JP7328509B2 - 構造体及び構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造体及び構造体の製造方法に関する。
近年、3次元積層造形装置いわゆる3Dプリンタが普及し、金属や無機物のみならず樹脂製の3次元積層構造体が広く実用化されている。樹脂用の3Dプリンタとしては、熱可塑性樹脂であるABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂やPLA(PolyLatic Acid:ポリ乳酸)樹脂をノズルから押し出す材料押出堆積法が普及している。その他にも粉末焼結積層造形、マテリアルジェッティング、光造形法などが知られている。
樹脂製の3次元積層構造体には、柔軟性が必要となる用途がある。例えば靴のインソール、マットレス、椅子用マット、医療用エピテーゼなどである。このような状況の中で、3次元積層造形方法を用いたゴム成形体が、特許文献1に提案されている。特許文献1では、ゴムを積層後に硬化させる工程をもち、平面を組合せた格子状の構造物が提示されている。
国際公開第2017/154335号
しかしながら、特許文献1で記述されているゴム組成物等、柔軟性を確保するために外部環境に開いた空隙を有する構造体など凹凸が大きい構造体では、その凹部に汚れが貯まりやすいという問題を有する。特に構造体が人体に接触する用途では清潔性の確保が必要であり、汚れが貯まりやすい問題の解決が強く求められる。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、樹脂製の3次元構造体において、表面に汚れを蓄積しづらい凹凸が小さい構造を有する構造体と構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、構造体であって、積層基材部と被覆部を備え、前記積層基材部は、複数の層が積層された構成であり、前記被覆部との境界面に開口した複数の孔を有し、前記被覆部は、前記積層基材部を被覆するように構成され、前記被覆部の本体から前記孔を介して前記積層基材部側に係入されたアンカー部を有し、前記アンカー部は、前記境界面における幅よりも、前記積層基材部内側でおいて大きな幅となる構成である、構造体が提供される。
本発明に係る構造体は、構造体の表面にアンカー部を有した被覆部を備えている。そのため、構造体全体としての表面を凹凸の少ない状態とすることが出来る。そのため、汚れが蓄積しづらいという有利な効果を奏する。
第1実施形態に係る構造体1を模式的に示す斜視図。 [図2A][図2B]線状樹脂をそれぞれの延在方向に走査して形成された第1線状構造体4及び第2線状構造体を模式的に示す平面図。[図2C]図2A及び図2Bに示した第1線状構造体4と第2線状構造体5を交互に重ねられて形成された積層基材部2の平面図。 第1実施形態に係る構造体1の積層基材部2の斜視図。 [図4A]第1実施形態に係る積層基材部2の部分平面図。[図4B]図4AにおけるA-A断面図。[図4C]図4Bの積層基材部2に被覆部3を形成した構造体1の断面図。 [図5A]第2実施形態に係る積層基材部2の部分断面図。[図4B]図4Aの積層基材部2に被覆部3を形成した構造体1の断面図。 第1実施形態から複数のアンカー部3aが積層基材部2内部でブリッジ3bを形成した状態の部分断面図。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
1.第1実施形態に係る構造体1の構成
第1章では、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る構造体1の構成について説明する。図1に示すように、構造体1は、積層基材部2と被覆部3とを備える。構造体1としては、医療分野(床ずれ防止マット、車椅子用マット、エピテーゼ、サポータ、シーネなど)、スポーツ用途(シューズ用インソールなど)などで用いられるものが挙げられる。軟性材料で形成された被覆部3を設けることによって使用感が高められている。構造体1は、被覆部3を生体(例:人体)に接触させて利用する用途に好適である。本実施形態では、構造体1がシューズのインソールである。
<積層基材部2>
積層基材部2は、後述する被覆部3と密着し構造体1を構成している。積層基材部2は複数の層が積層された構成であり、被覆部3との境界面に開口した複数の孔2h(図3参照)を有している。積層基材部2は、図2A~図2Cに示す様に、後述する第1線状構造体4と第2線状構造体5が交互に積層されて構成されている。
図2A及び図2Bに示すように、第1線状構造体4及び第2線状構造体5は、それぞれ第1線状樹脂4f及び第2線状樹脂5fによって形成されている。図2Aに示すように第1線状構造体4を構成する第1線状樹脂4fは第1方向D1に延びており、図2Bに示すように第2線状構造体5を構成する第2線状樹脂5fは第2方向D2に延びている。本実施形態では第1方向D1と第2方向D2とは直交しているが、第1方向D1と第2方向D2との角度は限定されない。また、第1線状構造体4及び第2線状構造体5には、それぞれ複数の第1溝4g及び第2溝5gが形成されている。第1溝4gは第1方向D1に延びており、第2溝5gは第2方向D2に平行に延びている。すなわち、第1線状構造体4では第1方向D1に並行である隣接する第1線状樹脂4fの直線要素の間は間隔があけられており、同様に第2線状構造体5では第2方向D2に並行である隣接する第2線状樹脂5fの直線要素の間も間隔があけられている。ここで、第1線状樹脂4fの太さと第1溝4gの大きさ、第2線状樹脂5fの太さと第2溝5gの大きさの関係は限定されないし、個々の第1線状構造体4及び第2線状構造体5の中で変化させても良い。
積層基材部2は複数の第1線状構造体4と複数の第2線状構造体5を有し、第1線状構造体4及び第2線状構造体5は交互に積層されている。このため、図3に示すように、積層基材部2は格子状に形成され、積層基材部2の表面には多数の孔2hが形成されている。このように積層基材部2を格子状の構造とすることにより、第1線状樹脂4f及び第2線状樹脂5fで空間全てが満たされて空隙が無い造形物よりも、柔軟で弾力性に富む構造体1を形成することが可能となる。
さらにシューズ用インソールや床ずれ防止マットなど柔軟性が強く要求される分野では、積層基材部2全体に空隙を具備するだけでなく、第1線状樹脂4f及び第2線状樹脂5fそのものに柔軟性が高いことが好ましい。具体的には、ショアA硬度が70以下であることが好ましい。具体的には例えば、具体的には例えば、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。材料としては3Dプリンタで扱えるものが好ましいが化学組成を限定するものではない。
<被覆部3>
被覆部3は、積層基材部2表面の少なくとも一部と密着し被覆する構成となっている。図1においては、積層基材部2上面に被覆部3を形成しているが、上下両面、もしくは側面を含む全面に被覆部3を形成する構成も可能である。
図4Aには積層基材部2の部分平面図、また図4Bには図4AにおけるA-A断面図を示す。本実施形態では3次元の格子構造となっているため、多数存在する孔2hは積層基材部2内部で接続され、3次元的に連続した空隙を形成している。
図4cには図4Bの積層基材部2に被覆部3を形成した構造体1の断面図を示す。被覆部3は図4c中において積層基材部2の上部に形成されている。被覆部3は被覆部3の本体から、積層基材部2表面が有する孔2hを介して、マクロ的に見た積層基材部2と被覆部3の境界面IFよりも積層基材部2内側まで入り込んでアンカー部3aを形成している。ここで、アンカー部3aの幅に着目すると、境界面IFにおけるアンカー部3aの幅w1よりも、積層基材部2内側におけるアンカー部3aの最大幅w2が大きい構成となっている。換言すると、被覆部3は、積層基材部2を被覆するように構成され、被覆部3本体から孔2hを介して積層基材部2側に係入されたアンカー部3aを有し、そのアンカー部3aは、境界面IFにおける幅w1よりも、積層基材部2内側でおいて大きな幅w2となる構成である。このような構成とすることでアンカー効果が発揮され、被覆部3が積層基材部2から剥がれることが無いという利点を有する。
図4cでは、被覆部3が形成された後の被覆部3の外側すなわち構造体1全体の表面SFには凹凸がなく、汚れが蓄積しづらい構造となっている。ここでは簡単のため、表面SFを完全な平面として図示しているが、曲面とした構成も可能である。さらに、表面SFに若干の凹凸が残っても、汚れの大きさに対して充分な平滑度が確保できれば汚れを蓄積させない効果を得ることは可能である。
本実施形態においては、被覆部3はアンカー部3aによって積層基材部2から剥がれない構成となっている。そのため、被覆部3を構成する材料は積層基材部2を構成する材料に対して接着性を有する必要が無い。被覆部3の材料を難接着性のものから選択することで、構造体1に求められる機能の選択肢を広げることが可能となる。
床ずれ防止マットなど医療分野向け用途やシューズ用インソールにおいては、使用時には人体の皮膚に接触する。ここで、例えばアクリル系やエポシキ系など一部の樹脂は接触皮膚炎(かぶれ)の原因となるし、天然ゴムに対してアレルギー(ラテックスアレルギー)症状を発する人もいる。したがって人体の皮膚に接触する被覆部3には、体組織に対する反応が少なく、また生理的にも不活性な材料が好ましく、具体的には例えばシリコン樹脂である。
2.構造体1の製造方法
第2章では、本実施形態に係る構造体1の製造方法について説明する。本実施形態の構造体1の製造方法は、積層基材部形成工程と、被覆部形成工程を備えている。以下、それぞれについて説明する。
<積層基材部2形成工程>
構造体1の製造方法は、特に限定されず、3Dプリンタ造形などの方法によって形成可能である。3Dプリンタ造形では、積層基材部2が個別に設定された形状になるように形成可能であるので、積層基材部2は3Dプリンタ造形によって形成することが好ましい。ここでは一般的な3Dプリンタ造形を行うこととして説明する。
3Dプリンタ造形では、ヘッドから熱可塑性を有する熱可塑性材料である溶融樹脂を押し出すことによって形成した線状樹脂(第1線状樹脂4f、第2線状樹脂5f)を、図2A及び図2Bに示すように、ノズルを2次元走査して線状構造体(第1線状構造体4、第2線状構造体5)を形成し、その第1線状構造体4と第2線状構造体5を積層することによって積層基材部2を形成することが可能である。ヘッドには、樹脂をフィラメントの形態で供給してもよく、ペレットの形態で供給してもよい。後者の場合、フィラメントの形状に形成しにくい軟性材料でも線状樹脂(第1線状樹脂4f、第2線状樹脂5f)にすることが出来る。
第1線状構造体4及び第2線状構造体5は、それぞれ第1線状樹脂4f及び第2線状樹脂5fを一筆書きになるように2次元走査して形成したものである。第1線状構造体4は、第1線状樹脂4fを主に横方向に走査して形成された線状構造体であり、第2線状構造体5は、第2線状樹脂5fを主に縦方向に走査して形成された線状構造体である。第1線状構造体4と第2線状構造体5を交互に積層すると、図2Cに示すように平面視で格子状となった積層基材部2が得られる。
図2A~図2Cに示すように、第1線状構造体4及び第2線状構造体5は、それぞれ平行に延びる複数の第1溝4gと第2溝5gを有する。第1溝4gは、第1線状構造体4を構成する第1線状樹脂4fが平行に延在することによって形成される。また第2溝5gは、第2線状構造体5を構成する第2線状樹脂5fが平行に延在することによって形成される。また、積層方向に互いに隣接する第1線状構造体4の第1溝4gと、第2線状構造体5の第2溝5gと交差する。本実施形態では、第1溝4gと第2溝5gは直交しているが、第1溝4gと第2溝5gが直角以外の角度で交わるようにしてもよい。また、図2A、図2Bでは第1線状樹脂4f及び第2線状樹脂5fは、それぞれ、第1方向D1と第2方向D2に対して直線状に延在しているが、曲線の形状とすることも可能である。図2A~図2Cに示したごとく、積層基材部2内部に空間がある状態で積層基材部2を形成すると、積層基材部2の柔軟性が向上する。
積層基材部2の物性は、第1線状構造体4及び第2線状構造体5の2次元形状や、第1線状樹脂4f及び第2線状樹脂5fの直径や密度(単位面積当たりの本数)を変更することによって適宜変更可能である。例えば、積層基材部2ついて、第1線状樹脂4f及び第2線状樹脂5fの直径を小さくしたり、第1線状樹脂4fや第2線状樹脂5fの密度を低くしたりすることによって、積層基材部2をより柔軟にすることが出来る。また、図2A~図2Bでは、第1線状樹脂4f及び第2線状樹脂5fの密度やパターンが第1線状構造体4及び第2線状構造体5の全体で均一であるが、部分的に密度やパターンを変更することによって積層基材部2の物性を変更することも可能である。例えば、床ずれ防止マットにおいて、腰の下に位置する部分と足の下に位置する部分で柔軟性を調整する、などである。このように積層基材部2を3Dプリンタ造形によって形成する場合、利用者のニーズに合わせて、積層基材部2の物性を適宜変更することが可能になる。
<被覆部3形成工程>
積層基材部2の形成工程が完了した後に被覆部3を形成する。ここでは、被覆部3の材料として硬化剤を用いたシリコン樹脂を使用するものとする。ここで、材料や効果方法は限定されないが、本形成工程の過程に高温の処理が含まれると、熱可塑性を有する積層基材部2が変形・溶融するという問題が発生する。そのため、被覆部3には熱可塑性を有しない非熱可塑性材料を用いることが望ましい。非熱可塑性材料であればシリコン樹脂以外の材料を用いることも可能である。例えば、紫外線で硬化するUVレジンを用いることなどである。
硬化後にシリコン樹脂となる主剤と硬化剤を混合した液体状である非熱可塑性材料を、積層基材部2の少なくとも一部の表面に、含浸又は塗布を実行する。塗布手段はスプレーや刷毛などの他、3Dプリンタの様にノズルから押し出しながら積層基材部2に塗布するなど任意の手段を選択することが出来る。
この液体状である非熱可塑性材料の粘度を調整することで、被覆部3全体の厚さ、積層基材部2の内側に入り込む深さ、さらには硬化後の被覆部3外側の表面SFの凹凸程度を制御することが出来る。積層基材部2の孔2hの大きさに従い、例えば孔2hが大きい場合は非熱可塑性材料の粘度を高くし、孔2hが小さい場合には非熱可塑性材料の粘度を小さく調整すれば、積層基材部2内側に適度に入り込み、かつ被覆部3の表面SFの凹凸を充分小さくすることが可能である。液状である非熱可塑性材料の粘度調整は任意の方法が可能である。例えば、主剤と硬化剤を混合するタイプのシリコン樹脂の場合では、材料の選定や混合後に含浸又は塗布を実行するまでの時間管理で非熱可塑性材料の粘度を調整すれば良い。
3.第2実施形態に係る構造体1の構成
第3章では、本発明の第2実施形態に係る構造体1の構成について説明する。図5Aに第2実施形態に係る積層基材部2の部分断面図を示す。この積層基材部2は、層ブロック2bを複数積み重ねた構成となっている。1つの層ブロック2bは、内部的に複数の線状樹脂を積み重ねた構成となっている。3Dプリンタを用いた形成工程を用いた製造方法を用いれば、線状樹脂の直径に応じた精度で任意の形状の積層基材部2を形成することが出来る。
図5Aに示した積層基材部2では、層ブロック2bの積層方向に垂直な方向の端部に階段状の段差が形成されている。その段差上に孔2hが形成されている。孔2hは、被覆部3形成時にマクロで見た被覆部3と積層基材部2の境界面位置となる開口部2hiと、奥部に広がった空間部2hsを有している。孔2hを奥に広まった形状とすることで、後述するアンカー部3aを形成することが可能となる。しかしながら被覆部3の材料が伸縮性をもつ場合、構造体1製造後に被覆部3を剥がれない様にするにはある程度大きなアンカー効果が必要である。それを実現するには、開口部2hiすなわち境界面における断面積をAi、空間部2hsである積層基材部内側における前記孔の最大断面積をAmaxと定義すると、Amax/Ai>1.2を満たすことである。好ましくはAmax/Ai>1.5であり、さらに好ましくはAmax/Ai>2.0である。
図5Aに示した積層基材部2上に被覆部3を形成した状態を図5Bに示す。被覆部3の形成方法は上述した被覆部形成工程がそのまま利用できる。液状である非熱可塑性材料を含浸又は塗布した後、硬化させることで、アンカー部3aが積層基材部2の孔2hに係入された形状で形成される。このとき、孔2hの開口部2hiのアンカー部3aの幅w3よりも、孔2hの奥空間におけるアンカー部3aの幅w4が大きくなっている。このアンカー部3aの幅w4は、アンカー部3aが抜けない程度に充分大きな値が確保できる状態であれば、孔2hの空間部2hsの内側面とアンカー部3aの間に隙間が出来ていても差し支えない。
図5A及び図5Bで示したように階段状など端面に凹凸がある積層基材部2に被覆部3を形成する場合では、積層基材部2の凹凸程度の大小に基づいて、被覆部3形成時の非熱可塑性材料の粘度を調整することにより、被覆部3全体の厚さや表面の凹凸具合を調整することが可能である。
4.変形例
図6に第1の実施形態(図4A~図4C参照)の状態から、複数のアンカー部3aが積層基材部2内部で大きく拡がって連結し、ブリッジ部3bを形成した状態の部分断面図を示す。被覆部3は本体とブリッジ部3bで第2線状樹脂5fを取り囲む構成となっており、ブリッジ部3bが破断しない限り、被覆部3が積層基材部2から剥離することが無いという利点を有する。この様な構成は被覆部形成工程時において、液体状である非熱可塑性材料の粘度を小さく調整し、積層基材部2の片面側を含浸させるなどの方法をとることで実現可能である。
5.結言
以上のように、本実施形態によれば、樹脂製の3次元構造体において、表面に汚れを蓄積しづらい凹凸が小さい構造を有する構造体1を実施することが出来る。
かかる構造体1は、積層基材部2と被覆部3を備え、前記積層基材部2は、複数の層が積層された構成であり、前記被覆部3との境界面IFに開口した複数の孔2hを有し、前記被覆部3は、前記積層基材部2を被覆するように構成され、前記被覆部3本体から前記孔2hを介して前記積層基材部2側に係入されたアンカー部3aを有し、前記アンカー部3aは、前記境界面IFにおける幅w1よりも、前記積層基材部2内側でおいて大きな幅w2となる構成である。
また、また、構造体1において、造形時の形状自由度が高く、被覆部3の厚さや表面SFの凹凸程度を調整可能な構造体1の製造方法を実施することが出来る。
かかる製造方法は、構造体1の製造方法であって、積層基材部2形成工程と、被覆部3形成工程を備え、前記積層基材部2形成工程では、熱可塑性を有する熱可塑性材料を3Dプリンタで積層させて前記構造体1における積層基材部2を形成し、前記被覆部3形成工程では、前記積層基材部2の少なくとも一部の表面に、熱可塑性を有しない非熱可塑性材料を含浸又は塗布し、続いて、前記非熱可塑性材料を硬化させて前記構造体1における被覆部3を形成する。
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 :構造体
2 :積層基材部
2b :層ブロック
2h :孔
2hi :開口部
2hs :空間部
3 :被覆部
3a :アンカー部
3b :ブリッジ部
4 :第1線状構造体
4f :第1線状樹脂
4g :第1溝
5 :第2線状構造体
5f :第2線状樹脂
5g :第2溝
IF :境界面
SF :表面
D1 :第1方向
D2 :第2方向

Claims (8)

  1. 構造体であって、
    積層基材部と被覆部を備え、
    前記積層基材部は、
    複数の層が積層された構成であり、
    前記被覆部との境界面に開口した複数の孔を有し、
    前記被覆部は、
    前記積層基材部を被覆するように構成され、
    前記被覆部の本体から前記孔を介して前記積層基材部側に係入されたアンカー部を有し、
    前記アンカー部は、前記境界面における幅よりも、前記積層基材部内側でおいて大きな幅となる構成であり、
    前記積層基材部は、空隙を備え、
    前記空隙は、複数の前記孔に連なり、且つ前記積層基材部の内部で接続されている、
    構造体。
  2. 請求項1に記載の構造体において、
    前記層は、複数の線状樹脂成形体からなり、
    記樹成形体は、ショアA硬度が70以下である樹脂で構成される
    構造体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の構造体において、
    前記被覆部の材料がシリコン樹脂である、
    構造体。
  4. 構造体であって、
    積層基材部と被覆部を備え、
    前記積層基材部は、
    複数の層が積層された構成であり、
    前記被覆部との境界面に開口した複数の孔を有し、
    前記被覆部は、
    前記積層基材部を被覆するように構成され、
    前記被覆部の本体から前記孔を介して前記積層基材部側に係入されたアンカー部を有し、
    前記アンカー部は、前記境界面における幅よりも、前記積層基材部内側でおいて大きな幅となる構成であり、
    前記層は、複数の線状樹脂成形体からなり、
    記樹成形体は、ショアA硬度が70以下である樹脂で構成される
    構造体。
  5. 請求項4に記載の構造体において、
    前記被覆部の材料がシリコン樹脂である、
    構造体。
  6. 構造体であって、
    積層基材部と被覆部を備え、
    前記積層基材部は、
    複数の層が積層された構成であり、
    前記被覆部との境界面に開口した複数の孔を有し、
    前記被覆部は、
    前記積層基材部を被覆するように構成され、
    前記被覆部の本体から前記孔を介して前記積層基材部側に係入されたアンカー部を有し、
    前記アンカー部は、前記境界面における幅よりも、前記積層基材部内側でおいて大きな幅となる構成であり、
    前記被覆部の材料がシリコン樹脂である、
    構造体。
  7. 構造体の製造方法であって、
    積層基材部形成工程と、被覆部形成工程を備え、
    前記積層基材部形成工程では、熱可塑性を有する熱可塑性材料を3Dプリンタで積層させて前記構造体における積層基材部を形成し、
    前記被覆部形成工程では、
    前記積層基材部の少なくとも一部の表面に、熱可塑性を有しない非熱可塑性材料を含浸又は塗布し、
    続いて、前記非熱可塑性材料を硬化させて前記構造体における被覆部を形成し、
    前記積層基材部は、前記被覆部との境界面に開口した複数の孔を有し、
    前記被覆部は、前記被覆部の本体から前記孔を介して前記積層基材部側に係入されたアンカー部を有し、
    前記アンカー部は、前記境界面における幅よりも、前記積層基材部内側でおいて大きな幅となる構成である
    製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法において、
    前記積層基材部は、端面に凹凸を有し、
    前記被覆部形成工程では、前記凹凸の大小に基づいて前記非熱可塑性材料の粘度を調整する、
    製造方法。
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Citations (4)

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