JP2007129999A - 釣り用錘および擬似餌仕掛け - Google Patents
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Abstract
【解決手段】釣り用仕掛けに用いられる錘30であって、高比重材料からなる錘本体32と、錘本体に一体化されてなり、多数の柔軟な線材42が錘本体32の外方に放射状に延びる房状体40と、錘本体32を釣り用仕掛けに取り付ける取付部34、36とを備える。房状体40が錘本体32の周囲を覆って目立ち難くする。水中で房状体40が揺らいだり不規則に運動したりして魚を誘引する。房状体40が一体化された錘30を取り付けるだけで仕掛けを簡単に作ることができる。
【選択図】図1
Description
このようなワームを用いた釣りの仕掛け構造が種々知られている。
例えば、テキサス・リグと呼ばれる仕掛けがある。ワームの長さ方向に沿って釣り針を埋め込むように突き刺して取り付ける。通常、ワームのうち昆虫などの頭部に相当する形状部分に釣り針の後端の釣り糸取付孔が配置され、釣り針の針先側がワームの尻部側に配置されるように取り付けられる。ワームの後端から突き出した釣り針の後端に、釣り糸が結び付けられる。釣り糸は、軸方向に貫通孔があいた銃弾形(バレットとも呼ばれる)の錘に通されており、釣り針の上端すなわちワームの先端に錘が配置される。ワームが安定して取り付けられ、ワームの運動も良好に行なわれ、釣り針がワームの外に大きく露出しないので魚に警戒され難いなどの利点があるとされている。
釣針については、軟質疑似餌の内部に埋め込まれた状態にすることで、魚から目立ち難く警戒されないようにしていても、比較的に嵩のある錘が露出したままでは、魚に警戒心を抱かせてしまい易い。
このような問題は、前記したテキサス・リグなどの疑似餌仕掛けに限らず、生き餌を用いる各種の釣り用仕掛けにおいても発生する問題である。
本発明の課題は、前記した従来の釣り用錘が有する問題点を解消し、魚から錘を目立ち難くして魚に警戒心を抱かせ難くすることで釣果をより大きくできるようにすることである。
各構成について詳しく説明する。
〔釣り用錘〕
基本的な材料や構造は、通常の釣り用錘と共通する技術が採用できる。
釣りとしては、バス釣りなどで良く知られる疑似餌仕掛けを用いる釣りのほか、生餌を用いる釣りもあり、その他にも、各種の錘を用いる釣りに適用することができる。
〔錘本体〕
基本的には、通常の釣り用錘と同様の材料や構造が採用できる。
錘本体の材料は、鉛やタングステンなどの比重が大きな金属材料や金属材料の合金が使用される。これらの金属材料や合金と樹脂材料やセラミック材料との複合材料も使用される。
錘本体の形状は、特に限定されないが、水中での抵抗が少ない形状のほうが沈下を速くできる。水中で動くときに先端になる側の端部が先細り形状であれば、水の抵抗が小さくなる。具体的な形状として、銃弾(バレット)形、円錐形、円錐台形、楕円球形、球形、分銅形、ダルマ形などが挙げられる。また、軸方向を基準にして非対称形状の錘本体は、水中において、真下でなく斜め方向に運動したり左右に揺れ動いたりするユニークな運動特性を発揮できる。
錘本体には、取付部となる構造あるいは取付部を取り付けるための構造を備えておくことができる。
〔房状体〕
釣り用錘を、魚の目につき難いようにし、魚の警戒心を少なくする機能を有する。それだけでなく、房状体そのものが、魚を誘引する作用を有し、釣果を上げる機能を果たす。
房状体の材料は、通常の釣り用仕掛けにおける各種部材に使用されている材料のうち、柔軟性のある線材が使用される。具体的には、ゴムや軟質樹脂、樹脂フィルム、金属箔、金属線、繊維糸、繊維紐などが挙げられる。
房状体は、錘本体に一体化される。房状体のうち前記線材が拘束された個所が、錘本体に一体化され、線材の拘束されていない個所が、錘本体の外方に放射状に延びるように、房状体が配置される。線材のうち、拘束されずに自由に動く部分の長さを30〜100mmに設定できる。
房状体を、錘本体の複数個所に設けておくこともできる。例えば、錘本体の軸方向の両端にそれぞれ房状体を配置することができる。
房状体が、錘本体の取付部を覆い隠すように配置されていれば、取付部が目立たなくなる。例えば、取付部を中心にして放射方向に房状体の線材が延びるように配置しておくことができる。
基本的には、通常の釣り用仕掛けにおいて、錘を釣糸や釣針に取り付けるための構造と共通する技術が適用できる。
釣り用錘を釣糸に取り付ける場合は、錘本体に釣糸が挿通できる貫通孔を設けておいたり、釣糸を挟み込んで締めつけたり縛り付けたりする釣糸挿入溝を設けておくことができる。ハリス止め具を用いて、錘を釣糸に取り付けることもできる。
<釣針係止部>
釣り用錘を釣針に取り付けることもできる。錘本体に釣針を係止できる釣針係止部を設けておけばよい。
釣針係止部を設ける部材としては、鋼材などの金属材料、合成樹脂材料、セラミック材料などからなる軸材や棒材、板材などが使用できる。錘を釣針に確実に固定できる強度を有していればよい。軟鋼線材のように屈曲や湾曲による加工が行い易い可撓性の材料は、釣針係止部の作製や調整が容易である。錘本体と同じ材料で一体成形しておくこともできる。釣針係止部を設ける部材の形状は、直線的に延びる軸状、棒状、管状、板片状などをなすものが採用できる。湾曲や屈曲している部分があってもよい。全長が同じ太さや断面形状であってもよいし、長さ方向で太さや断面形状が変化するものであってもよい。錘本体への取付構造を設けておくことができる。例えば、錘本体に嵌め込んだり係止したりする突起や凹凸、錘本体に設けた雌ねじにねじ込む雄ねじを設けておくことができる。弾力的に変形する係止バネを設けておくこともできる。錘本体が貫通孔を有する場合、この貫通孔に挿通できる軸状、管状あるいは線状の構造を備えておいたり、貫通孔に挿通された部分の先端に貫通孔の端縁に係止される係止構造を設けたりすることができる。
係止孔あるいは係止溝の内径としては、係止する釣針の寸法によっても異なるが、通常、2〜3mmの範囲に設定できる。釣針係止部を弾力的に変形できるような材料や構造を有する場合は、係止できる釣針の径範囲が広くなる。
釣針係止部が錘本体とは別部材である場合、錘本体に対して、各種の締結手段で取り付けることができる。錘本体を成形製造する成形型に、予め製造された釣針係止部の部材を取り付けて、成形と同時に一体化させる同時成型の技術も利用できる。錘本体に埋め込まれる個所に、屈曲部分や湾曲部分、膨出部分、張出部分等を設けておけば、埋め込まれた部材の抜け出しを効果的に防止できる。錘本体に対して、溶接やロウ付け、ハンダ付け、接着などの手段で接合することもできる。さらに別の構造として、可撓性線材をU字形に成形して錘本体の貫通孔に挿通させ、U字の湾曲側を錘本体の後端から突出させ、U字の線端側を錘本体の先端に沿って屈曲させて錘本体に固定する構造が採用できる。
軟質疑似餌と組み合わせて使用される釣り用錘の場合は、軟質疑似餌の頭部に貫入される貫入部を、釣針係止部を設ける部材として利用することができる。
<貫入部>
錘すなわち錘本体の端部に突出して配置される。軟質疑似餌の頭部に貫入される。
貫入部の形状は、軟質疑似餌への貫入と釣針への係止とを果たすことができればよい。先端が根元よりも太くなっていたり、鈎針状のカエリが設けられていたりすれば、軟質疑似餌から抜け落ち難くなる。外周に螺旋状の突条線を設けることで、軟質疑似餌にねじ込み易く、かつ、抜け落ち難くすることもできる。但し、貫入部が釣針と連結固定された状態では、特別な抜け落ち防止の構造がなくても問題はない。
貫入部の先端は、軟質疑似餌に突き刺し易いように尖らせておくことができる。曲率半径が小さければ先端が丸いものであっても軟質疑似餌に突き刺すことができる。先端に小さな平坦面があっても柔軟な軟質疑似餌には刺し込むことができる。
〔釣針〕
通常の釣りに利用される釣針が使用できる。
釣針の材料や形状寸法などは、釣りの目的や対象魚種などに合わせて設定される。釣針の形状として、単純なJ字形をなすものだけでなく、針先が屈曲するクランク形状、オフセット形状などもある。釣針の針先は鋭く尖っており、通常はカエリが設けられている。
軟質疑似餌以外の疑似餌を使用する場合、あるいは、生餌を使用する場合にも、それぞれの形態に適した形状や寸法の釣針が使用される。
<釣糸取付部>
釣糸の針先とは反対側の後端に配置される。
基本的には、通常の釣針において釣糸が結び付けられる取付孔と共通する形状や配置構造が採用される。
軟質疑似餌を使用する場合は、釣針を軟質疑似餌に埋め込んだ状態で、軟質疑似餌の後端から露出するように配置される。釣糸取取付部の先端は、軟質疑似餌に差し込み易いように、尖っていたり、小さな曲率半径の円形状にしておいたりすることができる。
釣針に軟質疑似餌を取り付ける際に、軟質疑似餌の位置や姿勢を確実に固定するために、固定補助具を用いることができる。
釣針の針先側は、針先に有するカエリや湾曲によって比較的に確実に軟質疑似餌を固定できるが、釣針の釣糸取付部に近い側は、軟質疑似餌が釣針に沿って滑り易く、軟質疑似餌が移動し易い。
そこで、釣針の釣糸取付部に支持され、軟質擬似餌に突き刺したりねじ込んだりして、軟質疑似餌と釣針とを固定する固定補助具を用いることが有効である。
〔軟質疑似餌〕
通常のスポーツフィッシングなどで使用されている軟質疑似餌と共通する技術が適用できる。
一般的に、軟質疑似餌の材料としては、柔軟性に優れたゴムや樹脂エラストマーなどが主体となる。一部に硬質のゴムや樹脂、繊維材料、編織布、不織布、紙、金属、セラミック、ガラスなどを用いることもある。
〔仕掛け〕
錘を用いる通常の釣り用仕掛けに関する技術が適用される。
釣り用の仕掛けには、疑似餌を用いる仕掛け、生餌を用いる仕掛けがあり、何れの仕掛けにも適用できる。疑似餌には、硬質材料からなる疑似餌と、柔軟な軟質疑似餌とがあり、何れの仕掛けにも適用できる。
軟質擬似餌と釣針と釣糸とを用いる。釣り針は、軟質疑似餌に突き刺して係止される。釣り用錘は、軟質疑似餌に隣接して配置され、取付部で釣針または釣糸に取り付けられる。
釣針は、軟質疑似餌の長さ方向に沿う姿勢で軟質疑似餌に埋め込まれていることで、魚の目から釣針を隠すことができる。また、水中での抵抗を少なくし、釣針が障害物に引っ掛かるのを防止することができる。釣針に有する釣糸取付部が、軟質疑似餌の端部から露出していれば、釣針の釣糸取付部に釣糸を取り付ける作業が容易である。仕掛けによっては、軟質疑似餌の長さ方向に対して直交する方向や斜め方向から釣針を突き刺した状態で用いる場合もある。この場合は、釣針の多くの部分が軟質疑似餌の外に露出することもある。
釣り用錘の房状体は、軟質疑似餌の上端部または下端部あるいは側面で、錘本体との間に配置することができる。房状体が軟質疑似餌と一体となって魚の誘引効果を高めることができる。
釣り用錘は、釣針に取り付けてもよいし、釣糸に取り付けてもよい。
釣り用錘の貫入部を軟質疑似餌の端部に貫入し、釣針係止部が軟質疑似餌の内部で釣針に針先側から係止されるようにできる。錘が釣針に軟質疑似餌の内部で係止固定されることになり、仕掛けの一体性が高まり、外力が加わったりしても分解され難くなる。
釣り用仕掛けとして、仕掛けの先端に釣り用錘を取り付ける形態にしておけば、釣り用仕掛けを水面から水中に投入する際に、重量のある錘本体を先頭にして、そのあとに房状体が続き、房状体は空気あるいは水の抵抗で錘本体の後方側にたなびくように柔軟に変形するので、水面や水中の障害物を錘本体で掻き分けたり押し退けたりして、迅速かつ確実に所望の深さ位置まで釣り用仕掛けを送りこむことができる。根掛かりが生じ難くなる。従来の釣り用仕掛けでは、その生息場所まで到達できなかったために警戒心が少ない魚を相手にすることで、釣果の大幅な増大が望める。
図1に示す釣り用錘30は、バス釣りに適した疑似餌仕掛けに用いられる。
釣り用錘30は、錘本体32、房状体40、貫入部34、釣針係止部36を有する。
錘本体32は、鉛やタングステンなどの高比重材料からなり、全体が銃弾状をなす。具体的には、概略円柱状の先端が先細りになって滑らかな流線型に尖っている。後端は平坦である。このような形状は、流体抵抗が非常に少ない形態であり、一般的にバレットシンカーと呼ばれる錘の形態である。例えば、直径8mm、長さ15mm、重さ7gの錘本体32が使用できる。
房状体40は、各線材42が、錘本体32の平坦な端面上で、貫入部34の根元に固定され、そこから水平面の2次元方向だけでなく3次元の放射方向に延びている。線材42は柔軟性があるので、先端側は自重によって下向きに垂れ下がる。線材42の集合体である房状体40が、貫入部34の周囲に拡がって覆い隠すとともに、錘本体32の外周をも房状体40が覆い隠している。なお、図では、個々の線材42を判り易く表示するために全体が拡がって隙間があいた状態で示しているが、実際には、線材42同士が重なったりして、房状体40の外側からは錘本体32や貫入部34が見分け難いようになる。
その後、多数本の線材42を束ねた房状体40を、貫入部34を囲むように配置し、ナイロン線や金属線などで、房状体40を貫入部34に縛り付けたり接着したりする。このとき、弾力的に変形する線材42を強く縛ると、縛った個所から先端側が自然に放射方向に拡がるようになり易い。各線材42が貫入部34を中心にして均等に放射方向に拡がるようにしておく。
図2(a)(b)は、前記図1とは少し構造の異なる釣り用錘30を示す。
図2(a)の釣り用錘30は、錘本体32の外形、房状体40の構造は前記図1と共通しているが、貫入部34および釣針係止部36の構造が異なる。錘本体32には、軸方向の中心を貫通する貫通孔38を有する。貫入部34は、前記同様の細い鋼線からなり、全体が概略U字形に湾曲成形されている。U字形の幅を少し狭めるようにして、錘本体32の貫通孔38に挿通されている。U字形の湾曲側が錘本体32の後端から突出しており、U字形の中央に生じる細長い空間が釣糸係止部36になる。湾曲側の反対になるU字形の一対の線端は、錘本体32の先端で貫通孔38から突出し、錘本体32の外面に沿って折り曲げられており、貫入部34が錘本体32に固定されている。
楕円球状の錘30も、下端側は先細り形状になっているので、水面への着水および水中への沈下はスムーズであり、水面上あるいは水中に存在する障害物にも引っ掛かり難い。
図3は、図1に示す錘30を用いた疑似餌仕掛けの組み立て前の状態を示す。
錘30、軟質疑似餌20および釣針10がそれぞれ別個に用意される。
<軟質疑似餌>
軟質疑似餌20は、軟質樹脂エラストマーなどの成形品からなる。生餌として使用される芋虫の形態を象ったような円柱体からなる。外面には縞状の凹凸模様が成形されている。このような形態は、魚に対する誘引効果や水中での動きなどの考慮して決定されている。
一般的な釣り用の釣針10が使用されている。釣針10は、鋼線材からなり、鉤状に湾曲しており、針先12は鋭く尖っている。針先12と反対の端部には釣糸が結び付けられる貫通孔からなる釣糸取付部14が設けられている。
釣糸取付部14に、軟質疑似餌20への固定補助具50が取り付けられている。固定補助具50は、細い線材をコイル状に巻回してなるとともに先端をフック状に折り曲げて形成されている。固定補助具50のフック状端部を釣糸取付部14に引っ掛けて釣針10に取り付けられる。
図4は、図3に示す各部材を組み立てて、軟質疑似餌仕掛けが完成した状態を示す。
組み立ての手順にしたがって説明する。
図3で、軟質疑似餌20の長さ方向の一端面に、釣針10の固定補助具50を取り付ける。固定補助具50のコイル状部分を回転させながら、軟質疑似餌20にねじ込んでいく。図4に示すように、固定補助具50のほぼ全長が軟質疑似餌20に埋め込まれ、釣針10の釣糸取付部14が、軟質疑似餌20の端面に隣接して配置される。
次に、図3で、錘30の貫入部34を、軟質疑似餌20の反対側の端面中心に突き刺して埋め込む。貫入部34の先端は小さな円環状に成形されていて尖ってはいないが、軟質疑似餌20を構成する材料は非常に柔らかいので、貫入部34を押し込むようにすれば、容易に差し込むことができる。
最後に、釣針10を軟質疑似餌20に取り付ける。釣針10の固定補助具50が軟質疑似餌20に取り付けられた状態で、釣針10の針先12を、軟質疑似餌20の外面で先端近くから突き刺す。軟質疑似餌20は非常に柔らかく伸び縮みも良いので、釣針10を突き刺す方向に合わせて軟質疑似餌20を曲げたり引き伸ばしたりすることによって、釣針10のほぼ全体が、軟質疑似餌20に埋め込まれた状態にすることができる。図4の状態になる。
このようにして、釣針10のほぼ全体が軟質疑似餌20に埋め込まれて隠されていれば、釣針10が魚の目に付き難く警戒心を起こさせ難い。水中で水の抵抗を受けることも少なくなる。魚が軟質疑似餌20だけを食い千切ってしまうことも無くなる。釣針10の針先12が飛び出していなければ、針先12に水中で藻などの障害物が引っ掛かることも防止できる。疑似餌仕掛けを取り扱うときにも、針先12が手などに突き刺さることも防げる。
〔仕掛けの動作〕
図4の形態で組み立てられた疑似餌仕掛けは、池や河川などの水面から水中に投入して使用される。
釣糸Lの先端に取り付けられた仕掛けは、最先端に錘本体32、そのうしろに房状体40が存在し、さらにそのうしろに軟質疑似餌20が配置され、軟質疑似餌20に釣針20が埋め込まれた状態である。
仕掛けが水面に落下するときには、水面に浮かんでいる草木の葉や枝などの障害物を、先頭の錘30が掻き分けるようにして、障害物の下方の水中に侵入することができる。従来の軟質疑似餌仕掛けでは、水面の障害物が多過ぎて、仕掛けの投入をためらうような場所にも、軟質疑似餌仕掛けを送りこむことができる。このことは、従来、釣りの対象とされていなかった場所に生息する無警戒な魚を釣りの対象にすることで、大きな釣果を挙げることが可能になる。
房状体40の各線材42は、水の抵抗力によって柔軟に変形し錘本体32の後方(水面側)に押し流されるようになるので、仕掛けの沈下に対して大きな抵抗になることはない。軟質疑似餌20および釣針10は、錘30の後に隠れた状態になっているので、軟質疑似餌20および釣針10が水中で大きな抵抗を生じることがない。錘30で押し退けられた空間を房状体40、軟質疑似餌20および釣針10が通過するので、障害物に引っ掛かることもない。
軟質疑似餌20に魚が食い付くと、必然的に、軟質疑似餌20に埋め込まれた釣針10を飲み込むことになる。魚の当たりをみて、釣糸Lを引き上げれば、釣針10を魚に確実に引っ掛けて釣り上げることができる。魚が仕掛けを吐き出そうとしても、軟質疑似餌20に埋め込まれた釣針10に引っ掛かり易い。錘30は魚の口内で奥のほうに入っているので、錘30が邪魔になって釣針10が外れるようなこともない。
図5(a)に示す仕掛けは、前記実施形態と基本的には共通するが、錘30の配置構造などが異なる。通称テキサス・リグと呼ばれる仕掛け構造を基本にしている。
軟質疑似餌20は、円柱の下端にヒレ形状が付加された形状を有している。釣針10は、釣糸取付部14に固定補助具50は取り付けられておらず。釣糸取付部14に近い部分がクランク形に屈曲している。
図5(b)に示すように、錘30は、貫入部34を有さず、錘本体32の軸方向の中心を貫通する貫通孔38が設けられている。房状体40については、前記実施形態と同じであり、錘本体32の端面に接着などで固定されている。
このようにして構成された仕掛けは、前記実施形態と同様にして釣りに用いることができる。この仕掛けの場合、水中を沈下する際に、先頭に錘30がないので、前記実施形態に比べると沈下がスムーズに行かない場合もある。錘30の房状体40は、重力によって下方に存在する釣針10の釣糸取付部14および軟質疑似餌20の上部を覆い隠す状態になる。但し、水中では、水の浮力によって、房状体40を構成する多数の線材42には、水平から上方を向くものも生じる。仕掛けを水中で動かした場合は、各線材42が上下に揺れることで、錘本体32の周囲を覆うことになる。錘本体32を魚に警戒され難くなる。釣針10の釣糸取付部14に隣接して錘30が存在することで、この部分の釣糸Lが隠された状態になり、軟質疑似餌20あるいは釣針10に食い付いた魚が、釣糸取付部14の近くで釣糸Lを噛み切ってしまう事故を防止することができる。釣糸Lを引き上げる際に、錘30を先頭にして釣針10および軟質疑似餌20が移動することになるので、水中の障害物を錘30で押し除けるようにしてスムーズに引き上げることができる。
図6に示す仕掛けは、前記図4の実施形態と錘30の配置構造は共通するが、釣針10の配置形態が異なる。
軟質疑似餌20の下端に釣り用錘30が配置されている。マス針などと呼ばれる比較的に小型の釣針10を軟質疑似餌20の側面から突き刺し、軟質疑似餌20の内部で、釣り用錘30の貫入部34に有する釣針係止部36に釣針10の先端を通している。釣針10の針先12は軟質疑似餌20に埋め込まれ、釣糸取付部14は軟質疑似餌20の側方に突き出されている。釣糸取付部14に釣糸Lが結び付けられる。
〔貫入部の変更例〕
図7は、さらに貫入部34および釣針係止部36の構造が異なる例を示す。ここでも、基本的な材料や構造は前記各実施形態と共通するので、相違点を主に説明する。図7では、房状体40の取付状態、錘本体32の詳しい構造および貫入部34の取付構造は図示を省略しているが、前記実施形態と共通する構造が採用される。
この場合、軟質疑似餌20の内部で釣針10を釣針係止部36に係止する際に、釣針10を釣針係止部36の空間に差し込む方法だけでなく、釣針10を釣針係止部36の開口から上向きに嵌め込むような方法も採用できる。軟質疑似餌20に対して、先に釣針10を配置しておき、軟質疑似餌20の先端に貫入部34を貫入して釣針10の位置を通過させたあと引き戻し、釣針係止部36を開口から釣針10に引っ掛けるようにして係止することもできる。
〔錘形状の変更例〕
図8は、さらに、錘本体32の形状が異なる例を示す。ここでも、基本的な材料や構造は前記各実施形態と共通するので、相違点を主に説明する。図8でも、房状体40の取付状態は図示を省略している。また、貫入部34については簡略して図示しているが、前記各実施形態の貫入部34と組み合わせることができる。
図8(b)では、水平方向に延びる棒状の錘本体32を採用している。水平方向の一端は斜め上向きに反っており、左右のバランスを崩している。このような錘本体32は、水中を沈下するときに、左右に揺れたり斜め方向に沈んで行ったりする複雑な動きをすることで、魚を誘引する効果を高める。錘本体32の外面は滑らかな曲面で構成されているので、水中での抵抗はそれほど大きくはならず、沈下はスムーズである。疑似餌仕掛けに魚が食い付いたときに、魚の口内で左右に張り出す錘本体32が引っ掛かって抜け出し難くなり、食い付いた魚に逃げられることが防止できる。
12 針先
14 釣糸取付部
20 軟質疑似餌
30 錘
32 錘本体
34 貫入部
36 釣針係止部
38 貫通孔
40 房状体
42 線材
L 釣糸
Claims (5)
- 釣り用仕掛けに用いられる錘であって、
高比重材料からなる錘本体と、
前記錘本体に一体化されてなり、多数の柔軟な線材が錘本体の外方に放射状に延びる房状体と、
前記錘本体を前記釣り用仕掛けに取り付ける取付部と、
を備える釣り用錘。 - 軟質擬似餌と釣針とを有する擬似餌仕掛けに用いられる錘であって、
前記錘本体は、軸方向の先端が先細り形状をなし、
前記房状体は、前記錘本体の先細り形状をなす先端とは反対の後端に配置され、
前記取付部は、前記房状体の中央で前記錘本体の後端から突出し前記軟質疑似餌に貫入される貫入部と、前記貫入部に配置され前記釣針が針先側から係止される釣針係止部とを有する、
請求項1に記載の釣り用錘。 - 前記錘本体が、銃弾状に成形されてなり、
前記貫入部が、前記錘本体の成形時に銃弾状に成形される錘本体の後端部分に一部が埋め込まれて一体化されてなる
請求項2に記載の釣り用錘。 - 軟質擬似餌と釣針と釣糸とを有する擬似餌仕掛けであって、
前記軟質疑似餌に突き刺して係止される釣針と、
前記軟質疑似餌に隣接して配置され、前記取付部で前記釣針または釣糸に取り付けられる請求項1〜3のいずれかに記載の釣り用錘と、
を備える擬似餌仕掛け。 - 前記釣針は、前記軟質疑似餌の長さ方向に沿う姿勢で軟質疑似餌に埋め込まれ、
前記釣針に有する釣糸取付部が、前記軟質疑似餌の端部から露出しており、
前記釣糸は、前記釣針の釣糸取付部に取り付けられてなり、
前記錘は、請求項2または3に記載の錘であって、前記房状体が前記軟質疑似餌の端部に配置され、前記貫入部が軟質疑似餌の端部に貫入され、前記釣針係止部が前記軟質疑似餌の内部で前記釣針に針先側から係止されている
請求項4に記載の疑似餌仕掛け。
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