの発泡材は、有機系の接着剤に溶ける場合がある。この実施形態では、発泡材14は、ハリス15で針軸12に固定されているので、接着剤などを用いる必要がない。
なお、発泡材14の発泡倍率を小さく抑えることで、発泡材14の強度が向上する。このため、ハリス15を巻付ける際に発泡材14が割れにくくなり、ハリス15を巻付けやすくなる。発泡材14の発泡倍率を大きくすればするほど、釣針10が浮きやすくなる。発泡材14には、塗料が塗られていてもよい。塗料は、蛍光塗料や蓄光塗料などでもよい。
釣針10は、針軸12に発泡材14が刺さった状態で固定されているので、全体として比重が軽くなる。この釣針10は、全体として比重が軽いので、発泡材14が取り付けられていない同型の釣針に比べて、水中で浮きやすく、釣針10に付けられた釣り餌の水中での姿勢が変化する。この場合、発泡材14が取り付けられていない同型の釣針で、魚の反応が悪い場合でも、針軸12に発泡材14が刺さった状態で固定された釣針10では、魚が反応する場合があり、釣果が向上する場合がある。また、発泡材14に、塗料が塗られていることによって、魚の反応が向上する場合がある。発泡材14に塗られる塗料の色や機能は適宜に変更されうる。
ここで提案される釣り用仕掛けは、釣針10を少なくとも1つ備えているとよい。例えば、ワカサギ釣り用の仕掛けでは、ハリス付きの釣針10がエダスとして幹糸に複数取り付けられていてもよい。この場合、ワカサギ釣り用の仕掛けに取り付けられる釣針が全て発泡材14を有する釣針10であってもよい。ワカサギ釣り用の仕掛けに取り付けられる釣針のうち、少なくとも1つの釣針が、発泡材14を有する釣針10であってもよい。また、1つの釣り用仕掛けの中で、発泡材14を有する釣針10が複数付けられている場合には、さらに、釣針10ごとに、発泡材14の大きさや、比重などが変えられていてもよい。
ここでは、ワカサギ釣り用の釣針および仕掛けを例示しているが、ここで提案される釣針や仕掛けは、ワカサギ釣り用に限定されず、種々の釣り用に適用されうる。例えば、釣針は、渓流釣り用や、鮒釣り用など、比較的小さな餌が用いられる淡水魚用の釣針として適用されてもよい。
以下、チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する方法を例示する。なお、ここでは、チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する方法について、好適な例を例示する。チモト11に巻かれたハリス15によって針軸12に発泡材14を固定する方法は、特に言及されない限りにおいて、ここで例示される方法に限定されない。
図3~図8は、チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する手順を示す平面図である。図3は、発泡材14を針軸12に挿通した釣針に対してハリス15がセットされた状態が示されている。図4から図8は、それぞれ針軸12に対するハリス15の巻き方が示されている。
チモト11に巻かれたハリス15によって発泡材14を針軸12に固定する場合、図3に示されているように、発泡材14を針軸12に挿通した釣針を用意する。次に、針軸12に沿ってハリス15をセットする。そして、ハリス15によって、発泡材14の近くに輪15aを作る。この際、ハリス15の輪15aの一端15cを、発泡材14に沿わせ、針軸12に沿ってチモト11側に延ばしておく。ハリス15の輪15aの他端15dは、チモト11とは反対側に延ばしておく。そして、図3において、矢印aで示されるように、針軸12に沿ってチモト11側に延びたハリス15の一端15cを巻き込みながら、輪15aのチモト側のハリス15a1を針軸12に巻いていく。図4は、輪15aのチモト側のハリス15a1が針軸12に一回巻かれた状態が図示されている。
次に、図4において、矢印bで示されるように、針軸12に沿ってチモト11側に延びたハリス15の一端15cを巻き込みながら、さらに一回目に巻かれたハリス15bの上から、輪15aのチモト側のハリス15a1を針軸12に巻く。この際、輪15aのチモト側のハリス15a1は、チモト11側の針軸12に巻かれたハリス15bよりも発泡材14側に巻かれる。図5は、輪15aのチモト側のハリス15a1が、針軸12に2回巻かれた状態が図示されている。図5において、矢印cで示されるように、針軸12に沿ってチモト11側に延びたハリス15の一端15cを巻き込みながら、輪15aのチモト側のハリス15a1を、さらに複数回巻く。この際、輪15aのチモト側のハリス15a1は、チモト11側の針軸12に巻かれたハリス15eよりも発泡材14側に巻かれる。
図6は、輪15aのチモト側のハリス15a1を、発泡材14のチモト側において針軸12に4回巻いた状態が図示されている。この実施形態では、輪15aのチモト側のハリス15a1は、発泡材14のチモト側において針軸12に4回巻かれる。なお、輪15aのチモト側のハリス15a1が、発泡材14のチモト側において針軸12に巻かれる回数は、4回に限定されない。輪15aのチモト側のハリス15a1は、例えば、発泡材14のチモト側において針軸12に3回以上巻かれているとよい。
次に、図6において矢印dで示されるように、輪15aのチモト側のハリス15a1を、発泡材14に沿ってチモト11側に延びたハリス15c1の上からチモト11とは反対側に渡す。そして、輪15aのチモト側のハリス15a1を、チモト11とは反対側の針軸12に巻いていく。この際、図7に示されているように、最初に輪15aを作った際に、チモト11とは反対側に延ばしておいたハリス15の輪15aの他端15dを針軸12に巻き込む。図7は、輪15aのチモト側のハリス15a1が、チモト11とは反対側の針軸12に一回巻かれた状態が示されている。図7において、矢印eで示されているように、輪15aのチモト側のハリス15a1を、チモト11とは反対側の針軸12に、さらに複数回巻く。
図8は、輪15aのチモト側のハリス15a1が、チモト11とは反対側の針軸12に、5回巻かれた状態が図示されている。なお、特に言及されない限りにおいて、輪15aのチモト側のハリス15a1が、チモト11とは反対側の針軸12に巻かれる回数は、5回に限定されない。輪15aのチモト側のハリス15a1は、チモト11とは反対側の針軸12に複数回巻かれているとよく、例えば、3回以上巻かれているとよい。この実施形態では、図8に示されているように、輪15aのチモト側のハリス15a1は、チモト11とは反対側の針軸12に5回巻かれている。
ここで、輪15aのチモト側のハリス15a1が、チモト11とは反対側の針軸12に巻かれる回数は、例えば、3回、4回、6回、7回などとしてもよい。輪15aのチモト側のハリス15a1が、発泡材14のチモト側において針軸12に巻かれる回数や、チモト側とは反対側において針軸12に巻かれる回数は、釣針10の形状や、発泡材14の大きさや、ハリス15の太さや材質などが考慮されて適宜に変更されうる。釣針10の形状や、発泡材14の大きさや、ハリス15の太さや材質などは、釣りの対象魚の大きさによって適当なものが採用される。また、本発明者の知見では、例えば、発泡材14のチモト側において針軸12に巻かれる回数と、チモト側とは反対側において針軸12に巻かれる回数が同じか、チモト側とは反対側において針軸12に巻かれる回数が多いとよい。その方がハリス15によって発泡材14が固定されやすい。
このように、ハリス15が針軸12に巻かれた後、図8において矢印fで示されているように、ハリス15のチモト側に延びた一端15cが引っ張られる。一端15cは、輪15aがなくなり、かつ、針軸12に巻いた部分に緩みがなくなるまで引っ張られ、針軸12に巻かれたハリス15が締められる。これによって、図2に示されているように、発泡材14がハリス15によって針軸12に固定される。この方法によれば、ハリス15は、発泡材14を貫通した針軸12に対し、発泡材14のチモト11側に巻かれた部分15eと、発泡材14の外側面に沿って渡された部分15c1、15d1、15fと、発泡材14のチモト11側とは反対側において針軸12に巻かれた部分15gとを有している。つまり、ハリス15は、発泡材14の外側面に沿って周方向において3箇所で渡されている。このため、ハリス15が、発泡材14の外周面を抑える力が分散する。このため、ハリス15によって発泡材14が強固に固定できるとともに、ハリス15から作用する力によって発泡材14が破損されにくい。
以上のように、発泡材14は、チモト11に巻かれたハリス15によって針軸12に固定されているとよい。発泡材14が、チモト11に巻かれたハリス15によって針軸12に固定されていることによって、接着剤、特に有機系の接着剤を用いずに、発泡材14を針軸12に固定できる。
この場合、例えば、図2に示されているように、ハリス15は、発泡材14を貫通した針軸12に対し、発泡材14のチモト11側において針軸12に巻かれた部分15eと、発泡材14の外側面に沿って渡された部分15c1、15d1、15fと、発泡材14のチモト11側とは反対側において針軸12に巻かれた部分15gとを有しているとよい。これにより、強固に発泡材14を針軸12に固定できる。
また、ハリス15が発泡材14の外側面を渡された部分15c1、15d1、15fは、針軸12周りの周方向において少なくとも3箇所以上の位置で渡されているとよい。この場合、ハリス15が発泡材14の外側面に作用させる力が分散するので、発泡材14が破損しにくい。
以上のとおり、ここで提案される釣針10によれば、釣針10に刺された釣り餌が水中で浮きやすくなる。水中で漂う釣り餌の動きが変わり、釣り餌に対する魚の反応が渋い場合などにおいて、釣果が改善される場合がある。
以上、ここで提案される釣針の一実施形態を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されない。例えば、ここで例示される釣針10の各構成は、それぞれ相互に機能上関連しない部材は、特に言及されない場合には、設けられていなくてもよい。また、さらに付加的な要素が設けていてもよい。
10 釣針
11 チモト
12 針軸
13 針先
14 発泡材
15 ハリス

Claims (6)

  1. チモトと、前記チモトから伸びた針軸と、前記針軸の先端に設けられた針先と、前記針軸に刺さった状態で固定された発泡材と
    を備え
    前記発泡材が、前記チモトに巻かれたハリスによって前記針軸に固定されている、
    釣針。
  2. 前記ハリスは、前記発泡材を貫通した針軸に対し、前記発泡材のチモト側において針軸に巻かれた部分と、前記発泡材の外側面に沿って渡された部分と、前記発泡材のチモト側とは反対側において針軸に巻かれた部分とを有している、請求項に記載された釣針。
  3. 前記ハリスが前記発泡材の外側面を渡された部分は、前記針軸周りの周方向において少なくとも3箇所以上の位置で渡されている、請求項に記載された釣針。
  4. 前記発泡材は、塗料が塗られている、請求項1からまでの何れか一項に記載された釣針。
  5. 前記塗料は、蛍光塗料または蓄光塗料である、請求項に記載された釣針。
  6. 請求項1からに記載された釣針を少なくとも1つ備えた釣り用仕掛け。
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